JP2014132103A - 蒸着用基板保持トレイ、及び蒸着用基板保持トレイを備える真空蒸着装置 - Google Patents

蒸着用基板保持トレイ、及び蒸着用基板保持トレイを備える真空蒸着装置 Download PDF

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Abstract

【課題】本発明の蒸着用基板保持トレイは、基板が変形することよって基板が損傷することを防ぐことが可能な蒸着用基板保持トレイを提供することを目的とする。
【解決手段】基板3を下または上に凸となるようにして強制的に撓み変形させた状態で保持する保持機構121と、基板3に沿って下または上に凸となる湾曲し、保持機構121に保持された基板3の裏面を支持する支持面1221a有するトレイ本体122とを備えることを特徴とする。
【選択図】図1

Description

本発明は、蒸着用基板保持トレイ、及び蒸着用基板保持トレイを備える真空蒸着装置に関する。
真空蒸着装置は、真空チャンバー内に蒸着材を収容した蒸発源で蒸着材を蒸発又は昇華により気化させると共に、気化された蒸着材を真空チャンバー内の底部に配設した蒸着源の開口部から拡散させ、上方において配置される基板の表面に対してマスクのパターンに応じた成膜を行うようになっている。近年においては、このような真空蒸着装置は、金属材料の蒸着に限らず、有機物を蒸着材として、有機EL素子の薄膜や液晶ディスプレイの製造過程にも用いられている。
このような真空蒸着装置としては、例えば、特許文献1が開示されている。具体的には、特許文献1に記載の真空蒸着装置は、複数の開口が設けられたガラス板と保持部材とで基板を挟み込んで、蒸着源の上方に配置する。このガラス板は、開口部分にマスクが嵌め込まれて固定されている。そして、保持部材は、基板の撓みに応じて複数の点で荷重を加える付勢手段を有している。この付勢手段によって、基板をガラス板に向かって複数の点で押し付け、ガラス板に固定されたマスクと基板とを密着させて蒸着パターンの精度を向上させている。
特開2005−281746号公報
しかしながら、特許文献1のような真空蒸着装置では、基板をガラス板に向かって複数の点で押し付けており、マスクが固定されている部分は押し付けられていないため、マスク部分の基板が自重によって撓み変形してしまい、搬送に伴って撓み量が変動するように振動してしまう可能性がある。また、雰囲気の温度変化により、基板も温度変化してこれにより撓み量が変化してしまう場合がある。このように基板の撓み量が変化すると、密着したマスクと基板との間に隙間が生じて蒸着パターンの精度が低下したり、蒸着源との距離が変化して蒸着膜の膜厚が不均一になったりしてしまう。
また、矩形状のマスクが固定されている部分が開口し、いわゆる格子状をなすガラス板で下方から基板及びマスクを支持しているため、格子状のガラス板によって区画された開口部分しか成膜できず、また、当該ガラス板によって影が生じてしまうこととなり、蒸着膜が形成された大型の基板を製造することができなくなってしまうという問題がある。
本発明は、上記課題を解決するためになされたものであって、大型の基板であっても、均一に成膜することが可能であるとともに、搬送時などに基板が変形して破損してしまうことを防止することが可能な蒸着用基板保持トレイ、及び蒸着用基板保持トレイを備える真空蒸着装置を提供することを目的とする。
上記課題を解決するために、本発明は以下の手段を提案している。
本発明の一態様に係る蒸着用基板保持トレイは、基板を下または上に凸となるようにして強制的に撓み変形させた状態で保持する保持機構と、前記基板に沿って下または上に凸となる湾曲し、前記保持機構に保持された前記基板の裏面を支持する支持面を有するトレイ本体とを備えることを特徴とする。
このような構成によれば、強制的に基板を撓み変形させてトレイ本体の支持面で基板を固定することで、自重や温度変化に起因して基板の撓み量が変化してしまうことを抑制することができる。そのため、基板が変形することよる基板の損傷を防止し、また、膜厚の均一化を図ることが可能となる。
