JP2011006539A - 塗布型シリカ系被膜形成用組成物、この塗布型シリカ系被膜形成用組成物を用いたシリカ系被膜、及びそれを用いた半導体装置 - Google Patents

塗布型シリカ系被膜形成用組成物、この塗布型シリカ系被膜形成用組成物を用いたシリカ系被膜、及びそれを用いた半導体装置 Download PDF

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Abstract

【課題】 ゾル−ゲル法を用いて、硬化時の収縮率が小さく低誘電率である塗布型シリカ系被膜を得ることが可能な、塗布型シリカ系被膜形成用組成物を提供することを目的とする。
【解決手段】 下記一般式(1)、(2)及び(3)にて表される化合物を含む(A)成分を必須成分とし、200〜300℃での一段目硬化から、600℃の二段目硬化迄の膜収縮率が5%以下であり、二段目硬化温度が400℃の場合の、シリカ系被膜の比誘電率が2.5以下である、前記(A)成分の加水分解・重縮合反応を経て得られる塗布型シリカ系被膜形成用組成物。
Figure 2011006539

[R、R、Rは炭素数1〜3の有機基を示し、同一でも異なっていてもよい。Rは炭素数6〜20の直鎖状アルキル基を示す。]
【選択図】 なし

Description

本発明は、ゾル−ゲル法による低誘電率であって、低収縮な塗布型シリカ系被膜形成用組成物、この塗布型シリカ系被膜形成用組成物を用いたシリカ系被膜及びそれを用いた半導体装置に関する。
近年、半導体デバイスの高性能化に伴い、配線の微細化やデバイスの高集積化が、様々な課題を克服しながら、益々進行している。
配線の微細化においては、微細化に伴う配線間容量の増大により、信号遅延が問題となっている。配線間容量を低減する方法としては、配線材料の低抵抗化や配線間絶縁膜の低誘電率化等が有効な手段である。とりわけ配線間絶縁膜の低誘電率化は、従来から使用されてきたシリカ系被膜の多孔質化で対応しようとする方法が一般的となっている。非多孔質シリカ被膜の比誘電率は、4程度が限界であるが、比誘電率が1である空気層を導入することで、低誘電率化が可能となる。
ゾル−ゲル法を用いて多孔質シリカ系被膜を得る代表的な方法は、非多孔質シリカに熱分解性物質を混合し、後に熱分解性物質を加熱等により除去することで、空気層(空孔)を導入する方法と(特許文献1参照)、ゾル−ゲル法にて用いるシリカモノマーに、熱分解性の置換基を有するものを使用し、被膜形成後に置換基を加熱等により除去することで、空気層(空孔)を導入する方法が挙げられる(特許文献2参照)。これらの方法において、空孔サイズの均一性や、空孔サイズ制御のし易さの点等から、後述の置換基脱離型の方が有利であると考えられる。
一方、デバイスの高集積化においては、各層の薄化が進行しており、薄くなった層の剥離等を避けるために、各層の低応力化が必要となる。そのような中、前述した配線間絶縁膜であるシリカ系被膜の低応力化も望まれている。
ゾル−ゲル法によるシリカ系被膜の応力発生は、硬化等の加熱処理時に、縮合反応が進行し、膜が収縮することに起因している。このため、硬化時の膜収縮を抑制するシリカ系被膜の開発が必要である。
硬化時の膜収縮を抑制する方法としては、例えばスピン塗布時の雰囲気をアミン系とすることで縮合反応を可能な限り促進させ、硬化時の膜収縮を抑制する方法や(特許文献3参照)、硬化促進触媒を用いることで、室温(25℃)での縮合反応を可能な限り促進させ、硬化時の膜収縮を抑制する方法(特許文献4参照)等が挙げられる。
即ち、半導体デバイスの高性能化に伴い、低誘電率且つ低収縮なシリカ系被膜が望まれている。
特開平11−310411号公報 特開平10−287746号公報 特許第2825077号公報 特許第3702842号公報
しかしながら、低誘電率と低収縮の両特性に着目しながら、ゾル−ゲル法によりシリカ系被膜を得ることを検討している例はない。
本発明は、ゾル−ゲル法を用いて、硬化時の収縮率が小さく低誘電率である塗布型シリカ系被膜を得ることが可能な、塗布型シリカ系被膜形成用組成物を提供することを目的とする。
本発明は、以下のものに関する。
(1)下記一般式(1)、(2)及び(3)にて表される化合物を含む(A)成分を必須成分とし、200〜300℃での一段目硬化から、600℃の二段目硬化迄の膜収縮率が5%以下であり、二段目硬化温度が400℃の場合の、シリカ系被膜の比誘電率が2.5以下である、前記(A)成分の加水分解・重縮合反応を経て得られる塗布型シリカ系被膜形成用組成物。
Figure 2011006539
Figure 2011006539
Figure 2011006539

[R、R、Rは炭素数1〜3の有機基を示し、同一でも異なっていてもよい。Rは炭素数6〜20の直鎖状アルキル基を示す。]
(2)項(1)において、(A)成分中に占める一般式(3)の化合物のモル比率が、0.1〜0.2の範囲である塗布型シリカ系被膜形成用組成物。
(3)項(1)又は(2)に記載の塗布型シリカ系被膜形成用組成物を用いて形成される、シリカ系被膜。
