JP2016044227A - 蛍光体含有硬化物とその製造方法 - Google Patents

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慶 豊田
真之介 秋山
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Takeshi Fukuda
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Abstract

【課題】水や酸素との反応性の高い蛍光体や高温で昇華してしまう蛍光体を長寿命化させ、膜へ拡散侵入した水や酸素、発熱に耐性を有する有機系の蛍光体を有する蛍光体含有硬化物とその製造方法を提供すること。【解決手段】蛍光体を溶かした第1溶媒と蛍光体を溶かさない第2溶媒とを混合し、ナノ粒子化された蛍光体を作製する工程と、ゾル−ゲルプロセスによって形成される硬化物に、ナノ粒子化された蛍光体を配合する工程と、を含む蛍光体含有硬化物の製造方法を用いる。【選択図】図1

Description

本発明は、蛍光体含有硬化物とその製造方法に関するものである。
有機蛍光体は、無機蛍光体や半導体量子ドット、蛍光タンパク質などと比較して、高い吸収係数や蛍光量子収率などの利点があることから、太陽電池用波長変換フィルム、白色LED、バイオイメージングなどの幅広い用途での展開が期待されている。しかし、有機蛍光体は紫外光の照射による劣化や昇華などによって、その初期特性が劣化するという課題を有している。
代表的な応用例である太陽電池は、一般に短波長領域において感度特性が低く、太陽光に含まれる紫外線などの短波長領域の光を有効に利用できていない。その課題を解決する手段として、従来からこの短波長領域の光を吸収し、長波長領域の蛍光を発する蛍光体、いわゆる波長変換材料を利用し、感度特性の高い長波長領域の光量を増加させ、太陽電池の変換効率を向上させる取組みが行われてきた。
例えば、特許文献1や特許文献2においては、ポリアクリレート系の透明樹脂中に有機蛍光体を溶解し得られる重合体を短波長部の光をより長波長の光へ効率よく変換できる優れた成形体として提案している。
有機蛍光体の長期信頼性を向上させる手法として、特許文献3ではこの有機蛍光体をゾル−ゲル法で形成する硬化物中に添加する提案がなされている。
特開昭57−28149号公報 特開昭57−189号公報 特開2010−34052号公報
蛍光体含有硬化物を太陽電池用波長変換フィルムに適用する場合には、太陽光照射による温度上昇や太陽光に含まれる紫外光成分に起因する光劣化により有機蛍光体の光学特性が経時的に変化してしまうという点が課題となっている。また、太陽電池以外の他の用途においても同様の課題を解決することが有機蛍光体の実用化には重要となっている。
例えば、有機化合物からなる蛍光体の場合、透明な波長変換層に溶解させることにより透明性の高い層とすることができるが、酸素や水などとの反応による劣化が早く、その性能を十分に維持することができない。また、縮合多環式芳香族分子なども同様には透明な波長変換層に用いることができるが、高温での昇華により、その性能を十分に維持することができない。
一般に耐候性が高いとされる無機蛍光体では、透明な波長変換層に透明分散させることが困難であり、しばしば入射光を散乱させる。または、入射光を散乱させない程度に小さな蛍光体粒子であっても蛍光体粒子を可視波長域の波長よりも小さくすることにより、蛍光量子収率が極端に低下するなどの課題があった。
本発明の課題は、水や酸素との反応性の高い蛍光体や高温で昇華してしまう蛍光体を長寿命化させ、膜へ拡散侵入した水や酸素、発熱に耐性を有する有機系の蛍光体を有する蛍光体含有硬化物とその製造方法を提供すすることにある。
上記課題を解決するため、蛍光体を溶かした第1溶媒と蛍光体を溶かさない第2溶媒とを混合し、ナノ粒子化された蛍光体を作製する工程と、ゾル−ゲルプロセスによって形成される硬化物に、ナノ粒子化された蛍光体を配合する工程と、を含む蛍光体含有硬化物の製造方法を用いる。
本発明の蛍光体硬化物では、再沈法によってナノ粒子化した蛍光体水分散液とアルコキシシラン化合物を原料としたゾル−ゲル法で形成したガラス中に分散した構成とする。
蛍光体を水や酸素による反応劣化から保護や温時の昇華を抑制することにより長寿命の有機蛍光体含有の硬化物を得ることができる。
特に、再沈法で通常用いられる低沸点の良溶媒ではなく、貧溶媒よりも高沸点の良溶媒を用いることでより長寿命の有機蛍光体含有の硬化物を得ることができる。
