JP2014128878A - 薄刃ブレード - Google Patents

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Abstract

【課題】ブレード自体の強度を確保しつつ、自生発刃作用を有する薄刃ブレードを提供することである。
【解決手段】ダイヤモンド砥粒21を分散させてなるメタル基材11と、前記メタル基材11に形成された切刃13とを有して、前記切刃13で被切断材の切断加工をおこなう薄刃ブレード10であって、前記メタル基材11には、少なくとも一部が炭化されたダイヤモンドフィラー25が混入されていることを特徴とする。
【選択図】図3

Description

本発明は、薄刃ブレードに関するものである。
従来から、センサなどに用いられる水晶や石英などの硬脆材料(被切断材)に深溝加工を施したり、切断することによって個片化したりする加工には、高精度が要求されており
、このような溝加工や切断加工など(以下、「切断加工」と省略する。)には、円形薄板状の薄刃ブレードが使用されている(例えば、特許文献1参照。)。
特許文献1の薄刃ブレード(電着ブレード)は、ニッケルなどの母体金属にダイヤモンドなどの超砥粒を電着して形成したものである。
特開2000−144477号公報
しかしながら、特許文献1の薄刃ブレードのように、ブレードの基体を硬質金属で形成すると、ブレード自体の強度は確保できるが、砥石として作用させるためには硬すぎるため、自生発刃作用が起きにくくなるという問題がある。つまり、切断加工に薄刃ブレードを用いるに当たって、その性能を維持し続けることができないという問題がある。
そこで、本発明は、上記事情を鑑みてなされたものであり、ブレード自体の強度を確保しつつ、自生発刃作用を有した薄刃ブレードを提供するものである。
上記の課題を解決するために、本発明は以下の手段を提案している。
すなわち、本発明に係る薄刃ブレードは、ダイヤモンド砥粒を分散させてなるメタル基材と、前記メタル基材に形成された切刃と、を有し、前記切刃で被切断材を切断加工する薄刃ブレードであって、前記メタル基材に、少なくとも一部が炭化されたダイヤモンドフィラーが混入されていることを特徴としている。
本発明に係る薄刃ブレードによれば、ダイヤモンドフィラーが混入されているため、剛性を確保しつつ、前記ダイヤモンドフィラーが露出したときにメタル基材から抜け落ち易い構成とすることができ、自生発刃作用を持続させることができる。
また、本発明に係る薄刃ブレードにおいて、前記ダイヤモンドフィラーの粒径が、0.5μm以上20μm以下であることを特徴としている。
本発明に係る薄刃ブレードによれば、粒径の小さいダイヤモンドフィラーを使用するため、ダイヤモンドフィラー自体が加工中に被切断材と接触して、被切断材の品位を劣化させるのを防止することができる。また、粒径の小さいダイヤモンドフィラーを使用するため、薄刃ブレードとしての所望の剛性を確保することができる。したがって、脆性材料に対しても高品位な加工を施すことができる。
また、本発明に係る薄刃ブレードにおいて、前記ダイヤモンドフィラーが、前記ダイヤモンドフィラーの半径に対して10%以上90%以下、その表層から中心に向かって炭化されていることを特徴としている。
本発明に係る薄刃ブレードによれば、炭化される割合が少ない(10%未満)場合には、フィラーとして作用しなくなるため、自生発刃作用を持続させることができない。つまり、ダイヤモンドフィラーの表層から10%以上炭化させることにより、摩耗促進用フィラーとして確実に作用し、自生発刃作用を確実に持続させることができる。
また、炭化される場合が多い(90%を超える)場合には、フィラーの剛性を保つことが困難になるため、ダイヤモンドフィラーの表層から90%以下炭化させることにより、フィラーとして剛性を保つことができる。
また、本発明に係る薄刃ブレードにおいて、前記メタル基材に対する前記ダイヤモンドフィラーの含有率が、5vol%以上30vol%以下であることを特徴としている。