(4)項(3)記載のシリカ系被膜が、層間絶縁層として用いられる半導体装置。
本発明は、上記構成により、硬化時の収縮率が小さく低誘電率である塗布型シリカ系被膜を得ることが可能となる。
これは、一般式(3)の直鎖状アルキル基が、加熱分解することにより空孔形成されることにより、低誘電率となると共に、直鎖状アルキル基は、剛直性が低いために、加熱分解される前(塗布・一段目硬化時)においては、シリカ骨格が硬化し易く、二段目硬化での膜収縮率を抑制できるためであると、考えられる。
また、一般式(3)のモノマにメチル基を含有させることで、加熱分解されるアルキル基により形成される空孔の押し潰れを(メチル基の立体的空間形成により)阻止している。
更に、一般式(3)のシリカ骨格だけでは、二段目硬化時の収縮が大きくなりやすので、一般式(1)及び(2)のシリカ骨格により、より一層の空孔の押し潰れを、阻止するようにしている。
そして、本願のシリカ系被膜を層間絶縁層として用いた半導体装置は、配線が微細化されても信号遅延の問題が少ない。
以下、本発明の実施形態について詳細に説明する。
本発明は、(A)成分として、先に述べた一般式(1)、(2)及び(3)にて表される、各一般式にて1又は複数の化合物を、必須成分とする。
<一般式(1):テトラアルコキシシラン>
一般式(1)にて表されるテトラアルコキシシランとしては、テトラメトキシシラン、テトラエトキシシラン、テトラ−n−プロポキシシラン、テトラ−iso−プロポキシシラン等が、挙げられ、中でも反応性や反応副生成物の点から、テトラエトキシシランを用いるのが好ましい。
アルコキシキ基の炭素数は、1〜3であり、4以上になると、硬化時の膜収縮が大きくなり適さない。
<一般式(2):メチルトリアルコキシシラン>
一般式(2)にて表されるメチルトリアルコキシシランとしては、メチルトリメトキシシラン、メチルトリエトキシシラン、メチルトリ−n−プロポキシシラン、メチルトリ−iso−プロポキシシラン等が挙げられ、中でも反応性や反応副生成物の点から、メチルトリエトキシシランを用いるのが好ましい。
アルコキシキ基の炭素数は、1〜3であり、4以上になると、硬化時の膜収縮が大きくなり適さない。
<一般式(3):アルキルメチルジアルコキシシラン>
一般式(3)にて表されるアルキルメチルジアルコキシシランとしては、アルキル部分の炭素数が6〜20の範囲内である。炭素数が6〜20の直鎖状アルキル基として、ヘキシル、ヘプチル、オクチル、ノニル、デシル、ウンデシル、ドデシル、トリデシル、テトラデシル、ペンタデシル、ヘキサデシル、へプタデシル、ノナデシル、エイコシルが挙げられ、ドデシルメチルジメトキシシラン、ドデシルメチルジエトキシシラン、ドデシルメチルジ−n−プロポキシシラン、ドデシルメチルジ−iso−プロポキシシラン等が挙げられる。その中でも得られるシリカ被膜の低誘電率化と低収縮の兼ね合いから、炭素数12のドデシル基が好ましく、ドデシルメチルジエトキシシランを用いるのが好ましい。
アルコキシキ基の炭素数は、1〜3であり、4以上になると硬化時の膜収縮が大きくなり適さない。
<化合物の混合比>
一般式(1)、(2)及び(3)の化合物の混合比は、一般式(3)のモル比率が、0.1〜0.2の範囲であり、一般式(1)、(2)及び(3)のモル比率の合計が、1となることが好ましい。更には、一般式(1)のモル比率が0.3〜0.5の範囲であり、一般式(2)のモル比率が0.3〜0.6の範囲であり、一般式(3)のモル比率が0.1〜0.2の範囲であるように組成を決定することが特に好ましい。
<加水分解・重縮合反応に用いる触媒>
加水分解・重縮合反応に用いられる触媒としては、例えば、酸触媒、アルカリ触媒、金属キレート化合物等が挙げられるが、溶液安定性等の点より酸触媒を用いることが好ましい。
酸触媒としては、例えば、有機酸及び無機酸等が挙げられる。有機酸としては、例えば、蟻酸、マレイン酸、フマル酸、フタル酸、マロン酸、コハク酸、酒石酸、リンゴ酸、乳酸、クエン酸、酢酸、プロピオン酸、ブタン酸、ペンタン酸、ヘキサン酸、ヘプタン酸、オクタン酸、ノナン酸、デカン酸、シュウ酸、アジピン酸、セバシン酸、酪酸、オレイン酸、ステアリン酸、リノール酸、リノレイン酸、サリチル酸、ベンゼンスルホン酸、安息香酸、p−アミノ安息香酸、p−トルエンスルホン酸、メタンスルホン酸、トリフルオロメタンスルフォン酸、トリフルオロエタンスルフォン酸等が挙げられる。無機酸としては、例えば、塩酸、燐酸、硝酸、ホウ酸、硫酸、フッ酸等が挙げられる。これらは1種類を単独で又は2種類以上を組み合わせて使用することができる。
<触媒の使用量>
触媒の使用量(モル比率)は、一般式(1)のモル比率をA、一般式(2)のモル比率をB、一般式(3)のモル比率をCとした時に、〔(4A+3B+2C)/3000〕〜〔(4A+3B+2C)/10〕の範囲が好ましく、〔(4A+3B+2C)/3000〕〜〔(4A+3B+2C)/100〕の範囲が更に好ましい。この範囲外であると、反応が十分に進行しないか、又は、反応が進行しすぎてゲル化してしまう可能性が、徐々に高くなる。
<加水分解・重縮合反応の使用する水量>
