JP2014131885A - ロッキングタング及びシートベルト装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】ロッキングタングの小型化及び軽量化を図ることを目的とする。
【解決手段】ロッキングタング20は、シートベルト装置のウエビングに移動可能に取付けられる。ロッキングタング20は、タング本体22と、ロック部材50とを備える。タング本体22には、一対の対向面の間にウエビングを挿通可能なスリット状のウエビング挿通孔26が形成されると共に、ウエビング挿通孔26の少なくとも一方側の端部にロック部材支持部30が設けられている。ロック部材50は、長尺部材に形成されており、ウエビング挿通孔26の延在方向に沿った姿勢で少なくとも一端部がロック部材支持部30によって支持されている。ロック部材50は、一対の対向面の一方との間でウエビングを挿通可能な隙間をあけた初期状態から、一対の対向面の一方との間で前記ウエビングを挟込み可能な変形状態に変形可能とされている。
【選択図】図2

Description

この発明は、車両緊急時等にウエビングにより乗員を拘束するシートベルト装置のロッキングタングに関し、特に、車両緊急時にロッキングタングでのウエビングの移動を規制し、乗員の拘束性能を向上させる技術に関する。
従来、この種のロッキングタングとして、特許文献1及び特許文献2に開示のものがある。
特許文献1に開示の安全ベルト装置では、舌片に、安全ベルトが通り抜け可能な喉部が形成されている。喉部の通路における対向する側壁には凹部が形成され、クランプ要素の終端部分が当該凹部内に収容されている。クランプ要素は、初期状態では、もろいトラニオンによって所定位置に保持されている。そして、事故の状況において、トラニオンが壊され、クランプ要素は凹部に沿って、喉部における幅の狭い部分に向けて移動する。これにより、安全ベルトが喉部の下壁とクランプ要素との間でクランプされる。
特許文献2に開示の締付タングでは、ロックバーがフレームに対して回転可能に支持されている。そして、ロックバーの回転姿勢に応じて、シートベルトがフレームとロックバーとの間で挟み込まれる状態と、シートベルトがフレームとロックバーとの間を通過可能な状態とに切替えられる。
同様の構成が特許文献3にも開示されている。
特開2008−500226号公報 特開平06−669404号公報 米国特許第5870816号明細書
しかしながら、特許文献1に開示の技術では、クランプ要素を移動可能に支持する必要がある。このため、クランプ要素の支持構造が複雑となり、安全ベルト装置の大型化、重量増を招く。
また、特許文献2に開示の技術では、ロックバーをフレームに対して回転可能に支持する必要がある。このため、ロックバーの支持構造が複雑となり、やはり、締付けタングの大型化、重量増を招く。
そこで、本発明は、ロッキングタングの小型化及び軽量化を図ることを目的とする。
上記課題を解決するため、第1の態様は、シートベルト装置のウエビングに移動可能に取付けられるロッキングタングであって、一対の対向面の間に前記ウエビングを挿通可能なスリット状のウエビング挿通孔が形成され、前記ウエビング挿通孔の少なくとも一方側の端部にロック部材支持部が設けられたタング本体と、長尺部材に形成されると共に、前記ウエビング挿通孔の延在方向に沿った姿勢で少なくとも一端部が前記ロック部材支持部によって支持され、前記一対の対向面の一方との間で前記ウエビングを挿通可能な隙間をあけた初期状態から、一対の対向面の一方との間で前記ウエビングを挟込み可能な変形状態に変形可能なロック部材と、を備える。
第2の態様は、第1の態様に係るロッキングタングであって、前記ロック部材支持部は、前記ウエビング挿通孔の少なくとも一方側の端部において前記タング本体から突出形成された部分とされている。
第3の態様は、第1又は第2の態様に係るロッキングタングであって、前記少なくとも1つのロック部材支持部は、前記ウエビング挿通孔の両端部に設けられた一対のロック部材支持部を含み、前記ロック部材の両端部が前記一対のロック部材支持部に支持されているものである。
第4の態様は、第3の態様に係るロッキングタングであって、前記ロック部材の中間部に破断容易な破断部が設けられている。
第5の態様は、第1又は第2の態様に係るロッキングタングであって、前記ロック部材は、前記ロック部材支持部に片持ち支持されている。
第6の態様は、第5の態様に係るロッキングタングであって、前記ロック部材は、前記ウエビングの幅以上の長さ寸法に形成されているものである。
第7の態様は、第5の態様に係るロッキングタングであって、前記少なくとも1つのロック部材支持部は、前記ウエビング挿通孔の両端部に設けられた一対のロック部材支持部を含み、前記一対のロック部材支持部のそれぞれに、前記ロック部材が片持ち状に支持されているものである。
第8の態様は、第1〜第7のいずれか1つの態様に係るロッキングタングであって、前記ロック部材に、部分的に変形容易な部分が設けられているものである。
第9の態様は、第1〜第8のいずれか1つの態様に係るロッキングタングであって、前記一対の対向面の間に、前記変形状態における前記ロック部材の形状に応じた隙間が形成されているものである。
第10の態様は、第1〜第9のいずれか1つの態様に係るロッキングタングであって、前記ロック部材支持部に、前記ロック部材を挿入可能なロック部材支持孔が形成され、前記ロック部材が前記ロック部材支持孔に挿入された状態で前記ロック部材支持部に支持されているものである。
第11の態様は、第1〜第9のいずれか1つの態様に係るロッキングタングであって、前記タング本体は、タングプレートと、前記タングプレートを覆う樹脂成型部とを含み、前記ロック部材は、前記タングプレートと共に、前記樹脂成型部にインサート成型されているものである。
第12の態様は、第11の態様に係るロッキングタングであって、前記ロック部材も前記樹脂成型部によって覆われているものである。
第13の態様に係るシートベルト装置は、ウエビングと、前記ウエビングが前記ウエビングに挿通された状態で前記ウエビングに取付けられた第1〜第12のいずれか1つの態様に係るロッキングタングとを備える。
第1〜第13の態様によると、ロック部材の少なくとも一端部が前記ロック部材支持部によって支持されることにより、ロック部材がウエビング挿通孔の延在方向に沿った姿勢で支持されている。そして、ロック部材が初期状態から一対の対向面の一方との間で前記ウエビングを挟込み可能な変形状態に変形することで、ロック部材と一対の対向面の一方との間でウエビングが挟込まれ、ウエビングの移動が規制される。このため、ロック部材の端部を移動可能に又は回転可能に支持する必要はなく、当該ロック部材の支持構造を簡易化できる。このため、ロッキングタングの小型化及び軽量化が可能になる。
第2の態様によると、前記ロック部材支持部は、前記ウエビング挿通孔の少なくとも一方側の端部において前記タング本体から突出形成された部分であるため、ロック部材支持部によってロック部材の少なくとも一方側の端部を容易に支持することができる。
第3の態様によると、ロック部材の両端部が一対のロック部材支持部によって支持されているので、ロック部材の変形動作を安定化させることができる。
第4の態様によると、ロック部材が破断部で破断するため、ロック部材の変形動作を安定化させることができる。
第5の態様によると、前記ロック部材は、前記ロック部材支持部に片持ち支持されているため、容易に変形できる。
第6の態様によると、ロック部材によって、なるべくウエビングの幅方向全体を挟込むことができる。
第7の態様によると、一対のロック部材支持部のそれぞれに設けられたロック部材によって、ウエビングを挟込むことができ、また、それぞれのロック部材を容易に変形させることができる。
第8の態様によると、ロック部材の変形動作を安定化させることができる。
第9の態様によると、前記一対の対向面の間に、前記変形状態における前記ロック部材の形状に応じた隙間が形成されているため、ロック部材が変形した状態で、ロック部材の長手方向全体に亘ってロック部材と一対の対向面のうちの一方との隙間をなるべく同じにすることができ、ウエビングをその幅方向全体に亘ってなるべく均一な力で挟むことができる。
第10の態様によると、ロック部材をタング本体部に容易に組込むことができる。
第11の態様によると、見栄えのよいロッキングタングを容易に製造できる。
第12の態様によると、見栄えのよいロッキングタングを容易に製造できる。