第1の実施形態の評価結果を示す図 第2の実施形態の評価結果を示す図 第3の実施形態の評価結果を示す図 第4の実施形態の評価結果を示す図 第5の実施形態の断面図 (a)〜(c)第5の実施形態の製造プロセスの組立工程を表す各工程の断面図
(実施の形態1)
<ナノ粒子蛍光体の調整>
蛍光体のナノ粒子化の方法としては、再沈法を用いた。再沈法は、溶質が溶けた第1溶媒を、その溶質が溶解しない第2溶媒中へ滴下する方法である。溶質の微粒子を作製できる。
この場合、蛍光体を溶かした第1溶媒を、蛍光体を溶かさない第2溶媒へ滴下して、蛍光体ナノ粒子を形成する。
再沈法には、溶質を溶かす良溶媒(第1溶媒)と溶かさない貧溶媒(第2溶剤)の組み合わせを用いる。ここで、良溶媒と貧溶媒の混和性が良いことが必須事項である。また、貧溶媒より良溶媒の沸点が高いことが一般的である。ここでは、溶質として蛍光体、良溶媒として蛍光体を溶解させる溶媒、貧溶媒として蛍光体を溶解させない溶媒とし、蛍光体を再沈法により、ナノ粒子化させることとなる。
再沈法に用いる蛍光体は溶媒に溶けるものであれば特に限定されることはない。最初に蛍光体をテトラヒドロフラン、エタノール、メタノール、イソプロピルアルコール、アセトンなどの良溶媒に溶かして、その溶液を無限希釈可能な貧溶媒(水)に注入する。ここで、良溶媒としては貧溶媒である水との混和性が高く、水よりも低沸点であればこれらに限定されない。
しかし、本手法では通常用いることのない高い沸点の良溶媒を用いることで、ゾル−ゲルガラス膜中での有機蛍光体ナノ粒子の分散安定性を向上させることができる。低沸点の貧溶媒では急速に溶媒が蒸発してしまい、ゾル−ゲルプロセスの溶液中からゲル化の最中になくなってしまう。
その結果、ナノ粒子の形状が維持されずに、形成される有機蛍光体含有硬化物の耐久性が低下する。また、貧溶媒としてはゾル−ゲルプロセスに用いられる観点から水を用いることが好ましいが、特に限定されるものではない。良溶媒に溶かした有機蛍光体を少量ずつ貧溶媒の水中に滴下し、再沈殿させることでナノ粒子が形成される。
<蛍光体>
蛍光体としては組成、系統共に限定されるものではないが、有機化合物、無機−有機錯体化合物などを単独もしくは併用などし、適宜使用することができる。また、2種類の蛍光体を使用する際には、第一の蛍光体が発した蛍光波長と第二の蛍光体の吸収波長が重なるように蛍光体を選択すると、より広い範囲の波長の蛍光を発することになる。また蛍光体の濃度としては、蛍光体の各波長における吸光係数やゾル−ゲルガラス層の厚みにもよるが、例えば各蛍光体の吸収ピーク波長における吸光度が0.1以上、10以下の濃度とすることができる。吸光度が0.1より小さいと蛍光の光量として十分な光量が得られず、また吸光度が10より大きいと蛍光体自身の吸収による濃度消光によって発光効率が低減するためである。
有機蛍光体としては、特に限定するものではないが、例えば炭化水素系を使用することができる。一般に炭化水素は、a、b、cをそれぞれ、構造式に含まれる環の数、炭素同士の2重結合の数、炭素同士の3重結合の数として、C2n+2−2a−2b−4cで表される。尚、前記構造式の中で炭素に該当する箇所が適宜、酸素原子や窒素原子、硫黄原子に置き換わってもよく、イオン化されたものであるか否かは限定するものではないが、化学的安定性の観点から、例えばアントラセン、フェナントレン、ペンタセン、ピレン、ペリレン、ベンツピレン、コロネンといった縮合環化合それ自身またはこれらの誘導体を好適に使用することが出来る。
その他有機蛍光体の具体例としては、ローダミン類、クマリン誘導体、キナクリドン誘導体、ベンゾオキサゾール誘導体、アリールアミン誘導体、ジスチリルピラジン誘導体、カルバゾール誘導体、シロール誘導体、スピロ化合物、トリフェニルアミン誘導体、ナフタルイミド誘導体、トリフマニルアミン誘導体、ピラゾロキノリン誘導体、ヒドラゾン誘導体、ピリジン環化合物、フルオレン誘導体、ベンゾオキサジノン誘導体、フェナントロリン誘導体、キナゾリノン誘導体、キノフタロン誘導体、フェニレン化合物、ペリノン誘導体、ルブレン誘導体、スチリル誘導体(ジスチリルベンゼン誘導体、ジスチリルアリーレン誘導体、スチルベン誘導体)、チオフェン誘導体(オリゴチオフェン誘導体)、ジエン系(シクロペンタジエン誘導体、テトラフェニルブタ誘導体)、アゾール誘導体(オキサジアゾール誘導体、オキサゾール誘導体、トリアゾール誘導体、ベンゾアザトリアゾール誘導体)、ピラゾール誘導体(ピラゾリン誘導体)、ピロール誘導体(ポルフィリン誘導体、フタロシアニン誘導体)を1種類以上含む蛍光体等が挙げられる。
