JP2014134593A - 光導波路デバイスおよびその製造方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】多層膜フィルタにより偏波分離を担う導波路デバイスにおいて多層膜フィルタを正しい位置に保持できる技術を提供する。
【解決手段】光導波路デバイスの基板101に積層されたクラッド層の内部のコア層に、光導波路を形成するコア103Aと同様の材料で構成された、偏波分離素子の位置を規定するための1対の位置決めコア103B、103Cが形成されている。保持溝130は、基板101の内部まで伸びるように形成され、偏波分離素子は、該保持溝130に挿入されることにより保持される。クラッド層から俯瞰するときに、位置決めコア103Bと103Cは、保持溝130の内部に露出している。
【選択図】図4H
【解決手段】光導波路デバイスの基板101に積層されたクラッド層の内部のコア層に、光導波路を形成するコア103Aと同様の材料で構成された、偏波分離素子の位置を規定するための1対の位置決めコア103B、103Cが形成されている。保持溝130は、基板101の内部まで伸びるように形成され、偏波分離素子は、該保持溝130に挿入されることにより保持される。クラッド層から俯瞰するときに、位置決めコア103Bと103Cは、保持溝130の内部に露出している。
【選択図】図4H
Description
本発明は、光導波路技術に関する。
近年、100Gb/sを超える超高速通信において、波長利用効率、受信特性、分散補償能力に優れる偏波直交多重多値デジタル信号変調方式DP−QPSK(Dual Polarization Differential Quadrature Phase Shift Keying)によるデジタルコヒーレント通信の検討が活発に行われている。DP−QPSK方式は、受信器において偏波分離する機能と、分離した光信号から位相情報を取り出すための90°光ハイブリッド機能が必要とされる。このような機能を有する受信器について、高速データ通信を推進する業界団体であるOIF(Optical Internetworking Forum)で標準化の検討が進んでおり、この仕様に則った受信器の開発が盛んに行われている。
このような受信器を実現するための回路として、光導波路技術を用いた平面光波回路が有力とされている。
図5は、非特許文献1における図1(a)に対して符号を追加したものであり、該文献に開示された光波回路1を示す。該光波回路1は、「PBS」と記された部分が偏波分離機能を有する回路(偏光ビームスプリッター)であり、「90°OH」と記された部分が位相情報を取り出す機能を有する回路(コヒーレントミキサー回路)である。また、光波回路1では、偏光ビームスプリッターPBSは、マッハツェンダ干渉計で構成されており、偏波制御溝部10と偏波制御溝部20を備え、光導波路の複屈折率を制御して偏波分離機能を実現している。なお、図中TMとTEは、夫々TMモード(TM:Transverse Magnetic)とTEモード(TE:Transverse Electric)を示す。これについて、以下の説明に用いられる各図においても同様である。尚、「PBS」はPolarization Beam Splitterの略称であり、「OH」はOptical Hybridの略称である。
しかしながら、非特許文献1に開示されたように偏波分離機能を実現する方法では、複屈折率を高精度に制御することが求められ、生産性に問題がある。特に偏光ビームスプリッター(PBS)とコヒーレントミキサー回路(90°OH)が集積されることを考慮すると、光波回路1全体の歩留りが、偏光ビームスプリッター(PBS)とコヒーレントミキサー回路(90°OH)の歩留りとの掛け算になるため、夫々の回路に対する歩留りの要求が高い。
また、紫外線や熱によって複屈折率をトリミングする方法もあるが、工程は繁雑であり、低コスト化が困難である。
上述した問題を回避する手法として、図6に示すように、エッジフィルタを積層して偏光分離素子を構成して、コヒーレントミキサー回路に集積する光導波路の構造が提案されている。
