[第1発明]
以下、本発明の好適な実施の形態を図面に基づいて説明する。ここでは、本発明に係る遊技機の適例としてのパチンコ遊技機について説明を行う。
図1は、本発明の一実施形態の遊技機の説明図である。
本実施形態の遊技機10は前面枠12を備え、該前面枠12は本体枠(外枠)11にヒンジ13を介して開閉回動可能に組み付けられている。遊技盤30(図2参照)は前面枠12の表側に形成された収納部(図示省略)に収納されている。また、前面枠(内枠)12には、遊技盤30の前面を覆うカバーガラス(透明部材)14を備えたガラス枠15が取り付けられている。
また、ガラス枠15の上部には、内部にランプ及びモータを内蔵した照明装置(ムービングライト)16や払出異常報知用のランプ(LED)17が設けられている。また、ガラス枠15の左右には内部にランプ等を内蔵し装飾や演出のための発光をする枠装飾装置18や、音響(例えば、効果音)を発するスピーカ(上スピーカ)19aが設けられている。さらに、前面枠12の下部にもスピーカ(下スピーカ)19bが設けられている。
また、前面枠12の下部には、図示しない打球発射装置に遊技球を供給する上皿21、遊技機10の裏面側に設けられている球払出装置から払い出された遊技球が流出する上皿球出口22、上皿21が一杯になった状態で払い出された遊技球を貯留する下皿23及び打球発射装置の操作ハンドル24等が設けられている。さらに、上皿21の上縁部には、遊技者からの操作入力を受け付けるための操作スイッチを内蔵した演出ボタン25および該演出ボタン25に隣接してセレクタボタン29が設けられている。さらに、前面枠12下部右側には、前面枠12を開放したり施錠したりするための鍵26が設けられている。
この実施形態の遊技機10においては、遊技者が上記操作ハンドル24を回動操作することによって、打球発射装置が、上皿21から供給される遊技球を遊技盤30前面の遊技領域32に向かって発射する。また、遊技者が演出ボタン25やセレクタボタン29を操作することによって、表示装置41(図2参照)における変動表示ゲーム(飾り特図変動表示ゲーム)において、遊技者の操作を介入させた演出等を行わせることができる。さらに、上皿21上方のガラス枠15の前面には、遊技者が隣接する球貸機から球貸しを受ける場合に操作する球貸ボタン27、球貸機のカードユニットからプリペイドカードを排出させるために操作する排出ボタン28、プリペイドカードの残高を表示する残高表示部(図示省略)等が設けられている。
次に、図2を用いて遊技盤30の一例について説明する。図2は、本実施形態の遊技盤30の正面図である。
遊技盤30の表面には、ガイドレール31で囲われた略円形状の遊技領域32が形成されている。遊技領域32は、遊技盤30の四隅に各々設けられた樹脂製のサイドケース33及びガイドレール31に囲繞されて構成される。遊技領域32には、ほぼ中央に表示装置41を備えたセンターケース40が配置されている。表示装置41は、センターケース40に設けられた凹部に、センターケース40の前面より奥まった位置に取り付けられている。即ち、センターケース40は表示装置41の表示領域の周囲を囲い、表示装置41の表示面よりも前方へ突出するように形成されている。
表示装置41は、例えば、LCD(液晶表示器)、CRT(ブラウン管)等の表示画面を有する装置で構成されている。表示画面の画像を表示可能な領域(表示領域)には、複数の識別情報(特別図柄)や特図変動表示ゲームを演出するキャラクタや演出効果を高める背景画像等が表示される。表示装置41の表示画面においては、識別情報として割り当てられた複数の特別図柄が変動表示(可変表示)されて、特図変動表示ゲームに対応した飾り特図変動表示ゲームが行われる。また、表示画面には遊技の進行に基づく演出のための画像(例えば、大当たり表示画像、ファンファーレ表示画像、エンディング表示画像等)が表示される。
遊技領域32のセンターケース40の左側には、普通図柄始動ゲート(普図始動ゲート)34が設けられている。センターケース40の左下側には、一般入賞口35が配置され、この一般入賞口35には、一般入賞口35に入った遊技球を検出するための入賞口スイッチ35a(図3参照)が配設されている。
また、センターケース40の下方には、特図変動表示ゲームの開始条件を与える始動入賞口36が設けられ、その直下には上部に逆「ハ」の字状に開いて遊技球が流入し易い状態に変換する一対の可動部材37b、37bを備えるとともに内部に第2始動入賞口を有する普通変動入賞装置(普電)37が配設されている。
普通変動入賞装置37の一対の開閉部材37b,37bは、常時は遊技球の直径程度の間隔をおいた閉じた閉状態(遊技者にとって不利な状態)を保持している。ただし、普通変動入賞装置37の上方には、始動入賞口36が設けられているので、閉じた状態では遊
技球が入賞できないようになっている。
そして、普図変動表示ゲームの結果が所定の停止表示態様となった場合には、駆動装置としての普電ソレノイド37c(図3参照)によって、逆「ハ」の字状に開いて普通変動入賞装置37に遊技球が流入し易い開状態(遊技者にとって有利な状態)に変化させられるようになっている。
さらに、普通変動入賞装置37の下方には、特図変動表示ゲームの結果によって遊技球を受け入れない状態と受け入れ易い状態とに変換可能な特別変動入賞装置(大入賞口)38が配設されている。
特別変動入賞装置38は、上端側が手前側に倒れる方向に回動して開放可能になっているアタッカ形式の開閉扉38cを有しており、補助遊技としての特図変動表示ゲームの結果如何によって大入賞口を閉じた状態(遊技者にとって不利な閉塞状態)から開放状態(遊技者にとって有利な状態)に変換する。
即ち、特別変動入賞装置38は、例えば、駆動装置としての大入賞口ソレノイド38b(図3参照)により駆動される開閉扉38cによって開閉される大入賞口を備え、特別遊技状態中は、大入賞口を閉じた状態から開いた状態に変換することにより大入賞口内への遊技球の流入を容易にさせ、遊技者に所定の遊技価値(賞球)を付与するようになっている。
なお、大入賞口の内部(入賞領域)には、当該大入賞口に入った遊技球を検出する検出手段としてのカウントスイッチ38a(図3参照)が配設されている。
特別変動入賞装置38の下方には、入賞口などに入賞しなかった遊技球を回収するアウト口39が設けられている。
また、遊技領域32の外側(例えば、遊技盤30の上部)には、特図変動表示ゲームをなす第1特図変動表示ゲームや第2特図変動表示ゲーム及び普図始動ゲート34への入賞をトリガとする普図変動表示ゲームを一箇所で実行する一括表示装置80が設けられている。
一括表示装置80は、7セグメント型の表示器(LEDランプ)等で構成された第1特図変動表示ゲーム用の第1特図変動表示部(特図1表示器)81及び第2特図変動表示ゲーム用の第2特図変動表示部(特図2表示器)82と、LEDランプで構成され普図変動表示ゲーム用の変動表示や各変動表示ゲームの始動記憶数報知用の記憶表示、大当りの発生や時短状態発生、電源投入時に大当りの確率状態が高確率状態となっているエラーの表示、大当り時のラウンド数を表示する表示部83とが設けられている。
特図1表示器81と特図2表示器82における特図変動表示ゲームは、例えば変動表示ゲームの実行中、即ち、表示装置41において飾り特図変動表示ゲームを行っている間は、中央のセグメントを点滅駆動させて変動中であることを表示する。そして、ゲームの結果が「はずれ」のときは、はずれの結果態様として例えば中央のセグメントを点灯状態にし、ゲームの結果が「当り」のときは、当りの結果態様(特別結果態様)としてはずれの結果態様以外の結果態様(例えば「3」や「7」の数字等)を点灯状態にしてゲーム結果を表示する。
表示部83の普図表示器は、変動中はランプを点滅させて変動中であることを表示する。そして、ゲームの結果が「はずれ」のときは、例えばランプを消灯状態にし、ゲームの結果が「当り」のときはランプを点灯状態にしてゲーム結果を表示する。
表示部83の特図1保留表示器は、特図1表示器81の変動開始条件となる始動入賞口36への入賞球数のうち未消化の球数(始動記憶数=保留数)を4つのランプで表示する。具体的には、保留数が「0」のときは4つのランプを全て消灯状態にし、保留数が「1」のときは1つランプのみを点灯状態にする。また、保留数が「2」のときは2つのランプを点灯状態にし、保留数が「3」のときは3つのランプを点灯状態にし、保留数が「4」のときは4つのランプをすべて点灯状態にする。
表示部83の特図2保留表示器は、特図2表示器82の変動開始条件となる第2始動入賞口(普通変動入賞装置37)の始動記憶数(=保留数)を、特図1保留表示器と同様にして4つのランプで表示する。
表示部83の普図保留表示器は、普図表示器の変動開始条件となる普図始動ゲート34の始動記憶数(=保留数)を2つのランプで表示する。例えば保留数が「0」のときは2つのランプを消灯状態にし、保留数が「1」のときは一方のランプのみを点灯状態にする。また、保留数が「2」のときは2つのランプを点灯状態にし、保留数が「3」のときは一方のランプを点滅、他方のランプを点灯状態にし、保留数が「4」のときは2つのランプを点滅状態にする。
表示部83の第1遊技状態表示器は、例えば通常の遊技状態の場合にはランプを消灯状態にし、大当りが発生している場合にはランプを点灯状態にする。第2遊技状態表示器は、例えば通常の遊技状態の場合にはランプを消灯状態にし、時短状態が発生している場合にはランプを点灯状態にする。
表示部83のエラー表示器は、例えば遊技機10の電源投入時に大当りの確率状態が低確率状態の場合にはランプを消灯状態にし、遊技機10の電源投入時に大当りの確率状態が高確率状態の場合にはランプを点灯状態にする。
表示部83のラウンド表示部は、例えば、通常の遊技状態の場合にはランプを消灯状態にし、大当りが発生した場合にはその大当りのラウンド数に対応するランプ(2ラウンドor15ラウンド)を点灯状態にする。なお、ラウンド表示部は7セグメント型の表示器で構成してもよい。
本実施形態の遊技機10では、図示しない発射装置から遊技領域32に向けて遊技球(パチンコ球)が打ち出されることによって遊技が行われる。打ち出された遊技球は、遊技領域32内の各所に配置された障害釘や風車等の方向転換部材によって転動方向を変えながら遊技領域32を流下し、普図始動ゲート34、一般入賞口35、始動入賞口36、普通変動入賞装置37又は特別変動入賞装置38に入賞するか、遊技領域32の最下部に設けられたアウト口39へ流入し遊技領域から排出される。そして、一般入賞口35、始動入賞口36、普通変動入賞装置37又は特別変動入賞装置38に遊技球が入賞すると、入賞した入賞口の種類に応じた数の賞球が、払出制御装置200によって制御される払出ユニットから、前面枠12の上皿21又は下皿23に排出される。
一方、普図始動ゲート34内には、該普図始動ゲート34を通過した遊技球を検出するための非接触型のスイッチなどからなるゲートスイッチ34a(図3参照)が設けられており、遊技領域32内に打ち込まれた遊技球が普図始動ゲート34内を通過すると、ゲートスイッチ34aにより検出されて普図変動表示ゲームが行われる。
また、普図変動表示ゲームを開始できない状態、例えば、既に普図変動表示ゲームが行われ、その普図変動表示ゲームが終了していない状態や、普図変動表示ゲームが当って普通変動入賞装置37が開状態に変換されている場合に、普図始動ゲート34を遊技球が通過すると、普図始動記憶数の上限数未満でならば、普図始動記憶数が加算(+1)されて普図始動記憶が1つ記憶されることとなる。この普図始動入賞の記憶数は、一括表示装置80の始動入賞数報知用の表示部83に表示される。
また、普図始動記憶情報として、普図変動表示ゲームの当りはずれを決定するための当り判定用乱数値が記憶されるようになっていて、この当り判定用乱数値が判定値と一致した場合に、当該普図変動表示ゲームが当りとなって特定の結果態様(特定結果)が導出されることとなる。
普図変動表示ゲームは、一括表示装置80に設けられた表示部83の普図表示器で実行されるようになっている。普図表示器は、普通識別情報(普図、普通図柄)として点灯状態の場合に当たりを示し、消灯状態の場合にはずれを示すLEDから構成され、このLEDを点滅表示することで普通識別情報の変動表示を行い、所定の変動表示時間の経過後、LEDを点灯又は消灯することで結果を表示するようになっている。
なお、普通識別情報として例えば数字、記号、キャラクタ図柄などを用い、これを所定時間変動表示させた後、停止表示させることにより行うように構成しても良い。この普図変動表示ゲームの停止表示が特定結果となれば、普図の当りとなって、普通変動入賞装置37の一対の可動部材37bが所定時間(例えば、0.3秒間)開放される開状態となる。これにより、普通変動入賞装置37の内部の第2始動入賞口へ遊技球が入賞し易くなり、第2特図変動表示ゲームが実行される回数が多くなる。
普図始動ゲート34への通過検出時に抽出した普図乱数値が当たり値であるときには、表示部83の普図表示器に表示される普通図柄が当たり状態で停止し、当たり状態となる。このとき、普通変動入賞装置37は、内蔵されている普電ソレノイド37c(図3参照)が駆動されることにより、可動部材37bが所定の時間(例えば、0.3秒間)だけ開放する状態に変換され、遊技球の入賞が許容される。
始動入賞口36への入賞球及び普通変動入賞装置37への入賞球は、それぞれは内部に設けられた始動口1スイッチ36aと始動口2スイッチ37aによって検出される。始動入賞口36へ入賞した遊技球は第1特図変動表示ゲームの始動入賞球として検出され、所定の上限数(例えば、4個)を限度に記憶されるとともに、普通変動入賞装置37へ入賞した遊技球は第2特図変動表示ゲームの始動入賞球として検出され、所定の上限数(例えば、4個)を限度に記憶される。
また、この始動入賞球の検出時にそれぞれ大当り乱数値や大当り図柄乱数値、並びに各変動パターン乱数値が抽出され、抽出された乱数値は、遊技制御装置100(図3参照)内の特図記憶領域(RAMの一部)に特図の始動記憶(始動入賞情報)として各々所定回数(例えば、最大で4回分)を限度に記憶される。そして、この特図始動記憶の記憶数は、一括表示装置80の始動入賞数報知用の表示部83に表示されるとともに、センターケース40の表示装置41においても表示される。
遊技制御装置100は、始動入賞口36若しくは普通変動入賞装置37への入賞、又はそれらの始動記憶に基づいて、特図表示器(変動表示装置)81又は82で第1又は第2特図変動表示ゲームを行う。
第1特図変動表示ゲーム及び第2特図変動表示ゲームは、複数の特別図柄(特図、識別情報)を変動表示したのち、所定の結果態様を停止表示することで行われる。また、表示装置41にて各特図変動表示ゲームに対応して複数種類の識別情報(例えば、数字、記号、キャラクタ図柄など)を変動表示させる飾り特図変動表示ゲームが実行されるようになっている。
そして、特図変動表示ゲームの結果として、特図1表示器81若しくは特図2表示器82の表示態様が特別結果態様となった場合には、大当りとなって特別遊技状態(いわゆる、大当り状態)となる。また、これに対応して表示装置41の表示態様も特別結果態様となる。
表示装置41における飾り特図変動表示ゲームは、例えば前述した数字等で構成される飾り特別図柄(識別情報)が左(第一特別図柄)、右(第二特別図柄)、中(第三特別図柄)の順に変動表示を開始して、所定時間後に変動している図柄を順次停止させて、特図変動表示ゲームの結果を表示することで行われる。また、表示装置41では、特図始動記憶数に対応する飾り特別図柄による変動表示ゲームを行うとともに、興趣向上のためにキャラクタの出現など多様な演出表示が行われる。
なお、特図1表示器81、特図2表示器82は、別々の表示器でも良いし同一の表示器でも良いが、各々独立して、また、同時には実行しないように各特図変動表示ゲームが表示される。また、表示装置41も、第1特図変動表示ゲームと第2特図変動表示ゲームで別々の表示装置や別々の表示領域を使用するとしても良いし、同一の表示装置や表示領域を使用するとしても良いが、各々独立して、また、同時には実行しないように飾り特図変動表示ゲームが表示される。また、遊技機10に特図1表示器81、特図2表示器82を備えずに、表示装置41のみで特図変動表示ゲームを実行するようにしても良い。
また、第2特図変動表示ゲームは、第1特図変動表示ゲームよりも優先して実行されるようになっている。即ち、第1特図変動表示ゲームと第2特図変動表示ゲームの始動記憶がある場合であって、特図変動表示ゲームの実行が可能となった場合は、第2特図変動表示ゲームが実行されるようになっている。
また、第1特図変動表示ゲーム(第2特図変動表示ゲーム)が開始可能な状態で、且つ、始動記憶数が0の状態で、始動入賞口36(若しくは、普通変動入賞装置37)に遊技球が入賞すると、始動権利の発生に伴って始動記憶が記憶されて、始動記憶数が1加算されるととともに、直ちに始動記憶に基づいて、第1特図変動表示ゲーム(第2特図変動表示ゲーム)が開始され、この際に始動記憶数が1減算される。
一方、第1特図変動表示ゲーム(第2特図変動表示ゲーム)が直ちに開始できない状態、例えば、既に第1若しくは第2特図変動表示ゲームが行われ、その特図変動表示ゲームが終了していない状態や、特別遊技状態となっている場合に、始動入賞口36(若しくは、普通変動入賞装置37)に遊技球が入賞すると、始動記憶数が上限数未満ならば、始動記憶数が1加算されて始動記憶が1つ記憶されることになる。そして、始動記憶数が1以上となった状態で、第1特図変動表示ゲーム(第2特図変動表示ゲーム)が開始可能な状態(前回の特図変動表示ゲームの終了若しくは特別遊技状態の終了)となると、始動記憶数が1減算されるとともに、記憶された始動記憶に基づいて第1特図変動表示ゲーム(第2特図変動表示ゲーム)が開始される。
なお、以下の説明において、第1特図変動表示ゲームと第2特図変動表示ゲームを区別しない場合は、単に特図変動表示ゲームと称する。
なお、特に限定されるわけではないが、上記始動入賞口36内の始動口1スイッチ36a、普通変動入賞装置37内の始動口2スイッチ37a、ゲートスイッチ34a、一般入賞口スイッチ35a、カウントスイッチ38aには、磁気検出用のコイルを備え該コイルに金属が近接すると磁界が変化する現象を利用して遊技球を検出する非接触型の磁気近接センサ(以下、近接スイッチと称する)が使用されている。遊技機10のガラス枠15等に設けられた前枠開放検出スイッチ63や前面枠(遊技枠)12等に設けられた遊技枠開放検出スイッチ64には、機械的な接点を有するマイクロスイッチを用いることができる。
図3は、本実施形態のパチンコ遊技機10の制御システムのブロック図である。
遊技機10は遊技制御装置100を備え、遊技制御装置100は、遊技を統括的に制御する主制御装置(主基板)であって、遊技用マイクロコンピュータ(以下、遊技用マイコンと称する)111を有するCPU部110と、入力ポートを有する入力部120と、出力ポートやドライバなどを有する出力部130、CPU部110と入力部120と出力部130との間を接続するデータバス140などからなる。
上記CPU部110は、アミューズメントチップ(IC)と呼ばれる遊技用マイコン(CPU)111と、入力部120内の近接スイッチ用のインタフェースチップ(近接I/F)121からの信号(始動入賞検出信号)を論理反転して遊技用マイコン111に入力させるインバータなどからなる反転回路112と、水晶振動子のような発振子を備え、CPUの動作クロックやタイマ割込み、乱数生成回路の基準となるクロックを生成する発振回路(水晶発振器)113などを有する。遊技制御装置100及び該遊技制御装置100によって駆動されるソレノイドやモータなどの電子部品には、電源装置400で生成されたDC32V,DC12V,DC5Vなど所定のレベルの直流電圧が供給されて動作可能にされる。
電源装置400は、24Vの交流電源から上記DC32Vの直流電圧を生成するAC−DCコンバータやDC32Vの電圧からDC12V,DC5Vなどのより低いレベルの直流電圧を生成するDC−DCコンバータなどを有する通常電源部410と、遊技用マイコン111の内部のRAMに対して停電時に電源電圧を供給するバックアップ電源部420と、停電監視回路や初期化スイッチを有し遊技制御装置100に停電の発生、回復を知らせる停電監視信号や初期化スイッチ信号、リセット信号などの制御信号を生成して出力する制御信号生成部430などを備える。
この実施形態では、電源装置400は、遊技制御装置100と別個に構成されているが、バックアップ電源部420及び制御信号生成部430は、別個の基板上あるいは遊技制御装置100と一体、即ち、主基板上に設けるように構成してもよい。遊技盤30及び遊技制御装置100は機種変更の際に交換の対象となるので、実施例のように、電源装置400若しくは主基板とは別の基板にバックアップ電源部420及び制御信号生成部430を設けることにより、交換の対象から外しコストダウンを図ることができる。
上記バックアップ電源部420は、電解コンデンサのような大容量のコンデンサ1つで構成することができる。バックアップ電源は、遊技制御装置100の遊技用マイコン111(特に内蔵RAM)に供給され、停電中あるいは電源遮断後もRAMに記憶されたデータが保持されるようになっている。制御信号生成部430は、例えば通常電源部410で生成された32Vの電圧を監視してそれが例えば17V以下に下がると停電発生を検出して停電監視信号を変化させるとともに、所定時間後にリセット信号を出力する。また、電源投入時や停電回復時にもその時点から所定時間経過後にリセット信号を出力する。
初期化スイッチ信号は初期化スイッチがオン状態にされたときに生成される信号で、遊技用マイコン111内のRAM111C及び払出制御装置200内のRAMに記憶されている情報を強制的に初期化する。特に限定されるわけではないが初期化スイッチ信号は電源投入時に読み込まれ、停電監視信号は遊技用マイコン111が実行するメインプログラムのメインループの中で繰り返し読み込まれる。リセット信号は強制割込み信号の一種であり、制御システム全体をリセットさせる。
遊技用マイコン111は、遊技を統括的に制御する制御手段を構成している。具体的には、遊技用マイコン111は、CPU(中央処理ユニット:マイクロプロセッサ)111A、読出し専用のROM(リードオンリメモリ)111B及び随時読出し書込み可能なRAM(ランダムアクセスメモリ)111Cを備える。
