JP2014135289A - 電池用セパレータ - Google Patents

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Abstract

【課題】耐酸化性にすぐれるセパレータを備えた非水電解液電池を提供する。
【解決手段】本発明によれば、分子中に複数のカチオン重合性官能基を有し、架橋構造を有すると共に、有機化した膨潤性合成雲母粒子を含む反応性ポリマー層を多孔質フィルム上に担持させてなる電池用セパレータとこの電池用セパレータに積層した電極とからなる電極/セパレータ積層体を電池容器内においてカチオン重合性触媒と電解質塩を有機溶媒に溶解してなる電解液と接触させて、上記反応性ポリマーをカチオン重合させて得られる電極/セパレータ接合体を備えた非水電解液電池であって、上記有機化した膨潤性合成雲母粒子が上記有機溶媒中にて膨潤している非水電解液電池が提供される。
【選択図】なし

Description

本発明は電池用セパレータに関し、詳しくは、電極に強固に接着すると共に、耐酸化性にすぐれる電池を与える電池用セパレータを提供することを目的とする。
近年、携帯電話やノート型パーソナルコンピュータ等の小型の携帯電子機器のための電源として、高エネルギー密度を有するリチウムイオン二次電池が広く用いられている。このようなリチウムイオン二次電池は、シート状の正、負極と、例えば、ポリオレフィン樹脂多孔質フィルムとを積層し、又は捲回して、例えば、金属缶からなる電池容器に仕込んだ後、この電池容器に電解液を注入し、密封、封口するという工程を経て製造される。
しかし、近年、上記のような小型乃至携帯電子機器の一層の小型化と軽量化への要望が非常に強く、そこで、リチウムイオン二次電池についても、更なる薄型化と軽量化が求められており、従来の金属缶容器に代えて、ラミネートフィルム型の電池容器も用いられるようになっている。
このようなラミネートフィルム型の電池容器によれば、従来の金属缶容器に比べて、セパレータと電極の電気的接続を維持するための面圧を電極面に十分に加えることができないので、電池の充放電時の電極活物質の膨張収縮によって、電極間距離が経時により部分的に大きくなり、電池の内部抵抗が増大して、電池特性が低下するほか、電池内部で抵抗のばらつきが生じることによっても、電池特性が低下するという問題が生じる。
また、大面積のシート状電池を製造する場合には、電極間距離を一定に保つことができず、電池内部の抵抗のばらつきによって、電池特性が十分に得られないという問題もあった。
そこで、このような問題点を解決するために、多官能性ビニルモノマーと単官能性ビニルモノマーを含有する接着剤を用いて電極をセパレータに接着することが提案されている(特許文献1参照)。このように、電極をセパレータに接着すれば、電池容器からの圧力によらずに、電極間距離を一定に保つことができる。しかし、上述したような接着剤は耐酸化還元性が低く、高電圧出力を有するリチウム電池に用いるときは、接着剤が電極との接触によって、酸化又は還元反応を起こし、接着剤が分解して、接着力が低下するばかりでなく、分解物が電池内で副反応を起こして、電池特性の大幅な低下を招く。
また、非水電池において、電極とセパレータをアルミナのような無機フィラーを含有する多孔質樹脂層を接着剤として接着させることも提案されているが(特許文献2参照)、アルミナは、イオン伝導性をもたず、また、非水電池用の電解液に膨潤しないので、多孔質樹脂層はその分、イオン伝導性が損なわれて、電池特性の低下を招くという問題を有している。
特開平10−302843号公報 国際公開第01/95421号パンフレット
本発明は、セパレータに電極を接着してなる電池の製造における上述した問題を解決するためになされたものであって、電極に強固に接着すると共に、耐酸化性にすぐれる電池を与える電池用セパレータを提供することを目的とする。
本発明によれば、分子中に複数のカチオン重合性官能基を有すると共に架橋構造を有し、更に、有機化した膨潤性合成雲母粒子を含む反応性ポリマーの層を多孔質フィルム上に担持させてなる電池用セパレータが提供される。以下、有機化した膨潤性合成雲母を単に有機化膨潤性合成雲母ということがある。
更に、本発明によれば、上記電池用セパレータに電極を積層して、電極/セパレータ積層体とし、これを電池容器内に仕込んだ後、カチオン重合性触媒を含む電解液を上記電池容器内に注入し、上記電極/セパレータ積層体の有する反応性ポリマーを上記電解液と接触させて、上記反応性ポリマーをカチオン重合させることによって得られる電極/セパレータ接合体が提供される。
本発明による電池用セパレータは、分子中に複数のカチオン重合性官能基を有すると共に架橋構造を有し、更に、有機化膨潤性合成雲母粒子を含む反応性ポリマーの層を多孔質フィルム上に担持させてなるものであり、その間の接着にすぐれる電極/セパレータ接合体を与えると共に、そのような電池用セパレータを用いることによって、上述したような電極/セパレータ接合体を備えた電池を得ることができる。
本発明による電池用セパレータは、分子中に複数のカチオン重合性官能基を有すると共に架橋構造を有し、更に、有機化した膨潤性合成雲母粒子を含む反応性ポリマーの層を多孔質フィルム上に担持させてなるものである。
(基材多孔質フィルム)
本発明において、基材多孔質フィルムは、膜厚3〜50μmの範囲のものが好ましく用いられる。多孔質フィルムの厚みが3μmよりも薄いときは、強度が不十分であって、電池においてセパレータとして用いるとき、電極が内部短絡を起こすおそれがある。他方、多孔質フィルムの厚みが50μmを越えるときは、そのような多孔質フィルムをセパレータとする電池は電極間距離が大きすぎて、電池の内部抵抗が過大となる。
また、基材多孔質フィルムは、平均孔径0.01〜5μmの細孔を有し、空孔率が20〜95%%の範囲のものが用いられ、好ましくは、30〜90%、最も好ましくは、40〜85%の範囲のものが用いられる。空孔率が余りに低いときは、電池のセパレータとして用いた場合に、イオン伝導経路が少なくなり、十分な電池特性を得ることができない。他方、空孔率が余りに高いときは、電池のセパレータとして用いた場合に、強度が不十分であり、所要の強度を得るためには、基材多孔質フィルムとして厚いものを用いざるを得ず、そうすれば、電池の内部抵抗が高くなるので好ましくない。
更に、基材多孔質フィルムは、1500秒/100cc以下、好ましくは、1000秒/100cc以下の通気度を有するものが用いられる。通気度が高すぎるときは、電池のセパレータとして用いた場合に、イオン伝導性が低く、十分な電池特性を得ることができない。
また、基材多孔質フィルムの強度は、突刺し強度が1N以上であることが好ましい。突刺し強度が1Nよりも小さいときは、電極間に面圧がかかった際に基材が破断し、内部短絡を引き起こすおそれがあるからである。