図6に示す構造では、薄膜を積層して得た多層膜フィルタにより偏波分離素子30が構成され、干渉計40と干渉計50によりコヒーレントミキサー回路が構成される。なお、図6において、偏波分離素子30から干渉計40へ導かれる光導波路を表す2つの直線のうち、TM(L)は、局発光に含まれてPBSで反射されるTM偏光成分が伝搬する光導波路を示し、TM(S)は信号光に含まれてPBSで反射されるTM偏光成分が伝搬する光導波路を示す。また、偏波分離素子30から干渉計50へ導かれる光導波路を表す2つの直線のうち、TE(L)は、局発光に含まれてPBSを透過するTE偏光成分が伝搬する光導波路を示し、TE(S)は信号光に含まれてPBSを透過するTE偏光成分が伝搬する光導波路を示す。これらについて、以下の説明に用いられる各図においても同様である。
エッジフィルタは、ある光波長より長い波長帯域を透過するハイパスフィルタや、ある光波長より低い波長帯域を透過するローパスフィルタや、ある帯域のみ透過するバンドパスフィルタなどがある。異なる屈折率や膜厚のフィルタの薄膜を積層することで、所望の偏光機能を実現する。
このような多層膜フィルタは、積層面に対して垂直に光を入射して使用するのが一般的である。これは、薄膜が有する複屈折率により、入射した光の偏光状態によってフィルタ特性が変化してしまうからである。この偏光依存性はリタデーションと呼ばれ、光路長に比例する。従って、多層膜内での光の経路が最も短くなる垂直入射が、偏光状態に依存しない特性を実現する上で都合が良いことになる。
上述した多層膜フィルタの特徴を利用することにより偏波分離機能を実現することが可能となる。すなわち、積層面に対してある角度で光入射した場合、ある波長帯域において、TMモードでは反射、TEモードでは透過(またはその逆)とすることができる。図7はフィルタの透過スペクトルのイメージ例である。図示のように、該多層膜フィルタによれば、偏光分離帯域において、TMモードでは反射し、TEモードでは透過することが実現されている。
図6に示すように多層膜フィルタにより偏波分離機能回路を構成することにより、比較的安価な薄膜フィルタによって偏波分離機能を実現し、光導波路のコストダウンを図ることが可能である。また、多層膜フィルタにより偏波分離機能を担うため、コヒーレントミキサーと集積しても、歩留りはコヒーレントミキサーと独立して考えることができ、量産面でのメリットが高い。
なお、図6において、多層膜フィルタへの光の入射点と、多層膜フィルタからの、該光の反射光の出射点との間の距離Dが多層膜フィルタからの反射光をコアに効率良く結合させるための重要なパラメータであり、多層膜フィルタの群遅延特性で決定される。パラメータDが設計値通りになるように多層膜フィルタを設置しないと、反射光とコアの間に結合損失が発生し、コヒーレントミキサーの挿入損失を増加させることになる。
特許文献1には、樹脂ブロックに光学部品を貼り付けてコアと共にクラッドにより覆われるようにして光導波回路の基板上に光学部品を固定する技術が開示されている。
平面光波回路を用いた偏波多重光ハイブリッドモジュール,2009年電子情報通信学会エレクトロニクスソサイエティ大会,C−3−39
図6に示す構成の光導波路における多層膜フィルタの保持に特許文献1に開示された技術を適用すると、樹脂ブロックに多層膜フィルタを貼り付けてコアと共にクラッドにより覆われるようにすることになる。
しかし、多層膜フィルタを構成する各膜が非常に薄いため、通常数μm程度であるコア層の厚みでは、多層膜フィルタを保持することが困難である。
そこで、例えば、基板の、干渉計40と干渉計50の間に当たる位置に細い溝を形成し、多層膜フィルタを挿入して接着剤により固定する方法が考えられる。
基板上に多層膜フィルタを挿入する溝を形成する方法としては、ダイサー加工、レーザ加工など、いくつかの方法が考えられるが、位置精度や加工形状の精密さの視点から、MEMS(Micro Electro Mechanical Systems)プロセスで使用されるボッシュプロセスを利用することが好適と言える。ボッシュプロセスはエッチングとデポジションを繰り返しながらフッ素系ガスでシリコンをエッチングする方法であり、光導波路の材料となる酸化膜(SiO2)がマスクとなる。従って、溝を形成したい部分のシリコン基板を露出させたままボッシュプロセスを施せば、所望の溝が形成される。図8A〜図8Gを参照して、ボッシュプロセスにより、多層膜フィルタを保持するための溝(以下「保持溝」という)を形成するまでのプロセス概略を説明する。