ROM111Bは、遊技制御のための不変の情報(プログラム、固定データ、各種乱数の判定値等)を不揮発的に記憶し、RAM111Cは、遊技制御時にCPU111Aの作業領域や各種信号や乱数値の記憶領域として利用される。ROM111B又はRAM111Cとして、EEPROMのような電気的に書換え可能な不揮発性メモリを用いてもよい。
また、ROM111Bは、例えば、特図変動表示ゲームの実行時間、演出内容、リーチ状態の発生の有無などを規定する変動パターンを決定するための変動パターンテーブルを記憶している。
変動パターンテーブルとは、始動記憶として記憶されている変動パターン乱数1〜3をCPU111Aが参照して変動パターンを決定するためのテーブルである。また、変動パターンテーブルには、結果がはずれとなる場合に選択されるはずれ変動パターンテーブル、結果が15R当りや2R当りとなる場合に選択される大当り変動パターンテーブル等が含まれる。さらに、これらのパターンテーブルには、後半変動パターンテーブル、前半変動パターンテーブルが含まれている。
また、リーチ(リーチ状態)とは、表示状態が変化可能な表示装置を有し、該表示装置が時期を異ならせて複数の表示結果を導出表示し、該複数の表示結果が予め定められた特別結果態様となった場合に、遊技状態が遊技者にとって有利な遊技状態(特別遊技状態)となる遊技機10において、複数の表示結果の一部がまだ導出表示されていない段階で、既に導出表示されている表示結果が特別結果態様となる条件を満たしている表示状態をいう。また、別の表現をすれば、リーチ状態とは、表示装置の変動表示制御が進行して表示結果が導出表示される前段階にまで達した時点でも、特別結果態様となる表示条件からはずれていない表示態様をいう。そして、例えば、特別結果態様が揃った状態を維持しながら複数の変動表示領域による変動表示を行う状態(いわゆる全回転リーチ)もリーチ状態に含まれる。また、リーチ状態とは、表示装置の表示制御が進行して表示結果が導出表示される前段階にまで達した時点での表示状態であって、表示結果が導出表示される以前に決定されている複数の変動表示領域の表示結果の少なくとも一部が特別結果態様となる条件を満たしている場合の表示状態をいう。
よって、例えば、特図変動表示ゲームに対応して表示装置に表示される飾り特図変動表示ゲームが、表示装置における左、中、右の変動表示領域の各々で所定時間複数の識別情報を変動表示した後、左、右、中の順で変動表示を停止して結果態様を表示するものである場合、左、右の変動表示領域で、特別結果態様となる条件を満たした状態(例えば、同一の識別情報)で変動表示が停止した状態がリーチ状態となる。またこの他に、すべての変動表示領域の変動表示を一旦停止した時点で、左、中、右のうち何れか二つの変動表示領域で特別結果態様となる条件を満たした状態(例えば、同一の識別情報となった状態、ただし特別結果態様は除く)をリーチ状態とし、このリーチ状態から残りの一つの変動表示領域を変動表示するようにしても良い。
そして、このリーチ状態には複数のリーチ演出が含まれ、特別結果態様が導出される可能性が異なる(信頼度が異なる)リーチ演出として、ノーマルリーチ、スペシャル1リーチ、スペシャル2リーチ、スペシャル3リーチ、プレミアリーチ等が設定されている。なお、信頼度は、リーチなし<ノーマルリーチ<スペシャル1リーチ<スペシャル2リーチ<スペシャル3リーチ<プレミアリーチの順に高くなるようになっている。また、このリーチ状態は、少なくとも特図変動表示ゲームで特別結果態様が導出される場合(大当りとなる場合)における変動表示態様に含まれるようになっている。即ち、特図変動表示ゲームで特別結果態様が導出されないと判定すると(はずれとなる場合)における変動表示態様に含まれることもある。よって、リーチ状態が発生した状態は、リーチ状態が発生しない場合に比べて大当りとなる可能性の高い状態である。
ここで、CPU111Aは、始動記憶手段としてのRAM111Cに記憶された始動記憶に基づく特図変動表示ゲームにおいてリーチ状態を発生可能なリーチ状態発生手段をなす。
CPU111Aは、ROM111B内の遊技制御用プログラムを実行して、払出制御装置200や演出制御装置300に対する制御信号(コマンド)を生成したりソレノイドや表示装置の駆動信号を生成して出力して遊技機10全体の制御を行う。
また、図示しないが、遊技用マイコン111は、特図変動表示ゲームの大当り判定用乱数や大当りの図柄を決定するための大当り図柄用乱数、特図変動表示ゲームでの変動パターン(各種リーチやリーチ無しの変動表示における変動表示ゲームの実行時間等を含む)を決定するための変動パターン乱数、普図変動表示ゲームの当たり判定用乱数等を生成するための乱数生成回路と、発振回路113からの発振信号(原クロック信号)に基づいてCPU111Aに対する所定周期(例えば、4ミリ秒)のタイマ割込み信号や乱数生成回路の更新タイミングを与えるクロックを生成するクロックジェネレータを備えている。
また、CPU111Aは、後述する特図ゲーム処理における始動口スイッチ監視処理(ステップA1)や特図普段処理(ステップA9)にて、ROM111Bに記憶されている複数の変動パターンテーブルの中から、何れか一の変動パターンテーブルを取得する。具体的には、CPU111Aは、特図変動表示ゲームの遊技結果(大当り或いははずれ)や、現在の遊技状態としての特図変動表示ゲームの確率状態(通常確率状態或いは高確率状態)、現在の遊技状態としての普通変動入賞装置37の動作状態(通常動作状態或いは時短動作状態)、始動記憶数などに基づいて、複数の変動パターンテーブルの中から、何れか一の変動パターンテーブルを選択して取得する。
払出制御装置200は、図示しないが、CPU、ROM、RAM、入力インタフェース、出力インタフェース等を備え、遊技制御装置100からの賞球払出し指令(コマンドやデータ)に従って、払出ユニットの払出モータを駆動させ、賞球を払い出させるための制御を行う。また、払出制御装置200は、カードユニットからの貸球要求信号に基づいて払出ユニットの払出モータを駆動させ、貸球を払い出させるための制御を行う。
遊技用マイコン111の入力部120には、始動入賞口36内の始動口1スイッチ36a、普通変動入賞装置37内の始動口2スイッチ37a、普図始動ゲート34内のゲートスイッチ34a、一般入賞口スイッチ35a、カウントスイッチ38aに接続され、これらのスイッチから供給されるハイレベルが11Vでロウレベルが7Vのような負論理の信号が入力され、0V−5Vの正論理の信号に変換するインタフェースチップ(近接I/F)121が設けられている。近接I/F121は、入力の範囲が7V−11Vとされることで、近接スイッチのリード線が不正にショートされたり、スイッチがコネクタから外されたり、リード線が切断されてフローティングになったような異常な状態を検出することができ、異常検知信号を出力するように構成されている。
近接I/F121の出力はすべて第2入力ポート122へ供給されデータバス140を介して遊技用マイコン111に読み込まれるとともに、主基板100から中継基板70を介して図示しない試射試験装置へ供給されるようになっている。また、近接I/F121の出力のうち始動口1スイッチ36aと始動口2スイッチ37aの検出信号は、第2入力ポート122の他、反転回路112を介して遊技用マイコン111へ入力されるように構成されている。反転回路112を設けているのは、遊技用マイコン111の信号入力端子が、マイクロスイッチなどからの信号が入力されることを想定し、かつ負論理、即ち、ロ
ウレベル(0V)を有効レベルとして検知するように設計されているためである。
従って、始動口1スイッチ36aと始動口2スイッチ37aとしてマイクロスイッチを使用する場合には、反転回路112を設けずに直接遊技用マイコン111へ検出信号を入力させるように構成することができる。つまり、始動口1スイッチ36aと始動口2スイッチ37aからの負論理の信号を直接遊技用マイコン111へ入力させたい場合には、近接スイッチを使用することはできない。上記のように近接I/F121は、信号のレベル変換機能を有する。このようなレベル変換機能を可能にするため、近接I/F121には、電源装置400から通常のICの動作に必要な例えば5Vのような電圧の他に、12Vの電圧が供給されるようになっている。
また、入力部120には、遊技機10の前面枠12等に設けられた不正検出用の磁気センサスイッチ65及び振動センサスイッチ62からの信号及び上記近接I/F121により変換された始動入賞口36内の始動口1スイッチ36a、普通変動入賞装置37内の始動口2スイッチ37a、ゲートスイッチ34a、一般入賞口スイッチ35a、カウントスイッチ38aからの信号を取り込んでデータバス140を介して遊技用マイコン111に供給する第2入力ポート122が設けられている。第2入力ポート122が保持しているデータは、遊技用マイコン111が第2入力ポート122に割り当てられているアドレスをデコードすることによってイネーブル信号CE1をアサート(有効レベルに変化)することよって、読み出すことができる。後述の他のポートも同様である。
さらに、入力部120には、遊技機10のガラス枠15等に設けられた前枠開放検出スイッチ63及び前面枠(遊技枠)12等に設けられた遊技枠開放検出スイッチ64からの信号及び払出制御装置200からの払出異常を示すステータス信号や払出し前の遊技球の不足を示すシュート球切れスイッチ信号、オーバーフローを示すオーバーフロースイッチ信号を取り込んでデータバス140を介して遊技用マイコン111に供給する第1入力ポート123が設けられている。オーバーフロースイッチ信号は、下皿23に遊技球が所定量以上貯留されていること(満杯になったこと)を検出したときに出力される信号である。
また、入力部120には、電源装置400からの停電監視信号や初期化スイッチ信号、リセット信号などの信号を遊技用マイコン111等に入力するためのシュミットトリガ回路124が設けられており、シュミットトリガ回路124はこれらの入力信号からノイズを除去する機能を有する。電源装置400からの信号のうち停電監視信号と初期化スイッチ信号は、一旦第1入力ポート123に入力され、データバス140を介して遊技用マイコン111に取り込まれる。つまり、前述の各種スイッチからの信号と同等の信号として扱われる。遊技用マイコン111に設けられている外部からの信号を受ける端子の数には制約があるためである。
一方、シュミットトリガ回路124によりノイズ除去されたリセット信号RSTは、遊技用マイコン111に設けられているリセット端子に直接入力されるとともに、出力部130の各ポートに供給される。また、リセット信号RSTは出力部130を介さずに直接中継基板70に出力することで、試射試験装置へ出力するために中継基板70のポート(図示省略)に保持される試射試験信号をオフするように構成されている。また、リセット信号RSTを中継基板70を介して試射試験装置へ出力可能に構成するようにしてもよい。なお、リセット信号RSTは入力部120の各ポート122,123には供給されない。リセット信号RSTが入る直前に遊技用マイコン111によって出力部130の各ポートに設定されたデータはシステムの誤動作を防止するためリセットする必要があるが、リセット信号RSTが入る直前に入力部120の各ポートから遊技用マイコン111が読み込んだデータは、遊技用マイコン111のリセットによって廃棄されるためである。
出力部130は、データバス140に接続され払出制御装置200へ出力する4ビットのデータ信号とデータの有効/無効を示す制御信号(データストローブ信号)及び演出制御装置300へ出力するデータストローブ信号SSTBを生成する第1出力ポート131と、演出制御装置300へ出力する8ビットのデータ信号を生成する第2出力ポート132とを備える。遊技制御装置100から払出制御装置200及び演出制御装置300へは、パラレル通信でデータが送信される。また、出力部130には、演出制御装置300の側から遊技制御装置100へ信号を入力できないようにするため、即ち、片方向通信を担保するために第1出力ポート131からの上記データストローブ信号SSTB及び第2出力ポート132からの8ビットのデータ信号を出力する単方向のバッファ133が設けられている。なお、第1出力ポート131から払出制御装置200へ出力する信号に対してもバッファを設けるようにしてもよい。
さらに、出力部130には、データバス140に接続され図示しない認定機関の試射試験装置へ変動表示ゲームの特図図柄情報を知らせるデータや大当りの確率状態を示す信号などを中継基板70を介して出力するバッファ134が実装可能に構成されている。このバッファ134は遊技店に設置される実機(量産販売品)としてのパチンコ遊技機の遊技制御装置(主基板)には実装されない部品である。なお、前記近接I/F121から出力される始動口スイッチなど加工の必要のないスイッチの検出信号は、バッファ134を通さずに中継基板70を介して試射試験装置へ供給される。
一方、磁気センサスイッチ65や振動センサスイッチ62のようにそのままでは試射試験装置へ供給できない検出信号は、一旦遊技用マイコン111に取り込まれて他の信号若しくは情報に加工されて、例えば遊技機が遊技制御できない状態であることを示すエラー信号としてデータバス140からバッファ134、中継基板70を介して試射試験装置へ供給される。なお、中継基板70には、上記バッファ134から出力された信号を取り込んで試射試験装置へ供給するポートや、バッファを介さないスイッチの検出信号の信号線を中継して伝達するコネクタなどが設けられている。中継基板70上のポートには、遊技用マイコン111から出力されるチップイネーブル信号CEも供給され、該信号CEにより選択制御されたポートの信号が試射試験装置へ供給されるようになっている。
また、出力部130には、データバス140に接続され特別変動入賞装置38を開成させるソレノイド(大入賞口ソレノイド)38bや普通変動入賞装置37の可動部材37bを開成させるソレノイド(普電ソレノイド)37cの開閉データと、一括表示装置80のLEDのカソード端子が接続されているデジット線のオン/オフデータを出力するための第3出力ポート135、一括表示装置80に表示する内容に応じてLEDのアノード端子が接続されているセグメント線のオン/オフデータを出力するための第4出力ポート136、大当り情報など遊技機10に関する情報を外部情報端子71へ出力するための第5出力ポート137が設けられている。外部情報端子71から出力された遊技機10に関する情報は、例えば遊技店に設置された情報収集端末や遊技場内部管理装置(図示省略)に供給される。
さらに、出力部130には、第3出力ポート135から出力される大入賞口ソレノイド38bの開閉データ信号を受けてソレノイド駆動信号や普電ソレノイド37cの開閉データ信号を受けてソレノイド駆動信号を生成し出力する第1ドライバ(駆動回路)138a、第3出力ポート135から出力される一括表示装置80の電流引き込み側のデジット線のオン/オフ駆動信号を出力する第2ドライバ138b、第4出力ポート136から出力される一括表示装置80の電流供給側のセグメント線のオン/オフ駆動信号を出力する第3ドライバ138c、第5出力ポート137から管理装置等の外部装置へ供給する外部情報信号を外部情報端子71へ出力する第4ドライバ138dが設けられている。
上記第1ドライバ138aには、32Vで動作するソレノイドを駆動できるようにするため、電源電圧としてDC32Vが電源装置400から供給される。また、一括表示装置80のセグメント線を駆動する第3ドライバ138cには、DC12Vが供給される。デジット線を駆動する第2ドライバ138bは、表示データに応じたデジット線を電流で引き抜くためのものであるため、電源電圧は12V又は5Vのいずれであってもよい。12Vを出力する第3ドライバ138cによりセグメント線を介してLEDのアノード端子に電流を流し込み、接地電位を出力する第2ドライバ138bによりカソード端子よりセグメント線を介して電流を引き抜くことで、ダイナミック駆動方式で順次選択されたLEDに電源電圧が流れて点灯される。外部情報信号を外部情報端子71へ出力する第4ドライバ138dは、外部情報信号に12Vのレベルを与えるため、DC12Vが供給される。なお、バッファ134や第3出力ポート135、第1ドライバ138a等は、遊技制御装置100の出力部130、即ち、主基板ではなく、中継基板70側に設けるようにしてもよい。
さらに、出力部130には、外部の検査装置500へ各遊技機の識別コードやプログラムなどの情報を送信するためのフォトカプラ139が設けられている。フォトカプラ139は、遊技用マイコン111が検査装置500との間でシリアル通信によってデータの送受信を行なえるように双方通信可能に構成されている。なお、かかるデータの送受信は、通常の汎用マイクロプロセッサと同様に遊技用マイコン111が有するシリアル通信端子を利用して行なわれるため、入力ポート122,123のようなポートは設けられていない。
次に、図5を用いて、演出制御装置300の構成について説明する。
演出制御装置300は、遊技用マイコン111と同様にアミューズメントチップ(IC)からなる主制御用マイコン(1stCPU)311と、該1stCPU311の制御下でもっぱら映像制御を行う映像制御用マイコン(2ndCPU)312と、該2ndCPU312からのコマンドやデータに従って表示装置41への映像表示のための画像処理を行うグラフィックプロセッサとしてのVDP(Video Display Processor)313と、各種のメロディや効果音などをスピーカ19a,19bから再生させるため音の出力を制御する音源LSI314を備えている。
上記主制御用マイコン(1stCPU)311と映像制御用マイコン(2ndCPU)312には、各CPUが実行するプログラムを格納したPROM(プログラマブルリードオンリメモリ)からなるプログラムROM321、322がそれぞれ接続され、VDP313にはキャラクタ画像や映像データが記憶された画像ROM323が接続され、音源LSI314には音声データが記憶された音ROM324が接続されている。主制御用マイコン(1stCPU)311は、遊技用マイコン111からのコマンドを解析し、演出内容を決定して映像制御用マイコン312へ出力映像の内容を指示したり、音源LSI314への再生音の指示、装飾ランプの点灯、モータの駆動制御、演出時間の管理などの処理を実行する。主制御用マイコン(1stCPU)311と映像制御用マイコン(2ndCPU)312の作業領域を提供するRAMは、それぞれのチップ内部に設けられている。なお、作業領域を提供するRAMはチップの外部に設けるようにしてもよい。
特に限定されるわけではないが、主制御用マイコン(1stCPU)311と映像制御用マイコン(2ndCPU)312との間、主制御用マイコン(1stCPU)311と音源LSI314との間は、それぞれシリアル方式でデータの送受信が行なわれ、映像制御用マイコン(2ndCPU)312との間、主制御用マイコン(1stCPU)311とVDP313との間は、パラレル方式でデータの送受信が行なわれるように構成されている。パラレル方式でデータを送受信することで、シリアルの場合よりも短時間にコマンドやデータを送信することができる。VDP313には、画像ROM323から読み出されたキャラクタなどの画像データを展開したり加工したりするのに使用される超高速なVRAM(ビデオRAM)313aや、画像を拡大、縮小処理するためのスケーラ313b、LVDS(小振幅信号伝送)方式で表示装置41へ送信する映像信号を生成する信号変換回路313cなどが設けられている。
VDP313から主制御用マイコン311へは表示装置41の映像と前面枠12や遊技盤30に設けられている装飾ランプの点灯を同期させるために垂直同期信号VSYNCが入力される。さらに、VDP313から映像制御用マイコン312へは、VRAMへの描画の終了等処理状況を知らせるため割込み信号INT0〜n及び映像制御用マイコン312からのコマンドやデータの受信待ちの状態にあることを知らせるためのウェイト信号WAITが入力される。また、映像制御用マイコン312から主制御用マイコン311へは、映像制御用マイコン312が正常に動作していることを知らせるとともにコマンドの送信タイミングを与える同期信号SYNCが入力される。主制御用マイコン311と音源LSI314との間は、ハンドシェイク方式でコマンドやデータの送受信を行うために、呼び掛け(コール)信号CTSと応答(レスポンス)信号RTSが交換される。
なお、映像制御用マイコン(2ndCPU)312には、主制御用マイコン(1stCPU)311よりも高速なつまり高価なCPUが使用されている。主制御用マイコン(1stCPU)311とは別に映像制御用マイコン(2ndCPU)312を設けて処理を分担させることによって、主制御用マイコン(1stCPU)311のみでは実現困難な大画面で動きの速い映像を表示装置41に表示させることが可能となるとともに、映像制御用マイコン(2ndCPU)312と同等な処理能力を有するCPUを2個使用する場合に比べてコストの上昇を抑制することができる。また、CPUを2つ設けることによって、2つのCPUの制御プログラムを別々に並行して開発することが可能となり、これによって新機種の開発期間を短縮することができる。
また、演出制御装置300には、遊技制御装置100から送信されてくるコマンドを受信するインタフェースチップ(コマンドI/F)331が設けられている。このコマンドI/F331を介して、遊技制御装置100から演出制御装置300へ送信された変動開始コマンド、客待ちデモコマンド、ファンファーレコマンド、確率情報コマンド、及びエラー指定コマンド等を、演出制御指令信号として受信する。遊技制御装置100の遊技用マイコン111はDC5Vで動作し、演出制御装置300の主制御用マイコン(1stCPU)311はDC3.3Vで動作するため、コマンドI/F331には信号のレベル変換の機能が設けられている。
また、演出制御装置300には、遊技盤30(センターケース40を含む)に設けられているLED(発光ダイオード)を有する盤装飾装置42を駆動制御する盤装飾LED制御回路332、前面枠12に設けられているLED(発光ダイオード)を有する枠装飾装置(例えば枠装飾装置18等)を駆動制御する枠装飾LED制御回路333、遊技盤30(センターケース40を含む)に設けられている盤演出装置(例えば表示装置41における演出表示と協働して演出効果を高める電動役物等)44を駆動制御する盤演出モータ/SOL制御回路334、前面枠12に設けられているモータ(例えば前記ムービングライト16を動作させるモータ等)45を駆動制御する枠演出モータ制御回路335が設けられている。なお、ランプやモータ及びソレノイドなどを駆動制御するこれらの制御回路332〜335は、アドレス/データバス304を介して主制御用マイコン(1stCPU)311と接続されている。
