JP2014132044A - インクジェット用シリカ系被膜形成組成物、シリカ系被膜の形成方法、半導体デバイス及び太陽電池システム - Google Patents

インクジェット用シリカ系被膜形成組成物、シリカ系被膜の形成方法、半導体デバイス及び太陽電池システム Download PDF

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Abstract

【課題】未吐出と吐出の操作を繰り返してもインクジェットノズルの目詰まりを起こすことなく吐出することができ、かつ、より矩形に近い断面形状を有する描画パターンを形成することが可能なインクジェット用シリカ系被膜形成組成物を提供すること。
【解決手段】本発明は、一般式R SiX4−nで表される化合物を加水分解・重縮合して得られるケイ素化合物と、溶媒と、表面調整剤と、を含有し、溶媒は、γ−ブチロラクトン、沸点が80〜100℃である第2の溶媒及び沸点が180〜230℃である第3の溶媒を含み、溶媒の全質量に対するγ−ブチロラクトンの質量比が0.2以上であり、溶媒の全質量に対する第2の溶媒の質量比が0.2〜0.5である、インクジェット用シリカ系被膜形成組成物に関する。式中、Rは炭素数1〜20の有機基を示し、Xは加水分解性基を示し、nは0〜2の整数を示す。
【選択図】なし

Description

本発明は、インクジェット用シリカ系被膜形成組成物、シリカ系被膜の形成方法、半導体デバイス及び太陽電池システムに関する。
シリカ系被膜は、絶縁性、耐熱性、透明性、耐磨耗性等に優れていることから、様々な分野で適用されている。例えば、半導体デバイスにおいては、絶縁性、耐熱性、バリア性の点から、配線間の絶縁膜用途、素子分離膜やマスク材として適用されており、液晶デバイスにおいては、絶縁性、耐熱性、透明性の点から、素子の保護膜等として適用されている。
従来、シリカ系被膜を得る一般的な方法として、気層成長法及び塗布法が知られている。半導体分野では、気層成長法が広く適応されており、緻密なシリカ膜が得られる等の特長がある。しかし、特殊な装置が必要であること、近年の処理基材の大型化に伴う装置コストの増大等の課題がある。一方、塗布法は比較的簡便な装置で成膜でき、大型基材への成膜も比較的容易である等の特長がある。塗布法にはスピンコート法、スプレー法、浸漬法、ロールコート法、スクリーン印刷法等が挙げられる。
ところで、パターン化されたシリカ系被膜を形成する方法としては、フォトリソグラフィー法が主流となっている。しかし、フォトリソグラフィー法によるパターン化は、工程が複雑であり、コスト的に高いという欠点がある。そこで、近年、簡便に安くパターンを形成できる手法としてインクジェット法が検討されている(特許文献1)。インクジェット法は、所望のパターンを所望の位置に形成可能であることから、フォトリソグラフィー法のように基板全面にシリカ被膜を形成する必要がなく、使用する材料量を大きく削減できるため、コスト的にも環境的にも大きなメリットがある。
インクジェット対応のシリカ系被膜形成組成物を得る方法としては、アルコキシシランを原料としたゾルーゲル法が知られている(特許文献2、3)。
特開2001−279134号公報 特開2009−239983号公報 特開2009−253127号公報
しかし、特許文献2に記載されているように、溶媒としてエタノール若しくは水を用いる場合、又は、特許文献3に記載されているように100℃以下の溶媒が組成全体の70〜90重量%占めるような場合には、インクジェット描画で未吐出と吐出の操作を繰り返すと、ノズル目詰まりを引き起こしやすい。量産時においては、このような吐出と未吐出が繰り返されるため、従来のシリカ系被膜形成組成物は、実用に供し得るものとしては未だ充分ではない。
さらに、インクジェット対応のシリカ系被膜形成組成物には、これを用いてパターンを描画したときに、描画パターンの断面形状が矩形であることが望まれる。例えば、シリカ系被膜形成組成物を用いて絶縁膜を形成する場合、パターン断面形状が矩形ではないと、絶縁性が局所的に低下してしまい、その結果デバイス特性に悪影響を及ぼすことがある。
このように、インクジェットノズルが目詰まりを起こさず、かつ、描画パターンの断面形状を矩形とするためには、シリカ系被膜形成組成物を含有するインクが、
(1)インクがノズル先端部で乾燥しないこと、
(2)インクの微小な液滴が塗布対象である表面に着弾した時、その液滴が濡れ広がりにくいこと
という特性を両立することが必要となる。しかしながら、これらの特性を両立することは非常に困難である。
本発明は、未吐出と吐出の操作を繰り返してもインクジェットノズルの目詰まりを起こすことなく吐出することができ、かつ、より矩形に近い断面形状を有する描画パターンを形成することが可能なインクジェット用シリカ系被膜形成組成物、並びに当該組成物を用いたシリカ系被膜の形成方法、半導体デバイス及び太陽電池システムを提供することを目的とする。
前記課題を解決するために、本発明は、下記(1)及び(2)に記載のインクジェット用シリカ系被膜形成組成物、下記(3)に記載のシリカ系被膜の形成方法、下記(4)に記載の半導体デバイス並びに下記(5)に記載の太陽電池システムを提供する。
(1)下記一般式(I)で表される化合物を加水分解・重縮合して得られるケイ素化合物と、溶媒と、表面調整剤と、を含有し、溶媒は、γ−ブチロラクトン、沸点が80〜100℃である第2の溶媒及び沸点が180〜230℃である第3の溶媒を含み、溶媒の全質量に対するγ−ブチロラクトンの質量比が0.2以上であり、溶媒の全質量に対する第2の溶媒の質量比が0.2〜0.5である、インクジェット用シリカ系被膜形成組成物。
SiX4−n …(I)
[式中、Rは炭素数1〜20の有機基を示し、Xは加水分解性基を示し、nは0〜2の整数を示す。ただし、nが2のとき、複数存在するRは同一でも異なっていてもよく、nが0〜2のとき、複数存在するXは同一でも異なっていてもよい。]
(2)表面調整剤がシリコーン系表面調整剤である、(1)記載の組成物。
(3)インクジェット法により、(1)又は(2)に記載の組成物を吐出してパターン描画を行い描画パターン膜を形成する工程と、描画パターン膜を硬化させる工程と、を備えるシリカ系被膜の形成方法。
(4)基板と、基板上に、(3)に記載の方法により形成されたシリカ系被膜と、を備える半導体デバイス。
(5)(4)に記載の半導体デバイスを備える太陽電池システム。
本発明によれば、未吐出と吐出の操作を繰り返してもインクジェットノズルの目詰まりを起こすことなく吐出することができ、かつ、より矩形に近い断面形状を有する描画パターンを形成することが可能なインクジェット用シリカ系被膜形成組成物、並びに当該組成物を用いたシリカ系被膜の形成方法、半導体デバイス及び太陽電池システムが提供される。
なお、本発明によって前記の効果が奏される理由について、本発明者らは以下のように推察する。
すなわち、未吐出と吐出の操作を繰り返してもインクジェットノズルの目詰まりを起こさず、かつ、描画時のパターン断面形状を矩形とするためには、インクジェット用シリカ系被膜形成組成物を含有するインクが、(1)インクがノズル先端部で乾燥しないこと(以下「ノズル先端部での非乾燥性」ということがある。)と、(2)インクの微小な液滴が塗布対象である表面に着弾した時、その液滴が濡れ広がりにくいこと(以下「インク着弾時の液滴濡れ広がりの抑制」ということがある。)、という特性を両立することが必要となる。これらの特性を満足するためには、インクジェット用シリカ系被膜形成組成物の溶媒として、低沸点成分である第2の溶媒と高沸点成分であるγ-ブチロラクトン及び第3の溶媒を含有する混合溶媒を用いることが重要である。そして、この混合溶媒において、溶媒中の全質量に対するγ-ブチロラクトン及び第2の溶媒の質量比が特定の数値範囲になるように、それぞれの含有量を調整することが極めて重要である。これにより、主としてγ-ブチロラクトンと第3の溶媒の作用によりノズル先端部での非乾燥性が、また、主としてγ-ブチロラクトンと第2の溶媒の作用によりインク着弾時の液滴濡れ広がりの抑制が、それぞれ高水準で達成されるものと考えられる。なお、本発明においては、第2の溶媒の沸点を80〜100℃、第3の溶媒の沸点を180〜230℃とし、溶媒の全質量に対するγ−ブチロラクトンの質量比が0.2以上で、かつ溶媒の全質量に対する第2の溶媒の質量比が0.2〜0.5としている。これは、インクジェット用シリカ系被膜形成組成物を含有するインクのノズル先端部での非乾燥性と、インク着弾時の液滴濡れ広がりの抑制の両立の点から、これらの条件が好適であるという本発明者らの知見に基づくものである。
さらに、インクの微小な液滴が塗布対象である表面に着弾した時、その液滴が濡れ広がりにくいという効果が奏されるのは、インクジェット用シリカ系被膜形成組成物が表面調整剤を含有することも一因であると考えられる。これにより、基板への濡れ性やシリカ系樹脂の流動性が制御されることによって、インク着弾時の液滴の濡れ広がりが抑制されると考えられる。より具体的には、インク着弾時の液滴の濡れ広がりは、インクの被塗布物への濡れ不均一性(ハジキ等)や、吐出時のインクの溶媒蒸発の不均一性による、局所的なインク粘度増大や表面張力変化によって引き起こされると考えられる。そこで、本発明における表面調整剤とは、(1)乾燥過程の塗膜の表面張力を均一化し、被塗物への濡れを改良する作用を有する化合物、(2)塗膜表面から溶剤の蒸発を均一化し、局所的な粘度増大や表面張力変化を小さくする作用を有する化合物、から選択される少なくとも一種の化合物として定義される。
以下、本発明の好適な実施形態について詳細に説明する。
[インクジェット用シリカ系被膜形成組成物]
本実施形態に係るインクジェット用シリカ系被膜形成組成物は、下記の(A)〜(C)成分を含有する。
(A)下記一般式(I)で表される化合物を加水分解・重縮合して得られるケイ素化合物。
SiX4−n …(I)
[式中、Rは炭素数1〜20の有機基を示し、Xは加水分解性基を示し、nは0〜2の整数を示す。ただし、nが2のとき、複数存在するRは同一でも異なっていてもよく、nが0〜2のとき、複数存在するXは同一でも異なっていてもよい。]
(B)γ−ブチロラクトン、沸点が80〜100℃である第2の溶媒及び沸点が180〜230℃である第3の溶媒(ただし、γ−ブチロラクトンを除く)を含有し、溶媒の全質量に対するγ−ブチロラクトンの質量比が0.2以上であり、かつ、溶媒の全質量に対する第2の溶媒の質量比が0.2〜0.5である溶媒。
(C)表面調整剤。
以下、(A)成分、(B)成分、(C)成分のそれぞれについて詳述する。
(A)成分:ケイ素化合物
本実施形態に係るインクジェット用シリカ系被膜形成組成物(以下、場合により「組成物」という)は、前記一般式(I)で表される化合物を加水分解・重縮合して得られるケイ素化合物を必須成分とする。
なお、本明細書において、前記「加水分解・重縮合」とは、前記一般式(I)で表される化合物を加水分解し、脱水(HO)しながら縮合して重合することを意味する。
前記一般式(I)のXとしては、加水分解により脱離しうる基として知られているものを特に制限なく選択することができ、具体的には、例えば、アルコキシ基、ハロゲン基、アセトキシ基、イソシアネート基及びヒドロキシル基が挙げられ、中でもアルコキシ基であることが好ましい。Xをアルコキシ基とすることにより、得られるケイ素化合物の液状安定性や得られる組成物中のハロゲン濃度を抑制することが可能となる。
Xがアルコキシ基である場合、前記一般式(I)で表される化合物はアルコキシシランである。アルコキシシランとしては、下記一般式(I−1)で表されるテトラアルコキシシラン、下記一般式(I−2)で表されるトリアルコキシシラン、下記一般式(I−3)で表されるジアルコキシシラン等が挙げられる。アルコキシシランは、1種を単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