ここで述べる錯体蛍光体は、特に限定されるものではないが一般的な定義にもとづく、少なくとも1種以上の配位子が少なくとも1種類以上の中心金属原子に、配位結合または水素結合により少なくとも1つ以上配位されてなりかつ中心金属原子が発光中心となっている分子性化合物であり、中心金属原子がイオンであるか否かは限定されない。
発光中心となる中心金属原子としては、例えばFe、Cu、Zn、Al、Auなどの遷移金属が挙げられるが、特にランタノイド系に属するGd、Yb、Y、Eu、Tb、Yb、Nd、Er、Sm、Dy、Ceなどでは吸収する光の波長と、発光する光の波長の差が大きく蛍光の再吸収などによる発光効率の低下が小さい、蛍光量子収率が高いなどの利点があり好ましい。
上記蛍光体を再沈法で処理することにより得られたナノ粒子化蛍光体は、その製法上必然的に溶媒に分散されているが、溶媒としては、ゾルと親和性を有し常温放置もしくは蛍光体の分解温度以下で揮発するものが好ましい。このような溶剤として、メタノール、エタノール、n−プロパノール、i−プロパノール、ブタノール等のアルコール類やアセトン、N,N’−ジメチルホルムアミド、テトラヒドロフラン、トルエン、キシレン、ベンゼンなどといった公知の溶媒を使用することができる。
本実施形態では、N−ジメチルホルムアミド溶液としている。溶液中におけるナノ粒子化蛍光体の適切な濃度は、使用する蛍光体の内部量子効率などによって変化するが、例えば各蛍光体の吸収ピーク波長における吸光度が0.1以上、10以下の濃度とすることができる。吸光度が0.1より小さいと蛍光の光量として十分な光量が得られず、また吸光度が10より大きいと蛍光体自身の吸収による濃度消光によって発光効率が低減するためである。
<ナノ粒子化蛍光体の配合>
上記のようにして得られたナノ粒子化蛍光体を先に述べたゾルに添加し分散する。ナノ粒子化蛍光体の分散性を高めるために揮発性の有機溶媒を添加してもよく、ナノ粒子蛍光体のゾル溶液を調整する。得られたナノ粒子化蛍光体のゾル溶液を、スピンコートやダイコート、スプレー噴霧など公知の方法でガラスに塗布し乾燥させ、ゾル−ゲル反応によりゾル溶液中のシラノール同士の脱水縮合反応を進行させることにより、ナノ粒子化蛍光体を含有したゾル−ゲルガラス層が設けられたガラスを得ることができる。また、再沈法で作成したナノ粒子化蛍光体をゾル−ゲルガラス層中に分散させることで、蛍光体同士の距離を一定以上に保持できるために、分散安定性に優れた長期信頼性に優れた蛍光体含有の硬化物を得ることができる。
<ゾル−ゲルガラス層>
ゾル−ゲルガラス層は、ゾル−ゲル重合体と、再沈法により形成され分散されているナノ粒子化された蛍光体からなる。蛍光体はナノ粒子化されているため、酸素や水と直接接触する分子が少なく劣化が少ない。また、ゾル−ゲル重合体は緻密性が高く水や酸素の透過性が小さく、また界面活性剤を使用せず、分散安定化されるため、ナノ粒子化された蛍光体による波長変換効果が長く持続することになる。
<ゾル−ゲルガラス層の製法>
ゾル−ゲルガラス層はゾル−ゲルガラスとナノ粒子化された蛍光体からなり、ゾル−ゲル重合体としては、限定するものではないが、アルコキシシランを出発原料とし、液相反応であるゾル−ゲル法により合成される。ゾル−ゲル重合体は少なくとも1種類のアルコキシシランを出発原料とする。ゾル−ゲル重合体はシロキサン骨格を基本とした硬化物であり、アルコキシシランのアルコキシ基の加水分解により生成するシラノール基同士の脱水縮合により、液相中でのゾル−ゲル法によって形成される。
<ゾルの調整>
まず、アルコキシシランと水の混合物を酸性触媒下において加熱し、アルコキシ基を加水分解しシラノール基を生成させ、ゾルとする。アルコキシシランとしては、そのアルコキシ基数を1または2とすることができ、Si(OR1)(R2)4−xにより表される。xは2または3である。
xが1の場合、アルコキシシランには一つのアルコキシ基しか存在せず、重合によりシロキサン骨格を形成することができない。xが4の場合、アルコキシシラン同士の重合は可能であるが、反応点が多くなるため収縮が大きくなり、クラックが発生し易くなる。
R1は、加水分解時に立体障害が少なくシラノール基へと反応しやすく、また加水分解により発生するアルコールが分子量は小さく揮発しやすいという観点から、炭素数1〜5のアルキル基が好ましい。
R2としては、限定するものではないが、例えば炭素数が1〜10の有機官能基とすることができる。炭素数が10より大きい官能基では、立体障害が大きくなり重合によりゾル−ゲル硬化体が形成される際に重合が阻害され、重合体の形成が困難となるためである。
メチル基、エチル基、ビニル基、プロピル基、ブチル基、ヘキシル基、フェニル基、シクロヘキシル基、オクチル基、デシル基、アリル等の炭化水素基、及びγ−クロロプロピル、およびこれらの、水素がフッ素に置き換わったフルオロ炭化水素基、γ−メルカプトプロピル、γ−メタクリロイルオキシプロピル等の置換炭化水素基が挙げられる。