さらに、演出制御装置300には、前面枠12に設けられた演出ボタン25やセレクトボタン29に内蔵されている内蔵スイッチ25aや上記盤演出装置44内のモータの初期位置を検出する演出モータスイッチのオン/オフ状態を検出して主制御用マイコン(1stCPU)311へ検出信号を入力するスイッチ入力回路336、前面枠12に設けられた上スピーカ19aを駆動するオーディオパワーアンプなどからなるアンプ回路337a、前面枠12に設けられた下スピーカ19bを駆動するアンプ回路337bが設けられている。
電源装置400の通常電源部410は、上記のような構成を有する演出制御装置300やそれによって制御される電子部品に対して所望のレベルの直流電圧を供給するため、モータやソレノイドを駆動するためのDC32V、液晶パネルからなる表示装置41を駆動するためのDC12V、コマンドI/F331の電源電圧となるDC5Vの他に、LEDやスピーカを駆動するためのDC18Vやこれらの直流電圧の基準としたり電源モニタランプを点灯させるのに使用するNDC24Vの電圧を生成するように構成されている。さらに、主制御用マイコン(1stCPU)311や映像制御用マイコン(2ndCPU)312として、3.3Vあるいは1.2Vのような低電圧で動作するLSIを使用する場合には、DC5Vに基づいてDC3.3VやDC1.2Vを生成するためのDC−DCコンバータが演出制御装置300に設けられる。なお、DC−DCコンバータは通常電源部410に設けるようにしてもよい。
電源装置400の制御信号生成部430により生成されたリセット信号RSTは、主制御用マイコン311、映像制御用マイコン312、VDP313、音源LSI314、ランプやモータなどを駆動制御する制御回路332〜335、スピーカを駆動するアンプ回路337a、337bに供給され、これらをリセット状態にする。また、この実施例においては、映像制御用マイコン312の有する汎用のポートを利用して、VDP313に対するリセット信号を生成して供給する機能を有するように構成されている。これにより、映像制御用マイコン312とVDP313の動作の連携性を向上させることができる。
次に、これらの制御回路において行われる遊技制御について説明する。
遊技制御装置100の遊技用マイコン111のCPU111Aでは、普図始動ゲート34に備えられたゲートスイッチ34aからの遊技球の検出信号の入力に基づき、普図の当たり判定用乱数値を抽出してROM111Bに記憶されている判定値と比較し、普図変動表示ゲームの当たり外れを判定する処理を行う。そして、表示部83の普図表示器に、識別図柄を所定時間変動表示した後、停止表示する普図変動表示ゲームを表示する処理を行う。この普図変動表示ゲームの結果が当たりの場合は、表示部83の普図表示器に特別の結果態様を表示するとともに、普電ソレノイド37cを動作させ、普通変動入賞装置37の開閉部材37b、37bを所定時間(例えば、0.3秒間)上述のように開放する制御を行う。
なお、普図変動表示ゲームの結果がはずれの場合は、表示部83の普図表示器にはずれの結果態様を表示する制御を行う。
また、始動入賞口36に備えられた始動口1スイッチ36aからの遊技球の検出信号の入力に基づき始動入賞(始動記憶)を記憶し、この始動記憶に基づき、第1特図変動表示ゲームの大当たり判定用乱数値を抽出してROM111Bに記憶されている判定値と比較し、第1特図変動表示ゲームの当たり外れを判定する処理を行う。
また、普通変動入賞装置37に備えられた始動口2スイッチ37aからの遊技球の検出信号の入力に基づき始動記憶を記憶し、この始動記憶に基づき、第2特図変動表示ゲームの大当たり判定用乱数値を抽出してROM111Bに記憶されている判定値と比較し、第2特図変動表示ゲームの当たり外れを判定する処理を行う。
そして、遊技制御装置100のCPU111Aは、上記の第1特図変動表示ゲームや第2特図変動表示ゲームの判定結果を含む制御信号(演出制御コマンド)を、演出制御装置300に出力する。そして、特図1表示器81や特図2表示器82に、識別図柄を所定時間変動表示した後、停止表示する特図変動表示ゲームを表示する処理を行う。
また、演出制御装置300では、遊技制御装置100からの制御信号に基づき、表示装置41で特図変動表示ゲームに対応した飾り特図変動表示ゲームを表示する処理を行う。
さらに、演出制御装置300では、遊技制御装置100からの制御信号に基づき、スピーカ19a,19bからの音の出力、各種LEDの発光を制御する処理等を行う。
そして、遊技制御装置100のCPU111Aは、特図変動表示ゲームの結果が当たりの場合は、特図1表示器81や特図2表示器82に特別結果態様を表示するとともに、特別遊技状態を発生させる処理を行う。
特別遊技状態を発生させる処理においては、CPU111Aは、例えば、大入賞口ソレノイド38bにより特別変動入賞装置38の開閉扉38cを開放させ、大入賞口内への遊技球の流入を可能とする制御を行う。
そして、大入賞口に所定個数(例えば、10個)の遊技球が入賞するか、大入賞口の開放から所定時間(例えば、25秒又は1秒)が経過するかの何れかの条件が達成されるまで大入賞口を開放することを1ラウンドとし、これを所定ラウンド回数(例えば、15回又は2回)継続する(繰り返す)制御(サイクル遊技)を行う。
また、特図変動表示ゲームの結果がはずれの場合は、特図1表示器81や特図2表示器82にはずれの結果態様を表示する制御を行う。
また、遊技制御装置100は、特図変動表示ゲームの結果態様に基づき、特別遊技状態の終了後に、遊技状態として確変状態を発生可能となっている。
この確変状態は、特図変動表示ゲームにて当り結果となる確率が、通常確率状態に比べて高い状態(高確率状態)である。また、第1特図変動表示ゲーム及び第2特図変動表示ゲームのどちらの特図変動表示ゲームの結果態様に基づき確変状態となっても、第1特図変動表示ゲーム及び第2特図変動表示ゲームの両方が確変状態となる。
また、遊技制御装置100は、特図変動表示ゲームの結果態様に基づき、特別遊技状態の終了後に、遊技状態として時短状態を発生可能となっている。
この時短状態においては、普図変動表示ゲーム及び普通変動入賞装置37を時短動作状態とする制御を行う。具体的には、時短状態においては、上述の普図変動表示ゲームの実行時間が第1の変動表示時間よりも短い第2の変動表示時間となるように制御され(例えば、10秒が1秒)、これにより、単位時間当りの普通変動入賞装置37の開放回数が実質的に多くなるように制御される。また、時短状態においては、普図変動表示ゲームが当り結果となって普通変動入賞装置37が開放される場合に、開放時間が通常状態の第1開放時間よりも長い第2開放時間となるように制御される(例えば、0.3秒が1.7秒)。また、時短状態においては、普図変動表示ゲームの1回の当り結果に対して、普通変動入賞装置37の開放回数が1回の第1開放回数ではなく、2回以上の複数回(例えば、3回)の第2開放回数に設定される。
なお、普図変動表示ゲームの実行時間を第2の変動表示時間(例えば、1秒)とする制御と、普通変動入賞装置37の開放態様を開放時間が第2開放時間(例えば、1.7秒)とし、且つ、普図変動表示ゲームの1回の当り結果に対する開放回数が第2開放回数(例えば、3回)とする制御は、何れか一方のみを行っても良いし、両方を行っても良い。
これにより、普通変動入賞装置37に遊技球が入賞し易くなり、第2特図変動表示ゲームの始動が容易となる。
次に、遊技制御装置100による遊技制御処理について説明する。この遊技制御処理は
、遊技を統括的に制御するメイン処理と、所定時間ごと(例えば、2mSecごと)に行われるタイマ割込処理とからなる。図5は、メイン処理を説明するためのフローチャートである。このメイン処理は、遊技制御装置100のCPU111Aが、起動直後に、ROM31bに記憶されているメイン処理プログラムを読み出して実行することにより実現される。
図5に示すように、メイン処理では、初めにプログラム開始時の処理として、電源投入時の初期化処理(ステップS1)、停電復旧処理(ステップS2)、タイマ割込み信号や乱数更新トリガ信号を生成するCTC(カウンタ・タイマ・サーキット)を起動する処理(ステップS3)を行う。次に、メインループ処理としてループの処理を行う。このループの処理では、割込みを禁止する処理を行い(ステップS4)、当たり判定用乱数などの乱数の初期値を更新して乱数の時間的な規則性を崩すための初期値乱数更新処理を行う(ステップS5)。その後、割込みを許可する処理を行う(ステップS6)。
そして、RAM111Cの停電検査領域をチェックし、停電が発生したか否かの判定を行う(ステップS7)。停電検査領域には、停電により遊技機の電源が遮断された場合に、チェックデータが設定されるようになっており、通常時はチェックデータが記憶されていない。よって、このチェックデータの有無を判定することで、停電が発生したか否かを判定することができる。ステップS7において、停電が発生していないと判定した場合(ステップS7;N)は、ステップS4に移行し、ステップS4〜S7の処理を繰り返す。一方、ステップS7において、停電が発生したと判定した場合(ステップS7;Y)は、停電発生時の処理を行う(ステップS8)。停電発生の直後は、バックアップ電源により停電発生時の処理を実行可能な電力が供給されるようになっている。
この停電発生時の処理(ステップS8)では、まず、割込みを禁止する処理を行う。そして、全出力ポートをOFF(オフ)にする処理を行い、停電検査領域をクリアする処理を行う。さらに、停電復旧検査領域に停電復旧検査領域チェックデータをセーブする処理を行った後、RAM111Cの電源遮断時のチェックサムを算出する処理を行い、RAM111Cへのアクセスを禁止する処理を行って遊技機の電源遮断を待つ。このように、停電復旧検査領域に停電復旧検査領域チェックデータをセーブするとともに、電源遮断時のチェックサムを算出することで、電源の遮断の前にRAM111Cに記憶されていた情報が正しくバックアップされているかを電源投入時に判断することができる。
図6は、タイマ割込処理を説明するためのフローチャートである。このタイマ割込処理は、メイン処理のステップS6において割込み許可がなされた後に実行される。図6に示すように、ステップS11では、タイマ割込要求が発生したとき(割込許可がなされたとき)に、レジスタに格納されているデータをRAM111Cに待避する。ステップS12では、各種センサ(特図1始動口センサ36a、特図2始動口センサ37a、普図ゲートスイッチ34a、一般入賞口スイッチ35a、カウントスイッチ38a等)からの検出信号を入力する。また、各種処理でセットされた出力データをソレノイド(大入賞口SOL38b、普電SOL37c)や表示器(特図1表示器81、特図2表示器82、普図表示器23等)に出力する。
ステップS13では、各種処理で送信バッファにセットされたコマンドを演出制御装置300等に出力する(コマンド送信処理)。ステップS14では、特図当たり判定用乱数、図柄決定用乱数、普図当たり判定用乱数を更新する(乱数更新処理1)。ステップS15では、乱数の時間的な規則性を崩すために乱数の初期値を更新する(初期値乱数更新処理)。
ステップS16では、特図変動表示ゲームに関連した飾り特図変動表示ゲームにおける
変動パターンを決定するための変動パターン決定用乱数、変動パターン決定用テーブルを設定するためテーブル判定用乱数を更新する(乱数更新処理2)。ステップS17では、特図1始動口センサ36a、特図2始動口センサ37a、普図ゲートスイッチ34a、一般入賞口スイッチ35a、カウントスイッチ38a等から検出信号の入力があるか否かを監視する(入賞口SW監視処理)。ステップS18では、各入賞口に対応して設けられたセンサ、球切れセンサ、払出球検出センサ、オーバーフローセンサ、枠開放検出センサ(何れも図示略)等からの検出信号に基づいて、異常状態が発生していないかを監視する(エラー監視処理)。
ステップS19では、特図変動表示ゲームに関する処理を行う(特図ゲーム処理)。この特図ゲーム処理についての詳細は後述する。ステップS20では、普図変動表示ゲームに関する処理を行う(普図ゲーム処理)。この普図ゲーム処理において普図当たり抽選が実行される。ステップS13において演出制御装置300等に送信される演出制御コマンドは、主としてステップS19の特図ゲーム処理又はステップS20の普図ゲーム処理により生成される。ステップS21では、遊技に関する各種情報を表示する表示器(セグメントLED)80に関する処理を行う(セグメントLED編集処理)。
ステップS22では、外部の管理装置に出力する信号を出力バッファにセットする処理を行う(外部情報編集処理)。ステップS23では、タイマ割込み処理が終了したことを宣言する処理を行う。ステップS24では、ステップS11でRAM111Cに待避しておいたレジスタのデータを復帰する処理を行う。ステップS25では、タイマ割込処理が完了し、割込要求を受け付け可能な状態となったことを設定する処理を行う。
図7及び図8は、特図ゲーム処理(図6のステップS19)の制御手順の一例を示すフローチャートである。
特図ゲーム処理では、まずステップS101で、図6のステップS17(入賞口SW監視処理)における監視結果(検出信号の有無)に基づいて、特図1始動口36への入賞(特図1始動入賞)があるか否かを判定する。そして、特図1始動口36への入賞があると判定した場合(ステップS101;Y)はステップS102に移行し、特図1始動口36への入賞がないと判定した場合(ステップS101;N)はステップS108に移行する。ステップS102では、現在の特図1始動記憶数(保留数)を取得する。
ステップS103では、特図1始動記憶数が4以上であるか否かを判定する。そして、特図1始動記憶数が4以上であると判定した場合(ステップS103;Y)、すなわち、特図1始動記憶の上限数を超えている場合(保留4)はステップS106に移行し、特図1始動記憶数が4以上でない(保留0〜3)と判定した場合(ステップS103;N)はステップS104に移行する。ステップS104では、特図1始動記憶数を1加算して更新する。ステップS104に続いてステップS105を実行する。ステップS105では、更新した特図1始動記憶に対応する各種乱数を抽出し、記憶する。ここで、特図1始動記憶に対応する各種乱数とは、特図当たり判定用乱数、停止図柄決定用乱数、変動パターン決定用乱数などである。ステップS105を実行するとステップS107へ移行する。
ステップS103で特図1始動記憶数が4以上であると判定して移行したステップS106では、特図1始動記憶が上限数を超えている旨の始動記憶オーバーフロー情報を設定する。ステップS106を実行するとステップS107へ移行する。ステップS107では、更新された保留数を示す保留数コマンドや、先読み予告の実行を制御するための連続予告コマンド、始動記憶オーバーフロー情報を、特図1始動記憶に係る演出制御コマンドとして設定する。この演出制御コマンドは、図6のステップS13のコマンド送信処理で演出制御装置300に送信される。演出制御装置300では、この演出制御コマンドに基づき、先読み予告に関する処理や飾り特図始動記憶表示を行う処理などを行う。
ここで、連続予告コマンドとは、当該始動記憶に係る特図当たり判定用乱数が大当たり判定値又は小当たり判定値と一致するか否かを判定した結果(特図当たり抽選結果)と、変動パターン決定用乱数に対応する変動パターンを判定した結果を含む先読み演出に関するコマンドである。例えば、保留されている始動記憶に対応してその後実行される変動表示ゲームで、「ハズレ・ノーマルリーチ以下」や「大当たり」などに対応した演出を実行することを演出制御装置300に前もって指示する。
上記ステップS107を実行すると図8のステップS108へ移行する。ステップS108では、図6のステップS17における監視結果に基づいて、特図2始動口(普通変動入賞装置37)への入賞(特図2始動入賞)があるか否かを判定する。そして、特図2始動口への入賞があると判定した場合(ステップS108;Y)はステップS109に移行し、特図2始動口への入賞がないと判定した場合(ステップS108;N)はステップS115に移行する。ステップS109では、現在の特図2始動記憶数を取得する。その後、ステップS110で、特図2始動記憶数が4以上であるか否かを判定する。そして、特図2始動記憶数が4以上であると判定した場合(ステップS110;Y)、すなわち、特図2始動記憶の上限数を超えている場合はステップS113に移行し、特図2始動記憶数が4以上でないと判定した場合(ステップS110;N)はステップS111に移行する。ステップS111では、特図2始動記憶数を1加算して更新する。
続いてステップS112で、更新した特図2始動記憶に対応する各種乱数を抽出し、記憶する。ここで、特図2始動記憶に対応する各種乱数とは、特図当たり判定用乱数、図柄決定用乱数、変動パターン決定用乱数などである。一方、ステップS110で特図2始動記憶数が4以上であると判定して移行したステップS113では、特図2始動記憶が上限数を超えている旨の始動記憶オーバーフロー情報を設定してステップS114へ移行する。ステップS114では、更新された保留数を示す保留数コマンドや、先読み予告の実行を制御するための連続予告コマンド、始動記憶オーバーフロー情報を、特図2始動記憶に係る演出制御コマンドとして設定する。この演出制御コマンドは、図6のステップS13で演出制御装置300に送信される。演出制御装置300では、この演出制御コマンドに基づき、先読み予告に関する処理や飾り特図始動記憶表示を行う処理などを行う。
ステップS115では、特図ゲーム処理番号を取得してステップS116へ移行する。ステップS116では、ステップS115で取得した特図ゲーム処理番号に基づき特図ゲーム分岐処理を行う。この特図ゲーム分岐処理の詳細については後述する。その後、ステップS117で、後述する特図タイマの更新等を行うための特図変動制御処理を実行する。そして、特図ゲーム処理を終了する。
図9は、特図ゲーム分岐処理(図8のステップS116)の制御手順の一例を示すフローチャートである。この特図ゲーム分岐処理は、始動記憶(始動権利)に基づく特図変動表示ゲームの実行を制御するための処理であり、特図1変動表示ゲームおよび特図2変動表示ゲームの両方に共通の処理である。
まずステップS121で、特図ゲーム処理番号が“0”であるか否かを判定する。そして、特図ゲーム処理番号が“0”であると判定した場合(ステップS121;Y)はステップS122に移行し、特図ゲーム処理番号が“0”でないと判定した場合(ステップS121;N)はステップS123に移行する。ステップS122では、特図当たり抽選などを行うための特図普段処理を実行する。遊技機100では、特図2始動権利に基づく変動表示ゲームが特図1始動権利に基づく変動表示ゲームに優先して実行されるようになっている。そこで、特図普段処理では、まず特図2始動記憶があるか否かを判定し、特図2始動記憶があると判定した場合に、この特図2始動記憶に係る特図当たり判定用乱数により特図2当たり抽選を行う。そして、特図ゲーム処理番号を“1”に変更して、ステップS123へ移行する。
また、特図2始動記憶がない場合は特図1始動記憶があるか否かを判定し、特図1始動記憶があると判定した場合には、この特図1始動記憶に係る特図当たり判定用乱数により特図1当たり抽選を行う。そして、特図ゲーム処理番号を“2”に変更して、ステップS123へ移行する。なお、特図1始動記憶又は特図2始動記憶がない場合は、演出制御装置300に対して液晶表示装置41における客待ちデモ画像の表示制御を指示する客待ちデモコマンドを設定して、特図ゲーム処理番号は“0”のままステップS123へ移行する。
ステップS123では、特図ゲーム処理番号が“1”であるか否かを判定する。そして、特図ゲーム処理番号が“1”であると判定した場合(ステップS123;Y)はステップS124に移行し、特図ゲーム処理番号が“1”でないと判定した場合(ステップS123;N)はステップS125に移行する。ステップS124では、特図2変動表示ゲームに係る情報を設定するための特図2変動開始処理を実行する。この特図2変動開始処理では、例えば、特図2当たり抽選の結果が大当たりの場合に、図8のステップS112で記憶した図柄決定用乱数に基づいて大当たり図柄(大当たり種類)を判定する。また、予め設定された変動パターン決定用テーブルを参照し、図8のステップS112で記憶した変動パターン決定用乱数に基づいて変動パターン(変動時間)を決定する。大当たり図柄及び変動パターンを判定した後、当該始動記憶に係る変動時間を特図タイマにセットし、演出制御装置300に送信する演出制御コマンド(変動開始コマンド、変動パターンコマンド、保留数コマンドなど)を設定する。そして、特図ゲーム処理番号を“3”に変更して、ステップS125へ移行する。
ステップS125では、特図ゲーム処理番号が“2”であるか否かを判定する。そして、特図ゲーム処理番号が“2”であると判定した場合(ステップS125;Y)はステップS126に移行し、特図ゲーム処理番号が“2”でないと判定した場合(ステップS125;N)はステップS127に移行する。ステップS126では、特図1変動表示ゲームに係る情報を設定するための特図1変動開始処理を実行する。この特図1変動開始処理では、例えば、特図1当たり抽選の結果が大当たりの場合に、図7のステップS105で記憶した図柄決定用乱数に基づいて大当たり図柄(大当たり種類)を判定する。また、予め設定された変動パターン決定用テーブルを参照し、図7のステップS105で記憶した変動パターン決定用乱数に基づいて変動パターン(変動時間)を決定する。大当たり図柄及び変動パターンを判定した後、当該始動記憶に係る変動時間を特図タイマにセットし、演出制御装置300に送信する演出制御コマンド(変動開始コマンド、変動パターンコマンド、保留数コマンドなど)を設定する。そして、特図ゲーム処理番号を“3”に変更して、ステップS127へ移行する。
