JP2014129611A - めっき材料とその製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】製造コストの増加を招くことなく、Snと下地めっき金属との合金化や合金層の成長速度を今まで以上に遅くして、Snめっき層の厚さを長期間に亘って維持し、めっき材料のはんだ濡れ性の低下を抑制することが可能なSnめっき材料の製造方法を提供する。
【解決手段】CuまたはCu合金からなる基材上に、CuまたはCu合金からなる下地めっき層が形成され、さらにSnまたはSn合金からなる表面めっき層が形成されており、さらに加熱処理することにより下地めっき層と表面めっき層との間にCuとSnの合金層が形成されているめっき材料であって加熱処理前の下地めっき層の厚さは、0.8〜1.2μmであり、加熱処理前の表面めっき層の厚さは、1.0〜2.5μmであり、CuとSnの合金層の厚さは、0.9〜1.2μmであり、さらに、CuとSnの合金層を形成する合金の平均粒子径は、5〜8μmであるめっき材料。
【選択図】図2

Description

本発明はめっき材料とその製造方法に関し、詳しくは、Cu(銅)等の導電性基材上に設けられた下地めっき層と、Sn(錫)やSn合金からなる表面めっき層との間に形成される合金層(金属間化合物層)の成長速度を遅くしためっき材料とその製造方法に関する。
CuやCu合金からなる導電性基材の表面にSnやSn合金からなるめっき層(Snめっき層)を設けた材料は、基材の優れた導電性や強度と、Snめっき層の優れた電気接触特性、耐食性、はんだ付け性(はんだ濡れ性)とを兼ね備えた高性能導体として知られており、各種の端子やコネクタ等に広く用いられている。
このようなSnめっき材料の製造において、基材上に直接Snめっき層を設けた場合、時間の経過に伴い、Snと基材金属とが合金化し成長することにより、めっき層の厚さが減少する。そして、このめっき層の厚さの減少に伴い、はんだ濡れ性などの必要性能が低下し、製品不良の原因になり得る。そこで、従来より、基材の上に、Snめっき層表面の平滑性(外観)や、母材が黄銅であった場合に亜鉛の表面への拡散を防ぐことを目的として、CuまたはNi(ニッケル)の下地めっき層を設け、その上にSnめっき層を設け、さらにSnめっき層におけるウィスカー抑制と長期保管性(合金化抑制)を目的として、リフローと言われる加熱処理が行われている。
リフロー処理により、下地めっき層とSnめっき層の間に薄い合金層が形成され、この合金層は、リフロー処理によらない自然に形成される合金層よりは成長速度が遅いため、合金化の遅延、抑制が可能で、はんだ濡れ性の維持に有利であると考えられている(特許文献7、8)。
しかし、このようなリフロー処理によっても、合金層は時間の経過と共に徐々に成長して厚くなり、Snめっき層や下地めっき層の厚さを減少させて、はんだ濡れ性や挿抜性を低下させるため、長期間に亘って、Snめっき層の厚さを維持して、はんだ濡れ性の低下を抑制するには、まだ充分とは言えなかった。
このため、Snと下地めっき金属との合金化や合金層の成長速度をより遅くして、Snめっき層の厚さを長期間に亘って維持して、はんだ濡れ性の低下を抑制することが求められており、以下に示すような種々の技術が検討、提案されている。
即ち、特許文献1には、導電性基材の表面に、周期律表第4〜9族に含まれる金属やその合金からなる下地めっき層を形成させ、その後、CuやCu合金からなる中間めっき層、SnやSn合金からなる表面めっき層を順次形成させることにより、高温環境下においてもSnめっき層と基材や下地めっき層との間の合金化を遅くさせる技術が開示されている。
また、特許文献2には、特許文献1と同様の構成で各層を形成した後、加熱処理などにより、中間めっき層を消失させて、Sn−Cu金属間化合物からなる層を形成させることにより、高温環境下においてもSnめっき層と基材や下地めっき層との間の拡散反応を遅くさせる技術が開示されている。
また、特許文献3には、CuやCu合金からなる下地めっき層とSnめっき層との間に、NiまたはNi合金からなる層を形成させる際に、NiまたはNi合金層とSnめっき層との間にCuとSnを主成分とする拡散層またはCuとNiとSnを主成分とする拡散層を1層以上形成させ、Snめっき層に接する拡散層につき、その厚さやCu、Niの含有量を制御することにより、はんだ濡れ性やその他の特性を保持する技術が開示されている。
また、特許文献4には、導電性基材の表面に、FeまたはFe合金、NiまたはNi合金、CoまたはCo合金のいずれか1種からなる下地めっき層を形成させ、その後、SnまたはSn合金からなる第1中間めっき層、CuまたはCu合金からなる第2中間めっき層、SnやSn合金からなる表面めっき層を順次形成させることにより、高温環境下においてもSnめっき層と基材や下地めっき層との間の拡散反応を遅くさせる技術が開示されている。
また、特許文献5、6には、CuまたはCu合金の母材上に、中間層としてリンとCuを含有する合金めっきを行った後、Snめっき層を設けることにより、はんだ濡れ性の低下を抑制すると共に、耐熱性と挿抜性(めっき材料を使用する際の抜き差しのし易さ)を向上させる技術が開示されている。