また、アルコキシシランとしては反応性有機官能基を有していても良く、この場合にはYSi(OR)4−nにより表されるアルコキシシランであり、Yをたとえばグリシドキシプロピル基や、スチリル基、アクリレート基、メチルメタクリレート基、ビニル基およびその誘導体、チオールプロピル基、アミノプロピル基等とすることができ、光反応、熱反応あるいはそれらの組合せなど反応誘起方法を適宜選択することが出来る。
上記のアルコキシシランは2種類以上を併用しても良い。特に、チオールプロピル基やアミノプロピル基は、グリシドキシプロピル基を重合させることができることから、グリシドキシプロピル基と好適に混合し用いることができる。
<蛍光体ナノ粒子含有硬化物の製造方法>
製造プロセスとしては限定するものではないが例えば次に説明するような工法が可能である。まずはアルコキシシランからゾルを調整し、別途再沈法により、ナノ粒子蛍光体溶液を調整する。次にゾルにナノ粒子蛍光体溶液を滴下分散させ、ゾル−ゲル硬化体層の原液とする。
具体的な製法を以下に述べる。
(1)ゾルの調製
アルコキシシランとしてフェニルトリメトキシシラン30gとジメチルジエトキシシラン17.2gと酢酸0.48g、および水41.2gの混合溶液を作製し、120℃で90分攪拌混合しゾルとした。この過程で水はアルコキシシランの加水分解に使用された後揮発する。
(2)ナノ粒子蛍光体の調整
蛍光体としてEu(3価)錯体である(1,10−Phenanthroline)tris[4,4,4−trifluoro−1−(2−thienyl)−1,3−butanedionato]europium(III)3.06mg、7.65mgをそれぞれN,N−ジメチルホルムアミド15.3mLに溶解させ、 この溶液6.12mLを41.2gの超純水が入ったサンプル管に激しく撹拌しながら滴下して、再沈法でナノ粒子を作製した。
(3)ナノ粒子化蛍光体のゾル溶液の調製
次に上記ナノ粒子蛍光体の溶液を、前述のゾル溶液に添加し、攪拌することでナノ粒子蛍光体のゾル溶液を調整した。比較例として、再沈法の過程を行わずにゾル−に直接(1,10−Phenanthroline)tris[4,4,4−trifluoro−1−(2−thienyl)−1,3−butanedionato]europium(III)を7.65mgをN,N’−ジメチルホルムアミド(15.3mL)に溶解した溶液を用いた。
(4)ナノ粒子化蛍光体含有ゾル−ゲルガラス層の形成
上記のナノ粒子蛍光体が分散されたゾル溶液をガラス基板上にスピンコート塗布し、100℃で1時間加熱し、さらに120℃で5時間加熱し、ゾル−ゲル重合体にナノ粒子蛍光体を含有する硬化物を作製することができる。
このようにして得られた硬化物は、ゾル−ゲル重合体中において、アルコキシシラン由来のシラノール基の脱水縮合によってシロキサン骨格が形成され、ナノ粒子化蛍光体が分散している構造となっている。
また、硬化物中のシロキサン骨格があることで、ナノ粒子蛍光体同士の距離が離れた状態で保持されるために、分散安定性に優れたナノ粒子蛍光体含有硬化物を得ることができる。また、比較例として再沈法でナノ粒子化していない(1,10−Phenanthroline)tris[4,4,4−trifluoro−1−(2−thienyl)−1,3−butanedionato]europium(III)を用いたナノ粒子化蛍光体含有ゾル−ゲルガラス層も同様に作成した。
(5)評価
上記で作製した試料を以下で評価した。試料に、365nm、5mW/cmの紫外光を連続照射したときの(1,10−Phenanthroline)tris[4,4,4−trifluoro−1−(2−thienyl)−1,3−butanedionato]europium(III)の蛍光強度(612nm)の経時変化を図1に示す。
ここで、図の横軸は紫外光の照射時間であり、横軸が0分の時の蛍光強度を1に規格化して、縦軸は相対的な蛍光強度を示している。
評価した試料は、前述の方法で(1,10−Phenanthroline)tris[4,4,4−trifluoro−1−(2−thienyl)−1,3−butanedionato]europium(III)の添加量を3.06mgと7.65mgのそれぞれの場合でナノ粒子化したものを用いたサンプルである。
また、比較例は(1,10−Phenanthroline)tris[4,4,4−trifluoro−1−(2−thienyl)−1,3−butanedionato]europium(III)をナノ粒子化せずにそのままゾル−ゲルガラス層を形成したものの結果である。