また、本発明の他の態様に係る蒸着用基板保持トレイは、前記支持面は、使用する蒸着装置の蒸着源から拡散する蒸着材の拡散形状に応じた形状に形成されていることを特徴とする。
このような構成によれば、支持面の形状を蒸着源から拡散する蒸着材の拡散形状に応じた形状とすることで、蒸着源から基板の成膜面までの距離を一定とすることができ、基板の端部まで均一に成膜することができる。
さらに、本発明の一の態様に係る真空蒸着装置は、前記蒸着用基板保持トレイと、前記蒸着用基板保持トレイに保持された前記基板の表面に向けて蒸着材を放出する蒸着源と、真空チャンバーと、を備えることを特徴とする。
このような構成によれば、蒸着用基板保持トレイを用いることで容易に基板の変形を抑えることができる。このため、基板が変形することよって基板が損傷することを防ぎながら、均一に成膜することが可能となる。
また、本発明の他の態様に係る真空蒸着装置は、前記蒸着源は、前記支持面に応じた拡散形状で前記蒸着材を拡散させることを特徴とする。
このような構成によれば、蒸着源から拡散する蒸着材の拡散形状を支持面の形状に応じた形状とすることで、蒸着源から基板の成膜面までの距離を一定とすることができる。これにより、薄膜の膜厚を基板の端部まで均一することが可能となる。
さらに、本発明の他の態様に係る真空蒸着装置は、前記蒸着源は、前記支持面に応じて配置された複数の拡散口を有することを特徴とする。
このような構成によれば、複数の拡散口を支持面に応じて配置することで、各拡散口から基板までの距離を均一とし、拡散口から放出される蒸着材を基板に均一に付着させることができる。これにより、基板に均一な膜厚で成膜することができる。
また、本発明の他の態様に係る真空蒸着装置は、前記蒸着源は、湾曲した前記基板の表面上で均一となるように、該基板の幅方向で異なる分布で前記蒸着材を拡散させることを特徴とする。
このような構成によれば、基板の表面上で均一となるよう蒸着源から異なる分布で蒸着材を拡散させることで、膜厚が薄くなりやすい部分に多くの蒸着材を放出させるようにして、基板の端部まで形成される薄膜を均一とすることができる。
さらに、本発明の他の態様に係る真空蒸着装置は、前記基板を保持する前記蒸着用基板保持トレイを連続して搬送する搬送手段を備えることを特徴とする。
このような構成によれば、基板が蒸着用基板保持トレイに固定されているため、搬送手段で連続して搬送しても基板が撓み変形して損傷してしまうことがない。そのため、連続して複数の基板に安定して成膜することができる。
本発明の蒸着用基板保持トレイによれば、大型の基板であっても、均一に成膜することが可能であるとともに、搬送時などに基板が変形して破損してしまうことを防止することが可能である。
本発明の第一実施形態に係る蒸着用基板保持トレイを備える真空蒸着装置を説明する模式図ある。 本発明の第二実施形態に係る蒸着用基板保持トレイを備える真空蒸着装置を説明する模式図ある。 本発明の第三実施形態に係る蒸着用基板保持トレイを備える真空蒸着装置を説明する模式図ある。 本発明の第四実施形態に係る蒸着用基板保持トレイを備える真空蒸着装置を説明する模式図ある。
以下、本発明に係る実施形態について図1を参照して説明する。
第一実施形態の真空蒸着装置1は、基板3を搬送しながら順次複数の薄膜を真空蒸着によって形成するインライン式の真空蒸着装置1である。図1に示すように、第一実施形態の真空蒸着装置1は内部で蒸着が行われる真空チャンバー11と、真空チャンバー11内で基板3を保持する蒸着用基板保持トレイ12と、基板3に向かって蒸着材2を噴射する蒸着源13と、蒸着用基板保持トレイ12を搬送する搬送手段14とを有している。インライン式の真空蒸着装置1は、図1に示すような真空チャンバー11が複数並列して配置されることで構成されている。
真空チャンバー11は、箱状に形成され、アルミ合金、ステンレス鋼等から構成されている。この真空チャンバー11の内側の空間は図示しない真空ポンプにて減圧可能とされており、これによって真空チャンバー11内は真空チャンバー11の外側よりも低圧状態とされる。