シートベルト装置の適用例を示す概略図である。 第1実施形態に係るタングを示す斜視図である。 同上のタングを示す分解斜視図である。 同上のタングを示す分解斜視図である。 タング本体を示す平面図である。 タング本体を示す背面図である。 図5のVII−VII線断面図である。 図5のVIII−VIII線断面図である。 図8の部分拡大図においてロック部材を追加した図である。 タングプレートを示す斜視図である。 タングプレートを示す斜視図である。 タングプレートを示す平面図である。 ロック部材の斜視図である。 ロック部材の平面図である。 ロック部材の底面図である。 ロック部材の側面図である。 蓋を示す斜視図である。 蓋を示す斜視図である。 蓋を示す底面図である。 蓋を示す平面図である。 シートベルト装置の通常使用状態におけるタングとウエビングとの関係を示す説明図である。 ウエビングが引張られた状態におけるタングとウエビングとの関係を示す説明図である。 変形例1aに係るロック部材を示す斜視図である。 同上のロック部材を示す平面図である。 図24のXXV−XXV線断面図である。 変形例1bに係るロック部材を示す平面図である。 同上のロック部材を示す側面図である。 同上のロック部材を示す側面図である。 図26のXXIX−XXIX線断面図である。 変形例1cに係るロック部材を示す斜視図である。 同上のロック部材を示す斜視図である。 同上のロック部材を示す平面図である。 同上のロック部材を示す側面図である。 同上のロック部材を示す側面図である。 同上のロック部材示す分解斜視図である。 同上のロック部材示す分解斜視図である。 変形例1dに係るロック部材を示す斜視図である。 同上のロック部材を示す斜視図である。 同上のロック部材を示す平面図である。 同上のロック部材を示す底面図である。 変形例1eに係るロック部材を示す斜視図である。 同上のロック部材を示す斜視図である。 同上のロック部材を示す平面図である。 同上のロック部材を示す底面図である。 変形例1fに係るロック部材を示す斜視図である。 同上のロック部材を示す斜視図である。 同上のロック部材を示す平面図である。 変形例1gに係るロック部材を示す斜視図である。 同上のロック部材を示す斜視図である。 同上のロック部材を示す平面図である。 同上のロック部材を示す側面図である。 変形例1hに係るロック部材を示す斜視図である。 同上のロック部材を示す斜視図である。 同上のロック部材を示す平面図である。 同上のロック部材を示す底面図である。 変形例1iに係るロック部材を示す斜視図である。 同上のロック部材を示す平面図である。 図57のLVIII−LVIII線断面図である。 変形例1jに係るロック部材を示す斜視図である。 同上のロック部材の変形動作を示す説明図である。 変形例1kに係るタングを示す斜視図である。 同上のタングを示す斜視図である。 同上のタングの断面図である。 変形例1lに係るタングを示す斜視図である。 同上のタングの断面図である。 変形例1mに係るタングのタング本体を示す斜視図である。 同上のタング本体を示す斜視図である。 同上のタング本体を示す平面図である。 図68のLXIX−LXIX線断面図である。 本変形例1mに係るタングプレートを示す斜視図である。 同上のタングプレートを示す斜視図である。 同上のタングプレートを示す平面図である。 第2実施形態に係るタングを示す斜視図である。 同上のタングを示す斜視図である。 同上のタングを示す平面図である。 図75のLXXVI−LXXVI線断面図である。 図75のLXXVII−LXXVII線断面図である。 変形例2aに係るタングを示す斜視図である。 同上のタングを示す斜視図である。 同上のタングを示す平面図である。 図80のLXXXI−LXXXI線断面図である。 図80のLXXXII−LXXXII線断面図である。 第3実施形態に係るタングを示す斜視図である。 同上のタングを示す平面図である。 図84のLXXXV線における断面図である。 図84のLXXXVI−LXXXVI線における断面図である。 変形例3aに係るタングのタング本体を示す斜視図である。 同上のタング本体を示す平面図である。 同上のタング本体を示す底面図である。 図88のXC−XC線における断面図である。 図88のXCI−XCI線における断面図である。 変形例に係るロック部材を示す斜視図である。 同上のロック部材を示す側面図である。 図92のXCIV−XCIV線断面図である。
{第1実施形態}
<前提構成>
以下、第1実施形態に係るシートベルト装置及びロッキングタング(以下、単に「タング」と称する場合がある)について説明する。図1はシートベルト装置14の適用例を示す概略図である。
まず、適用対象例について説明すると、自動車等の車両の床10上に乗員席12が設けられている。床10の一側方には、上下方向に沿った姿勢でピラー11(例えば、センターピラー)が設けられている。かかる適用対象の例は、例えば、車両における運転席、助手席又は後部座席の左右端の席等の3点式のシートベルトを備えた乗員席である。
シートベルト装置14は、ウエビング15と、タング20とを備える。
ウエビング15は、織物等により形成された帯状の部材であり、乗員の肩から腰部側方部位を通って腰部周りに引回すことができるのに十分な長さを有している。
ウエビング15は、リトラクタ装置16によって引出及び引取り可能とされている。リトラクタ装置16は、ウエビング15の一端部を巻取り及び引出可能に巻回収容可能に構成されている。このリトラクタ装置16は、車両のピラー11部分、例えば、ピラー11の下部に収容固定されている。また、ピラー11の上部にショルダーアンカー17が設けられている。そして、リトラクタ装置16より引出されたウエビング15がショルダーアンカー17を通って引出し可能とされている。
上記リトラクタ装置16は、通常状態では、ウエビング15を巻取る方向に引張っている。そして、シートベルト装着にあたっては使用者が手等でリトラクタ装置16からウエビング15を引出すことができ、シートベルト装着終了後には、ウエビング15がリトラクタ装置16に巻取られ収容されるようになっている。
なお、リトラクタ装置16には、プリテンショナ機構及びエネルギー吸収機構が組込まれていることが好ましい。そして、車両衝突時等の緊急時には、ウエビング15の引出しを停止し、プリテンショナ機構の動作によって、ウエビング15を所定長さ巻取って、乗員を乗員席12にしっかりと拘束することが好ましい。また、この後、エネルギー吸収機構の動作によりウエビング15を徐々に繰り出し、乗員に加えられる衝撃を吸収するようになっていることが好ましい。
なお、リトラクタ装置16は、乗員の肩に近い部位に設けられていてもよい。また、この場合、ショルダーアンカー17を用いずに、ウエビング15がリトラクタ装置16から直接引出可能とされていてもよい。
また、ウエビング15の他端部には、アンカープレート18が取付けられている。このアンカープレート18は、車両の床10、ここでは、ピラー11の下部側の床10にボルト締結等により固定されている。そして、ウエビング15の他端部が、このアンカープレート18を介して床10に固定される。
タング20は、ウエビング15に対してその長手方向に沿って移動可能に取付けられている。すなわち、ウエビング15が、タング20の後述するウエビング挿通孔26に挿通されることにより、タング20がウエビング15に対してその長手方向に沿って移動可能に取付けられている。
また、タング20は、バックル19に対してロック及びロック解除可能に連結固定可能とされている。バックル19は、ボルト等の固定具を介して、床10、ここでは、バックル19は、乗員席12を挟んで上記アンカープレート18の反対側の床10に固定されている。そして、バックル19の先端部にタング20を挿入することで、タング20とバックル19とが連結固定される。この状態では、ウエビング15は、乗員の一方側の肩から乗員の腰部の他側部を介して腰部周りを通るように案内される。また、この状態で、バックル19の解除ボタン19aを押すことで、タング20とバックル19との係合が解除され、両者が分離する。なお、バックル19は、ボルト等の固定具を介して、乗員席12に固定されていてもよい。
上記シートベルト装置14において、車両緊急時等に乗員に対して車両前方に移動させる力が作用すると、ウエビング15が車両前方に引張られる。この際、タング20がウエビング15に沿って自由に移動できると、例えば、ウエビング15のうちリトラクタ装置16とタング20の間の部分の弛み及び伸びによる長さ分が、タング20とアンカープレート18との間に移動してしまうことが考えられる。そこで、ウエビング15に沿ったタング20の移動を規制すると、乗員の腰部に対する拘束性能等を向上させることができる。このため、タング20には、ウエビング15が引張られる際に、ウエビング15に沿ったタング20の移動を規制可能な構成を備えている。
<ロッキングタングについて>
タング20についてより具体的に説明する。図2はタング20を示す斜視図であり、図3及び図4はタング20を示す分解斜視図である。
タング20は、タング本体22と、ロック部材50とを備える。タング本体22はウエビング15に対してその長手方向に沿って移動可能に取付けられる。また、ロック部材50が本タング本体22によって支持されている。そして、通常状態では、タング本体22がウエビング15の長手方向に沿って移動自在とされている。また、車両緊急時等においてウエビング15が引張られると、その引張り力を受けてロック部材50が変形し、タング本体22に対するウエビング15の移動を規制するようになっている。
図5はタング本体22を示す平面図であり、図6はタング本体22を示す背面図であり、図7は図5のVII−VII線断面図であり、図8は図5のVIII−VIII線断面図であり、図9は図8の部分拡大図においてロック部材50を追加した図である。
タング本体22は、本体部23と、連結部40とを備える。
本体部23には、スリット状のウエビング挿通孔26が形成されている。そして、ウエビング15がウエビング挿通孔26に挿通されることによって、本体部23がウエビング15に対してその長手方向に沿って移動可能に取付けられる。