しかしながら、これらの技術は、通常の、下地めっき層と表面Snめっき層から構成される2層構造のめっきではなく、別の金属からなるめっき層を1層追加したり、さらにはその上で加熱等の処理を施したりしている。あるいは、複雑な組成の中間層を形成後、熱処理により中間層と表層の間に拡散層を形成している。
このため、これらの技術においては、めっきや熱処理等の工程を増加させる必要があり、加工時間が増加する。また、追加されためっき層や拡散層についての管理項目、例えば、めっき層の厚さの管理等も増加する。その結果、これらは、製品のコストアップを招く。
特開2008−223143号公報 特開2005−344188号公報 特開2003−293187号公報 特開2003−318157号公報 特開2001−169995号公報 特開2001−16996号公報 特開平4−235292号公報 特開平4−329891号公報
本発明は、上記の問題に鑑み、製造コストの増加を招くことなく、Snと下地めっき金属との合金化や合金層の成長速度を今まで以上に遅くして、Snめっき層の厚さを長期間に亘って維持し、めっき材料のはんだ濡れ性の低下を抑制することが可能なSnめっき材料の製造方法を提供することを課題とする。
本発明者は、上記の課題を解決するために、種々の実験を行い、鋭意検討した結果、めっき材料の製造過程において従来より行われていたリフロー処理を従来よりも強く行うことにより、下地めっき層と表面Snめっき層から構成される2層構造のめっきであっても、Snと下地めっき金属との合金化や合金層の成長速度を、従来に比べて大幅に遅くできることを見出し、本発明を完成するに至った。以下、詳しく説明する。
前記した通り、従来より、めっき材料の製造過程においては、Snめっき層におけるウィスカーの生成を抑制するための加熱処理として、リフロー処理が行われていたが、リフロー処理はウィスカーの生成が抑制される範囲で行い、合金層は厚く形成されないようにすることが好ましいと、一般的に考えられていた。
しかし、本発明者が実験を行ったところ、リフロー処理において形成される合金層の厚さが厚くなると、その後の時間の経過に伴う合金層の成長速度が遅くなることが分かった。
そこで、本発明者は、従来の考え方とは逆に、従来より強くリフロー処理を施して従来より厚い合金層を形成させることにより、時間の経過に伴う合金層の成長を抑制して、結果的に、Snめっき層の厚さを長期間に亘って一定の厚さに維持することができ、一方、厚い合金層を形成することによるSnめっき層や下地めっき層の厚さの減少については、予めこれらの減量を見込んで各めっき層を厚く設けておけば、はんだ濡れ性や挿抜性に大きな悪影響を与えないとの考えに至った。
そして、前記の考え方に従い、Snめっき層の厚さを長期間に亘って維持して、はんだ濡れ性や挿抜性の低下を招くことがない、具体的な、Snめっき層、下地めっき層および合金層の厚さについて種々の実験と検討を行った。
その結果、合金層の成長速度は、合金層の厚さと密接に関係しているだけでなく、形成される合金の平均粒子径とも密接に関係しており、以下の各技術に具体的に示すめっき材料であれば、下地めっき層と表面Snめっき層から構成される2層構造のめっき材料であっても、Snと下地めっき金属との合金化や合金層の成長速度を大幅に遅くして、Snめっき層の厚さを長期間に亘って維持でき、めっき材料のはんだ濡れ性や挿抜性の低下を抑制できることを見出し、本発明を完成するに至った。
そして、このような本発明は、加熱条件が異なるだけで、従来のリフロー設備をそのまま使用できるため、製造コストの増加を招くこともない。
以下に本発明に関連する第1〜12の技術について説明する。以下に示す各技術の内、第1〜6の技術はCuまたはCu合金からなる下地めっき層を採用した技術であり、第7〜12の技術はNiまたはNi合金からなる下地めっき層を採用した技術である。
本発明に関連する第1の技術は、
CuまたはCu合金からなる基材上に、CuまたはCu合金からなる下地めっき層が形成され、さらにSnまたはSn合金からなる表面めっき層が形成されており、さらに加熱処理することにより前記下地めっき層と表面めっき層との間にCuとSnの合金層が形成されているめっき材料であって
前記下地めっき層の厚さは、0.5〜2.0μmであり、
前記表面めっき層の厚さは、0.5〜3.0μmであり、
前記CuとSnの合金層の厚さは、0.8〜2.0μmであり、
さらに、前記CuとSnの合金層を形成する合金の平均粒子径は、4〜10μmである
ことを特徴とするめっき材料である。
前記の考え方に基づく実験の結果、基材上に厚さ0.5〜2.0μmの下地めっき層を設け、さらに厚さ0.5〜3.0μmの表面めっき層を設けためっき材料を加熱処理することにより、厚さ0.8〜2.0μm、平均粒子径4〜10μmの合金層が形成されためっき材料は、下地めっき層と表面Snめっき層から構成される2層構造のめっき材料でありながら、Snと下地めっき金属との合金化や合金層の成長速度が従来以上に遅く、Snめっき層の厚さを長期間に亘って維持でき、めっき材料のはんだ濡れ性や挿抜性の低下が抑制されることが分かった。
