JP2014133234A - 付着物の除去方法およびこれに用いる付着物の除去装置 - Google Patents

付着物の除去方法およびこれに用いる付着物の除去装置 Download PDF

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Abstract

【課題】低コストで、優れた除去効果を有する付着物の除去方法およびこれに用いる付着物の除去装置を提供する。
【解決手段】本発明にかかる付着物の除去方法は、液滴を含む気体を被処理物に対して吹き付ける、ことを特徴とし、本発明にかかる付着物の除去装置、前記付着物の除去方法に使用する除去装置であって、液滴を含む気体を吹き付けるためのノズルと、気体を送り込む配管と、前記配管に液体を合流させる配管と、気体を送り込む配管の途中に設けられ前記液体の合流前の気体および/または合流後の気体を加熱する少なくとも1つの加熱部と、を含む、ことを特徴とする。
【選択図】図1

Description

本発明は、機械加工品表面の加工油などの付着物の除去方法およびこれに用いる除去装置に関する。詳しくは、除去効率に優れ、しかも、コスト負荷の少ない付着物の除去方法およびこれに用いる付着物の除去装置に関する。
物体表面の不要となった付着物など、付着物を除去する技術は、例えば、洗浄や、エッチング、乾燥などの工程に利用されるものである。
不要となった付着物の例としては、例えば、洗浄の場面では、機械加工の際に使用する加工油、掘削油、機械加工の際に生じるパーティクル、指紋による脂質などといった汚れなど、エッチングの場面では、シリコンウエハにおける酸化珪素膜など、乾燥の場面では、乾燥除去すべき水や有機溶剤などである。特に、半導体分野などでは、微細な付着物が性能に大きく影響するので、付着物を除去することの重要性が高い。
例えば、半導体技術におけるウエハ製造プロセスでは、シリコン基板表面を酸化させて酸化珪素膜を形成させた後、フォトレジストを塗布し、その上に、所望のパターンを有するフォトマスクを密着させ、露光、現像し、次いで、マスクされていない酸化珪素膜をエッチング除去するとともに、不要なフォトレジストを酸洗除去し、水洗、乾燥という操作が行われるが、酸化珪素膜のエッチング、レジスト除去、水洗、乾燥の各工程は、いずれも、付着物を除去する工程である。
このように、付着物の除去は、化学的処理、物理的処理あるいはこれらを組み合わせた方法で行われる。具体的には、液の浸透による付着物の分離、付着物の乳化、可溶化、液の高圧噴射による衝撃剥離作用などである。付着物の除去はこれらの種々の作用が総合的に関わる。
本発明が解決しようとする課題は、上記の如き付着物を除去するための技術として、低コストで、優れた除去効果を有する新規な除去方法およびこれに用いる新規な除去装置を提供することにある。
本発明者は、上記課題を解決するべく鋭意検討を行い、その過程で、気体に処理のための液滴を随伴させて被処理面上の付着物に激しく当てるのが良いと発想した。気体に液滴を随伴させて付着物に激しく衝突させるようにすれば、衝突エネルギーが働いて強い除去力が生じ、また、気体により液滴を保温あるいは昇温することが容易にできるので、温度エネルギーを与えて、除去力をさらに高めることも容易であると考えたからである。そして、この場合の液滴としては、まず、水滴を考えた。油汚れの洗浄は、一般に、有機溶剤を用いて行なわれるが、有機溶剤の代わりに、水を利用すれば、環境汚染や大気への拡散による地球温暖化などの諸問題や、発火の危険性もない除去方法が確立できるからである。
本発明者がこのような着想をした理由は、つぎのとおりである。処理液として加温した水を用いれば、被処理物の蒸らし効果や浸透性に優れるので、除去効果の点でも不足はない。そのため、通常は、まず、温水による浸漬や放射を行うことが考えられる。しかし、浸漬による水洗では、被処理物への作用が小さく、物理的な剥離まで及びにくい。また、放射による水洗の場合、水の必要量が多く、除去効果を高めるために昇温する場合、多大なエネルギーを要する問題があり、廃液の量も多くなるため、その処理に際して環境負荷が増大する。
そこで、本発明者は、温水による浸漬や放射に代わる別法として、水の液体、蒸気、過熱蒸気の三態の特性を生かすことを考えたのである。具体的には、水を水滴として用いて、この水滴を含む気体を被処理物に吹き付けることを考えたのである。この方法によれば、水滴が被処理物への衝撃力付与による剥離作用を奏し、気体によって前記水滴を保温あるいは昇温することが容易にできるので、温度エネルギーによる除去力の向上も容易であるとともに、その流速を速めることにより水滴の剥離作用を高め、さらに、気体を混合する分、流体全体としての体積が増加するので、水の使用量のさらなる低減が可能となり、省エネルギー化、廃液の低減の点でも、より優れた除去方法となる。
