JP2014129049A - 樹脂成形品及び樹脂構造体 - Google Patents

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Abstract

【課題】樹脂成形品の表側と裏側に設けられるテアライン溝の位置に加工誤差があっても、車両のエアバッグ展開時に適切に破断することができる樹脂成形品及び樹脂構造体を提供することを課題とする。
【解決手段】テアライン溝11は、第1溝17と、第2溝19とから構成される。第1溝17は、溝の底の両端に頂点23、24を有し、溝の中央に頂点27を有する変形五角形断面を呈する。第2溝19は、第1溝17の中心線53よりも、図右に形成されている。
【効果】第1溝と第2溝の少なくとも一方は、少なくとも2個の頂点を有する多角形断面を呈しているので、第1溝と第2溝とが対向する位置からずれて形成されても、エアバッグに押し圧されることで互いに最も近い頂点同士を結ぶように破断する。結果、車両のエアバッグ展開時に、樹脂成形品は適切に破断することができる。
【選択図】図5

Description

本発明は、樹脂成形品及び樹脂構造体に関し、具体的には、車両のインストルメントパネルに使用される樹脂成形品及び樹脂構造体に関する。
エアバッグ装置が内蔵されたインストルメントパネルの樹脂構造体が知られている(例えば、特許文献1(図17)参照。)。
この特許文献1の技術を図面に基づいて以下に説明する。
特許文献1の図17に示すように、インストルメントパネル(10)(括弧付き数字は特許文献1に記載されている符号を示す。以下同じ。)は、基材(23)に発泡樹脂層(58)と表皮(50)とを積層したものである。基材(23)の表側にV字状の溝(60)が設けられ、基材(23)の裏側にもV字状の溝(62)が設けられる。これらのV字状の溝(60、62)により、エアバッグ展開時に破断するテアライン溝が形成される。
図17は従来の基材の射出成形工程を説明する図であり、下型100と、上型101との間にキャビティ102が形成される。キャビティ102は、基材のテアライン溝を形成する部分103が狭まっている。射出成形時、溶融した樹脂は、図左側から矢印(1)のように流れ、また図右側から矢印(2)のように流れ、テアライン溝を形成する部分103近傍で合流する。
しかし、テアライン溝を形成する部分103で溶融樹脂が合流するように、ゲート位置及び射出速度を制御することは困難である。結果、図18(a)に示すように、成形された基材としての樹脂成形品104は、テアライン溝105から若干ずれた位置にウェルドライン106が発生したり、(b)に示すように、いわゆるショートによりテアライン溝105に気泡が発生する虞がある。
そこで対策として、樹脂成形品に後加工によりテアライン溝を形成することも考えられるが、樹脂成形品は、そり、ひけ、収縮等により固体差が生じるため、樹脂成形品の表側と裏側に設けられるテアライン溝の位置を合わせることが困難である。結果、エアバッグ展開時に、インストルメントパネルが適切に破断し難くなる心配がある。
表側と裏側のテアライン溝の位置を完全に合わせるには、高精度の加工機が必要になり、加工コストが嵩む。そこで加工コストを抑えることができるようにテアライン溝の位置に加工誤差程度の誤差が生じても、エアバッグ展開時にインストルメントパネルを適切に破断させることができるような構造が望まれる。
特開平11−301398号公報
本発明は、樹脂成形品の表側と裏側に設けられるテアライン溝の位置に加工誤差があっても、車両のエアバッグ展開時に適切に破断することができる樹脂成形品及び樹脂構造体を提供することを課題とする。
請求項1に係る発明は、破断予定線としてのテアライン溝を有する樹脂成形品であって、前記テアライン溝は、前記樹脂成形品の一方の面から肉厚中心に向かって掘られる第1溝と、前記樹脂成形品の他方の面から前記第1溝の近傍位置まで掘られる第2溝とからなり、前記第1溝と前記第2溝の少なくとも一方は、少なくとも2個の頂点を有する多角形断面を呈していることを特徴とする。
請求項2に係る発明では、多角形断面は、溝の口の幅よりも溝の底の幅が狭い台形断面であることを特徴とする。
請求項3に係る発明では、多角形断面は、溝の底の両端及び中央に頂点がある変形五角形断面であることを特徴とする。
請求項4に係る発明は、請求項1〜3のいずれか1項記載の樹脂成形品と、この樹脂成形品の一方の面に被せる表皮と、この表皮と樹脂成形品との間に設ける発泡樹脂層とからなることを特徴とする。