Si(OR …(I−1)
[式中、Rは同一でも異なっていてもよく、それぞれ独立にアルキル基を示す。]
Si(OR …(I−2)
[式中、Rはアルキル基又はフェニル基を示し、フェニル基は置換基を有していてもよく、Rは同一でも異なっていてもよく、それぞれ独立にアルキル基を示す。]
Si(OR …(I−3)
[式中、Rは同一でも異なっていてもよく、それぞれ独立にアルキル基又はフェニル基を示し、フェニル基は置換基を有していてもよく、Rは同一でも異なっていてもよく、それぞれ独立にアルキル基を示す。]
前記一般式(I−1)、一般式(I−2)及び一般式(I−3)において、アルコキシ基のR(R、R及びR)の炭素数は特に制限はないが、通常炭素数1〜10であり、入手容易性の点から、炭素数1〜5が好ましく、炭素数1〜3がより好ましい。また、アルコキシ基のR(R、R及びR)は、水素原子の一部がフッ素に置換されたものであってもよい。
一般式(I−1)で表されるテトラアルコキシシランとしては、テトラメトキシシラン、テトラエトキシシラン、テトラ−n−プロポキシシラン、テトラ−iso−プロポキシシラン、テトラブトキシシラン等が挙げられる。中でも反応性や反応副生成物の取り扱いが容易な点から、テトラエトキシシランを用いるのが好ましい。
一般式(I−2)で表されるトリアルコキシシランとしては、メチルトリメトキシシラン、メチルトリエトキシシラン、メチルトリ−n−プロポキシシラン、メチルトリ−iso−プロポキシシラン、エチルトリメトキシシラン、エチルトリエトキシシラン、エチルトリ−n−プロポキシシラン、エチルトリ−iso−プロポキシシラン、プロピルトリメトキシシラン、プロピルトリエトキシシラン、プロピルトリ−n−プロポキシシラン、プロピルトリ−iso−プロポキシシラン、ブチルトリメトキシシラン、ブチルトリエトキシシラン、ブチルトリ−n−プロポキシシラン、ブチルトリ−iso−プロポキシシラン、フェニルトリメトキシシラン、フェニルトリエトキシシラン、フェニルトリ−n−プロポキシシラン、フェニルトリ−iso−プロポキシシラン等が挙げられる。中でも反応性や反応副生成物の取り扱いが容易な点から、メチルトリエトキシシラン、エチルトリエトキシシラン、プロピルトリエトキシシラン、フェニルトリエトキシシランを用いるのが好ましい。
一般式(I−3)で表されるジアルコキシシランとしては、ジメチルジメトキシシラン、ジメチルジエトキシシラン、ジメチルジ−n−プロポキシシラン、ジメチルジ−iso−プロポキシシラン、ジエチルジメトキシシラン、ジエチルジエトキシシラン、ジエチルジ−n−プロポキシシラン、ジエチルジ−iso−プロポキシシラン、ジ−n−プロピルジメトキシシラン、ジ−n−プロピルジエトキシシラン、ジ−n−プロピルジ−n−プロポキシシラン、ジ−n−プロピルジ−iso−プロポキシシラン、ジ−iso−プロピルジメトキシシラン、ジ−iso−プロピルジエトキシシラン、ジ−iso−プロピルジ−n−プロポキシシラン、ジ−iso−プロピルジ−iso−プロポキシシラン、ジ−n−ブチルジメトキシシラン、ジ−n−ブチルジエトキシシラン、ジ−n−ブチルジ−n−プロポキシシラン、ジ−n−ブチルジ−iso−プロポキシシラン、ジ−sec−ブチルジメトキシシラン、ジ−sec−ブチルジエトキシシラン、ジ−sec−ブチルジ−n−プロポキシシラン、ジ−sec−ブチルジ−iso−プロポキシシラン、ジ−tert−ブチルジメトキシシラン、ジ−tert−ブチルジエトキシシラン、ジ−tert−ブチルジ−n−プロポキシシラン、ジ−tert−ブチルジ−iso−プロポキシシラン、ジフェニルジメトキシシラン、ジフェニルジエトキシシラン、ジフェニルジ−n−プロポキシシラン、ジフェニルジ−iso−プロポキシシラン等が挙げられる。
前記一般式(I−1)、一般式(I−2)及び一般式(I−3)で表されるアルコキシシランは、1種を単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。前記一般式(I−1)、一般式(I−2)及び一般式(I−3)で表されるアルコキシシランを2種以上を組み合わせて用いる場合、混合比は特に限定されない。ただし、インクジェット用シリカ系被膜形成組成物の室温下での安定性(粘度安定性)が確保しやすいこと、及びインクジェット後に得られるシリカ系被膜の耐クラック性が向上することから、一般式(I−1)で表されるテトラアルコキシシランのモル量Mに対する、一般式(I−2)で表されるトリアルコキシシランのモル量M及び一般式(I−3)で表されるジアルコキシシランのモル量Mの合計量の比(M+M)/Mが0.1以上であることが好ましく、0.5以上であることがより好ましく、0.8以上であることが極めて好ましい。また、下地基板との濡れ性が良好である観点で、(M+M)/Mが4.0以下であることが好ましく、2.5以下であることがより好ましく、1.5以下であることが極めて好ましい。
アルコキシシランを加水分解・重縮合する際には、(B)成分を溶媒として用いてもよく、又は、(B)成分以外の溶媒を用いてもよい。アルコキシシランを加水分解・重縮合する際に用いる溶媒としては、アセトン、メチルエチルケトン、メチル−n−プロピルケトン、メチル−iso−プロピルケトン、メチル−n−ブチルケトン、メチル−iso−ブチルケトン、メチル−n−ペンチルケトン、メチル−n−ヘキシルケトン、ジエチルケトン、ジプロピルケトン、ジ−iso−ブチルケトン、トリメチルノナノン、シクロヘキサノン、シクロペンタノン、メチルシクロヘキサノン、2,4−ペンタンジオン、アセトニルアセトン、γ−ブチロラクトン、γ−バレロラクトン等のケトン系溶媒;
ジエチルエーテル、メチルエチルエーテル、メチルプロピルエーテル、ジ−iso−プロピルエーテル、テトラヒドロフラン、メチルテトラヒドロフラン、ジオキサン、ジメチルジオキサン等のエーテル系溶媒;
エチレングリコールメチルエーテル、エチレングリコールエチルエーテル、エチレングリコールモノフェニルエーテル、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールモノ−n−ブチルエーテル、ジエチレングリコールモノ−n−ヘキシルエーテル、エトキシトリグリコール、テトラエチレングリコールモノ−n−ブチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテル、ジプロピレングリコールモノメチルエーテル、ジプロピレングリコールモノエチルエーテル、トリプロピレングリコールモノメチルエーテル等のアルキレングリコールモノアルキルエーテル系溶媒;
エチレングリコールジメチルエーテル、エチレングリコールジエチルエーテル、エチレングリコールジ−n−プロピルエーテル、エチレングリコールジブチルエーテル、ジエチレングリコールジメチルエーテル、ジエチレングリコールジエチルエーテル、ジエチレングリコールメチルエチルエーテル、ジエチレングリコールメチルモノ−n−プロピルエーテル、ジエチレングリコールメチルモノ−n−ブチルエーテル、ジエチレングリコールジ−n−プロピルエーテル、ジエチレングリコールジ−n−ブチルエーテル、ジエチレングリコールメチルモノ−n−ヘキシルエーテル、トリエチレングリコールジメチルエーテル、トリエチレングリコールジエチルエーテル、トリエチレングリコールメチルエチルエーテル、トリエチレングリコールメチルモノ−n−ブチルエーテル、トリエチレングリコールジ−n−ブチルエーテル、トリエチレングリコールメチルモノ−n−ヘキシルエーテル、テトラエチレングリコールジメチルエーテル、テトラエチレングリコールジエチルエーテル、テトラジエチレングリコールメチルエチルエーテル、テトラエチレングリコールメチルモノ−n−ブチルエーテル、ジエチレングリコールジ−n−ブチルエーテル、テトラエチレングリコールメチルモノ−n−ヘキシルエーテル、テトラエチレングリコールジ−n−ブチルエーテル、プロピレングリコールジメチルエーテル、プロピレングリコールジエチルエーテル、プロピレングリコールジ−n−プロピルエーテル、プロピレングリコールジブチルエーテル、ジプロピレングリコールジメチルエーテル、ジプロピレングリコールジエチルエーテル、ジプロピレングリコールメチルエチルエーテル、ジプロピレングリコールメチルモノ−n−ブチルエーテル、ジプロピレングリコールジ−n−プロピルエーテル、ジプロピレングリコールジ−n−ブチルエーテル、ジプロピレングリコールメチルモノ−n−ヘキシルエーテル、トリプロピレングリコールジメチルエーテル、トリプロピレングリコールジエチルエーテル、トリプロピレングリコールメチルエチルエーテル、トリプロピレングリコールメチルモノ−n−ブチルエーテル、トリプロピレングリコールジ−n−ブチルエーテル、トリプロピレングリコールメチルモノ−n−ヘキシルエーテル、テトラプロピレングリコールジメチルエーテル、テトラプロピレングリコールジエチルエーテル、テトラジプロピレングリコールメチルエチルエーテル、テトラプロピレングリコールメチルモノ−n−ブチルエーテル、テトラプロピレングリコールメチルモノ−n−ヘキシルエーテル、テトラプロピレングリコールジ−n−ブチルエーテル等のアルキレングリコールジアルキルエーテル系溶媒;
エチレングリコールメチルエーテルプロピオネート、エチレングリコールエチルエーテルプロピオネート、エチレングリコールメチルエーテルアセテート、エチレングリコールエチルエーテルアセテート、ジエチレングリコールメチルエーテルアセテート、ジエチレングリコールエチルエーテルアセテート、ジエチレングリコール−n−ブチルエーテルアセテート、プロピレングリコールメチルエーテルアセテート、プロピレングリコールエチルエーテルアセテート、プロピレングリコールプロピルエーテルアセテート、ジプロピレングリコールメチルエーテルアセテート、ジプロピレングリコールエチルエーテルアセテート等のアルキレングリコールアルキルエーテルアセテート系溶媒;
酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸プロピル、酢酸iso−プロピル、酢酸ブチル、酢酸iso−ブチル、酢酸sec−ブチル、酢酸n−ペンチル、酢酸sec−ペンチル、酢酸3−メトキシブチル、酢酸メチルペンチル、酢酸2−エチルブチル、酢酸2−エチルヘキシル、酢酸ベンジル、酢酸シクロヘキシル、酢酸メチルシクロヘキシル、酢酸ノニル、アセト酢酸メチル、アセト酢酸エチル、酢酸ジエチレングリコールモノメチルエーテル、酢酸ジエチレングリコールモノエチルエーテル、酢酸ジエチレングリコールモノ−n−ブチルエーテル、酢酸ジプロピレングリコールモノメチルエーテル、酢酸ジプロピレングリコールモノエチルエーテル、ジ酢酸グリコール、酢酸メトキシトリグリコール、プロピオン酸エチル、プロピオン酸n−ブチル、プロピオン酸iso−アミル、シュウ酸ジエチル、シュウ酸ジ−n−ブチル、乳酸メチル、乳酸エチル、乳酸n−ブチル、乳酸n−アミル等のエステル系溶媒;
N―メチルピロリジノン、N―エチルピロリジノン、N―プロピルピロリジノン、N―ブチルピロリジノン、N―ヘキシルピロリジノン、N―シクロヘキシルピロリジノン等のピロリジノン系溶媒;
メタノール、エタノール、1−プロパノール、2−プロパノール、1−ブタノール、2−メチル−1−プロパノール(iso−ブタノール)、2−ブタノール(sec−ブタノール)、2−メチル−2−プロパノール(tert−ブタノール)、1−ペンタノール、2−ペンタノール、2−メチルブタノール、2−ペンタノール、2−メチル−2−ブタノール(tert−ペンタノール)、3−メトキシブタノール、1−ヘキサノール、2−メチルペンタノール、2−ヘキサノール、2−エチルブタノール、2−ヘプタノール、1−オクタノール、2−エチルヘキサノール、2−オクタノール、1−ノニルアルコール、1−デカノール、2−ウンデシルアルコール、トリメチルノニルアルコール、2−テトラデシルアルコール、2−ヘプタデシルアルコール、フェノール、シクロヘキサノール、メチルシクロヘキサノール、ベンジルアルコール等のアルコール系溶媒;