本発明に関連する第2の技術は、
CuまたはCu合金からなる基材上に、CuまたはCu合金からなる下地めっき層が形成され、さらにSnまたはSn合金からなる表面めっき層が形成されており、さらに加熱処理することにより前記下地めっき層と表面めっき層との間にCuとSnの合金層が形成されているめっき材料であって
前記下地めっき層の厚さは、0.5〜2.0μmであり、
前記表面めっき層の厚さは、0.5〜3.0μmであり、
前記CuとSnの合金層を形成する合金の平均粒子径は4〜10μmであり、
さらに、150℃における前記CuとSnの合金層の成長速度が、0.2μm/√日以下であることを特徴とするめっき材料である。
基材上に厚さ0.5〜2.0μmの下地めっき層を設け、さらに厚さ0.5〜3.0μmの表面めっき層を設けためっき材料を加熱処理して、平均粒子径4〜10μmの合金層が形成されためっき材料は、150℃における合金層の成長速度が0.2μm/√日以下となり、下地めっき層と表面Snめっき層から構成される2層構造のめっき材料でありながら、Snと下地めっき金属との合金化や合金層の成長速度が従来以上に遅く、Snめっき層の厚さを長期間に亘って維持でき、めっき材料のはんだ濡れ性や挿抜性の低下が抑制される。
本発明に関連する第3の技術は、
CuまたはCu合金からなる基材上に、CuまたはCu合金からなる下地めっき層が形成され、さらにSnまたはSn合金からなる表面めっき層が形成されており、さらに加熱処理することにより前記下地めっき層と表面めっき層との間にCuとSnの合金層が形成されているめっき材料であって
前記下地めっき層の厚さは、0.5〜2.0μmであり、
前記表面めっき層の厚さは、0.5〜3.0μmであり、
前記加熱処理は、230〜400℃の温度雰囲気に30〜180秒保持する加熱処理
であることを特徴とするめっき材料である。
基材上に厚さ0.5〜2.0μmの下地めっき層を設け、さらに厚さ0.5〜3.0μmの表面めっき層を設けためっき材料を、230〜400℃の温度雰囲気に30〜180秒保持する加熱処理を施すことにより形成されためっき材料は、Snと下地めっき金属との合金化や合金層の成長速度が従来以上に遅く、Snめっき層の厚さを長期間に亘って維持でき、めっき材料のはんだ濡れ性や挿抜性の低下が抑制される。
本発明に関連する第4の技術は、
CuまたはCu合金からなる基材上に、厚さ0.5〜2.0μmのCuまたはCu合金からなる下地めっき層を形成し、
前記下地めっき層上に、厚さ0.5〜3.0μmのSnまたはSn合金からなる表面めっき層を形成した後、
さらに、230〜400℃の温度雰囲気に30〜180秒保持する加熱処理を行い、前記下地めっき層と表面めっき層との間に合金層を形成する
ことを特徴とするめっき材料の製造方法である。
基材上に厚さ0.5〜2.0μmの下地めっき層を設け、さらに厚さ0.5〜3.0μmの表面めっき層を設けた後、230〜400℃の温度雰囲気に30〜180秒保持する加熱処理を施すことにより形成されためっき材料は、Snと下地めっき金属との合金化や合金層の成長速度が従来以上に遅く、Snめっき層の厚さを長期間に亘って維持でき、めっき材料のはんだ濡れ性や挿抜性の低下が抑制される。
本発明に関連する第5の技術は、
CuまたはCu合金からなる基材上に、厚さ0.5〜2.0μmのCuまたはCu合金からなる下地めっき層を形成し、
前記下地めっき層上に、厚さ0.5〜3.0μmのSnまたはSn合金からなる表面めっき層を形成した後、
さらに、230〜400℃の温度雰囲気に30〜180秒保持する加熱処理を行い、前記下地めっき層と表面めっき層との間に、平均粒子径4〜10μmのCuとSnの合金からなる厚さ0.8〜2.0μmの合金層を形成する
ことを特徴とするめっき材料の製造方法である。
基材上に厚さ0.5〜2.0μmの下地めっき層を設け、さらに厚さ0.5〜3.0μmの表面めっき層を設けた後、230〜400℃の温度雰囲気に30〜180秒保持する加熱処理を施すことにより、厚さ0.8〜2.0μm、平均粒子径4〜10μmの合金層が形成されためっき材料は、Snと下地めっき金属との合金化や合金層の成長速度が従来以上に遅く、Snめっき層の厚さを長期間に亘って維持でき、めっき材料のはんだ濡れ性や挿抜性の低下が抑制される。
本発明に関連する第6の技術は、
CuまたはCu合金からなる基材上に、厚さ0.5〜2.0μmのCuまたはCu合金からなる下地めっき層を形成し、
前記下地めっき層上に、厚さ0.5〜3.0μmのSnまたはSn合金からなる表面めっき層を形成した後、
さらに、230〜400℃の温度雰囲気に30〜180秒保持する加熱処理を行い、前記下地めっき層と表面めっき層との間に、平均粒子径4〜10μmのCuとSnの合金からなり、150℃における成長速度が0.2μm/√日以下である合金層を形成する
ことを特徴とするめっき材料の製造方法である。