本発明者は、さらに、この除去方法が、水に限らず、他の種々の液体を用いても、目的とする優れた効果の得られることをも見出した。すなわち、上記除去方法は、前記の如き高い剥離作用、気体による効率の良い保温あるいは昇温の可能性、気体による見かけ体積の増加による液体使用量の低減、これに伴う廃液の低減、のいずれもが、水以外の液体を使用しても実現できるものであり、しかも、高温での除去が可能であり、低コストでありながら、その除去効果は、従来と同等か、あるいは、それを凌ぐものとなるのである。
なお、本除去方法で、このように、水以外の液体を用いた場合、水を適用した場合ほどに環境面、安全面に優れたものとはなり難いが、従来の如く、何ら工夫することなく溶剤を大量に使用する除去方法と比較したときには、その環境負荷が低減される可能性もある。
本発明者は、また、上記除去方法を実施する上で、この実施に好適に用いられる除去装置をも見出した。
本発明は、これらの知見に基づき完成されたものである。
すなわち、本発明にかかる付着物の除去方法は、液滴を含む気体を被処理物に対して吹き付ける、ことを特徴とする。
本発明にかかる付着物の除去装置は、上記付着物の除去方法に使用する除去装置であって、液滴を含む気体を吹き付けるためのノズルと、気体を送り込む配管と、前記配管に液体を合流させる配管と、気体を送り込む配管の途中に設けられ前記液体の合流前の気体および/または合流後の気体を加熱する少なくとも1つの加熱部と、を含む、ことを特徴とする。
なお、本発明において「気体」というときは、「液滴」として使用する液体の気化物以外の気体を指すものとする。また、本発明において、液体や気体の体積について述べるときは、20℃、1気圧を基準としている。
本発明にかかる付着物の除去方法によれば、液滴による剥離作用は、気体による液滴の保温、昇温、流速の増加作用によって増強することができ、高い除去効果を発揮する。さらに、液体を単独で用いるのではなく、気体との混合流体とするため、液体の使用量が少なくて済み、また、消費エネルギーも小さい。しかも、発生する廃液の量は非常に少ない。なお、高温で処理することが可能であり、この場合、付着物の除去と同時に殺菌効果を得ることもでき、除去後の乾燥も迅速になし得るという利点もある。
特に、液体として水を使用すれば、水は、毒性、燃焼の危険性、大気汚染、温暖化などの問題を生じさせない溶剤であるので、環境への影響が極めて小さい。また、発生する廃液は、水と汚染物の混合物であって、その量も非常に少ないため、後処理が極めて簡易である効果もある。さらに、発火の危険性がなく、防爆対策が不要であるという利点もある。
また、本発明にかかる付着物の除去装置は、上記除去方法に用いることができ、この装置は、必要最低限の量の液体と気体を用いるものであって、従来のように、あらかじめ大量の液を準備しておく必要がなく、特に、高温の液として用いる場合に、大量かつ高温の液を管理する必要がない点で安全性が高く、加熱に必要なエネルギーコストが低く、しかも、高温タンクが必要ないので、省スペース化が可能である。また、この除去装置は、液体や気体の種類を変更するだけで、エッチング、洗浄、乾燥などの工程に適用できるものであるので、これらの処理を1つの除去装置で行うこともでき、システムの簡素化が可能である。特に、薬液による洗浄、水洗、乾燥といった一連の除去工程を繰り返し行うような場合に有利である。
本発明にかかる除去方法の一実施形態を示す図である。 本発明にかかる除去方法を取り入れた除去システムの一例を示す図である。 本発明にかかる除去方法を取り入れた除去システムの一例を示す図である。 本発明にかかる除去方法を取り入れた除去システムの一例を示す図である。 本発明にかかる除去方法を取り入れた除去システムの一例を示す図である。 実施例における除去効果の評価1の基準を示す図である。 実施例における除去効果の評価2の基準を示す図である。
以下、本発明にかかる付着物の除去方法およびこれに用いる付着物の除去装置について詳しく説明するが、本発明の範囲はこれらの説明に拘束されることはなく、以下の例示以外についても、本発明の趣旨を損なわない範囲で適宜変更実施し得る。
〔液滴〕
液滴とは、液体が微細な液滴状となったもので、使用する液滴の粒径としては、例えば、10〜1000μmが好ましい。10μm未満では除去効果が低くなってしまうおそれがある。これは、粒径が小さいほど個々の液滴の重量も小さくなるため、被処理物への衝撃力が弱くなることによると推測される。一方、1000μmを超える場合にも除去効果が低くなるおそれがある。これは、被処理物に対して個々の液滴の径が大きくなり、広い面で衝突することとなり、衝突による凹みができにくくなるためと推測される。より好ましくは50〜500μmである。
液滴として用いる液体としては、環境面、安全面で、水が好ましく用いられるが、これに限定されるものではない。水以外の液体としては、硫酸、塩酸、硝酸などの酸や、炭化水素系溶剤、フッ素系溶剤、イソプロピルアルコールなどの有機溶剤などが挙げられる。水以外の液体を用いることで、酸化作用などの化学的作用を利用したりして、除去効果を高めることができる。本発明では、液体を含む気体を用いるものであるので、液体の全てが蒸発しないように、液体の使用量や、液滴を含む気体の温度、流速を決定する際には、液体の沸点も考慮すると良い。
〔気体〕