連結部40は、本体部23の一方の長辺側部分の中央部より外方に延出する方形板状に形成されている。連結部40には、ロック孔40hが形成されている。そして、本連結部40がバックル19に挿入されると、バックル19側のロック部材がロック孔40hに嵌り込んで、タング20がバックル19に対して連結固定される。
本体部23について、より具体的に説明すると、本体部23は、板状部24と、壁部25と、一対のロック部材支持部30とを備える。
板状部24は、長方形板状に形成されており、その長手方向に沿ってスリット状の孔24hが形成されている。この孔24hの幅は、ウエビング15の幅よりも大きい(ここでは、僅かに大きい)。また、孔の隙間は、ウエビング15の厚みよりも大きい(ここでは、僅かに大きい)。従って、この孔24hに挿通されたウエビング15は、当該孔24h内を自由に挿通移動できる。
また、板状部24の一主面であって、孔24hの一方側の縁部(連結部40の反対側の縁部)に沿って壁部25が設けられている。壁部25は、板状部24の一主面からの突出方向に向けて連結部40側に傾斜している。換言すれば、壁部25は、孔24hの周縁部のうち連結部40の反対側の縁部から孔24h上に被さるように突出している。
また、板状部24に形成された孔24hは、本体部23の一方主面側に向けて順次幅狭になる面24ha、24hbの間に形成されている(図9参照)。より具体的には、面24haは、本体部23に対して直交する方向に延在しており、面24hbは、本体部23の一方主面側に向けて面24haに対する間隔が小さくなる方向に傾斜している。
上記壁部25のうち孔24hの面24hbに連なる側の面25bは、上記当該面24hbに対して同一平面状に連続している。
また、板状部24の一方側主面のうち孔24hの開口縁部のうち壁部25に対向する部分は、当該孔24hに向けて順次凹む面23aに形成されている。そして、孔24hの面24haと面23aとは、鈍角部分を介して連なっている。
上記孔24hの面24haと上記面23aとで1つの対向面26aが形成され、上記孔24hの面24hbと上記面25bとでもう一つの対向面26bが形成されている。タング本体22に形成されたウエビング挿通孔26は、これら一対の対向面26a、26bの間に形成されるスリット状の孔として形成されている。
このウエビング挿通孔26をタング本体22の一方主面側から見ると、面23aに対応する部分では、当該タング本体22の一方主面側から内側に向けて徐々に隙間が小さくなる形状を呈している。また、ウエビング挿通孔26をタング本体22の他方主面側から見ると、面24hbに対応する部分では、当該タング本体22の他方主面側から内側に向けて徐々に隙間が小さくなる形状を呈している。したがって、ウエビング挿通孔26の挿通中央部で最も隙間が小さくなっている。この隙間の寸法Pは、ウエビング15の厚み寸法よりも大きく(僅かに大きく)設定されており、従って、ウエビング15はウエビング挿通孔26内を自由に移動できるようになっている。
なお、上記各面24haと23aの境界角部分、各面23a、24hb、25bと他の面との境界角部分等は丸められており、ウエビング15がそれらの境界角部分に対して円滑に接触するようになっている。
また、一対のロック部材支持部30は、ウエビング挿通孔26の両端部に設けられている。より具体的には、上記タング本体22の一方主面であって、ウエビング挿通孔26の両端部の外方位置に、ロック部材支持部30が突出形成されている。ここでは、ロック部材支持部30は、ウエビング挿通孔26の端縁部より外方に離れた位置に、ロック部材支持部30が設けられているが、これは必須ではない。
ロック部材支持部30は、略半円板形状に形成されており、ウエビング挿通孔26の長手方向に対して直交する姿勢で、タング本体22の一方主面に突設されている。
各ロック部材支持部30には、後述するロック部材50を挿入可能なロック部材支持孔32が形成されている。ロック部材支持孔32は、ロック部材50の縦断面形状(ロック部材50の長手方向に対して直交する面における断面形状)と同形状に形成されており、当該ロック部材支持孔32に挿入されたロック部材50を一定姿勢で支持できるようになっている。ロック部材支持孔32は、ロック部材50を圧入できる程度の大きさに設定されていることが好ましい。本ロック部材支持孔32がウエビング挿通孔26に対してロック部材50を支持する位置については、ロック部材50に関する説明として後に述べる。
また、一対のロック部材支持部30のうちの一方の外向き部分には、ロック部材支持孔32よりも大きい(ここでは一回り大きい)凹部34が形成されている(図3参照)。凹部34の奥部分の外周周りの一部には、係止凹部34aが形成されている。そして、後述する蓋38が本凹部34に嵌込み固定される。
なお、ロック部材支持部30の外形状の各角部分も、丸め加工されている。
上記タング本体22は、樹脂又は金属の単一材料によって一体成型された部品として構成されていてもよいが、ここでは、タングプレート28と、樹脂成型部29とによって構成されている。
図10及び図11は、タングプレート28を示す斜視図であり、図12はタングプレート28を示す平面図である。
タングプレート28は、金属板材等をプレス加工等することにより、T字板状に形成されている。タングプレート28のうち幅広部分28aには、その幅方向に延びる細長い孔28ahが形成されている。また、幅広部分28aの両側部を折曲げることで、一対の突片28ap1が形成されている。突片28ap1には、ロック部材50を嵌め込み可能な孔28ap1hが形成されている。ここでは、孔28ap1hは、ロック部材支持孔32と同様にロック部材50の縦断面形状(ロック部材50の長手方向に対して直交する面における断面形状)と同形状に形成されており、ロック部材支持孔32に対して同じか、若干大きい程度の大きさにされている。また、幅広部分28aのうち上記孔28ahに対応する部分を切り起すことで、細長突片28ap2が形成されている。なお、タングプレート28のうちの幅狭部分28bは、上記連結部40に対応する部分である。
そして、上記タングプレート28をインサート部品として、樹脂成型部29を金型成型することで、上記タング本体22が製造される(図2〜図9参照)。
この際、幅広部分28a及び一対の突片28ap部分は樹脂成型部29によって覆われる。従って、樹脂成型部29の外部からはタングプレート28の幅広部分28aは見えない。また、樹脂成型部29を形成する際、孔28ahに対応する部分に、ウエビング挿通孔26が形成される。さらに、突片28ap1に対応する部分にロック部材支持部30が形成され、細長突片28ap2に対応する部分に壁部25が形成される。
また、タングプレート28のうち幅狭部分28bは、樹脂成型部29より外方に延出し、上記連結部40として用いられる。
図13はロック部材50の斜視図であり、図14はロック部材50の平面図であり、図15はロック部材50の底面図であり、図16はロック部材50の側面図である。
ロック部材50は、長尺部材に形成されており、上記ウエビング挿通孔26の延在方向に沿った姿勢でロック部材支持部30によって支持されている。初期状態では、一対の対向面26a、26bの一方の対向面26aとロック部材50との間にウエビング15を挿通可能な隙間が設けられ、当該隙間を通ってウエビング15が移動自在とされる(図9及び図21参照)。また、ロック部材50は、変形可能な部材によって構成されており、ロック部材50が前記対向面26aに近づく側に変形すると、当該対向面26aとロック部材50との間の隙間が狭くなり、それらの間にウエビング15を挟込みことができるようになっている(図22参照)。
すなわち、ロック部材50は、その長手方向に対して直交する面における断面形状が、その一方側から他方側に向けて順次幅狭になる形状、より具体的には、ロック部材50は、外周囲が第1平面51、第2平面52、第1湾曲部53及び第2湾曲部54とで囲まれた棒状形状に形成されている。第1平面51及び第2平面52は、対向し、かつ、前記一方側から前記他方側に向けて順次幅狭になる位置関係で配設されている。なお、第1平面51は、第2平面52よりも幅広に形成されている。また、第1湾曲部53は、前記第1平面51及び第2平面52のうち幅が狭くなった側の部分同士を連結する曲面形状に形成されている。さらに、第2湾曲部54は、前記第1平面51及び第2平面52のうち幅が広くなった側の部分同士を連結する曲面形状に形成されている。
ロック部材50は、ウエビング挿通孔26の長さ寸法よりも大きく、ここでは、一対のロック部材支持部30間の寸法よりも大きく設定されている。そして、ロック部材50の両端部が一対のロック部材支持孔32に挿通されて一対のロック部材支持部30間に掛渡すように支持されている。初期状態で、ロック部材50は、ウエビング挿通孔26に対して次の位置及び姿勢とされている(図9参照)。
すなわち、上記第1平面51が壁部25の面25bに対して平行姿勢で対向配置される。第1平面51と面25bとは接触していてもよいし、これらの間に隙間(好ましくは僅かな隙間)が設けられていてもよい。