本発明によれば、基材多孔質フィルムは、上述したような特性を有すれば、特に、限定されるものではないが、耐溶剤性や耐酸化還元性を考慮すれば、ポリエチレン、ポリプロピレン等のポリオレフィン樹脂からなる多孔質フィルムが好適である。しかし、なかでも、加熱されたとき、樹脂が溶融して、細孔が閉塞する性質を有し、その結果、電池に所謂シャットダウン機能を有せしめることができるところから、基材多孔質フィルムとしては、ポリエチレン樹脂フィルムが特に好適である。ここに、ポリエチレン樹脂には、エチレンのホモポリマーのみならず、プロピレン、ブテン、ヘキセン等のα−オレフィンとエチレンとのコポリマーを含むものとする。
また、本発明によれば、ポリテトラフルオロエチレンやポリイミド等の多孔質フィルムと上記ポリオレフィン樹脂多孔質フィルムとの積層フィルムも、耐熱性にすぐれるところから、基材多孔質フィルムとして、好適に用いられる。
(架橋性ポリマー)
本発明によれば、反応性ポリマーの有するカチオン重合性官能基は、好ましくは、3−オキセタニル基とエポキシ基から選ばれる少なくとも1種である。分子中に複数のカチオン重合性官能基を有すると共に架橋構造を有する反応性ポリマーは、種々の方法によって得ることができる。例えば、上記カチオン重合性官能基が酸無水物基を含むカルボキシル基と反応することを利用して、反応性ポリマーを得ることができる。即ち、先ず、分子中に複数の上記カチオン重合性官能基を有する架橋性ポリマーを調製し、この架橋性ポリマーに上記カチオン重合性官能基の一部を反応させるために必要な量の架橋剤、好ましくは、モノカルボン酸、ポリカルボン酸及び酸無水物から選ばれる少なくとも1種を反応させて、カチオン重合性官能基の一部を反応させ、架橋させることによって、分子中に複数のカチオン重合性官能基を有すると共に架橋構造を有する反応性ポリマーを得ることができる。以下、この方法を分子中にカチオン重合性官能基を有すると共に架橋構造を有する反応性ポリマーを得るための第1の方法ということがある。
別の方法として、上記カチオン重合性官能基と共に、例えば、イソシアネート基と反応し得る水酸基やカルボキシル基等のような活性水素を有するイソシアネート反応性基を複数、分子中に有する架橋性ポリマーを調製し、このような架橋性ポリマーの上記イソシアネート反応性基を架橋剤としての多官能イソシアネートと反応させて、架橋性ポリマーを架橋させることによっても、分子中に複数のカチオン重合性官能基を有すると共に架橋構造を有する反応性ポリマーを得ることができる。以下、この方法を分子中にカチオン重合性官能基を有すると共に架橋構造を有する反応性ポリマーを得るための第2の方法ということがある。
分子中に3−オキセタニル基とエポキシ基から選ばれる少なくとも1種のカチオン重合性官能基を複数有する架橋性ポリマーは、好ましくは、3−オキセタニル基を有するラジカル重合性モノマー(3−オキセタニル基含有ラジカル重合性モノマー)と、エポキシ基を有するラジカル重合性モノマー(エポキシ基含有ラジカル重合性モノマー)と、他のラジカル重合性モノマーとのラジカル共重合か、又は3−オキセタニル基含有ラジカル重合性モノマーとエポキシ基含有ラジカル重合性モノマーのいずれかと、他のラジカル重合性モノマーとのラジカル共重合によって得ることができる。
このように分子中に3−オキセタニル基やエポキシ基を有するポリマーは、例えば、特開2002−110245号公報や特開2001−176555号公報に記載されているように、既に、知られている。
特に、本発明によれば、3−オキセタニル基含有ラジカル重合性モノマーとして、好ましくは、一般式(I)
Figure 2014135289
(式中、R1 は水素原子又はメチル基を示し、R2 は水素原子又は炭素原子数1〜6のアルキル基を示す。)
で表される3−オキセタニル基含有(メタ)アクリレートが用いられる。
このような3−オキセタニル基含有(メタ)アクリレートの具体例として、例えば、3−オキセタニルメチル(メタ)アクリレート、3−メチル−3−オキセタニルメチル(メタ)アクリレート、3−エチル−3−オキセタニルメチル(メタ)アクリレート、3−ブチル−3−オキセタニルメチル(メタ)アクリレート、3−へキシル−3−オキセタニルメチル(メタ)アクリレート等を挙げることができる。これらの(メタ)アクリレートは単独で用いられ、又は2種以上が併用される。
また、本発明によれば、エポキシ基含有ラジカル重合性モノマーとして、好ましくは、一般式(II)
Figure 2014135289
(式中、R3 は水素原子又はメチル基を示し、R4 は式(1)
Figure 2014135289
又は式(2)
Figure 2014135289
で表されるエポキシ基含有基を示す。)
で表されるエポキシ基含有(メタ)アクリレートが用いられる。
このようなエポキシ基含有(メタ)アクリレートの具体例としては、例えば、具体的には、3,4−エポキシシクロヘキシルメチル(メタ)アクリレート、グリシジル(メタ)アクリレート等を挙げることができる。これらの(メタ)アクリレートは単独で用いられ、又は2種以上が併用される。
このような3−オキセタニル基含有ラジカル重合性モノマーやエポキシ基含有ラジカル重合性モノマーと共重合させる前記他のラジカル重合性モノマーは、好ましくは、一般式(III)
Figure 2014135289
(式中、R5 は水素原子又はメチル基を示し、Aは炭素原子数2又は3のオキシアルキレン基(好ましくは、オキシエチレン基又はオキシプロピレン基)を示し、R6 は炭素原子数1〜6のアルキル基又は炭素原子数1〜6のフッ化アルキル基を示し、nは0〜12の整数を示す。)
で表される(メタ)アクリレートと一般式(IV)
Figure 2014135289
(式中、R7 はメチル基又はエチル基を示し、R8 は水素原子又はメチル基を示す。)
で表されるビニルエステルから選ばれる少なくとも1種である。
上記一般式(III) で表される(メタ)アクリレートの具体例として、例えば、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、プロピル(メタ)アクリレート、ブチル(メタ)アクリレート、2,2,2−トリフルオロエチル(メタ)アクリレート、2,2,3,3−テトラフルオロプロピル(メタ)アクリレート等を挙げることができる。
これら以外にも、例えば、
Figure 2014135289
等を挙げることができる。式中、R5 は水素原子又はメチル基を示し、nは0〜12の整数である。
また、上記一般式(IV)で表されるビニルエステルの具体例として、例えば、酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル等を挙げることができる。