基材上に厚さ0.5〜2.0μmの下地めっき層を設け、さらに厚さ0.5〜3.0μmの表面めっき層を設けた後、230〜400℃の温度雰囲気に30〜180秒保持する加熱処理を施すことにより、平均粒子径4〜10μmの合金層が形成されためっき材料は、150℃における合金層の成長速度が0.2μm/√日以下となり、Snと下地めっき金属との合金化や合金層の成長速度が従来以上に遅く、Snめっき層の厚さを長期間に亘って維持でき、めっき材料のはんだ濡れ性や挿抜性の低下が抑制される。
なお、第1〜6の技術において、好ましい範囲は、下地めっき層の厚さについては0.8〜1.2μm、表面めっき層の厚さについては1.0〜2.5μm、CuとSnの合金層の厚さについては0.9〜1.2μm、CuとSnの合金の平均粒子径については5〜8μmである。また、加熱処理については、260〜320℃の温度雰囲気に60〜120秒保持する加熱処理が好ましい。
本発明者は、さらに、上記と同様の考え方に従って、NiまたはNi合金からなる下地めっき層について実験を行い、好ましい条件を求めた。以下に示す各技術は、上記した第1〜6の技術に対応するNiまたはNi合金下地の場合の技術である。
即ち、本発明に関連する第7の技術は、
CuまたはCu合金からなる基材上に、NiまたはNi合金からなる下地めっき層が形成され、さらにSnまたはSn合金からなる表面めっき層が形成されており、さらに加熱処理することにより前記下地めっき層と表面めっき層との間にNiとSnの合金層が形成されているめっき材料であって
前記下地めっき層の厚さは、0.5〜2.0μmであり、
前記表面めっき層の厚さは、0.5〜3.0μmであり、
前記NiとSnの合金層の厚さは、0.5〜2.0μmであり、
さらに、前記NiとSnの合金層を形成する合金の平均粒子径は、0.6〜1.2μmである
ことを特徴とするめっき材料である。
本発明に関連する第8の技術は、
CuまたはCu合金からなる基材上に、NiまたはNi合金からなる下地めっき層が形成され、さらにSnまたはSn合金からなる表面めっき層が形成されており、さらに加熱処理することにより前記下地めっき層と表面めっき層との間にNiとSnの合金層が形成されているめっき材料であって
前記下地めっき層の厚さは、0.5〜2.0μmであり、
前記表面めっき層の厚さは、0.5〜3.0μmであり、
前記NiとSnの合金層を形成する合金の平均粒子径は0.6〜1.2μmであり、
さらに、150℃における前記NiとSnの合金層の成長速度が、0.2μm/√日以下であることを特徴とするめっき材料である。
本発明に関連する第9の技術は、
CuまたはCu合金からなる基材上に、NiまたはNi合金からなる下地めっき層が形成され、さらにSnまたはSn合金からなる表面めっき層が形成されており、さらに加熱処理することにより前記下地めっき層と表面めっき層との間にNiとSnの合金層が形成されているめっき材料であって
前記下地めっき層の厚さは、0.5〜2.0μmであり、
前記表面めっき層の厚さは、0.5〜3.0μmであり、
前記加熱処理は、230〜400℃の温度雰囲気に30〜180秒保持する加熱処理
であることを特徴とするめっき材料である。
本発明に関連する第10の技術は、
CuまたはCu合金からなる基材上に、厚さ0.5〜2.0μmのNiまたはNi合金からなる下地めっき層を形成し、
前記下地めっき層上に、厚さ0.5〜3.0μmのSnまたはSn合金からなる表面めっき層を形成した後、
さらに、230〜400℃の温度雰囲気に30〜180秒保持する加熱処理を行い、前記下地めっき層と表面めっき層との間に合金層を形成する
ことを特徴とするめっき材料の製造方法である。
本発明に関連する第11の技術は、
CuまたはCu合金からなる基材上に、厚さ0.5〜2.0μmのNiまたはNi合金からなる下地めっき層を形成し、
前記下地めっき層上に、厚さ0.5〜3.0μmのSnまたはSn合金からなる表面めっき層を形成した後、
さらに、230〜400℃の温度雰囲気に30〜180秒保持する加熱処理を行い、前記下地めっき層と表面めっき層との間に、平均粒子径0.6〜1.2μmのNiとSnの合金からなる厚さ0.5〜2.0μmの合金層を形成する
ことを特徴とするめっき材料の製造方法である。
本発明に関連する第12の技術は、
CuまたはCu合金からなる基材上に、厚さ0.5〜2.0μmのNiまたはNi合金からなる下地めっき層を形成し、
前記下地めっき層上に、厚さ0.5〜3.0μmのSnまたはSn合金からなる表面めっき層を形成した後、
さらに、230〜400℃の温度雰囲気に30〜180秒保持する加熱処理を行い、前記下地めっき層と表面めっき層との間に、平均粒子径0.6〜1.2μmのNiとSnの合金からなり、150℃における成長速度が0.2μm/√日以下である合金層を形成する
ことを特徴とするめっき材料の製造方法である。
なお、第7〜12の技術において、好ましい範囲は、下地めっき層の厚さについては1.0〜1.3μm、表面めっき層の厚さについては1.0〜2.5μm、NiとSnの合金層の厚さについては0.7〜1.0μm、NiとSnの合金の平均粒子径については0.6〜0.8μmである。また、加熱処理については、260〜320℃の温度雰囲気に60〜120秒保持する加熱処理が好ましい。