蒸着用基板保持トレイ12は、基板3を固定して保持しており、外部から真空チャンバー11内に投入され、真空チャンバー11内で基板3を搬送している。蒸着用基板保持トレイ12は、基板3を非成膜面である裏面側から支持するトレイ本体122と、基板3を搬送方向(図1紙面左右方向)の両側から保持する保持機構121とを有している。
トレイ本体122は、基板3を非成膜面である裏面側から支持しており、基板3を裏面側に向かって凹形状とさせて湾曲する支持面1221aを有する底板と、底板の外周に設けられる枠体1222とを有し、搬送時に下方(図1紙面下方向)となる面が開口した箱状をなしている。
天板1221は、基板3の裏面と接触して支持しており、基板3を裏面側に向かって予め定めた凹形状となるよう撓み変形せるように湾曲した矩形板状をなしている。
支持面1221aは、天板1221の基板3の裏面と接触する側の面であり、蒸着源13から離れるように固定される基板3を裏面側に向かって凹形状とさせるように湾曲している。具体的には、支持面1221aは、後述する拡散口131から拡散して放出される蒸着材2の楕円球状の分布をなす拡散形状に沿った形状で形成されている。
枠体1222は、天板1221の外周に設けられ、トレイ本体122の側面を構成している。
保持機構121は、基板3を強制的に支持面1221aに沿って当接するよう撓み変形させて基板3を端面から固定して保持する。保持機構121は、トレイ本体122の支持面1221aの搬送方向の両側に対向して設けられ基板3を保持する基板保持部1211と、基板保持部1211での基板3の保持する力を調整する保持操作部1212とを有する。
基板保持部1211は、断面L字状をなしており、トレイ本体122の搬送方向両側に片側二箇所ずつの合計四カ所でL字状の溝部分をトレイ本体122の中央部を向けて対向して設けられている。基板保持部1211は、基板3をトレイ本体122の支持面1221a上に配置した後に、搬送方向の両側のL字状の溝部分に基板3の端部を入れることで基板3が落下しないよう保持する。
保持操作部1212は、基板保持部1211が基板3を保持する力を調整しており、例えば、本実施形態では、ハンドル状をなして基板保持部1211と連動しており回転することで基板保持部1211の位置を調整して基板3を保持する力を調整している。具体的には、保持操作部1212であるハンドル状をなす保持操作部1212を一方向に回転させることで、基板保持部1211が基板3をトレイ本体122の支持面1221aに強制的に押し付けるように可動する。そして、逆方向にハンドル状をなす保持操作部1212を回転させることで、基板保持部1211が基板3から離間するように可動する。
蒸着源13は、真空チャンバー11内の底部に配置され、基板3に向かって蒸着材2を拡散して放出している。蒸着源13は、基板3が配置された上方(図1紙面上方向)に向かって開口する拡散口131と、蒸着材2が配置されている蒸着源本体132とを有している。
拡散口131は、上方に向かって開口する円筒状をなすノズルであり、基端部側が蒸着源本体132と連通して接続されている。拡散口131は、蒸着材2を拡散させる拡散形状がCOSθ則にしたがって楕円球状をなすよう開口から蒸着材2を拡散して放出するような開口形状をなしている。
なお、拡散口131からの蒸着材2の拡散形状は、蒸着材2の種類、周囲の温度、成膜速度や拡散口131の形状などによって異なるため、事前に実験によって形状を確認することが好ましい。例えば、蒸着源13の温度を上げ成膜速度を上昇した場合や蒸着源13の形状を細長い形状とした場合、拡散形状は基板3側に尖ったような楕円形状となる。
蒸着部本体は、箱形状をなしており、上面に拡散口131が接続されている。蒸着部本体は、内部に蒸着材2が配置されており、蒸着源本体132内の圧力が一定となるように空間が十分に設けられている。そして、蒸着源本体132内に配置された図示しない加熱機構よって蒸着材2を加熱可能することで蒸着材2を粒子状にしている。
搬送手段14は、真空チャンバー11内に配置され、図示しない駆動部によって回転されるガイドローラ141を有している。搬送手段14は、このガイドローラ141上を蒸着用基板保持トレイ12通過させることで、図示しない複数の異なる真空チャンバー11間や真空チャンバー11外に基板3を連続して搬送している。