まず、図8Aに示すように、基板(例えばシリコン基板)31上にCVD法(CVD:Chemical Vapor Deposition)などにより下クラッド層32を積層する。そして、図8Bに示すように、下クラッド層32の上にコア層33を積層し、コア層33の上に、コアを形成する位置に合わせてレジスト34を配置する。次いで、図8Cに示すように、エッチングによりコア33Aを形成する。そして、図8Dに示すように、下クラッド層32と上クラッド層35によりコア33Aを挟むように、上クラッド層35を積層する。これにより、光導波路が形成される。
次いで、図8Eに示すように、レジスト36により保持溝を形成するためのフォトマスクをしてフォトリソグラフィを行い、さらに、図8Fに示すように、RIE(Reactive Ion Etching)などによりクラッド層(下クラッド層32と上クラッド層35)をエッチングする。
最後に、図8Gに示すように、ボッシュプロセス装置により、基板31をエッチングして、保持溝の生成を完成する。
ところが、この手法の場合、コアと保持溝の相対位置がずれるケースが多い。これは、図9に示すように、光導波路を形成する過程で施す高温の熱処理により、ウェハが反り、ウェハ面内におけるコアのピッチが変化することで、保持溝を形成するためのマスク(溝形成用マスク)と一致しなくなるためである。なお、図9において、十字は、コアのパターンを示し、コアの周辺の短い線は、溝形成用マスクを示す。また、矢印対は、コアと保持溝の相対位置のずれを示す。
さらに、図10に示すように、コンタクト露光などでパターニングする場合には、アライメント精度にも限界がある。
その結果、図8E〜図8Gに示すように、所望の溝位置(溝最適位置)からのズレΔSが発生する。このズレΔSは、図6に示すパラメータDの変化を引き起こす(図11)。その結果、パラメータDが設計値ではなくなり、反射光とコアの間の結合損失の発生により、コヒーレントミキサーの挿入損失を増加させてしまう。
本発明は上記事情を鑑みてなされたものであり、多層膜フィルタにより偏波分離を担う光導波路デバイスにおいて、多層膜フィルタを正しい位置に保持できる技術を提供する。
本発明の1つの態様は、光導波路デバイスである。該光導波路デバイスは、クラッド層と、コア層と、溝と、偏波分離素子を備える。
クラッド層は、基板の上に積層されている。コア層は、クラッド層の内部に設けられている。
コア層には、光導波路を形成する複数のコアが設けられている。
溝は、クラッド層の上表面から基板の内部まで伸びるように形成されている。
溝は、クラッド層の上表面から基板の内部まで伸びるように形成されている。
偏波分離素子は、溝に挿入されており、上記複数のコアのうちの1つにより導波された光に含まれるTE偏光成分とTM偏光成分の片方の光を透過して他の2つの前記コアの片方に入射し、前記TE偏光成分とTM偏光成分の他方の光を反射して前記2つのコアの他方に入射するように設けられている。
コア層には、さらに、上記複数のコアと同様の材料で構成された、偏波分離素子の位置を規定するための1対の位置決めコアが設けられている。クラッド層から俯瞰するときに、該1対の位置決めコアは、上記溝の内部に露出している。
本発明の別の態様は、上述態様の光導波路デバイスの製造方法である。該製造方法は、コア層をパターニングして前記複数のコアを形成するパターニング工程と、エッチングにより、クラッド層の上表面から前記基板の内部まで伸び、前記偏波分離素子を挿入するための溝を形成する溝形成工程を有する。