本発明に係る薄刃ブレードによれば、ダイヤモンドフィラーの含有率を5vol%以上30vol%以下に制限することにより、薄刃ブレード自体の耐摩耗性が損なわれるのを防止することができるとともに、剛性が低下するのを防止することができる。したがって、脆性材料に対しても高品位な加工を施すことができる。
本発明に係る薄刃ブレードによれば、ダイヤモンドフィラーが混入されているため、剛性を確保しつつ、前記ダイヤモンドフィラーが露出したときにメタル基材から抜け落ち易い構成とすることができ、自生発刃作用を持続させることができる。
本発明の実施形態における薄刃ブレードの正面図である。 図1のA−A線に沿う断面図である。 図2のB部拡大図である。
次に、本発明の実施形態を図1〜図3に基づいて説明する。
図1は、薄刃ブレードの正面図である。図2は、図1のA−A線に沿う断面図である。
図3は、図2のB部拡大図である。なお、本実施形態の薄刃ブレードは、発振子など強ピッチで溝加工を施す場合や、電子材料を切断することによって個片化する場合に使用するものである。
図1に示すように、薄刃ブレード10は、軸線Oを中心とした円環形状を有しており、厚さ0.05mm〜0.5mm程度の薄肉板状をなしている。薄刃ブレード10は、円環形状のメタル基材11と、メタル基材11の外周縁に形成された切刃13と、を備えている。メタル基材11は、例えば、WC−Coで形成され、粉末冶金法にて作製されている。また、薄刃ブレード10には、被切断材を切断など加工するためのダイヤモンド砥粒21が配されている。
また、メタル基材11の正面視略中央に形成された貫通孔15は、図示しない加工装置の主軸に挿入されて、該加工装置に取り付け可能に構成されている。そして、軸線O回りに回転されつつ、該軸線Oに垂直な方向に送り出されることにより、メタル基材11の外周縁に形成された切刃13によって、例えば半導体チップなどの電子部品の切断や溝入れなどの超精密加工に使用される。
ここで、本実施形態のメタル基材11には、ダイヤモンドフィラー25が混入されている。ダイヤモンドフィラー25は、略球形をなしており、その粒径は0.5μm以上20μm以下のものが用いられている。
また、ダイヤモンドフィラー25は、その表層からその粒径(半径)に対して10%以上炭化されたものが用いられている。
さらに、メタル基材11におけるダイヤモンドフィラー25の含有率は、5vol%以上30vol%以下となっている。
本実施形態の薄刃ブレード10によれば、ダイヤモンドフィラー25が混入されているため、剛性を確保しつつ、該ダイヤモンドフィラー25が外周縁に露出したときにメタル基材11から抜け落ち易い構成とすることができ、自生発刃作用を持続させることができる。また、メタル基材11は高剛性のWC−Coで形成されているため、被切断材を加工する際に、直進性に優れた性能を有する。したがって、脆性材料に対して高品位な加工を施すことができる。さらに、ダイヤモンド砥粒21およびダイヤモンドフィラー25をメタル基材11に混入して製造するため、容易に製造することができる。
また、粒径が0.5μm以上20μm以下の粒径の小さいダイヤモンドフィラー25を使用したため、ダイヤモンドフィラー25自体が加工中に被切断材と接触して、被切断材の品位を劣化させるのを防止することができる。また、粒径の小さいダイヤモンドフィラー25を使用するため、薄刃ブレード10としての所望の剛性を確保することができる。
したがって、脆性材料に対しても高品位な加工を施すことができる。
さらに、ダイヤモンドフィラー25の半径に対して10%以上、その表層から中心に向かって炭化されたダイヤモンドフィラー25を使用したため、摩耗促進用フィラーとして確実に作用させることができ、自生発刃作用を確実に持続させることができる。
そして、メタル基材11に対するダイヤモンドフィラー25の含有率を5vol%以上30vol%以下としたため、薄刃ブレード10自体の耐摩耗性が損なわれるのを防止することができるとともに、剛性が低下するのを防止することができる。