図1から明らかなように再沈法によってナノ粒子化された蛍光体、実施例は、比較例と比べて紫外光照射に対し、劣化が遅く蛍光体がナノ粒子化されていないものにくらべて長寿命に維持することがわかる。
比較例のサンプルでは、粒子径が数μmから数10μmであるが、N,N’−ジメチルホルムアミドに溶かしてからゾル−ゲルガラス膜中に分散させたので、分子レベルで分離した状態になっている。
一方、実施例に示した(1,10−Phenanthroline)tris[4,4,4−trifluoro−1−(2−thienyl)−1,3−butanedionato]europium(III)ナノ粒子は数100nm程度であり、その後のゾル−ゲルプロセスでナノ粒子を溶かす溶媒を用いていない。
そのため、ゾル−ゲルガラス中に数100nm程度の粒子径を維持したまま分散したサンプルが形成できている。その結果、体積に対する少ない表面積が大気中の水分や酸素の反応を妨げて、その結果光劣化特性の抑制が可能である。
(実施の形態2)
実施の形態1では使用した良溶媒がN,N−ジメチルホルムアミドであるのに対し、実施の形態2ではテトラヒドロフランとアセトンである点であり、その他は第1の実施の形態と同様である。
具体的な製法を以下に述べる。
(1)ゾルの調製
アルコキシシランとしてフェニルトリメトキシシラン30gとジメチルジエトキシシラン17.2gと酢酸0.48g、および水41.2gの混合溶液を作製し、120℃で90分攪拌混合しゾルとした。この過程で水はアルコキシシランの加水分解に使用された後揮発する。
(2)ナノ粒子化蛍光体の調整
蛍光体としてEu(3価)錯体である(1,10−Phenanthroline)tris[4,4,4−trifluoro−1−(2−thienyl)−1,3−butanedionato]europium(III)7.65mgをそれぞれテトラヒドロフラン、アセトン、N,N−ジメチルホルムアミド15.3mLにそれぞれ溶解させ、これらの溶液6.12mLをそれぞれ41.2gの超純水が入ったサンプル管に激しく撹拌しながら滴下して、再沈法でナノ粒子を作製した。
(3)ナノ粒子化蛍光体のゾル溶液の調製
次に上記ナノ粒子蛍光体の溶液を、前述のゾル溶液に添加し、攪拌することでナノ粒子蛍光体のゾル溶液を調整した。
(4)ナノ粒子化蛍光体含有ゾル−ゲルガラス層の形成
上記のナノ粒子蛍光体が分散されたゾル溶液をガラス基板上にスピンコート塗布し、100℃で1時間加熱し、さらに120℃で5時間加熱し、ゾル−ゲル重合体にナノ粒子蛍光体を含有する硬化物を作製することができる。
このようにして得られた硬化物は、ゾル−ゲル重合体中において、アルコキシシラン由来のシラノール基の脱水縮合によってシロキサン骨格が形成され、ナノ粒子化蛍光体が分散している構造となっている。また、硬化物中のシロキサン骨格があることで、ナノ粒子蛍光体同士の距離が離れた状態で保持されるために、分散安定性に優れたナノ粒子蛍光体含有硬化物を得ることができる。
(5)評価
試料に、365nm、5mW/cmの紫外光を連続照射したときの(1,10−Phenanthroline)tris[4,4,4−trifluoro−1−(2−thienyl)−1,3−butanedionato]europium(III)の蛍光強度(612nm)の経時変化を図2に示す。縦軸、横軸は、図1と同様である。
ここで、図の横軸は紫外光の照射時間であり、横軸が0分の時の蛍光強度を1に規格化して、縦軸は相対的な蛍光強度を示している。評価した試料は、前述の方法で(1,10−Phenanthroline)tris[4,4,4−trifluoro−1−(2−thienyl)−1,3−butanedionato]europium(III)のテトラヒドロフラン、アセトン、N,N−ジメチルホルムアミドをそれぞれ良溶媒として用いてナノ粒子化したものを用いたサンプルである。
また、比較例は(1,10−Phenanthroline)tris[4,4,4−trifluoro−1−(2−thienyl)−1,3−butanedionato]europium(III)をナノ粒子化せずにそのままゾル−ゲルガラス層を形成したものの結果である。
図2から明らかなように全ての良溶媒(テトラヒドロフラン、アセトン、N,N−ジメチルホルムアミド)で、再沈法によってナノ粒子化された蛍光体は比較例と比べて紫外光照射に対し、劣化が遅く蛍光体がナノ粒子化されていないものにくらべて長寿命に維持することがわかる。