本発明によれば、上述したように、第1の方法によって反応性ポリマーを得るときは、架橋性ポリマーをその一部のカチオン重合性官能基によって架橋剤と反応させ、一部、架橋させてなる反応性ポリマーとし、これを基材多孔質フィルムに担持させて、反応性ポリマー担持多孔質フィルムとし、これに電極を積層して、電極/反応性ポリマー担持多孔質フィルム積層体とし、これをカチオン重合触媒を含む電解液、好ましくは、カチオン重合触媒を兼ねる電解質を含む電解液中に浸漬し、上記電極/反応性ポリマー担持多孔質フィルム積層体の有する反応性ポリマーを上記電解液と接触させて、反応性ポリマーの一部を電解液中で膨潤させ、又は電解液中に溶出、拡散させて、カチオン重合によって架橋させ、多孔質フィルムと電極との界面の近傍で電解液をゲル化させることによって、電極と多孔質フィルムを接着させることができる。
そこで、本発明によれば、3−オキセタニル基及び/又はエポキシ基を含有する架橋性ポリマーを得る際に、3−オキセタニル基含有ラジカル重合性モノマー及び/又はエポキシ基含有ラジカル重合性モノマーは、その合計量が全モノマー量の5〜50重量%、好ましくは、10〜30重量%の範囲となるように用いられる。従って、3−オキセタニル基を含有する架橋性ポリマーを得る場合であれば、3−オキセタニル基含有ラジカル重合性モノマーは、全モノマー量の5〜50重量%、好ましくは、10〜30重量%の範囲で用いられ、同様に、エポキシ基を含有する架橋性ポリマーを得る場合であれば、エポキシ基含有ラジカル重合性モノマーは、全モノマー量の5〜50重量%、好ましくは、10〜30重量%の範囲で用いられる。
また、3−オキセタニル基含有ラジカル重合性モノマーとエポキシ基含有ラジカル重合性モノマーを併用し、これらを他のラジカル重合性モノマーと共重合させて、3−オキセタニル基とエポキシ基とを有する架橋性ポリマーを得る場合には、3−オキセタニル基含有ラジカル重合性モノマーとエポキシ基含有ラジカル重合性モノマーの合計量のうち、エポキシ基含有ラジカル重合性モノマーの割合が90重量%以下であるように用いられる。
3−オキセタニル基含有架橋性ポリマーやエポキシ基含有架橋性ポリマーを得る際に、3−オキセタニル基含有ラジカル重合性モノマーとエポキシ基含有ラジカル重合性モノマーの合計量が全モノマー量の5重量%よりも少ないときは、上述したように、電解液のゲル化に要する反応性ポリマー量の増大を招くので、得られる電池の性能が低下する。他方、50重量%よりも多いときは、形成されたゲルの電解液の保持性が低下して、得られる電池における電極/セパレータ間の接着性が低下する。
次に、前記カチオン重合性官能基と共に、イソシアネート基と反応し得る水酸基やカルボキシル基等のような活性水素を有するイソシアネート反応性基の複数を分子中に有する架橋性ポリマーは、好ましくは、イソシアネート反応性基を有するラジカル重合性モノマー(イソシアネート反応性基含有ラジカル重合性モノマー)と、3−オキセタニル基を有するラジカル重合性モノマー(3−オキセタニル基含有ラジカル重合性モノマー)とエポキシ基を有するラジカル重合性モノマー(エポキシ基含有ラジカル重合性モノマー)とから選ばれる少なくとも1種のラジカル重合性モノマーと、他のラジカル重合性モノマーとのラジカル共重合体によって得ることができる。
上記イソシアネート反応性基含有ラジカル重合性モノマーとしては、例えば、(メタ)アクリル酸、イタコン酸、マレイン酸等のようなカルボキシル基含有ラジカル共重合性モノマー、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシヘキシル(メタ)アクリレート等のようなヒドロキシル基含有ラジカル共重合性モノマー、特に、ヒドロキシルアルキル(メタ)アクリレートを挙げることができる。尚、本発明において、(メタ)アクリレートとは、アクリレート又は(メタ)アクリレートを意味する。
本発明によれば、このように、イソシアネート反応性基と共にカチオン重合性官能基を有する架橋性ポリマーを得る際に、上記イソシアネート反応性基含有ラジカル重合性モノマーは、全モノマー量の0.1〜10重量%、好ましくは、0.5〜5重量%の範囲となるように用いられる。上記イソシアネート反応性基含有ラジカル重合性モノマーが全モノマー量の10重量%よりも多いときは、得られる架橋性ポリマーに多官能イソシアネートを反応させて、架橋性ポリマーを架橋させたときに、架橋密度が大きく、生成する反応性ポリマーが緻密となって、電極を反応性ポリマー担持多孔質フィルムに接合させて、電極/セパレータ接合体とする際に、反応性ポリマーが電解液中で十分に膨潤し難くなるので、特性にすぐれた電池を得ることができない。しかし、反対に、上記イソシアネート反応性基含有ラジカル重合性モノマーが全モノマー量の0.1重量%よりも少ないときは、架橋性ポリマーを架橋させた反応性ポリマーの電解液中への溶出、拡散が十分に抑制されず、反応性ポリマーの多くが電解液中に溶出、拡散するので、反応性ポリマー担持多孔質フィルムと電極との間に十分な接着を得ることができず、同様に、特性にすぐれた電池を得ることができない。
本発明によれば、前記第2の方法によって反応性ポリマーを得るときは、上述したような架橋性ポリマーを多官能イソシアネートと反応させ、架橋させて、反応性ポリマーとし、これを基材多孔質フィルムに担持させて、反応性ポリマー担持多孔質フィルムとし、次いで、これに電極を積層して、電極/多孔質フィルム積層体とし、これをカチオン重合触媒を含む電解液、好ましくは、カチオン重合触媒を兼ねる電解質を含む電解液中に浸漬して、前記多孔質フィルムに担持させた反応性ポリマーを上記電解液と接触させ、その少なくとも一部を電解液中で膨潤させ、又は電解液中に溶出、拡散させて、カチオン重合によって架橋させ、反応性ポリマー担持多孔質フィルムと電極との界面の近傍で電解液をゲル化させることによって、電極と多孔質フィルムを接着させることができる。
従って、本発明によれば、イソシアネート反応性基と共に3−オキセタニル基及び/又はエポキシ基を含有する架橋性ポリマーを得る際においても、3−オキセタニル基含有ラジカル重合性モノマー及び/又はエポキシ基含有ラジカル重合性モノマーは、前述した量にて用いられる。
必要に応じて、イソシアネート反応性基と共に、3−オキセタニル基及び/又はエポキシ基を分子中にそれぞれ複数有する架橋性ポリマーは、上述したように、好ましくは、必要に応じて、イソシアネート反応性基含有モノマーと、3−オキセタニル基及び/又はエポキシ含有ラジカル重合性モノマーと、他のラジカル重合性モノマーとをラジカル重合開始剤を用いてラジカル共重合させることによって、ラジカル共重合体として得ることができる。このラジカル共重合は、溶液重合、塊状重合、懸濁重合、乳化重合等、いずれの重合法によってもよいが、重合の容易さ、分子量の調整、後処理等の点から溶液重合や懸濁重合によるのが好ましい。