本発明で使用する気体としては、特に限定されるものではなく、被処理物の種類などに応じて適宜決定すればよい。具体的には、例えば、被処理物が耐食性の低いものである場合などには、窒素や希ガスや空気などの反応性の小さな気体が好適に挙げられる。特に、特別な気体を準備する必要がなく、コストのかからない点で空気が好ましい。また、窒素や希ガスなどの不活性ガスを用いれば、被処理物が酸化などの変質を起こすことを回避できる。また、例えば、被処理物が耐食性の高いものである場合や、化学的作用により強い除去効果を得たい場合などには、オゾン、酸素、塩素、フッ素などの活性ガスを積極的に選択することもできる。被処理物表面の付着物が油脂膜からなる場合に、オゾンや酸素などを用いれば、油脂膜を酸化させ、水と炭酸ガスに分解させて除去することができる。特に、本方法では、高温状態での除去処理が容易であり、この場合、高い酸化作用が期待できる。また、塩素ガスなどを用いれば、高温状態で除去処理を行う場合における本方法の優れた殺菌作用を助勢する効果が得られる。さらに、フッ素ガスなどを用いれば、水と反応してフッ酸となるので、本発明の除去方法をエッチングの目的で使用することもできる。
なお、上記の如く活性ガスを用いる場合、除去効果や殺菌効果が増強される一方で、不活性ガスを用いる場合よりも、環境面や安全面で劣るものとなるので、必要であれば、環境面や安全面と、除去効果や殺菌効果のバランスを考慮して、活性ガスと不活性ガスを併用し、その割合を調整するなどして、活性ガスの使用量を所望の範囲に調整することも可能である。
〔液滴を含む気体〕
液滴を含む気体は、気体による保温、昇温効果に優れるため、温度エネルギーを利用して除去力を高めることができる。したがって、液滴を含む気体を加温して除去処理することが好ましく、特に、高温状態で除去処理することが好ましい。例えば、液滴として水を用いる場合は、吐出口温度が100〜300℃となるように調整することが好ましい。被処理物や付着物の種類にもよるが、100℃未満では液滴の剥離作用を充分に向上させることができなくなるおそれがあり、300℃を超えると昇温に必要なエネルギーが高く、環境負荷やランニングコストが増大するおそれがあり、また、除去装置や被処理物が熱によって損傷するおそれがある。より好ましくは150〜200℃である。吐出口温度は、処理対象や、液体や気体の種類などに応じて、適宜決定すればよく、例えば、液体としてイソプロピルアルコールの如き低沸点の有機溶剤などを用いる場合などには、液滴が完全に気化してしまわないように、また、オゾンなど、高温下で分解しやすい気体を用いる場合などには、過度の分解が起こらないように、適宜調整すればよい。
なお、本発明にかかる除去方法は、上記のとおり、高温状態で行うこととすれば、除去効果と同時に殺菌効果も得ることができ、また、除去後の乾燥も迅速である。
〔除去方法〕
液滴を含む気体を被処理物に吹き付ける方法としては、例えば、液滴を含む気体を吹き付けるためのノズルと、気体を送り込む配管と、前記配管に液体を合流させる配管と、気体を送り込む配管の途中に設けられ前記液体の合流前の気体および/または合流後の気体を加熱する少なくとも1つの加熱部と、を含む、除去装置により行うことが好ましく、例えば、図1に示す除去装置10を用いる形態が好適である。
図1に示す除去装置10は、流量制御器11,12、加熱器13a,13b、加熱制御器14、導管部15、吐出口16を備えている。
気体と液体の供給量は、流量制御器11,12によって適切に設定される。
単位時間当たりの流量については、例えば、液体の流量を3〜300cc/min、気体の流量を0.3〜30L/minとすることができるが、これらは、被処理物の大きさなどに鑑みて適宜設定すればよい。単位時間当たりの流量が少なすぎると充分な剥離作用が得られなくなるおそれがあり、多すぎると液体の使用量が増え、流体温度が上がりにくくなり、剥離効果も低下する。
なお、本明細書における「体積」についての表記は、20℃、1気圧を基準としている。
液体と気体の使用量の割合は、液体や気体の種類などによっても好ましい範囲が異なるため、特に限定するわけではないが、例えば、液体として水を用いる場合などには、液体の使用量V1と気体の使用量V2との割合が、体積比率で、V1:V2=1:100〜1:200となるようにすることが好ましい。液体の使用量の割合が多すぎる場合(気体の使用量の割合が少なすぎる場合)、液体の微粒化が不充分となったり流体の流速が充分に得られなくなったりするおそれがある。他方、液体の使用量の割合が少なすぎる場合(気体の使用量の割合が多すぎる場合)、液滴の粒径が小さくなりすぎたり、液体がすべて蒸発してしまったりして、液滴による剥離作用が得られなくなるおそれがある。
図1においては、気体と液体とが合流する位置に前後して、加熱器13a、13bが設置されている。加熱器13aは、気体が液体と合流する前に、気体を加熱するためのものであり、この加熱器13aにより、気体が、例えば、100〜300℃に加熱される。他方の加熱器13bは、気体と液体とが合流して生じる液滴を含む気体の温度を100〜300℃に調整するためのものである。