また、貧溶媒の水よりも高沸点のN,N−ジメチルホルムアミドを用いた場合には、更に光劣化を抑制することが可能であり、この結果から良溶媒の沸点が貧溶媒の沸点よりも高いことが、光劣化特性の抑制に必要な条件であることが示唆された。良溶媒としては、水より沸点が高いことがよい。
(実施の形態3)
実施の形態1と同様のプロセスで界面活性剤を用いた部分だけが異なる。
(1)ゾルの調製
アルコキシシランとしてフェニルトリメトキシシラン30gとジメチルジエトキシシラン17.2gと酢酸0.48g、および水41.2gの混合溶液を作製し、120℃で90分攪拌混合しゾルとした。この過程で水はアルコキシシランの加水分解に使用された後揮発する。
(2)ナノ粒子化蛍光体の調整
蛍光体として(1,10−Phenanthroline)tris[4,4,4−trifluoro−1−(2−thienyl)−1,3−butanedionato]europium(III)15.3mgをN,N−ジメチルホルムアミド15.3mLに溶解させ、この溶液6.12mLを41.2gの界面活性剤水溶液が入ったサンプル管に激しく撹拌しながら滴下して、再沈法でナノ粒子を作製した。界面活性剤は水溶液中1重量%とした。
界面活性剤の種類としては、mono−9−octadecanoate poly(oxy−1,2−ethanediyl)(Tween20)、Polyoxyethylene Sorbitan Monopalmitate(Tween40)とし、それぞれの界面活性剤水溶液について再沈法によるナノ粒子作製を行った。ここで、界面活性剤としては、イオン性界面活性剤としてアニオン系界面活性剤、カチオン系界面活性剤、両性界面活性剤、また非イオン性界面活性剤(エステル型、エーテル型、エステル・エーテル型など)があげられるが、本プロセスでは再沈法でナノ粒子化した直後にゾル−ゲルガラス薄膜中に分散させることから、いずれの界面活性剤でもナノ粒子化できる。そのため、界面活性剤の種類は特に限定されるものではない。
(3)ナノ粒子蛍光体のゾル溶液の調製
次にそれぞれの界面活性剤水溶液で作製した上記ナノ粒子蛍光体の溶液を、前述のゾル溶液に添加し、攪拌することでナノ粒子蛍光体のゾル溶液を調整した。比較例として、再沈法の過程を行わずにゾル−に直接(1,10−Phenanthroline)tris[4,4,4−trifluoro−1−(2−thienyl)−1,3−butanedionato]europium(III)を15.3mg混合した場合のゾル−ゲルガラス層を作製した。
(4)ナノ粒子化蛍光体含有ゾル−ゲルガラス層の形成
上記のナノ粒子蛍光体が分散されたゾル溶液をガラス基板上にスピンコート塗布し、100℃で1時間加熱し、さらに120℃で5時間加熱し、ゾル−ゲル重合体にナノ粒子蛍光体を含有する硬化物を作製することができる。
このようにして得られた硬化物は、ゾル−ゲル重合体中において、アルコキシシラン由来のシラノール基の脱水縮合によってシロキサン骨格が形成され、ナノ粒子化蛍光体が分散している構造となっている。また、硬化物中のシロキサン骨格があることで、ナノ粒子蛍光体同士の距離が離れた状態で保持されるために、分散安定性に優れたナノ粒子蛍光体含有硬化物を得ることができる。
(評価)
試料に、365nm、5mW/cmの紫外光を連続照射したときの(1,10−Phenanthroline)tris[4,4,4−trifluoro−1−(2−thienyl)−1,3−butanedionato]europium(III)の蛍光強度(612nm)の経時変化を図3に示す。
ここで、図の横軸は紫外光の照射時間であり、横軸が0分の時の蛍光強度を1に規格化して、縦軸は相対的な蛍光強度を示している。評価した試料は、前述の方法で(1,10−Phenanthroline)tris[4,4,4−trifluoro−1−(2−thienyl)−1,3−butanedionato]europium(III)をTween20とTween40を界面活性剤として用いてナノ粒子化したものを用いたサンプルである。
また、比較例は(1,10−Phenanthroline)tris[4,4,4−trifluoro−1−(2−thienyl)−1,3−butanedionato]europium(III)をナノ粒子化せずにそのままゾル−ゲルガラス層を形成したものの結果である。
図3から明らかなように、実施の形態1と同様に界面活性剤を途中段階で添加しても、再沈法によってナノ粒子化された蛍光体は紫外光照射に対し、劣化が遅く蛍光体がナノ粒子化されていないものにくらべて長寿命に維持することがわかる。
(実施の形態4)
蛍光体として、有機蛍光体であるピレンを使用した。その他は実施の形態1と同様である。
(1)ゾルの調製