また、第2平面52が本体部23の面23aに対向して間隔をあけて配設されている。第2平面52と面23aとは平行姿勢であってもよいし、非平行姿勢であってもよい。ここでは、第2平面52と面23aとは、ウエビング挿通孔26内に向けて徐々に幅狭となる位置関係とされている。また、ロック部材50の第1湾曲部53は、ウエビング挿通孔26のうち最も隙間が小さくなっている部分、即ち、面23aと面24haとの境界部分の手前に位置している。
上記状態において、第2平面52と面23aとの隙間で最も小さい寸法Qは、ウエビング15の厚みよりも大きくなるように設定されている。ウエビング15は、ロック部材50と対向面26aとの間を通って配設されており、この状態で、ウエビング15は、対向面26aとロック部材50との隙間を通って移動自在とされている。
そして、上記初期状態から、ロック部材50が変形し、ロック部材50の長手方向中間部が対向面26a側に変位すると、ロック部材50の第2平面52と面23aとの隙間が小さくなる(変形状態、図22参照)。これにより、ロック部材50と対向面26aとの間に、ウエビング15が挟込まれ、ウエビング15の自由な移動が規制される。
ロック部材50は、アルミニウム、鉄、合金等の金属で形成されていてもよいし、樹脂で形成されていてもよい。ウエビング15の引張り力による力が作用した場合に、ロック部材50が当該ウエビング15を挟込み可能なように変形でき、かつ、ロック部材支持部30から破断分離してしまわない程度の剛性、弾性等を有する範囲で、ロック部材の形状、太さ、材質等を適切に設定すればよい。
なお、ウエビング15の引張り力による力が作用した場合におけるロック部材50の変形は、塑性変形であってもよいし、弾性変形であっても、これらの複合による変形であってもよい。
上記ロック部材50は、一対のロック部材支持部30の各ロック部材支持孔32に挿通固定される。好ましくは、ロック部材50は、ロック部材支持孔32に対して圧入固定される。この状態で、ロック部材50の長手方向の移動を抑制するため、上記ロック部材支持部30に形成された凹部34に蓋38が嵌め込み固定される。
図17及び図18は蓋38を示す斜視図であり、図19は蓋を示す底面図であり、図20は蓋を示す平面図である。
蓋38は、樹脂等により形成された部材であり、上記一対のロック部材支持部30の一方に形成された凹部34に嵌め込み可能な板状の蓋本体38aと、当該蓋本体38aの一側部に突設された蓋係止部38bとを備える。蓋係止部38bは、凹部34の奥部分の外周周りの一部に形成された係止凹部34aに嵌め込んで係止可能に構成されている。
そして、ロック部材50を一対のロック部材支持部30のロック部材支持孔32に挿入固定した状態で、一方のロック部材支持部30の凹部34に蓋本体38aを嵌め込むと共に、蓋係止部38bを係止凹部34aに係止固定する。すると、ロック部材支持部30の一端部が、一方のロック部材支持部30の外方から蓋38によって覆われた状態となる。このため、ロック部材50の一端部がその長手方向に沿って押されることが抑制されている。また、ロック部材50の他端部がその長手方向に沿って押されても、その力は蓋38によって受止められる。このため、ロック部材50の長手方向の移動が抑制され、ロック部材50の両端部が一対のロック部材支持部30によって支持された状態がより確実に維持される。
上記シートベルト装置14及びロッキングタング20の動作について説明する。
図21は、シートベルト装置14の通常使用状態におけるタング20とウエビング15との関係を示す説明図である。
この状態では、ウエビング挿通孔26の一方の対向面26aとロック部材50との隙間の寸法Qは、ウエビング15の厚み寸法よりも大きく、従って、タング20は、ウエビング15の長手方向に沿って自由に移動できる。このため、タング20をバックル19に対して脱着する作業を容易に行える。
図22は、ウエビング15が引張られた状態におけるタング20とウエビング15との関係を示す説明図である。
すなわち、車両緊急時(車両の急減速時)等に乗員に対して車両前方に移動させる力が作用すると、乗員の移動によって、ウエビング15が車両前方に引張られる。すると、ロック部材50が連結部40の反対側、即ち、対向面26b側に引張られる。これにより、ロック部材50は、両端側のロック部材支持部30への固定箇所を支点として、連結部40の反対側に凸となる湾曲形状に変形する。これにより、ロック部材50の一部(特にロック部材50の長手方向中央部)は、第1平面51を対向面26bにスライドさせつつ、ウエビング挿通孔26の内部に入り込むようになる。すると、ロック部材50の一部(特にロック部材50の長手方向中央部)と対向面26a(ここでは、面24haと面23aとの境界部分)との隙間の寸法が、ウエビング15の厚み寸法よりも小さくなり、ウエビング15がロック部材50と対向面26aとの間の線状部分又は点状部分間に挟み込まれる。これにより、ウエビング挿通孔26内でのウエビング15の移動が規制され、ウエビング15に対するタング20の移動が規制される。これによって、一例として次の効果を得ることができる。すなわち、この状態では、ウエビング15のうちアンカープレート18とタング20との間の部分の長さが当初の状態に当該部分の伸びを付加した程度に保たれる。このため、乗員の腰部がウエビング15のうちアンカープレート18とタング20との間の部分によってより確実に拘束され、乗員に対する拘束性能が向上する。
以上のように構成されたシートベルト装置14及びタング20によると、ロック部材50の少なくとも一端部がロック部材支持部30によって支持されることにより、ロック部材50がウエビング挿通孔26に延在方向に沿って姿勢で支持されている。このため、通常状態では、タング20をウエビング15の長手方向に自由に移動させて、バックル19に対するタング20の脱着作業等を容易に行える。
そして、ウエビング15に引張り力が作用すると,その力を受けて、ロック部材50が初期状態から一対の対向面26a、26bのうちの一方の対向面26aとの間でウエビング15を挟込み可能な変形状態に変形することで、ロック部材50と一方の対向面26aとの間でウエビング15が挟込まれ、タング20に対するウエビング15の移動が規制される。これにより、例えば、乗員の腰部を効果的に拘束することができるという効果を得ることができる。
上記ロック部材50によるウエビング15の移動規制は、ロック部材50自体の変形によって実現されている。このため、従来技術のように、ウエビングの移動規制用の部材を、移動可能に又は回転可能に支持する必要はなく、上記実施形態のように、ロック部材50の端部をロック部材支持部30によって固定支持する構成を採用することができる。これにより、ロック部材50の支持構造を簡易化できる。これにより、タング20の小型化及び軽量化が可能となる。
また、ロック部材50の支持構造を簡易化できる結果、当該ロック部材50をタング20に組付ける作業も容易に行える。すなわち、上記実施形態のように、ロック部材50をロック部材支持孔32に挿通するような、簡易な組付作業とすることができる。
また、ロック部材支持部30は、タング本体22から突出する形状に形成されているため、例えば、ロック部材50を当該ロック部材支持部30に形成されたロック部材支持孔32に挿通する作業を外部から確認しながら容易に行える。
もっとも、ロック部材は、タング本体のうちウエビング挿通孔の両側部分に支持されていてもよく、この場合は、タング本体のうち当該ウエビング挿通孔の両側部分自体がロック部材支持部ということになる。
また、ロック部材50は、ロック部材支持部30に形成されたロック部材支持孔32に挿通することで、当該ロック部材支持部30に支持されているため、タング本体22とは別体に形成されたロック部材50をタング本体22に容易に組込むことができる。
また、本実施形態によると、ロック部材50の両端部が一対のロック部材支持部30によって支持されているため、ロック部材50は両端を支点として、ウエビング15の引張り力によって変形する。このため、ロック部材50の変形動作を安定させることができる。
<変形例>
以下、上記第1実施形態に係るロッキングタング20を前提として、各種変形例について説明する。なお、以下の各説明において、既に説明したものと同様構成要素については、同一符号を付してその説明を省略する。
<ロック部材に関する変形例>
図23は変形例1aに係るロック部材150を示す斜視図であり、図24は同ロック部材150を示す平面図であり、図25は図24のXXV−XXV線断面図である。
ロック部材150は、芯部152と、被覆部154とを備える。芯部152は、金属等によって形成されている。被覆部154は、樹脂等によって形成されている。芯部152インサート部品として、被覆部154を金型成型することで、本ロック部材150が形成されている。ロック部材150の外形状は、被覆部154を被覆することによって、上記ロック部材50と同じ形状を呈するようになっている。なお、芯部152の縦断面形状(その軸方向に直交する面における断面形状)は、ロック部材50の縦断面形状をそのまま小さくした相似形状であってもよいし、ロック部材50の縦断面形状とは無関係な形状(例えば、円形断面形状等)であってもよい。また、ロック部材150の端部には、芯部152が露出していてもよいし、被覆部154によって覆われていてもよい。そして、芯部152と被覆部154とが相俟って、上記ロック部材50と同様の剛性、弾性等を呈するようになっている。