上記一般式(1)、(2)及び(3)の化合物を、加水分解・重縮合反応させる際に用いる水の量(モル比率)は、一般式(1)のモル比率をA、一般式(2)のモル比率をB、一般式(3)のモル比率をCとした時に、〔(4A+3B+2C)/2〕〜〔(4A+3B+2C)×2〕の範囲が好ましく、〔(4A+3B+2C)/2〕〜〔4A+3B+2C)×1〕の範囲が更に好ましい。この範囲外であると、反応が十分に進行しないか、又は、反応が進行しすぎてゲル化してしまう可能性が、徐々に高くなる。
<重量平均分子量>
加水分解・重縮合反応して得られる塗布型シリカ系被膜形成用組成物(シロキサン樹脂)は、溶媒への溶解性、機械特性、成形性等の観点から、重量平均分子量(Mw)が、500〜20,000であることが好ましく、1,000〜10,000であるとより好ましい。この重量平均分子量が500未満では、シリカ系被膜の成膜性が徐々に劣る傾向にあり、この重量平均分子量が20,000を超えると、溶媒との相溶性が徐々に低下する傾向にある。
尚、本明細書において、重量平均分子量は、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(以下、「GPC」と言う。)により測定され且つ標準ポリスチレンの検量線を使用して換算されたものである。
<重量平均分子量の測定>
重量平均分子量(Mw)は、例えば、以下の条件によるGPCにより測定することができる。
(条件)
試料:シリカ系被膜形成用組成物10μL
標準ポリスチレン:東ソー株式会社製標準ポリスチレン(分子量;190000、17900、9100、2980、578、474、370、266)
検出器:株式会社日立製作所製、RI−モニター、商品名「L−3000」
インテグレーター:株式会社日立製作所製、GPCインテグレーター、商品名「D−2200」
ポンプ:株式会社日立製作所製、商品名「L−6000」
デガス装置:昭和電工株式会社製、商品名「Shodex DEGAS」
カラム:日立化成工業株式会社製、商品名「GL−R440」、「GL−R430」、「GL−R420」をこの順番で連結して使用
溶離液:テトラヒドロフラン(THF)
測定温度:23℃
流速:1.75mL/分
測定時間:45分
<溶媒の使用>
触媒及び水を用いて、一般式(1)、(2)及び(3)の加水分解・重縮合反応を行う際には、均一に溶解可能な溶媒を用いて行うことが好ましい。それは、溶媒を使用することが、反応の均一性や反応速度の制御に有効なためである。
また、そのような趣旨で用いる溶媒としては、非プロトン性溶媒、プロトン性溶媒等が、好ましく用いることができ、これらは単独で又は2種類以上を組み合わせて用いることができる。
<非プロトン性溶媒>
非プロトン性溶媒としては、例えば、アセトン、メチルエチルケトン、メチル−n−プロピルケトン、メチル−iso−プロピルケトン、メチル−n−ブチルケトン、メチル−iso−ブチルケトン、メチル−n−ペンチルケトン、メチル−n−ヘキシルケトン、ジエチルケトン、ジプロピルケトン、ジ−iso−ブチルケトン、トリメチルノナノン、シクロヘキサノン、シクロペンタノン、メチルシクロヘキサノン、2,4−ペンタンジオン、アセトニルアセトン、γ−ブチロラクトン、γ−バレロラクトン等のケトン系溶媒;ジエチルエーテル、メチルエチルエーテル、メチル−n−プロピルエーテル、ジ−iso−プロピルエーテル、テトラヒドロフラン、メチルテトラヒドロフラン、ジオキサン、ジメチルジオキサン、エチレングリコールジメチルエーテル、エチレングリコールジエチルエーテル、エチレングリコールジ−n−プロピルエーテル、エチレングリコールジブチルエーテル、ジエチレングリコールジメチルエーテル、ジエチレングリコールジエチルエーテル、ジエチレングリコールメチルエチルエーテル、ジエチレングリコールメチルモノ−n−プロピルエーテル、ジエチレングリコールメチルモノ−n−ブチルエーテル、ジエチレングリコールジ−n−プロピルエーテル、ジエチレングリコールジ−n−ブチルエーテル、ジエチレングリコールメチルモノ−n−ヘキシルエーテル、トリエチレングリコールジメチルエーテル、トリエチレングリコールジエチルエーテル、トリエチレングリコールメチルエチルエーテル、トリエチレングリコールメチルモノ−n−ブチルエーテル、トリエチレングリコールジ−n−ブチルエーテル、トリエチレングリコールメチルモノ−n−ヘキシルエーテル、テトラエチレングリコールジメチルエーテル、テトラエチレングリコールジエチルエーテル、テトラジエチレングリコールメチルエチルエーテル、テトラエチレングリコールメチルモノ−n−ブチルエーテル、ジエチレングリコールジ−n−ブチルエーテル、テトラエチレングリコールメチルモノ−n−ヘキシルエーテル、テトラエチレングリコールジ−n−ブチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールジメチルエーテル、プロピレングリコールジエチルエーテル、プロピレングリコールジ−n−プロピルエーテル、プロピレングリコールジブチルエーテル、ジプロピレングリコールジメチルエーテル、ジプロピレングリコールジエチルエーテル、ジプロピレングリコールメチルエチルエーテル、ジプロピレングリコールメチルモノ−n−ブチルエーテル、ジプロピレングリコールジ−n−プロピルエーテル、ジプロピレングリコールジ−n−ブチルエーテル、ジプロピレングリコールメチルモノ−n−ヘキシルエーテル、トリプロピレングリコールジメチルエーテル、トリプロピレングリコールジエチルエーテル、トリプロピレングリコールメチルエチルエーテル、トリプロピレングリコールメチルモノ−n−ブチルエーテル、トリプロピレングリコールジ−n−ブチルエーテル、トリプロピレングリコールメチルモノ−n−ヘキシルエーテル、テトラプロピレングリコールジメチルエーテル、テトラプロピレングリコールジエチルエーテル、テトラジプロピレングリコールメチルエチルエーテル、テトラプロピレングリコールメチルモノ−n−ブチルエーテル、ジプロピレングリコールジ−n−ブチルエーテル、テトラプロピレングリコールメチルモノ−n−ヘキシルエーテル、テトラプロピレングリコールジ−n−ブチルエーテル等のエーテル系溶媒;酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸n−プロピル、酢酸i−プロピル、酢酸n−ブチル、酢酸i−ブチル、酢酸sec−ブチル、酢酸n−ペンチル、酢酸sec−ペンチル、酢酸3−メトキシブチル、酢酸メチルペンチル、酢酸2−エチルブチル、酢酸2−エチルヘキシル、酢酸ベンジル、酢酸シクロヘキシル、酢酸メチルシクロヘキシル、酢酸ノニル、アセト酢酸メチル、アセト酢酸エチル、酢酸ジエチレングリコールモノメチルエーテル、酢酸ジエチレングリコールモノエチルエーテル、酢酸ジエチレングリコールモノ−n−ブチルエーテル、酢酸ジプロピレングリコールモノメチルエーテル、酢酸ジプロピレングリコールモノエチルエーテル、ジ酢酸グリコール、酢酸メトキシトリグリコール、プロピオン酸エチル、プロピオン酸n−ブチル、プロピオン酸i−アミル、シュウ酸ジエチル、シュウ酸ジ−n−ブチル等のエステル系溶媒;エチレングリコールメチルエーテルプロピオネート、エチレングリコールエチルエーテルプロピオネート、エチレングリコールメチルエーテルアセテート、エチレングリコールエチルエーテルアセテート、ジエチレングリコールメチルエーテルアセテート、ジエチレングリコールエチルエーテルアセテート、ジエチレングリコール−n−ブチルエーテルアセテート、プロピレングリコールメチルエーテルアセテート、プロピレングリコールエチルエーテルアセテート、プロピレングリコールプロピルエーテルアセテート、ジプロピレングリコールメチルエーテルアセテート、ジプロピレングリコールエチルエーテルアセテート等のエーテルアセテート系溶媒;アセトニトリル、N―メチルピロリジノン、N―エチルピロリジノン、N―プロピルピロリジノン、N―ブチルピロリジノン、N―ヘキシルピロリジノン、N―シクロヘキシルピロリジノン、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、N,N−ジメチルスルホキシド等が挙げられる。これらは、1種類を単独で又は2種類以上を組み合わせて使用される。
<プロトン性溶媒>
プロトン性溶媒としては、例えば、メタノール、エタノール、n−プロパノール、i−プロパノール、n−ブタノール、i−ブタノール、sec−ブタノール、t−ブタノール、n−ペンタノール、i−ペンタノール、2−メチルブタノール、sec−ペンタノール、t−ペンタノール、3−メトキシブタノール、n−ヘキサノール、2−メチルペンタノール、sec−ヘキサノール、2−エチルブタノール、sec−ヘプタノール、n−オクタノール、2−エチルヘキサノール、sec−オクタノール、n−ノニルアルコール、n−デカノール、sec−ウンデシルアルコール、トリメチルノニルアルコール、sec−テトラデシルアルコール、sec−ヘプタデシルアルコール、フェノール、シクロヘキサノール、メチルシクロヘキサノール、ベンジルアルコール、エチレングリコール、1,2−プロピレングリコール、1,3−ブチレングリコール、ジエチレングリコール、ジプロピレングリコール、トリエチレングリコール、トリプロピレングリコール等のアルコール系溶媒;エチレングリコールメチルエーテル、エチレングリコールエチルエーテル、エチレングリコールモノフェニルエーテル、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールモノ−n−ブチルエーテル、ジエチレングリコールモノ−n−ヘキシルエーテル、エトキシトリグリコール、テトラエチレングリコールモノ−n−ブチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテル、ジプロピレングリコールモノメチルエーテル、ジプロピレングリコールモノエチルエーテル、トリプロピレングリコールモノメチルエーテル等のエーテル系溶媒;乳酸メチル、乳酸エチル、乳酸n−ブチル、乳酸n−アミル等のエステル系溶媒等が挙げられる。
これらは、1種類を単独で又は2種類以上を組み合わせて使用される。
<溶媒の配合割合>