エチレングリコール、1,2−プロピレングリコール、1,3−ブチレングリコール、ジエチレングリコール、ジプロピレングリコール、トリエチレングリコール、トリプロピレングリコール等のグリコール系溶媒;
アセトニトリル、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、N,N−ジメチルスルホキシドなどが挙げられる。これらは1種類を単独で又は2種類以上を組み合わせて使用される。
なお、アルコキシシランを加水分解・重縮合する際に(B)成分以外の溶媒を用いた場合には、反応後に留去等によって溶媒を除去し、得られるシロキサン樹脂をインクジェット用シリカ系被膜形成組成物の調製に供することができる。
前記の溶媒を用いて一般式(I−1)、一般式(I−2)及び一般式(I−3)を加水分解・重縮合する際の溶媒量は、反応の均一性等の点から、SiO換算濃度が5質量%〜35質量%の範囲になるようにすることが好ましく、下限としては10質量%以上の範囲が、上限としては30質量%以下の範囲が、それぞれより好ましい。
また、アルコキシシランを加水分解・重縮合する際、反応時間の短縮、反応の均一化のため、触媒を添加することが好ましい。触媒としては、酸触媒、アルカリ触媒、金属キレート化合物等が挙げられるが、得られるインクジェット用シリカ系被膜形成組成物の安定性確保の点から、酸触媒を用いることが好ましい。
酸触媒としては、例えば、有機酸及び無機酸が挙げられる。有機酸としては、例えば、蟻酸、マレイン酸、フマル酸、フタル酸、マロン酸、コハク酸、酒石酸、リンゴ酸、乳酸、クエン酸、酢酸、プロピオン酸、ブタン酸、ペンタン酸、ヘキサン酸、ヘプタン酸、オクタン酸、ノナン酸、デカン酸、シュウ酸、アジピン酸、セバシン酸、酪酸、オレイン酸、ステアリン酸、リノール酸、リノレイン酸、サリチル酸、ベンゼンスルホン酸、安息香酸、p−アミノ安息香酸、p−トルエンスルホン酸、メタンスルホン酸、トリフルオロメタンスルフォン酸及びトリフルオロエタンスルフォン酸が挙げられる。無機酸としては、例えば、塩酸、燐酸、硝酸、ホウ酸、硫酸及びフッ酸が挙げられる。これらの中で特に有機酸としてはマレイン酸、無機酸としては硝酸を用いることが好ましい。これらは1種類を単独で又は2種類以上を組み合わせて使用することができる。
触媒の使用量は、アルコキシシランの種類及び使用量、触媒の種類等に応じて適宜選定することができる。例えば、一般式(I−1)で表されるテトラアルコキシシラン、一般式(I−2)で表されるトリアルコキシシラン及び一般式(I−3)で表されるジアルコキシシランを組み合わせて用い、かつ、触媒として酸触媒を用いる場合、アルコキシシランの総モル数に対する一般式(I−1)で表されるテトラアルコキシシランのモル比率をA、一般式(I−2)で表されるトリアルコキシシランのモル比率をB、一般式(I−3)で表されるジアルコキシシランのモル比率をCとすると、酸触媒の使用量(モル比率)は、[(4A+3B+2C)/3000]〜[(4A+3B+2C)/10]の範囲が好ましく、[(4A+3B+2C)/3000]〜[(4A+3B+2C)/100]の範囲が更に好ましい。酸触媒の使用量を前記の範囲内とすることで、反応を充分に進行させることができ、また、反応が進行しすぎてゲル化する現象の抑制が容易になる。
また、アルコキシシランを加水分解・重縮合させる際、使用する水の量は、アルコキシシランの種類及び使用量等に応じて適宜選定することができる。例えば、一般式(I−1)で表されるテトラアルコキシシラン、一般式(I−2)で表されるトリアルコキシシラン及び一般式(I−3)で表されるジアルコキシシランを組み合わせて用いる場合、アルコキシシランの総モル数に対する一般式(I−1)で表されるテトラアルコキシシランのモル比率をA、一般式(I−2)で表されるトリアルコキシシランのモル比率をB、一般式(I−3)で表されるジアルコキシシランのモル比率をCとすると、水の量(モル比率)は、[(4A+3B+2C)×0.5]〜[(4A+3B+2C)×2]の範囲が好ましく、[(4A+3B+2C)×0.5]〜[4A+3B+2C)×1]の範囲が更に好ましい。水の量を前記の範囲内とすることで、反応を充分に進行させることができ、また、反応が進行しすぎてゲル化する現象の抑制が容易になる。
(A)成分であるケイ素化合物の重量平均分子量(Mw)は、溶媒への溶解性、インクジェット吐出性等の観点から、500〜20000であることが好ましく、500〜10000であるとより好ましい。当該重量平均分子量が前記範囲内であると、シリカ系被膜の成膜性と、ケイ素化合物と溶媒との相溶性とを高水準で達成できる。なお、本明細書において、「重量平均分子量」とは、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(以下、「GPC」と言う。)により測定され、かつ標準ポリスチレンの検量線を使用して換算されたものである。
<重量平均分子量の測定>
重量平均分子量(Mw)は、例えば、以下の条件によるGPCにより測定することができる。
(条件)
試料:インクジェット用シリカ系被膜形成組成物 10μL
標準ポリスチレン:東ソー株式会社製標準ポリスチレン(分子量;190000、17900、9100、2980、578、474、370、266)
検出器:株式会社日立製作所製、RI−モニター、商品名「L−3000」
インテグレーター:株式会社日立製作所製、GPCインテグレーター、商品名「D−2200」
ポンプ:株式会社日立製作所製、商品名「L−6000」
デガス装置:昭和電工株式会社製、商品名「Shodex DEGAS」
カラム:日立化成工業株式会社製、商品名「GL−R440」、「GL−R430」、「GL−R420」をこの順番で連結して使用
溶離液:テトラヒドロフラン(THF)
測定温度:23℃
流速:1.75mL/分
測定時間:45分
本実施形態において、インクジェット用シリカ系被膜形成組成物中の(A)成分の含有量は、5〜35質量%であることが好ましい。(A)成分の含有量が5質量%以上であれば、形成されるシリカ系被膜の膜厚が薄過ぎず適度な厚さとなるため、所望の膜厚を得るために複数回の重ね描画が必要となる可能性を低減できる。これにより、プロセス時間の増大や重ね描画による描画パターンの滲み発生を抑制しやすくなる。一方、(A)成分の含有量が35質量%以下であれば、インクジェット用シリカ系被膜形成組成物の保管安定性をより良好にすることができる傾向にあり、同様の観点で30質量%以下であることが好ましい。
(B)成分:溶媒
本実施形態に係る(B)成分は、γ−ブチロラクトン、沸点が80〜100℃である第2の溶媒及び沸点が180〜230℃である第3の溶媒を含有し、溶媒の全質量に対するγ−ブチロラクトンの質量比が0.2以上であり、かつ、溶媒の全質量に対する第2の溶媒の質量比が0.2〜0.5である溶媒である。なお、本明細書において、「沸点」とは常圧での沸点を意味する。
γ−ブチロラクトンは、沸点が204℃であり、20℃における表面張力が43.9dyn/cm(43.9×10−3N/m)の有機溶媒である。このような沸点と表面張力とを有するγ−ブチロラクトンを溶媒中に含有させることにより、インクジェット用シリカ系被膜形成組成物のノズル先端部での非乾燥性とインク着弾時の液滴濡れ広がり抑制の両立が可能となると考えられる。
第2の溶媒は、沸点が80℃〜100℃であり、沸点がこのような範囲内であれば、特に制限はないが、前記沸点は80℃〜95℃であることが好ましく、80℃〜90℃であることがより好ましい。第2の溶媒としては、1−プロパノール、2−プロパノール、2−メチル−2−プロパノール、2−ブタノール等が挙げられる。なお、組成物に含まれる第2の溶媒は、1種又は2種以上のいずれであってもよい。
第3の溶媒は、沸点が180℃〜230℃である。前記γ−ブチロラクトンの沸点はこの範囲であるが、第3の溶媒からは除かれる。第3の溶媒の沸点は、180℃〜220℃であることがより好ましく、180℃〜210℃であることが更に好ましく、180℃〜200℃であることが特に好ましい。ノズル先端部での非乾燥性とインク着弾時の液滴濡れ広がりの抑制の両立には、前述のとおり、γ-ブチロラクトンを用いなければならないが、一方で、インクジェット用シリカ系被膜形成組成物中のシロキサン樹脂の溶媒への相溶性向上や、インクの室温下での安定性向上を図るためには、γ-ブチロラクトンとγ-ブチロラクトン以外の溶媒とを併用することが好ましい。
第3の溶媒としては、アルコキシシランを加水分解・重縮合する際に用いる溶媒の説明で例示した、エーテル系溶媒、グリコール系溶媒、アルキレングリコールモノアルキルエーテル系溶媒、アルキレングリコールジアルキルエーテル系溶媒、アルキレングリコールアルキルエーテルアセテート系溶媒等が挙げられ、中でも、γ-ブチロラクトンと第2の溶媒との相溶性に優れる点で、アルキレングリコールモノアルキルエーテル系溶媒、グリコール系溶媒が好ましい。なお、組成物に含まれる第3の溶媒は、1種又は2種以上のいずれであってもよい。
本実施形態において、γ−ブチロラクトン、沸点が80〜100℃である第2の溶媒及び沸点が180〜230℃である第3の溶媒を含有する溶媒の全質量に対するγ−ブチロラクトンの質量比は0.2以上であるが、0.2〜0.7であることが好ましく、0.2〜0.6であることがより好ましい。γ−ブチロラクトンの質量比をこの範囲内とすることで、組成物を含有するインクを吐出する際のノズル先端部での非乾燥性と、着弾時の液滴濡れ広がりの抑制を両立できる。このため、未吐出と吐出の操作を繰り返してもインクジェットノズルの目詰まりを起こさずかつ描画パターンの断面を矩形にできる。
また、本実施形態において、γ−ブチロラクトン、沸点が80〜100℃である第2の溶媒及び沸点が180〜230℃である第3の溶媒を含有する溶媒の全質量に対する、第2の溶媒の質量比は0.2〜0.5であるが、0.25〜0.5であることが好ましく、0.3〜0.5であることがより好ましい。第2の溶媒の質量比をこの範囲内とすることで、組成物を含有するインクを吐出する際のノズル先端部での非乾燥性と、着弾時の液滴濡れ広がりの抑制を両立できる。このため、未吐出と吐出の操作を繰り返してもインクジェットノズルの目詰まりを起こさずかつ描画パターンの断面を矩形にできる。
(C)成分:表面調整剤
本実施形態の組成物は(C)成分として表面調整剤を含有する。組成物が表面調整剤を含有することによって、インクの基板表面への濡れ性制御及び描画パターンの滲み防止が可能となり、描画パターンの断面形状を矩形に制御することができる。(C)成分としては、「表面調整剤」として市販されている化合物を特に制限なく使用することができ、具体的には、フッ素系表面調整剤、シリコーン系表面調整剤、ノニオン系表面調整剤等を用いることができる。中でも、特にシリコーン系表面調整剤を用いることがインク着弾時の液滴濡れ広がりの抑制の上で効果的である。
(C)成分の含有量は、(A)成分に対して、0.1質量%以上が好ましく、0.15質量%以上がより好ましく、0.2質量%以上がさらに好ましい。また、(C)成分の含有量は、(A)成分に対して、1.0質量%以下が好ましく、0.9質量%以下がより好ましく、0.8質量%以下がさらに好ましい。なお、(C)成分は、1種を単独で又は2種類以上を組み合わせて用いてもよい。
[シリカ系被膜の形成方法]
本実施形態に係るシリカ系被膜の形成方法は、インクジェット法により、前記の組成物を吐出してパターン描画を行い描画パターン膜を形成する工程と、描画パターン膜を予備硬化させる工程と、描画パターン膜を硬化させる工程と、を備える。
[描画パターン膜を形成する工程]
