JP2014130914A - 半導体ウエハの表面加工方法、および加工半導体ウエハの製造方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】 エッチングマスクを用いることなく、半導体ウエハの表面に凹凸形状をより確実に形成する。
【解決手段】 エッチング処理装置のチャンバー内に、酸素原子を含む気体また物質を導入した状態で、エッチングマスクを用いることなく化合物半導体層を備える半導体ウエハの化合物半導体層の表面にドライエッチング処理を施す。このとき、酸素原子を含む物質で形成された支持体上に半導体ウエハを配置した状態で、ドライエッチング処理を行う。そして、基板ステージの載置面の一部が露出した状態でドライエッチング処理を施すことが好ましい。また、支持体上に半導体ウエハを配置し、かつ支持体上に酸素原子を含む物質を配置した状態で、ドライエッチング処理を行ってもよい。酸素原子を含む物質がAl2O3およびSiO2のうちの少なくとも一種であることが好ましい。
【選択図】図3
【解決手段】 エッチング処理装置のチャンバー内に、酸素原子を含む気体また物質を導入した状態で、エッチングマスクを用いることなく化合物半導体層を備える半導体ウエハの化合物半導体層の表面にドライエッチング処理を施す。このとき、酸素原子を含む物質で形成された支持体上に半導体ウエハを配置した状態で、ドライエッチング処理を行う。そして、基板ステージの載置面の一部が露出した状態でドライエッチング処理を施すことが好ましい。また、支持体上に半導体ウエハを配置し、かつ支持体上に酸素原子を含む物質を配置した状態で、ドライエッチング処理を行ってもよい。酸素原子を含む物質がAl2O3およびSiO2のうちの少なくとも一種であることが好ましい。
【選択図】図3
Description
本発明は半導体ウエハの表面加工方法、および加工半導体ウエハの製造方法に関する。詳細には、エッチングマスクを用いることなく、表面に凹凸構造をより確実に形成する半導体ウエハの表面加工方法、およびエッチングマスクを用いずに形成された凹凸構造を表面に有する加工半導体ウエハの製造方法に関する。
半導体素子は、さまざまな電子機器に用いられており、演算処理装置や発光素子や受光素子などの光学デバイス、および各種センサなどに応用されている。とりわけ光学デバイスにおいては積層構造を有する化合物半導体素子が広く用いられており、その光取り出し効率や光電変換効率を高めるために様々な工夫がなされている。
中でも、半導体素子表面を加工することにより光を散乱させて光取り出し効率を向上させる技術がよく用いられている。例えば、下記の特許文献1には、六方ピラミッドキャビティが設けられるように窒化物半導体層の成膜を行うことで、半導体層表面に凹凸構造を形成する手法が記載されている。また、特許文献1には、窒化物半導体層の成膜後に、化学湿潤エッチング法(ウェットエッチング)を用いて特許文献1表面に凹凸構造を形成する手法も記載されている。
特許文献2には、有機物をマスクとしてドライエッチングを行うことにより、半導体層表面に凹凸構造を形成する手法が記載されている。
特許文献2には、有機物をマスクとしてドライエッチングを行うことにより、半導体層表面に凹凸構造を形成する手法が記載されている。
また、特許文献3には、フォトリソグラフィ法を用いることなく基板表面に凹凸を形成するために、エッチングとデポジションとが同時に生じるような条件で基板表面をエッチング処理することで、基板表面にマスクレスで凹凸を形成する方法が記載されている。特許文献3では、分解されたエッチングガス若しくは基板材料との反応物が基板表面へデポジットする結果、均一なエッチングが阻害されて基板表面が凹凸形状になるとの技術が開示されている。特許文献3において開示されている具体的な条件としては、エッチングガスとして、デポジットを生じさせる見地から炭化物を用いることが好ましく、基板材料と安定して結合する見地からフッ素系を用いることが好ましいことの開示がある。また、エッチング条件は、プラズマ密度および基板に対するプラズマの引き込み電圧、ならびにエッチング時間を任意に調整することにより、凹凸形状を制御できる旨の開示がある。