アルコキシシランとしてフェニルトリメトキシシラン30gとジメチルジエトキシシラン17.2gと酢酸0.48g、および水41.2gの混合溶液を作製し、120℃で90分攪拌混合しゾルとした。この過程で水はアルコキシシランの加水分解に使用された後揮発する。
(2)ナノ粒子化蛍光体の調整
蛍光体として、ピレン7.65mg、15.3mg、22.3mg、30.6mgをそれぞれN,N−ジメチルホルムアミド15.3mLに溶解させ、 それぞれの溶液6.12mLを41.2gの超純水が入ったサンプル管に激しく撹拌しながら滴下して、再沈法でナノ粒子を作製した。
(3)ナノ粒子化蛍光体のゾル溶液の調製
次にそれぞれの濃度で作製した上記ナノ粒子化蛍光体の溶液を、前述のゾル溶液に添加し、攪拌することでナノ粒子蛍光体のゾル溶液を調整した。比較例として、再沈法の過程を行わずにゾル−に直接ピレンを7.65mg(蛍光体濃度:0.5mg/mL)、15.3mg(蛍光体濃度:1mg/mL)、22.3mg(蛍光体濃度:1.5mg/mL)、30.6mg(蛍光体濃度:2mg/mL)をそれぞれ再沈法を経ずに直接ゾルに混合した場合の蛍光ガラスを作製した。
(4)ナノ蛍光体含有ゾル−ゲルガラス層の形成
上記のナノ粒子蛍光体が分散されたゾル溶液をガラス基板上にスピンコート塗布し、100℃で1時間加熱し、さらに120℃で5時間加熱し、ゾル−ゲル重合体にナノ粒子蛍光体を含有する硬化物を作製することができる。このようにして得られた硬化物は、ゾル−ゲル重合体中において、アルコキシシラン由来のシラノール基の脱水縮合によってシロキサン骨格が形成され、ナノ粒子化蛍光体が分散している構造となっている。また、硬化物中のシロキサン骨格があることで、ナノ粒子蛍光体同士の距離が離れた状態で保持されるために、分散安定性に優れたナノ粒子蛍光体含有硬化物を得ることができる。
(5)評価
ピレン含有ゾル−ゲルガラス層の蛍光スペクトルを励起波長365nmで測定し、その後、含有するナノ粒子化されたピレンの熱耐性を調べるために電気炉で、120℃で6時間熱処理を行なった。熱処理後、再び蛍光スペクトルを測定し、熱処理前と積分蛍光強度を比較することでナノ粒子化されたピレンの熱耐性の比較を行なった。ここで、図の横軸はピレンの添加濃度であり、縦軸は120℃、6時間の熱処理前後の蛍光強度減衰率を示している。
図4に示す積分PL強度減衰率は、ナノ粒子ピレンの各濃度におけるゾル−ゲルガラス層の積分蛍光強度において(熱処理前−熱処理後)/(熱処理前)を計算した結果である。ナノ粒子化ピレンの添加濃度別を見ると、添加量7.65mgでは35.9%から31.8%、添加量15.3mgでは53.6%から31.7%、添加量23.0gでは34.8%から28.7%、30.6mgでは46.5%から34.4%、これらの平均で46.5%から34.4%へ積分蛍光減衰率が改善され、波長変換層として長寿命化することが実証された。
用いることができる有機蛍光体は、溶媒に溶けるものならよい。
(実施の形態5)太陽電池への応用の例
図5は、本発明の実施の形態5に係る太陽電池モジュールの構造を示す断面図である。実施の形態5の太陽電池モジュールでは、少なくとも光電変換素子101と、光電変換素子101を保護する透明樹脂102と、バックシート103と、光電変換素子同士を接続しかつ外部へ得られた電流を取り出す電極104と、保護ガラス105と、保護ガラス上に形成され、再沈法によりナノ粒子化された有機蛍光体がゾル−ゲル法で形成した硬化物中に分散している波長変換層106を備えている。
光電変換素子101は、特に限定されるものではないが、単結晶シリコン系、多結晶シリコン系、アモルファスシリコン系などのシリコン半導体、ガリウム砒素、カドミウムテルルなどの化合物半導体などとすることができる。
電極104は、公知の金属材料や合金材料とすることができる。
透明樹脂102は、特に限定するものではないが、エチレン酢酸ビニル共重合体、ビスフェノールエポキシ樹脂硬化物、アクリル樹脂、シリコーン樹脂、ポリカーボネート樹脂などとすることができる。
透明樹脂102は、光電変換素子101にとって、感度特性が低く劣化の原因となる350nm以下の光を吸収する公知の紫外線吸収剤が含有されていても良い。
保護ガラス105は、特に限定するものではなく、透光性および遮水性を有する公知の板状ガラスとすることができる。保護ガラス105上には、再沈法によってナノ粒子化された蛍光体が配合されたゾル−ゲルガラス層である波長変換層106が密着している。
<太陽電池の製造方法>
実施の形態5の製造プロセスとしては限定するものではないが例えば次に説明するような、工法が可能である。図6(a)から図6(c)は、実施の形態1の組立プロセスを表す各工程の断面図であり、まずはアルコキシシランからゾルを調整し、別途再沈法により、ナノ粒子蛍光体溶液を調整する。次にゾルにナノ粒子蛍光体溶液を滴下分散させ、ゾルゲル硬化体層の原液とする。