請求項5に係る発明では、発泡樹脂層は、樹脂成形品に接する第1発泡層と表皮に接する第2発泡層との少なくとも2層からなり、第1発泡層は、第2発泡層よりも塑性変形性に富むことを特徴とする。
請求項1に係る発明では、テアライン溝は、樹脂成形品の一方の面から肉厚中心に向かって掘られる第1溝と、樹脂成形品の他方の面から第1溝の近傍位置まで掘られる第2溝とからなる。エアバッグ展開時、エアバッグは、樹脂成形品の他方の面を押し上げることで、テアライン溝を破断させる。第1溝と第2溝の少なくとも一方は、少なくとも2個の頂点を有する多角形断面を呈しているので、第1溝と第2溝とが対向する位置からずれて形成されても、エアバッグに押し圧されることで互いに最も近い頂点同士を結ぶように破断する。結果、樹脂成形品の表側と裏側に設けられるテアライン溝の位置に加工誤差があっても、車両のエアバッグ展開時に、樹脂成形品は適切に破断することができる。
請求項2に係る発明では、多角形断面は、溝の口の幅よりも溝の底の幅が狭い台形断面である。溝の底における頂点は、多角形断面の中心線から離れた位置にあるので、第1溝と第2溝とがずれて形成されていても、いずれかの頂点のうち近い方の頂点から破断することができる。
請求項3に係る発明では、多角形断面は、溝の底の両端及び中央に頂点がある変形五角形断面である。第1溝と第2溝とが真正面に対向する位置に形成されている場合は、互いの中央の頂点同士を結ぶようにして破断する。第1溝と第2溝とがずれて形成されている場合は、中央から離れた頂点を起点にして破断する。結果、第1溝と第2溝とがずれているか否かにかかわらず、良好に破断することができる。
請求項4に係る発明では、樹脂成形品の一方の面に被せる表皮と、この表皮と樹脂成形品との間に設ける発泡樹脂層とからなる。エアバッグが展開する際、樹脂成形品が破断し易いので、樹脂成形品、発泡樹脂層及び表皮で構成される樹脂構造体全体としても、テアライン溝から良好に破断することができる。
請求項5に係る発明では、発泡樹脂層は、樹脂成形品に接する第1発泡層と表皮に接する第2発泡層との少なくとも2層からなり、第1発泡層は、第2発泡層よりも塑性変形性に富む。樹脂構造体が外力を受けた際、第1発泡層は柔らかく、第2発泡層は硬いので、第1発泡層で外力を吸収すると共に、第2発泡層で強度を確保することができる。
本発明に係る樹脂成形品が使用されるインストルメントパネルの平面図である。 図1の2−2線断面図である。 本発明に係る樹脂成形品の基本原理を説明する図である。 図3の樹脂成形品の作用図である。 図2の樹脂成形品の要部拡大図である。 図5の樹脂成形品の作用図である。 図5の樹脂成形品の別態様を説明する図である。 樹脂成形品の射出成形工程を説明する図である。 可動型の断面図である。 樹脂成形品の断面図である。 図10の要部斜視図である。 真空成形工程を説明する図である。 第2溝成形工程を説明する図である。 図13の要部斜視図である。 本発明に係る樹脂構造体の作用図である。 図15の別態様に係る樹脂構造体の作用図である。 従来技術に係る樹脂成形品の射出成形工程を説明する図である。 従来技術に係る樹脂成形品の断面図である。
本発明の実施の形態を添付図に基づいて以下に説明する。なお、図面は符号の向きに見るものとする。
先ず、本発明の実施例1を図面に基づいて説明する。
図1に示すように、樹脂構造体10としてのインストルメントパネル10は、裏側にエアバッグ装置(詳細後述)を備え、このエアバッグ装置のエアバッグが展開する際に、インストルメントパネル10が突き破られる。
インストルメントパネル10は、エアバッグ装置が配置される部位に破断予定線としてのテアライン溝11が設けられる。テアライン溝11は、矩形を呈しており、この矩形内においても車幅方向に1本延びる。なお、テアライン溝11は、矩形に限定されず、エアバッグが展開する形状に設けられれば、他の形状であっても差し支えない。
次にインストルメントパネル及びエアバッグ装置について説明する。
図2に示すように、樹脂構造体10(以下、インストルメントパネル10という。)は、樹脂成形品12としての基材12と、この基材12の一方の面13に積層される発泡樹脂層30と、この発泡樹脂層30に被せられる表皮41とからなる。
樹脂成形品12(以下、基材12という。)は、本体部14と、この本体部14の開口部15に設けられるドア基材16とからなる。このドア基材16にテアライン溝11が設けられる。本体部14の開口部15には、下方に窪んだ凹部21が設けられ、この凹部21にドア基材16が嵌められる。