しかしながら、特許文献1に記載されているウェットエッチングによる凹凸構造形成手法や、特許文献2に記載されているドライエッチングによる凹凸構造形成方手法では、いずれも凹凸構造形成用のマスクパターンの形成が必要となり、工程が煩雑になってしまう。
また、特許文献3に開示されている条件を適用しても、半導体ウエハの表面に凹凸形状を形成されない場合があることが本出願人により確認されている。
すなわち、本発明は、このような問題に鑑みてなされたものであり、エッチングマスクを用いることなく、半導体ウエハの表面に凹凸形状をより確実に形成するための半導体ウエハの表面加工方法、および加工半導体ウエハの製造方法を提供することを目的とする。
すなわち、本発明は、このような問題に鑑みてなされたものであり、エッチングマスクを用いることなく、半導体ウエハの表面に凹凸形状をより確実に形成するための半導体ウエハの表面加工方法、および加工半導体ウエハの製造方法を提供することを目的とする。
本発明は、このような目的を達成するためになされたもので、本発明の一態様に係る半導体ウエハの表面加工方法は、チャンバー内において、化合物半導体層を備える半導体ウエハを支持体で支持し、前記チャンバー内に酸素原子を含む気体または物質を導入した状態で、エッチングマスクを用いることなく前記化合物半導体層の表面にドライエッチング処理を施して、該表面に凹凸構造を形成することを特徴とする。
上記半導体ウエハの表面加工方法は、前記支持体が前記酸素原子を含む物質であってもよい。
上記半導体ウエハの表面加工方法は、前記支持体が基板ステージであり、前記基板ステージ上に、前記化合物半導体層が露出するように前記半導体ウエハを載置して、前記ドライエッチング処理を施すようにしてもよい。
上記半導体ウエハの表面加工方法は、前記支持体が基板ステージであり、前記基板ステージ上に、前記化合物半導体層が露出するように前記半導体ウエハを載置して、前記ドライエッチング処理を施すようにしてもよい。
上記半導体ウエハの表面加工方法は、前記基板ステージの前記載置面の一部が露出した状態で、前記ドライエッチング処理を施すようにしてもよい。
上記半導体ウエハの表面加工方法は、前記支持体上に、前記半導体ウエハと前記酸素原子を含む物質とを配置した状態で、前記ドライエッチング処理を行うようにしてもよい。
上記半導体ウエハの表面加工方法は、前記ドライエッチング処理時における前記チャンバー内の酸素濃度が、1ppb以上100ppm以下であることが好ましい。
上記半導体ウエハの表面加工方法は、前記支持体上に、前記半導体ウエハと前記酸素原子を含む物質とを配置した状態で、前記ドライエッチング処理を行うようにしてもよい。
上記半導体ウエハの表面加工方法は、前記ドライエッチング処理時における前記チャンバー内の酸素濃度が、1ppb以上100ppm以下であることが好ましい。
上記半導体ウエハの表面加工方法は、前記酸素原子を含む物質がAl2O3およびSiO2のうちの少なくとも一種であることが好ましい。
上記半導体ウエハの表面加工方法は、前記化合物半導体層が窒化物半導体層であることが好ましい。
上記半導体ウエハの表面加工方法は、前記化合物半導体層がアルミニウム(Al)を含むことが好ましい。
上記半導体ウエハの表面加工方法は、前記化合物半導体層が窒化物半導体層であることが好ましい。
上記半導体ウエハの表面加工方法は、前記化合物半導体層がアルミニウム(Al)を含むことが好ましい。
上記半導体ウエハの表面加工方法は、前記化合物半導体層の表面が+c面であることが好ましい。
上記半導体ウエハの表面加工方法は、前記化合物半導体層がAlxGa1−xN(0.5<x<1)であることが好ましい。
上記半導体ウエハの表面加工方法は、前記化合物半導体層がAlxGa1−xN(0.5<x<1)であることが好ましい。