この変形例によると、被覆部154によって意匠性を向上させることができ、また、被覆部154によって自由な形状に加工し易いという利点がある。
図26は変形例1bに係るロック部材250を示す平面図であり、図27及び図28は同ロック部材250を示す側面図であり、図29は図26のXXIX−XXIX線断面図である。
このロック部材250は、芯部252と、被覆部254とを備える。芯部252は、上記芯部152と同様部材であり、この芯部252に対して、上記被覆部154と同様に、樹脂部分である被覆部254が被覆されている。
このロック部材250が、上記ロック部材250と異なる点は、被覆部254が、棒状部254aと、張出部254bとを備える点である。すなわち、棒状部254aは、芯部252を覆うことによって、縦断面形状がその長手方向に沿って同一形状を呈している。張出部254bは、棒状部254aの一端部に、当該棒状部254aから外周周りに張出すように形成されている。ここでは、張出部254bは、棒状部254aの縦断面形状をそのまま大きくした相似形状を呈しているが、その他の板形状、例えば、円形板形状等であってもよい。
このロック部材250は、張出部254bを第1実施形態におけるロック部材支持部30の凹部34に嵌め込んだ状態で、一対のロック部材支持部30によって支持される。ロック部材250の取付状態が、当該ロック部材250がロック部材支持部30に対して圧入されることで維持されてもよいし、その他、接着剤等で維持されてよい。なお、第1実施形態において、凹部34に形成された係止凹部34aを省略してもよいし、或は、張出部254bに上記蓋係止部38bと同様の部分を形成して、当該部分を係止凹部34aに嵌め込み係止するようにしてもよい。
この変形例によると、第1実施形態のように、別途蓋38を形成し、これを装着する作業を省略することができる。
図30及び図31は変形例1cに係るロック部材350を示す斜視図であり、図32は同ロック部材350を示す平面図であり、図33及び図34は同ロック部材350を示す側面図であり、図35及び図36は同ロック部材350示す分解斜視図である。
このロック部材350は、ロック本体部352と、装着端部354とを備える。
ロック本体部352自体は、上記ロック部材50又はロック部材150と同様に、金属のみで、又は、金属に樹脂等を被覆することで形成された部材である。
装着端部354は、ロック本体部352の一端部に装着される部材であり、張出部355と、装着部356とを備える。張出部355は、ロック本体部352の端部からその外周側に張出す形状、ここでは、ロック本体部352の縦断面形状をそのまま大きくした相似形状を呈する板形状に形成されている。もっとも、張出部355は、ロック本体部352の縦断面形状とは関係の無い板形状、例えば、円形板状等であってもよい。装着部356は、張出部355の一方主面側に突出形成された部分である。装着部356の外形状は、張出部355よりも小さく、ロック本体部352の縦断面形状よりも大きい。また、装着部356には、ロック本体部352の一端部を嵌込み可能な嵌込み凹部356aが形成されている。そして、ロック本体部352の一端部を凹部356aに嵌込むことで、ロック本体部352と装着端部354とが一体化される。この際、両者の一体化は、ロック本体部352の端部が凹部356aに圧入されることで維持されてもよいし、その他、接着材等で維持されてもよい。
このロック部材350によると、予めロック本体部352の端部に装着端部354を嵌め込んでおけば、装着端部354の張出部355を第1実施形態におけるロック部材支持部30の凹部34に嵌め込む作業と同時に、ロック部材350を一対のロック部材支持部30によって支持する作業を行える。なお、第1実施形態において、凹部34に形成された係止凹部34aを省略してもよいし、或は、張出部355に上記蓋係止部38bと同様の部分を形成して、当該部分を係止凹部34aに嵌め込み係止するようにしてもよい。
この変形例によると、第1実施形態のように、蓋38を後から別途嵌め込む作業を省略でき、ロック部材350の取付作業を容易に行えるという利点がある。
下記の変形例1d〜1hでは、ロック部材に、部分的に、その他の部分よりも変形容易な部分を設けることにより、ロック部材の変形動作の安定化を図った例を説明する。
図37及び図38は変形例1dに係るロック部材450を示す斜視図であり、図39は同ロック部材450を示す平面図であり、図40は同ロック部材450を示す底面図である。
このロック部材450では、上記第1実施形態におけるロック部材50の長手方向中間部に、凹部452が形成された構成とされている。ここでは、凹部452は、ロック部材450のうち幅広側部分から幅狭側部分にかけてV字状に切込む形状に形成されている。これにより、ロック部材450が、当該凹部452が形成された部分で、その他の部分よりも容易に変形できるようになっている。
なお、凹部452を幅広側部分に形成している理由は、ロック部材450と上記対向面26aとの間でウエビング15を挟込み際に、ロック部材450のうちウエビング15に対して接触する部分を避けるためである(図9、図22参照)。これにより、ロック部材450をなるべく広い面積でウエビング15に押付けることができ、安定してウエビング15の移動を規制することができる。もっとも、凹部は、幅狭側部分に形成されていてもよい。また、凹部は、U字状、方形状、直線状の切込み形状等であってもよい。
この変形例によると、ロック部材450がウエビング15によって引張られた場合に、凹部452が形成された部分を中心に変形するので、ロック部材450の変形動作が安定する。このため、ロック部材450と対向面26aとの間でウエビング15を挟込む動作が安定し、ウエビング15の移動規制性能が安定化する。
図41及び図42は変形例1eに係るロック部材550を示す斜視図であり、図43は同ロック部材550を示す平面図であり、図44は同ロック部材550を示す底面図であり、このロック部材550では、凹部552が複数形成されている。凹部552自体は、上記凹部452と同様形状である。ここでは、凹部552は、ロック部材550の中央部と両端部との各間の箇所に形成されている。このように、凹部552は、複数形成されていてもよいし、また、ロック部材550の中央以外に位置に形成されていてもよい。
特に、本変形例によると、ロック部材550がウエビング15によって引張られた場合に、2つの凹部552が形成された2箇所を中心に変形するので、その間の部分が対向面26aに対してほぼ平行姿勢を保ったまま当該対向面26aに近づく方向に移動する。このため、ロック部材550のより広い領域部分がなるべく均等な力でウエビング15に押付けられることになる。このため、ウエビング15の移動規制性能がより安定化する。
図45及び図46は変形例1fに係るロック部材650を示す斜視図であり、図47は同ロック部材650を示す平面図である。
このロック部材650では、上記第1実施形態におけるロック部材50の長手方向中間部に、凹部652が形成された構成とされている。ここでは、凹部652は、ロック部材450のうち上記対向面26aと対向する側の部分において、所定の長さ(ここでは、全体の5分の2程度の長さ部分)に亘って凹む形状に形成されている。換言すれば、ロック部材650は、凹部652が形成された中間部分で偏平な棒状形状を呈し、その両側部分で、前記中間部分よりも太い棒状形状を呈している。
この変形例によると、ロック部材650がウエビング15によって引張られた場合に、凹部652が形成された部分を中心に変形するので、ロック部材650の変形動作が安定する。このため、ロック部材650と対向面26aとの間でウエビング15を挟込む動作が安定し、ウエビング15の移動規制性能が安定化する。
図48及び図49は変形例1gに係るロック部材750を示す斜視図であり、図50は同ロック部材750を示す平面図であり、図51は同ロック部材750を示す側面図である。
このロック部材750では、その両端部に凹部752が形成されている。凹部752自体は、上記凹部652と同様形状である。凹部752のそれぞれは、ロック部材750の端部において所定の長さ(ここでは、全体の長さの1分の5程度の長さ部分)に亘って形成されている。
本変形例によると、ロック部材750がウエビング15によって引張られた場合に、2つの凹部752が形成された2箇所を中心に変形するので、その間の太い棒状部分が対向面26aに対してほぼ平行姿勢を保ったまま当該対向面26aに近づく方向に移動する。このため、ロック部材750のより広い領域部分がなるべく均等な力でウエビング15に押付けられることになる。このため、ウエビング15の移動規制性能がより安定化する。
図52及び図53は変形例1hに係るロック部材850を示す斜視図であり、図54は同ロック部材850を示す平面図であり、図55は同ロック部材850を示す底面図である。
このロック部材850では、上記第1実施形態におけるロック部材50の長手方向中間部に、孔部852が形成された構成とされている。ここでは、孔部852は、ロック部材850の長手方向に対して直交する方向に沿って貫通するように形成された円孔形状に形成されている。ここでは、孔部852は、ロック部材850の長方向中央部と、当該中央部から間隔をあけた両側部、合計3箇所に設けられている。これにより、ロック部材850が、当該孔部852が形成された部分で、その他の部分よりも容易に変形できるようになっている。