本体部14及びドア基材16は、樹脂成形品12である。成形時のそり、ひけ等に起因し、ドア基材16が凹部21の奥まで嵌らず、本体部14とドア基材16との間に段差51が生じることがある。なお、段差51は、本体部14とドア基材16との間に生じた段差51に限定されず、基材12自体に生じる凹凸等、他の位置に生じる段差51も含むものとする。
発泡樹脂層30は、基材12の一方の面13に接する第1発泡層31と、この第1発泡層31に積層され表皮41に接する第2発泡層32とからなる。なお、実施例では発泡樹脂層30は、第1発泡層31と第2発泡層32との2層からなるが、第1発泡層31と第2発泡層32との間にさらに複数の発泡層を積層しても差し支えない。
ドア基材16の他方の面18には、エアバッグ装置60を取り付ける取付片22が設けられる。エアバッグ装置60は、取付片22に取り付けられるエアバッグケース61と、このエアバッグケース61内に折り畳まれて収容され車両衝突時に膨張するエアバッグ62と、エアバッグケース61内に設けられエアバッグ62を膨張させるインフレータ63とからなる。
車両衝突時、エアバッグ62が膨張すると、エアバッグ62によりドア基材16が押し上げられる。さらにエアバッグ62が膨張すると、インストルメントパネル10のテアライン溝11が破断し、エアバッグ62が上方に展開する。
テアライン溝11は、ドア基材16の一方の面13から肉厚中心に向かって掘られる第1溝17と、ドア基材16の他方の面18から第1溝17の近傍位置まで掘られる第2溝19とからなる。
発泡樹脂層30は、第1発泡層31と、第2発泡層32とからなる。第1発泡層31は、第2発泡層32よりも塑性変形性に富む。第1発泡層31内部の気泡による空洞部分が塑性変形することにより、段差51が吸収される。第2発泡層は、第1発泡層よりも剛性が大きいので、変形しない。結果、基材12に段差51がある場合でも、表皮41は段差に影響されず、意匠性を良好に保つことができる。
第1発泡層31は、基材12に直接的に接している。このため、第1発泡層31により、段差51を吸収しやすい。また、第1発泡層31のうち塑性変形していない部分の厚さは、段差51よりも大きい。結果、第1発泡層31のみで、段差51を全て吸収することができる。
次に基材(樹脂成形品)の基本原理について説明する。
図3に示すように、一方の面13に形成される第1溝17は、複数の頂点23、24を有する台形断面を呈している。第1溝17の溝の口の幅はL1である。第1溝17の溝の底の幅はL2であり、L2<L1である。
第2溝19は、複数の頂点25、26を有する多角形断面を呈している。第2溝19は、他方の面18から第1溝17の近傍位置まで掘られる。第2溝19は、第1溝17に対してずれた位置に形成されている。(詳細後述)なお、基本原理の説明のため、第2溝19は、第1溝17に対してずれた位置に形成したが、これに限定されず、真正面に対向する位置に形成しても差し支えない。
図4(a)に示すように、第2溝19は、第1溝17に対して図右にずれた位置に形成されている。エアバッグ展開時、基材12は矢印Fの力を受ける。第1溝17の頂点24から罅52が生じ、第1溝17の頂点24と第2溝19の頂点25を結ぶように破断する。頂点24と頂点25との距離は最も短いので、容易に破断することができる。
図4(b)に示すように、第2溝19は、第1溝17に対して図左にずれた位置に形成されている。エアバッグ展開時、基材12は矢印Fの力を受ける。第1溝17の頂点23から罅52が生じ、第1溝17の頂点23と第2溝19の頂点26を結ぶように破断する。頂点23と頂点26との距離は最も短いので、容易に破断することができる。
次に基材(樹脂成形品)について説明する。
図5に示すように、テアライン溝11は、第1溝17と、第2溝19とから構成される。第1溝17は、溝の底の両端に頂点23、24を有し、溝の中央に頂点27を有する変形五角形断面を呈する。第2溝19は、第1溝17の中心線53よりも、図右に形成されている。
第1溝17において、中央の頂点17の角度はYであり、頂点23、24の角度はθであり、θ<Yである。また、頂点24と頂点25を結ぶ線54と変形五角形断面の角辺とのなす角は、それぞれ角度α、角度βであり、α≒βとなるように設定されている。θ<Yとすることで、第1溝17と第2溝19の距離が離れた場合(尖っているθを用いる場合)、第1溝17と第2溝19の距離が近づいた場合(θよりも角度の大きいYを用いる場合、溝17、19同士の距離が近いため破断できる)共に、破断性を高めることができる。
以上に述べた基材の作用について説明する。