ガイドローラ141は、真空チャンバー11内に蒸着用基板保持トレイ12を落下させないよう所定の間隔を開けて複数配置され、基板3への蒸着を妨げないよう蒸着源13である拡散口131の上方以外に配置されている。
次に、第一実施形態の蒸着用基板保持トレイ12を備える真空蒸着装置1の作用について説明する。
基板3をトレイ本体122の支持面1221a上に配置し、かつ、保持機構121の基板保持部1211のL字状の溝部分に基板3の端部が入り込むように配置する。この状態では、基板3は基板保持部1211の溝部分に入り込んでいるだけのため、基板3は蒸着用基板保持トレイ12に固定はされていない。
そして、基板3の端部が基板保持部1211の溝部分に入り込んだ状態で、保持操作部1212を回転させ、基板3を支持面1221a側に押圧するように基板保持部1211を支持面1221a側に向かって可動させる。基板保持部1211が支持面1221a側に向かって可動されることで、基板3の非成膜面である裏面が支持面1221aに沿って当接するよう強制的に撓み変形され、基板3が蒸着用基板保持トレイ12に固定される。
なお、この際、蒸着される基板3がフォトレジスト等を実施していない基板3であって、マスクを必要とする場合、基板3の成膜面である表面にマスクを重ねて、基板3と共にマスクも保持機構121で固定する。
その後、蒸着材2を蒸着源13に投入し、搬送手段14であるガイドローラ141上を基板3が固定されている蒸着用基板保持トレイ12の枠体1222が移動することで、真空チャンバー11内の蒸着源13の上方まで蒸着用基板保持トレイ12を搬送する。基板3が固定されている蒸着用基板保持トレイ12が蒸着源13の上方に配置された状態で、図示しない真空ポンプによって真空チャンバー11内を真空状態とする。真空チャンバー11内が真空状態となると、蒸着源13は蒸着材2を加熱し粒子状とする。粒子状となった蒸着材2は、拡散口131から拡散して放出され、基板3の表面に付着する。その結果、基板3の表面に薄膜が形成される。
上記のような蒸着用基板保持トレイ12によれば、保持機構121である基板保持部1211によって基板3を裏面側からトレイ本体122の支持面1221aに沿って当接するように強制的に撓み変形させて固定することで、自重や周囲の温度変化に起因して基板3が変形することができなくなり、新たな変形を抑えることができる。つまり、基板3の自重や周囲の温度変化による変形量よりも大きく変形させることで、基板3の自重や周囲の温度変化に起因して基板3の撓み量が変化してしまうことを抑制することができる。そのため、トレイ本体122上で基板3が変形して振動することにより生じる成膜面の傷つきや基板3が固定されていないために搬送時にトレイ本体122上を基板3が移動することにより生じる基板の破損を抑えることができる。また、基板3が変形することがないため、トレイ本体122と基板3との間に隙間が生じず、拡散口131から基板3の成膜面まで距離が変化することがない。そのため、蒸着源13の拡散口131と基板3との距離が変わることにより生じる膜厚の偏りを抑えることができる。これらにより、基板3が変形することよる基板3の損傷を防止し、また、膜厚の均一化を図ることが可能となる。
また、トレイ本体122の支持面1221aの形状を蒸着源13である拡散口131から拡散される蒸着材2の楕円球状の拡散形状に応じた形状とすることで、蒸着源13の拡散口131から支持面1221aに固定された基板3の成膜面までの距離を一定とすることができる。そのため、基板3の中心部分から端部まで場所に関わらず均一に蒸着によって成膜することができる。
さらに、基板3の幅寸法よりも小さい蒸着源13の拡散口131から蒸着材2を放出したとしても、その拡散形状に応じた形状に基板3を撓み変形させることで、小さな蒸着源13の拡散口131でも拡散範囲全体を利用して基板3に均一に蒸着することができ、蒸着材2の利用効率を高めることが可能である。