本発明は上記の各技術に基いてなされたものであり、請求項1に記載の発明は、
CuまたはCu合金からなる基材上に、CuまたはCu合金からなる下地めっき層が形成され、さらにSnまたはSn合金からなる表面めっき層が形成されており、さらに加熱処理することにより前記下地めっき層と表面めっき層との間にCuとSnの合金層が形成されているめっき材料であって
加熱処理前の前記下地めっき層の厚さは、0.8〜1.2μmであり、
加熱処理前の前記表面めっき層の厚さは、1.0〜2.5μmであり、
前記CuとSnの合金層の厚さは、0.9〜1.2μmであり、
さらに、前記CuとSnの合金層を形成する合金の平均粒子径は、5〜8μmであるこ
とを特徴とするめっき材料である。
また、請求項2に記載の発明は、
CuまたはCu合金からなる基材上に、CuまたはCu合金からなる下地めっき層が形成され、さらにSnまたはSn合金からなる表面めっき層が形成されており、さらに加熱処理することにより前記下地めっき層と表面めっき層との間にCuとSnの合金層が形成されているめっき材料であって
加熱処理前の前記下地めっき層の厚さは、0.8〜1.2μmであり、
加熱処理前の前記表面めっき層の厚さは、1.0〜2.5μmであり、
前記CuとSnの合金層を形成する合金の平均粒子径は5〜8μmであり、
さらに、150℃における前記CuとSnの合金層の成長速度が、0.2μm/√日以下であることを特徴とするめっき材料である。
また、請求項3に記載の発明は、
CuまたはCu合金からなる基材上に、CuまたはCu合金からなる下地めっき層が形成され、さらにSnまたはSn合金からなる表面めっき層が形成されており、さらに加熱処理することにより前記下地めっき層と表面めっき層との間にCuとSnの合金層が形成されているめっき材料であって
加熱処理前の前記下地めっき層の厚さは、0.8〜1.2μmであり、
加熱処理前の前記表面めっき層の厚さは、1.0〜2.5μmであり、
前記加熱処理は、260〜320℃の温度雰囲気に60〜120秒保持する加熱処理
であることを特徴とするめっき材料である。
また、請求項4に記載の発明は、
CuまたはCu合金からなる基材上に、厚さ0.8〜1.2μmのCuまたはCu合金からなる下地めっき層を形成し、
前記下地めっき層上に、厚さ1.0〜2.5μmのSnまたはSn合金からなる表面めっき層を形成した後、
さらに、260〜320℃の温度雰囲気に60〜120秒保持する加熱処理を行い、前記下地めっき層と表面めっき層との間に合金層を形成する
ことを特徴とするめっき材料の製造方法である。
また、請求項5に記載の発明は、
CuまたはCu合金からなる基材上に、厚さ0.8〜1.2μmのCuまたはCu合金からなる下地めっき層を形成し、
前記下地めっき層上に、厚さ1.0〜2.5μmのSnまたはSn合金からなる表面めっき層を形成した後、
さらに、260〜320℃の温度雰囲気に60〜120秒保持する加熱処理を行い、前記下地めっき層と表面めっき層との間に、平均粒子径5〜8μmのCuとSnの合金からなる厚さ0.9〜1.2μmの合金層を形成する
ことを特徴とするめっき材料の製造方法である。
また、請求項6に記載の発明は、
CuまたはCu合金からなる基材上に、厚さ0.8〜1.2μmのCuまたはCu合金からなる下地めっき層を形成し、
前記下地めっき層上に、厚さ1.0〜2.5μmのSnまたはSn合金からなる表面めっき層を形成した後、
さらに、260〜320℃の温度雰囲気に60〜120秒保持する加熱処理を行い、前記下地めっき層と表面めっき層との間に、平均粒子径5〜8μmのCuとSnの合金からなり、150℃における成長速度が0.2μm/√日以下である合金層を形成する
ことを特徴とするめっき材料の製造方法である。
なお、本発明における下地めっき層および表面めっき層の厚さに関する数値範囲は、実用性を加味して規定されたものであり、求められる用途に応じて調整され、それに合わせて、合金層の厚さや平均粒子径も調整される。
本発明により、製造コストの増加を招くことなく、Snと下地めっき金属との合金化や合金層の成長速度を今まで以上に遅くして、Snめっき層の厚さを長期間に亘って維持し、めっき材料のはんだ濡れ性の低下を抑制することが可能なSnめっき材料の製造方法を提供することができる。
実施例1の試験片の層構造を、概念的に示す断面図である。 実施例1と比較サンプル1〜4の経過時間とCu−Sn合金層の成長した厚さとの関係を示す図である。 実施例2、比較サンプル6におけるNi−Sn合金層のSEM写真である。 実施例2、比較サンプル5、6の経過時間とNi−Sn合金層の成長した厚さとの関係を示す図である。
以下、本発明を実施の形態に基づいて説明する。なお、本発明は、以下の実施の形態に限定されるものではない。本発明と同一および均等の範囲内において、以下の実施の形態に対して種々の変更を加えることが可能である。
[1]銅合金製の基材にCu下地めっき後、Snめっきを施した例
1.Snめっき試験片の作製
(実施例1)