また、本発明の一態様に係る加工半導体ウエハの製造方法は、化合物半導体層を備える半導体ウエハをチャンバー内の支持体で支持し、前記チャンバー内に酸素原子を含む気体または物質を導入した状態で、エッチングマスクを用いずに、前記化合物半導体層の表面にドライエッチング処理を施して、表面に凹凸構造を有する前記化合物半導体層を備える加工半導体ウエハを製造することを特徴とする。
上記加工半導体ウエハの製造方法は、基板の一方の表面に前記化合物半導体層を形成することにより前記半導体ウエハを製造してもよい。
上記加工半導体ウエハの製造方法は、基板の一方の表面に前記化合物半導体層を形成することにより前記半導体ウエハを製造してもよい。
本発明によれば、半導体ウエハが備える化合物半導体層の表面に、エッチングマスクを用いることなくより確実に凹凸構造を形成することができる。
以下、本発明を実施するための形態(以下、本実施形態と称する)について詳細に説明する。
[半導体ウエハ]
本発明の表面加工方法および製造方法が適用される半導体ウエハとしては、少なくとも化合物半導体層を備えているものであれば特に制限されず、化合物半導体層単層からなる半導体ウエハであってもよいし、積層構造を有する半導体ウエハであってもよい。半導体ウエハは、具体的には、基板上に単層の化合物半導体層を設けた構造、あるいは単層の化合物半導体層の一部を部分的に成長させた構造や、基板上に半導体層を複数層積層させて、最表面に化合物半導体層を備えた構造、基板上に化合物半導体層を積層させた後に基板を取り除いた構造等を有する。また、本発明の半導体ウエハは、本発明の表面加工方法が適用されることにより、表面が凹凸形状である半導体層を備える。
本発明の表面加工方法および製造方法が適用される半導体ウエハとしては、少なくとも化合物半導体層を備えているものであれば特に制限されず、化合物半導体層単層からなる半導体ウエハであってもよいし、積層構造を有する半導体ウエハであってもよい。半導体ウエハは、具体的には、基板上に単層の化合物半導体層を設けた構造、あるいは単層の化合物半導体層の一部を部分的に成長させた構造や、基板上に半導体層を複数層積層させて、最表面に化合物半導体層を備えた構造、基板上に化合物半導体層を積層させた後に基板を取り除いた構造等を有する。また、本発明の半導体ウエハは、本発明の表面加工方法が適用されることにより、表面が凹凸形状である半導体層を備える。
基板は、例えばガラス、石英、酸化アルミニウム、サファイア、窒化珪素、炭化珪素等のセラミックス基板、シリコン、ゲルマニウム、ガリウム砒素、ガリウム燐、ガリウム窒素等半導体基板等を用いることができる。
化合物半導体層は、光デバイスへの適応性が高い観点から、窒化物半導体層であることが好ましい。窒化物半導体層の具体例としては、窒化ガリウム(GaN)、窒化アルミニウム(AlN)、窒化インジウム(InN)、窒化ホウ素(BN)、窒化アルミニウムガリウム(AlGaN)あるいはこれらの混晶などが挙げられるが、これらに限定されるものではない。
化合物半導体層は、光デバイスへの適応性が高い観点から、窒化物半導体層であることが好ましい。窒化物半導体層の具体例としては、窒化ガリウム(GaN)、窒化アルミニウム(AlN)、窒化インジウム(InN)、窒化ホウ素(BN)、窒化アルミニウムガリウム(AlGaN)あるいはこれらの混晶などが挙げられるが、これらに限定されるものではない。
また、化合物半導体層は、凹凸構造形成性の観点からアルミニウム(Al)を含むことが好ましく、化合物半導体層表面が+c面であることがさらに好ましい。アルミニウムを含む化合物半導体層の具体例としては、窒化アルミニウム(AlN)、窒化アルミニウムガリウム(AlGaN)、酸化アルミニウム(Al2O3)、燐化アルミニウム(AlP)、砒化アルミニウム(AlAs)、アンチモン化アルミニウム(AlSb)、硫化アルミニウム(Al2S3)、セレン化アルミニウム(Al2Se3)、テルル化アルミニウム(Al2Te3)、フッ化アルミニウム(AlF3)、塩化アルミニウム(AlCl3)、臭化アルミニウム(Al2Br6、AlBr3)、沃化アルミニウム(AlI3)、あるいはこれらの混晶などが挙げられるがこれに限定されるものではない。