ステップS127では、特図ゲーム処理番号が“3”であるか否かを判定する。そして、特図ゲーム処理番号が“3”であると判定した場合(ステップS127;Y)はステップS128に移行し、特図ゲーム処理番号が“3”でないと判定した場合(ステップS127;N)はステップS129に移行する。ステップS128では、特図変動表示ゲームの変動時間を監視するための特図変動中処理を実行する。特図タイマ(変動時間)が0になると、特図変動表示ゲームの結果を停止表示させる時間(停止図柄表示時間)を特図タイマにセットする。そして、特図ゲーム処理番号を“4”に変更して、元の処理に復帰する。特図タイマ(変動時間)が0になるまでは、特図ゲーム処理番号を“3”としたままステップS129へ移行する。
ステップS129では、特図ゲーム処理番号が“4”であるか否かを判定する。そして、特図ゲーム処理番号が“4”であると判定した場合(ステップS129;Y)はステップS130に移行し、特図ゲーム処理番号が“4”でないと判定した場合(ステップS129;N)はステップS131に移行する。ステップS130では、図柄停止後の変動表示ゲームの制御などを行う特図表示中処理を実行する。特図タイマ(停止図柄表示時間)が0になると、特図当たり抽選結果が大当たり又は小当たりであるかを判定する。
特図当たり抽選結果が大当たり又は小当たりであると判定した場合には、大当たり又は小当たりが開始されることを演出で報知する時間(大当たり/小当たり開始時間)を特図タイマにセットし、演出制御装置300に送信する演出制御コマンド(大当たり/小当たり開始コマンド)を設定する。そして、特図ゲーム処理番号を“5”に変更して、ステップS131へ移行する。一方、特図当たり抽選結果がハズレであると判定した場合には、特図ゲーム処理番号を“0”に変更して、元の処理に復帰する。特図タイマ(停止図柄表示時間)が0になるまでは、特図ゲーム処理番号を“4”としたままステップS131へ移行する。
ステップS131では、特図ゲーム処理番号が“5”であるか否かを判定する。そして、特図ゲーム処理番号が“5”であると判定した場合(ステップS131;Y)はステップS132に移行し、特図ゲーム処理番号が“5”でないと判定した場合(ステップS131;N)はステップS133に移行する。ステップS132では、大当たり又は小当たり発生時の初期化などを行うファンファーレ/インターバル中処理を実行する。特図タイマ(大当たり/小当たり開始時間)が0になると、大当たり又は小当たりの種類に応じて規定ラウンド数(例えば、15R又は2R)をセットするとともに、大入賞口開放時間(例えば、25秒又は1秒)を特図タイマにセットする。また、ラウンド数及び大入賞口の入賞カウンタを初期化し、演出制御装置300に送信する演出制御コマンド(ラウンド開始コマンドなど)を設定する。そして、特図ゲーム処理番号を“6”に変更して、ステップS133へ移行する。特図タイマ(大当たり/小当たり開始時間)が0になるまでは、特図ゲーム処理番号を“5”としたままステップS133へ移行する。
ステップS133では、特図ゲーム処理番号が“6”であるか否かを判定する。そして、特図ゲーム処理番号が“6”であると判定した場合(ステップS133;Y)はステップS134に移行し、特図ゲーム処理番号が“6”でないと判定した場合(ステップS133;N)はステップS135に移行する。ステップS134では、大入賞口38の開閉扉を開閉動作させて、大入賞口38を開放するための大入賞口開放中処理を実行する。大入賞口の入賞カウンタが10以上となるか、特図タイマ(大入賞口開放時間)が0になると、大入賞口閉鎖時間を特図タイマにセットする。そして、特図ゲーム処理番号を“7”に変更して、ステップS135へ移行する。大入賞口38の入賞カウンタが10以上又は特図タイマ(大入賞口開放時間)が0になるまでは、特図ゲーム処理番号を“6”としたままステップS135へ移行する。
ステップS135では、特図ゲーム処理番号が“7”であるか否かを判定する。そして、特図ゲーム処理番号が“7”であると判定した場合(ステップS135;Y)はステップS136に移行し、特図ゲーム処理番号が“7”でないと判定した場合(ステップS135;N)はステップS137に移行する。ステップS136では、大入賞口38を閉鎖した後に、大入賞口38内に残存するすべての遊技球を流下させるために一定時間待機する大入賞口残存球処理を実行する。特図タイマ(大入賞口閉鎖時間)が0になると、ラウンド数が規定ラウンド数に達しているか判定する。規定ラウンド数に達している場合は、大当たり又は小当たりが終了したことを演出で報知する時間(大当たり終了時間)を特図タイマにセットするとともに、演出制御装置300に送信する演出制御コマンド(大当たり終了コマンドなど)を設定した後、特図ゲーム処理番号を“8”に変更してステップS137へ移行する。
一方、規定ラウンド数に達していない場合は、大入賞口開放時間を特図タイマにセットする。そして、ラウンド数を1加算して更新するとともに、大入賞口の入賞カウンタを0に初期化し、演出制御装置300に送信する演出制御コマンド(ラウンド開始コマンドなど)を設定した後、特図ゲーム処理番号を“6”に変更してステップS137へ移行する。特図タイマ(大入賞口閉鎖時間)が0になるまでは、特図ゲーム処理番号を“7”としたままステップS137へ移行する。
ステップS137では、特図ゲーム処理番号が“8”であるか否かを判定する。そして、特図ゲーム処理番号が“8”であると判定した場合(ステップS137;Y)はステップS138に移行し、特図ゲーム処理番号が“8”でないと判定した場合(ステップS137;N)はそのまま当該特図ゲーム分岐処理を終了して元の処理に復帰する。
ステップS138では、大当たり又は小当たり終了後の確率状態などを大当たり又は小当たりの種類に応じて変更するための大当たり終了処理を実行する。特図タイマ(大当たり終了時間)が0になると、大当たり抽選結果又は小当たり抽選結果に応じて確率状態を設定するとともに、次の特図変動表示ゲーム以降で参照する変動パターン決定用テーブルを設定する処理を行い、演出制御装置300に送信する演出制御コマンド(確率状態コマンド、移行先モードコマンドなど)を設定する。そして、特図ゲーム処理番号を“0”に変更して、当該特図ゲーム分岐処理を終了し元の処理に復帰する。特図ゲーム分岐処理は、以上のようにして実行される。
上述したように、遊技制御装置100は、特図ゲーム処理(図6のステップS19)において、始動入賞に基づいて変動表示ゲームの特図当たり判定用乱数を抽出し、始動記憶に対応付けて記憶する。また、特図当たり判定用乱数値とROM111Bに記憶されている大当たり判定値又は小当たり判定値を比較し、大当たり又は小当たりの当否を判定する(特図当たり抽選)。そして、特図始動記憶に係る始動権利(変動表示ゲームの実行権利)に基づいて、特図1表示器81又は特図2表示器82において特図変動表示ゲームを実行する。
特図当たり抽選結果が大当たりの場合は、特図1表示器81又は特図2表示器82に特別結果態様を表示させるとともに特別遊技状態を発生させる。特図当たり抽選結果が小当たりの場合は、特図1表示器81又は特図2表示器82に小当たり結果態様を表示させるとともに小当たり状態を発生させる。一方、特図変動表示ゲームの結果がハズレの場合は、特図1表示器81又は特図2表示器82にハズレの結果態様を表示させる。
特別遊技状態では、例えば、大入賞口SOL38bにより開閉扉を回動させ、大入賞口38への遊技球の流入を可能とする。そして、大入賞口38に所定個数(例えば、10個)の遊技球が入賞するか、大入賞口38の開放から所定時間(例えば、25秒または1秒)が経過するかのいずれかの条件が達成されるまでを1ラウンド(ラウンド遊技)とし、これを所定ラウンド回数(例えば、15Rまたは2R)継続する制御を行う(サイクル遊技)。小当たり状態では、例えば、大入賞口SOL38bにより開閉扉を回動させ、大入賞口38への遊技球の流入を可能とする。そして、大入賞口38の開放から所定時間(例えば、1秒)が経過するまでを1ラウンドとし、これを所定ラウンド回数(例えば、2R)継続する制御を行う。
また、遊技制御装置100は、普図ゲーム処理(図6のステップS20)において、普図始動ゲート34を遊技球が通過することに基づいて普図当たり判定用乱数を抽出し、この普図当たり判定用乱数値とROM111Bに記憶されている普図当たり判定値を比較し、普図当たりの当否を判定する(普図当たり抽選)。そして、普図始動記憶に係る始動権利に基づいて、表示部83の普図表示器において普図変動表示ゲームを実行する。普図当たり抽選結果が当たりの場合は、普図表示器に特別の結果態様を表示させるとともに、普電SOL37cにより可動部材37b,37b(普通電動役物)を所定時間開放し、特図2始動口への遊技球の流入を可能とする。一方、普図当たり抽選結果がハズレの場合は、普図表示器にハズレの結果態様を表示させる。
上述した特図ゲーム処理及び普図ゲーム処理では、特図変動表示ゲーム又は普図変動表示ゲームに応じて演出装置(例えば、液晶表示装置41等)を制御するための演出制御コマンドが生成され、演出制御装置300に出力される。演出制御装置300は、遊技制御装置100からの演出制御コマンドに基づいて、例えば、液晶表示装置41で特図変動表示ゲームに対応する飾り特図変動表示ゲームを表示させたり、始動記憶数に対応する飾り特図始動記憶を表示させたりする処理を行う。また、スピーカ19a,16bからの音の出力、枠装飾装置18,盤装飾装置42の発光を制御する処理、盤演出装置44の動作を制御する処理、枠演出装置45の動作を制御する処理等を行う。
また、演出制御装置300は、例えば図7のステップS107又は図8のS114で設定された連続予告コマンドに基づいて、先読み予告や擬似連続予告を実行するか否かを抽選し、この抽選に当選した場合に先読み予告や擬似連続予告を実行する。
ここで、先読み予告とは、保留された始動権利(始動記憶)に基づく特図当たり抽選の結果に基づいて、その保留より前に保留されている始動記憶に対応した特図変動表示ゲームにおいて実行される予告(例えば、先読み予告表示や予告演出等)である。先読み予告では、先読み予告を実行するか否かの抽選(保留先読み抽選)に当選した時点で保留されている始動記憶に対応した特図変動表示ゲーム以前の複数のゲームにおいて、相互に関連性のある演出が連続して実行してもよい。例えば、先読み予告抽選に当選した時点の保留数(始動記憶数)が4である場合は、保留1〜4の4回にわたる特図変動表示ゲーム、又は実行中の特図変動表示ゲームを含めた5回にわたる特図変動表示ゲームにおいて先読み予告を実行する。また、飾り特図記憶表示を通常とは異なる先読み予告表示とすることで、当該始動権利に基づく特図当たり抽選において当たりに当選している可能性が高いことを予告する場合もある。
また、擬似連続予告とは、1回の特図変動表示ゲームに関連した飾り特図変動表示ゲームにおいて、一時的に図柄の変動表示を停止した後、再び図柄の変動表示と停止を行い、擬似的に複数回特図変動表示ゲームが行われているように見せる予告演出である。言い換えれば、特図変動表示ゲームの途中で飾り特図変動表示ゲームにおいて特別結果態様以外の結果態様で仮停止した後に再度変動表示を開始する再変動表示を一回以上行う、いわゆる擬似連変動表示態様により行う予告演出である。また別の表現をすれば、特図変動表示ゲームの途中で飾り特図変動表示ゲームにおいて複数の識別情報を所定時間変動表示した後に停止する単位変動表示を二回以上の複数回行って結果態様を導出するいわゆる擬似連変動表示態様により行う予告演出である。
ここで、先読み予告や擬似連続予告を発生するか否かの抽選では、特図当たり抽選結果が大当たり又は小当たりである場合の発生確率が、ハズレである場合の発生確率より高く設定されている。したがって、先読み予告や擬似連続予告が実行されると、大当たり又は小当たりに対する遊技者の期待感が高まる。なお、先読み予告や擬似連続予告を発生するか否かの抽選を、演出制御装置300ではなく遊技制御装置100で実行するようにしてもよい。この場合、先読み予告や擬似連続予告の実行を指示する情報が連続予告コマンドとして演出制御装置300に送信されることとなる。さらに、演出制御装置300は、確率状態コマンドに基づいて、現在の確率状態(大当り当選確率の状態)が高い状態(いわゆる確変状態)か否かを明確に又は不明瞭に報知するステージ・モード演出を制御する。
図10は、遊技機100の制御状態を説明するための状態遷移図である。図10において、客待ち状態(待機状態)ST1は、始動入賞に基づく始動権利の発生がなく特図変動表示ゲームが実行されず所定時間継続している状態である。このとき、液晶表示装置41には客待ちデモ画像が表示される。この客待ち状態ST1において、特図1始動口36または特図2始動口(普通変動入賞装置37)に遊技球が入賞して始動権利が発生すると、変動状態ST2に移行する。
変動状態ST2は、特図変動表示ゲームを実行している状態である。変動状態ST2において特図当たり抽選に当選すると、特図変動表示ゲームで特別結果態様が導出され、大当たり状態ST3に移行する。変動状態ST2において特図当たり抽選に外れると、特図変動表示ゲームでハズレに対応する結果態様が導出される。その後、特図始動記憶があれば(特図始動記憶1〜4)、次回の特図変動表示ゲームが開始される。一方、特図始動記憶がなければ、所定時間の経過とともに客待ち状態ST1に移行する。
大当たり状態ST3は、大入賞口38が所定回数(所定ラウンド数)だけ開放され、遊技者に所定の遊技価値を付与可能な特別遊技状態が発生している状態である。大当たり状態ST3が終了したときに、特図始動記憶があれば次回の特図変動表示ゲームが開始され、特図始動記憶がなければ所定時間の経過とともに客待ち状態ST1に移行する。
図11は遊技機100における条件装置の作動を伴う大当たりの種類について示す説明図であり、図12は大当たり当選時の内訳について示す説明図である。ここで、条件装置とは、特図変動表示ゲームで大当たりが発生(大当たり図柄の停止表示)した場合に作動するもので、条件装置が作動するとは、例えば大当たり状態が発生して特別電動役物としての開閉扉を連続して作動させるための特定のフラグがセットされることを意味する。条件装置が作動しないとは、例えば小当たり抽選に当選したような場合のように上述のフラグはセットされないことを意味する。なお、「条件装置」は上記のようなソフトウェア的にオンオフされるフラグのようなソフトウェア手段であっても良いし、電気的にオンオフされるスイッチのようなハードウェア手段であっても良い。また、「条件装置」は、その作動が電動役物の連続作動に必要条件とされる装置として、パチンコ遊技機の分野においては一般的に使用されている用語であり、本明細書においても同様な意味を有する用語として使用している。
図11において、2R通常当たりとは、例えば、大当たり発生時に開閉扉の開閉動作により大入賞口38が1秒間ずつ2回開放(1秒×2R開放)され、大当たり終了後の大当たり確率が相対的に低い第1当選確率(例えば、1/316)に設定される大当たりである。2R確変当たりとは、例えば、大当たり発生時に大入賞口38が1秒×2R開放され、大当たり終了後の大当たり確率が第1当選確率より高い第2当選確率(例えば、第1当選確率の約10倍)に設定される大当たりである。
15R通常当たりとは、例えば、大当たり発生時に開閉扉の開閉動作により大入賞口38が25秒又は10個入賞×15R開放され、大当たり終了後の大当たり確率が第1当選確率に設定される大当たりである。15R確変当たりとは、例えば、大当たり発生時に開閉扉の開閉動作により大入賞口38が25秒又は10個入賞×15R開放され、大当たり終了後の大当たり確率が第2当選確率に設定される大当たりである。
電サポ(電サポ状態)とは、特図変動表示ゲームが所定回数消化されるまで、普図変動表示ゲームにおける普図当たりの当選確率を高くするとともに、普図変動表示ゲームの変動表示時間を短縮することにより、普通電動役物としての可動部材37b,37bの開閉動作を頻発させて特図2始動口(普通変動入賞装置37)に遊技球が入賞しやすくした電動役物サポート状態であり、時短とも呼ばれる。
ここで、大当たり終了後、特図変動表示ゲームが100回消化されるまで継続される電サポを電サポ1、次回大当たりまで継続される電サポを電サポ2と区別して表すこととする。したがって、例えば図11の番号「2」の2R通常当たり後の遊技状態は通常状態(
電サポ1)と表され、図11の番号「7」の2R確変当たり後の遊技状態は確変状態(電サポ2)と表される。
本実施形態の遊技機100では、「電サポなし」の状態(例えば、通常状態)における普図変動表示ゲームの変動表示時間は比較的長い時間(例えば、30秒)に設定されている。そして、普図変動表示ゲームにおいて普図当たりとなったときの特図2始動口(普通変動入賞装置37)の開放時間は短い時間(例えば、0.3秒)に設定され、1回の普図当たりに対する特図2始動口の開放回数も少なく設定されている(例えば1回)。
これに対して、「電サポあり」の状態(例えば、通常状態(電サポ1))における普図変動表示ゲームの変動表示時間は電サポなしの場合に比較して短い時間(例えば、2〜5秒)に設定されている。そして、普図変動表示ゲームにおいて普図当たりとなったときの特図2始動口の開放時間は電サポなしの場合に比較して長い時間(例えば、1秒)に設定され、1回の普図当たりに対する特図2始動口の開放回数も「電サポなし」の場合に比較して多く設定されている(例えば3回)。
このように、「電サポあり」の状態(いわゆる電サポ中)は、「電サポなし」の状態よりも特図2始動口(普通変動入賞装置37)の開放回数が増加され、特図2始動口に遊技球が入賞しやすくなっているので、特図2始動記憶はほとんど途切れることなく、「電サポあり」の状態が終了するまで特図2変動表示ゲームが主として実行されることとなる。
なお、本実施形態では、15Rよりも少ないラウンド数で大入賞口の開放時間を短くした(例えば、1秒)、いわゆる短時間開放当たりの一例として2R当たり(2R通常当たり、2R確変当たり)を採用しているが、大入賞口の開放ラウンドが2R以外となる短時間開放当たりを採用してもよい。
図11に示す大当たりの内訳すなわち各大当りの振分け割合は、例えば図12(a)、(b)に示す通りである。図12(a)、(b)に示すように、特図2変動表示ゲームにおける大当たり当選時は、特図1変動表示ゲームにおける大当たり当選時に比較して、No.4の2R確変当たり(電サポなし)に振り分けられる割合が低く設定され、その分No.8の15R確変当たり(次回大当たりまで電サポ付き)に振り分けられる割合が高く設定されている。つまり、図9のステップS124,S126で実行される大当たり図柄の判定処理では、特図2始動権利に基づく当たり抽選において当選した方が、特図1始動権利に基づく当たり抽選において当選したときより、15R大当たりとなる割合が大きくなっている。電サポ中は特図2変動表示ゲームが実行されやすくなるので、遊技者に付与される利益が最も大きいNo.8の大当たりが発生しやすくなる。
また、本実施形態の遊技機100では、特に限定されるわけではないが、大当たり判定値とは別の小当たり判定値(小当たりの当選確率は、例えば、1/220)と特図当たり判定用乱数を比較することにより当否を判定する小当たりを発生可能にされている。小当たり発生時には、2R当たりと同様に、開閉扉38cの開閉動作により大入賞口38が1秒×2R開放されるがこのとき条件装置は作動していない。小当たり発生時の挙動は、厳密には2R当たり発生時の挙動と同一でなくてもよく、類似もしくは非類似の挙動であっても構わない。大当たり当選時とは異なり、小当たり当選時には遊技状態の移行は一切行われない。
図13は、当たり終了後に移行する遊技状態について示す説明図である。図13における丸囲み数字は、図11の大当たり種類を示す番号に対応している。なお、図13では、通常状態Dにおいて特図当たり抽選に当選した場合について示しているが、遊技状態E〜Hにおいて特図当たり抽選に当選した場合もほぼ同様である。大当たりに当選することを契機とする遊技状態の移行は、遊技制御装置100により制御される。具体的には、特図ゲーム処理(図6のステップS19)内で行われる。
通常状態DにおいてNo.1(図11の丸数字「1」)の2R通常当たり(電サポなし)に当選すると、2R当たり状態Bが発生し、大入賞口38が1秒×2R開放される。そして、大当たり終了後に通常状態Dに移行する。No.2(丸数字「2」)の2R通常当たり(電サポ100回付き)に当選すると、2R当たり状態Bが発生し、大入賞口38が1秒×2R開放される。そして、大当たり終了後に通常状態(電サポ1)Fに移行する。特図変動表示ゲームが100回消化されると通常状態(電サポ1)Fから通常状態Dに移行する。
No.3の15R通常当たり(電サポ100回付き)に当選すると、15R当たり状態Cが発生し、大入賞口38が25秒又は10個入賞×15R開放される。そして、大当たり終了後に通常状態(電サポ1)Fに移行する。特図変動表示ゲームが100回消化されると通常状態(電サポ1)Fからは通常状態Dに移行する。No.4の2R確変当たり(電サポなし)に当選すると、2R当たり状態Bが発生し、大入賞口38が1秒×2R開放される。そして、大当たり終了後に確変状態Eに移行する。
No.5の2R確変当たり(電サポ100回付き)に当選すると、2R当たり状態Bが発生し、大入賞口38が1秒×2R開放される。そして、大当たり終了後に確変状態(電サポ1)Gに移行する。特図変動表示ゲームが100回消化されると確変状態(電サポ1)Gから確変状態Eに移行する。No.6の15R確変当たり(電サポ100回付き)に当選すると、15R当たり状態Cが発生し、大入賞口38が25秒又は10個入賞×15R開放される。そして、大当たり終了後に確変状態(電サポ1)Gに移行する。特図変動表示ゲームが100回消化されると確変状態(電サポ1)Gから確変状態Eに移行する。
No.7の2R確変当たり(次回大当たりまで電サポ付き)に当選すると、2R当たり状態Bが発生し、大入賞口38が1秒×2R開放される。そして、大当たり終了後に確変状態(電サポ2)Hに移行する。次回大当たりが発生するまでこの状態Hが継続される。No.8の15R確変当たり(次回大当たりまで電サポ付き)に当選すると、15R当たり状態Cが発生し、大入賞口38が25秒又は10個入賞×15R開放される。そして、大当たり終了後に確変状態(電サポ2)Hに移行する。次回大当たりが発生するまでこの状態Hが継続される。