(1)基材およびめっき
黄銅製の基材に厚さ0.8〜1.2μmのCu下地めっきをし、その上に厚さ2〜3μmの無光沢Snめっきを施した。
(2)リフロー処理
次に、無光沢めっきをした試験片を赤外線イメージ炉を用いて加熱温度260℃で60秒間加熱する強リフロー処理を行い、実施例1とした。
参考までに上記により作製した試験片の層構造を示す。図1は実施例1の試験片の層構造を、概念的に示す断面図である。図1において、10は基材であり、20はCu下地めっき層であり、40は無光沢Snめっき層であり、24はCu−Sn合金層である。
(比較例)
(1)比較例1
Cu下地めっきが施された黄銅製の基材の上に厚さ約1.2μmの無光沢Snめっきが施され、さらに従来のリフロー処理が施された市販品を比較例1(比較サンプル1)とした。
(2)比較例2
Cu下地めっきが施されたコルソン系銅合金製の基材の上に厚さ約1.3μmの無光沢Snめっきが施され、さらに従来のリフロー処理が施された市販品を比較例2(比較サンプル2)とした。
(3)比較例3
Cu下地めっきが施された黄銅製の基材の上に厚さ約1.1μmの無光沢Snが施され、さらに従来のリフロー処理が施された市販品を比較例3(比較サンプル3)とした。
(4)比較例4
基材側から順にNi下地めっきおよびCu下地めっきが施された黄銅製の基材の上に厚さ1〜3μmの無光沢Snめっきが施され、さらに従来のリフロー処理が施された3層リフローめっきの市販品を比較例4(比較サンプル4)とした。
2.リフロー処理後の合金層の厚さおよび平均粒子径の測定
イ.測定方法
a.合金層の厚さ
合金層の厚さは、蛍光X線膜厚計により測定した。
b.平均粒子径
実施例1および比較例1〜4の各々をp-ニトロフェノールを含むアルカリ性水溶液に浸漬してSnめっき層を剥離し、合金層表面を露出させた。露出した各合金層表面を、SEM(走査型電子顕微鏡)により、1000〜10000倍で観察し、合金層粒子のSEM写真を得た。得られたSEM写真を粒子解析ソフト「Quick Grain」(イノテック社製)にて解析し、平均粒子径を求めた。
ロ.測定結果
実施例1および比較例1〜4の測定結果をまとめて表1に示す。
表1より、強リフロー処理を行った実施例1は、従来のリフロー処理を行った比較例(比較サンプル)1〜3に比べて、充分な厚さの合金層が形成されており、その平均粒子径も充分に大きいことが分かる。なお、比較例4については、3層リフロー処理品であり、めっき層の構成が他と異なるため、平均粒子径の測定は行っていない。
3.Cu−Sn合金層の成長速度
イ.測定方法
150℃に加熱した下での加速試験によりCu−Sn合金層の成長速度を測定した。実施例1、比較例1〜4を150℃の恒温槽に投入し、120時間経過するまで合金層の厚さの成長量を測定した。
ロ.測定結果
測定結果を図2に示す。図2は実施例1と比較例1〜4の経過時間とCu−Sn合金層の成長した厚さとの関係を示す図であり、横軸は経過時間の平方根(√日)であり、縦軸は合金層の成長した厚さ(μm)である。
図2より、実施例1における合金層の成長速度は、その直線の傾きから約0.12μm/√日であり、従来のリフロー処理を行った比較例(比較サンプル)1〜3に比べてSnめっきと下地めっき層の金属との合金層の成長速度が遅いことが分かる。
また、比較例(比較サンプル)4の場合、基材の直上にNi層が設けられることにより、リフロー時やその後において、基材に由来するCuの拡散が抑制されるため、経時劣化に大きな効果があるとされているが、実施例1の合金層の成長速度は比較例4よりも遅く、比較例4の場合よりも経時劣化に大きな効果があることが分かる。
このように、実施例1において合金層の成長の抑制に対して大きな効果を発揮するのは、合金層は粒界拡散によって成長するが、強リフロー処理を行って合金層を厚くすることによって、粒界の数が減少してSnとCuが拡散する経路が減って、合金層の成長が抑制されたためと推測される。
4.Cu−Sn合金層の厚さと平均粒子径および成長速度との関係
表1および図1における実施例1および比較例1〜3の測定結果より、Cu下地の場合、合金層の種類が同じCu−Sn合金層の系内では、リフロー加熱の強弱、即ち合金層の厚さが、平均粒子径の大小と対応しており、さらに、成長速度の抑制とも対応していることが分かる。
即ち、合金層が厚くなると、合金層の平均粒子径も大きくなり、合金層の成長速度がより抑制される。
[2]銅合金製の基材にNi下地めっき後、Snめっきを施した例
1.Snめっき試験片の作製
(実施例2)
(1)基材およびめっき
黄銅製の基材に厚さ1〜1.3μmのNi下地めっきをし、その上に厚さ2μmの無光沢Snめっきを施した。
(2)リフロー処理
次に、実施例1と同じ方法で強リフロー処理を行った。
(比較例)
(1)比較例5
厚さ1〜2μmのNi下地めっきが施されたコルソン系銅合金製の基材の上に厚さ2〜2.5μmの無光沢Snめっきが施され、さらに従来のリフロー処理が施された市販品を比較例5(比較サンプル5)とした。
(2)比較例6