インクジェット法によるパターン描画は、インクジェット装置を用いて行うことができる。インクジェット装置は、一般的にコンティニュアス型(連続吐出型)とオンデマンド型の2種類の型式に大別されるが、本実施形態においてはオンデマンド型を用いることが好ましい。コンティニュアス型は、基板上にパターンを描画しないときであってもインクは常に連続して吐出する方式である。一方、オンデマンド型は、必要な時に必要な量だけインクを吐出し、基板上にパターンを描画する方式である。
オンデマンド型には、電圧を加えると変形するピエゾ素子を用いたインクジェット装置と加熱によって生じる気泡を利用して吐出するサーマル方式のインクジェット装置がある。本発明のインクジェット用シリカ系被膜形成組成物は、基本的にはどちらの方式を用いても構わないが、インクの組成変化を抑制する点からピエゾ素子を用いたインクジェット装置を用いることがより好ましい。
インクジェット法にてパターン描画する際に、描画する基板を50〜100℃の範囲で加熱しながら描画してもよい。基板加熱によって、基板上でのインクの即乾性を更に向上でき、描画パターンの乱れを防止できる。
[描画パターン膜を予備硬化させる工程]
本実施形態においては、描画パターン膜を硬化させる工程の前に、描画パターン膜を予備硬化させる工程を備えていることが好ましい。予備硬化させる際には、一段目ベイク80〜140℃、二段目ベイク180〜250℃の温度のホットプレート等にて、描画パターン膜中のシロキサン樹脂の重縮合反応促進と有機溶媒の乾燥とを段階的に分けて行ってもよい。また、前記一段目ベイク、二段目ベイク内をさらに多段化してもよい。多段ベイクによって、シロキサン樹脂は均一に硬化され、溶媒除去時の熱対流に伴う描画パターンの乱れが防止できる。
[描画パターン膜を硬化させる工程]
本工程において、最終硬化は、例えば、描画パターン膜(予備硬化していなくてもよい)を、350〜1000℃の加熱温度で焼成して行う。なお、最終硬化の加熱温度が350℃以上であれば、充分な硬化が達成され易く、1000℃以下であれば、基板に悪影響が生じ難い。
最終硬化の際の加熱時間は、2〜60分が好ましく、2〜30分であるとより好ましい。この加熱時間が60分以下であれば、入熱量が過度に増大することがないため、徐々に基板の劣化が生じてしまうことが抑制される。また、加熱装置としては、石英チューブ炉その他の炉、ホットプレート、ラピッドサーマルアニール(RTA)、UV照射アニール、EB照射アニール等の加熱処理装置などを用いることが好ましい。
最終硬化時のガスの雰囲気は、基板に対して悪影響を及ぼさなければ、窒素、アルゴン、ヘリウム等の不活性ガスの雰囲気でも、酸素やオゾン等の活性ガスの雰囲気のどちらであってもよい。
本実施形態に係るシリカ系被膜の形成方法により形成されるシリカ系被膜の用途は特に制限されないが、例えば、半導体デバイス(素子)や多層配線板等の絶縁膜を備えるデバイスへの使用などが挙げられる。具体的には、半導体デバイスにおいては、表面保護膜(パッシベーション膜)、バッファーコート膜、層間絶縁膜、拡散防止膜等として使用することができる。一方、多層配線板においては、層間絶縁膜として好適に使用することができる。
[半導体デバイス]
本実施形態の半導体デバイスは、基板と、前記シリカ系被膜の形成方法により基板上に形成された、所定のパターンを有するシリカ系被膜と、を備えている。このような半導体デバイスとしては、例えば、ダイオード、トランジスタ、化合物半導体、サーミスタ、バリスタ、サイリスタ等の個別半導体、DRAM(ダイナミック・ランダム・アクセス・メモリー)、SRAM(スタティック・ランダム・アクセス・メモリー)、EPROM(イレイザブル・プログラマブル・リード・オンリー・メモリー)、マスクROM(マスク・リード・オンリー・メモリー)、EEPROM(エレクトリカル・イレイザブル・プログラマブル・リード・オンリー・メモリー)、フラッシュメモリー等の記憶素子、マイクロプロセッサー、DSP、ASIC等の理論回路素子、MMIC(モノリシック・マイクロウェーブ集積回路)に代表される化合物半導体等の集積回路素子、混成集積回路(ハイブリッドIC)、発光ダイオード、電荷結合素子等の光電変換素子などが挙げられる。
なお、多層配線板としては、例えば、MCM等の高密度配線板が挙げられる。
[太陽電池システム]
本実施形態の太陽電池システムは、前記半導体デバイスを備えている。前述の半導体デバイスの中で、光電変換素子は太陽電池システムに使用される半導体デバイスであり、昨今の環境問題の影響もあって開発が活発になされている。代表的な光電変換素子としては、半導体のSiウェハにドーパントと呼ばれる不純物を拡散させて、p−n接合を形成したものが挙げられる。このような光電変換素子においては、太陽電池の高効率化のため、ドーパントの非拡散領域と拡散領域が1枚のSiウェハ上に混在するような素子を作製する場合がある。そのような場合、非拡散領域に拡散防止マスクを形成する必要が生じる。これまで、拡散防止マスクはCVD等で形成したシリカ系被膜をフォトリソグラフィー法でパターン化して得ていた。しかし、本実施形態のインクジェット用シリカ系被膜形成組成物を用いれば、インクジェットによってパターン化したシリカ系被膜を得ることができ、工程数の削減や必要材料の削減が可能なため、有用である。
また、本実施形態に係るシリカ系被膜は、液晶用部品、光導波路、フォトレジスト等の用途としても使用することができるが、使用用途はこの限りではない。
以下、実施例及び比較例に基づき本発明をさらに具体的に説明するが、本発明は以下の実施例に何ら制限されるものではない。
(ケイ素化合物Aの調製)
テトラエトキシシラン66.2gと、フェニルトリエトキシシラン76.1gとを、ジプロピレングリコールモノメチルエーテル(沸点188℃)21.3gに溶解させた溶液中に、マレイン酸0.4gを溶解させた水36.0gを攪拌下で10分間かけて滴下し、10時間反応させて200gのケイ素化合物溶液を得た。このとき、テトラエトキシシランのモル量Mに対するフェニルトリエトキシシランのモル量Mの比M/Mは1.0であった。その後、エバポレータを用いて、前記ケイ素化合物溶液全量が95g以下になるまで、減圧留去した。その後、ケイ素化合物溶液全量が100gになるまでジプロピレングリコールモノメチルエーテルを加えてケイ素化合物Aを得た。この時点でのケイ素化合物Aのシロキサン樹脂固形分濃度は60質量%であった。
(ケイ素化合物Bの調製)
テトラエトキシシラン66.2gと、フェニルトリエトキシシラン76.1gとを、トリエチレングリコールジメチルエーテル(沸点216℃)21.3gに溶解させた溶液中に、マレイン酸0.4gを溶解させた水36.0gを攪拌下で10分間かけて滴下し、10時間反応させて200gのケイ素化合物溶液を得た。このとき、テトラエトキシシランのモル量Mに対するフェニルトリエトキシシランのモル量Mの比M/Mは1.0であった。その後、エバポレータを用いて、前記ケイ素化合物溶液全量が95g以下になるまで、減圧留去した。その後、ケイ素化合物溶液全量が100gになるまでトリエチレングリコールジメチルエーテルを加えてケイ素化合物Bを得た。この時点でのケイ素化合物Bのシロキサン樹脂固形分濃度は60質量%であった。
(ケイ素化合物Cの調製)
テトラエトキシシラン66.2gと、フェニルトリエトキシシラン76.1gとを、γ-ブチロラクトン(沸点204℃)21.3gに溶解させた溶液中に、マレイン酸0.4gを溶解させた水36.0gを攪拌下で10分間かけて滴下し、10時間反応させて200gのケイ素化合物溶液を得た。このとき、テトラエトキシシランのモル量Mに対するフェニルトリエトキシシランのモル量Mの比M/Mは1.0であった。その後、エバポレータを用いて、前記ケイ素化合物溶液全量が95g以下になるまで、減圧留去した。その後、ケイ素化合物溶液全量が100gになるまでγ-ブチロラクトンを加えてケイ素化合物Cを得た。この時点でのケイ素化合物Cのシロキサン樹脂固形分濃度は60質量%であった。
(ケイ素化合物Dの調製)
テトラエトキシシラン66.2gと、フェニルトリエトキシシラン76.1gとを、2−プロパノール(沸点82℃)21.3gに溶解させた溶液中に、マレイン酸0.4gを溶解させた水36.0gを攪拌下で10分間かけて滴下し、10時間反応させて200gのケイ素化合物溶液を得た。このとき、テトラエトキシシランのモル量Mに対するフェニルトリエトキシシランのモル量Mの比M/Mは1.0であった。その後、エバポレータを用いて、前記ケイ素化合物溶液全量が95g以下になるまで、減圧留去した。その後、ケイ素化合物溶液全量が100gになるまで2−プロパノールを加えてケイ素化合物Cを得た。この時点でのケイ素化合物Cのシロキサン樹脂固形分濃度は60質量%であった。
(ケイ素化合物Eの調製)
テトラエトキシシラン66.2gと、フェニルトリエトキシシラン76.1gとを、テトラエチレングリコールジメチルエーテル(沸点273℃)21.3gに溶解させた溶液中に、マレイン酸0.4gを溶解させた水36.0gを攪拌下で10分間かけて滴下し、10時間反応させて200gのケイ素化合物溶液を得た。このとき、テトラエトキシシランのモル量Mに対するフェニルトリエトキシシランのモル量Mの比M/Mは1.0であった。その後、エバポレータを用いて、前記ケイ素化合物溶液全量が95g以下になるまで、減圧留去した。その後、ケイ素化合物溶液全量が100gになるまでテトラエチレングリコールジメチルエーテルを加えてケイ素化合物Cを得た。この時点でのケイ素化合物Cのシロキサン樹脂固形分濃度は60質量%であった。
(ケイ素化合物Fの調製)
テトラエトキシシラン66.2gと、フェニルトリエトキシシラン76.1gとを、プロピレングリコールモノプロピルエーテル(沸点150℃)21.3gに溶解させた溶液中に、マレイン酸0.4gを溶解させた水36.0gを攪拌下で10分間かけて滴下し、10時間反応させて200gのケイ素化合物溶液を得た。このとき、テトラエトキシシランのモル量Mに対するフェニルトリエトキシシランのモル量Mの比M/Mは1.0であった。その後、エバポレータを用いて、前記ケイ素化合物溶液全量が95g以下になるまで、減圧留去した。その後、ケイ素化合物溶液全量が100gになるまでプロピレングリコールモノプロピルエーテルを加えてケイ素化合物Fを得た。この時点でのケイ素化合物Fのシロキサン樹脂固形分濃度は60質量%であった。
[実施例1]
前記ケイ素化合物Aに、シリコーン系表面調整剤であるディスパロン1711(楠本化成株式会社製、商品名。ディスパロンは登録商標)を0.3g添加・攪拌し、13.3gのγ―ブチロラクトン(沸点204℃)と、13.3gの2−プロパノール(沸点82℃)を添加・攪拌した。この時点で、溶媒の全質量に対するγ―ブチロラクトンの質量比は0.2、溶媒の全質量に対する2−プロパノールの質量比は0.2であった。また、この時点でのシロキサン樹脂固形分濃度は47.4%であった。そこで、シロキサン樹脂固形分濃度が13.0%になるまで、(γ―ブチロラクトン/2−プロパノール/ジプロピレングリコールモノメチルエーテル)の質量組成比が0.2/0.2/0.6である混合溶媒を添加し、インクジェット用シリカ系被膜形成組成物を作製した。
[実施例2]
前記ケイ素化合物Aに、シリコーン系表面調整剤であるディスパロン1711を0.3g添加・攪拌し、16.0gのγ―ブチロラクトン(沸点204℃)と、24.0gの2−プロパノール(沸点82℃)を添加・攪拌した。この時点で、溶媒の全質量に対するγ―ブチロラクトンの質量比は0.2、溶媒の全質量に対する2−プロパノールの質量比は0.3であった。また、この時点でのシロキサン樹脂固形分濃度は42.9%であった。そこで、シロキサン樹脂固形分濃度が13.0%になるまで、(γ―ブチロラクトン/2−プロパノール/ジプロピレングリコールモノメチルエーテル)の質量組成比が0.2/0.3/0.5である混合溶媒を添加し、インクジェット用シリカ系被膜形成組成物を作製した。
[実施例3]