なお、孔部は、その他の角孔等であってもよい。また、孔部は、単数又は複数のいずれであってもよい。
この変形例によると、ロック部材850がウエビング15によって引張られた場合に、孔部852が形成された部分を中心に変形するので、ロック部材850の変形動作が安定する。このため、ロック部材850と対向面26aとの間でウエビング15を挟込む動作が安定し、ウエビング15の移動規制性能が安定化する。
次の変形例1i、1jでは、ロック部材の中間部に破断容易な破断部を設けた例について説明する。
図56は変形例1iに係るロック部材950を示す斜視図であり、図57は同ロック部材950を示す平面図であり、図58は図57のLVIII−LVIII線断面図である。
このロック部材950の長手方向中間部には、破断部952が設けられている。破断部952は、その他の部分よりも破断容易な部分である。このため、ロック部材950に対してウエビング15の引張り力が作用すると、ロック部材950は、破断部952で破断し易いようになっている。
ここでは、次のようにして破断部952を破断容易としている。すなわち、ロック部材950は、金属等で形成された一対の芯部954と、樹脂等で形成された被覆部956とを備えている。一対の芯部954は、ロック部材950の両端部に埋設されており、ロック部材950の中間部には、芯部954が存在せず、被覆部956のみが存在している。このため、ロック部材950の両端部では破断し難いが、ロック部材950の中央部では破断し易いようになっている。かかるロック部材950は、例えば、芯部954をインサート部品として、被覆部956を樹脂によって金型成型することにより、または、芯部954収容用の穴を形成した被覆部956に芯部954を挿入することにより、得ることができる。
この変形例によると、ロック部材950に対してウエビング15の引張り力が作用すると、ロック部材950は、破断部952で変形しつつ変形し、最終的には、ロック部材950は、破断部952で破断しつつ、ロック部材支持部30による支持箇所を中心にして変形する。このため、ロック部材950の変形動作が安定し、ウエビング15の移動規制性能も安定化する。なお、ウエビング15の引張り力によっては、破断部952は破断に至らないこともあり得る。この場合でも、ロック部材950は、破断部952を中心にして変形するため、その変形動作が安定する。
図59は変形例1jに係るロック部材1050を示す斜視図であり、図60は同ロック部材1150の変形動作を示す説明図である。
このロック部材1050の長手方向中間部には凹部1052が形成されており、上記変形例1dに係るロック部材450と同外形状を呈している。このロック部材1050が、ロック部材450と異なるのは、ロック部材1050が樹脂等によって形成されており、ロック部材1050に対してウエビング15の引張り力が作用すると、凹部1052が形成された部分が破断可能な構成となっている点である。
この変形例によると、ロック部材1050に対してウエビング15の引張り力が作用すると、ロック部材1050は、凹部1052が形成された部分を中心にして変形する。そして、最終的には、凹部1052が形成された部分で破断しつつ、変形する。このため、ロック部材1050の変形動作が安定し、ウエビング15の移動規制性能も安定化する。なお、上記変形例と同様に、ウエビング15の引張り力によっては、凹部1052が形成された部分が破断に至らないこともあり得る。
<ロック部材をタング本体に一体化した変形例>
上記第1実施形態では、タング本体22に対してロック部材50を後付した例で説明したが、ここでは、タング本体を成型する際に、ロック部材を一体化する例について説明する。
図61及び図62は変形例1kに係るタング1120を示す斜視図であり、図63は同タング1120の断面図である。図63は第1実施形態の図8と同様の面における断面図である。
このタング1120では、樹脂成型部29に対応する樹脂成型部1129を金型成型する際に、タングプレート28と共にロック部材50に対応するロック部材1150がインサート部品としてインサート成型されている。ロック部材1150として、金属製のものを用いた場合には、当該金属が露出している。
この変形例によると、ロック部材支持部30に対応するロック部材支持部1130の外面に、ロック部材1150を装着するための孔をなくすることができ、見栄えのよいタング1120を容易に製造できる。また、ロック部材1150をより確実にロック部材支持部1130に支持することができる。
図64は変形例1lに係るタング1220を示す斜視図であり、図65は同タング1220の断面図である。図65は第1実施形態の図8と同様の面における断面図である。
このタング1220では、樹脂成型部29に対応する樹脂成型部1229を金型成型する際に、タングプレート28と共にロック部材50に対応するロック部材1250がインサート部品としてインサート成型されている。また、樹脂成型部1229は、ロック部材1250をも覆うように金型成型されている(図65の部分1229a参照)。
この変形例によると、ロック部材支持部30に対応するロック部材支持部1230の外面に、ロック部材1150を装着するための孔をなくすることができ、見栄えのよいタング1220を容易に製造できる。また、ロック部材1250を樹脂で覆ってしまうため、その周りとの境界を目立たなくし、かつ、金属地等を隠せるという点でもタング1220の見栄えを向上させることができる。
<ロック部材支持部をウエビング挿通孔よりの位置に形成した変形例>
図66及び図67は変形例1mに係るタングのタング本体1322を示す斜視図であり、図68は同タング本体1322を示す平面図であり、図69は図68のLXIX−LXIX線断面図である。また、図70及び図71は本変形例1mに係るタングプレート1328を示す斜視図であり、図72は同タングプレート1328を示す平面図である。
本タング本体1322が、第1実施形態に係るタング本体1322と異なる主な点は、ロック部材支持部30に対応するロック部材支持部1330が、ウエビング挿通孔26に対応するウエビング挿通孔1326の端部により近い内側の位置に形成されている点である。
すなわち、上記第1実施形態では、タングプレート28のうち幅広部分28aの両側部から外方に伸びる部分を折曲げて一対の突片28ap1を形成し、この突片28ap1を樹脂で覆うことでロック部材支持部30を形成していたため、当該ロック部材支持部30がウエビング挿通孔26の端部から外方に離れた位置に設けられていた。
そこで、本変形例では、タングプレート28に対応するタングプレート1328として、次の構成のものが用いられている。
すなわち、タングプレート1328は、金属板材等をプレス加工等することにより、T字板状に形成されている。タングプレート1328のうち幅広部分1328aには、その幅方向に延びる細長い孔1328ahが形成されている。そして、金属板材のうちこの孔1328ahに相当する部分の両側を折曲げることで、一対の突片1328ap1が形成されている。この13突片1328ap1には、ロック部材50を嵌め込み可能な孔1328ap1hが形成されている。ここでは、孔1328ap1hは、上記実施形態におけるロック部材支持孔32と同様にロック部材50の縦断面形状(ロック部材50の長手方向に対して直交する面における断面形状)と同形状に形成されており、ロック部材支持孔32に対して同じか、若干大きい程度の大きさにされている。また、幅広部分1328aのうち孔1328ahに対応する長手方向中央部分を切り起すことで細長突片1328ap2が形成されている。なお、タングプレート1328のうちの幅狭部分1328bは、上記連結部40に対応する部分である。
そして、上記タングプレート1328をインサート部品として、樹脂成型部1329を金型成型することで、上記タング本体1322が製造される。この際、一対の突片1328ap1が樹脂で覆われることでロック部材支持部1330が形成され、細長突片1328ap2が樹脂で覆われることで壁部25に対応する壁部1325が形成されている。
なお、この変形例では、樹脂成型部1329のうちウエビング挿通孔1326から幅狭部分1328bに離れた部分が、部分的に薄く形成されている。もっとも、上記第1実施形態と同様に、これらの部分が樹脂成型部1329によって他の部分と均一の厚みで覆われていてもよい。
この変形例によると、ロック部材支持部1330をウエビング挿通孔1326の端部に近い部分に形成した分、タングプレート1328の小型化を図ることが可能となる。
{第2実施形態}
第2実施形態では、ロック部材をロック部材支持部によって片持ち支持した形態を説明する。
図73及び図74は第2実施形態に係るタング2020を示す斜視図であり、図75は同タング2020を示す平面図であり、図76は図75のLXXVI−LXXVI線断面図であり、図77は図75のLXXVII−LXXVII線断面図である。なお、本実施の形態及び変形例の説明において、既に説明したものと同様構成要素については同一符号を付してその説明を省略する。
タング2020は、上記タング本体22に対応するタング本体2022と、ロック部材50に対応するロック部材2050を備えている。