上記ラジカル重合開始剤は、特に、限定されるものではないが、例えば、N,N’−アゾビスイソブチロニトリル、ジメチルN,N’−アゾビス(2−メチルプロピオネート)、ベンゾイルパーオキサイド、ラウロイルパーオキサイド等が用いられる。また、このラジカル共重合において、必要に応じて、メルカプタン等のような分子量調整剤を用いることができる。
本発明において、架橋性ポリマーは、その重量平均分子量が10000以上であることが好ましい。架橋性ポリマーの重量平均分子量が10000よりも小さいときは、そのカチオン重合によって電解液をゲル化するために、これより得られる反応性ポリマーを多量に必要とするので、得られる電池の特性を低下させる。他方、架橋性ポリマーの重量平均分子量の上限は、特に制限されるものではないが、これより得られる反応性ポリマーがカチオン重合によって電解液をゲルとして保持し得るように、300万程度であり、好ましくは、250万程度である。特に、本発明によれば、架橋性ポリマーは、重量平均分子量が100000〜2000000の範囲にあるのが好ましい。
(反応性ポリマー)
前述したように、3−オキセタニル基やエポキシ基はカルボキシル基や酸無水物基と反応し得ると共に、カチオン重合し得ることは既に知られている。そこで、本発明によれば、前記第1の方法によって、反応性ポリマーを得るときは、反応性ポリマーの有するカチオン重合性官能基である3−オキセタニル基とエポキシ基のこのような反応性を利用して、それらカチオン重合性官能基を有する架橋性ポリマーを、そのカチオン重合性官能基の一部を利用して、架橋剤であるカルボン酸や酸無水物と反応させ、一部、架橋させて、反応性ポリマーとし、これを基材多孔質フィルムに担持させ、反応性ポリマー担持多孔質フィルムとし、かくして、本発明による電池用セパレータを得ることができる。
本発明によれば、このようにして、架橋性ポリマーを一部、架橋させて得られる反応性ポリマーは、5〜80%の範囲のゲル分率を有することが望ましい。ここに、上記ゲル分率とは、後述するように、反応性ポリマーを担持させた多孔質フィルムを酢酸エチルに23℃で7日間浸漬し、次いで、乾燥させた後に多孔質フィルム上に残存する反応性ポリマーの割合をいう。
反応性ポリマーのゲル分率が5%よりも少ないときは、このような反応性ポリマーを担持させた多孔質フィルムに電極を圧着して、電極/多孔質フィルム積層体とし、これを電解液に浸漬したとき、反応性ポリマーの多くが電解液中に溶出、拡散して、反応性ポリマーを更にカチオン重合させ、架橋させても、電極と多孔質フィルムとの間に有効な接着を得ることができない。他方、反応性ポリマーのゲル分率が80%よりも多いときは、電極/多孔質フィルム積層体とし、これを電解液に浸漬したとき、反応性ポリマーの膨潤性が低く、得られる電極/多孔質フィルム接合体を有する電池が高い内部抵抗を有することとなり、電池特性に好ましくない。特に、本発明によれば、反応性ポリマーのゲル分率は、好ましくは、10〜60%の範囲であり、最も好ましくは、10〜50%の範囲である。
このように、分子中にカチオン重合性官能基を有する架橋性ポリマーをモノ又はポリカルボン酸と反応させ、一部、架橋させて、5〜80%の範囲のゲル分率を有する反応性ポリマーを得るには、限定されるものではないが、通常、架橋性ポリマーの有するカチオン重合性官能基1モル部に対して、モノ又はポリカルボン酸の有するカルボキシル基が0.01〜1.0モル部、好ましくは、0.05〜1.0モル部となるように用いると共に、架橋性ポリマーとモノ又はポリカルボン酸との加熱反応条件を調節すればよく、このようにして、所望のゲル分率を有する反応性ポリマーを得ることができる。
一例として、架橋性ポリマーの有するカチオン重合性官能基1モル部に対して、モノ又はポリカルボン酸の有するカルボキシル基が0.5〜1.0モル部となるように用いると共に、架橋性ポリマーとモノ又はポリカルボン酸とを50℃で10〜500時間、通常、12〜250時間加熱反応させることによって、ゲル分率5〜80%の反応性ポリマーを得ることができる。
他方、架橋性ポリマーを酸無水物と反応させ、一部、架橋させて、5〜80%の範囲のゲル分率を有する反応性ポリマーを得るには、限定されるものではないが、通常、架橋性ポリマーの有するカチオン重合性官能基1モル部に対して、酸無水物の有する酸無水物基が0.005〜0.5モル部、好ましくは、0.01〜0.4モル部となるように用いると共に、架橋性ポリマーと酸無水物との加熱反応条件を調節すればよい。
一例として、架橋性ポリマーの有するカチオン重合性官能基1モル部に対して、酸無水物の有する酸無水物基が0.25〜0.1モル部となるように用いると共に、架橋性ポリマーと酸無水物とを50℃で10〜500時間加熱反応させることによって、ゲル分率5〜80%の反応性ポリマーを得ることができる。
本発明において、モノカルボン酸は、分子中に1個のカルボキシル基を有する有機酸であり、特に、限定されることなく、どのようなモノカルボン酸でも用いることができる。このようなモルカルボン酸として、例えば、脂肪族モノカルボン酸、芳香族モノカルボン酸、脂環式モノカルボン酸等を挙げることができる。このようなモノカルボン酸は、飽和化合物でも、不飽和化合物でもよく、また、分子中に不活性な置換基、例えば、アルキル基、ヒドロキシ基、アルコキシ基、アミノ基、ニトロ基等を有していてもよい。
従って、モノカルボン酸の具体例として、例えば、酢酸、プロピオン酸、酪酸、ステアリン酸等の飽和脂肪族モノカルボン酸、リノール酸、オレイン酸等の不飽和脂肪族モノカルボン酸、安息香酸、第三ブチル安息香酸等の芳香族モノカルボン酸、シクロヘキサンカルボン酸等の脂環式モノカルボン酸を挙げることができる。
ポリカルボン酸は、分子中に2個以上のカルボキシル基を有し、好ましくは、分子中に2〜6個、特に、好ましくは、分子中に2〜4個のカルボキシル基を有する有機化合物である。分子中に2個のカルボキシル基を有するジカルボン酸としては、例えば、グルタル酸、アジピン酸等の脂肪族飽和ジカルボン酸、マレイン酸等の脂肪族不飽和ジカルボン酸、フタル酸等の芳香族ジカルボン酸を挙げることができる。
また、分子中に3個以上のカルボキシル基を有するポリカルボン酸としては、例えば、クエン酸のような脂肪族トリカルボン酸、トリメリト酸等の芳香族トリカルボン酸、1,2,3,4−ブタンテトラカルボン酸等の脂肪族テトラカルボン酸、ピロメリト酸、ベンゾフェノンテトラカルボン酸等の芳香族テトラカルボン酸を挙げることができる。
本発明において、酸無水物は、一般式(V)
Figure 2014135289
(式中、nは1〜3の整数であり、Rは2n価の炭化水素基を示す。)
で表わされる。
本発明において、酸無水物基とは、上記一般式(V)で表される酸無水物において、括弧内の2価基をいう。また、本発明において、上記炭化水素基は、酸無水物と架橋性ポリマーの有する前記反応性基との反応に有害な影響を与えず、更には、本発明に従って最終的に得られる電池に有害な影響を与えない限りは、任意の置換基を有していてもよい。そのような置換基として、例えば、ハロゲン原子、ニトロ基、アルコキシル基、アリロキシル基等を挙げることができる。また、上記炭化水素基は、これを構成する炭素原子の一部が酸素原子や窒素原子等のヘテロ原子で置換されていてもよい。更に、本発明によれば、上記炭化水素基は、遊離のカルボキシル基を有していてもよい。