すなわち、化合物半導体層としては、特にアルミニウムを含む窒化物半導体層であることが好ましい。アルミニウムを含む窒化物半導体層の具体例としては、窒化アルミニウムガリウム(AlGaN)が挙げられる。さらに、アルミニウムの含有量がガリウムの含有量よりも多い窒化アルミニウムガリウム(AlxGa1−xN(0.5<x<1))であることがさらに好ましい。凹凸構造形成性がより高くなるためである。
以下、本発明の加工半導体ウエハの製造方法の一例について、図1および図2を用いて説明する。なお、以下では、基板上に単層の化合物半導体層が設けられた加工半導体ウエハの製造方法について説明する。
[準備工程]
図1(a)に示すように、基板11を準備する。図1(b)に示すように、基板11の表面に、化合物半導体層12を形成する。これにより、表面加工の施されていない半導体ウエハ10が得られる。
続いて、図2に示すように、半導体ウエハ10を、化合物半導体層12表面を上面にしてエッチング装置20のチャンバー21内に備えられた基板支持体24上に載置する。ここで、基板支持体とは、一般にエッチング室へ搬送するための搬送ステージ、あるいは図2に示すような、チャンバー内に直接基板を載置する際の電極などのステージを指す。また、図2のエッチング装置20において、基板支持体24は、半導体ウエハ10を載置するためのステージと電極とを兼ねる。この際、基板支持体24と半導体ウエハ10との間に、ヘリウム(He)等の気体が存在していても良い。
図1(a)に示すように、基板11を準備する。図1(b)に示すように、基板11の表面に、化合物半導体層12を形成する。これにより、表面加工の施されていない半導体ウエハ10が得られる。
続いて、図2に示すように、半導体ウエハ10を、化合物半導体層12表面を上面にしてエッチング装置20のチャンバー21内に備えられた基板支持体24上に載置する。ここで、基板支持体とは、一般にエッチング室へ搬送するための搬送ステージ、あるいは図2に示すような、チャンバー内に直接基板を載置する際の電極などのステージを指す。また、図2のエッチング装置20において、基板支持体24は、半導体ウエハ10を載置するためのステージと電極とを兼ねる。この際、基板支持体24と半導体ウエハ10との間に、ヘリウム(He)等の気体が存在していても良い。
[半導体ウエハの表面加工工程]
次に、図2に示すように、ポンプ27を用いてチャンバー21内を真空引きし、チャンバー21内に酸素原子を含む気体または物質を導入した状態で、半導体ウエハ10の化合物半導体層12の表面にドライエッチング処理を施す。ドライエッチング処理は、反応性の気体やイオン、ラジカルによって材料をエッチングする方法であり、反応性イオンエッチング(RIE:ReactiveIon Etching)、反応性イオンビームエッチング(RIBE:ReactiveIon Beam Etching)、電子サイクロトロン共鳴エッチング(ECR:Electron Cyclotron Resonance)、イオンミリング等の装置が用いられる。なかでも、励起コイルの電力を制御することでプラズマ密度を制御し、下部電極の電力を制御することでイオンの引き込み量を制御するICP(誘導結合型)−RIE装置を用いることが好ましい。
次に、図2に示すように、ポンプ27を用いてチャンバー21内を真空引きし、チャンバー21内に酸素原子を含む気体または物質を導入した状態で、半導体ウエハ10の化合物半導体層12の表面にドライエッチング処理を施す。ドライエッチング処理は、反応性の気体やイオン、ラジカルによって材料をエッチングする方法であり、反応性イオンエッチング(RIE:ReactiveIon Etching)、反応性イオンビームエッチング(RIBE:ReactiveIon Beam Etching)、電子サイクロトロン共鳴エッチング(ECR:Electron Cyclotron Resonance)、イオンミリング等の装置が用いられる。なかでも、励起コイルの電力を制御することでプラズマ密度を制御し、下部電極の電力を制御することでイオンの引き込み量を制御するICP(誘導結合型)−RIE装置を用いることが好ましい。