前記ケイ素化合物Aに、シリコーン系表面調整剤であるディスパロン1711を0.3g添加・攪拌し、20.0gのγ―ブチロラクトン(沸点204℃)と、40.0gの2−プロパノール(沸点82℃)を添加・攪拌した。この時点で、溶媒の全質量に対するγ―ブチロラクトンの質量比は0.2、溶媒の全質量に対する2−プロパノールの質量比は0.4であった。また、この時点でのシロキサン樹脂固形分濃度は37.5%であった。そこで、シロキサン樹脂固形分濃度が13.0%になるまで、(γ―ブチロラクトン/2−プロパノール/ジプロピレングリコールモノメチルエーテル)の質量組成比が0.2/0.4/0.4である混合溶媒を添加し、インクジェット用シリカ系被膜形成組成物を作製した。
[実施例4]
前記ケイ素化合物Aに、シリコーン系表面調整剤であるディスパロン1711を0.3g添加・攪拌し、26.7gのγ―ブチロラクトン(沸点204℃)と、66.7gの2−プロパノール(沸点82℃)を添加・攪拌した。この時点で、溶媒の全質量に対するγ―ブチロラクトンの質量比は0.2、溶媒の全質量に対する2−プロパノールの質量比は0.5であった。また、この時点でのシロキサン樹脂固形分濃度は31.0%であった。そこで、シロキサン樹脂固形分濃度が13.0%になるまで、(γ―ブチロラクトン/2−プロパノール/ジプロピレングリコールモノメチルエーテル)の質量組成比が0.2/0.5/0.3である混合溶媒を添加し、インクジェット用シリカ系被膜形成組成物を作製した。
[実施例5]
前記ケイ素化合物Aに、シリコーン系表面調整剤であるディスパロン1711を0.3g添加・攪拌し、40.0gのγ―ブチロラクトン(沸点204℃)と、20.0gの2−プロパノール(沸点82℃)を添加・攪拌した。この時点で、溶媒の全質量に対するγ―ブチロラクトンの質量比は0.4、溶媒の全質量に対する2−プロパノールの質量比は0.2であった。また、この時点でのシロキサン樹脂固形分濃度は37.5%であった。そこで、シロキサン樹脂固形分濃度が13.0%になるまで、(γ―ブチロラクトン/2−プロパノール/ジプロピレングリコールモノメチルエーテル)の質量組成比が0.4/0.2/0.4である混合溶媒を添加し、インクジェット用シリカ系被膜形成組成物を作製した。
[実施例6]
前記ケイ素化合物Aに、シリコーン系表面調整剤であるディスパロン1711を0.3g添加・攪拌し、53.4gのγ―ブチロラクトン(沸点204℃)と、40.1gの2−プロパノール(沸点82℃)を添加・攪拌した。この時点で、溶媒の全質量に対するγ―ブチロラクトンの質量比は0.4、溶媒の全質量に対する2−プロパノールの質量比は0.3であった。また、この時点でのシロキサン樹脂固形分濃度は31.0%であった。そこで、シロキサン樹脂固形分濃度が13.0%になるまで、(γ―ブチロラクトン/2−プロパノール/ジプロピレングリコールモノメチルエーテル)の質量組成比が0.4/0.3/0.3である混合溶媒を添加し、インクジェット用シリカ系被膜形成組成物を作製した。
[実施例7]
前記ケイ素化合物Aに、シリコーン系表面調整剤であるディスパロン1711を0.3g添加・攪拌し、80.0gのγ―ブチロラクトン(沸点204℃)と、80.0gの2−プロパノール(沸点82℃)を添加・攪拌した。この時点で、溶媒の全質量に対するγ―ブチロラクトンの質量比は0.4、溶媒の全質量に対する2−プロパノールの質量比は0.4であった。また、この時点でのシロキサン樹脂固形分濃度は23.1%であった。そこで、シロキサン樹脂固形分濃度が13.0%になるまで、(γ―ブチロラクトン/2−プロパノール/ジプロピレングリコールモノメチルエーテル)の質量組成比が0.4/0.4/0.2である混合溶媒を添加し、インクジェット用シリカ系被膜形成組成物を作製した。
[実施例8]
前記ケイ素化合物Aに、シリコーン系表面調整剤であるディスパロン1711を0.3g添加・攪拌し、160.0gのγ―ブチロラクトン(沸点204℃)と、200.0gの2−プロパノール(沸点82℃)を添加・攪拌した。この時点で、溶媒の全質量に対するγ―ブチロラクトンの質量比は0.4、溶媒の全質量に対する2−プロパノールの質量比は0.5であった。また、この時点でのシロキサン樹脂固形分濃度は13.0%であり、これをインクジェット用シリカ系被膜形成組成物とした。
[実施例9]
前記ケイ素化合物Aに、シリコーン系表面調整剤であるディスパロン1711を0.3g添加・攪拌し、120.0gのγ―ブチロラクトン(沸点204℃)と、40.0gの2−プロパノール(沸点82℃)を添加・攪拌した。この時点で、溶媒の全質量に対するγ―ブチロラクトンの質量比は0.6、溶媒の全質量に対する2−プロパノールの質量比は0.2であった。また、この時点でのシロキサン樹脂固形分濃度は23.1%であった。そこで、シロキサン樹脂固形分濃度が13.0%になるまで、(γ―ブチロラクトン/2−プロパノール/ジプロピレングリコールモノメチルエーテル)の質量組成比が0.6/0.2/0.2である混合溶媒を添加し、インクジェット用シリカ系被膜形成組成物を作製した。
[実施例10]
前記ケイ素化合物Aに、シリコーン系表面調整剤であるディスパロン1711を0.3g添加・攪拌し、240.0gのγ―ブチロラクトン(沸点204℃)と、120.0gの2−プロパノール(沸点82℃)を添加・攪拌した。この時点で、溶媒の全質量に対するγ―ブチロラクトンの質量比は0.6、溶媒の全質量に対する2−プロパノールの質量比は0.3であった。また、この時点でのシロキサン樹脂固形分濃度は13.0%であり、これをインクジェット用シリカ系被膜形成組成物とした。
[実施例11]
前記ケイ素化合物Aに、シリコーン系表面調整剤であるディスパロン1711を0.3g添加・攪拌し、280.0gのγ―ブチロラクトン(沸点204℃)と、80.0gの2−プロパノール(沸点82℃)を添加・攪拌した。この時点で、溶媒の全質量に対するγ―ブチロラクトンの質量比は0.7、溶媒の全質量に対する2−プロパノールの質量比は0.2であった。また、この時点でのシロキサン樹脂固形分濃度13.0%であり、これをインクジェット用シリカ系被膜形成組成物とした。
[実施例12]
前記ケイ素化合物Aに、シリコーン系表面調整剤であるディスパロン1711を0.3g添加・攪拌し、13.3gのγ―ブチロラクトン(沸点204℃)と、13.3gの2−メチル−2−プロパノール(沸点83℃)を添加・攪拌した。この時点で、溶媒の全質量に対するγ―ブチロラクトンの質量比は0.2、溶媒の全質量に対する2−メチル−2−プロパノールの質量比は0.2であった。また、この時点でのシロキサン樹脂固形分濃度は47.4%であった。そこで、シロキサン樹脂固形分濃度が13.0%になるまで、(γ―ブチロラクトン/2−メチル−2−プロパノール/ジプロピレングリコールモノメチルエーテル)の質量組成比が0.2/0.2/0.6である混合溶媒を添加し、インクジェット用シリカ系被膜形成組成物を作製した。
[実施例13]
前記ケイ素化合物Aに、シリコーン系表面調整剤であるディスパロン1711を0.3g添加・攪拌し、26.7gのγ―ブチロラクトン(沸点204℃)と、66.7gの2−メチル−2−プロパノール(沸点83℃)を添加・攪拌した。この時点で、溶媒の全質量に対するγ―ブチロラクトンの質量比は0.2、溶媒の全質量に対する2−メチル−2−プロパノールの質量比は0.5であった。また、この時点でのシロキサン樹脂固形分濃度は31.0%であった。そこで、シロキサン樹脂固形分濃度が13.0%になるまで、(γ―ブチロラクトン/2−メチル−2−プロパノール/ジプロピレングリコールモノメチルエーテル)の質量組成比が0.2/0.5/0.3である混合溶媒を添加し、インクジェット用シリカ系被膜形成組成物を作製した。
[実施例14]
前記ケイ素化合物Aに、シリコーン系表面調整剤であるディスパロン1711を0.3g添加・攪拌し、40.0gのγ―ブチロラクトン(沸点204℃)と、20.0gの2−メチル−2−プロパノール(沸点83℃)を添加・攪拌した。この時点で、溶媒の全質量に対するγ―ブチロラクトンの質量比は0.4、溶媒の全質量に対する2−メチル−2−プロパノールの質量比は0.2であった。また、この時点でのシロキサン樹脂固形分濃度は37.5%であった。そこで、シロキサン樹脂固形分濃度が13.0%になるまで、(γ―ブチロラクトン/2−メチル−2−プロパノール/ジプロピレングリコールモノメチルエーテル)の質量組成比が0.4/0.2/0.4である混合溶媒を添加し、インクジェット用シリカ系被膜形成組成物を作製した。
[実施例15]
前記ケイ素化合物Aに、シリコーン系表面調整剤であるディスパロン1711を0.3g添加・攪拌し、160.0gのγ―ブチロラクトン(沸点204℃)と、200.0gの2−メチル−2−プロパノール(沸点83℃)を添加・攪拌した。この時点で、溶媒の全質量に対するγ―ブチロラクトンの質量比は0.4、溶媒の全質量に対する2−メチル−2−プロパノールの質量比は0.5であった。また、この時点でのシロキサン樹脂固形分濃度は13.0%であり、これをインクジェット用シリカ系被膜形成組成物とした。
[実施例16]
前記ケイ素化合物Aに、シリコーン系表面調整剤であるディスパロン1711を0.3g添加・攪拌し、280.0gのγ―ブチロラクトン(沸点204℃)と、80.0gの2−メチル−2−プロパノール(沸点83℃)を添加・攪拌した。この時点で、溶媒の全質量に対するγ―ブチロラクトンの質量比は0.7、溶媒の全質量に対する2−メチル−2−プロパノールの質量比は0.2であった。また、この時点でのシロキサン樹脂固形分濃度13.0%であり、これをインクジェット用シリカ系被膜形成組成物とした。
[実施例17]
前記ケイ素化合物Aに、シリコーン系表面調整剤であるディスパロン1711を0.3g添加・攪拌し、13.3gのγ―ブチロラクトン(沸点204℃)と、13.3gの1−プロパノール(沸点97℃)を添加・攪拌した。この時点で、溶媒の全質量に対するγ―ブチロラクトンの質量比は0.2、溶媒の全質量に対する1−プロパノールの質量比は0.2であった。また、この時点でのシロキサン樹脂固形分濃度は47.4%であった。そこで、シロキサン樹脂固形分濃度が13.0%になるまで、(γ―ブチロラクトン/1−プロパノール/ジプロピレングリコールモノメチルエーテル)の質量組成比が0.2/0.2/0.6である混合溶媒を添加し、インクジェット用シリカ系被膜形成組成物を作製した。
[実施例18]
前記ケイ素化合物Aに、シリコーン系表面調整剤であるディスパロン1711を0.3g添加・攪拌し、26.7gのγ―ブチロラクトン(沸点204℃)と、66.7gの1−プロパノール(沸点97℃)を添加・攪拌した。この時点で、溶媒の全質量に対するγ―ブチロラクトンの質量比は0.2、溶媒の全質量に対する1−プロパノールの質量比は0.5であった。また、この時点でのシロキサン樹脂固形分濃度は31.0%であった。そこで、シロキサン樹脂固形分濃度が13.0%になるまで、(γ―ブチロラクトン/1−プロパノール/ジプロピレングリコールモノメチルエーテル)の質量組成比が0.2/0.5/0.3である混合溶媒を添加し、インクジェット用シリカ系被膜形成組成物を作製した。
[実施例19]
前記ケイ素化合物Aに、シリコーン系表面調整剤であるディスパロン1711を0.3g添加・攪拌し、40.0gのγ―ブチロラクトン(沸点204℃)と、20.0gの1−プロパノール(沸点97℃)を添加・攪拌した。この時点で、溶媒の全質量に対するγ―ブチロラクトンの質量比は0.4、溶媒の全質量に対する1−プロパノールの質量比は0.2であった。また、この時点でのシロキサン樹脂固形分濃度は37.5%であった。そこで、シロキサン樹脂固形分濃度が13.0%になるまで、(γ―ブチロラクトン/1−プロパノール/ジプロピレングリコールモノメチルエーテル)の質量組成比が0.4/0.2/0.4である混合溶媒を添加し、インクジェット用シリカ系被膜形成組成物を作製した。
[実施例20]