該製造方法は、前記パターニング工程において、前記複数のコアの位置以外に、前記偏波分離素子の位置を規定するための一対の位置決めコアの位置もマスクすることにより前記1対の位置決めコアを形成する。前記溝形成工程は、クラッド層から基板の上表面までエッチングする第1のエッチング工程と、基板の上表面から基板の内部までエッチングする第2のエッチング工程とを有する。クラッド層から俯瞰するときに、前記1対の位置決めコアは、前記溝の内部に露出している。
本発明にかかる技術によれば、多層膜フィルタにより偏波分離を担う光導波路デバイスにおいて、多層膜フィルタを正しい位置に保持できる。
以下、図面を参照して本発明の実施の形態について説明する。説明の明確化のため、以下の記載及び図面は、適宜、省略、及び簡略化がなされているなお、各図面において、同一の要素には同一の符号が付されており、必要に応じて重複説明は省略されている。
図1は、本発明にかかる光導波路デバイス100の概略を示す俯瞰図である。該光導波路デバイス100は、偏波分離素子120、干渉計140と150を備える。光導波路デバイス100は、この種の光導波路デバイスと同様に、光導波路を形成する複数のコアが設けられており、偏波分離素子120は、上記複数のコアのうちの1つにより導波された光に含まれるTE偏光成分を透過して他の2つのコアの片方に入射し、該光に含まれるTM偏光成分を反射して上記他の2つのコアの他方に入射するように設けられている。図示のように、偏波分離素子120は、局発光を導波するコアにより導波された局発光に含まれるTE偏光成分を透過して、光導波路TE(L)を形成するコアに入射し、局発光に含まれるTM偏光成分を反射して光導波路TM(L)を形成するコアに入射する。また、偏波分離素子120は、信号光を導波するコアにより導波された信号光に含まれるTE偏光成分を透過して、光導波路TE(S)を形成するコアに入射し、信号光に含まれるTM偏光成分を反射して光導波路TM(S)を形成するコアに入射する。なお、TE偏光/TM偏光と、透過/反射の関係はPBS(ここでは偏波分離素子120に該当する)の設計によって逆となる場合もある。また、上記複数のコアは、クラッド層に覆われている。
干渉計140と干渉計150は、コヒーレントミキサー回路を構成する。
偏波分離素子120は、例えば複数の薄膜フィルタを積層してなる多層膜フィルタであり、基板の内部まで伸びる保持溝(図示せず)に挿入されることにより保持されている。
偏波分離素子120は、例えば複数の薄膜フィルタを積層してなる多層膜フィルタであり、基板の内部まで伸びる保持溝(図示せず)に挿入されることにより保持されている。
光導波路デバイス100において、偏波分離素子120の位置を規定するための、偏波分離素子120の両側に位置する1対のコア103B、103Cが設けられている。クラッド層から俯瞰するときに、コア103Bと103Cは、保持溝の内部に露出している。前述した、光導波路を形成する複数のコアと区別するために、コア103Bと103Cを、以下[位置決めコア]という。
また、上記保持溝は、クラッド層の上表面から基板の内部まで伸びるが、コア層からは、位置決めコア103Bと103Cの互いに向い合う面を内側面にして伸びるように形成されている。なお、後述の説明で分かるが、位置決めコア103Bと103Cは、クロム層により覆われている。また、図1では、位置決めコア103Bと103Cについて、一部のみを示しており、クラッド層により覆われた部分を示してない。
位置決めコア103Bと103Cは、光の通路以外の位置に設けられており、光の通路上には、位置決めコアが無い。これについて、図2と図3を参照して説明する。
図2と図3は、図1に示す光導波路デバイス100のA1−A2断面とB1−B2断面を夫々示す図である。
図2に示すように、A1−A2断面では、基板101の上に積層されたクラッド層(下クラッド層102と上クラッド層106)の内部のコア層に、光導波路を形成する2つのコア103A、位置決めコア103Bと103C(及びそれらの上のクロム膜104を含む)が設けられている。クラッド層から俯瞰するときに、コア103Bと103Cが保持溝130の内部に露出しているため、保持溝130は、コア層からは、位置決めコア103Bと103Cの互いに向い合う面を内側面にして伸びるように形成されている。
また、図3に示すように、光を妨げないように、B1−B2断面では、位置決めコア103Bが無い。