溶媒(非プロトン性溶媒とプロトン性溶媒との合計)の配合割合は、一般式(1)、(2)及び(3)の加水分解・重縮合反応中においては特に制限はないが、反応終了後においては、得られたシロキサン樹脂の濃度が、3〜25質量%となるような量で調整することが好ましい。この溶媒の配合割合が3質量%未満では、所望の膜厚を得ることが、徐々に困難となり成膜性等が劣る傾向があり、25質量%を超えると、徐々に安定性が劣る傾向があるためである。
<添加剤>
本発明における塗布型シリカ系被膜形成用組成物には、オニウム塩化合物を含有させてもよい。オニウム塩化合物は、シリカ被膜形成時の硬化促進剤としての役割がある。オニウム塩化合物としては、例えば、アンモニウムハイドロオキシド、アンモニウムフルオライド、アンモニウムクロライド、アンモニウムブロマイド、ヨウ化アンモニウム、燐酸アンモニウム塩、硝酸アンモニウム塩、ホウ酸アンモニウム塩、硫酸アンモニウム塩、蟻酸アンモニウム塩、マレイン酸アンモニウム塩、フマル酸アンモニウム塩、フタル酸アンモニウム塩、マロン酸アンモニウム塩、コハク酸アンモニウム塩、酒石酸アンモニウム塩、リンゴ酸アンモニウム塩、乳酸アンモニウム塩、クエン酸アンモニウム塩、酢酸アンモニウム塩、プロピオン酸アンモニウム塩、ブタン酸アンモニウム塩、ペンタン酸アンモニウム塩、ヘキサン酸アンモニウム塩、ヘプタン酸アンモニウム塩、オクタン酸アンモニウム塩、ノナン酸アンモニウム塩、デカン酸アンモニウム塩、シュウ酸アンモニウム塩、アジピン酸アンモニウム塩、セバシン酸アンモニウム塩、酪酸アンモニウム塩、オレイン酸アンモニウム塩、ステアリン酸アンモニウム塩、リノール酸アンモニウム塩、リノレイン酸アンモニウム塩、サリチル酸アンモニウム塩、ベンゼンスルホン酸アンモニウム塩、安息香酸アンモニウム塩、p−アミノ安息香酸アンモニウム塩、p−トルエンスルホン酸アンモニウム塩、メタンスルホン酸アンモニウム塩、トリフルオロメタンスルフォン酸アンモニウム塩、トリフルオロエタンスルフォン酸アンモニウム塩、等のアンモニウム塩化合物が挙げられる。
また、上記アンモニウム塩化合物のアンモニウム部位が、メチルアンモニウム、ジメチルアンモニウム、トリメチルアンモニウム、テトラメチルアンモニウム、エチルアンモニウム、ジエチルアンモニウム、トリエチルアンモニウム、テトラエチルアンモニウム、プロピルアンモニウム、ジプロピルアンモニウム、トリプロピルアンモニウム、テトラプロピルアンモニウム、ブチルアンモニウム、ジブチルアンモニウム、トリブチルアンモニウム、テトラブチルアンモニウム、エタノールアンモニウム、ジエタノールアンモニウム、トリエタノールアンモニウム等に置換されたアンモニウム塩化合物等も挙げられる。
上記したアンモニウム塩以外のオニウム塩として、例えば、ホスホニウム塩、アルソニウム塩、スチボニウム塩、オキソニウム塩、スルホニウム塩、セレノニウム塩、スタンノニウム塩、ヨードニウム塩等が挙げられるが、組成物の安定性の見地からアンモニウム塩であることが好ましく、4級アンモニウム塩であることがより好ましい。
上記アンモニウム塩としては、例えば、テトラメチルアンモニウムオキサイド、テトラメチルアンモニウムクロライド、テトラメチルアンモニウムブロマイド、テトラメチルアンモニウムフロライド、テトラブチルアンモニウムオキサイド、テトラブチルアンモニウムクロライド、テトラブチルアンモニウムブロマイド、テトラブチルアンモニウムフロライド、テトラメチルアンモニウム硝酸塩、テトラメチルアンモニウム酢酸塩、テトラメチルアンモニウムプロピオン酸塩、テトラメチルアンモニウムマレイン酸塩、テトラメチルアンモニウム硫酸塩等が挙げられ、シリカ系被膜の電気特性の見地から、テトラメチルアンモニウム硝酸塩、テトラメチルアンモニウム酢酸塩、テトラメチルアンモニウムプロピオン酸塩、テトラメチルアンモニウムマレイン酸塩、テトラメチルアンモニウム硫酸塩等のアンモニウム塩が特に好ましい。
これらは1種類を単独で又は2種類以上を組み合わせて使用することができる。
<オニウム塩の配合割合>
これらオニウム塩の配合割合は、(A)成分の総量に対して0.001〜5質量%であることが好ましく、0.01〜2質量%であることがより好ましく、0.1〜1質量%であることが更に好ましい。この配合割合が0.001質量%未満では、実質的な効果が得られにくい傾向があり、5質量%を超えると、徐々に組成物の安定性、成膜性等が劣る傾向がある。
また、オニウム塩は、必要に応じて水や溶媒によって溶解或いは希釈して所望の濃度になるよう添加することができる。
また、添加する時期は、特に限定されないが、例えば、(A)成分の加水分解を行う時点、加水分解中、反応終了時、溶媒留去前後等がある。オニウム塩を水溶液とした場合、そのpHが1.5〜10であると好ましく、2〜8であるとより好ましく、3〜6であると特に好ましい。pHが、1.5未満又は10を超える範囲では、組成物の安定性、成膜性等が劣る傾向がある。
<シリカ系被膜の形成>
塗布型シリカ系被膜形成用組成物を用いて、基板上にシリカ系被膜を形成する方法について、成膜性及び膜均一性に優れるスピンコート法を例にとって、以下説明する。但し、シリカ系被膜の形成方法は、スピンコート法に限定されるものではない。また、基板は、表面が平坦なものでも、電極等が形成され表面に凹凸を有しているものであってもよい。