実施例1では、粒度♯800のダイヤモンド超砥粒を、WC−40Coからなる金属結合層に均一に分散したベースブレードを作製した。このベースブレードの各寸法は、外径58mm、内径40mm、厚さ0.08mmである。
本発明による発明品1〜4、並びに発明品1〜4と比較するための比較品5は、ベースブレードと同じ材料を用い、発明品1はベースブレードに粒径5μmのダイヤモンドフィラーを混入させて形成し、発明品2はベースブレードに粒径10μmのダイヤモンドフィラーを混入させて形成し、発明品3はベースブレードに粒径15μmのダイヤモンドフィラーを混入させて形成し、発明品4はベースブレードに粒径20μmのダイヤモンドフィラーを混入させて形成した。一方、比較品5はベースブレードに粒径25μmのダイヤモンドフィラーを混入させて形成した。なお、ダイヤモンドフィラーの半径に対して50%、その表層から中心に向かって炭化されたダイヤモンドフィラーを用い、ベースブレードにおけるダイヤモンドフィラーの含有率は15vol%とした。
(剛性評価試験1)
剛性評価試験1では、上記実施例1におけるベースブレード、発明品1〜4、比較品5(以下、サンプル品という。)を用いて剛性値を評価する試験を行い、この試験によって得られた剛性値を表1に示す。
Figure 2014128878
この表1に示すように、比較品5の剛性値がベースブレードを含む他のサンプル品の剛性値よりも小さくなっており、混入されたダイヤモンドフィラーの粒径が小さくなるほど剛性値が大きくなっていることが理解できるが、曲げ強度は大きな相違がなく、低密度であっても剛性値は維持されている。
(切断試験1)
切断試験1では、上記各サンプル品のブレードを使用して、ワークの切断加工を行った。なお、ワークとしては、直径3mm、厚さ1.2mmのAl203−TiCを用いた。 この切断加工において、直進性は切断加工される部材の切断中における最大曲がり量を計測したものである。また、チッピングの大きさを工具顕微鏡で確認した。さらに、切断加工中に、主軸電流値を測定した。
なお、切断装置は、各ブレードを外径52mmのフランジによってその主軸を狭着して、主軸回転数30000min−1、送り速度3mm/secとして切断加工を行った。
この切断試験1によって得られた直進性、チッピングの大きさ、主軸電流値を表2に示す。
Figure 2014128878
表2に示すように、直進性については、ベースブレードおよび比較品5と比較して、発明品1〜4の直進性が向上していることが理解される。また、チッピングおよび主軸電流値については、ベースブレードおよび比較品5に対して発明品1〜4が小さくなることが理解される。
上記の結果より、本発明に係る発明品1〜4は、ベースブレード、比較品5と比較して、直進性における最大曲がり量およびチッピングが小さく抑えられるとともに、主軸電流値も小さく、すなわち低い抵抗で切断可能であることが理解される。つまり、ベースブレードにダイヤモンドフィラーを混入することで上記効果が得られることが理解できるとともに、粒径20μm以下のダイヤモンドフィラーをベースブレードに混入させると、さらに良好な効果が得られることが理解できる。
(切断試験2)
切断試験2では、上記の切断試験1の送り速度を10mm/secに変更して切断試験1と同様の試験を行った。表3に、切断試験2の結果を示す。
Figure 2014128878
表3に示すように、発明品1〜4は、上記の切断試験1と同様に、直進性における最大曲がり量およびチッピングが小さく抑えられるとともに、主軸電流値も小さく、すなわち低い抵抗で切断可能であることが理解される。また、ベースブレードおよび比較品5は、焼付けによりワークを切断することができなかった。つまり、ベースブレードに混入するダイヤモンドフィラーの粒径が性能に左右されることが理解できる。
実施例2では、粒度♯1000のダイヤモンド超砥粒を金属結合層(WC−Co)に均一に分散したベースブレードを作製した。このベースブレードの各寸法は、外径58mm、内径40mm、厚さ0.06mmである。