加熱器13a、13bは温度制御器14によって温度が制御されている。特に、加熱器13bについては、液体の流量を考慮して、温度が高くなり過ぎないように設定する。温度が高くなりすぎると、液体が全て蒸発してしまって、液滴が存在しなくなってしまう。
液体が気体と合流すると、液体は、気体との衝突によって、液滴状となる。これにより、液滴を含む高温の気体が生じ、この流体が導管部15を通って、吐出口16から吐出される。したがって、従来のように、液体を液滴状とするために、高圧をかけたり、吐出口16にオリフィスを設けたりする必要はない。
気体によって速い流速を得た液滴が被処理物表面の付着物に対して衝突することで付着物を剥離する作用が働くが、従来のように液滴だけを用いた場合、吐出口16から吐出されたときの温度が100℃程度であっても、吐出後に直ちに冷却が始まり、付着物に作用する時点では、せいぜい80〜90℃となっている。しかし、本発明では、気体に液滴を含ませるようにしているので、液滴個体の温度が100℃以下であっても、流体全体の見かけの温度は100℃を超えることができ、充分に高い温度で付着物に作用させることができる。そのため、付着物を軟化させる作用や剥離作用が従来よりも高い。
なお、この流体が高温である場合、該流体中には、液滴、気体以外に、液体の気化物が含まれる。液体の気化物が存在すると、次のようにして除去効果がさらに向上すると推測される。
すなわち、まず、液滴が被処理物表面の付着物に対して衝突すると、その衝撃により前記付着物に凹みが生じる。次に、この凹みに液体の気化物が浸入する。液体の気化物は浸透力が高いので、凹みから、被処理物表面と付着物の間に入り込んで浸透していく。液体の気化物は、冷やされて液化するが、そのとき、表面張力が生じる。被処理物表面と付着物の間に浸透した液体の気化物が液体に戻って表面張力を生じることで付着物を押し上げるように作用するので、結果として、良好な剥離作用が得られる。
なお、上記した形態は本発明の一例であり、例えば、液体と気体が合流する前に、液体を加熱するための加熱器があってもよいし、逆に、加熱器13bの容量を大きくすることにより、この加熱器13bのみによって液体と気体を加熱するようにしてもよい(加熱器13aがない形態)。
〔除去システム〕
上記除去方法を含む除去システムを、特に、洗浄システムを例として、以下に説明する。
<ベルトコンベアによる洗浄システム>
ベルトコンベアによる洗浄システムは、大規模な連続洗浄に適している。
図2に示すように、ベルトコンベア20上に被処理物30を載置し、搬送しながら、温水槽41における温水供給装置40から供給された温水への浸漬、図1に示す除去装置10から液滴を含む高温の気体を吐出して行う1次洗浄、高温ガス供給装置50から高温ガスを吹き付けて行う1次乾燥、被処理物の反転、1次洗浄・1次乾燥と同様にして行う2次洗浄・2次乾燥を行う。
1次洗浄の前に温水への浸漬を行うことによって、被処理物を軟化させ、1次洗浄における洗浄効果をより高めるようにしている。
また、被処理物の反転により、被処理物に対する洗浄、乾燥をムラなく行うようにしている。
高温下で洗浄処理を行うので、洗浄後の乾燥時間は短く、ウォーター痕が発生しにくい利点がある。
なお、前記温水供給装置40、高温ガス供給装置50は従来公知の装置を用いればよいが、後述する洗浄槽による洗浄システムで採用しているように、前記温水供給装置40、高温ガス供給装置50として、除去装置10を利用することもできる。
<洗浄槽による洗浄システム>
洗浄槽による洗浄システムは、被処理物が比較的小さい場合に好適である。例えば、粒状物や箔状物などの洗浄に適している。
具体的には、例えば、図3に示す洗浄システムが採用できる。この洗浄システムでは、メッシュ状のドラム洗浄槽60を用いており、ドラム洗浄槽60内に、液滴を含む高温の気体を吹き付けたり、温水に浸漬させたりすることができるようになっている。
このメッシュ状のドラム洗浄槽60を回転または揺動させながら用いることで、温水への浸漬、本発明にかかる除去方法、乾燥という一連の処理を簡潔に行うシステムを構築する。
また、図3では、本発明にかかる除去方法のための液滴を含む気体の吹き付けを行うための除去装置10以外に、浸漬のための温水槽41とこの温水を供給するための温水供給装置40、および、乾燥のための高温ガス発生用の高温ガス供給装置50が2点鎖線で示されている。
このとき、前記温水供給装置40、高温ガス供給装置50として、図1の除去装置10を用いることができる。したがって、所望の工程ごとに吐出する流体の種類を適宜変更することにより、全ての工程を1つの除去装置10で行うことができる。
具体的には、浸漬のために温水を吐出する際には、気体の供給を行わず、水の供給のみを行い、加熱器13bにより水を加熱して吐出口16から温水を吐出するようにしている。また、本発明にかかる除去方法を使用する際には、液体、気体をともに供給し、加熱器13aによる気体の加熱、加熱器13bによる液滴を含む気体の保温もしくは昇温を行い、吐出口16から液滴を含む高温の気体を吐出するようにしている。さらに、乾燥のために高温ガスを吐出する際には、液体の供給を行わず、ガス(乾燥に適したものであれば不活性ガスに限らない)を供給し、加熱器13aおよび/または加熱器13bによりガスを加熱して、吐出口16からこの高温ガスを吐出するようにしている。