上記一般式で表される酸無水物のうち、nが1である1官能性酸無水物として、例えば、無水コハク酸、無水マレイン酸等を挙げることができる。また、上記一般式で表される酸無水物のうち、nが2である2官能性酸無水物として、例えば、無水ピロメリト酸、3,3’,4,4’−ベンゾフェノンテトラカルボン酸二無水物を挙げることができる。更に、上記一般式で表される酸無水物のうち、nが3である3官能性酸無水物として、例えば、無水ヘキサヒドロメリト酸、無水メリト酸等を挙げることができる。遊離のカルボキシル基を有する酸無水物として、例えば、無水トリメリト酸を挙げることができる。
前述したように、前記第2の方法によれば、カチオン重合性官能基と共にイソシアネート反応性基を有する架橋性ポリマーを、そのイソシアネート反応性基を利用して、架橋剤である多官能イソシアネートと反応させ、架橋させることによって、反応性ポリマーを得ることができる。
上記多官能イソシアネートは、特に限定されるものではなく、例えば、フェニレンジイソシアネート、トリレンジイソシアネート、ジフェニルメタンジイソシアネート、ジフェニルエーテルジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート、シクロヘキサンジイソシアネート、キシリレンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート、トリフェニルメタントリイソシアネート、トリス(フェニルイソシアネート)チオホスフェート等の芳香族、芳香脂肪族、脂環族、脂肪族の多官能イソシアネート類等、及びこれらイソシアネートの多量化イソシアネート類が用いられるが、ジイソシアネートにトリメチロールプロパンのようなポリオールを付加させてなる所謂イソシアネートアダクト体も好ましく用いられる。
本発明によれば、このようにして、前記第2の方法によって、架橋性ポリマーをそのイソシアネート反応性基によって多官能イソシアネートと反応させ、架橋させて、反応性ポリマーとするときも、前述したように、反応性ポリマーは、5〜80%の範囲のゲル分率を有することが望ましい。
このように、カチオン重合性官能基と共にイソシアネート反応性基を有する架橋性ポリマーを多官能イソシアネートと反応させ、架橋させることによって、5〜80%の範囲のゲル分率を有する反応性ポリマーを得るには、特に限定されるものではないが、通常、架橋性ポリマーの有するイソシアネート反応性基1モル部に対して、多官能イソシアネートの有するイソシアネート基が0.1〜10モル部、好ましくは、0.3〜5モル部、特に好ましくは、0.5〜3モル部の範囲にて用いればよい。
本発明によれば、得られる反応性ポリマーが上記ゲル分率を有する限りは、架橋性ポリマー中のイソシアネート反応性基をすべて、多官能イソシアネートと反応させる必要は必ずしもない。加熱硬化温度やそのための時間は、用いる架橋性ポリマーや多官能イソシアネートによるが、実験によってこれら反応条件を定めることができる。通常、50℃の温度で48時間、加熱、反応させれば、架橋反応を完結させて、上記ゲル分率を有し、特性的に安定した反応性ポリマーを得ることができる。
このようにして、本発明に従って、架橋性ポリマーを架橋させて得られる反応性ポリマーは、その架橋構造故に、電解液に浸漬されたときにも、電解液中への溶出、拡散が抑制される。従って、このような5〜80%のゲル分率を有する反応性ポリマーを多孔質フィルムに担持させて、反応性ポリマー担持多孔質フィルムとし、これに電極を積層して、電極/反応性ポリマー担持多孔質フィルム積層体とし、これを電池容器内に仕込んだ後、この電池容器にカチオン重合触媒を含む電解質を含む電解液を注入し、上記電極/反応性ポリマー担持多孔質フィルム積層体の有する反応性ポリマーを上記電解液と接触させれば、多孔質フィルムと電極との界面の近傍にて、上記電極/多孔質フィルム積層体における反応性ポリマーの一部が電解液中で膨潤し、又は電解液中に溶出して、そのカチオン重合性官能基によって、電解液中のカチオン重合触媒、好ましくは、カチオン重合触媒を兼ねる電解質によって更にカチオン重合し、電解液をゲル化して、電極を多孔質フィルムに密着性よく強固に接着し、かくして、電極/多孔質フィルム(即ち、得られる電池におけるセパレータ)接合体を得ることができる。
更に、本発明によれば、反応性ポリマーは、前述したように、5〜80%のゲル分率を有するように、予め、一部、架橋されているので、電解液中に浸漬されても、電解液中への溶出、拡散が防止され、又は低減されて、電極と多孔質フィルムとの接着に有効に用いられるので、比較的少量の反応性ポリマーの使用によって、電極と多孔質フィルムとを安定して、しかも、より強固に接着することができる。
また、反応性ポリマー担持多孔質フィルムにおいては、反応性ポリマーは、カチオン重合触媒の不存在下では、それ以上は、反応、架橋せず、安定であって、長期間にわたって保存しても、変質することがない。
本発明による電池用セパレータは、上述したような反応性ポリマー担持多孔質フィルムがそのポリマー層中に有機化膨潤性合成雲母粒子を含んでなるものである。
合成雲母は代表的にはフッ素雲母であり、従って、有機化膨潤性合成雲母は、代表的には、Li型フッ素テニオライト、Na型フッ素テニオライト、Na型四ケイ素フッ素雲母、Li型四ケイ素フッ素雲母等の有するアルカリ金属イオンを第4級アルキルアンモニウムイオンで置換してなるものである。第4級アルキルアンモニウム塩としては、例えば、トリオクチルメチルアンモニウムクロリド、ドデシルトリメチルアンモニウムクロリド、ジドデシルジメチルアンモニウムクロリド、ステアリルトリメチルアンモニウムクロリド、ジステアリルジメチルアンモニウムクロリド、ジステアリルジベンジルアンモニウムクロリド、パルミリルベンジルジメチルアンモニウムクロリド等が用いられる。このような有機化膨潤性合成雲母は、非水電池用の電解液を構成する有機溶媒の他、多くの有機溶媒に膨潤する。
本発明においては、有機化膨潤性合成雲母の市販品を好適に用いることができる。有機化膨潤性合成雲母の市販品としては、例えば、親油性合成雲母ソマシフME−100の層間のナトリウムイオンをジステアリルジメチルアンモニウムイオンで置換したソマシフMAE、トリオクチルメチルアンモニウムイオンで置換したソマシフMTEを挙げることができ、この外にも、例えば、ソマシフMEE、MPE等を挙げることができる。いずれも、コープケミカル(株)の製品である。