また、通常状態Dにおいて小当たりに当選すると、小当たり状態Aが発生し、2R当たり状態Bと同様に大入賞口38が1秒×2R開放される。そして、小当たり終了後に通常状態Dに戻る。なお、通常状態Dとは異なる遊技状態E〜Hのいずれかにおいて小当たり抽選に当選した場合は、小当たり終了後には元の遊技状態に戻ることとなる。つまり、例えば確変状態Eにおいて小当たり抽選に当選した場合は、小当たり終了後も確変状態Eは継続される。
上述のように、大当たり又は小当たり終了後は、通常状態D、確変状態E、通常状態(電サポ1)F、確変状態(電サポ1)G、確変状態(電サポ2)Hのいずれかに滞在することとなる。そして、通常状態(D、F)と確変状態(E、G、H)の何れに滞在しているかを遊技者に認識させるために、遊技機100はステージ・モード演出を実行可能に構成されている。例えば、通常状態に対応するステージと確変状態に対応するステージが設けられ、液晶表示装置41における背景表示によって、そのときの遊技状態を遊技者が認識可能となっている。なお、電サポのあり/なしは特図2始動口(普通変動入賞装置37)の挙動により明白なので、通常状態か確変状態かを報知されれば、遊技者は上述した遊技状態D〜Hを区別できることとなる。
また、このステージ・モード演出において、通常状態(D、F)又は確変状態(E、G、H)の何れに滞在しているかを明確に報知しない、すなわち、1つのステージを複数の遊技状態に対応させることで、何れの遊技状態にも滞在している可能性があるように不明瞭に報知することも可能となっている。例えば、図13において点線で示す移行先の状態、すなわち小当たり終了後の通常状態D、2R通常当たり(電サポなし)終了後の通常状態D、2R確変当たり(電サポなし)終了後の確変状態Eは、当たり発生時の大入賞口38の挙動及び当たり終了後の特図2始動口(普通変動入賞装置37)の挙動から何れの状態となっているか判別できない。そこで、これらの当たり終了後には、同じステージ・モード演出(不明瞭ステージ1、図14(b))を実行することにより、何れの遊技状態に滞在しているかを明確に報知しない(不明瞭に報知する)ようにしている。これにより、2R確変当たりであったことが完全に否定されないので、遊技者に確変状態Eに移行しているかもしれないと期待させることができる。
また例えば、図13において太線で示す移行先の状態、すなわち2R通常当たり(電サポ100回付き)終了後の通常状態(電サポ1)F、2R確変当たり(電サポ100回付き)終了後の確変状態(電サポ1)Gは、当たり発生時の大入賞口38の挙動及び当たり終了後の特図2始動口(普通変動入賞装置37)の挙動から何れの状態となっているか判別できない。そこで、これらの当たり終了後には、同じステージ・モード演出(不明瞭ステージ2、図14(c))を実行することにより、何れの遊技状態に滞在しているかを明確に報知しないようにしている。これにより、2R確変当たりであったことが完全に否定されないので、遊技者に確変状態(電サポ1)Gに移行しているかもしれないと期待させることができる。なお、特図変動表示ゲームが100回消化された後は、上述した不明瞭ステージ1に移行して、確変状態であることを完全に否定しないようにしてもよい。
一方、図13において細線で示す移行先の状態、すなわち2R確変当たり(次回大当たりまで電サポ付き)終了後の確変状態(電サポ2)H、15R確変当たり(電サポ100回付き)終了後の確変状態(電サポ1)G及びこの電サポ終了後の確変状態E、並びに15R確変当たり(次回大当たりまで電サポ付き)終了後の確変状態(電サポ2)Hでは、それらの状態を明確に報知するステージ・モード演出(確変明示ステージ、図14(d))が実行されるようになっている。また、15R通常当たり(電サポ100回付き)終了後の通常状態(電サポ1)F及びこの電サポ終了後の通常状態Dでは、それらの状態を明確に報知するステージ・モード演出(通常明示ステージ、図14(a))が実行されるようになっている。
図15は、演出制御装置300により行われる本出願の第1発明に係る先読み報知処理の具体例を示す。この先読み報知処理は、遊技制御装置100からの連続予告コマンドを受信したことを条件に開始される。なお、以下の説明における始動記憶とは第1始動記憶を指し示すものであるが、第2始動記憶においても第1始動記憶の場合と同様の先読み報知処理が行われるものとする。
図15の先読み報知処理が開始されると、まずステップS140で始動記憶のオーバーフローが発生したか否かを判定する。ここで、始動記憶のオーバーフローが発生したか否かは、遊技制御装置100から始動記憶オーバーフロー情報を受信したか否かによって判定することができる。そして、始動記憶のオーバーフローが発生していると判定した場合(ステップS140;Y)は、ステップS141に移行し、始動記憶分の先読み結果を表示装置にて報知する設定(先読み予告表示の設定)をして先読み報知処理を終了する。一方、始動記憶のオーバーフローが発生していないと判定した場合(ステップS140;N)は、ステップS141をスキップして先読み報知処理を終了する。上記のように、本実施形態では、遊技制御装置100からの連続予告コマンドを受信すると必ず先読み報知処理を実行するのではなく、始動記憶のオーバーフローが発生したことを条件にして開始するようにしている。
上記のように、演出制御装置300は、始動記憶数超過判定手段(遊技制御装置100)によって始動入賞口への入賞が上限数を超えて発生したと判定された場合に、始動記憶に対する先読み予告表示を行う先読み予告表示制御手段として機能する。
これにより、始動記憶のオーバーフローが発生することにより、始動記憶の先読み結果の報知という遊技者にとって有利な状態を発生させること出来るため、始動記憶が上限値に達している状態でも、遊技者に打球発射装置の止め打ちをさせないようにすることができ、遊技機の稼動率が低下するのを防止することが出来る。
図16には、演出制御装置300で行われる上記先読み予告の予告表示キャンセル処理の制御手順の一例を示した。
予告表示キャンセル処理が開始されると、まずステップS150で、始動入賞があるか否かを判定する。始動入賞があるか否かは、遊技制御装置100から始動入賞情報(図7のS107、図8のS114)を受信したか否かによって判定することができる。そして、始動入賞があると判定した場合(ステップS150;Y)は、ステップS151に移行する。また、始動入賞がないと判定した場合(ステップS150;N)は、ステップS151〜S156をスキップして当該予告表示キャンセル処理を終了する。
ステップS151では先読み予告を行うか否かを判定する。先読み予告を行うか否かは、遊技制御装置100から連続予告コマンド(図7のS107、図8のS114)を受信したか否かによって判定することができる。そして、先読み予告を行うと判定した場合(ステップS151;Y)は、ステップS152に移行する。また、先読み予告を行わないと判定した場合(ステップS151;N)は、予告表示キャンセル処理を終了する。
ステップS152では、例えば図15のステップS141で設定された内容を参照して始動記憶内に既に先読み予告がなされた始動記憶があるか否かを判定する。そして、始動記憶内に既に先読み予告がなされている始動記憶があると判定した場合(ステップS152;Y)は、ステップS153に移行する。また、始動記憶内に既に先読み予告がなされている始動記憶がないと判定した場合(ステップS152;N)は、ステップS156に移行する。
ステップS153では今回行われる先読み予告の信頼度が前回行われた先読み予告の信頼度よりも高いか否かを判定する。
ここで、「信頼度」とは、特図変動表示ゲームの結果が大当りとなることに対する度合を数値で示すものであり、期待度と言い換えることも可能である。
例えば、信頼度は、液晶表示装置41の表示画面上に、図18(a)のように4個の始動記憶に対応して4個の円形マークからなる始動記憶表示部50aを表示させ、各マークの色に応じて信頼度の度合を表すようになっている。具体的には、図17に示すように、始動記憶表示部50aの色が、「青」「黄」「赤」「銀」「金」の順に信頼度が高くなるように設定されている。なお、信頼度の決定は、遊技制御装置100から送信される先読み結果に基づいて定められ、例えば、先読み結果が大当りの場合、先読み結果が外れである場合よりも信頼度の高い色が出現しやすい設定となっている。
そして、図16のステップS153で、今回行われる先読み予告の信頼度が前回行われた先読み予告の信頼度よりも高いと判定した場合(ステップS153;Y)は、ステップS154に移行する。また、今回行われる先読み予告の信頼度が前回行われた先読み予告の信頼度よりも高くないと判定した場合(ステップS153;N)は、ステップS155に移行する。
ステップS154では前回行われた先読み予告を取り消し、今回行われる先読み予告のみを表示する。
具体的には、例えば、図18(a)に示すように、消化順序が2番目の始動記憶に対応
するマークA2において先読み予告が行われ、図18(b)に示すように、続いて消化順序が3番目の始動記憶に対応するマークA3において先読み予告を行うと決定した際に、消化順序が3番目の始動記憶における先読み予告の信頼度が消化順序が2番目の始動記憶における先読み予告の信頼度よりも高い場合、図18(c)に示すように、消化順序が2番目の始動記憶に対応するマークA2の先読み予告表示を取り消し、消化順序が3番目の始動記憶に対応するマークA3の先読み予告表示のみを実行する。
従って、演出制御装置300は、始動入賞記憶手段内の始動記憶の中に、先読み予告表示を行う始動記憶が複数あり変動表示ゲームの結果が特別結果態様となる信頼度の低いものが信頼度の高いものよりも先にあると判定された場合、信頼度の高い始動記憶以前に記憶された信頼度の低い始動記憶に対する先読み予告表示を行わないようにする先読み予告表示キャンセル手段として機能する。
これにより、結果的に当たりとなる確率の高い変動表示ゲームの始動記憶が後にあると、遊技者の期待は後の方の始動記憶の変動表示ゲームに対するものに集まるため、それより前の当たりとなる確率の低い始動記憶に対する先読み予告表示を行ったところで遊技者にとっては興ざめとなるだけであるので、そのような状況が発生するのを回避することが出来る。
なお、図18において、ハッチングのついたマークは先読み予告表示を行わない始動記憶又は先読み予告表示がキャンセルされた始動記憶を意味する。
ステップS153において、今回行われる先読み予告の信頼度が前回行われた先読み予告の信頼度よりも高くないと判定して移行したステップS155では、前回行われた先読み予告表示は消さずに今回行われる先読み予告表示とともに表示して、予告表示キャンセル処理を終了する。
ステップS152において、既に先読み予告がなされている始動記憶がないと判定して移行したステップS156では、今回行われる先読み予告を表示して、予告表示キャンセル処理を終了する。
次に、第1発明の第1変形例について説明する。なお、本変形例に係る遊技機は、基本的には上述の遊技機と同様の構成を有し、ほぼ同様な制御を実行するので、以下、重複した説明を省略し、異なる部分について主に説明する。
第1変形例の遊技機の特徴は、特図変動表示ゲームの変動中において始動記憶のオーバーフローが発生した場合に、当該特図変動表示ゲームの変動開始時に既に記憶されていた始動記憶に対してだけ先読み予告を行うものである。
図19は、第1変形例の遊技機における演出制御装置300による始動記憶数記憶処理を示すフローチャートである。図19に示すように、ステップS160では、演出制御装置300は、特図変動表示ゲームが変動開始したか否かを判定する。そして、特図変動表示ゲームが変動開始したと判定した場合(ステップS160;Y)は、ステップS161に移行し、変動開始時の始動記憶数をCPU311内のRAMに記憶し、始動記憶数記憶処理を終了する。
一方、ステップS160で、特図変動表示ゲームが変動開始していないと判定した場合(ステップS160;N)は、始動記憶数記憶処理を終了する。
図20は、第1変形例の遊技機における演出制御装置300による先読み報知処理を示すフローチャートである。図20に示すように、ステップS170では、始動記憶のオーバーフローが発生したか否かを判定する。そして、始動記憶のオーバーフローが発生していると判定した場合(ステップS170;Y)は、ステップS171に移行し、CPU311内のRAMに記憶されている始動記憶に対する先読み結果を報知して先読み報知処理を終了する。
つまり、演出制御装置300は、始動入賞記憶手段に始動記憶として記憶可能な上限数まで始動記憶が記憶されている状態で始動入賞口への遊技球の入賞が検出された場合に、変動表示ゲームの開始の時点で記憶されていた始動記憶に対してのみ先読み予告報知を行うこととなる。
これにより、始動記憶のオーバーフローが発生した場合に、変動表示ゲームの開始の時点で記憶されていた始動記憶に対してのみ先読み予告報知を行う、つまり変動表示ゲームの開始後に発生した始動記憶に対しては先読み予告報知が実行されないので、先読み予告表示を見たい遊技者は始動記憶数の多い状態を常時維持しようと止め打ちをしなくなるので、遊技機の稼働率が低下するのを一層防止することが出来る。
一方、ステップS170で、始動記憶のオーバーフローが発生していないと判定した場合(ステップS170;N)は、先読み報知処理を終了する。
以下、第1変形例の遊技機における先読み予告表示の一例について、図21(a)〜(d)を用いて説明する。
図21(a)は、特図変動表示ゲームの変動開始時を示す図である。図21(a)に示すように、この特図変動表示ゲームの変動開始時の始動記憶数は「1」であり、演出制御装置300は、変動開始時の始動記憶数「1」をCPU311内のRAMに記憶している(ステップS161)。
そして、演出制御装置300は、この特図変動表示ゲームの変動中にオーバーフローが発生した場合に、例えば図21(b)に示すように、液晶表示装置41において星印のオーバーフロー発生表示50bの表示を行い、オーバーフローが発生したことを報知する。
なお、オーバーフローが発生したことを報知する表示は、上記のように液晶表示装置41におけるオーバーフロー発生表示50bに限らず、所定の役物に具備されたLEDを点灯表示させたり、当該所定の役物を駆動させることにより、オーバーフローが発生したことを報知するようにしても良い。
また、図21(b)に示すように、液晶表示装置41に表示された始動記憶表示部50aのうち、特図変動表示ゲームの変動開始時に既に記憶されていた始動記憶に対応するマークA1と、この特図変動表示ゲームの変動開始後に記憶された始動記憶に対応するマークA2〜A4とを区分けするような表示を行っても良い。これにより、遊技者に対して、変動表示ゲームの開始の時点で記憶されていた始動記憶すなわち先読み予告表示が行われる始動記憶を認識させることができるようになる。
そして、図21(c)に示すように、先読み予告表示を行う際、星印のオーバーフロー発生表示50bが液晶表示装置41の左端から右端に流れるような表示を行うとともに、星屑が先読み予告表示を行う始動記憶に対応するマークA1にのみ振り落ちるような表示を行う。
従って、演出制御装置300は、オーバーフロー状態を報知する表示において、先読み結果を報知する始動記憶を指定する表示を行うこととなる。
これにより、始動記憶のオーバーフローが発生したとしても全ての始動記憶に対する先読み予告を行うわけではない場合に、遊技者は先読み結果を報知する始動記憶を知ることができるため、全ての始動記憶に対する先読み予告を見たいと願う遊技者は更にオーバーフロー状態を発生させようと発射遊技を継続することになるので、遊技機の稼働率を更に上げることができる。
さらに、星屑が先読み予告表示を行う始動記憶に対応するマークA1にのみ振り落ちる上記表示を行った後、図21(d)に示すように、当該始動記憶に対応するマークA1において例えば大当たりが発生することを表す「当」の文字等を表示して先読み予告表示を行う。
次に、第1発明の第2変形例について説明する。
第2変形例の遊技機の特徴は、特図変動表示ゲームの図柄停止中において始動記憶のオーバーフローが発生した場合、全ての始動記憶に対して先読み予告を行うものである。
図22は、第2変形例の遊技機における演出制御装置300による先読み報知処理を示すフローチャートである。図22に示すように、ステップS180では、演出制御装置300は、特図変動表示ゲームが図柄停止中であるか否かを判定する。そして、図柄停止中であると判定した場合(ステップS180;Y)は、ステップS181に移行する。
一方、ステップS180で、図柄停止中でないと判定した場合(ステップS180;N)は、先読み報知処理を終了する。
ステップS181では始動記憶のオーバーフローが発生したか否かを判定する。そして、始動記憶のオーバーフローが発生していると判定した場合(ステップS181;Y)は、ステップS182に移行し、全ての始動記憶に対して先読み予告の結果を報知して先読み報知処理を終了する。
一方、ステップS181で、始動記憶のオーバーフローが発生していないと判定した場合(ステップS181;N)は、先読み報知処理を終了する。
以下、第2変形例の遊技機における特図変動表示ゲームが図柄停止中の場合の先読み予告表示の一例について、図23(a)〜(c)を用いて説明する。
図23(a)は、特図変動表示ゲームが図柄停止の状態であることを示した図である。そして、この図柄停止中にオーバーフローが発生した場合、例えば、液晶表示装置41において星印のオーバーフロー発生表示50bを出現させ、オーバーフローが発生したことを報知する。
そして、図23(b)に示すように、先読み予告表示を行う際、星印のオーバーフロー発生表示50bが液晶表示装置41の左端から右端に流れるような表示を行うとともに、星屑が先読み予告表示を行う始動記憶に対応するマークA1〜A4に振り落ちるような表示を行う。これにより、先読み予告表示が行われる始動記憶が全ての始動記憶であることを明示することができる。
さらに、星屑が先読み予告表示を行う始動記憶に対応するマークA1〜A4に振り落ちる上記表示を行った後、図23(c)に示すように、消化順序が1番目の始動記憶に対応するマークA1において特図変動表示ゲーム中にリーチが発生することを表す「リーチ」等の文字を表示し、消化順序が3番目の始動記憶に対応するマークA3において特図変動表示ゲーム中にスペシャルリーチが発生することを表す「SP」等の文字を表示して先読み予告表示を行う。
このように、特図変動表示ゲームが図柄停止の状態でも始動記憶のオーバーフローが発生したか否かを判定し、オーバーフローが発生したと判定した場合には、全ての始動記憶について先読み予告を行うことができるので、遊技者に対し図柄停止中にもオーバーフローを発生させるべく発射を継続することを促すことができ、図柄停止中に始動記憶が消化されないことによる止め打ちを好適に防止することができるようになる。
次に、第1発明の第3変形例について説明する。
第3変形例の遊技機の特徴は、特図1の変動表示ゲームの大当たり中に第2始動記憶(特図2の始動記憶)のオーバーフローが発生した場合、先読み報知処理を継続して行う先読みモード継続処理を行うものである。
図24は、第3変形例の遊技機における先読みモード継続処理を示すフローチャートである。図24に示すように、ステップS190で、演出制御装置300は、特図変動表示ゲームが大当たり中であるか否かを判定する。そして、大当たり中であると判定した場合(ステップS190;Y)は、ステップS191に移行する。
一方、大当たり中でないと判定した場合(ステップS190;N)は、先読みモード継続処理を終了する。
ステップS191では第2始動記憶のオーバーフローが発生したか否かを判定する。そして、第2始動記憶のオーバーフローが発生していると判定した場合(ステップS191;Y)は、ステップS192に移行し、先読み報知処理を継続して行う先読みモード継続処理を実行し、先読みモード継続処理を終了する。
一方、ステップS191で、第2始動記憶のオーバーフローが発生していないと判定した場合(ステップS191;N)は、先読みモード継続処理を終了する。
以下、第3変形例の遊技機における先読みモード継続処理による演出の具体例について、図25(a)〜(c)を用いて説明する。
図25(a)は、特図変動表示ゲームが大当たり中であることを示している図である。そして、この大当たり中に第2始動記憶のオーバーフローが発生した場合、例えば、液晶表示装置41において星印のオーバーフロー発生表示50bの出現を行い、オーバーフローが発生したことを報知する。
なお、第2始動記憶のオーバーフローが発生した場合には、第1始動記憶(特図1の始動記憶)のオーバーフローが発生した場合と区別するために、星印のオーバーフロー発生表示50b以外の表示を行うようにしても良い。
そして、図25(b)に示すように、先読み予告表示を行う際、星印のオーバーフロー発生表示50bが液晶表示装置41の左端から右端に流れるような表示を行うとともに、星屑が先読み予告表示を行う始動記憶に対応するマークに振り落ちるような表示を行う。
さらに、星屑が先読み予告表示を行う始動記憶に対応するマークに振り落ちる上記表示を行った後、図25(c)に示すように、所定ゲーム数が消化されるまでの間、先読み報知処理が継続して行われる旨の表示(例えば、「先読みモード継続」)を行う。
このように、特図変動表示ゲームの大当たり中に第2始動記憶のオーバーフローが発生したか否かを判定し、第2始動記憶のオーバーフローが発生したと判定した場合には、その後所定ゲーム数が消化されるまでの間、先読み報知処理が継続して行われるようになるので、遊技者はこの所定ゲーム数が消化されるまでの間、先読み予告の結果を知ることができるようになり、オーバーフローを発生させたことによる利益を享受することができるようになる。
なお、上記実施形態にあっては、始動記憶が4個(上限値)の状態において停電等により電源が遮断された場合、停電復旧処理により電源が供給された際に演出制御装置300によって、このとき記憶されていた始動記憶全てに対して先読み予告を行うようにしても良い。
これにより、停電等による不測の事態が発生した場合でも停電復旧処理により電源が供給された際に先読み予告表示を行い、当該先読み予告表示を遊技者に対するサービスとして提供することができる。
[第2発明]