前記ケイ素化合物Aに、シリコーン系表面調整剤であるディスパロン1711を0.3g添加・攪拌し、160.0gのγ―ブチロラクトン(沸点204℃)と、200.0gの1−プロパノール(沸点97℃)を添加・攪拌した。この時点で、溶媒の全質量に対するγ―ブチロラクトンの質量比は0.4、溶媒の全質量に対する1−プロパノールの質量比は0.5であった。また、この時点でのシロキサン樹脂固形分濃度は13.0%であり、これをインクジェット用シリカ系被膜形成組成物とした。
[実施例21]
前記ケイ素化合物Aに、シリコーン系表面調整剤であるディスパロン1711を0.3g添加・攪拌し、280.0gのγ―ブチロラクトン(沸点204℃)と、80.0gの1−プロパノール(沸点97℃)を添加・攪拌した。この時点で、溶媒の全質量に対するγ―ブチロラクトンの質量比は0.7、溶媒の全質量に対する1−プロパノールの質量比は0.2であった。また、この時点でのシロキサン樹脂固形分濃度13.0%であり、これをインクジェット用シリカ系被膜形成組成物とした。
[実施例22]
前記ケイ素化合物Aに、シリコーン系表面調整剤であるディスパロン1711(楠本化成)を0.3g添加・攪拌し、13.3gのγ―ブチロラクトン(沸点204℃)と、13.3gの2−ブタノール(沸点100℃)を添加・攪拌した。この時点で、溶媒の全質量に対するγ―ブチロラクトンの質量比は0.2、溶媒の全質量に対する2−ブタノールの質量比は0.2であった。また、この時点でのシロキサン樹脂固形分濃度は47.4%であった。そこで、シロキサン樹脂固形分濃度が13.0%になるまで、(γ―ブチロラクトン/2−ブタノール/ジプロピレングリコールモノメチルエーテル)の質量組成比が0.2/0.2/0.6である混合溶媒を添加し、インクジェット用シリカ系被膜形成組成物を作製した。
[実施例23]
前記ケイ素化合物Aに、シリコーン系表面調整剤であるディスパロン1711を0.3g添加・攪拌し、26.7gのγ―ブチロラクトン(沸点204℃)と、66.7gの2−ブタノール(沸点100℃)を添加・攪拌した。この時点で、溶媒の全質量に対するγ―ブチロラクトンの質量比は0.2、溶媒の全質量に対する2−ブタノールの質量比は0.5であった。また、この時点でのシロキサン樹脂固形分濃度は31.0%であった。そこで、シロキサン樹脂固形分濃度が13.0%になるまで、(γ―ブチロラクトン/2−ブタノール/ジプロピレングリコールモノメチルエーテル)の質量組成比が0.2/0.5/0.3である混合溶媒を添加し、インクジェット用シリカ系被膜形成組成物を作製した。
[実施例24]
前記ケイ素化合物Aに、シリコーン系表面調整剤であるディスパロン1711を0.3g添加・攪拌し、40.0gのγ―ブチロラクトン(沸点204℃)と、20.0gの2−ブタノール(沸点100℃)を添加・攪拌した。この時点で、溶媒の全質量に対するγ―ブチロラクトンの質量比は0.4、溶媒の全質量に対する2−ブタノールの質量比は0.2であった。また、この時点でのシロキサン樹脂固形分濃度は37.5%であった。そこで、シロキサン樹脂固形分濃度が13.0%になるまで、(γ―ブチロラクトン/2−ブタノール/ジプロピレングリコールモノメチルエーテル)の質量組成比が0.4/0.2/0.4である混合溶媒を添加し、インクジェット用シリカ系被膜形成組成物を作製した。
[実施例25]
前記ケイ素化合物Aに、シリコーン系表面調整剤であるディスパロン1711を0.3g添加・攪拌し、160.0gのγ―ブチロラクトン(沸点204℃)と、200.0gの2−ブタノール(沸点100℃)を添加・攪拌した。この時点で、溶媒の全質量に対するγ―ブチロラクトンの質量比は0.4、溶媒の全質量に対する2−ブタノールの質量比は0.5であった。また、この時点でのシロキサン樹脂固形分濃度は13.0%であり、これをインクジェット用シリカ系被膜形成組成物とした。
[実施例26]
前記ケイ素化合物Aに、シリコーン系表面調整剤であるディスパロン1711を0.3g添加・攪拌し、280.0gのγ―ブチロラクトン(沸点204℃)と、80.0gの2−ブタノール(沸点100℃)を添加・攪拌した。この時点で、溶媒の全質量に対するγ―ブチロラクトンの質量比は0.7、溶媒の全質量に対する2−ブタノールの質量比は0.2であった。また、この時点でのシロキサン樹脂固形分濃度13.0%であり、これをインクジェット用シリカ系被膜形成組成物とした。
[実施例27]
前記ケイ素化合物Bに、シリコーン系表面調整剤であるディスパロン1711を0.3g添加・攪拌し、13.3gのγ―ブチロラクトン(沸点204℃)と、13.3gの2−プロパノール(沸点82℃)を添加・攪拌した。この時点で、溶媒の全質量に対するγ―ブチロラクトンの質量比は0.2、溶媒の全質量に対する2−プロパノールの質量比は0.2であった。また、この時点でのシロキサン樹脂固形分濃度は47.4%であった。そこで、シロキサン樹脂固形分濃度が13.0%になるまで、(γ―ブチロラクトン/2−プロパノール/トリエチレングリコールジメチルエーテル)の質量組成比が0.2/0.2/0.6である混合溶媒を添加し、インクジェット用シリカ系被膜形成組成物を作製した。
[実施例28]
前記ケイ素化合物Bに、シリコーン系表面調整剤であるディスパロン1711を0.3g添加・攪拌し、26.7gのγ―ブチロラクトン(沸点204℃)と、66.7gの2−プロパノール(沸点82℃)を添加・攪拌した。この時点で、溶媒の全質量に対するγ―ブチロラクトンの質量比は0.2、溶媒の全質量に対する2−プロパノールの質量比は0.5であった。また、この時点でのシロキサン樹脂固形分濃度は31.0%であった。そこで、シロキサン樹脂固形分濃度が13.0%になるまで、(γ―ブチロラクトン/2−プロパノール/トリエチレングリコールジメチルエーテル)の質量組成比が0.2/0.5/0.3である混合溶媒を添加し、インクジェット用シリカ系被膜形成組成物を作製した。
[実施例29]
前記ケイ素化合物Bに、シリコーン系表面調整剤であるディスパロン1711を0.3g添加・攪拌し、40.0gのγ―ブチロラクトン(沸点204℃)と、20.0gの2−プロパノール(沸点82℃)を添加・攪拌した。この時点で、溶媒の全質量に対するγ―ブチロラクトンの質量比は0.4、溶媒の全質量に対する2−プロパノールの質量比は0.2であった。また、この時点でのシロキサン樹脂固形分濃度は37.5%であった。そこで、シロキサン樹脂固形分濃度が13.0%になるまで、(γ―ブチロラクトン/2−プロパノール/トリエチレングリコールジメチルエーテル)の質量組成比が0.4/0.2/0.4である混合溶媒を添加し、インクジェット用シリカ系被膜形成組成物を作製した。
[実施例30]
前記ケイ素化合物Bに、シリコーン系表面調整剤であるディスパロン1711を0.3g添加・攪拌し、160.0gのγ―ブチロラクトン(沸点204℃)と、200.0gの2−プロパノール(沸点82℃)を添加・攪拌した。この時点で、溶媒の全質量に対するγ―ブチロラクトンの質量比は0.4、溶媒の全質量に対する2−プロパノールの質量比は0.5であった。また、この時点でのシロキサン樹脂固形分濃度は13.0%であり、これをインクジェット用シリカ系被膜形成組成物とした。
[実施例31]
前記ケイ素化合物Bに、シリコーン系表面調整剤であるディスパロン1711を0.3g添加・攪拌し、280.0gのγ―ブチロラクトン(沸点204℃)と、80.0gの2−プロパノール(沸点82℃)を添加・攪拌した。この時点で、溶媒の全質量に対するγ―ブチロラクトンの質量比は0.7、溶媒の全質量に対する2−プロパノールの質量比は0.2であった。また、この時点でのシロキサン樹脂固形分濃度は13.0%であり、これをインクジェット用シリカ系被膜形成組成物とした。
[実施例32]
前記ケイ素化合物Bに、シリコーン系表面調整剤であるディスパロン1711を0.3g添加・攪拌し、26.7gのγ―ブチロラクトン(沸点204℃)と、66.7gの2−メチル−2−プロパノール(沸点83℃)を添加・攪拌した。この時点で、溶媒の全質量に対するγ―ブチロラクトンの質量比は0.2、溶媒の全質量に対する2−メチル−2−プロパノールの質量比は0.5であった。また、この時点でのシロキサン樹脂固形分濃度は31.0%であった。そこで、シロキサン樹脂固形分濃度が13.0%になるまで、(γ―ブチロラクトン/2−メチル−2−プロパノール/トリエチレングリコールジメチルエーテル)の質量組成比が0.2/0.5/0.3である混合溶媒を添加し、インクジェット用シリカ系被膜形成組成物を作製した。
[実施例33]
前記ケイ素化合物Bに、シリコーン系表面調整剤であるディスパロン1711を0.3g添加・攪拌し、280.0gのγ―ブチロラクトン(沸点204℃)と、80.0gの2−メチル−2−プロパノール(沸点83℃)を添加・攪拌した。この時点で、溶媒の全質量に対するγ―ブチロラクトンの質量比は0.7、溶媒の全質量に対する2−メチル−2−プロパノールの質量比は0.2であった。また、この時点でのシロキサン樹脂固形分濃度は13.0%であり、これをインクジェット用シリカ系被膜形成組成物とした。
[実施例34]
前記ケイ素化合物Bに、シリコーン系表面調整剤であるディスパロン1711を0.3g添加・攪拌し、26.7gのγ―ブチロラクトン(沸点204℃)と、66.7gの1−プロパノール(沸点97℃)を添加・攪拌した。この時点で、溶媒の全質量に対するγ―ブチロラクトンの質量比は0.2、溶媒の全質量に対する1−プロパノールの質量比は0.5であった。また、この時点でのシロキサン樹脂固形分濃度は31.0%であった。そこで、シロキサン樹脂固形分濃度が13.0%になるまで、(γ―ブチロラクトン/1−プロパノール/トリエチレングリコールジメチルエーテル)の質量組成比が0.2/0.5/0.3である混合溶媒を添加し、インクジェット用シリカ系被膜形成組成物を作製した。
[実施例35]
前記ケイ素化合物Bに、シリコーン系表面調整剤であるディスパロン1711を0.3g添加・攪拌し、280.0gのγ―ブチロラクトン(沸点204℃)と、80.0gの1−プロパノール(沸点97℃)を添加・攪拌した。この時点で、溶媒の全質量に対するγ―ブチロラクトンの質量比は0.7、溶媒の全質量に対する1−プロパノールの質量比は0.2であった。また、この時点でのシロキサン樹脂固形分濃度は13.0%であり、これをインクジェット用シリカ系被膜形成組成物とした。
[実施例36]
前記ケイ素化合物Bに、シリコーン系表面調整剤であるディスパロン1711を0.3g添加・攪拌し、26.7gのγ―ブチロラクトン(沸点204℃)と、66.7gの2−ブタノール(沸点100℃)を添加・攪拌した。この時点で、溶媒の全質量に対するγ―ブチロラクトンの質量比は0.2、溶媒の全質量に対する2−ブタノールの質量比は0.5であった。また、この時点でのシロキサン樹脂固形分濃度は31.0%であった。そこで、シロキサン樹脂固形分濃度が13.0%になるまで、(γ―ブチロラクトン/2−ブタノール/トリエチレングリコールジメチルエーテル)の質量組成比が0.2/0.5/0.3である混合溶媒を添加し、インクジェット用シリカ系被膜形成組成物を作製した。
[実施例37]
前記ケイ素化合物Bに、シリコーン系表面調整剤であるディスパロン1711を0.3g添加・攪拌し、280.0gのγ―ブチロラクトン(沸点204℃)と、80.0gの2−ブタノール(沸点100℃)を添加・攪拌した。この時点で、溶媒の全質量に対するγ―ブチロラクトンの質量比は0.7、溶媒の全質量に対する2−ブタノールの質量比は0.2であった。また、この時点でのシロキサン樹脂固形分濃度は13.0%であり、これをインクジェット用シリカ系被膜形成組成物とした。
[比較例1]