また、基板3を保持機構121の基板保持部1211によって固定しているため、成膜面を大きく開口することができる。そのため、基板3の大きさに関わらず、任意の大きさの基板3を均一に成膜することができる。
上記のような真空成膜装置によれば、蒸着用基板保持トレイ12を用いることで容易に基板3の変形を抑えることができる。そのため、トレイ本体122上で基板3が変形して振動することにより生じる成膜面の傷つき、基板3が固定されていないために搬送時にトレイ本体122上を基板3が移動することにより生じる基板の破損、及び、蒸着源13の拡散口131と基板3との距離が変わることにより生じる膜厚の偏りを抑えることができる。これにより、基板3が変形することよって基板3が損傷することを防ぎながら、均一に成膜することが容易に可能となる。
また、搬送手段14であるガイドローラ141によって蒸着用基板保持トレイ12を異なる真空チャンバー11間を連続して搬送しても、蒸着用基板保持トレイ12の支持面1221aに沿って固定して基板3の変形を抑えているため、搬送時に基板3が撓み変形して成膜面に損傷を負わせることない。そのため、連続して複数の基板3に安定して成膜することができる。
次に、図2を参照して第二実施形態の蒸着用基板保持トレイ12を備えた真空蒸着装置1について説明する。
第二実施形態においては第一実施形態と同様の構成要素には同一の符号を伏して詳細な説明を省略する。この第二実施形態の蒸着用基板保持トレイ12を備えた真空蒸着装置1は、蒸着用基板保持トレイ12の湾曲する方向と、蒸着源13の拡散口131の形状について相違する。
即ち、第二実施形態における真空蒸着装置1は、支持面1221aの湾曲する方向が第一実施形態と異なる第二支持面2221aを有する第二蒸着用基板保持トレイ22と、第二蒸着用基板保持トレイ22の第二支持面2221aの形状に合わせて蒸着材2を拡散させて放出する湾曲線状蒸着源23とを有する。
第二蒸着用基板保持トレイ22は、基板3を非成膜面である裏面側から押圧するように支持する第二トレイ本体222と、第一実施形態と同様に基板3を搬送方向の両側から保持する保持機構121とを有している。
第二トレイ本体222は、平板状をなす平天板2221と、平天板2221の基板3が固定される側に凸形状をなして形成される第二支持面2221aと、底板の外周に設けられる第二枠体2222とを有し、搬送時に下方となる面が開口した箱状をなしている。
平天板2221は、第二トレイ本体222の天面を形成している。
第二支持面2221aは、平天板2221から基板3が固定される側に凸形状をなして湾曲して形成され、基板3を第二蒸着用基板保持トレイ22に固定した際に基板3の裏面と接触する側の突起部である。第二支持面2221aは、基板3を取り付けて第二支持面2221aを下方に向けた際に基板3が自重で撓む量よりも大きく撓むように湾曲した形状をなしている。例えば、基板3のサイズがG4サイズと言われる680mm×880mmの場合、自重により中心部が30〜100mm程度撓むため、基板3の中心部でこれ以上に撓むように第二支持面2221aを湾曲させる。
第二枠体2222は、第一実施形態と同様に、平天板2221の外周に設けられ、トレイ本体122の側面を構成している。
湾曲線状蒸着源23は、真空チャンバー11内の底部に配置され、上方に向かって第二支持面2221aに応じた形状をなして開口する湾曲線状拡散口231と、蒸着材2が配置されている蒸着源本体132とを有している。
湾曲線状拡散口231は、上方に向かって第二支持面2221aに応じて湾曲した形状をなして線状に連続した開口を有しており、基端部側が蒸着源本体132と連通して接続されている。
蒸着源本体132は、第一実施形態と同様の構成をなしており、上面に湾曲線状拡散口231が接続されている。