次に、演出制御装置300により実行される本出願の第2発明に係るモード移行演出表示処理の一実施例について図26及び図27を用いて説明する。なお、本実施例に係る遊技機は、基本的には上述の第1発明の実施例の遊技機と同様の構成を有し、ほぼ同様な制御を実行するので、以下、重複した説明を省略し、異なる部分について主に説明する。
ここで、モード移行演出表示とは、例えばテーマあるいはストーリーを変えることで実行中の変動表示ゲームに対する期待感の異なる演出を行う複数のモード演出のうち、現時点で設定されている一のモード演出から他のモード演出に移行することを報知する演出、又は、当該一のモード演出を継続することを報知する演出を液晶表示装置41において実行することを意味する。
本実施例では、上記モード移行演出表示を、特図変動表示ゲームにおいて図柄が変動中、又は、変動停止中の時間に合わせて行うようにしている(後述)。
図26(a)〜(d)には、液晶表示装置41の表示画面上における通常モードから該通常モードよりも遊技者にとって有利な制御状態が発生することを報知する頂上モードに移行するモード移行演出表示の一例を示した。ここでは、演出のテーマとして登山を採用している。
具体的には、図26(a)に示すように、まず現時点で設定されているモード演出が通常モード(例えば、山の麓)であることを表示するとともに、山の頂上に頂上モードが設定されていることを表示する。
次いで、図26(b)に示すように、キャラクタが頂上に向かって山を登る演出表示を行い、頂上モードへ移行することが決定されている場合には、図26(c)に示すように、キャラクタが山の頂上に到達する演出表示を行う。そして、図26(d)に示すように、頂上モードに移行したことを表す「頂上モード突入」の文字等を表示してモード移行演出表示を終了する。
また、図26(a)及び(e)〜(g)には、通常モードを継続する場合のモード移行演出表示の一例を示した。
具体的には、通常モードから頂上モードに移行する演出表示と同様に、まず現時点で設定されているモード演出が通常モード(例えば、山の麓)であることを表示するとともに、山の頂上に頂上モードが設定されていることを表示する(図26(a)参照)。
次いで、図26(e)に示すように、キャラクタが頂上に向かって山を登る途中に足を滑らす演出表示を行い、図26(f)に示すように、キャラクタが山から落下する演出表示を行う。そして、図26(g)に示すように、頂上モードに移行せずに通常モードが継続されたことを表す「通常モード継続」の文字等を表示してモード移行演出表示を終了する。
なお、図26(a)〜(g)において、液晶表示装置41の表示画面上に表示された円形状の枠Hは、モード移行演出表示が行われている際に特図変動表示ゲームにおける図柄(識別情報)が変動中であるか否かを表すものである。具体的には、例えば、枠Hで囲まれた領域の色が順次変化(例えば、「赤」→「黄」→「青」)する場合は特図変動表示ゲームにおける図柄が変動中であることを、また色が変化しない場合は図柄が変動していないことを表している。
次に、モード移行演出表示が行われる際の動作について図27のタイミングチャートを用いて説明する。
図27(1a)は、特図変動表示ゲームにおいて図柄が変動中である変動時間(25秒)に合わせてモード移行演出表示を行う場合のタイミングチャートである。
また、図27(1b)は、特図変動表示ゲームにおいて図柄が変動停止中である図柄停止時間(25秒)に合わせてモード移行演出表示を行う場合のタイミングチャートである。確率変動状態においていわゆる時短制御を行う遊技機にあっては、変動時間が短くなるので、変動中にモード移行演出表示を無理に行うようにすると変動時間が長くなって遊技者に違和感を与えるおそれがあるが、図柄停止期間にモード移行演出表示を行うことで、遊技者に違和感を与えることがないという利点がある。
モード移行演出表示を、特図変動表示ゲームの変動中、又は、変動停止中の何れのタイミングで行うかは、遊技制御装置100において選択された当該特図変動表示ゲームの変動パターン(変動時間、図柄停止時間)がモード移行演出表示可能な変動パターンであるか否かによって決定される。
そして、遊技制御装置100によってモード移行演出表示可能な変動パターンが選択されると、当該変動パターンに係る変動パターンコマンドが演出制御装置300に送信され、演出制御装置300は、当該変動パターンコマンドを受信したことに基づいて所定の割合でモード移行演出表示の実行を決定する。
従って、この実施例における遊技機10は、変動表示ゲームにおける変動パターンを決定する変動パターン決定手段(遊技制御装置100)と、複数回の変動表示ゲームに亘って行われる演出の演出モードを、演出態様の異なる複数の演出モードの中から決定する演出モード決定手段(遊技制御装置100)と、演出モード決定手段により決定された演出モードにより演出を行う演出実行手段(演出制御装置300)と、演出実行手段により実行される演出が一の演出モードから他の演出モードに変わる際に演出モードの移行演出表示を行うモード移行演出表示実行手段(演出制御装置300)と、変動パターン決定手段により決定された変動パターンに係る変動時間又は変動停止時間の何れかの時間において、モード移行演出表示が可能か否かを判定する判定手段(遊技制御装置100)と、を備え、モード移行演出表示実行手段は、判定手段によりモード移行演出表示が可能であると判定された変動時間又は変動停止時間の何れかの時間において、当該モード移行演出表示を実行することとなる。
これにより、変動表示ゲームにおいて図柄が変動中である変動時間又は図柄が停止中である停止時間の何れかの時間にモード移行演出表示を行うことができるので、従来に無い斬新なモード移行演出表示を行うことが可能となる。
また、いわゆる時短遊技状態のように変動時間が短くなる場合でも、停止時間にモード移行演出表示を行うことが可能となるので、従来のように変動中にモード移行演出表示を無理に行うことなく適切なモード移行演出表示を行うことができるようになる。
なお、遊技制御装置100による変動パターンコマンドの送信は、特図変動表示ゲームの変動開始時に変動時間と図柄停止時間とを含む変動パターンコマンドを送信する場合に限らず、変動開始時に変動時間のみを含む変動パターンコマンドを送信し、図柄停止のタイミング時に図柄停止時間のみを含む変動パターンコマンドを送信するようにしても良い。また、図柄変動中に図柄停止時間のみを含む変動パターンコマンドを送信するようにしても良い。
また、例えば変動時間の異なる複数の変動ゲームが存在するような場合には、図27(2a),(2b)に示すように、遊技制御装置100によって選択された特図変動表示ゲームの変動時間と図柄停止時間とを加算した時間(例えば、25秒)の長さをモード移行演出表示時間(25秒)の長さと同じに設定して、当該特図変動表示ゲームの変動時間と図柄停止時間とを合わせた時間内においてモード移行演出表示を行うようにしても良い。この場合は、特図1始動口36又は特図2始動口(普通変動入賞装置37)への入賞時に抽出した変動パターン決定用乱数の値に基づいて変動開始時までに変動時間及び図柄停止時間を決定している。
次に、第2発明の第1変形例について図28(a)に示すタイミングチャートを用いて説明する。
第2発明の第1変形例の遊技機は、特図変動表示ゲームの抽選結果が2R大当たり又は小当たりである場合、遊技制御装置100によって、大入賞口38の開放に係る開放パターン(開放開始タイミング)を変更可能にしたことを特徴とする。
図28(a)に示すように、例えば、大入賞口38の開放パターンとしてパターンAが選択された場合には、2R大当たりに当選した特図変動表示ゲームにおいて図柄が停止した直後のタイミングで大入賞口38が開放されることとなる。また、大入賞口38の開放パターンとしてパターンBが選択された場合には、2R大当たりに当選した特図変動表示ゲームにおける図柄停止時間の終盤のタイミングで大入賞口38が開放されることとなる。また、大入賞口38の開放パターンに応じてファンファーレ演出が実行される期間も変更される。
ここで、遊技制御装置100により上記のような開放タイミングの設定を行う開放パターン設定処理について説明する。この開放パターン設定処理では、例えば、特図変動表示ゲームの抽選結果が2R大当たり及び小当たりの何れかである場合に、遊技制御装置100は、開放パターン決定用乱数を抽出する。そして、遊技制御装置100は、開放パターン決定用乱数をROM111Bに格納されている開放パターンテーブルと比較することにより、一の大入賞口開放パターンを選択して開放パターン設定処理を終了する。
従って、この実施例における遊技機100は、停止時間における大入賞口38の開放タイミングを決定するための開放タイミング決定用乱数を抽出する抽出手段(遊技制御装置100)と、抽出手段により抽出された開放タイミング決定用乱数と所定の判定値とを比較することにより、開放タイミングを決定する開放タイミング決定手段(遊技制御装置100)と、を備えることとなる。
これにより、大入賞口38の開放タイミングをランダムに決定することができるので、特別遊技状態を発生させる際、遊技者が大入賞口38の開放タイミングに合わせて遊技球を狙い打ちすることができなくなることによって初心者と熟練者とで獲得賞球数に大きな差が生じるのを回避することができる。
なお、大入賞口開放パターンは、上述した開放パターンA、Bの2つのパターンに限らず、これら2つの開放パターン以外の開放パターンを設定可能であっても良い。
次に、第2発明の第2変形例について図28(b)に示すタイミングチャート、図29に示すフローチャート、及び、図30に示す変動パターンテーブルを用いて説明する。
第2発明の第2変形例の遊技機は、外見上見分けのつき難い小当たり、2R通常大当たり(電サポ無し)及び2R確変大当たり(電サポ無し)の何れかに当選した場合、これらの当たりに当選した際の特図変動表示ゲームの遊技状態又は次回からの特図変動表示ゲームの遊技状態が確変状態であるか否かに応じて、特図変動表示ゲームの変動パターンの発生頻度を異ならせる設定を行うようにしたものである。
図28(b)には、例えば、特図変動表示ゲームの変動パターンAおよび変動パターンBとモード移行演出表示との関係を示すタイミングチャートを示した。
具体的には、遊技制御装置100によって特図変動表示ゲームの変動パターンAが設定されている場合、特図変動表示ゲームの変動停止と同時にモード移行演出表示が開始され、図柄停止期間の終盤のタイミングで大入賞口38が開放される。
一方、遊技制御装置100によって特図変動表示ゲームの変動パターンBが設定されている場合、特図変動表示ゲームの変動開始と同時にモード移行演出表示が開始され、図柄停止期間の序盤のタイミングで大入賞口38が開放される。
確変状態である場合に変動パターンBが選択される割合を多くすることによって、モード移行演出期間における大入賞口38が開放タイミングが同じであっても、遊技者は、大入賞口38が開放されるのが変動期間の終盤であるか、変動停止直後であるかを見極めることで現在の遊技状態が確変状態である(いわゆる潜伏中)か否かを予測し易くなるという利点がある。
次に、遊技制御装置100により上記のような変動パターンの設定を行う変動パターン設定処理の手順について図29のフローチャートを用いて説明する。
変動パターン設定処理は、特図2変動開始処理(図9のステップS124)又は特図1変動開始処理(図9のステップS126)において実行される。
ステップS200では特図変動表示ゲームの抽選結果が小当たり又は2R通常大当たり(電サポ無し)の何れかであるか否かを判定する。そして、小当たり又は2R通常大当たり(電サポ無し)の何れかである場合(ステップS200;Y)は、ステップS201に移行して、現在の遊技状態が確変状態であるか否かを判定する。
そして、現在の遊技状態が確変状態である場合(ステップS201;Y)は、ステップS202に移行する。一方、現在の遊技状態が確変状態でない場合(ステップS201;N)は、ステップS203に移行する。
ステップS202ではROM111Bに格納されているテーブルTa1に基づいて変動パターンを決定して、変動パターン設定処理を終了する。具体的には、図30(a)に示すように、テーブルTa1は変動パターンAが選択される割合が5%、変動パターンBが選択される割合が50%、図示は省略するがそれ以外の変動パターンについても選択される割合がそれぞれ設定されている。なお、テーブルTa1は、変動パターンBの選択される割合が他の変動パターンに比べて一番高くなるように設定がなされている。
ステップS203ではROM111Bに格納されているテーブルTa2に基づいて変動パターンを決定して、変動パターン設定処理を終了する。具体的には、図30(b)に示すように、テーブルTa2は変動パターンAが選択される割合が50%、変動パターンBが選択される割合が5%、図示は省略するがそれ以外の変動パターンについても選択される割合がそれぞれ設定されている。なお、テーブルTa2は、変動パターンAの選択される割合が他の変動パターンに比べて一番高くなるように設定がなされている。
また、ステップS200において、小当たり及び2R通常大当たり(電サポ無し)の何れでもない場合(ステップS200;N)は、ステップS204に移行して、2R確変大当たり(電サポ無し)であるか否かを判定する。そして、2R確変大当たり(電サポ無し)である場合(ステップS204;Y)は、ステップS202に移行して、ROM111Bに格納されているテーブルTa1に基づいて変動パターンを決定して、変動パターン設定処理を終了する。一方、2R確変大当たり(電サポ無し)でない場合(ステップS204;N)は、ステップS201〜ステップS203をスキップして、変動パターン設定処理を終了する。
従って、この実施例における遊技機10は、特別結果態様のうち予め定められた特定表示結果が導出表示された場合に、特別遊技状態終了後に、遊技者に有利な特定遊技状態に制御可能な特定遊技状態制御手段(遊技制御装置100)を備え、開放タイミング決定手段(遊技制御装置100)は、特定遊技状態であるか否かに応じて変動表示ゲームの停止タイミングに対する大入賞口38の開放タイミングの選択率を異ならせることとなる。
これにより、確変状態である場合に変動表示ゲームのタイミングに対して所定の開放タイミングが選択される確率を多くすることによって、モード移行演出タイミングに対する大入賞口38の開放タイミングが同じであっても、遊技者は、大入賞口38が開放されるのが変動期間の終盤であるか、変動停止直後であるかなどを見極めることで現在の遊技状態が確変状態である(いわゆる潜伏中)か否かを予測し易くなり遊技の興趣を向上させることができる。
次に、第2発明の第3変形例について図31に示すタイミングチャートを用いて説明する。
図31に示すように、第2発明の第3変形例の遊技機は、特図変動表示ゲームにおける図柄の変動が停止し、特図タイマに停止図柄表示時間(図柄停止時間)がセットされてから、この特図タイマの値が0になるまでの間、遊技制御装置100は、図柄が停止中であることを示す図柄停止中情報を外部の管理装置(図示省略)等へ出力する。また、特図変動表示ゲームの抽選結果が2R確変大当たりの場合には、2R確変大当たりに当選したことを示す情報(突確情報)を外部の管理装置(図示省略)等へ出力するようにしたものである。
従って、この変形例における遊技機100は、変動表示ゲームの停止期間中であることを示す信号を外部に出力可能であることとなる。
これにより、停止期間中における遊技機の稼動状況を知ることができるようになるため、ホール側では遊技者が止め打ちをしているか否か等のデータ分析をより正確に行うことができ、その後の遊技店の経営に役立てることができる。
次に、第2発明の第4変形例について図32(a)に示すタイミングチャート及び図32(b)に示す表示例を用いて説明する。
図32(a)に示すように、第2発明の第4変形例の遊技機は、特図変動表示ゲームにおける変動中にモード移行演出表示Aを行い、当該特図変動表示ゲームにおける図柄停止時間(停止図柄表示時間)中にモード移行演出表示Aとは異なる別のモード移行演出表示Bを行うことを可能としたものである。
また、上述のように、モード移行演出表示Aからモード移行演出表示Bに切り替わる際には、図32(b)に示すように、モード移行演出表示Aだけでは終了しないことを表す「まだまだっ!」の文字等によるカットイン表示を行うようにするとよい。
また、上述のように一回の変動表示ゲームにおいてモード移行演出表示を2度実行することにより、遊技状態が確変状態となることを示唆するようにしてもよい。
従って、この変形例における遊技機100は、一回の変動表示ゲームにおいてモード移行演出表示を2度実行することで、通常のモード移行演出表示とは異なることを遊技者に実感させることができるようになるので、遊技の興趣を向上させることができる。
[第3発明]
次に、演出制御装置300により実行される本出願の第3発明に係る大当たり中先読み予告表示処理の一実施例について図33のフローチャートを用いて説明する。なお、本実施例が適用される遊技機は、基本的には上述の第1発明の実施例の遊技機と同様の構成を有し、ほぼ同様な制御を実行するので、以下、重複した説明を省略し、異なる部分について主に説明する。
本実施例の遊技機は、前記大入賞口38とは別個に遊技盤中央のセンターケース40の左上に変動入賞装置としての第2大入賞口61を構成する可動部材61aが設けられ、センターケース40の右側部には盤側連続予告表示装置71が設けられている。そして、例えば第2大入賞口61は、2R通常または2R確変当たりの場合に解放されるような制御が行われる。
本実施例における大当たり中先読み予告表示処理は、大当たり中にセンターケース40に設けられている第2大入賞口61への遊技球の入賞に応じて、先読み予告表示(演出)を行うものである。
図33の処理が開始されると、先ずステップS300で特図1始動記憶或いは特図2始動記憶があるか否か、つまり始動記憶の数が1以上であるか否かを判定する。そして、始動記憶の数が1以上である場合(ステップS300;Y)は、ステップS301に移行する。一方、始動記憶の数が1以上でない場合(ステップS300;N)は、大当たり中先読み予告表示処理を終了する。
ステップS301では遊技球が第2大入賞口61に入賞したか否かを判定する。第2大入賞口61に入賞があるか否かは、演出制御装置300が遊技制御装置100から大入賞情報(図9のS134)を受信したか否かによって判定することができる。そして、遊技球が第2大入賞口61に入賞したと判定した場合(ステップS301;Y)は、ステップS302に移行する。
一方、遊技球が第2大入賞口61に入賞していないと判定した場合(ステップS301;N)は、大当たり中先読み予告表示処理を終了する。
ステップS302では先読み予告用乱数を抽出し、ステップS303で先読み予告用乱数と判定値とを比較することにより当否を判定する。そして、判定結果が当たりの場合(ステップS303;Y)は、ステップS304に移行する。一方、判定結果が当たりでない場合(ステップS303;N)は、ステップS304をスキップして大当たり中先読み予告表示処理を終了する。ステップS304では先読み報知カウンタの値を1インクリメントする。そして、このカウンタの値に応じて先読み予告表示を行う。
図33の第2大入賞口61への遊技球の入賞に基づく大当たり中先読み予告表示処理では、例えば、第2大入賞口61に遊技球が入賞して先読み報知カウンタの値が増加する毎に段階的に先読み予告表示を行う。
段階的先読み予告表示は、例えば、図34(a)に示すように、特図変動表示ゲームの結果が第2大入賞口61を開放する大当たりとなった場合、図34(b)に示すように、第2大入賞口61を開放して遊技球が入賞可能な状態にし、液晶表示装置41の表示画面上に、第2大入賞口61へ入賞した擬似的な遊技球50dと大当たり後の消化順序が1番目の特図変動表示ゲームに係る始動記憶の拡大表示(球体)50cとを出現させ、擬似遊技球50dが流下して始動記憶の拡大表示(球体)50cに衝突する様子を表示する。そして、図35(a)に示すように、大入賞口への入賞により先読み報知カウンタの値が1インクリメントされる毎に拡大表示(球体)50cの亀裂が徐々に増える様子を表示する(ステップS304)。そして、先読み報知カウンタの値が所定の値(例えば、「30」)に達すると、図35(b)に示すように、拡大表示(球体)50cが砕け散るような表示を行う。一方、これと並行して盤側連続予告表示装置71には、例えば、当該大当たり後に開始される特図変動表示ゲームの結果に対する信頼度が高いことを表す「熱」の文字等を表示したり色を変化させたりして先読み予告表示を行う。
従って、演出制御装置300は、特別遊技状態中に変動入賞装置に入賞した遊技球の検出に基づいて、始動記憶に対する先読み予告表示を行う先読み予告表示制御手段として機能する。
かかる機能を備えることにより、遊技者は特別遊技状態中に変動入賞装置に遊技球を積極的に入賞させることによって、始動記憶の先読み結果の報知という遊技者にとって有利な状態を発生させることが出来るため、単調になりがちな特別遊技状態における遊技の興趣を向上させることができる。
なお、先読み報知カウンタの値が所定の値に達して大当たり後に開始される特図変動表示ゲームの結果に対する先読み予告表示を行った後、当該先読み報知カウンタの値をクリアして、大当たり後の消化順序が2番目の特図変動表示ゲームの結果に対する先読み予告表示処理を行うようにしても良い。同様に、この消化順序が2番目の特図変動表示ゲームの結果に対する先読み予告表示処理において先読み報知カウンタの値が所定の値に達した場合は、盤側連続予告表示装置(縦に並ぶ四つの発光部のうちの上から2番目の発光部)71にて先読み予告表示を行い、さらに、同様に消化順序が3番目、4番目の特図変動表示ゲームの結果に対する先読み予告表示処理を順次行うようにし、同様に盤側連続予告表示装置71(縦に並ぶ四つの発光部のうちの上から3、4番目の発光部)にて先読み予告表示を行っても良い。また、特図2始動記憶を優先して消化する場合は、特図2始動口(普通変動入賞装置37)への遊技球の入賞順に対応して先読み予告表示を行う。また、特図2始動記憶を優先しないで、特図1始動口36又は特図2始動口(普通変動入賞装置37)への遊技球の入賞順に始動記憶を消化する場合は、その入賞した順番に対応して先読み予告表示を行う。
上記のような先読み予告表示を行うことによって、遊技者による止め打ちを防止することができるようになる。
次に、図36を用いて第3発明の第1実施例の第1変形例について説明する。