図6(a)は比較例の基材130の作用を説明する図であり、基材130は、一方の面131から肉厚中心に向かって掘られる第1溝132と、他方の面133から第1溝132の近傍位置まで掘られる第2溝134とからなる。第2溝134は、第1溝132に対して図右に形成される。第1溝132は、三角形断面を呈している。エアバッグ展開時、基材130は力Fを受ける。第1溝132の頂点135から罅136が入るが、基材130が破断しない。
図6(b)は実施例の基材12の作用を説明する図であり、第2溝19は、第1溝17に対して図右に形成されている。エアバッグ展開時、基材12は力Fを受ける。頂点24から罅52が入り、頂点24と頂点25を結ぶようにして破断する。
図6(c)は実施例の基材12の作用を説明する図であり、第2溝19は、第1溝17に対して図左に形成されている。エアバッグ展開時、基材12は力Fを受ける。頂点23から罅52が入り、頂点23と頂点26を結ぶようにして破断する。
図6(d)は実施例の基材12の作用を説明する図であり、第2溝19は、第1溝17にほぼ対向する位置に形成されている。エアバッグ展開時、基材12は力Fを受ける。頂点27から罅52が入り、頂点27と頂点25を結ぶようにして破断する。すわなち、実施例においては、応力集中して破断しやすい頂点が複数存在するため、頂点間の距離が最短となる位置で、破断することができる。
次に第1溝及び第2溝の別態様について説明する。
図7(a)に示すように、第1溝17は、変形五角形断面を呈する。第2溝19は、図上下方向に長い変形五角形断面を呈する。第2溝19が肉厚中心に向かって深く掘られるので、第1溝17を肉厚中心に向かって浅く形成することができる。
図7(b)に示すように、第1溝17は、台形断面を呈する。第2溝19は、溝の底の部分に6個の頂点を有する変形八角形断面を呈する。第2溝19は、多くの頂点を有するので、第2溝19の位置ずれに応じて、破断する頂点を変更することができる。
図7(c)に示すように、第1溝17は、台形断面を呈する。第2溝19は、略正方形断面を呈する。第1溝17、第2溝19共に断面形状が単純であるので、加工が容易である。なお、第1溝17及び第2溝19の断面形状は、上述した形状に限定されず、少なくとも2個の頂点を有する多角形断面を呈していれば、他の形状であっても差し支えない。
次に基材(樹脂成形品)の射出成形工程を説明する。
図8に示すように、射出成形機76は、固定型77と、可動型78とを有し、これらの固定型77と可動型78によって形成されるキャビティに樹脂を充填することで、基材12が成形される。(射出成形工程)
次に可動型78について説明する。
図9(a)に示すように、可動型78には、キャビティ79に突出するようにして突部81が設けられている。突部81は、基材(図5、符号12)の第1溝(図5、符号17)を形成するためのものである。(b)に示す突部81は、変形五角形断面を呈し、一定の長さに延びている。
次に基材について説明する。
図10に示すように、射出成形機(図8、符号76)から取り出された基材12は、一方の面13に、複数の第1溝17が形成されている。
図11に示すように、基材12の第1溝17は、変形五角形断面を呈し、一定の長さに延びている。なお、一方の面13にのみ溝を設けるので、金型のキャビティ内の樹脂の流路が確保され、樹脂流動を良好に保つことができる。
次に基材にラミネートシートを積層する真空成形工程について説明する。
図12(a)に示すように、下型73に基材12をセットする。ラミネートシート42を矢印(3)のように基材12に被せ、上型74を矢印(3)のように移動させる。
(b)に示すように、上型74及び下型73を閉じた状態にする。矢印(5)のように真空引きし、ラミネートシート42の表皮41に加工を施す。矢印(6)のように真空引きし、ラミネートシート42を基材12に貼り付け、(c)に示す樹脂構造体10(以下、インストルメントパネル10という。)を得る。(真空成形工程)
なお、実施例では、インストルメントパネル10を製造したが、これに限定されず、基材にラミネートシート42を積層したものであれば、他の樹脂構造体であっても差し支えない。
次に第2溝成形工程について説明する。
図13に示すように、インストルメントパネル10を治具82にセットする。基材12の他方の面18を、エンドミルなどの切削工具83で加工し、第2溝(図5、符号19)を成形する。第2溝19は、第1溝17に対向する位置に成形する。(第2溝成形工程)
なお、基材12は射出成形による樹脂部品であるため、そり、ひけ、収縮等固体差が生じる。インストルメントパネル10を治具82にセットしても、第1溝17の位置にも誤差が生じる。結果、第1溝17と第2溝19との位置がずれることがある。このように、基材12の一方の面13には射出成形時に第1溝17を形成し、切削工具83による後加工で第2溝19を成形する場合は、特に図6に示したように本発明は有効である。