前記ケイ素化合物Aに、シリコーン系表面調整剤であるディスパロン1711を0.3g添加・攪拌し、5.7gのγ―ブチロラクトン(沸点204℃)と、11.4gの2−プロパノール(沸点82℃)を添加・攪拌した。この時点で、溶媒の全質量に対するγ―ブチロラクトンの質量比は0.1、溶媒の全質量に対する2−プロパノールの質量比は0.2であった。また、この時点でのシロキサン樹脂固形分濃度は51.2%であった。そこで、シロキサン樹脂固形分濃度が13.0%になるまで、(γ―ブチロラクトン/2−プロパノール/ジプロピレングリコールモノメチルエーテル)の質量組成比が0.1/0.2/0.7である混合溶媒を添加し、インクジェット用シリカ系被膜形成組成物を作製した。
[比較例2]
前記ケイ素化合物Aに、シリコーン系表面調整剤であるディスパロン1711を0.3g添加・攪拌し、6.7gのγ―ブチロラクトン(沸点204℃)と、20.1gの2−プロパノール(沸点82℃)を添加・攪拌した。この時点で、溶媒の全質量に対するγ―ブチロラクトンの質量比は0.1、溶媒の全質量に対する2−プロパノールの質量比は0.3であった。また、この時点でのシロキサン樹脂固形分濃度は47.3%であった。そこで、シロキサン樹脂固形分濃度が13.0%になるまで、(γ―ブチロラクトン/2−プロパノール/ジプロピレングリコールモノメチルエーテル)の質量組成比が0.1/0.3/0.6である混合溶媒を添加し、インクジェット用シリカ系被膜形成組成物を作製した。
[比較例3]
前記ケイ素化合物Aに、シリコーン系表面調整剤であるディスパロン1711を0.3g添加・攪拌し、8.0gのγ―ブチロラクトン(沸点204℃)と、32.0gの2−プロパノール(沸点82℃)を添加・攪拌した。この時点で、溶媒の全質量に対するγ―ブチロラクトンの質量比は0.1、溶媒の全質量に対する2−プロパノールの質量比は0.4であった。また、この時点でのシロキサン樹脂固形分濃度は42.9%であった。そこで、シロキサン樹脂固形分濃度が13.0%になるまで、(γ―ブチロラクトン/2−プロパノール/ジプロピレングリコールモノメチルエーテル)の質量組成比が0.1/0.4/0.5である混合溶媒を添加し、インクジェット用シリカ系被膜形成組成物を作製した。
[比較例4]
前記ケイ素化合物Aに、シリコーン系表面調整剤であるディスパロン1711を0.3g添加・攪拌し、10.0gのγ―ブチロラクトン(沸点204℃)と、50.0gの2−プロパノール(沸点82℃)を添加・攪拌した。この時点で、溶媒の全質量に対するγ―ブチロラクトンの質量比は0.1、溶媒の全質量に対する2−プロパノールの質量比は0.5であった。また、この時点でのシロキサン樹脂固形分濃度は37.5%であった。そこで、シロキサン樹脂固形分濃度が13.0%になるまで、(γ―ブチロラクトン/2−プロパノール/ジプロピレングリコールモノメチルエーテル)の質量組成比が0.1/0.5/0.4である混合溶媒を添加し、インクジェット用シリカ系被膜形成組成物を作製した。
[比較例5]
前記ケイ素化合物Aに、シリコーン系表面調整剤であるディスパロン1711を0.3g添加・攪拌し、10.0gのγ―ブチロラクトン(沸点204℃)を添加・攪拌した。この時点で、溶媒の全質量に対するγ―ブチロラクトンの質量比は0.2であった。また、この時点でのシロキサン樹脂固形分濃度は54.5%であった。そこで、シロキサン樹脂固形分濃度が13.0%になるまで、(γ―ブチロラクトン/ジプロピレングリコールモノメチルエーテル)の質量組成比が0.2/0.8である混合溶媒を添加し、インクジェット用シリカ系被膜形成組成物を作製した。
[比較例6]
前記ケイ素化合物Aに、シリコーン系表面調整剤であるディスパロン1711を0.3g添加・攪拌し、11.4gのγ―ブチロラクトン(沸点204℃)と、5.7gの2−プロパノール(沸点82℃)を添加・攪拌した。この時点で、溶媒の全質量に対するγ―ブチロラクトンの質量比は0.2、溶媒の全質量に対する2−プロパノールの質量比は0.1であった。また、この時点でのシロキサン樹脂固形分濃度は51.2%であった。そこで、シロキサン樹脂固形分濃度が13.0%になるまで、(γ―ブチロラクトン/2−プロパノール/ジプロピレングリコールモノメチルエーテル)の質量組成比が0.2/0.1/0.7である混合溶媒を添加し、インクジェット用シリカ系被膜形成組成物を作製した。
[比較例7]
前記ケイ素化合物Aに、シリコーン系表面調整剤であるディスパロン1711を0.3g添加・攪拌し、160.0gのγ―ブチロラクトン(沸点204℃)を添加・攪拌した。この時点で、溶媒の全質量に対するγ―ブチロラクトンの質量比は0.8であった。また、この時点でのシロキサン樹脂固形分濃度は23.1%であった。そこで、シロキサン樹脂固形分濃度が13.0%になるまで、(γ―ブチロラクトン/ジプロピレングリコールモノメチルエーテル)の質量組成比が0.8/0.2である混合溶媒を添加し、インクジェット用シリカ系被膜形成組成物を作製した。
[比較例8]
前記ケイ素化合物Aに、シリコーン系表面調整剤であるディスパロン1711を0.3g添加・攪拌し、320.0gのγ―ブチロラクトン(沸点204℃)と、40.0gの2−プロパノール(沸点82℃)を添加・攪拌した。この時点で、溶媒の全質量に対するγ―ブチロラクトンの質量比は0.8、溶媒の全質量に対する2−プロパノールの質量比は0.1であった。また、この時点でのシロキサン樹脂固形分濃度は13.0%であり、これをインクジェット用シリカ系被膜形成組成物とした。
[比較例9]
前記ケイ素化合物Aに、シリコーン系表面調整剤であるディスパロン1711を0.3g添加・攪拌し、40.0gのγ―ブチロラクトン(沸点204℃)と、120.0gの2−プロパノール(沸点82℃)を添加・攪拌した。この時点で、溶媒の全質量に対するγ―ブチロラクトンの質量比は0.2、溶媒の全質量に対する2−プロパノールの質量比は0.6であった。また、この時点でのシロキサン樹脂固形分濃度は23.1%であった。そこで、シロキサン樹脂固形分濃度が13.0%になるまで、(γ―ブチロラクトン/2−プロパノール/ジプロピレングリコールモノメチルエーテル)の質量組成比が0.2/0.6/0.2である混合溶媒を添加し、インクジェット用シリカ系被膜形成組成物を作製した。
[比較例10]
前記ケイ素化合物Aに、シリコーン系表面調整剤であるディスパロン1711を0.3g添加・攪拌し、80.0gのγ―ブチロラクトン(沸点204℃)と、280.0gの2−プロパノール(沸点82℃)を添加・攪拌した。この時点で、溶媒の全質量に対するγ―ブチロラクトンの質量比は0.2、溶媒の全質量に対する2−プロパノールの質量比は0.7であった。また、この時点でのシロキサン樹脂固形分濃度は13.0%であり、これをインクジェット用シリカ系被膜形成組成物とした。
[比較例11]
前記ケイ素化合物Aに、シリコーン系表面調整剤であるディスパロン1711を0.3g添加・攪拌し、13.3gのγ―ブチロラクトン(沸点204℃)と、13.3gのプロピレングリコールモノプロピルエーテル(沸点150℃)を添加・攪拌した。この時点で、溶媒の全質量に対するγ―ブチロラクトンの質量比は0.2、溶媒の全質量に対するプロピレングリコールモノプロピルエーテルの質量比は0.2であった。また、この時点でのシロキサン樹脂固形分濃度は47.4%であった。そこで、シロキサン樹脂固形分濃度が13.0%になるまで、(γ―ブチロラクトン/プロピレングリコールモノプロピルエーテル/ジプロピレングリコールモノメチルエーテル)の質量組成比が0.2/0.2/0.6である混合溶媒を添加し、インクジェット用シリカ系被膜形成組成物を作製した。
[比較例12]
前記ケイ素化合物Aに、シリコーン系表面調整剤であるディスパロン1711を0.3g添加・攪拌し、16.0gのγ―ブチロラクトン(沸点204℃)と、24.0gのプロピレングリコールモノプロピルエーテル(沸点150℃)を添加・攪拌した。この時点で、溶媒の全質量に対するγ―ブチロラクトンの質量比は0.2、溶媒の全質量に対するプロピレングリコールモノプロピルエーテルの質量比は0.3であった。また、この時点でのシロキサン樹脂固形分濃度は42.9%であった。そこで、シロキサン樹脂固形分濃度が13.0%になるまで、(γ―ブチロラクトン/プロピレングリコールモノプロピルエーテル/ジプロピレングリコールモノメチルエーテル)の質量組成比が0.2/0.3/0.5である混合溶媒を添加し、インクジェット用シリカ系被膜形成組成物を作製した。
[比較例13]
前記ケイ素化合物Aに、シリコーン系表面調整剤であるディスパロン1711を0.3g添加・攪拌し、20.0gのγ―ブチロラクトン(沸点204℃)と、40.0gのプロピレングリコールモノプロピルエーテル(沸点150℃)を添加・攪拌した。この時点で、溶媒の全質量に対するγ―ブチロラクトンの質量比は0.2、溶媒の全質量に対するプロピレングリコールモノプロピルエーテルの質量比は0.4であった。また、この時点でのシロキサン樹脂固形分濃度は37.5%であった。そこで、シロキサン樹脂固形分濃度が13.0%になるまで、(γ―ブチロラクトン/プロピレングリコールモノプロピルエーテル/ジプロピレングリコールモノメチルエーテル)の質量組成比が0.2/0.4/0.4である混合溶媒を添加し、インクジェット用シリカ系被膜形成組成物を作製した。
[比較例14]
前記ケイ素化合物Aに、シリコーン系表面調整剤であるディスパロン1711を0.3g添加・攪拌し、26.7gのγ―ブチロラクトン(沸点204℃)と、66.7gのプロピレングリコールモノプロピルエーテル(沸点150℃)を添加・攪拌した。この時点で、溶媒の全質量に対するγ―ブチロラクトンの質量比は0.2、溶媒の全質量に対するプロピレングリコールモノプロピルエーテルの質量比は0.5であった。また、この時点でのシロキサン樹脂固形分濃度は31.0%であった。そこで、シロキサン樹脂固形分濃度が13.0%になるまで、(γ―ブチロラクトン/プロピレングリコールモノプロピルエーテル/ジプロピレングリコールモノメチルエーテル)の質量組成比が0.2/0.5/0.3である混合溶媒を添加し、インクジェット用シリカ系被膜形成組成物を作製した。
[比較例15]
前記ケイ素化合物Aに、26.7gのγ―ブチロラクトン(沸点204℃)と、66.7gの2−プロパノール(沸点82℃)を添加・攪拌した。この時点で、溶媒の全質量に対するγ―ブチロラクトンの質量比は0.2、溶媒の全質量に対する2−プロパノールの質量比は0.5であった。また、この時点でのシロキサン樹脂固形分濃度は31.0%であった。そこで、シロキサン樹脂固形分濃度が13.0%になるまで、(γ―ブチロラクトン/2−プロパノール/ジプロピレングリコールモノメチルエーテル)の質量組成比が0.2/0.5/0.3である混合溶媒を添加し、インクジェット用シリカ系被膜形成組成物を作製した。
[比較例16]
前記ケイ素化合物Aに、40.0gのγ―ブチロラクトン(沸点204℃)と、20.0gの2−プロパノール(沸点82℃)を添加・攪拌した。この時点で、溶媒の全質量に対するγ―ブチロラクトンの質量比は0.4、溶媒の全質量に対する2−プロパノールの質量比は0.2であった。また、この時点でのシロキサン樹脂固形分濃度は37.5%であった。そこで、シロキサン樹脂固形分濃度が13.0%になるまで、(γ―ブチロラクトン/2−プロパノール/ジプロピレングリコールモノメチルエーテル)の質量組成比が0.4/0.2/0.4である混合溶媒を添加し、インクジェット用シリカ系被膜形成組成物を作製した。
[比較例17]
前記ケイ素化合物Aに、160.0gのγ―ブチロラクトン(沸点204℃)と、200.0gの2−プロパノール(沸点82℃)を添加・攪拌した。この時点で、溶媒の全質量に対するγ―ブチロラクトンの質量比は0.4、溶媒の全質量に対する2−プロパノールの質量比は0.5であった。また、この時点でのシロキサン樹脂固形分濃度は13.0%であり、これをインクジェット用シリカ系被膜形成組成物とした。
[比較例18]
前記ケイ素化合物Aに、280.0gのγ―ブチロラクトン(沸点204℃)と、80.0gの2−プロパノール(沸点82℃)を添加・攪拌した。この時点で、溶媒の全質量に対するγ―ブチロラクトンの質量比は0.7、溶媒の全質量に対する2−プロパノールの質量比は0.2であった。また、この時点でのシロキサン樹脂固形分濃度は13.0%であり、これをインクジェット用シリカ系被膜形成組成物とした。