具体的な製法を以下に述べる。
(1)ゾルの調製
アルコキシシランとしてフェニルトリメトキシシラン30gとジメチルジエトキシシラン17.2gと酢酸0.48g、および水41.2gの混合溶液を作製し、120℃で90分攪拌混合しゾルとした。この過程で水はアルコキシシランの加水分解に使用された後揮発する。
(2)ナノ粒子蛍光体の調整
蛍光体としてEu(3価)錯体である(1,10−Phenanthroline)tris[4,4,4−trifluoro−1−(2−thienyl)−1,3−butanedionato]europium(III)3.06mg、7.65mg、15.3mg、22.3mg、30.6mgをそれぞれN,N−ジメチルフォルムアミド15.3mLに溶解させ、 この溶液6.12mLを41.2gの超純水が入ったサンプル管に激しく撹拌しながら滴下して、再沈法でナノ粒子を作製した。
(3)ナノ粒子化蛍光体のゾル溶液の調製
次に上記ナノ粒子蛍光体の溶液を、前述のゾル溶液に添加し、攪拌することでナノ粒子蛍光体のゾル溶液を調整した。比較例として、再沈法の過程を行わずにゾル−に直接(1,10−Phenanthroline)tris[4,4,4−trifluoro−1−(2−thienyl)−1,3−butanedionato]europium(III)を7.65mg混合した場合の蛍光ガラスを作製した。
(4)ナノ粒子化蛍光体含有ゾルゲルガラス層の形成
上記のナノ粒子蛍光体が分散されたゾル溶液を太陽電池用の保護ガラス105にスピンコート塗布し、100℃で1時間加熱し、さらに120℃で5時間加熱し、図6(a)に示すようなゾルゲル重合体にナノ粒子蛍光体を含有するゾルゲルガラス層である波長変換層106が保護ガラス105の表面に配置された保護材料107を作製することができる。
このようにして得られたゾルゲルガラス層である波長変換層106は、ゾルゲル重合体中において、アルコキシシラン由来のシラノール基の脱水縮合によってシロキサン骨格が形成され、ナノ粒子化蛍光体が分散している構造となっている。
次に、図6(b)において、ゾルゲルガラス層である波長変換層106が配置された保護ガラス105を、太陽電池における光電変換素子101の表側に配置する透明樹脂102aと裏側に配置する透明樹脂102bを公知の方法で電極104が電気的に接合された光電変換素子101およびバックシート103と共に公知の方法でラミネート処理する。
このことにより、ゾルゲルガラス層に、ナノ粒子蛍光体が分散され、ナノ粒子蛍光体から発せられた蛍光が長寿命に効率よく光電変換素子101に到達し、高い発電効率が長寿命持続する太陽電池モジュールとすることができる(図6(c))。
(なお書き)
上記実施の形態は、組み合わせすることができる。太陽電池以外の蛍光体を使用する各種デバイスへも応用できる。
以上説明したように、本発明の蛍光体含有硬化物は、ナノ粒子化された蛍光体がゾル−ゲルガラス層に配合されてなる耐候性の高いゾルゲル硬化物となっており、蛍光体の長期信頼性が高く、波長変換膜として使用した場合には光電変換効率などを長寿命に向上させることができ、産業上の利用可能性は高い。
101 光電変換素子
102、102a、102b 透明樹脂
103 バックシート
104 電極
105 保護ガラス
106 波長変換層
107 保護材料

Claims (5)

  1. 蛍光体を溶かした第1溶媒と前記蛍光体を溶かさない第2溶媒とを混合し、ナノ粒子化された蛍光体を作製する工程と、
    ゾル−ゲルプロセスによって形成される硬化物に、前記ナノ粒子化された蛍光体を配合する工程と、
    を含む蛍光体含有硬化物の製造方法。
  2. 前記蛍光体が、有機系蛍光体、錯体蛍光体のいずれか、もしくは、これらを複数組み合わせた蛍光体である請求項1記載の蛍光体含有硬化物の製造方法。
  3. 前記第1溶媒の沸点が、前記第2溶媒の沸点よりも高いことを特徴とする請求項1記載の蛍光体含有硬化物の製造方法。
  4. 前記ナノ粒子化された蛍光体の表面が界面活性剤で修飾されていることを特徴とする請求項1または2記載の蛍光体含有硬化物の製造方法。
  5. 蛍光体を溶かした第1溶媒と前記蛍光体を溶かさない第2溶媒とによる再沈法を用いてナノ粒子化された前記蛍光体が、ゾル−ゲルプロセスによって形成される硬化物に配合されていることを特徴とする蛍光体含有硬化物。
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