本発明において、このような有機化膨潤性合成雲母は、反応性ポリマー中に、反応性ポリマーと有機化膨潤性合成雲母の合計量において、通常、1〜50重量%の範囲で含まれ、好ましくは、10〜30重量%の範囲で含まれる。
(電池用セパレータ、即ち、反応性ポリマー担持多孔質フィルム)
本発明によれば、反応性ポリマーは、分子中に複数のカチオン重合性官能基を有すると共に架橋構造を有し、更に、有機化膨潤性合成雲母粒子を含有している。このような反応性ポリマーを基材多孔質フィルムに担持させて、本発明による電池用セパレータを得るには、例えば、架橋性ポリマーと架橋剤を溶解していると共に有機化膨潤性合成雲母を分散させた塗工液を調製し、これを基材多孔質フィルムに塗付した後、加熱して、塗工液から溶媒を揮散させ、架橋性ポリマーを架橋剤と反応させればよいが、しかし、特に、この方法に限定されるものではない。
例えば、架橋性ポリマーの溶液に有機化膨潤性合成雲母を分散させて塗工液とし、これを基材多孔質フィルムに塗布し、乾燥させた後、このように有機化膨潤性合成雲母を含有する架橋性ポリマーの層に架橋剤の溶液を接触させ、加熱してもよい。また、架橋性ポリマーの溶液に有機化膨潤性合成雲母を分散させ、この分散液中にて架橋性ポリマーを架橋剤と反応させ、架橋させて、有機化膨潤性合成雲母を分散させた反応性ポリマーの溶液を得、これを剥離性シートに塗布し、乾燥させた後、基材多孔質フィルムに転写してもよい。
特に、本発明による好ましい方法の1つは、架橋性ポリマーと架橋剤の両方を含む溶液に有機化膨潤性合成雲母を分散させて、塗工液を調製し、これを剥離性シートに塗布し、乾燥させて、剥離性シート上に有機化膨潤性合成雲母と架橋性ポリマーと架橋剤の混合物の層を形成した後、剥離性シートを基材多孔質フィルムに重ねて加熱加圧し、有機化膨潤性合成雲母と架橋性ポリマーと架橋剤からなる混合物の層を基材多孔質フィルムに転写し、その後、この有機化膨潤性合成雲母と架橋性ポリマーと架橋剤からなる混合物の層を適宜の温度に加熱して、架橋性ポリマーを架橋剤と反応させ、架橋させれば、有機化膨潤性合成雲母を含有する反応性ポリマーの層を基材多孔質フィルム上に形成することができる。
このようにして、基材多孔質フィルム上に形成された反応性ポリマーの層は実質的に無孔性である。ここに、反応性ポリマーの層が実質的に無孔性であるとは、JIS P8117に準じて測定した反応性ポリマーの層のガーレー値が5000秒/100cc以上であって、実質的にガーレー値を求めることができない程度に通気度が低いことをいう。
(電池の製造)
次に、このようにして得られる電池用セパレータを用いる電池の製造方法について説明する。
本発明において、電極、即ち、負極と正極は、電池によって相違するが、通常、導電性基材に活物質と、必要に応じて、導電剤とを、樹脂バインダーを用いて固着させ、担持させたシート状のものが用いられる。
先ず、電極を本発明による電池用セパレータの有する反応性ポリマー層上に積層し、又は捲回して、電極/セパレータ積層体を得、次いで、この積層体を金属缶やラミネートフィルム等からなる電池容器内に仕込み、端子の溶接等が必要な場合にはこれを行なった後、この電池容器内にカチオン重合触媒を溶解させた電解液を所定量注入し、上記電極/セパレータ積層体の有する反応性ポリマーを上記電解液と接触させる。次いで、電池容器を密封、封口して、セパレータの有する反応性ポリマーを少なくともそれと電極との界面の近傍にてその少なくとも一部を電解液中で膨潤させ、又は電解液中に溶出、拡散させて、カチオン重合によって架橋させ、電解液の少なくとも一部をゲル化させて、電極を反応性ポリマーを介して多孔質フィルムと接着し、かくして、セパレータに電極が強固に接着してなる電極/セパレータ接合体を備えた電池を得ることができる。
本発明においては、反応性ポリマーは、そのカチオン重合による架橋によって、少なくとも電極との界面の近傍にて電解液をゲル化させて、電極と多孔質フィルムとを接着するように機能する。
本発明において、反応性ポリマーは、その構造や多孔質フィルムヘの担持量、カチオン重合触媒の種類や量にもよるが、常温においてもカチオン重合させ、架橋させることもできるが、しかし、加熱することによって、カチオン重合を促進することができる。この場合、電池を構成する材料の耐熱性や生産性との兼ね合いにもよるが、通常、40〜100℃程度の温度で0.5〜48時間程度加熱すればよい。
また、電極を多孔質フィルムに接着させるに足りる量の反応性ポリマーを膨潤させ、又は溶出、拡散させるために、電池容器内に電解液を注入した後、常温で数時間程度、放置してもよい。
本発明において、電極/セパレータ積層体は、セパレータの有する反応性ポリマー層に電極が積層されておればよく、ここに、本発明において、セパレータは多孔質フィルムの片面にのみ、有機化膨潤性合成雲母を含む反応性ポリマー層を有していてもよく、また、多孔質フィルムの両面に有機化膨潤性合成雲母を含む反応性ポリマー層を有していてもよい。従って、本発明によれば、電池用セパレータは、多孔質フィルムの少なくともその片面に有機化膨潤性合成雲母を含む反応性ポリマー層を有しておればよく、そのような反応性ポリマー層に電極が積層されておればよい。従って、本発明において、電極/セパレータ積層体は、電池の構造や形態に応じて種々の構成をとることができ、例えば、負極/多孔質フィルム/正極、負極/多孔質フィルム/正極/多孔質フィルム等が用いられる。
上記電解液は、電解質塩を適宜の溶媒に溶解してなる溶液である。上記電解質塩としては、水素、リチウム、ナトリウム、カリウム等アルカリ金属、カルシウム、ストロンチウム等のアルカリ士類金属、第三級又は第四級アンモニウム塩等をカチオン成分とし、塩酸、硝酸、リン酸、硫酸、ホウフッ化水素酸、フッ化水素酸、ヘキサフルオロリン酸、過塩素酸等の無機酸、カルボン酸、有機スルホン酸又はフッ素置換有機スルホン酸等の有機酸をアニオン成分とする塩を用いることができる。これらのなかでは、特に、アルカリ金属イオンをカチオン成分とする電解質塩が好ましく用いられる。
このようなアルカリ金属イオンをカチオン成分とする電解質塩の具体例としては、例えば、過塩素酸リチウム、過塩素酸ナトリウム、過塩素酸カリウム等の過塩素酸アルカリ金属、テトラフルオロホウ酸リチウム、テトラフルオロホウ酸ナトリウム、テトラフルオロホウ酸カリウム等のテトラフルオロホウ酸アルカリ金属、ヘキサフルオロリン酸リチウム、ヘキサフルオロリン酸カリウム等のヘキサフルオロリン酸アルカリ金属、トリフルオロ酢酸リチウム等のトリフルオロ酢酸アルカリ金属、トリフルオロメタンスルホン酸リチウム等のトリフルオロメタンスルホン酸アルカリ金属を挙げることができる。
特に、本発明に従って、リチウムイオン二次電池を得る場合には、電解質塩としては、例えば、ヘキサフルオロリン酸リチウム、テトラフルオロホウ酸リチウム、過塩素酸リチウム等が好適に用いられる。