[比較例19]
前記ケイ素化合物Cに、シリコーン系表面調整剤であるディスパロン1711を0.3g添加・攪拌し、361.5gのγ―ブチロラクトン(沸点204℃)を添加・攪拌してシロキサン樹脂固形分濃度が13.0%のインクジェット用シリカ系被膜形成組成物を作製した。
[比較例20]
前記ケイ素化合物Dに、シリコーン系表面調整剤であるディスパロン1711を0.3g添加・攪拌し、361.5gの2−プロパノール(沸点82℃)を添加・攪拌してシロキサン樹脂固形分濃度が13.0%のインクジェット用シリカ系被膜形成組成物を作製した。
[比較例21]
前記ケイ素化合物Aに、シリコーン系表面調整剤であるディスパロン1711を0.3g添加・攪拌し、361.5gのジプロピレングリコールモノメチルエーテル(沸点188℃)を添加・攪拌してシロキサン樹脂固形分濃度が13.0%のインクジェット用シリカ系被膜形成組成物を作製した。
[比較例22]
前記ケイ素化合物Aに、シリコーン系表面調整剤であるディスパロン1711を0.3g添加・攪拌し、17.2gの2−プロパノール(沸点82℃)を添加・攪拌した。この時点で、溶媒の全質量に対する2−プロパノールの質量比は0.3であった。また、この時点でのシロキサン樹脂固形分濃度は51.2%であった。そこで、シロキサン樹脂固形分濃度が13.0%になるまで、(2−プロパノール/ジプロピレングリコールモノメチルエーテル)の質量組成比が0.3/0.7である混合溶媒を添加し、インクジェット用シリカ系被膜形成組成物を作製した。
[比較例23]
前記ケイ素化合物Aに、シリコーン系表面調整剤であるディスパロン1711を0.3g添加・攪拌し、26.7gの2−プロパノール(沸点82℃)を添加・攪拌した。この時点で、溶媒の全質量に対する2−プロパノールの質量比は0.4であった。また、この時点でのシロキサン樹脂固形分濃度は47.4%であった。そこで、シロキサン樹脂固形分濃度が13.0%になるまで、(2−プロパノール/ジプロピレングリコールモノメチルエーテル)の質量組成比が0.4/0.6である混合溶媒を添加し、インクジェット用シリカ系被膜形成組成物を作製した。
[比較例24]
前記ケイ素化合物Aに、シリコーン系表面調整剤であるディスパロン1711を0.3g添加・攪拌し、40.0gの2−プロパノール(沸点82℃)を添加・攪拌した。この時点で、溶媒の全質量に対する2−プロパノールの質量比は0.5であった。また、この時点でのシロキサン樹脂固形分濃度は42.9%であった。そこで、シロキサン樹脂固形分濃度が13.0%になるまで、(2−プロパノール/ジプロピレングリコールモノメチルエーテル)の質量組成比が0.5/0.5である混合溶媒を添加し、インクジェット用シリカ系被膜形成組成物を作製した。
[比較例25]
前記ケイ素化合物Eに、シリコーン系表面調整剤であるディスパロン1711を0.3g添加・攪拌し、13.3gのγ―ブチロラクトン(沸点204℃)と、13.3gの2−プロパノール(沸点82℃)を添加・攪拌した。この時点で、溶媒の全質量に対するγ―ブチロラクトンの質量比は0.2、溶媒の全質量に対する2−プロパノールの質量比は0.2であった。また、この時点でのシロキサン樹脂固形分濃度は47.4%であった。そこで、シロキサン樹脂固形分濃度が13.0%になるまで、(γ―ブチロラクトン/2−プロパノール/テトラエチレングリコールジメチルエーテル)の質量組成比が0.2/0.2/0.6である混合溶媒を添加し、インクジェット用シリカ系被膜形成組成物を作製した。
[比較例26]
前記ケイ素化合物Eに、シリコーン系表面調整剤であるディスパロン1711を0.3g添加・攪拌し、16.0gのγ―ブチロラクトン(沸点204℃)と、24.0gの2−プロパノール(沸点82℃)を添加・攪拌した。この時点で、溶媒の全質量に対するγ―ブチロラクトンの質量比は0.2、溶媒の全質量に対する2−プロパノールの質量比は0.3であった。また、この時点でのシロキサン樹脂固形分濃度は42.9%であった。そこで、シロキサン樹脂固形分濃度が13.0%になるまで、(γ―ブチロラクトン/2−プロパノール/テトラエチレングリコールジメチルエーテル)の質量組成比が0.2/0.3/0.5である混合溶媒を添加し、インクジェット用シリカ系被膜形成組成物を作製した。
[比較例27]
前記ケイ素化合物Eに、シリコーン系表面調整剤であるディスパロン1711を0.3g添加・攪拌し、20.0gのγ―ブチロラクトン(沸点204℃)と、40.0gの2−プロパノール(沸点82℃)を添加・攪拌した。この時点で、溶媒の全質量に対するγ―ブチロラクトンの質量比は0.2、溶媒の全質量に対する2−プロパノールの質量比は0.4であった。また、この時点でのシロキサン樹脂固形分濃度は37.5%であった。そこで、シロキサン樹脂固形分濃度が13.0%になるまで、(γ―ブチロラクトン/2−プロパノール/テトラエチレングリコールジメチルエーテル)の質量組成比が0.2/0.4/0.4である混合溶媒を添加し、インクジェット用シリカ系被膜形成組成物を作製した。
[比較例28]
前記ケイ素化合物Eに、シリコーン系表面調整剤であるディスパロン1711を0.3g添加・攪拌し、26.7gのγ―ブチロラクトン(沸点204℃)と、66.7gの2−プロパノール(沸点82℃)を添加・攪拌した。この時点で、溶媒の全質量に対するγ―ブチロラクトンの質量比は0.2、溶媒の全質量に対する2−プロパノールの質量比は0.5であった。また、この時点でのシロキサン樹脂固形分濃度は31.0%であった。そこで、シロキサン樹脂固形分濃度が13.0%になるまで、(γ―ブチロラクトン/2−プロパノール/テトラエチレングリコールジメチルエーテル)の質量組成比が0.2/0.5/0.3である混合溶媒を添加し、インクジェット用シリカ系被膜形成組成物を作製した。
[比較例29]
前記ケイ素化合物Aに、シリコーン系表面調整剤であるディスパロン1711を0.3g添加・攪拌し、13.3gのγ―ブチロラクトン(沸点204℃)と、13.3gのアセトン(沸点56.5℃)を添加・攪拌した。この時点で、溶媒の全質量に対するγ―ブチロラクトンの質量比は0.2、溶媒の全質量に対するアセトンの質量比は0.2であった。また、この時点でのシロキサン樹脂固形分濃度は47.4%であった。そこで、シロキサン樹脂固形分濃度が13.0%になるまで、(γ―ブチロラクトン/アセトン/ジプロピレングリコールモノメチルエーテル)の質量組成比が0.2/0.2/0.6である混合溶媒を添加し、インクジェット用シリカ系被膜形成組成物を作製した。
[比較例30]
前記ケイ素化合物Fに、シリコーン系表面調整剤であるディスパロン1711を0.3g添加・攪拌し、13.3gのγ―ブチロラクトン(沸点204℃)と、13.3gの2−プロパノール(沸点82℃)を添加・攪拌した。この時点で、溶媒の全質量に対するγ―ブチロラクトンの質量比は0.2、溶媒の全質量に対する2−プロパノールの質量比は0.2であった。また、この時点でのシロキサン樹脂固形分濃度は47.4%であった。そこで、シロキサン樹脂固形分濃度が13.0%になるまで、(γ―ブチロラクトン/2−プロパノール/プロピレングリコールモノプロピルエーテル)の質量組成比が0.2/0.2/0.6である混合溶媒を添加し、インクジェット用シリカ系被膜形成組成物を作製した。
このようにして得られた実施例1〜37及び比較例1〜30のインクジェット用シリカ系被膜形成組成物について、以下の評価を実施した。
[再吐出時のノズル目詰まり評価]
再吐出時のノズル目詰まり評価においては、(株)マイクロジェット社製のNanoPrinter−1100 Standardのインクジェット吐出機を用いた。そして、室温(23℃)下で吐出(3分)、未吐出(5分)、吐出(30秒)、未吐出(5分)、吐出(30秒)の順序でインク(各インクジェット用シリカ系被膜形成組成物)の吐出と未吐出を繰り返した際に、ノズル目詰まりすることなくインクが吐出されているかどうかを判定した。
[描画パターン断面形状の評価]
描画パターンの断面形状は以下のようにして評価した。まず、NanoPrinter−1100 Standardのインクジェット吐出機を用いてインク(各インクジェット用シリカ系被膜形成組成物)を吐出し、70℃に加熱した鏡面Siウェハ上に所定のパターンを描画した。この時、装置の描画条件を「幅800μm、長さ20000μm、膜厚1.2μm」に設定した。そして、描画したパターン断面形状を段差計で測定した。段差計は、Veeco社製のDektak150を用いた。このとき、膜厚0μm(底辺)における描画パターン断面幅に対する、膜厚1.1μmにおける描画パターンの断面幅の割合(%)を矩形度として算出した。そして、矩形度が85%以上ある場合には、断面形状は矩形であると評価した。
実施例1〜37及び比較例1〜30のインクジェット用シリカ系被膜形成組成物の組成、並びに前記の評価結果を、表1〜9に示す。
Figure 2014132044
表1に記載の実施例及び比較例では、用いる3種類の溶媒の質量比を固定し、また、合成時の溶媒は異なるものの同一組成のシロキサン化合物(テトラエトキシシラン及びフェニルトリエトキシシラン)を用いて評価を行った。実施例に示すように、本発明のインクジェット用シリカ系被膜形成組成物は、溶媒としてγ−ブチロラクトン、沸点が80〜100℃である第2の溶媒及び沸点が180〜230℃である第3の溶媒を含むことが少なくとも重要であることが確認された。
Figure 2014132044
Figure 2014132044
Figure 2014132044
Figure 2014132044
Figure 2014132044
Figure 2014132044
Figure 2014132044
Figure 2014132044
以上のとおり、実施例1〜37においては、再吐出時のノズル目詰まりはなく、パターン断面形状も、膜厚1.1μmにおける断面幅が描画パターン断面の底辺幅に対し85%以上であり、矩形であった。このことから、本発明のインクジェット用シリカ系被膜形成組成物は、γ−ブチロラクトン、沸点が80〜100℃である第2の溶媒及び沸点が180〜230℃である第3の溶媒を、それぞれ適切な質量比で含むことにより、極めて優れた特性を示すことが確認された。

Claims (5)

  1. 下記一般式(I)で表される化合物を加水分解・重縮合して得られるケイ素化合物と、溶媒と、表面調整剤と、を含有し、
    前記溶媒は、γ−ブチロラクトン、沸点が80〜100℃である第2の溶媒及び沸点が180〜230℃である第3の溶媒を含み、
    前記溶媒の全質量に対する前記γ−ブチロラクトンの質量比が0.2以上であり、前記溶媒の全質量に対する前記第2の溶媒の質量比が0.2〜0.5である、インクジェット用シリカ系被膜形成組成物。
    SiX4−n …(I)
    [式中、Rは炭素数1〜20の有機基を示し、Xは加水分解性基を示し、nは0〜2の整数を示す。ただし、nが2のとき、複数存在するRは同一でも異なっていてもよく、nが0〜2のとき、複数存在するXは同一でも異なっていてもよい。]
  2. 前記表面調整剤がシリコーン系表面調整剤である、請求項1記載の組成物。
  3. インクジェット法により、請求項1又は2に記載の組成物を吐出してパターン描画を行い描画パターン膜を形成する工程と、
    前記描画パターン膜を硬化させる工程と、
    を備えるシリカ系被膜の形成方法。
  4. 基板と、
    該基板上に、請求項3に記載の方法により形成されたシリカ系被膜と、
    を備える半導体デバイス。
  5. 請求項4に記載の半導体デバイスを備える太陽電池システム。
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