本発明による発明品1〜3、並びに発明品1〜3と比較するための比較品4,5は、ベースブレードと同じ材料を用い、発明品1はベースブレードに粒径5μmのダイヤモンドフィラーを含有率5vol%となるように混入させて形成し、発明品2はベースブレードに粒径5μmのダイヤモンドフィラーを含有率15vol%となるように混入させて形成し、発明品3はベースブレードに粒径5μmのダイヤモンドフィラーを含有率30vol%となるように混入させて形成した。一方、比較品4はベースブレードに粒径5μmのダイヤモンドフィラーを含有率3vol%となるように混入させて形成し、比較品5はベースブレードに粒径5μmのダイヤモンドフィラーを含有率35vol%となるように混入させて形成した。なお、ダイヤモンドフィラーの半径に対して50%、その表層から中心に向かって炭化されたダイヤモンドフィラーを用いた。
(剛性評価試験2)
剛性評価試験2では、上記実施例2におけるベースブレード、発明品1〜3、比較品4,5(以下、サンプル品という。)を用いて剛性値を評価する試験を行い、この試験によって得られた剛性値を表4に示す。
Figure 2014128878
この表4に示すように、ベースブレードに混入しているダイヤモンドフィラーの含有率が大きくなるほど、剛性値が小さくなっていることが理解できるが、曲げ強度は大きな相違がなく、低密度であっても剛性値は維持されている。
(切断試験3)
切断試験3では、上記各サンプル品のブレードを使用して、ワークの切断加工を行った。なお、ワークとしては、長さ100mm、幅100mm、厚さ1.0mmのセラミックグリーンシートを用いた。
この切断加工において、上述した切断試験1と同様に、直進性および主軸電流値を測定した。また、チッピングの代わりにブレードへの切り屑の付着、すなわちダストを目視で測定すること、および摩耗量を測定した。
なお、切断装置は、各ブレードを外径52mmのフランジによってその主軸を狭着して、主軸回転数30000min−1、送り速度200mm/secとして切断加工を行った。この切断試験3によって得られた直進性、ダストの付着、主軸電流値、摩耗量を表5に示す。
Figure 2014128878
表5に示すように、直進性における最大曲がり量は、ベースブレードおよび比較品4,5に対して、発明品1〜3が小さくなっていることが理解される。また、主軸電流値も、ベースブレードおよび比較品4,5に対して発明品1〜3が小さくなっていることが理解される。
また、表5に示すように、各サンプル品に付着するダストは、ベースブレードおよび比較品4,5に多少の付着が認められた。一方、発明品1〜3には、ダストの付着が認められなかった。
また、摩耗量については、比較品5、発明品3、発明品2、発明品1、比較品4、ベースブレードの順で小さくなっていることが理解できる。つまり、ベースブレードに混入されているダイヤモンドフィラーの含有率が高いほど、自生作用が促進させられるため、摩耗量は大きくなる。
ここで、比較品5のようにダイヤモンドフィラーの含有率が高くなりすぎると、直進性、主軸電流値およびダストの付着について、上述したような問題が生じる。また、比較品4のようにダイヤモンドフィラーの含有率が低くなりすぎても、直進性、主軸電流値およびダストの付着について、上述したような問題が生じる。したがって、ダイヤモンドフィラーの含有率は5vol%以上30vol%以下にすることが好ましいことが理解できる。
実施例3では、粒度♯600のダイヤモンド超砥粒を金属結合層(WC−Co)に均一に分散したベースブレードを作製した。このベースブレードの各寸法は、外径58mm、内径40mm、厚さ0.1mmである。