(被膜形成)
先ず、塗布型シリカ系被膜形成用組成物を、シリコンウエハ等の基板上に好ましくは500〜5000回転/分、より好ましくは500〜3000回転/分でスピン塗布して、被膜を形成する。この回転数が500回転/分未満では、徐々に膜均一性が悪化する傾向があり、5000回転/分を超えると、徐々に成膜性が悪化する恐れがある。
シリカ系被膜の膜厚は、LSI等の層間絶縁膜に使用する際は、0.01〜2μmであることが好ましい。本発明にて述べる塗布型シリカ系被膜形成用組成物は、0.1〜2.0μmの膜厚に好ましく用いることができ、0.1〜1.5μmの膜厚により好ましく用いることができ、0.1〜1.0μmの膜厚に特に好ましく用いることができる。
シリカ系被膜の膜厚を調整するためには、例えば、(A)成分の加水分解・重縮合反応より得られるシロキサン樹脂の濃度を調整してもよい。また、スピン塗布法を用いる場合、回転数と塗布回数を調整することにより膜厚を調整することもできる。
シロキサン樹脂の濃度を調整して膜厚を制御する場合は、例えば、膜厚を厚くする場合にはシロキサン樹脂の濃度を高くし、膜厚を薄くする場合にはシロキサン樹脂の濃度を低くすることにより制御することができる。
(乾燥・硬化)
次いで、好ましくは200〜300℃、より好ましくは250〜300℃でホットプレート等にて塗布膜中の有機溶媒を乾燥(一段目硬化)させる。この乾燥温度が低いと、有機溶媒の乾燥が十分に行われない傾向がある。
最終硬化(二段目硬化)は、有機溶媒が除去された塗布膜を、350〜600℃の加熱温度で焼成して行う。このようにして、100kHz以上の高周波領域においても低い比誘電率を発現できるシリカ系被膜(Low−k膜)が形成される。
尚、本発明にて述べる「比誘電率」とは、23℃±2℃、湿度40%±10%の雰囲気下で測定された値をいい、これを2.5以下とする。
また、比誘電率は、例えば、Al金属とN型低抵抗率基板(Siウエハ)間の電荷容量を測定することでも求められる。
最終硬化(二段目硬化)の加熱温度は、350℃未満では十分な硬化が達成されない傾向があり、600℃を超えると、残存してほしい有機基の分解が生じる恐れがある。
最終硬化の際の加熱時間は、2〜60分が好ましく、2〜30分であるとより好ましい。この加熱時間が60分を超えると、入熱量が過度に増大して、徐々に配線金属の劣化が生じる恐れがある。また、加熱装置としては、石英チューブ炉その他の炉、ホットプレート、ラピッドサーマルアニール(RTA)、UV照射アニール、EB照射アニール等の加熱処理装置を用いることが好ましい。
最終硬化は、窒素、アルゴン、ヘリウム等の不活性雰囲気下で行うことが好ましく、この場合、酸素濃度が1000ppm以下であることが好ましい。
(比誘電率)
シリカ系被膜の最終硬化工程後の比誘電率は、2.5以下であり、2.3以下であることがより好ましい。尚、下限は、特に制限されるものではないが、通常1.5程度であり、1.5を下回ると、機械強度の低下を招く恐れが、徐々に出てくる。
(膜収縮率)
本発明にて述べる膜収縮率とは、以下の値のことを指す。200〜300℃の一段目硬化時の膜厚をA、600℃の二段目硬化時の膜厚をBとした時、膜収縮率は、((A−B)/A)×100で示される。本発明では、この定義において、シリカ系被膜の膜収縮率を、5%以下とする。膜収縮率が5%を超えて大きくなると、例えば配線と配線間絶縁膜の剥がれ等が発生する可能性が増大する。
また、上記のようにして形成されたシリカ系被膜を用いた電子部品としては、半導体素子、多層配線板等のシリカ系被膜を有する電子デバイス、液晶用部品等が挙げられる。シリカ系被膜は、半導体素子において、表面保護膜(パッシベーション膜)、バッファーコート膜、層間絶縁膜等として使用することができる。
以下、本発明に係る具体的な実施例について説明するが、本発明はこれらに制限されるものではない。
〔実施例1〕
テトラエトキシシラン(一般式(1)):7.6gと、メチルトリエトキシシラン(一般式(2)):13.2gと、ドデシルメチルジエトキシシラン(一般式(3)):3.7gとを、ジエチレングリコールジメチルエーテル:69.0gに溶解させた溶液中に、60質量%硝酸:0.041gを溶解させた水:6.4gを攪拌下で、10分間かけて滴下した。
滴下終了後2時間反応させ、ポリシロキサン溶液を得た。その後、ロータリーエバポレータを用いて減圧下、温浴中で生成エタノール、低沸点物を留去し、次いで2.4質量%のテトラメチルアンモニウム硝酸塩水溶液:2.1gを添加して、0.5時間反応させ、100gの塗布型シリカ系被膜形成用組成物を作製した。
〔実施例2〕
テトラエトキシシラン:5.6gと、メチルトリエトキシシラン:9.8gと、ドデシルメチルジエトキシシラン:6.2gとを、ジエチレングリコールジメチルエーテル:73.3gに溶解させた溶液中に、60質量%硝酸:0.033gを溶解させた水:5.1gを攪拌下で10分間かけて滴下した。