上記のような構成によれば、保持機構121である基板保持部1211によって基板3を裏面側から第二トレイ本体222の第二支持面2221aに沿って当接するように強制的に自重で撓む方向へ撓み変形させることで、基板3の撓みによる変形をより確実に抑えることができる。即ち、基板3が撓む方向に基板3が自重で撓む量よりも大きく撓むように湾曲した形状である第二支持面2221aに基板3が当接して固定されることで、それ以上基板3が自重で撓むことを抑えることができる。基板3が変形することがないため、トレイ本体122と基板3との間に隙間が生じず、湾曲線状拡散口231から基板3の成膜面まで距離が変化することがない。そのため、トレイ本体122上で基板3が変形して振動することにより生じる成膜面の傷つき、基板3が固定されていないために搬送時にトレイ本体122上を基板3が移動することにより生じる基板の破損、及び、蒸着源13の拡散口131と基板3との距離が変わることにより生じる膜厚の偏りをより確実に抑えることができる。これにより、基板3が変形することよって基板3が損傷することをより確実に防ぐことが可能となる。
また、湾曲線状蒸着源23の湾曲線状拡散口231から拡散される蒸着材2の拡散形状は、第二支持面2221aに応じて湾曲した形状をなす湾曲線状拡散口231の開口形状に沿った形状をなしている。湾曲線状拡散口231は第二支持面2221aに応じて湾曲した形状をなしているため、湾曲線状拡散口231の開口部分から基板3の成膜面まで距離を基板3の中央部分から端部まで一定とすることができる。これにより、薄膜の膜厚を基板3の端部まで均一することが可能となる。
次に、図3を参照して第三実施形態の蒸着用基板保持トレイ12を備えた真空蒸着装置1について説明する。
第三実施形態においては第二実施形態と同様の構成要素には同一の符号を伏して詳細な説明を省略する。この第三実施形態の蒸着用基板保持トレイ12を備えた真空蒸着装置1は、蒸着源13の形状について第二実施形態と相違する。
即ち、第三実施形態における真空蒸着装置1は、第一実施形態と同様の拡散口131を湾曲した面に沿って傾斜させて基板3の幅方向に複数配置する湾曲蒸着源32を有する。
湾曲蒸着源32は、上面が第二支持面2221aに沿って湾曲した湾曲面322aを有する湾曲蒸着源本体322と、湾曲面322a沿って形成して複数配置される拡散口131とを有している。
湾曲蒸着源本体322は、上面が湾曲した湾曲面322aを有する箱形状をなしており、湾曲面322aに拡散口131が複数離間して接続されている。湾曲蒸着源本体322は、内部に蒸着材2が配置されており、形状以外は第一実施形態の蒸着源本体132と同様の働きを有する。
湾曲面322aは、第二支持面2221aの形状に対応するよう湾曲した面をなしている。
拡散口131は、第一実施形態と同様の形状をなしており、湾曲面322aに沿って傾斜して複数配置される点が第一実施形態と異なっている。
上記のような構成によれば、複数の拡散口131を第二支持面2221aに応じて湾曲する湾曲面322aに沿って配置することで、各拡散口131から基板3の成膜面までの距離を均一とし、基板3に均一に付着することができる。これにより、基板3に均一な膜厚で成膜することができる。
次に、図4を参照して第四実施形態の蒸着用基板保持トレイ12を備えた真空蒸着装置1について説明する。
第四実施形態においては第二実施形態と同様の構成要素には同一の符号を伏して詳細な説明を省略する。この第四実施形態の蒸着用基板保持トレイ12を備えた真空蒸着装置1は、蒸着源13の形状について第二実施形態と相違する。
即ち、第四実施形態における真空蒸着装置1は、第一実施形態と同様の拡散口131を階段状に複数配置する階段蒸着源42を有する。
階段蒸着源42は、上方に向かって開口し基板3の幅方向に配置される位置によって長さの異なる長短拡散口421と、蒸着材2が配置されている蒸着源本体132とを有している。
長短拡散口421は、上方に向かって開口する円筒状をなすノズルであり、基板3の幅方向に配置される位置によって長さが異なっている。そして、長短拡散口421は、互いに離間して、第二トレイ本体222に固定された基板3から拡散口131の開口までの距離が一定となるよう階段状に並列して複数配置されている。具体的には、基板3の中心部分に近い位置に配置される長短拡散口421が一番短く、基板3の端部に近い位置に配置されるにしたがって長短拡散口421は次第に長くなっている。長短拡散口421は、第一実施形態と同様の断面形状であるが長さが配置される位置によって異なっており、長さを変化させることで出口コンダクタンスを調整し、放出される蒸着材2の量を調整している。