図33の大当たり中先読み予告表示処理においては、大当たり終了後に開始される特図変動表示ゲームの結果に対する先読み予告表示を行っているのに対し、図36の大当たり中予告表示処理は、大当たり終了後に開始される特図変動表示ゲームの遊技状態(例えば、確変状態か否か)に対する予告表示を行うようにしたものである。なお、この実施例を適用するに当たっては、上述のとおり、大当たり終了後に開始される特図変動表示ゲームの遊技状態に対する予告表示を行うものであるため、第2大入賞口61に遊技球が入賞した際に特図変動表示ゲームの始動記憶が無い状態でも構わない。
図36に示すように、第3発明の第1実施例の第1変形例の大当たり中予告表示処理では、先ずステップS310で遊技球が第2大入賞口61に入賞したか否かを判定する。第2大入賞口61に入賞があるか否かは、遊技制御装置100から大入賞情報(図9のS134)を受信したか否かによって判定することができる。そして、遊技球が第2大入賞口61に入賞したと判定した場合(ステップS310;Y)は、ステップS311に移行する。
一方、遊技球が第2大入賞口61に入賞していないと判定した場合(ステップS310;N)は、大当たり中予告表示処理を終了する。
ステップS311では遊技状態予告用乱数を抽出し、ステップS312では遊技状態予告用乱数を判定値と比較することにより当否を判定する。そして、判定結果が当たりの場合(ステップS312;Y)は、ステップS313に移行する。
一方、判定結果が当たりでない場合(ステップS312;N)は、ステップS313をスキップして大当たり中予告表示処理を終了する。
ステップS313では確率状態報知カウンタを1インクリメントし、このカウンタの値に応じて大当たり終了後に開始される特図変動表示ゲームの遊技状態についての予告表示を行う。
具体的には、第2大入賞口61へ遊技球が入賞する毎に確率状態報知カウンタのカウントアップを行い、所定数に達したならば遊技状態についての予告表示を行う。例えば、特図変動表示ゲームの結果が第2大入賞口61を開放する大当たりとなった場合、図37(a)に示すように、第2大入賞口61を開放して遊技球が入賞可能な状態にし、液晶表示装置41の表示画面上には擬似的に第2大入賞口61に入賞した遊技球が箱に貯留される様子を表示するとともに、「大当たり中に箱に球が10個入れば確変確定だよ!」と第2大入賞口61への遊技球の入賞を促す表示を行う。なお、遊技状態予告用乱数の判定結果が当たりの場合(ステップS312;Y)は、液晶表示装置41の表示画面上の箱に遊技球が入り、遊技状態予告用乱数の判定結果がはずれの場合(ステップS302;N)は、液晶表示装置41の表示画面上の箱に遊技球が入らない様子を表示する。
そして、図37(b)に示すように、確率状態報知カウンタの値が所定の値(例えば、「10」)に達すると、液晶表示装置41の表示画面上の箱に遊技球が10個入った状態の表示を行うとともに、大当たり後に開始される特図変動表示ゲームの遊技状態が確変状態であることを表す「確変確定」の文字等を表示して予告表示を行う。
従って、演出制御装置300は、特別遊技状態中に変動入賞装置に入賞した遊技球の検出に基づいて、遊技状態が特定遊技状態に制御されることを報知する遊技状態報知手段として機能する。
このように、第1変形例では、例えば特別遊技状態中に第2大入賞口61に入賞する遊技球の数が多くなるように打球発射装置をコントロールすることにより、遊技状態が特定遊技状態に制御されることをも報知させることが出来るようになるため、単調になりがちな特別遊技状態における遊技の興趣を更に向上させることができる。
なお、上記実施例は、15R確変当たり又は2R確変当たりに当選している場合の実施例であり、15R通常当たり又は2R通常当たりに当選している場合には、図37(a)に示すような「大当たり中に箱に球が10個入れば確変確定だよ!」という断定的な表示ではなく、例えば、「大当たり中に箱に球が10個入れば確変確定かも?!」というような曖昧な表示を行う。そして、確率状態報知カウンタの値が所定の値(例えば、「10」)に達すると、液晶表示装置41の表示画面上の箱に遊技球が10個入った状態の表示を行うとともに、大当たり後に開始される特図変動表示ゲームの遊技状態が確変状態の可能性があることを示唆する「確変?!」の文字等を表示して予告表示を行う。
次に、第3発明の第1実施例の第2変形例について説明する。
第3発明の第1実施例の第2変形例の遊技機は、大当たり中先読み予告表示処理において、大当たり終了後に開始される特図変動表示ゲームの結果に対する先読み予告表示を行うとともに、大当たり終了後に開始される特図変動表示ゲームの遊技状態に対する予告表示をも行うことを特徴としている。また、この変形例の遊技機も第2大入賞口61への遊技球の入賞に応じて先読み予告表示を行う。
具体的には、例えば、図38(a)に示すように、盤側連続予告表示装置71にて大当たり終了後に開始される特図変動表示ゲームの結果に対する信頼度が低いことを表す「弱」の文字等を表示して先読み予告表示を行った後、図38(b)に示すように、液晶表示装置41において、大当たり終了後に開始される特図変動表示ゲームの遊技状態が確変状態であることを表す「確変確定」の文字等を表示して予告表示を行った場合には、図39に示すように、盤側連続予告表示装置71において大当たり終了後に開始される特図変動表示ゲームの結果に対する信頼度が高いことを表す「強」の文字等の表示に切り替える。
従って、演出制御装置300は、先読み予告表示制御手段(演出制御装置300)によって、特別遊技状態中に変動入賞装置に入賞した遊技球の検出に基づいて、始動記憶に対する先読み予告表示を行った後、遊技状態報知手段によって、遊技状態が特定遊技状態に制御されることを報知した場合、先読み予告表示制御手段は、先読み予告表示の内容を特定遊技状態に対応する内容に変更することとなる。
このように、第2変形例では、先読み予告表示が一度行われても、その後に行われる遊技状態の報知の内容に応じて、先読み予告表示の内容が変更することがあるという意外性のある演出を行うことにより、単調になりがちな特別遊技状態における遊技の興趣を更に向上させることができる。
次に、第3発明の第1実施例の第3変形例について説明する。
第3発明の第1実施例の第3変形例の遊技機は、大当たり中に第2大入賞口61に入賞した遊技球の数をカウントし、大当たり終了時における総入賞個数が所定数未満の場合に、当該大当たり終了後に開始される特図変動表示ゲームの確率状態を報知することを特徴としている。
以下、演出制御装置300において実行される第3発明の第1実施例の第3変形例における確率状態報知判定処理について、図40を用いて説明する。
図40のステップS320では第2大入賞口61が開放される大当たり状態が終了したか否かを判定する。大当たり状態が終了したか否かは、遊技制御装置100から大当たり終了情報(図9のS138)を受信したか否かによって判定することができる。そして、大当たり状態が終了したと判定した場合(ステップS320;Y)は、ステップS321に移行する。
一方、大当たり状態が終了していないと判定した場合(ステップS320;N)は、ステップS321及びステップS322をスキップして確率状態報知判定処理を終了する。
ステップS321では第2大入賞口61への遊技球の総入賞個数が120個未満であるか否かを判定する。そして、総入賞個数が120個未満の場合(ステップS321;Y)は、ステップS322に移行し、遊技制御装置100から受信した大当たり終了情報に基づき確率状態を報知する処理を行い、確率状態報知判定処理を終了する。
一方、総入賞個数が120個以上の場合(ステップS321;N)は、ステップS322をスキップして、確率状態報知判定処理を終了する。
従って、演出制御装置300は、特別遊技状態中に変動入賞装置に入賞した遊技球の総数が所定数に満たない場合に、特定遊技状態が発生するか否かを報知する確率状態報知手段として機能する。
このように、第3変形例では、特別遊技状態中に変動入賞装置に入賞した遊技球の総数が所定数に満たない場合に、特定遊技状態が発生するか否かを報知するようにしたので、変動入賞装置に遊技球を入賞させることで出球を獲得するか、敢えて変動入賞装置への遊技球の入賞を抑えることで特定遊技状態の発生の有無を知るかを遊技者に選択させることができるようになる。これにより、単調になりがちな特別遊技状態の遊技に攻略性を持たせて興趣を更に向上させることができる。
次に、図41を用いて、第3発明の第1実施例の第4変形例について説明する。
図40の確率状態報知判定処理においては、第2大入賞口61への遊技球の総入賞個数が所定数未満の場合に確率状態を報知するのに対し、図41の確率状態報知判定処理は、第2大入賞口61への遊技球の総入賞個数が所定数以上の場合(ステップS330;Y)に確率状態を報知するようにしたものである。
従って、演出制御装置300は、特別遊技状態中に変動入賞装置に入賞した遊技球の総数が所定数以上の場合に、特定遊技状態が発生するか否かを報知する確率状態報知手段として機能する。
このように、第4変形例では、特別遊技状態中に変動入賞装置に入賞した遊技球の総数が所定数以上である場合に、特定遊技状態が発生するか否かを報知するようにしたので、遊技者は、変動入賞装置に遊技球を入賞させることで出球を獲得するとともに、特定遊技状態の発生の有無を知ることができるようになり、遊技の興趣を向上させることができる。
なお、第3発明の第1実施例の第3変形例及び第4変形例では、第2大入賞口61への遊技球の総入賞個数に基づいて、確率状態報知処理(ステップS322)を行うようにしたが、これに限らず、センターケース40の下方にある第1大入賞口38への遊技球の総入賞個数に基づいて、上記と同様な確率状態報知処理を行うようにしても良い。
次に、第3発明の第2実施例について説明する。
第3発明の第2実施例の遊技機は、大当たり中に第2大入賞口61、並びに、特図1始動口36及び特図2始動口(普通変動入賞装置37)への遊技球の入賞タイミングに応じて得点を加算していき、獲得した得点が所定の値に達した場合、当該大当たり終了後に開始される特図変動表示ゲームの確率状態を報知するようにしたものである。
以下、第3発明の第2実施例を適用した遊技機の演出制御装置300において実行される演出制御の例を、図42を用いて説明する。
この実施例では、演出制御装置300は、第2大入賞口61を開放する大当たりに当選した場合に、当該大当たり状態の間、図42に示すように、液晶表示装置41の表示画面上において、第2大入賞口61への入賞タイミングを図るための丸印50e及び特図1始動口36及び特図2始動口(普通変動入賞装置37)への入賞タイミングを図るための三角印50fが表示画面上の右側から左側へ一定速度で移動するような表示を行う。そして、表示画面上の左側の斜線により図示された入賞タイミング領域T上に、丸印50e又は三角印50fが重畳するように表示されたときに、遊技球が第2大入賞口61や始動口3
6,37に入賞すると得点が加算されるように制御する。
そして、大当たり状態の間に加算された得点が所定の値(例えば、300点)以上になると、当該大当たり終了後の特図変動表示ゲームの確率状態を報知するように制御する。
なお、液晶表示装置41の右側の枠外に破線で記されている箇所は、液晶表示装置41の表示画面上に表示される前段階の表示(これから出現する画像)を仮想的に表したものである。この実施例では、第2大入賞口61と始動口36,37へ入賞するタイミングで得点が加算されるように制御しているが、第2大入賞口61へ入賞するタイミングのみで得点が加算されるように制御するように構成してもよい。
従って、この実施例では、演出制御装置300は、特別遊技状態中に変動入賞装置に入賞した遊技球の入賞タイミングに基づいて、特定遊技状態が発生するか否かを報知する確率状態報知手段として機能する。
このように本実施例の遊技機は、特別遊技状態中に変動入賞装置に入賞した遊技球の入賞タイミングに基づいて、大当たり終了後に特定遊技状態が発生するか否かを報知する機能を備えるようにしたので、単調になりがちな特別遊技状態の遊技に攻略性を持たせて興趣を更に向上させることができる。
以上、本発明者によってなされた発明を実施形態に基づいて具体的に説明したが、本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で変更可能である。
例えば、先読み予告表示は、特図変動表示ゲームで当たりとなる信頼度を報知する場合に限らず、当該特図変動表示ゲームの変動パターン(例えば、リーチの発生、リーチの種類、擬似連予告演出の実行(擬似連数を含む)など)を報知するようにしても良い。
図43,43は、始動記憶表示51に対応する特図変動表示ゲームの擬似連予告演出の一例を示す説明図である。
図43(a)では、消化順序が4番目の始動記憶表示51の中に☆マークが3つ表示され、この始動記憶表示51に係る特図変動表示ゲームにおいて擬似3連の擬似連予告演出が実行されることが報知された場合を示している。図43(a)に示すように、特図変動表示ゲームの変動が終了すると、図43(b)に示すように、液晶表示装置41の表示画面上において停止図柄を表示する。そして、図43(c)に示すように、消化順序が4番目の始動記憶表示51が左にシフト、すなわち、消化順序が3番目の始動記憶表示51となる。
そして、上記の動作が繰り返され、図44(a)に示すように、前の特図変動表示ゲームが終了すると消化順序が1番目の始動記憶表示51が左にシフトし、当該特図変動表示ゲームに係る当該変動始動記憶表示52として拡大表示される(図44(b))。
そして、図44(c)に示すように、当該変動始動記憶表示52から☆が1つ飛び出し、画面内で流れ星の演出表示がなされ、擬似1連目の特図変動表示ゲームが開始されるとともに、当該変動始動記憶表示52の☆マークは1減算されて2つとなる。つまり、当該変動始動記憶表示52に表示されている☆マークの数は、残り何回擬似連が継続されるかを示している。
なお、擬似連予告演出は、図44(c)に示すように、当該変動始動記憶表示52から☆が1つ飛び出しては画面内で流れ星の演出表示を行う場合に限らない。例えば、図44(d)に示すように、擬似連数3を示す☆マークが3つとも画面左上の領域(擬似連数表示領域)53に移動する演出表示を行う。そして、図44(e)に示すように、擬似連表示領域53から☆が1つ飛び出し、画面内で流れ星の演出表示を行うようにしても良い。
また、図45(a)〜(c)に示すように、擬似連予告演出の実行を報知する始動記憶表示51が左にシフトする毎に、始動記憶表示51の☆の数が実際に実行される擬似連数に近づくような演出表示を行っても良い。
また、図45(d),(e)に示すように、擬似連予告演出の実行を報知する当該変動始動記憶表示52において、擬似連予告演出の1変動サイクルごとの内容を示唆する情報を表示しても良い。
これにより、遊技者は変動開始前に擬似連予告演出の内容を知得し、示唆された内容に相応の期待感を持って変動表示ゲームの進行を見守ることとなるので、擬似連予告演出を伴う特図変動表示ゲームに対して過度に期待してしまい、はずれたときの失望感が増大するのを防止できる。
なお、当該変動始動記憶表示52だけでなく、始動記憶表示51においても先読みにより擬似連予告演出の内容を表示することができる。
また、図46(a)に示すように、擬似連予告演出を行わない先読み予告表示51aと擬似連予告表示の中の1つの予告表示51bとが同じ変動パターンであることを示唆する予告演出を行っても良い。
また、図46(b)に示すように、当該変動始動記憶表示52の中に破線で囲まれた扇形の領域521が設けられ、その中に「カス」マークが配置され、領域521の外に「A」マークと「?」マークが配置され、領域521に配置されたマークにより、擬似連予告演出において実行される次の変動サイクルの内容を示すようにしても良い。つまり、図46(b1)に示す状態であれば、「カス」マークに対応する擬似1連目の変動サイクルが実行され、例えば比較的短い変動時間でリーチも発生することなくハズレの結果態様が導出される。同様に、図46(b2)に示す状態であれば、「?」マークに対応する擬似2連目の変動サイクルが実行され、例えば実際の変動サイクルが実行されるまで、如何なる内容が導出されるかわからないようになっている。そして、図46(b3)に示すように、「A」マークが残った場合、例えば、このとき始動記憶表示51に擬似連予告演出を行わない先読み予告表示があり、この先読み予告表示が「A」マークの場合には、図46(b4)に示すように、擬似連予告演出を行わない先読み予告表示と同じように「A」マークを拡大表示する。
また、上記実施例では、始動記憶のオーバーフローが発生した場合には、先読み予告表示を行うようにしたが、これに限らず、図47(a)〜(d)に示すように、オーバーフローが発生した際、遊技者によって演出用ボタン157が操作されることで先読み予告表示を行うようにし、演出用ボタン157の操作がなされない場合には先読み予告演出を行わないようにしても良い。
これにより、先読み結果の報知を望まない遊技者が先読み結果を知ってしまうことを防
止できる。
[第4発明]
次に、演出制御装置300により実行される第4発明に係る先読みモード突入処理の一実施例について図49のフローチャートを用いて説明する。
この先読みモード突入処理は、上述した先読み報知処理を行う先読みモードへ移行するか否かを決定するための処理である。
図49の処理が開始されると、先ずステップS401で特図1始動記憶のオーバーフローが発生したか否かを判定する。そして、特図1始動記憶のオーバーフローが発生していると判定した場合(ステップS401;Y)は、ステップS402に移行し、液晶表示装置41に表示させるキャラクタを選択して表示する処理を行う。具体的には、図48(b)に示すように、キャラクタA〜Dの何れかを選択する抽選を行い、例えば、キャラクタCが選択されると、図48(a)に示すように、液晶表示装置41の画面右下にキャラクタCを表示させるとともに、画面右上にキャラクタCの表示と対応付けられた得点(1ポイント)の表示が行われる。
従って、演出制御装置300は、液晶表示装置41に表示させる複数のキャラクタA〜Dと当該複数のキャラクタA〜Dの夫々を液晶表示装置41に表示させる場合に付与するポイントとを対応付けて記憶するキャラクタ記憶手段を備え、また、オーバーフローが発生したと判定された場合に、当該キャラクタ記憶手段から一のキャラクタをランダムに選択するキャラクタ選択手段として機能する。
次いで、ステップS402にて表示されたキャラクタの表示と対応するポイントを加算する処理(ステップS403)を行い、当該ポイント(キャラクタポイント)が10以上となったか否かを判定(ステップS404)する。
従って、当該ポイントが10以上となったと判定した場合(ステップS404;Y)は、先読み報知処理の実行を可能とする先読みモードへ移行する先読みモード処理(ステップS405)を行い、先読みモード突入処理を終了する。なお、先読みモードへ移行した後、特図変動表示ゲームが20回実行されるか、又は特図変動表示ゲームにてノーマルリーチ以上のリーチ(例えば、ノーマルリーチ、スペシャルリーチ等)が実行されることを契機として、先読みモードを終了させ、通常のモードへ移行する。
一方、当該ポイントが10未満であると判定した場合(ステップS404;N)は、先読みモード処理(ステップS405)を行わずに、先読みモード突入処理を終了する。
また、ステップS401にて、特図1始動記憶のオーバーフローが発生していないと判定した場合(ステップS401;N)は、先読みモード処理(ステップS405)を行わずに、先読みモード突入処理を終了する。
従って、演出制御装置300は、キャラクタA〜Dのうち選択された一のキャラクタと対応されたポイントを獲得するポイント獲得手段として機能し、獲得されたポイントの数が所定数(「10」)に達した場合に、先読み予告表示を可能としたこととなる。
次に、本実施例における先読み報知態様について図50(a)〜(d)の表示例を用いて説明する。
図50(a)に示すように、先読みモードに突入した際、特図1始動記憶の何れかにスペシャルリーチ(SPリーチ)を発生させる始動記憶(例えば、消化順序が3番目の始動記憶)が有ると判定した場合には、当該始動記憶に対応する始動記憶表示の色を変更(例えば、青→黄に変更)するとともに、表示画面の左側に男性キャラクタ(特定のキャラクタ)、右側に女性キャラクタ(特定のキャラクタ)を表示(先読み予告表示)する。
従って、演出制御装置300は、先読み結果が所定の結果となる始動記憶を有する場合に、特定のキャラクタを液晶表示装置41に表示させることにより、始動記憶に対する先読み予告表示を行うキャラクタ予告表示制御手段として機能する。
そして、このとき実行されていた特図変動表示ゲームが終了すると、図50(b)に示すように、始動記憶が一つ消化され、未消化の各始動記憶と対応した始動記憶表示がそれぞれ左に移行して表示されるとともに、男性キャラクタと女性キャラクタとが互いに接近する演出表示が行われる。続けて、このとき実行されていた特図変動表示ゲームが終了すると、図50(c)に示すように、始動記憶が一つ消化され、未消化の各始動記憶と対応した始動記憶表示がそれぞれ左に移行して表示されるとともに、男性キャラクタと女性キャラクタとがさらに接近する演出表示が行われる。
そして、このとき実行されていた特図変動表示ゲームが終了すると、図50(d)に示すように、先読み予告の対象となった始動記憶が消化され、未消化の始動記憶と対応した始動記憶表示が左に移行して表示されるとともに、男性キャラクタと女性キャラクタとがキスをする演出表示が行われる。また、このとき男性キャラクタと女性キャラクタの頭上には特定のキャラクタであるハートマークの表示がなされ、当該ハートマークの表示色によって特図変動表示ゲームの大当りへの信頼度を報知するようになっている。具体的には、図50(e)に示すように、例えば、ハートマークの表示色が「青」の場合、信頼度「1%」、当該表示色が「黄」の場合、信頼度「5%」、当該表示色が「緑」の場合、信頼度「15%」、そして当該表示色が「赤」の場合、信頼度「35%」を表すようになっている。
従って、演出制御装置300は、特定のキャラクタの表示態様に応じて変動表示ゲームの結果が特別結果態様となる信頼度を報知したこととなる。