滴下終了後2時間反応させ、ポリシロキサン溶液を得た。その後、ロータリーエバポレータを用いて減圧下、温浴中で生成エタノール、低沸点物を留去し、次いで2.4質量%のテトラメチルアンモニウム硝酸塩水溶液:2.1gを添加して、0.5時間反応させ、100gの塗布型シリカ系被膜形成用組成物を作製した。
〔実施例3〕
テトラエトキシシラン:10.4gと、メチルトリエトキシシラン:11.1gと、ドデシルメチルジエトキシシラン:3.8gとを、ジエチレングリコールジメチルエーテル:68.1gに溶解させた溶液中に、60質量%硝酸:0.043gを溶解させた水:6.6gを攪拌下で10分間かけて滴下した。
滴下終了後2時間反応させ、ポリシロキサン溶液を得た。その後、ロータリーエバポレータを用いて減圧下、温浴中で生成エタノール、低沸点物を留去し、次いで2.4質量%のテトラメチルアンモニウム硝酸塩水溶液:2.1gを添加して、0.5時間反応させ、100gの塗布型シリカ系被膜形成用組成物を作製した。
〔実施例4〕
テトラエトキシシラン:8.6gと、メチルトリエトキシシラン:7.4gと、ドデシルメチルジエトキシシラン:6.3gとを、ジエチレングリコールジメチルエーテル:72.4gに溶解させた溶液中に、60質量%硝酸:0.035gを溶解させた水:5.4gを攪拌下で10分間かけて滴下した。
滴下終了後2時間反応させ、ポリシロキサン溶液を得た。その後、ロータリーエバポレータを用いて減圧下、温浴中で生成エタノール、低沸点物を留去し、次いで2.4質量%のテトラメチルアンモニウム硝酸塩水溶液:2.1gを添加して、0.5時間反応させ、100gの塗布型シリカ系被膜形成用組成物を作製した。
〔実施例5〕
テトラエトキシシラン:13.0gと、メチルトリエトキシシラン:9.0gと、ドデシルメチルジエトキシシラン:3.8gとを、ジエチレングリコールジメチルエーテル:67.3gに溶解させた溶液中に、60質量%硝酸:0.045gを溶解させた水:6.9gを攪拌下で10分間かけて滴下した。
滴下終了後2時間反応させ、ポリシロキサン溶液を得た。その後、ロータリーエバポレータを用いて減圧下、温浴中で生成エタノール、低沸点物を留去し、次いで2.4質量%のテトラメチルアンモニウム硝酸塩水溶液:2.1gを添加して、0.5時間反応させ、100gの塗布型シリカ系被膜形成用組成物を作製した。
〔実施例6〕
テトラエトキシシラン:13.0gと、メチルトリエトキシシラン:5.6gと、ドデシルメチルジエトキシシラン:6.3gとを、ジエチレングリコールジメチルエーテル:67.3gに溶解させた溶液中に、60質量%硝酸:0.036gを溶解させた水:5.6gを攪拌下で10分間かけて滴下した。
滴下終了後2時間反応させ、ポリシロキサン溶液を得た。その後、ロータリーエバポレータを用いて減圧下、温浴中で生成エタノール、低沸点物を留去し、次いで2.4質量%のテトラメチルアンモニウム硝酸塩水溶液:2.1gを添加して、0.5時間反応させ、100gの塗布型シリカ系被膜形成用組成物を作製した。
〔比較例1〕
テトラエトキシシラン:16.4gと、メチルトリエトキシシラン:14.0gとを、ジエチレングリコールジメチルエーテル:60.6gに溶解させた溶液中に、60質量%硝酸:0.058gを溶解させた水:8.9gを攪拌下で10分間かけて滴下した。
滴下終了後2時間反応させ、ポリシロキサン溶液を得た。その後、ロータリーエバポレータを用いて減圧下、温浴中で生成エタノール、低沸点物を留去し、次いで2.4質量%のテトラメチルアンモニウム硝酸塩水溶液:2.1gを添加して、0.5時間反応させ、100gの塗布型シリカ系被膜形成用組成物を作製した。
〔比較例2〕
テトラエトキシシラン:6.3gと、メチルトリエトキシシラン:21.8gとを、ジエチレングリコールジメチルエーテル:64.0gに溶解させた溶液中に、60質量%硝酸:0.051gを溶解させた水:7.9gを攪拌下で10分間かけて滴下した。
滴下終了後2時間反応させ、ポリシロキサン溶液を得た。その後、ロータリーエバポレータを用いて減圧下、温浴中で生成エタノール、低沸点物を留去し、次いで2.4質量%のテトラメチルアンモニウム硝酸塩水溶液:2.1gを添加して、0.5時間反応させ、100gの塗布型シリカ系被膜形成用組成物を作製した。
〔比較例3〕
テトラエトキシシラン:27.1gと、メチルトリエトキシシラン:5.8gとを、ジエチレングリコールジメチルエーテル:57.0gに溶解させた溶液中に、60質量%硝酸:0.065gを溶解させた水:10.0gを攪拌下で10分間かけて滴下した。
滴下終了後2時間反応させ、ポリシロキサン溶液を得た。その後、ロータリーエバポレータを用いて減圧下、温浴中で生成エタノール、低沸点物を留去し、次いで2.4質量%のテトラメチルアンモニウム硝酸塩水溶液:2.1gを添加して、0.5時間反応させ、100gの塗布型シリカ系被膜形成用組成物を作製した。
〔比較例4〕
テトラエトキシシラン:11.6gと、メチルトリエトキシシラン:12.4gと、シクロヘキシルメチルジエトキシシラン:2.6gとを、ジエチレングリコールジメチルエーテル:65.9gに溶解させた溶液中に、60質量%硝酸:0.048gを溶解させた水:7.4gを攪拌下で10分間かけて滴下した。