このとき、図2に示すように、ドライエッチング処理は、エッチング装置20において、高周波電源26を用いて電極を兼ねる基板支持体24と電極25との間に高周波電力を印加して、基板支持体24と電極25との間にプラズマを発生させる。そして、チャンバー21内に導入された酸素原子を含む気体または物質と、エッチングガスとを分解及び励起させて化合物半導体層12に対してエッチング処理を行う。このエッチング処理によって、化合物半導体層12の表面が凹凸形状に加工され、図1(d)に示す、凹凸構造を有する加工半導体ウエハ10aが製造される。
酸素原子を含む気体の導入は、例えば、真空引きされたチャンバー21内に、エッチングガスとして所望の量の酸素原子を含有する気体を導入することで達成される。また、酸素原子を含む物質の導入は、例えば、チャンバー21内に、酸素原子を含有する化合物を設置することで達成される。酸素原子を含む気体の導入と、酸素原子を含む化合物の導入とは、少なくとも一方が達成されていればよく、双方が併用されてもよい。
酸素原子を含有する気体の一例としては、酸素、一酸化炭素、二酸化炭素、H2Oガスが挙げられる。
また、酸素原子を含有する物質の一例としては、酸化アルミニウム(Al2O3)、酸化ケイ素(SiO2)などの無機酸化物、あるいはヒドロキシル基、カルボニル基、エーテル基、エステル基、ニトロ基などの酸素原子を含む有機物をチャンバー内に設置することが挙げられる。
また、酸素原子を含有する物質の一例としては、酸化アルミニウム(Al2O3)、酸化ケイ素(SiO2)などの無機酸化物、あるいはヒドロキシル基、カルボニル基、エーテル基、エステル基、ニトロ基などの酸素原子を含む有機物をチャンバー内に設置することが挙げられる。
ドライエッチング処理時において、チャンバー内に酸素原子を含む気体または物質を導入した状態とすることにより、酸素分子もしくは酸素ラジカル、又は酸素原子を含む物質もしくは酸素原子を含むラジカル活性種と、化合物半導体、活性な未結合手を有する化合物半導体、又は化合物半導体がエッチングされることで発生するラジカルやイオンといった活性種等と、が反応することで、表面に酸素を含むエッチングマスク層が形成される。その結果、均一なエッチングが阻害され、エッチングマスクを用いることなく、半導体ウエハの化合物半導体層表面に、より確実に凹凸形状が形成可能となる。これは、化合物半導体層がアルミニウム(Al)を含む場合や、化合物半導体層表面が+c面である場合に顕著である。
基板表面に精度よく凹凸を形成する観点から、エッチング工程中のチャンバー内の酸素濃度は、1ppb以上100ppm以下であることが好ましい。この範囲外に酸素濃度が低い場合と比較して、化合物半導体層表面における凹凸形状の形成が容易となり、また、この範囲外に酸素濃度が高い場合と比較して、化合物半導体内部への酸素の混入、それに伴う内部欠陥の発生を抑制できる。
また、ドライエッチング処理時には、エッチングガスが用いられる。図2に示すように、エッチングガスは、チャンバー21に設けられた導入口22から導入され、導出口23から導出される。
エッチングガスとしては、塩素ガス(Cl2)、三塩化ホウ素ガス(BCl3)などの塩素系ガス、四フッ化メタンガス(CF4)、三フッ化メタンガス(CHF3)などのフッ素系ガス、もしくはハライド系ガスを一部含んだ混合ガスを用いることが可能であるが、この限りではない。
また、ドライエッチング処理時に、チャンバー内に酸素原子を含む気体を導入する場合には、上述のエッチングガスと酸素原子を含む気体とを混合してチャンバー内に導入してもよい。
エッチングガスとしては、塩素ガス(Cl2)、三塩化ホウ素ガス(BCl3)などの塩素系ガス、四フッ化メタンガス(CF4)、三フッ化メタンガス(CHF3)などのフッ素系ガス、もしくはハライド系ガスを一部含んだ混合ガスを用いることが可能であるが、この限りではない。