図14に示すように、基材12の他方の面18に、第2溝19が形成されている。第2溝19は、四角形断面を呈し、一定の長さに延びている。なお、第2溝19は、第1溝17に沿って形成される。
以上に述べたインストルメントパネルの作用を次に説明する。
図15(a)は比較例のインストルメントパネル120の断面図であり、基材121は、本体部122と、ドア基材123とからなる。インストルメントパネル120は、基材121と、この基材121に積層され均一な材料で構成される発泡樹脂層124と、この発泡樹脂層124に積層された表皮125とからなる。
基材121は、本体部122とドア基材123との間に段差126を有し、この段差126を発泡樹脂層124で吸収しきれずに、表皮125にも段差127が現れ好ましくない。また、発泡樹脂層124全体をより柔軟な材質にすると、段差126は吸収できるが、発泡樹脂層124の剛性が小さくなり、表皮125まで柔軟になるため好ましくない。
図15(b)は実施例のインストルメントパネル10の断面図であり、段差51は、第1発泡層31に吸収され、表皮41に段差は現れない。また、第2発泡層32は、第1発泡層31に比較して剛性が大きいので、表皮41を適度な硬さに保つことができる。
図16(a)は比較例のインストルメントパネル140の断面図であり、基材141の他方の面142にのみテアライン溝143が設けられている。基材141を射出成形により成形する場合、樹脂の充填を考慮するため、テアライン溝143をあまり深く成形することができない。エアバッグ144の展開時、(b)に示すように基材141に力Fが加わるが、テアライン溝143の脆弱性が不十分なため、基材141が破断し難い。
図16(c)は比較例のインストルメントパネル150の断面図であり、基材151に発泡樹脂層152と表皮153とが積層されている。切削工具154により加工し、(d)に示すテアライン溝155を成形する。テアライン溝155の深さは十分であるので、エアバッグ展開時、インストルメントパネル150は破断し易い。しかし、テアライン溝155が深いため、表皮153が窪み、意匠性が低下する。
図16(e)は実施例のインストルメントパネル10の断面図であり、テアライン溝11は、基材17にのみ成形されているので、表皮41が窪むことはなく、意匠性を良好に保つことができる。(f)に示すように、基材17に第1溝17及び第2溝19が成形されているので、エアバッグ62の展開時、テアライン溝11は良好に破断する。
尚、本発明の樹脂構造体は、実施の形態では車両のインストルメントパネルに適用したが、車両の内装等、積層された樹脂構造体がしようできれば、一般の車両等に適用することは差し支えない。
本発明の樹脂構造体は、車両のインストルメントパネルに好適である。
10…樹脂構造体(インストルメントパネル)、11…テアライン溝、12…樹脂成形品(基材)、13…一方の面、17…第1溝、18…他方の面、19…第2溝、23、24、25、26…頂点、27…中央の頂点、30…発泡樹脂層、31…第1発泡層、32…第2発泡層、41…表皮。

Claims (5)

  1. 破断予定線としてのテアライン溝を有する樹脂成形品であって、
    前記テアライン溝は、前記樹脂成形品の一方の面から肉厚中心に向かって掘られる第1溝と、前記樹脂成形品の他方の面から前記第1溝の近傍位置まで掘られる第2溝とからなり、
    前記第1溝と前記第2溝の少なくとも一方は、少なくとも2個の頂点を有する多角形断面を呈していることを特徴とする樹脂成形品。
  2. 前記多角形断面は、溝の口の幅よりも溝の底の幅が狭い台形断面であることを特徴とする請求項1記載の樹脂成形品。
  3. 前記多角形断面は、溝の底の両端及び中央に前記頂点がある変形五角形断面であることを特徴とする請求項1記載の樹脂成形品。
  4. 請求項1〜3のいずれか1項記載の樹脂成形品と、この樹脂成形品の前記一方の面に被せる表皮と、この表皮と前記樹脂成形品との間に設ける発泡樹脂層とからなることを特徴とする樹脂構造体。
  5. 前記発泡樹脂層は、前記樹脂成形品に接する第1発泡層と前記表皮に接する第2発泡層との少なくとも2層からなり、
    前記第1発泡層は、前記第2発泡層よりも塑性変形性に富むことを特徴とする請求項4記載の樹脂構造体。
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