滴下終了後2時間反応させ、ポリシロキサン溶液を得た。その後、ロータリーエバポレータを用いて減圧下、温浴中で生成エタノール、低沸点物を留去し、次いで2.4質量%のテトラメチルアンモニウム硝酸塩水溶液:2.1gを添加して、0.5時間反応させ、100gの塗布型シリカ系被膜形成用組成物を作製した。
〔比較例5〕
テトラエトキシシラン:12.1gと、メチルトリエトキシシラン:12.9gと、ブチルメチルジエトキシシラン:2.8gとを、ジエチレングリコールジメチルエーテル:64.6gに溶解させた溶液中に、60質量%硝酸:0.050gを溶解させた水:7.7gを攪拌下で10分間かけて滴下した。
滴下終了後2時間反応させ、ポリシロキサン溶液を得た。その後、ロータリーエバポレータを用いて減圧下、温浴中で生成エタノール、低沸点物を留去し、次いで2.4質量%のテトラメチルアンモニウム硝酸塩水溶液:2.1gを添加して、0.5時間反応させ、100gの塗布型シリカ系被膜形成用組成物を作製した。
〔比誘電率測定〕
250℃の一段目硬化と、400℃の二段目硬化とを実施した、シリカ系被膜を比誘電率測定に用いた。シリカ系被膜上にアルミニウム被膜を直径:2mm、厚さ:0.1μmに真空蒸着法で形成し、この試料の電荷容量を、LFインピーダンスアナライザー(横河電機株式会社製、商品名:HP4192A)に、誘電体テスト・フィクスチャー(横河電機株式会製、商品名:HP16451B)を接続した装置を用いて、温度:23±2℃、湿度:40±10%、使用周波数:1MHzの条件で測定した。
また、前記条件で測定した電荷容量の測定値を、「シリカ系被膜の比誘電率=3.597×10−2×電荷容量(pF)×シリカ系被膜の膜厚(μm)」の式に代入し、シリカ系被膜の比誘電率を算出した。
〔膜収縮率測定〕
250℃の一段目硬化時の膜厚をA、600℃の二段目硬化時の膜厚をBとした時、「膜収縮率(%)=((A−B)/A)×100」の式にて算出される値を、膜収縮率と定義する。
〔膜厚測定〕
シリカ系被膜の膜厚は、ガートナー社製のエリプソメータL116B(商品名)で測定された膜厚であり、具体的には被膜上にHe−Neレーザー照射し、照射により生じた位相差から求められる膜厚を用いた。
前述した実施例1〜6の比誘電率及び膜収縮率の結果を、下記表1に示す。
Figure 2011006539
前述した比較例1〜5の比誘電率及び膜収縮率の結果を、下記表2に示す。
Figure 2011006539
実施例1〜6に示すように、ドデシルメチルジエトキシシランを用いることで、二段目硬化を400℃で実施した場合の比誘電率は、2.5以下であり、二段目硬化を600℃で実施した場合の膜収縮率は、5%以下にすることが可能となる。
一方、比較例1〜3に示すように、ドデシルメチルジエトキシシランを用いない場合は、比誘電率2.5以下とすることができない。これは、ドデシル基の分解による空孔形成がないためである。
比較例4に示すように、ドデシルメチルジエトキシシランの代わりにシクロヘキシルメチルジエトキシシランを用いた場合は、比誘電率はある程度低下するものの、2.5以下にはならず、膜収縮も9%と大きい。これは、シクロヘキシル基は、ドデシル基に比べて剛直性が高く、シクロヘキシル基が加熱分解される前(塗布・一段目硬化時)においては、シリカ骨格が硬化しにくくなるため、二段目硬化での膜収縮が大きくなると考えられる。又、二段目硬化において、シクロヘキシル基の加熱分解とシリカ骨格の収縮が、同時に進行すると考えられるため、シクロヘキシル基の分解による空孔が潰されやすく、比誘電率が低下しにくい傾向になると考えられる。
比較例5に示すように、ドデシルメチルジエトキシシランの代わりにブチルメチルジエトキシシランを用いる場合は、膜収縮は5%以下を達成するものの、比誘電率は2.5以下にならない。これは、ブチル基分解による空孔が小さいためと考えられる。

Claims (4)

  1. 下記一般式(1)、(2)及び(3)にて表される化合物を含む(A)成分を必須成分とし、200〜300℃での一段目硬化から、600℃の二段目硬化迄の膜収縮率が5%以下であり、二段目硬化温度が400℃の場合の、シリカ系被膜の比誘電率が2.5以下である、前記(A)成分の加水分解・重縮合反応を経て得られる塗布型シリカ系被膜形成用組成物。
    Figure 2011006539

    Figure 2011006539

    Figure 2011006539

    [R、R、Rは炭素数1〜3の有機基を示し、同一でも異なっていてもよい。Rは炭素数6〜20の直鎖状アルキル基を示す。]
  2. 請求項1において、(A)成分中に占める一般式(3)の化合物のモル比率が、0.1〜0.2の範囲である塗布型シリカ系被膜形成用組成物。
  3. 請求項1又は2に記載の塗布型シリカ系被膜形成用組成物を用いて形成される、シリカ系被膜。
  4. 請求項3記載のシリカ系被膜が、層間絶縁層として用いられる半導体装置。
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