図4A〜図4Hを参照して、光導波路デバイス100の製造方法と共に、光導波路デバイス100の内部構成を具体的に説明する。
光導波路デバイス100の製造に当たり、まず、図4Aに示すように、コア層103まで形成する。具体的には、基板(例えばシリコン基板)101の上に下クラッド層102を積層し、さらに下クラッド層102上にコア層103を積層する。
そして、図4Bに示すように、コア層103の上にクロム膜104を積層し、クロム膜104上に、コア103Aと、位置決めコア103B及び103Cに対応する部位をレジスト105でマスクする。
次いで、図4Cに示すように、パターニングを行い、コア103A、位置決めコア103B、位置決めコア103Cを形成する。
次に、図4Dに示すように、例えばフォトリソグラフィにより、コア103Aに対してのみその上のクロム膜を除去し、図4Eに示すように、コア103A、位置決めコア103B(その上のクロム膜を含む)、位置決めコア103C(その上のクロム膜を含む)を覆うように、下クラッド層102上に上クラッド層106を積層する。なお、下クラッド層102と上クラッド層106は、合わせてクラッド層という。
すなわち、このようにして、クラッド層の内部に、コア103A、位置決めコア103B、位置決めコア103Cが同時に形成される。
そして、図4Fに示すように、保持溝を形成するためのフォトマスクをコア103A、位置決めコア103B、位置決めコア103Cに合わせるようにアライメントし、レジスト107を現像する。レジスト107を配置する際に、位置決めコア103Bと位置決めコア103Cの互いに向い合う側の一部分が必ず露出するよう、「WC<WT」となるように設計しておくことが肝要である。
次に、溝形成工程により、クラッド層の上表面から、基板101の内部まで伸び、多層膜フィルタを挿入するための保持溝を形成する。この溝形成工程は、図4Gに示す第1のエッチング工程と、図4Hに示す第2のエッチング工程を有する。
図4Gに示すように、RIEによりクラッド層(下クラッド層102、上クラッド層106)をエッチングする。この際、位置決めコア103Bと位置決めコア103C上のクロム膜がエッチングストップ層となるため、位置決めコア103Bと位置決めコア103Cにより、基板101の、露出される部位の位置と形状が決定される。この工程により、クラッド層の上表面(上クラッド層106の上表面)から基板101の上表面(下クラッド層102の下表面)までに伸びる溝が形成される。この溝は、保持溝の上部である。
最後に、図4Hに示すように、ボッシュプロセス装置で基板101をエッチングする。この工程により、基板101の上表面から内部までに伸びる溝が形成される。この溝は、保持溝の下部である。
その後、保持溝への多層膜フィルタの挿入および接着剤による固着などを経て、光導波路デバイス100が形成される。なお、溝内部での光の反射や回折は過剰損失となるため、これらを抑制するために、導波路と屈折率整合した接着剤を使用することが望ましい。
このように、本実施の形態の光導波路デバイス100の製造時に、コア103Aと共に、位置決めコア103Bと位置決めコア103Cも同じマスクで同時に形成されるため、最終的に形成された保持溝と、コア103Aとの相対位置のズレが発生せず(コア用のフォトマスクの描画精度で決まるが問題とならないほど小さい)、設計通りの位置に保持溝を形成することができる。また、ウェハの反りやフォトマスクのアライメントずれなども考慮する必要がなく、良好な損失特性と高い生産性で光導波路デバイスを製造することができる。
また、製造された光導波路デバイス100における上述のパラメータDが設計通りの値になるため、該光導波路デバイス100が設けられた受信機等の装置の性能を保証することができる。
以上、実施の形態をもとに本発明を説明した。実施の形態は例示であり、本発明の主旨から逸脱しない限り、上述した各実施の形態に対してさまざまな変更、増減、組合せを行ってもよい。これらの変更、増減、組合せが行われた変形例も本発明の範囲にあることは、当業者に理解されるところである。
1 光波回路