なお、2点鎖線で示す高温ガスによる乾燥では、被処理物を下から吹き上げて、浮かせるようにする、いわゆる吹き上げ乾燥を採用している。
このように、この洗浄システムでは、上に述べたベルトコンベアによる洗浄システムと同様の処理を1つのドラム洗浄槽60、1つの除去装置10によって行うことができるので、小規模な設備で済み、非常に低コストである。ただし、1度に洗浄できる量に限界があるので、大量洗浄を行う場合には、上記ベルトコンベアによる連続洗浄の方が好ましいといえる。
なお、この方法でも、高温下で洗浄処理を行うので、乾燥時間が短い。
<リングによる洗浄システム>
リングによる洗浄システムは、例えば、棒状の被処理物の洗浄に適している。
図4に示すように、本発明の除去方法を実施できる除去装置(例えば、図1に示す除去装置10)を用いて、その導管部15に連設するようにリング状の吐出口16を配置する。そして、このリング状の吐出口16の内側に被処理物30を配置し、リング状の吐出口16および/または被処理物30を、リングの軸方向にスライドさせるように動かすことで、被処理物全体をまんべんなく洗浄することができる。
本発明にかかる除去方法を施した後に、吐出口16から高温ガスを吐出させることで、上述の洗浄システムと同様に、洗浄後の乾燥も含めた洗浄システムとすることができる。
この洗浄システムは、例えば、内視鏡などの洗浄に適用することができ、高温洗浄であるが故に、洗浄効果とともに殺菌効果も同時に得ることができ、乾燥も迅速になされる利点がある。
<管状を利用した洗浄システム>
本発明の除去方法は、図5に示すような容器の内壁の洗浄にも応用することができる。
すなわち、図5に示すように、被処理物30である容器の内側に、除去装置10の導管部15とこれに連設する吐出口16を挿入し、必要に応じて、吐出口16および/または被処理物30を上下動させることにより、被処理物30の内壁をまんべんなく洗浄することができる。
本発明にかかる除去方法を施した後に、吐出口16から高温ガスを吐出させることで、上述の洗浄システムと同様に、洗浄後の乾燥も含めた洗浄システムとすることができる。
また、高温洗浄であるが故に、洗浄効果とともに殺菌効果も同時に得ることができ、乾燥も迅速になされる利点があることも、上述の洗浄システムと同様である。
<ターンテーブルによる洗浄システム>
その他の洗浄システムとして、ターンテーブルによる洗浄システムなども挙げられる。すなわち、ターンテーブル上に被処理物を載置し、ターンテーブルを回転させながら、上記除去装置10を用いて、その吐出口16から液滴を含む高温の気体を被処理物に吹き付けるようにする。被処理物が比較的大きく、その周囲全体にわたって洗浄したい場合に好適である。
ターンテーブルを回転させることで被処理物も回転するので、除去装置10の導管部15を被処理物の周囲方向に動かす必要がなく、被処理物の周囲方向に垂直な方向に動かすだけで良いので、導管部15が絡まってしまうこともなく、被処理物全体にわたる洗浄が可能である。
なお、この方法でも、高温下で洗浄処理を行うので、乾燥時間が短い。
〔使用対象〕
本発明にかかる除去方法は、特に限定するわけではないが、例えば、加工油や油脂類などの剥離への使用が好適に挙げられる。本発明においては、特に、高温で処理を行うことで、汚染物を軟化させ、洗浄などの際に要求される剥離効果を高めることができる。
不要となった付着物の例としては、従来と同様、例えば、洗浄の場面では、機械加工の際に使用する加工油、掘削油、機械加工の際に生じるパーティクル、指紋による脂質などといった汚れなど、エッチングの場面では、シリコンウエハにおける酸化珪素膜など、乾燥の場面では、乾燥除去すべき水や有機溶剤などである。
例えば、半導体技術におけるウエハ製造プロセスでは、シリコン基板表面を酸化させて酸化珪素膜を形成させた後、フォトレジストを塗布し、その上に、所望のパターンを有するフォトマスクを密着させ、露光、現像し、次いで、マスクされていない酸化珪素膜をエッチング除去するとともに、不要なフォトレジストを酸洗除去し、水洗、乾燥という操作が行われるが、従来、酸化珪素膜のエッチングにはフッ酸など、レジスト除去には硫酸など、水洗には高温の純水などが使用されてきた。この場合、被処理物にこれらの液を滴下したり、あるいは、被処理物をこれらの液に浸漬したりといった方法が採用されていたが、液の使用量が多いため、廃液の量も多くなり、さらに、大量の液を昇温、保温するのに過大な加熱エネルギーを要する問題があった。また、水洗後の乾燥では、窒素とイソプロピルアルコールの混合ガスを吹き付けて、吹き付けによる物理的衝撃と、イソプロピルアルコールと水との共沸とにより、速やかに乾燥を行うことが知られているが、窒素の加熱と、イソプロピルアルコールの気化、および、これらの温度を維持するためのエネルギーコストが大きく、また、その加熱には、ウォーターバスなどの大掛かりな装置が用いられてきた。本発明は、従来技術における前記問題を生じることなく、エッチング、レジスト除去、水洗、乾燥のいずれの工程にも適用できるものである。例えば、液体を液滴として気体とともに使用するため、その量は非常に少なくて済み、廃液の量も低減できるとともに、加熱する場合に必要なエネルギーも少ない。窒素とイソプロピルアルコールを併用する場合にも、従来のように、大掛かりな装置は必要なく、図1に示す如き装置を用いればよく、簡素化が可能である。