タング本体2022のウエビング挿通孔26の一端部に上記ロック部材支持部30に対応するロック部材支持部2030が設けられている。タング本体2022のウエビング挿通孔26の他端部には、突部2030bが設けられている。この突部2030bの外観形状は、上記ロック部材支持部30と同じではあるが、ロック部材2050を支持するものではない。
ロック部材2050は、上記ロック部材50を短くした構成とされている。このロック部材2050の一端部は、上記ロック部材支持部2030によって片持ち支持されている。この部分での支持構造としては、上記第1実施形態で説明した構成及びその変形例で説明した構成等を採用することができる。
ロック部材2050の他端部は、突部2030bに対して間隔をあけて対向している。ロック部材2050の他端部と突部2030bとの間隔は、ウエビング15が容易にすり抜けてしまわない程度の大きさに設定されている。ロック部材2050は、ウエビング15の幅以上の長さ寸法(より具体的には、ロック部材支持部2030による支持部分を除いた長さ寸法)であることが好ましい。
第2実施形態によると、ウエビング15が引張られると、その力によって、ロック部材2050がロック部材支持部2030による支持箇所を支点として、ウエビング挿通孔26の対向面26aに近づくように容易に変形することができる。そして、上記第1実施形態と同様に、ロック部材2050と対向面26aとの間でウエビング15を挟込んで、そのウエビング15の移動を規制することができる。このため、ロック部材の両端支持構造に関する作用効果を除き、上記第1実施形態と同様の作用効果を得ることができる。
また、ロック部材2050が片持ち支持されているため、ウエビング15が引張られた場合に、ロック部材2050が容易に変形することができ、ウエビング15を容易に移動規制することができる。
また、ロック部材2050がウエビング15の幅以上の長さ寸法に設定されていると、ロック部材2050によってなるべくウエビング15の幅方向全体を抑えるようにして挟込むことができる。
この第2実施形態に係る変形例2aについて説明する。
図78及び図79は変形例2aに係るタング2120を示す斜視図であり、図80は同タング2120を示す平面図であり、図81は図80のLXXXI−LXXXI線断面図であり、図82は図80のLXXXII−LXXXII線断面図である。
このタング2120は、上記タング本体22に対応するタング本体2122と、一対のロック部材2150を備えている。
タング本体2122のウエビング挿通孔26の両端部に上記ロック部材支持部30に対応するロック部材支持部2130が設けられている。各ロック部材支持部2130は、ロック部材2150を片持ち支持可能に構成されている。
一対のロック部材2150は、それぞれ上記ロック部材50を半分よりも短く(好ましくは僅かに短く)した構成とされている。各ロック部材2150の一端部は、上記ロック部材支持部2130によって片持ち支持されている。この部分での支持構造としては、上記第1実施形態で説明した構成及びその変形例で説明した構成等を採用することができる。
一対のロック部材2150は同一直線上に配設されており、その他端部が間隔をあけて対向している。一対のロック部材2150の端部の間隔は、ウエビング15が容易にすり抜けてしまわない程度の大きさに設定されている。
このタング2120によると、ウエビング15が引張られると、その力によって、一対のロック部材2150のそれぞれがロック部材支持部2130による支持箇所を支点として、ウエビング挿通孔26の対向面26aに近づくように容易に変形することができる。そして、上記第1実施形態と同様に、ロック部材2150と対向面26aとの間でウエビング15を挟込んで、そのウエビング15の移動を規制することができる。このため、ロック部材の両端支持構造に関する作用効果を除き、上記第1実施形態と同様の作用効果を得ることができる。
また、ロック部材2150が片持ち支持されているため、ウエビング15が引張られた場合に、ロック部材2150が容易に変形することができ、ウエビング15を容易に移動規制することができる。
また、一対のロック部材2150のそれぞれの外側端部がロック部材支持部2130によって支持されているため、ウエビング15の幅方向両側部分を一対のロック部材2150によって均等な態様で押付けることができ、ウエビング15を安定して挟込むように抑えることができる。
{第3実施形態}
第3実施形態では、ウエビング挿通孔を挟む一対の対向面の間に、ウエビングが引張られることによってロック部材が形成する形状に応じた隙間を形成することによって、ロック部材が変形した状態で、ロック部材の長手方向に沿ってロック部材と一方の対向面との間の隙間がなるべく同じになるようにし、もって、ウエビングをその幅方向全体に亘ってなるべく均一な力で挟込むことができるようにした形態を説明する。
図83は第3実施形態に係るタング3020を示す斜視図であり、図84は同タング3020を示す平面図であり、図85は図84のLXXXV−LXXXV線においてロック部材50を付加した断面図であり、図86は図84のLXXXVI−LXXXVI線においてロック部材50を付加した断面図である。なお、本実施の形態及び変形例の説明において、既に説明したものと同様構成要素については同一符号を付してその説明を省略する。
タング3020は、上記タング本体22に対応するタング本体3022を備えており、このタング本体3022に、上記第1実施形態と同様構成によってロック部材50が支持される。
このタング本体3022では、上記ウエビング挿通孔26に対応するウエビング挿通孔3026を挟む一対の対向面3026a、3026bのうちの一方の対向面3026a(ロック部材50との間でウエビング15を挟込む側の面)が、変形状態におけるロック部材50の形状に応じて、ウエビング挿通孔3026の長手方向中間部に向けて徐々に凹む面3023a(ここでは、湾曲面3023a)を含む構成となっている。
すなわち、上記第1実施形態において、ウエビング15が引張られる力によって、ロック部材50は弧状を描くように変形する。このため、ロック部材50の第2平面52と対向面26aの面23aとの間隔は、ウエビング挿通孔26の長手方向において、両端部で最も広くなり、中央部に向けて徐々に狭くなるようになる。このため、ロック部材50と面23aとの間でウエビング15を挟込む力は、ウエビング15の幅方向両端部で最も小さくなり、その幅方向中央部で最も大きくなる(図9及び図16参照)。
そこで、上記のように、対向面3026aが湾曲面3023aを含む構成としている。湾曲面3023aは、タング本体22のうちウエビング挿通孔3026に達する縁部分を当該ウエビング挿通孔3026に向けて順次凹み、かつ、中央部で最も凹むように湾曲させるように形成されている。なお、湾曲面3023aは、その中央部に向けて段階的に凹む面であってもよく、また、部分的に平面に形成された部分を含む面であってもよい。
そして、ロック部材50が変形していない初期状態では、ロック部材50と湾曲面3023aとの隙間は、ウエビング挿通孔3026の長手方向両端部で最も小さく、ウエビング挿通孔3026の長手方向中央部に向けて徐々に大きくなっている(図85及び図86参照)。この状態から、ウエビング15が引張られて、ロック部材50がウエビング挿通孔3026内に向けて緩やかな弧状を描くように変形すると、ロック部材50の変位量は、その両端部で最も小さく、その長手方向中央部で最も大きくなる。このため、ロック部材50と湾曲面3023aとの隙間は、初期状態と比較して、ウエビング挿通孔3026の長手方向両端部では僅かに小さくなる程度であるのに対し、ウエビング挿通孔3026の長手方向中間部で大幅に小さくなる。結果的に、ロック部材50と湾曲面3023aとの隙間の差は、初期状態と比較して、ウエビング挿通孔3026の長手方向において小さくなる。好ましくは、ロック部材50と湾曲面3023aとの隙間は、ウエビング挿通孔3026の長手方向においてほぼ同じとなる。このため、ロック部材50と、上記湾曲面3023aを含む対向面3026aとの間でウエビング15を挟込む力を、その幅方向においてなるべく均一にすることができる。
この第3実施形態によると、上記第1実施形態と同様の作用効果に加えて、ウエビング15を挟込む力を、その幅方向においてなるべく均一にすることができるという効果を得ることができる。
この第3実施形態に係る変形例3aについて説明する。
図87は変形例3aに係るタング3120のタング本体3122を示す斜視図であり、図88は同タング本体3122を示す平面図であり、図89は同タング本体3122を示す底面図であり、図90は図88のXC−XC線においてロック部材50を付加した断面図であり、図91は図88のXCI−XCI線においてロック部材50を付加した断面図である。
タング3120は、上記タング本体22に対応するタング本体3122を備えており、このタング本体3122に、上記第1実施形態と同様構成によってロック部材50が支持される。
このタング本体3122では、上記ウエビング挿通孔26に対応するウエビング挿通孔3126を挟む一対の対向面3126a、3136bのうちの他方の対向面3126b(ロック部材50との間でウエビング15を挟込む面の反対側の面)が、変形状態におけるロック部材50の形状に応じて、ウエビング挿通孔3126の長手方向中間部に向けて徐々に凹む面を含む構成となっている。