上記のような構成によれば、蒸着源13を複数の長短拡散口421を有する階段蒸着源42とすることで、基板3の表面である成膜面上で均一となるよう基板3の幅方向に複数配置された長短拡散口421毎に異なる分布で放出する蒸着材2の量を変化させて蒸着を行うことができる。即ち、基板3の端部など膜厚が薄くなりやすい部分に近い位置に配置された長短拡散口421では蒸着材2を多く放出するよう調整することで、基板3に形成される薄膜を中央部分から端部まで均一にすることができる。これにより、基板3の端部まで形成される薄膜を均一とすることが容易に可能となる。
以上、本発明の実施形態について図面を参照して詳述したが、各実施形態における各構成及びそれらの組み合わせ等は一例であり、本発明の趣旨から逸脱しない範囲内で、構成の付加、省略、置換、およびその他の変更が可能である。また、本発明は実施形態によって限定されることはなく、クレームの範囲によってのみ限定される。
なお、本実施形態に係る蒸着用基板保持トレイ12を備える真空蒸着装置1はインライン式の真空蒸着装置1に限定されるものでなく、例えば、バッチ式の真空蒸着装置1等に用いても良い。
また、本実施形態の保持手段の形状は本実施形態片側二カ所に限定されるものではなく、基板3を支持面1221aに沿って固定できる構造であれば良い。例えば、設けられる位置が搬送方向と直交する方向の両サイドであっても良く、片側のみが可動して基板3を固定する構造としても良く、基板3の四隅を固定する構造としても良い。即ち、基板保持部1211は、使用される基板3や形成する蒸着膜に応じて設けられれば良い。
さらに、本実施形態の保持手段の保持操作部1212の構造は本実施形態に限定されるものではなく、他の機械固定構造によって基板3を締めつけてよく、電気的に制御して固定する構造によって締めつけても良い。
1…真空蒸着装置 2…蒸着材 3…基板 11…真空チャンバー 12…蒸着用基板保持トレイ 121…保持機構 1211…基板保持部 1212…保持操作部 122…トレイ本体 1221…天板 1221a…支持面 1222…枠体 13…蒸着源 131…拡散口 132…蒸着源本体 14…搬送手段 141…ガイドローラ 22…第二蒸着用基板保持トレイ 222…第二トレイ本体 2221…平底板 2221a…第二支持面 2222…第二枠体 23…湾曲線状蒸着源 231…湾曲線状拡散口 32…湾曲蒸着源 322…湾曲蒸着源本体 322a…湾曲面 42…階段蒸着源 421…長短拡散口

Claims (7)

  1. 基板を下または上に凸となるようにして強制的に撓み変形させた状態で保持する保持機構と、
    前記基板に沿って下または上に凸となる湾曲し、前記保持機構に保持された前記基板の裏面を支持する支持面を有するトレイ本体とを備えることを特徴とする蒸着用基板保持トレイ。
  2. 前記支持面は、使用する蒸着装置の蒸着源から拡散する蒸着材の拡散形状に応じた形状に形成されていることを特徴とする請求項1に記載の蒸着用基板保持トレイ。
  3. 請求項1又は2に記載の蒸着用基板保持トレイと、
    前記蒸着用基板保持トレイに保持された前記基板の表面に向けて蒸着材を放出する蒸着源と、
    真空チャンバーと、を備えることを特徴とする真空蒸着装置。
  4. 前記蒸着源は、前記支持面に応じた拡散形状で前記蒸着材を拡散させることを特徴とする請求項3に記載の真空蒸着装置。
  5. 前記蒸着源は、前記支持面に応じて配置された複数の拡散口を有することを特徴とする請求項3又は4に記載の真空蒸着装置。
  6. 前記蒸着源は、湾曲した前記基板の表面上で均一となるように、該基板の幅方向で異なる分布で前記蒸着材を拡散させることを特徴とする請求項3から5のいずれか一項に記載の真空蒸着装置。
  7. 前記基板を保持する前記蒸着用基板保持トレイを連続して搬送する搬送手段を備えることを特徴とする請求項3〜6のいずれか一項に記載の真空蒸着装置。
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