また、ドライエッチング処理時に、チャンバー内に酸素原子を含む気体を導入する場合には、上述のエッチングガスと酸素原子を含む気体とを混合してチャンバー内に導入してもよい。
ドライエッチング処理時の処理条件は、以下のようにすることが好ましい。チャンバー内のガス流量は、5sccm以上150sccm以下であることが好ましく、5sccm以上50sccm以下であることがより好ましい。チャンバー圧力は、0.1Pa以上15Pa以下であることが好ましく、0.1Pa以上5Pa以下であることがより好ましい。半導体ウエハの基板温度は、−40℃以上60℃以下の範囲であることが好ましく、−5℃以上40℃以下の範囲であることがより好ましい。
上述したように、本実施形態によれば、表面に酸素を含むエッチングマスク層が形成される結果、均一なエッチングが阻害されるため、化合物半導体層の表面に、エッチングマスクを用いることなく、より確実に凹凸構造を形成することができる。また、エッチングマスクを用いることなく、より確実に表面に凹凸構造を有する化合物半導体層を備える加工半導体ウエハを製造することができる。
以下、実施例により本発明を説明する。
[実施例1]
サファイア基板上に、MOCVD(有機気相成長)装置(VEECO社製、型番P−75)を用いてAlN膜(厚さ2μm)およびAl0.7Ga0.3N膜(厚さ0.5μm)を順に成膜した半導体ウエハを作製した。この半導体ウエハを、ICP−RIE装置(ULVAC社製、型番NE−550)のチャンバー内に設けられた直径4インチのAl2O3基板支持体上に、Al0.7Ga0.3N膜側をエッチング面として上面に向けて載置した。
[実施例1]
サファイア基板上に、MOCVD(有機気相成長)装置(VEECO社製、型番P−75)を用いてAlN膜(厚さ2μm)およびAl0.7Ga0.3N膜(厚さ0.5μm)を順に成膜した半導体ウエハを作製した。この半導体ウエハを、ICP−RIE装置(ULVAC社製、型番NE−550)のチャンバー内に設けられた直径4インチのAl2O3基板支持体上に、Al0.7Ga0.3N膜側をエッチング面として上面に向けて載置した。
続いて、この半導体ウエハに対して、塩素ガス中で、ガス流量15sccm、チャンバー圧力0.5Pa、励起コイルの電力320W、下部電極の電力30W、基板温度25℃の条件で、90秒間エッチングを行った。このとき、チャンバー内の酸素濃度は、10ppbであった。
図3に、エッチングを行った後の30°傾斜方向から観察した倍率50,000倍のSEM(Scanning Electron Microscope:走査型電子顕微鏡)画像を示す。図3から、高さが100〜200nmの凹凸構造が形成されていることが分かった。
図3に、エッチングを行った後の30°傾斜方向から観察した倍率50,000倍のSEM(Scanning Electron Microscope:走査型電子顕微鏡)画像を示す。図3から、高さが100〜200nmの凹凸構造が形成されていることが分かった。
[実施例2]
サファイア基板上に、MOCVD(有機気相成長)装置を用いてAlN膜(厚さ2μm)およびAl0.7Ga0.3N膜(厚さ0.5μm)を順に成膜した半導体ウエハを作製した。この半導体ウエハを、ICP−RIE装置のチャンバー内に設けられた直径4インチのSiC基板支持体上に、Al0.7Ga0.3N(Al面)側をエッチング面として上面に向けて載置した。ここで、SiC基板支持体上の半導体ウエハの周囲には、1cm×1cmに加工したAl2O3ウエハ19枚を配置した。
サファイア基板上に、MOCVD(有機気相成長)装置を用いてAlN膜(厚さ2μm)およびAl0.7Ga0.3N膜(厚さ0.5μm)を順に成膜した半導体ウエハを作製した。この半導体ウエハを、ICP−RIE装置のチャンバー内に設けられた直径4インチのSiC基板支持体上に、Al0.7Ga0.3N(Al面)側をエッチング面として上面に向けて載置した。ここで、SiC基板支持体上の半導体ウエハの周囲には、1cm×1cmに加工したAl2O3ウエハ19枚を配置した。