10 偏波制御溝部
20 偏波制御溝部
30 偏波分離素子
31 基板
32 下クラッド層
33 コア層
33A コア
34 レジスト
35 上クラッド層
36 レジスト
40 干渉計
50 干渉計
100 光導波路デバイス
101 基板
102 下クラッド層
103 コア層
103A コア
103B 位置決めコア
103C 位置決めコア
104 クロム膜
105 レジスト
106 上クラッド層
107 レジスト
120 偏波分離素子
130 保持溝
140 干渉計
150 干渉計
D パラメータ
PBS 偏光ビームスプリッター
90°OH コヒーレントミキサー回路
10 偏波制御溝部
20 偏波制御溝部
30 偏波分離素子
31 基板
32 下クラッド層
33 コア層
33A コア
34 レジスト
35 上クラッド層
36 レジスト
40 干渉計
50 干渉計
100 光導波路デバイス
101 基板
102 下クラッド層
103 コア層
103A コア
103B 位置決めコア
103C 位置決めコア
104 クロム膜
105 レジスト
106 上クラッド層
107 レジスト
120 偏波分離素子
130 保持溝
140 干渉計
150 干渉計
D パラメータ
PBS 偏光ビームスプリッター
90°OH コヒーレントミキサー回路
Claims (5)
- 基板上に積層されたクラッド層と、
前記クラッド層の内部のコア層に設けられ、光導波路を形成する複数のコアと、
1つの前記コアにより導波された光に含まれるTE偏光成分(TE:Transverse Electric)とTM偏光成分(TM:Transverse Magnetic)の片方の光を透過して他の2つの前記コアの片方に入射し、前記TE偏光成分とTM偏光成分の他方の光を反射して前記2つのコアの他方に入射するように設けられた偏波分離素子とを有する光導波路デバイスであって、
前記偏波分離素子の位置を規定するために前記コア層に設けられ、前記複数のコアと同様の材料で構成された1対の位置決めコアと、
前記クラッド層の上表面から前記基板の内部まで伸びるように形成された溝とをさらに備え、
前記クラッド層から俯瞰するときに、前記1対の位置決めコアは、前記溝の内部に露出しており、
前記偏波分離素子は、前記溝に挿入されている、
光導波路デバイス。 - 前記1対の位置決めコアの上表面は、クロム膜により覆われている、
請求項1に記載の光導波路デバイス。 - 前記1対の位置決めコアは、前記光の通路以外の位置に設けられている、
請求項1または2に記載の光導波路デバイス。 - 前記偏波分離素子は、複数の薄膜を積層してなる多層膜フィルタである、
請求項1から3のいずれか1項に記載の光導波路デバイス。 - 基板上に積層されたクラッド層の内部のコア層に設けられ、光導波路を形成する複数のコアのうちの1つにより導波された光に含まれるTE偏光成分(TE:Transverse Electric)とTM偏光成分(TM:Transverse Magnetic)の片方の光を透過して他の2つの前記コアの片方に入射し、前記TE偏光成分とTM偏光成分の他方の光を反射して前記2つのコアの他方に入射するように設けられた偏波分離素子を備える光導波路デバイスの製造方法において、
前記コア層をパターニングして前記複数のコアを形成するパターニング工程と、
エッチングにより、前記クラッド層の上表面から前記基板の内部まで伸び、前記偏波分離素子を挿入するための溝を形成する溝形成工程とを有し、
前記パターニング工程において、
前記複数のコアの位置以外に、前記偏波分離素子の位置を規定するための一対の位置決めコアの位置もマスクすることにより前記1対の位置決めコアを形成し、
前記溝形成工程は、
前記クラッド層から前記基板の上表面までエッチングする第1のエッチング工程と、
前記基板の上表面から前記基板の内部までエッチングする第2のエッチング工程とを有し、
前記クラッド層から俯瞰するときに、前記1対の位置決めコアが、前記溝の内部に露出している、
光導波路デバイスの製造方法。
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