より具体的には、対向面3126bの全体が、ウエビング挿通孔3126の長手方向中間部に向けて徐々に凹む湾曲面となっている(以下、湾曲面3126bと表記する場合がある)。なお、このような湾曲面は、前記他方の対向面のうち、初期状態から変形状態に向けてロック部材50が変形する際に当接する領域のみに形成されていてもよい。また、湾曲面は、その中央部に向けて段階的に凹む面であってもよく、また、部分的に平面に形成された部分を含む面であってもよい。
そして、ロック部材50が変形していない初期状態では、ロック部材50と一方の対向面3126aとの隙間は、ウエビング挿通孔3126の長手方向においてほぼ均等となっている。これに対して、ロック部材50と他方の対向面である湾曲面3126bとの隙間は、ウエビング挿通孔3126の両端部で最も小さく、ウエビング挿通孔3126の長手方向中央部に向けて徐々に大きくなっている(図90及び図91参照)。
この状態から、ウエビング15が引張られると、ロック部材50は、一方の対向面3126aと湾曲面3126bとの間の徐々に間隔が狭くなる部分に入り込もうとしつつ、ウエビング挿通孔3126内に向けて緩やかな弧状を描くように変形する。この際、ロック部材50の両端部では、ロック部材50と湾曲面3126bとの間隔は小さいので、そのまま湾曲面3126bの端部の傾斜方向に沿ってウエビング挿通孔3126内に入り込む(図91矢符S参照)。これに対して、ロック部材50の長手方向中間部では、ロック部材50と湾曲面3126bとの間に比較的大きな隙間が空いている。このため、ロック部材50は、湾曲面3126bによって形成された凹み内にも逃げつつ弧状に変形する(図90の矢符R参照)。これにより、ロック部材50の長手方向中間部では変位量が大きいにも拘らず、ロック部材50が湾曲面3126bの凹み内に逃げる分、ロック部材50と対向面3126aとの隙間が小さくなる程度を少なくすることができる。結果的に、ロック部材50と対向面3126aとの隙間を、ウエビング挿通孔3126の長手方向になるべく同じに保つことができ、ロック部材50と、上記対向面3126aとの間でウエビング15を挟込む力を、その幅方向においてなるべく均一にすることができる。
なお、ウエビング挿通孔を挟む対向面の両方を、ロック部材50の変形形状に応じた面(例えば、湾曲面)に形成してもよい。
また、ロック部材の変形容易な部分又は破断容易な部分を設けた場合、当該部分でロック部材の変位量が大きくなる(第1実施形態の変形例参照)。この場合、ウエビング挿通孔の対向面の少なくとも一方を、当該変形容易な部分又は破断容易な部分に合わせて、急に曲げる形状とするとよい。
また、ロック部材を片持ちした場合、そのロック部材は、支持端側から自由端に向けて順次変位量が大きくなる。このため、ウエビング挿通孔の対向面の少なくとも一方を、その長手方向の一端側から他端側に向けて徐々に大きく凹ませるような面に形成してもよい。
{共通変形例}
図92は変形例4aに係るロック部材4050を示す斜視図であり、図93は同ロック部材4050を示す側面図であり、図94は図92のXCIV−XCIV線断面図である。
ロック部材4050は、上記ロック部材50の内部にその長手方向に沿って孔4051を形成した構成とされている。ここでは、ロック部材4050の外形状は、上記ロック部材50と同じである。孔4051は、ここでは、その軸方向に直交する方向における横断面形状が円形を呈する形状とされている。もっとも、孔の横断面形状は、ロック部材4050の外形状に応じた形状、楕円形状等、その他の形状等であってもよい。孔の一端部又は両端部は閉塞されていてもよい。
このロック部材4050によると、孔4051の大きさ、形状等によって、当該ロック部材4050の変形のし易さを容易に調整することができる。このため、例えば、第3施形態のように、ウエビング挿通孔3026を挟む一対の対向面3026a、3026bの一方を湾曲面3026aに形成したような場合においても、ウエビング15の引張り力によってロック部材4050を容易に変形させて、ロック部材4050と湾曲面3026aとの間でより確実にウエビング15を挟込むことができる。
なお、ここで説明した例に限られず、上記各実施形態及び各変形例で説明した各構成は、相互に矛盾しない限り適宜組合わせることができる。
以上のようにこの発明は詳細に説明されたが、上記した説明は、すべての局面において、例示であって、この発明がそれに限定されるものではない。例示されていない無数の変形例が、この発明の範囲から外れることなく想定され得るものと解される。
14 シートベルト装置
15 ウエビング
16 リトラクタ装置
20、1120、2020、2120、3020、3120 ロッキングタング(タング)
22、1220、1322、2022、2122、3022、3122 タング本体
26、1326、3026、3126 ウエビング挿通孔
26a、26b、3026a、3026b、3126a、3136b 対向面
28、1328 タングプレート
29、1129、1229、1329 樹脂成型部
30、1130、1230、1330、2030、2130 ロック部材支持部
32 ロック部材支持孔
50、150、250、350、450、550、650、750、850、950、1050、1150、1250、2050、2150、4050 ロック部材
1052 凹部
3023a 湾曲面
3126b 湾曲面
452、552 凹部
652、752 凹部
852 孔部
952 破断部

Claims (13)

  1. シートベルト装置のウエビングに移動可能に取付けられるロッキングタングであって、
    一対の対向面の間に前記ウエビングを挿通可能なスリット状のウエビング挿通孔が形成され、前記ウエビング挿通孔の少なくとも一方側の端部にロック部材支持部が設けられたタング本体と、
    長尺部材に形成されると共に、前記ウエビング挿通孔の延在方向に沿った姿勢で少なくとも一端部が前記ロック部材支持部によって支持され、前記一対の対向面の一方との間で前記ウエビングを挿通可能な隙間をあけた初期状態から、一対の対向面の一方との間で前記ウエビングを挟込み可能な変形状態に変形可能なロック部材と、
    を備えるロッキングタング。
  2. 請求項1記載のロッキングタングであって、
    前記ロック部材支持部は、前記ウエビング挿通孔の少なくとも一方側の端部において前記タング本体から突出形成された部分である、ロッキングタング。
  3. 請求項1又は請求項2記載のロッキングタングであって、
    前記少なくとも1つのロック部材支持部は、前記ウエビング挿通孔の両端部に設けられた一対のロック部材支持部を含み、
    前記ロック部材の両端部が前記一対のロック部材支持部に支持されている、ロッキングタング。
  4. 請求項3記載のロッキングタングであって、
    前記ロック部材の中間部に破断容易な破断部が設けられている、ロッキングタング。
  5. 請求項1又は請求項2記載のロッキングタングであって、
    前記ロック部材は、前記ロック部材支持部に片持ち支持されている、ロッキングタング。
  6. 請求項5記載のロッキングタングであって、
    前記ロック部材は、前記ウエビングの幅以上の長さ寸法に形成されている、ロッキングタング。
  7. 請求項5記載のロッキングタングであって、
    前記少なくとも1つのロック部材支持部は、前記ウエビング挿通孔の両端部に設けられた一対のロック部材支持部を含み、
    前記一対のロック部材支持部のそれぞれに、前記ロック部材が片持ち状に支持されている、ロッキングタング。
  8. 請求項1〜請求項7のいずれか1つに記載のロッキングタングであって、
    前記ロック部材に、部分的に変形容易な部分が設けられている、ロッキングタング。
  9. 請求項1〜請求項8のいずれか1つに記載のロッキングタングであって、
    前記一対の対向面の間に、前記変形状態における前記ロック部材の形状に応じた隙間が形成されている、ロッキングタング。
  10. 請求項1〜請求項9のいずれか1つに記載のロッキングタングであって、
    前記ロック部材支持部に、前記ロック部材を挿入可能なロック部材支持孔が形成され、前記ロック部材が前記ロック部材支持孔に挿入された状態で前記ロック部材支持部に支持されている、ロッキングタング。
  11. 請求項1〜請求項9のいずれか1つに記載のロッキングタングであって、
    前記タング本体は、タングプレートと、前記タングプレートを覆う樹脂成型部とを含み、
    前記ロック部材は、前記タングプレートと共に、前記樹脂成型部にインサート成型されている、ロッキングタング。
  12. 請求項11記載のロッキングタングであって、
    前記ロック部材も前記樹脂成型部によって覆われている、ロッキングタング。
  13. ウエビングと、
    前記ウエビングが前記ウエビングに挿通された状態で前記ウエビングに取付けられた請求項1〜請求項12のいずれか1つに記載のロッキングタングと、
    を備えるシートベルト装置。
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