更に、本発明において用いる上記電解質塩のための溶媒としては、上記電解質塩を溶解するものであればどのようなものでも用いることができるが、非水系の溶媒としては、エチレンカーポネート、プロピレンカーボネート、ブチレンカーボネート、γ−プチロラクトン等の環状エステル類や、テトラヒドロフラン、ジメトキシエタン等のエーテル類や、ジメチルカーボネート、ジエチルカーポネート、エチルメチルカーボネート等の鎖状エステル類を単独で、又は2種以上の混合物として用いることができる。
また、上記電解質塩は、用いる溶媒の種類や量に応じて適宜に決定されるが、通常、得られる電解液において、1〜50重量%の濃度となる量が用いられる。
本発明において、カチオン重合触媒としては、オニウム塩が好ましく用いられる。そのようなオニウム塩として、例えば、アンモニウム塩、ホスホニウム塩、アルソニウム塩、スチボニウム塩、ヨードニウム塩等のカチオン成分と、テトラフルオロホウ酸塩、ヘキサフルオロリン酸塩、トリフルオロメタンスルホン酸塩、過塩素酸塩等のアニオン成分とからなるオニウム塩を挙げることができる。
しかし、本発明によれば、上述した電解質塩のなかでも、特に、テトラフルオロホウ酸リチウムとヘキサフルオロリン酸リチウムは、それ自体、カチオン重合触媒しても機能するので、電解質塩を兼ねるものとして好ましく用いられる。この場合、テトラフルオロホウ酸リチウムとヘキサフルオロリン酸リチウムは、いずれかを単独で用いてもよく、また、両方を併用してもよい。
本発明による電池セパレータは、多孔質フィルム上に架橋構造を有する反応性ポリマー層を有しており、この反応性ポリマー層は上述したように有機化膨潤性合成雲母粒子を含んでいる。本発明によれば、反応性ポリマー層中に有機化膨潤性合成雲母粒子を含有させることによって、反応性ポリマー層の耐酸化還元性を向上させることができる。その理由は、必ずしも、明らかではないが、電極と反応性ポリマー層との接触面積を減少させ、電極との接触による反応性ポリマーの酸化又は還元反応を抑制するからであるとみられる。
更に、本発明による電池用セパレータにおいては、有機化膨潤性合成雲母粒子が有機溶媒に対してよく膨潤するので、層中に合成雲母粒子が存在することによる反応性ポリマー層のイオン伝導性の低下が殆どみられず、延いては、得られる電池特性を低下させることもない。
以下に実施例を挙げて本発明を説明するが、本発明はこれら実施例によって何ら限定されるものではない。多孔質フィルムの特性と得られた電池の特性については以下のようにして評価した。
(多孔質フィルムの厚み)
1/10000mmシックネスゲージによる測定と多孔質フィルムの断面の10000倍走査型電子頭微鏡写真に基づいて求めた。
(多孔質フィルムの空孔率)
多孔質フィルムの単位面積S(cm2)当たりの重量W(g)、平均厚みt(cm)及び多孔質フィルムを構成する樹脂の密度d(g/cm3)から下式にて算出した。
空孔率(%)=(1−(100W/S/t/d))×100
(多孔質フィルムの通気度)
JIS P 8117に準拠して求めた。
(突き刺し強度)
カトーテック(株)製圧縮試験磯KES−G5を用いて突き刺し試験を行った。測定により得られた荷重変位曲線から最大荷重を読みとり、突き刺し強度とした。針は直径1.0mm、先端の曲率半径0.5mmのものを用いて、2mm/秒の速度で行った。
(反応性ポリマーのゲル分率)
既知の量Aの反応性ポリマー層を担持させた反応性ポリマー層担持多孔質フィルムを秤量して、その重量Bを測定した。次に、この反応性ポリマー層担持多孔質フィルムを酢酸エチルに23℃で7日間浸漬した後、乾燥した。この後、このように処理した反応性ポリマー層担持多孔質フィルムを秤量して、その重量Cを測定した。反応性ポリマーのゲル分率は次式にて算出した。
ゲル分率(%)=((A−(B−C))/A)×100
(セパレータの耐酸化性試験)
最初に0.2CmAの充放電レートにて2回充電、放電を行い、その後、充電を行った。充電は上限電圧4.2Vの定電流−定電圧にて、放電は終止電圧2.7Vの定電流にて行なった。これらの操作はすべて温度25℃の恒温器中にて行った。充電した電池を60℃の恒温器中に配置し、4.25Vにて定電圧充電を行い、電流値を測定した。この電流値が急上昇する時間を耐酸化時間とした。
参考例1
(電極シートの調製)
正極活物質であるコバルト酸リチウム(日本化学工業(株)製セルシードC−10)85重量部と導電助剤であるアセチレンブラック(電気化学工業(株)製デンカブラック)10重量部とバインダーであるフッ化ビニリデン樹脂(呉羽化学工業(株)製KFポリマーL#1120)5重量部を混合し、これを固形分濃度15重量%となるようにN−メチル−2−ピロリドンを用いてスラリーとした。
このスラリーを厚み20μmのアルミニウム箔(集電体)上に厚み200μmに塗布し、80℃で1時間、120℃で2時間乾燥した後、ロールプレスにて加圧して、活物質層の厚みが100μmの正極シートを調製した。
また、負極活物質であるメソカーボンマイクロビーズ(大阪ガスケミカル(株)製MCMB6−28)80重量部と導電助剤であるアセチレンブラック(電気化学工業(株)製デンカブラック)10重量部とバインダーであるフッ化ビニリデン樹脂(呉羽化学工業(株)製KFポリマーL#1120)10重量部を混合し、これを固形分濃度15重量%となるようにN−メチル−2−ピロリドンを用いてスラリーとした。
このスラリーを厚み20μmの銅箔(集電体)上に厚み200μmに塗布し、80℃で1時間乾燥し、120℃で2時間乾燥した後、ロールプレスにて加圧して、活物質層の厚みが100μmの負極シートを調製した。
製造例1
(架橋性ポリマーA(4−ヒドロキシブチルアクリレートモノマー成分0.84重量%、3−オキセタニル基含有モノマー成分24重量%、エポキシ基含有モノマー成分1重量%)の製造)
還流冷却管を備えた500mL容量の三つ口フラスコにメチルメタクリレート50.4g、2−メトキシエチルアクリレート11.89g、(3−エチル−3−オキセタニル)メチルメタクリレート20.16g、3,4−エポキシシクロヘキシルメチルアクリレート0.84g、4−ヒドロキシブチルアクリレート0.706g、酢酸エチル158g及びN,N'−アゾビスイソブチロニトリル0.16gを投入し、窒素ガスを導入しながら、30分間攪拌混合した後、70℃に加熱した。
約1時間経過したとき、反応混合物の粘度が上昇し始め、その後、8時間重合を行なった。次いで、約40℃まで冷却し、再び、N,N'−アゾビスイソブチロニトリル0.16gを加え、70℃に再度加熱して、更に、8時間、後重合を行った。この後、約40℃まで冷却し、酢酸エチル38gを加え、全体が均一になるまで攪拌混合して、架橋性ポリマーの30重量%濃度の酢酸エチル溶液を得た。