続いて、この半導体ウエハに対して、塩素ガス中で、ガス流量15sccm、チャンバー圧力0.5Pa、励起コイルの電力320W、下部電極の電力30W、基板温度25℃の条件で、90秒間エッチングを行った。このとき、チャンバー内の酸素濃度は、2ppbであった。
すなわち、AlN膜およびAl0.7Ga0.3N膜を順に成膜した半導体ウエハを載置する基板支持体を、直径4インチのSiC基板支持体とし、SiC基板支持体上の半導体ウエハの周囲に1cm×1cmに加工したAl2O3ウエハ19枚を配置した以外は、実施例1と同様にしてエッチングを行った。
図4に、エッチングを行った後の30°傾斜方向から観察した倍率50,000倍のSEM画像を示す。図4から、高さが100〜200nmの凹凸構造が形成されていることが分かった。
図4に、エッチングを行った後の30°傾斜方向から観察した倍率50,000倍のSEM画像を示す。図4から、高さが100〜200nmの凹凸構造が形成されていることが分かった。
[比較例1]
サファイア基板上に、MOCVD(有機気相成長)装置を用いてAlN膜(厚さ2μm)およびAl0.7Ga0.3N膜(厚さ0.5μm)を順に成膜した半導体ウエハを作製した。この半導体ウエハを、ICP−RIE装置のチャンバー内に設けられた直径4インチのSiC基板支持体上に、Al0.7Ga0.3N(Al面)側をエッチング面として上面に向けて載置した。
サファイア基板上に、MOCVD(有機気相成長)装置を用いてAlN膜(厚さ2μm)およびAl0.7Ga0.3N膜(厚さ0.5μm)を順に成膜した半導体ウエハを作製した。この半導体ウエハを、ICP−RIE装置のチャンバー内に設けられた直径4インチのSiC基板支持体上に、Al0.7Ga0.3N(Al面)側をエッチング面として上面に向けて載置した。
続いて、この半導体ウエハに対して、塩素ガス中で、ガス流量15sccm、チャンバー圧力0.5Pa、励起コイルの電力320W、下部電極の電力30W、基板温度25℃の条件で、90秒間エッチングを行った。このとき、チャンバー内の酸素濃度は、0ppbであった。
すなわち、AlN膜およびAl0.7Ga0.3N膜を順に成膜した半導体ウエハを載置する基板支持体を、直径4インチのSiC基板支持体とした以外は、実施例1と同様にしてエッチングを行った。
図5に、エッチングを行った後の30°傾斜方向から観察した倍率50,000倍のSEM画像を示す。図5から、エッチング面には凹凸構造が形成されていないことが分かった。
図5に、エッチングを行った後の30°傾斜方向から観察した倍率50,000倍のSEM画像を示す。図5から、エッチング面には凹凸構造が形成されていないことが分かった。
以上の通り、エッチング処理時に、酸素を含有する物質で形成された基板支持体上に半導体ウエハを載置した実施例1の場合には、半導体ウエハ表面の凹凸構造をエッチングマスクなしでより確実に形成することができる。また、基板支持体上に、半導体ウエハとともに酸素を含有する物質を載置した実施例2の場合にも同様に、半導体ウエハ表面の凹凸構造をエッチングマスクなしでより確実に形成することができる。
一方、エッチング処理時に、チャンバー内に酸素を含有する物質を導入しなかった比較例1の場合には、半導体ウエハ表面に凹凸構造が形成されなかった。
一方、エッチング処理時に、チャンバー内に酸素を含有する物質を導入しなかった比較例1の場合には、半導体ウエハ表面に凹凸構造が形成されなかった。
本発明は、化合物半導体発光素子の半導体ウエハの加工方法として好適である。
10・・・半導体ウエハ
10a・・・加工半導体ウエハ
11・・・基板
12・・・化合物半導体層
20・・・エッチング装置
21・・・チャンバー
22・・・導入口
23・・・導出口
24・・・基板支持体
25・・・電極
26・・・高周波電源
27・・・ポンプ
10a・・・加工半導体ウエハ
11・・・基板
12・・・化合物半導体層
20・・・エッチング装置
21・・・チャンバー