なお、先読み予告の演出表示を実行する場合には、少なくとも男性キャラクタと女性キャラクタによる上記演出表示を行うようにすれば良く、先読み予告の対象となる始動記憶表示の表示色を変更しないようにしても良い。
以上のように第4発明の遊技機によれば、始動記憶のオーバーフローが発生することにより、始動記憶の先読み結果の報知という遊技者にとって有利な状態を発生させることが可能となるため、始動記憶が上限値に達している状態でも、遊技者に打球発射装置の止め打ちをさせないようにすることができ、遊技機の稼動率が低下するのを防止することが出来る。また、特定のキャラクタを表示させることによって先読み結果の報知を行うので、熟練していない遊技者であっても容易に先読み結果を知ることができる。
また、オーバーフローを発生させてキャラクタ表示が行われた際に獲得するポイントの合計数が所定数に達しなければ、先読み結果が報知されないので、先読み結果の報知を期待する遊技者はオーバーフローを発生させるようになる。
従って、遊技者に打球発射装置の止め打ちをさせないようにすることができ、遊技機の稼動率が低下するのを防止することが出来る。
また、先読み結果として表示される特定のキャラクタ(ハートマーク)の表示態様に応じて信頼度が変化するので、遊技者は当該特定のキャラクタの表示をより注意して見るようになり、遊技の興趣を高めることができる。
[第5発明]
次に、演出制御装置300により実行される本出願の第5発明に係るミニゲーム処理の実施例について図51〜図56を用いて説明する。なお、本実施例が適用される遊技機は、基本的には前述の第1発明の実施例の遊技機と同様の構成を有し、ほぼ同様な制御を実行するので、以下、重複した説明を省略し、異なる部分について主に説明する。
本出願の第5発明は、遊技機が客待ち状態にある場合に、遊技機の前面に設けられている演出ボタン25等の操作により、予め用意されているミニ表示ゲーム(以下、単にミニゲームと称する)を実行するようにしたものである。
ここで、「客待ち状態」とは、遊技機において遊技球による遊技(打球の発射)が行われていない状態の他、遊技球が上皿21に貯留されていても始動入賞に基づく始動権利の発生が無く特図変動表示ゲームが実行されず所定時間継続している状態を含む。このとき、液晶表示装置41には客待ちデモ画像が表示される。
図10に示されているように、特図変動表示ゲームを実行している変動状態ST2において特図当たり抽選に外れ、特図始動記憶がなければ、所定時間の経過とともに客待ち状態ST1に移行する。また、特図変動表示ゲームで特別結果態様が導出されて、変動状態ST2から大当たり状態ST3に移行し、大当り遊技を実行してそれが終了した際に始動記憶がないと、所定時間の経過とともに客待ち状態ST1に移行する。
本実施例の遊技機においては、図51に示すように、客待ちデモ画像が表示されている客待ち状態ST1にて、演出ボタン25が押下されると液晶表示装置41に、「大当たり履歴画面」や「ミニゲーム画面」、「QRコード画面」などの複数の選択肢が示された選択画面55aが表示される。この状態で、遊技客がセレクタボタン29を操作してカーソルを移動させ、所望の位置に来た時に演出ボタン25を押下すると、選択した画面(55b〜55dのいずれか)へ移行する。
ここで、ミニゲーム画面55bへ移行すると、「ミニゲーム1」や「ミニゲーム2」、「ミニゲーム3」などの複数の選択肢が示された選択画面55eが表示される。さらに、この状態で、遊技客がセレクタボタン29を操作してカーソルを移動させ、所望の位置に来た時に演出ボタン25を押下すると、選択したゲームを実行する画面55fへ移行する。図51には、一例として「ミニゲーム1(○子の占い)」が選択された様子が示されている。上記のような処理は、制御手段としての遊技制御装置100および演出制御装置300の制御によって実行される。
従って、制御手段としての遊技制御装置100および演出制御装置300は、前記始動入賞口へ遊技球が入賞することに基づいて前記変動表示ゲームの実行権利となる始動入賞情報を記憶する始動入賞記憶手段と、前記始動入賞記憶手段に記憶されている始動入賞情報に基づいて前記変動表示ゲームを実行する変動表示ゲーム実行制御手段と、所定期間に亘り前記変動表示ゲームの実行権利が発生しない場合に、前記変動表示装置における表示内容を客待ち画面に切り替える画面切替手段と、前記客待ち画面における表示制御を行う画面表示制御手段と、を備え、前記画面表示制御手段は、前記客待ち画面において所定のミニ表示ゲームまたは所定の遊技情報を選択的に表示可能であり、前記操作ハンドル以外の操作手段からの信号に基づいて前記所定のミニ表示ゲームを実行可能である。
上記のように、客待ち状態で演出ボタン25やセレクタボタン29を使用してミニゲーム等を実行できるようにすることにより、上皿に遊技球が貯留されている状態でもミニゲームを楽しむことができ、遊技客の気分転換を図ることができる。また、遊技客は、大当たり履歴画面55cを選択することで客待ちデモ画像が表示されている期間中に大当たり履歴を見ることができ、当該遊技機で遊技を行うか否かの判断材料を得ることができるようになる。
選択画面55aや55eにおけるカーソルは、例えば各選択肢を囲む太枠などで表示することができる。「大当たり履歴画面」は当日の当該遊技機において発生した大当たりの回数や種類など、遊技客の知りたい情報を表示する画面である。「QRコード画面」は、2次元バーコードと呼ばれるQR(Quick Response)コード(商標)を表示するもので、このQRコードを携帯電話機のカメラで読み込むと、当該遊技機の情報を公開するインターネット上のサイトへ飛んで機器の情報を携帯電話機の表示部に表示することができるようになる。
図52および図53には、「ミニゲーム2」と「ミニゲーム3」の具体例が示されている。
このうち図52の「ミニゲーム2」は、決められた時間内における演出ボタン25の連打回数を競うゲーム(御神輿ゲーム)であり、遊技者が演出ボタン25を連打すると、図52(b)のように、画面内のキャラクタが神輿を持ち上げる動作をし、連打回数が所定時間内(例えば10秒以内)に所定回数以上であると、図52(c)のように「成功」を示す画像を表示するとともにセンターケース40に設けられているLEDランプを点滅させる。一方、連打回数が所定時間内(例えば10秒以内)に所定回数に達しないと、図52(d)のように「失敗」を示す画像を表示する。なお、「ミニゲーム1」は、占いゲームであり、図54の(a)→(b)のような表示を行い、ここで遊技者が演出ボタンを押下するとそのタイミングで例えば乱数を引いてそれに応じて、「大吉」、「中吉」、「小吉」……のような占い結果を報知するゲームである。図51の画面55fはミニゲーム1の結果を報知する画面である。図54は、先読み予告演出の流れを示すもので、これについては後に説明する。
図53の「ミニゲーム3」は、演出ボタン25を押すタイミングを競うゲームであり、ゲームが開始すると、図53(a)のように画面上に男女のカップルが登場し、図53(b),(c)のように会話(質問)をする画像が表示される。ここで、例えば遊技者が適当なタイミングで演出ボタン25を押すと、そのタイミングに応じて図52(d)のように「失敗」を示す画像または図53(e)のように「成功」を示す画像を表示する。
なお、上記のようなミニゲームを遊技機において実施するに当たっては、前述した実施例において始動入賞記憶のオーバーフローが発生した場合に実行される先読み予告演出(図50)やモード移行演出(図26)と共通化するとよい。すなわち、先読み予告演出やモード移行演出の実行条件が成立した場合に、上記のようなミニゲームを実行し、ゲームの結果が成功か失敗かに応じて、先読み予告演出やモード移行演出の結果を表示されるようにする。
図54には、図51の「ミニゲーム1」を先読み予告演出に利用すなわち「ミニゲーム1」と先読み予告演出とを共通化して演出制御を行う場合の画像の一例が示されている。このようにミニゲーム1と先読み予告演出とを共通化する場合、例えば図54(c)に示すように、先読み予告演出における予告表示画面を、「ミニゲーム1」の結果画面55f(図51参照)と置き変えることで対応することができる。
なお、先読み予告演出は、前記実施例で説明したように、始動記憶のオーバーフローの発生を契機として実行するように制御することができる。そして、その場合、先読み予告演出は、始動記憶の範囲内で複数の変動表示ゲームに亘って実行しても良いし、1回の変動表示ゲーム中に終了するように実行しても良い。「ミニゲーム1」以外についても同様である。
図54(c)には一例として「大当たり」を予告する表示の例を示したが、それ以外に例えば「スペシャルリーチ」の発生予告や、大当たりの信頼度を表示しても良い。また、いわゆる昇格演出において上記ミニゲームと画像を共通化して昇格演出を実行することも可能である。その場合、例えば昇格演出の最後に図55に示すような画像を図54(c)の画像に変えて表示するようにすればよい。
さらに、ゲーム全体ではなく、ミニゲームの背景画像や登場キャラクタなど一部を、先読み予告演出や昇格演出、モード移行演出と共通化するようにしてもよい。上記のようにミニゲームと先読み予告演出等との間で画像の共通化を行うことによって、ROMの記憶容量を節約することができる。
次に、演出制御装置300により実行される第5発明に係るミニゲーム処理の変形例について図56および図57のフローチャートを用いて説明する。
第1の変形例は、当日の当該遊技機において発生した大当たりの連チャン回数の最大値に応じて実行可能なミニゲームを追加するものである。演出制御装置300は、図56に示すように、最大連チャン回数を判定する(ステップS411)。そして、最大連チャン回数が例えば1〜4回の場合にはミニゲームの追加はせず、最大連チャン回数が5〜9回の場合には「ミニゲーム2」を追加し、最大連チャン回数が10以上の場合には「ミニゲーム3」を追加する(ステップS412〜S414)。
ここで、「連チャン」とは確変大当たりの連続した回数のことであり、大当たりの連続が途切れたとしても直後の時短遊技中に再度確変大当たりが発生するいわゆる引き戻しを含めるようにしても良い。なお、このミニゲーム追加処理は、例えば大当たり遊技の終了時等に行うようにすることができる。
上記のように、特別遊技状態が連続して発生することに応じて実行可能なミニゲームの種類を増加させるような制御を行うことにより、遊技者は気分転換のために変動表示ゲーム以外の色々な種類のミニゲームを楽しみたい場合には連続大当たり回数を増やそうとするため、遊技機の稼動率を高めることが出来るとともに、連続大当たり回数が多くなると変動表示ゲーム以外のミニゲームの種類が増加するため、遊技者により大きな満足感を与えることができる。
第2の変形例は、図57に示すようなミニゲームストック処理を行って、ミニゲームを実行可能な回数を増減するものである。
演出制御装置300は、図57に示すように、変動表示ゲームが終了したか否かを判定する(ステップS421)。そして、変動表示ゲームが終了した(ステップS421:Y)と判定した場合はミニゲーム実行可能回数を保持するミニゲームカウンタの値が「30」か否かを判定する(ステップS422)。そして、ミニゲームカウンタの値が「30」でないと判定した場合(ステップS422:N)は、ミニゲームカウンタの値を「+1」する(ステップS423)。一方、ステップS421で変動表示ゲームが終了していないと判定した場合(ステップS421:N)およびステップS422でミニゲームカウンタの値が「30」であると判定した場合(ステップS422:Y)は、ステップS42をスキップして当該ミニゲームストック処理を終了する。
なお、図示しないが、ミニゲームカウンタは、図6の特図ゲーム処理S19等の中で、変動表示ゲーム終了ごとに「−1」される。上記のようなミニゲームストック処理を実行することにより、変動表示ゲームが実行されれば実行可能なミニゲームの回数が増加するため、ミニゲームを楽しみたい遊技客は変動表示ゲームの開始条件となる始動入賞口へ遊技球を入賞させようとするため、積極的に遊技をさせるように促すことができ、その結果、遊技機の稼動率を高めることが出来る。ステップS422の判定値「30」は一例であり、これに限定されるものではない。
[第6発明]
次に、演出制御装置300により実行される本出願の第6発明に係る大当たり発生時の演出処理の実施例について図58〜図64を用いて説明する。なお、本実施例が適用される遊技機は、基本的には、前述の第1発明の実施例の遊技機と同様の構成を有し、ほぼ同様な制御を実行するので、以下、重複した説明を省略し、異なる部分について主に説明する。
本出願の第6発明は、確変大当たりの乱数をひいた変動表示ゲームにおいて識別図柄(特図1、特図2表示器81,82)の変動中や大当たり遊技のラウンド進行中に、液晶表示装置41において、前記第5発明の実施例で説明したミニゲーム(図52,図53等)と同様な内容のミニゲームを大当たりの際の演出として実行するようにしたものである。上記のようにミニゲームと大当たりの際の演出との間で画像の共通化を行うことによって、ROMの記憶容量を節約することができる。
なお、本実施例の遊技機は、識別図柄の停止結果が例えば図58に示すような8種類の結果のいずれかとなる変動表示ゲームを実行するように構成されている。
図58において、「14R通常当り」とは、大当り遊技において大入賞口(38)を開放する動作を14ラウンド実行するとともに大当り遊技終了後は変動表示ゲームにおける大当りの発生確率が低い通常遊技状態になる大当りを意味する。また、「14R確変C当り」、「14R確変B当り」とは、大当り遊技において大入賞口(38)を開放する動作を14ラウンド実行するとともに大当り遊技終了後は変動表示ゲームにおける大当りの発生確率が高い高確率の確変遊技状態になる大当りを意味する。
また、図58において、「14R確変C当り」と「14R確変B当り」の違いは、「14R確変B当り」においては演出制御装置300が遊技制御装置100からファンファーレコマンドを受信した後にミニゲームからなる特定の演出を実行するのに対し、「14R確変C当り」ではそのような特定演出を実行しない点にある。「成功」は特定演出のミニゲームの結果が成功になること、「失敗」は特定演出のミニゲームの結果が失敗になることを意味している。
さらに、「2R確変A当り」における「2R(0R出玉)」とは出玉が発生しないような短い時間だけ大入賞口(38)を開放する動作を2回実行することを意味する。「2R確変A当り」が発生すると、大当り遊技終了後は確変遊技状態に移行する。一方、「図柄小当り」は、出玉が発生しないような短い時間だけ大入賞口(38)を開放する動作を2回実行するが、大当り遊技終了後は確変遊技状態に移行しない見掛け上の当りである。このように、発生した大当りの種類によってその後実行される特別遊技状態の種類が異なることになる。
次に、本実施例の遊技機において、大当り発生時に実行される特定演出について説明する。
図59は、本実施例における確変大当り発生時の大当り遊技の進行の仕方を示す。図59において、期間T1は変動表示ゲームの実行期間を、期間T2は大当り遊技の実行期間を示す。図59に示すように、本実施例においては、変動表示ゲームの実行期間T1に液晶表示装置41において特定演出のミニゲーム(1回目)を途中まで実行する。そして、特図1、特図2表示器81,82における識別図柄の変動が停止するタイミングt1で、主制御手段としての遊技制御装置100から従制御手段としての演出制御装置300へファンファーレコマンドが送信され、演出制御装置300がファンファーレコマンドを受信すると、特定演出のミニゲーム(1回目)の続きを液晶表示装置41において実行する一方、スピーカによりファンファーレを鳴らす演出を行う。なお、このミニゲーム(1回目)では、大当りの種類に応じてゲームの結果が「成功」または「失敗」となる表示を行う。
その後、特定演出のミニゲーム(1回目)の終了時点t2で遊技制御装置100から演出制御装置300へ大入賞口(38)の開放動作の開始を示すラウンドコマンドが送信され、演出制御装置300がラウンドコマンドを受信すると、液晶表示装置41において所定のラウンド中演出を実行する。そして、大当りが14R確変B当りおよび5R確変B当りの場合には、ラウンド3が開始するタイミングt3で特定演出のミニゲーム(2回目)を開始し、ラウンド1〜5のどこか(例えばラウンド3〜4)でミニゲーム(1回目)を途中まで実行する。続いて、ラウンド5においてミニゲーム(2回目)を継続して実行して結果を表示する。このとき、14R確変B当りではゲームの結果が「成功」となる表示を行う一方、5R確変B当りではゲームの結果が「失敗」となる表示を行う。すなわち、ラウンド5においていわゆる昇格演出を行う。
その後、14R確変B当りではラウンド6〜14にかけて液晶表示装置41においてラウンド中の演出を行う。そして、ラウンド14の終了時点t6で遊技制御装置100から演出制御装置300へエンディングコマンドが送信される。一方、5R確変B当りではラ
ウンド5の終了時点t5で遊技制御装置100から演出制御装置300へエンディングコマンドが送信される。演出制御装置300がエンディングコマンドを受信すると、液晶表示装置41において、例えば図55に示すような確変の確定を示すようなウェディング演出を実行する。
一方、5R確変A当りおよび2R確変A当りの場合には、識別図柄の変動が停止するタイミングt1で、遊技制御装置100から演出制御装置300へファンファーレコマンドが送信され、演出制御装置300がファンファーレコマンドを受信すると、特定演出のミニゲーム(1回目)の続きを液晶表示装置41において実行する一方、スピーカによりファンファーレを鳴らす演出を行う。なお、ここではゲームの結果が「失敗」となる表示を行う。そして、直ちに特定演出のミニゲーム(2回目)を実行し、ゲームの結果が「失敗」となる表示を行う。すなわち、ファンファーレ期間においていわゆる昇格演出を行う。
その後、ミニゲーム(2回目)の終了時点t2で遊技制御装置100から演出制御装置300へ大入賞口(38)の開放の開始を示すラウンドコマンドが送信され、演出制御装置300がラウンドコマンドを受信すると、液晶表示装置41においてラウンド中の演出を実行する。そして、5R確変A当りでは、ラウンド1〜5にかけて液晶表示装置41においてラウンド中の演出を行い、2R確変A当りではラウンド1〜2にかけて液晶表示装置41においてラウンド中の演出を行う。ラウンド中の演出については後に説明する。
そして、ラウンド5またはラウンド2の終了時点で遊技制御装置100から演出制御装置300へエンディングコマンドが送信される。演出制御装置300がエンディングコマンドを受信すると、5R確変A当りでは、液晶表示装置41においてウェディング演出を実行する。一方、2R確変A当りでは、エンディングコマンドを受信すると、液晶表示装置41において、確変状態へ移行するのか通常状態へ移行するのか分からないようにドキドキハラハラさせる演出を実行する。
上記のような処理は、主制御手段としての遊技制御装置100および従制御手段としての演出制御装置300の制御によって実行される。
従って、主制御手段が送出する制御指令には、少なくとも特別遊技状態へ移行するための演出を実行させるためのファンファーレコマンドが含まれ、従制御手段は、特別遊技状態が発生する場合に、当該特別遊技状態が発生する変動表示ゲームの開始後結果が導出されるまで特定演出の前半部分を実行し、さらに、主制御手段から送出されるファンファーレコマンドを受信した場合に、発生した特別遊技状態の種類に応じて前記特定演出の後半部分を実行することで、特別遊技状態が発生する変動表示ゲームの変動開始からファンファーレコマンドまで連続した特定演出を実行することとなる。
上記のように、第6の発明によれば、変動開始からファンファーレまでの時間を使用し、例えば遊技者に付与される遊技価値を示唆する演出という従来にない演出を行うことで、遊技者の期待感を継続させることが出来る。また、変動表示ゲームの実行中からファンファーレまでの期間ずっと連続した特定演出が実行されるので遊技の興趣が高まる。
図60〜図64には、図59に示されている14R確変B当り、5R確変B当り、5R確変A当りのラウンド1〜5および2R確変A当りのラウンド1〜2と、小当りのラウンド1〜2の詳しいタイミングが示されている。図60〜図64からも分かるように、各大当り遊技中に実行される特定演出のミニゲームの結果を成功にするか失敗にするかは、当りの種類とコマンドによって区別することができる。
図63の2R確変A当りと図64の小当りとの違いは、「2R確変A当り」では条件装置が作動するのに図64の「小当り」では条件装置が作動しない点にある。ラウンド1〜2中に行う演出は、「2R確変A当り」も「小当り」も、確変に移行する可能性が高いことを報知する「突確演出」(突確当り演出)または確変に移行するか移行しないかを曖昧に報知する「小当り演出」(突確外れ演出)である。また、「突確演出」「小当り演出」を共通にすることで、「2R確変A当り」と「小当り」とを区別しずらくして、遊技者にハラハラドキドキ感を与えることができる。
従来の遊技機においては、一般に、演出制御装置が遊技制御装置からコマンド(ファンファーレコマンド、ラウンドコマンド等)を受信すると直ちにそのコマンドに対応した処理(大当り表示、ラウンド演出等)を実行するようにしている。これに対し、本実施例においては、演出制御装置300は遊技制御装置100からファンファーレコマンドを受信しても、そのコマンドに対応した処理(大当り表示)を実行せずに特定演出のミニゲームを継続するようにしている。
上記のような制御は、例えば直前に受信したコマンド(変動停止コマンド)に今回受信したコマンド(ファンファーレコマンド)を上書きするようなことはせず、2つのコマンドを同時に保持できるように演出制御装置300を構成しておく、あるいはファンファーレコマンドを受信した際に、特定演出のミニゲームを実行しているか否か判定して、ミニゲームを実行していると判定した場合には液晶表示装置41における演出に関してはファンファーレコマンドを無視あるいは保留するように演出制御プログラムを構成しておくことによって可能である。
なお、本発明の遊技機は、前記実施の形態に示されるようなパチンコ遊技機に限られるものではなく、例えば、その他のパチンコ遊技機、アレンジボール遊技機、雀球遊技機などの遊技球を使用する全ての遊技機に適用可能である。
また、今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。