厚さ1〜2μmのNi下地めっきが施された黄銅製の基材の上に厚さ1〜3μmの無光沢Snめっきが施され、さらに従来のリフロー処理が施された市販品を比較例6(比較サンプル6)とした。
2.リフロー処理後の合金層の厚さの測定
イ.測定方法
実施例1と同じ方法で合金層の厚さを測定した。
ロ.測定結果
実施例2および比較例5、6の測定結果をまとめて表2に示す。
表2より、強リフロー処理を行った実施例2は、従来のリフロー処理を行った比較例(比較サンプル)5、6に比べて、充分な厚さの合金層が形成されていることが分かる。
3.Ni−Sn合金層の平均粒子径
合金層の平均粒子径については、実施例1と同じ方法にて合金層粒子のSEM写真を得たが、SnとNiの金属間化合物は元来粒子径が小さいため、実施例1の場合のような粒子解析ソフトによる解析ができず、写真から寸法を読みとることとした。
具体的には、実施例2および比較例6について、それぞれの合金層のSEM写真を撮り、写真から平均粒子径を読みとった。得られたSEM写真を図3に示す。図3において、(a)は実施例2に基づくSEM写真であり、(b)は比較例6に基づくSEM写真である。
図3に示す写真より、合金層の成長速度が遅い実施例2における平均粒子径は約1μmであり、合金層の成長速度が速い比較例6における平均粒子径は0.4μm以下であることが分かった。
4.Ni−Sn合金層の成長速度
イ.測定方法
実施例1と同じ方法でNi−Sn合金層の成長速度を測定した。
ロ.測定結果
測定結果を図4に示す。図4は、実施例2、比較例5、6、即ちNi下地めっきの場合の、経過時間とNi−Sn合金層の成長した厚さとの関係を示す図である。
図4より、Ni下地めっきの場合も、強リフロー処理を行った実施例2の試験片は、従来のリフロー処理を行った比較例5、6に比べてSnめっきと下地めっき層の金属との合金層の成長速度が遅いことが分かる。
そして、150℃での加速試験における実施例2の合金層の成長速度は、図4における直線の傾きから約0.2μm/√日であり、充分にはんだ濡れ性の維持に必要な成長速度以下に抑制されていることが分かる。
5.Ni−Sn合金層の厚さと平均粒子径および成長速度との関係
前記した通り、Cu下地の場合、合金層の種類が同じCu−Sn合金層の系内では、リフロー加熱の強弱、即ち合金層の厚さが、平均粒子径の大小と対応しており、さらに、成長速度の抑制とも対応している。
同様に、Ni下地の場合においても、表2および図3、4における実施例2および比較例6(比較サンプル6)の測定結果より、合金層の種類が同じNi−Sn合金層の系内では、リフロー加熱の強弱、即ち合金層の厚さが、平均粒子径の大小と対応しており、さらに、成長速度の抑制とも対応していることが分かる。
[3]はんだ濡れ性について
合金化していないSnのみの層が0.3μm以上あれば、はんだ濡れが良好であることが分かっている。このため、厚さ2〜3μmのSnめっき層を有し、合金層の成長速度が0.12μm/√日と遅い実施例1の場合、Snめっき層の厚さを長期間に亘って0.3μm以上に維持することができ、良好なはんだ濡れ性を発揮できることが予想される。
また、厚さ2μmのSnめっき層を有し、合金層の成長速度が0.2μm/√日と遅い実施例2の場合も同様に、Snめっき層の厚さを長期間に亘って0.3μm以上に維持することができるため、良好なはんだ濡れ性を発揮できることが予想される。
[4]Cu下地めっきを行い、リフロー条件を変えて処理を行った例
以下では、黄銅製の基材の表面に厚さが0.8〜1.2μmのCu下地めっき後、厚さ1〜3μmのSnの表面めっきを施した後、加熱温度、加熱時間について種々の条件でリフロー処理を行い、合金層の厚さおよび平均粒子径を測定している。
(1)試料の作製
表3に示す加熱温度(℃)および加熱時間(秒)でリフロー処理を行い、実施例3および比較例7〜11の試料を作製した。
(2)合金層厚さおよび平均粒子径の測定
実施例1と同じ方法により、各試料の合金層の厚さおよび平均粒子径を測定した。測定結果を表3に示す。
表3に示すように、Cu下地めっきの場合、加熱温度260℃、加熱時間60秒の強リフロー処理を行なった場合(実施例3)、厚さ1.05μm、平均粒子径5.49μmの合金層が形成されている。これに対し、各比較例においては、通常のリフロー処理であるため、厚さ、平均粒子径のいずれも、実施例3に比べ小さくなっている。
前記した通り、合金層の種類が同じCu−Sn合金層の系内では、リフロー加熱の強弱、即ち合金層の厚さが、平均粒子径の大小と対応しており、さらに、成長速度の抑制とも対応している。このため、充分な厚さの合金層が形成された実施例3の場合についても、充分に、合金層の成長を抑制できると予測できる。
[5]Ni下地めっきを行い、リフロー条件を変えて処理を行った例
以下では、黄銅製の基材の表面に厚さが1〜1.3μmのNi下地めっき後、厚さ1〜3μmのSnの表面めっきを施した後、加熱温度、加熱時間について種々の条件でリフロー処理を行い、合金層の厚さを測定している。
(1)試料の作製
表4に示す加熱温度(℃)および加熱時間(秒)でリフロー処理を行い、実施例4および比較例12、13の試料を作製した。