22・・・導入口
23・・・導出口
24・・・基板支持体
25・・・電極
26・・・高周波電源
27・・・ポンプ
Claims (13)
- チャンバー内において、化合物半導体層を備える半導体ウエハを支持体で支持し、前記チャンバー内に酸素原子を含む気体または物質を導入した状態で、エッチングマスクを用いることなく前記化合物半導体層の表面にドライエッチング処理を施して、該表面に凹凸構造を形成することを特徴とする半導体ウエハの表面加工方法。
- 前記支持体が前記酸素原子を含む物質であることを特徴とする請求項1に記載の半導体ウエハの表面加工方法。
- 前記支持体が基板ステージであり、
前記基板ステージ上に、前記化合物半導体層が露出するように前記半導体ウエハを載置して、前記ドライエッチング処理を施すことを特徴とする請求項1または請求項2に記載の半導体ウエハの表面加工方法。 - 前記基板ステージの前記載置面の一部が露出した状態で、前記ドライエッチング処理を施すことを特徴とする請求項3に記載の半導体ウエハの表面加工方法。
- 前記支持体上に、前記半導体ウエハと前記酸素原子を含む物質とを配置した状態で、前記ドライエッチング処理を行うことを特徴とする請求項1から請求項4のいずれか一項に記載の半導体ウエハの表面加工方法。
- 前記ドライエッチング処理時における前記チャンバー内の酸素濃度が、1ppb以上100ppm以下であることを特徴とする請求項1から請求項5のいずれか一項に記載の半導体ウエハの表面加工方法。
- 前記酸素原子を含む物質がAl2O3およびSiO2のうちの少なくとも一種であることを特徴とする請求項1から請求項6のいずれか一項に記載の半導体ウエハの表面加工方法。
- 前記化合物半導体層が窒化物半導体層であることを特徴とする請求項1から請求項7のいずれか一項に記載の半導体ウエハの表面加工方法。
- 前記化合物半導体層がアルミニウム(Al)を含むことを特徴とする請求項1から請求項8に記載のいずれか一項に記載の半導体ウエハの表面加工方法。
- 前記化合物半導体層の表面が+c面であることを特徴とする請求項9に記載の半導体ウエハの表面加工方法。
- 前記化合物半導体層がAlxGa1−xN(0.5<x<1)であることを特徴とする請求項8から請求項10のいずれか一項に記載の半導体ウエハの表面加工方法。
- 化合物半導体層を備える半導体ウエハをチャンバー内の支持体で支持し、
前記チャンバー内に酸素原子を含む気体または物質を導入した状態で、エッチングマスクを用いずに、前記化合物半導体層の表面にドライエッチング処理を施して、表面に凹凸構造を有する前記化合物半導体層を備える加工半導体ウエハを製造することを特徴とする加工半導体ウエハの製造方法。 - 基板の一方の表面に前記化合物半導体層を形成することにより前記半導体ウエハを製造することを特徴とする半導体ウエハ製造工程を備える請求項12に記載の加工半導体ウエハの製造方法。
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JP2012287771A JP2014130914A (ja) | 2012-12-28 | 2012-12-28 | 半導体ウエハの表面加工方法、および加工半導体ウエハの製造方法 |
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Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2019220536A (ja) * | 2018-06-18 | 2019-12-26 | 国立研究開発法人情報通信研究機構 | 半導体基板及びその製造方法、結晶積層構造体及びその製造方法、並びに半導体デバイス |
-
2012
- 2012-12-28 JP JP2012287771A patent/JP2014130914A/ja active Pending
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