次に、この架橋性ポリマー溶液100gを高速ミキサーで攪拌しながら、メタノール600mL中に投入して、架橋性ポリマーを沈澱させた。沈澱した架橋性ポリマーを濾別し、メタノールによる洗浄を数回繰り返した後、乾燥管に入れ、これに液体窒素を気化させた乾燥窒素ガス(露点温度−150℃以下)を通して乾燥させた後、更に、デシケータ中で6時間真空乾燥して、架橋性ポリマーAを得た。このようにして得られた架橋性ポリマーは純白色粉末であって、GPCによる分子量測定の結果、重量平均分子量は248000であり、数平均分子量は57000であった。
実施例1
(反応性ポリマー担持多孔質フィルムの製造)
架橋性ポリマーAの8gをトルエン92gに加え、室温で攪拌して、均一な架橋性ポリマー溶液を得た。この架橋性ポリマー溶液に架橋剤として多官能イソシアネート(ヘキサメチレンジイソシアネート/トリメチロールプロパンアダクト体、酢酸エチル溶液、固形分75重量%、日本ポリウレタン工業(株)製コロネートHL)0.204gを加え、室温で攪拌して溶解させた。
別に、有機化膨潤性合成雲母(コープケミカル(株)製ソマシフMAE)30gをトルエン270gに加え、室温にて8時間攪拌し、その後、高圧分散機(吉田機械(株)製ナノマイザーPEL−20)にて処理して、均一な分散液を得た。
このようにして得られた架橋性ポリマーAと多官能イソシアネートのトルエン溶液100gと上記有機化膨潤性合成雲母のトルエン分散液8.0gを混合し、室温にて攪拌した後、上記有機化膨潤性合成雲母のトルエン分散液の調製に用いたと同じ高圧分散機を用いて、同様に分散処理して、架橋性ポリマーと多官能イソシアネートを溶解した有機化膨潤性合成雲母のトルエン分散液を得た。
この架橋性ポリマーと多官能イソシアネートを溶解した有機化膨潤性合成雲母のトルエン分散液をポリプロピレンフィルム上にワイヤーバー#8にて塗付した後、60℃に加熱して、トルエンを揮散させ、かくして、塗布密度0.4g/m2 で架橋性ポリマー層をポリプロピレンフィルム上に形成した。この後、110℃の熱ロールラミネーターを用いて、上記架橋性ポリマー層をポリエチレン樹脂多孔質フィルム(膜厚16μm、空孔率60%、通気度100秒/100cc、突き刺し強度400gf)に転写して、多孔質フィルム上に架橋性ポリマーAと多官能イソシアネートと有機化膨潤性合成雲母の混合物からなる層を担持させた。
次いで、この架橋性ポリマーと多官能イソシアネートと有機化膨潤性合成雲母の混合物からなる層を担持させた多孔質フィルムを70℃の恒温器に48時間投入して、多孔質フィルムに担持させた上記架橋性ポリマーと多官能イソシァネートとを反応させ、上記架橋性ポリマーを架橋させて、かくして、有機化膨潤性合成雲母を含有する反応性ポリマー担持多孔質フィルムを得た。この有機化膨潤性合成雲母を含有する反応性ポリマー担持多孔質フィルムにおいて、反応性ポリマーのゲル分率は20%であった。また、このようにして形成された反応性ポリマーの層は実質的に無孔性であった。
この有機化膨潤性合成雲母を含有する反応性ポリマーを担持した多孔質フィルムを参考例にて作製した正極と負極の間に多孔質フィルム上の反応性ポリマー層が正極に対面するように配して、ラミネートパッケージに挿入した。次いで、アルゴン置換したグローブボックス内において、1.4モル/L濃度にてヘキサフルオロリン酸リチウムをエチレンカーボネート/ジエチルカーボネート混合溶媒(容量比1:2)に溶解させた電解液をラミネートパッケージ中に注入した後、ラミネートパッケージを封口した。
次いで、このラミネートパッケージを温度50℃の恒温器中に24時間投入して、有機化膨潤性合成雲母を含有する反応性ポリマーを担持した多孔質フィルム中の反応性ポリマーをそのカチオン重合性官能基によって架橋させ、かくして、電極/セパレータ接合体を有する電池を得た。この電池について、耐酸化性試験を行ったところ、耐酸化時間は103時間であった。
比較例1
実施例1において、有機化膨潤性合成雲母を用いなかった以外は、同様にして、反応性ポリマー担持多孔質フィルムを得、実施例1と同様にして、電池を作製した。この電池について、耐酸化性試験を行ったところ、耐酸化時間は56時間であった。
比較例2
実施例1で用いたポリエチレン樹脂多孔質フィルムを参考例にて作製した正極と負極の間に配して、ラミネートパッケージに挿入した。次いで、アルゴン置換したグローブボックス内において、1.4モル/L濃度にてヘキサフルオロリン酸リチウムをエチレンカーボネートとジエチルカーボネートの混合溶媒(容量比1:2)に溶解させた電解液をラミネートパッケージ中に注入した後、ラミネートパッケージを封口して電池を得た。この電池について、耐酸化性試験を行ったところ、耐酸化時間は59時間であった。



Claims (9)

  1. 分子中に複数のカチオン重合性官能基を有し、架橋構造を有すると共に、有機化膨潤性合成雲母粒子を含む反応性ポリマー層を多孔質フィルム上に担持させてなる電池用セパレータとこの電池用セパレータに積層した電極とからなる電極/セパレータ積層体を電池容器内においてカチオン重合性触媒と電解質塩を有機溶媒に溶解してなる電解液と接触させて、上記反応性ポリマーをカチオン重合させて得られる電極/セパレータ接合体を含み、上記有機化膨潤性合成雲母粒子が上記有機溶媒によって膨潤していることを特徴とする非水電解液電池。
  2. 上記カチオン重合性官能基が3−オキセタニル基とエポキシ基から選ばれる少なくとも1種であり、上記反応性ポリマー層が
    (a)分子中に複数の上記カチオン重合性官能基を有する架橋性ポリマーに上記カチオン重合性官能基の一部を反応させるために必要な量の架橋剤を反応させて、カチオン重合性官能基の一部を反応させ、架橋させてなり、実質的に無孔性であるか、又は
    (b)分子中に複数のカチオン重合性官能基と共に複数のイソシアネート反応性基を有する架橋性ポリマーの上記イソシアネート反応性基を架橋剤としての多官能イソシアネートと反応させて、架橋させてなり、実質的に無孔性である、
    請求項1に記載の非水電解液電池。
  3. 上記架橋剤がモノカルボン酸、ポリカルボン酸及び酸無水物から選ばれる少なくとも1種である請求項2に記載の非水電解液電池。
  4. イソシアネート反応性基が活性水素を有する基である請求項2に記載の非水電解液電池。
  5. イソシアネート反応性基が水酸基又はカルボキシル基である請求項2に記載の非水電解液電池。
  6. 上記カチオン重合性触媒がオニウム塩である請求項1又は2に記載の非水電解液電池。
  7. 上記電解質塩がテトラフルオロホウ酸リチウムとヘキサフルオロリン酸リチウムから選ばれる少なくとも1種である請求項1又は2に記載の非水電解液電池。
  8. 上記反応性ポリマー層がガーレー値が5000秒/100cc以上である請求項2に記載の非水電解液電池。
  9. 上記反応性ポリマーが反応性ポリマーと有機化膨潤性合成雲母の合計量の1〜50重量%の範囲で有機化膨潤性合成雲母粒子を含む請求項1に記載の非水電解液電池。




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