また、半導体技術における洗浄工程では、薬液による化学的洗浄と、該洗浄後に薬液を洗い流す水洗、水洗後の乾燥という一連の工程を繰り返し行うことがあるが、本発明は、これら全てに適用できるものであるため、使用する気体や液体を適宜変更するだけで、これらの一連の工程を1ユニットで行うことができ、これを複数段使用することも可能であるので、省スペース化、省エネルギー化、低コスト化が実現できる。具体的には、例えば、前記エッチングは、例えば、気体としてフッ素を用い、液体として水を用いて、フッ酸を生ぜしめることで可能であり、前記レジスト除去その他の薬液による洗浄は、例えば、液体として硫酸を用いること(気体の種類は特に問わないが、例えば、オゾンなどを用いることで酸化作用などの化学的作用を高めることもできる。)で可能であり、前記純水洗浄は、液体として水を用いること(気体の種類は特に問わない)で可能である。
さらに、上記半導体分野以外に、食品容器、薬品、化粧品などの製造ライン、例えば、ベルトコンベア、生産パイプラインなどでの付着物の除去作業などでも実施できる。
以下に、実施例および比較例によって本発明をより具体的に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
<洗浄への適用例>
〔実施例1〕
40mm角のステンレス試験片「SUS304」の表面に加工油「オマラオイル100」(シェル石油社製)を50mg塗布して24時間放置し、この試験片に対して下記洗浄方法を適用した。
図1に示す除去装置10を用いて、被処理物(試験片)に対して水滴を含む高温の気体を吹き付けた。気体として空気を用いた。
このとき、水の供給量は30cc/min、空気の供給量は30L/minであった。空気は水と混合する前に加熱器13aにより140℃に余熱して、水と混合したのちは、水滴を含む高温の空気を加熱器13bにより吐出口温度が140℃(流体全体の見かけの温度)となるように加熱あるいは保温するようにした。
上記洗浄後の試験片について、試験片表面を目視観察して、図6(a)に示すように被処理物(試験片)30表面に加工油70が認められた場合を不合格、図6(b)に示すように被処理物(試験片)30表面に加工油70が認められない場合を合格とする評価(除去効果の評価1)を行った。
この除去効果の評価1を行った結果、合格と評価された。
つぎに、より厳しい評価、すなわち、前記洗浄後の試験片表面に水0.1ccを滴下し、水の状態を目視観察して、図7(a)に示すように被処理物(試験片)30表面の水80が略球状となった場合を不合格、図7(b)に示すように被処理物(試験片)30表面の水80の接触角が低下し断面が略楕円状となった場合を合格とする評価(除去効果の評価2)を行った。合格であるか否かの具体的判断については、試験片表面の加工油をエタノールで拭き取った後にその表面に水0.1ccを滴下した場合の水の接触角を参考にした。
この除去効果の評価2を行った結果、不合格と評価された。
そこで、前記除去方法における水滴を含む高温の空気の吐出口温度を140℃から184℃に変更して、同様の試験片に対して洗浄を行ったところ、前記除去効果の評価1のみならず、除去効果の評価2においても合格の評価となった。
〔実施例2〕
図1に示す除去装置10を用いて、上記と同様の試験片に対して水滴を含む高温の気体を吹き付けた。気体として空気を用いた。
このとき、水の供給量は水40cc/min、空気の供給量は20L/minであった。空気は水と混合する前に加熱器13aにより184℃に余熱して、水と混合したのちは、水滴を含む高温の空気を加熱器13bにより吐出口温度が184℃(流体全体の見かけの温度)となるように加熱あるいは保温するようにした。
上記洗浄後の試験片について除去効果を評価したところ、前記除去効果の評価1、除去効果の評価2のいずれにおいても合格と評価された。
〔実施例3〕
図1に示す除去装置10を用いて、上記と同様の試験片に対して水滴を含む高温の気体を吹き付けた。気体としてオゾンを用いた。
このとき、水の供給量は50cc/min、オゾンの供給量は50L/minであった。オゾンは水と混合する前に加熱器13aにより100℃に余熱して、水と混合したのちは、水滴を含む高温のオゾンを加熱器13bにより吐出口温度が150℃(流体全体の見かけの温度)となるように加熱あるいは保温するようにした。
上記洗浄後の試験片について除去効果を評価したところ、前記除去効果の評価1、除去効果の評価2のいずれにおいても合格と評価された。
〔実施例4〕
図1に示す除去装置10を用いて、上記と同様の試験片に対して水滴を含む高温の気体を吹き付けた。気体として塩素を用いた。