(2)合金層厚さの測定
実施例2と同じ方法により、各試料の合金層の厚さを測定すると共に、実施例4および比較例12について平均粒子径を測定した。測定結果を表4に示す。
表4に示すように、Ni下地めっきの場合、加熱温度260℃、加熱時間60秒の強リフロー処理を行なった場合(実施例4)、厚さ0.69μm、平均粒子径1μmの合金層が形成されている。これに対し、各比較例においては、通常のリフロー処理であるため、厚さ、平均粒子径のいずれも、実施例4に比べ小さくなっている。
前記した通り、合金層の種類が同じNi−Sn合金の系内では、リフロー加熱の強弱、即ち合金層の厚さが、平均粒子径の大小と対応しており、さらに、成長速度の抑制とも対応している。このため、充分な厚さの合金層が形成された実施例4の場合についても、充分に、合金層の成長を抑制できると予測できる。
本発明は、Snめっき層の機能の経時劣化が少ない低コストのSnめっき製品や低コストでSnめっき製品のめっき層の機能の経時劣化を防止できる技術を提供できるため、はんだ付けのためにSnめっき製品が必要不可欠である電気、電子関連の産業等に利用可能である。
10 基材
20 Cu下地めっき層
24 Cu−Sn合金層
40 無光沢Snめっき層

Claims (6)

  1. CuまたはCu合金からなる基材上に、CuまたはCu合金からなる下地めっき層が形成され、さらにSnまたはSn合金からなる表面めっき層が形成されており、さらに加熱処理することにより前記下地めっき層と表面めっき層との間にCuとSnの合金層が形成されているめっき材料であって
    加熱処理前の前記下地めっき層の厚さは、0.8〜1.2μmであり、
    加熱処理前の前記表面めっき層の厚さは、1.0〜2.5μmであり、
    前記CuとSnの合金層の厚さは、0.9〜1.2μmであり、
    さらに、前記CuとSnの合金層を形成する合金の平均粒子径は、5〜8μmであることを特徴とするめっき材料。
  2. CuまたはCu合金からなる基材上に、CuまたはCu合金からなる下地めっき層が形成され、さらにSnまたはSn合金からなる表面めっき層が形成されており、さらに加熱処理することにより前記下地めっき層と表面めっき層との間にCuとSnの合金層が形成されているめっき材料であって
    加熱処理前の前記下地めっき層の厚さは、0.8〜1.2μmであり、
    加熱処理前の前記表面めっき層の厚さは、1.0〜2.5μmであり、
    前記CuとSnの合金層を形成する合金の平均粒子径は5〜8μmであり、
    さらに、150℃における前記CuとSnの合金層の成長速度が、0.2μm/√日以下であることを特徴とするめっき材料。
  3. CuまたはCu合金からなる基材上に、CuまたはCu合金からなる下地めっき層が形成され、さらにSnまたはSn合金からなる表面めっき層が形成されており、さらに加熱処理することにより前記下地めっき層と表面めっき層との間にCuとSnの合金層が形成されているめっき材料であって
    加熱処理前の前記下地めっき層の厚さは、0.8〜1.2μmであり、
    加熱処理前の前記表面めっき層の厚さは、1.0〜2.5μmであり、
    前記加熱処理は、260〜320℃の温度雰囲気に60〜120秒保持する加熱処理
    であることを特徴とするめっき材料。
  4. CuまたはCu合金からなる基材上に、厚さ0.8〜1.2μmのCuまたはCu合金からなる下地めっき層を形成し、
    前記下地めっき層上に、厚さ1.0〜2.5μmのSnまたはSn合金からなる表面めっき層を形成した後、
    さらに、260〜320℃の温度雰囲気に60〜120秒保持する加熱処理を行い、前記下地めっき層と表面めっき層との間に合金層を形成する
    ことを特徴とするめっき材料の製造方法。
  5. CuまたはCu合金からなる基材上に、厚さ0.8〜1.2μmのCuまたはCu合金からなる下地めっき層を形成し、
    前記下地めっき層上に、厚さ1.0〜2.5μmのSnまたはSn合金からなる表面めっき層を形成した後、
    さらに、260〜320℃の温度雰囲気に60〜120秒保持する加熱処理を行い、前記下地めっき層と表面めっき層との間に、平均粒子径5〜8μmのCuとSnの合金からなる厚さ0.9〜1.2μmの合金層を形成する
    ことを特徴とするめっき材料の製造方法。
  6. CuまたはCu合金からなる基材上に、厚さ0.8〜1.2μmのCuまたはCu合金からなる下地めっき層を形成し、
    前記下地めっき層上に、厚さ1.0〜2.5μmのSnまたはSn合金からなる表面めっき層を形成した後、
    さらに、260〜320℃の温度雰囲気に60〜120秒保持する加熱処理を行い、前記下地めっき層と表面めっき層との間に、平均粒子径5〜8μmのCuとSnの合金からなり、150℃における成長速度が0.2μm/√日以下である合金層を形成する
    ことを特徴とするめっき材料の製造方法。
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