このとき、水の供給量は50cc/min、塩素の供給量は50L/minであった。塩素は水と混合する前に加熱器13aにより120℃に余熱して、水と混合したのちは、水滴を含む高温の塩素を加熱器13bにより吐出口温度が140℃(流体全体の見かけの温度)となるように加熱あるいは保温するようにした。
上記洗浄後の試験片について除去効果を評価したところ、前記除去効果の評価1、除去効果の評価2のいずれにおいても合格と評価された。
〔比較例〕
図1に示す除去装置10を用いて、上記と同様の試験片に対して高温の水蒸気を吹き付けた。具体的には、空気を使用せず、水の供給量を20cc/minとし、加熱器13bにより充分に加熱を行い、吐出口温度120℃の過熱水蒸気とした。
上記洗浄後の試験片について除去効果を評価したところ、前記除去効果の評価1、除去効果の評価2のいずれにおいても不合格と評価された。
そこで、過熱水蒸気の吐出口温度を120℃から150℃に変更して、同様の試験片に対して洗浄を行ったところ、前記除去効果の評価1、除去効果の評価2のいずれにおいても、不合格と評価された。
さらに、過熱水蒸気の吐出口温度を185℃に変更して、同様の試験片に対して洗浄を行ったところ、前記除去効果の評価1、除去効果の評価2のいずれにおいても、やはり、不合格と評価された。
〔考察〕
実施例1に示す結果から、本発明にかかる除去方法では、水滴を含む高温の空気の吐出口温度が高温であるほうが、除去効果が高いことが分かった。
一方、比較例に示す結果から、単に高温の水蒸気を吹き付けるだけの除去方法では、温度を高くしても、除去効果の向上は認められないことが分かった。
実施例2に示す結果から、水と空気の配合量を変更しても優れた除去効果が得られることが分かった。
実施例3,4に示す結果から、空気以外の気体を用いても、優れた除去効果が得られることが分かった。オゾンを用いた実施例3では、前記除去効果の評価2における接触角が、空気を用いた実施例2よりも小さく、加工油の除去効果が特に高いことが分かった。塩素ガスを用いた実施例4でも、他の実施例と同様、優れた除去効果が認められることから、本方法は、塩素ガスなどを用いた殺菌作用の高い除去方法などへの応用も可能であることが分かった。
<ウエハ製造プロセスへの適用例>
〔実施例5〕
従来公知の方法により、シリコン基板表面を酸化させて酸化珪素膜を形成させた後、フォトレジストを塗布し、その上に、所望のパターンを有するフォトマスクを密着させ、露光、現像を行った。
次に、フォトレジストによるマスクがされていない酸化珪素膜を、図1に示す除去装置を用いてエッチングした。すなわち、図1に示す除去装置において、気体としてフッ素を用い、液体として水を用いることにより、現像後のシリコン基板に、水滴を含む高温のフッ素ガスを吹き付けた。シリコン基板に吹き付けられた水滴を含む高温のフッ素ガスは、一部がフッ酸となり、酸化珪素膜に対し良好なエッチング除去作用が認められた。この方法では、従来のように薬液を大量に使用する必要がなく、また、加熱するエネルギーを優位に低減することができた。具体的には、従来のようにフッ酸を滴下する場合と比べて、70%(本実施例での水の使用量と、従来技術におけるフッ酸の使用量とを、単位時間当たりの使用量で比較)の薬液低減が実現できた。
上記エッチングを終えたのち、図1に示す除去装置を用いてフォトレジストを除去した。すなわち、図1に示す除去装置において、気体として空気を用い、液体として硫酸を用いることにより、エッチング後のシリコン基板に、硫酸の液滴を含む高温の空気を吹き付けた。従来は、硫酸をタンク内で加熱してからシリコン基板に滴下するようにしていたため、昇温に多大なエネルギーを要し、かつ、その保温も困難であったが、本方法では、必要最低限の量の硫酸を高温の空気により昇温、保温を行うため、速やかに昇温し、かつ、高い保温効果が得られた。具体的には、従来のように硫酸を滴下する場合と比べて、80%(本実施例での硫酸の使用量と、従来技術における硫酸の滴下量とを、単位時間当たりの使用量で比較)の薬液低減が実現できた。
上記レジスト除去を終えたのち、図1に示す除去装置を用いて水洗を行った。すなわち、図1に示す除去装置において、気体として空気を用い、液体として水を用いることにより、レジスト除去後のシリコン基板に、水滴を含む高温の空気を吹き付けた。高温の気体により見かけ体積が大きいため、従来と比べて、必要な水の量が大幅に削減でき、これにより、加熱エネルギーの低減、廃液の低減が実現できた。また、その除去効果についてみても、空気による水滴の保温、昇温、流速の増加作用により、前工程(レジスト除去)でシリコン基板上に付着した硫酸を十分に取り除くことができた。
上記水洗を終えた後、図1に示す除去装置を用いて乾燥を行った。すなわち、図1に示す除去装置において、気体として窒素を用い、液体としてイソプロピルアルコールを用いることにより、水洗後のシリコン基板に、イソプロピルアルコールの液滴を含む高温の窒素を吹き付けた。従来は、窒素ガスを加熱、保温しておき、これとは別にイソプロピルアルコールを気化しておいたのち、これらを混合して、シリコン基板に吹き付けていたため、窒素ガスを加熱、保温するためのタンクと熱源、イソプロピルアルコールを気化させるためのタンクと熱源が必要であり、保温、昇温に多大なエネルギーコストを要していたが、本方法では、図1に示す除去装置に必要量だけを供給し、加熱、混合するので、エネルギーコストを大幅に削減できた。窒素による液滴の保温、昇温、流速の増加作用により、基板上の水に対して強い物理的衝撃を与えることができ、また、液滴状のイソプロピルアルコールは、水とともに容易に共沸し、これらの結果、十分な乾燥効果が得られた。
本発明にかかる付着物の除去方法およびこれに用いる付着物の除去装置は、例えば、加工油や油脂類などを洗浄除去したり、付着物をエッチング除去したり、水などを乾燥除去したりする方法として好適に使用することができ、また、様々な形状の被処理物、例えば、比較的大きなものだけでなく、比較的小さなもの(粒状物、箔状物など)に付着した付着物の除去にも使用でき、さらに、棒状物、容器内壁に付着した付着物の除去にも応用することができる。そして、また、高温状態での除去処理が可能であることを利用して、前記種々の被処理物に対して、除去処理と同時に殺菌を行う目的にも使用できるとともに、洗浄、殺菌後の乾燥といった異なる除去工程を含めた除去システムも簡易に構築することができる。
10 除去装置
11,12 流量制御器
13a、13b 加熱器
14 温度制御器
15 導管部
16 吐出口
20 ベルトコンベア
30 被処理物
40 温水供給装置
41 温水槽
50 高温ガス供給装置
60 ドラム洗浄槽
70 加工油
80 水

本発明者は、また、上記除去方法を実施する上で、この実施に好適に用いられる除去装置をも見出した。
本発明は、これらの知見に基づき完成されたものである。
すなわち、本発明にかかる付着物の除去方法は、粒径10〜1000μmの液滴を含む気体を被処理物に対して吹き付ける、付着物の除去方法であって、前記液滴を含む気体は、流量3〜300cc/minの水(V1)と流量0.3〜30L/minの気体(V2)をV1:V2=1:100以上の体積比率で合流させることで得られるものであり、前記合流の前の気体を100〜300℃に加熱するとともに前記合流の後の液滴を含む気体をも100〜300℃に加熱することにより、高い温度で被処理物に吹き付けられるようになっている、ことを特徴とする。
本発明にかかる付着物の除去装置は、上記付着物の除去方法に使用する除去装置であって、液滴を含む気体を吹き付けるためのノズルと、気体を送り込む配管と、前記配管に液体を合流させる配管と、気体を送り込む配管の途中に設けられ前記液体の合流前の気体および/または合流後の気体を加熱する少なくとも1つの加熱部と、を含む、ことを特徴とする。
液滴として用いる液体としては、環境面、安全面で、水が用いられる(以下では「水」を「液体」と称することもある)。本発明では、液体を含む気体を用いるものであるので、液体の全てが蒸発しないように、液体の使用量や、液滴を含む気体の温度、流速を決定する際には、液体の沸点も考慮すると良い。
〔気体〕
本発明で使用する気体としては、特に限定されるものではなく、被処理物の種類などに応じて適宜決定すればよい。具体的には、例えば、被処理物が耐食性の低いものである場合などには、窒素や希ガスや空気などの反応性の小さな気体が好適に挙げられる。特に、特別な気体を準備する必要がなく、コストのかからない点で空気が好ましい。また、窒素や希ガスなどの不活性ガスを用いれば、被処理物が酸化などの変質を起こすことを回避できる。また、例えば、被処理物が耐食性の高いものである場合や、化学的作用により強い除去効果を得たい場合などには、オゾン、酸素、塩素、フッ素などの活性ガスを積極的に選択することもできる。被処理物表面の付着物が油脂膜からなる場合に、オゾンや酸素などを用いれば、油脂膜を酸化させ、水と炭酸ガスに分解させて除去することができる。特に、本方法では、高温状態での除去処理が容易であり、この場合、高い酸化作用が期待できる。また、塩素ガスなどを用いれば、高温状態で除去処理を行う場合における本方法の優れた殺菌作用を助勢する効果が得られる。さらに、フッ素ガスなどを用いれば、水と反応してフッ酸となるので、本発明の除去方法をエッチングの目的で使用することもできる。

Claims (4)

  1. 液滴を含む気体を被処理物に対して吹き付ける、付着物の除去方法。
  2. 液滴の粒径が10〜1000μmである、請求項1に記載の付着物の除去方法。
  3. 前記気体が空気である、請求項1または2に記載の付着物の除去方法。
  4. 請求項1から3までのいずれかに記載の付着物の除去方法に使用する除去装置であって、液滴を含む気体を吹き付けるためのノズルと、気体を送り込む配管と、前記配管に液体を合流させる配管と、気体を送り込む配管の途中に設けられ前記液体の合流前の気体および/または合流後の気体を加熱する少なくとも1つの加熱部と、を含む、付着物の除去装置。
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