本発明による発明品1〜4、並びに発明品1〜4と比較するための比較品5,6は、ベースブレードと同じ材料を用い、発明品1はベースブレードに粒径5μmでその表層からその粒径に対して10%炭化させたダイヤモンドフィラー混入させて形成し、発明品2はベースブレードに粒径5μmでその表層からその粒径に対して50%炭化させたダイヤモンドフィラー混入させて形成し、発明品3はベースブレードに粒径5μmでその表層からその粒径に対して80%炭化させたダイヤモンドフィラー混入させて形成し、発明品4はベースブレードに粒径5μmでその表層からその粒径に対して90%炭化させたダイヤモンドフィラー混入させて形成した。一方、比較品5はベースブレードに粒径5μmでその表層からその粒径に対して100%炭化させたダイヤモンドフィラー混入させて形成し、比較品6はベースブレードに粒径5μmでその表層からその粒径に対して5%炭化させたダイヤモンドフィラー混入させて形成した。なお、ベースブレードに対するダイヤモンドフィラーの含有率は15vol%とした。
(剛性評価試験3)
剛性評価試験3では、上記実施例3におけるベースブレード、発明品1〜4、比較品5,6(以下、サンプル品という。)を用いて剛性値を評価する試験を行い、この試験によって得られた剛性値を表6に示す。
Figure 2014128878
この表6に示すように、ベースブレードに混入しているダイヤモンドフィラーの炭化割合が大きくなるほど、剛性値が小さくなっていることが理解できるが、比較品5を除いて曲げ強度は大きな相違がなく、炭化割合が異なっても剛性値は維持されている。しかしながら、比較品5はダイヤモンドフィラーが100%炭化されているため、極端に剛性値が小さくなっていることが理解できる。
(切断試験4)
切断試験4では、上記各サンプル品のブレードを使用して、ワークの切断加工を行った。なお、ワークとしては、長さ100mm、幅100mm、厚さ1.0mmのAl203を用いた。
この切断加工において、上述した切断試験1と同様に、直進性、チッピングの大きさおよび主軸電流値を測定した。
なお、切断装置は、各ブレードを外径52mmのフランジによってその主軸を狭着して、主軸回転数21000min−1、送り速度10mm/secとして切断加工を行った。この切断試験4によって得られた直進性、チッピングの大きさ、主軸電流値を表7に示す。
Figure 2014128878
表7に示すように、直進性については、比較品5を除く他のサンプル品において差がないことが理解される。また、チッピングおよび主軸電流値については、ベースブレードおよび比較品6に対して発明品1〜4および比較品5が小さくなることが理解される。
上記の結果より、本発明に係る発明品1〜4は、ベースブレード、比較品6と比較して、チッピングが小さく抑えられるとともに、主軸電流値も小さく、すなわち低い抵抗で切断可能であることが理解される。また、本発明に係る発明品1〜4は、比較品5と比較して、直進性を向上可能であることが理解できる。
つまり、ベースブレードに混入したダイヤモンドフィラーの炭化割合を10%以上90%以下とすることで、上記効果が得られることが理解できる。
(切断試験5)
切断試験5では、上記の切断試験4の送り速度を30mm/secに変更して切断試験4と同様の試験を行った。表8に、切断試験5の結果を示す。
Figure 2014128878
表8に示すように、発明品1〜4は、上記の切断試験4と同様に、直進性における最大曲がり量およびチッピングが小さく抑えられるとともに、主軸電流値も小さく、すなわち低い抵抗で切断可能であることが理解される。また、ベースブレードおよび比較品6は、焼付けによりワークを切断することができなかった。つまり、ベースブレードに混入するダイヤモンドフィラーの炭化割合が性能に左右されることが理解できる。
実施例4では、粒度♯400のダイヤモンド超砥粒を金属結合層に均一に分散したベースブレードを作製した。このベースブレードの各寸法は、外径76.2mm、内径40mm、厚さ0.15mmである。
本発明による発明品1〜4、並びに発明品1〜4と比較するための比較品5,6は、ベースブレードと同じ材料を用い、発明品1はベースブレードに粒径10μmでその表層からその粒径に対して10%炭化させたダイヤモンドフィラー混入させて形成し、発明品2はベースブレードに粒径10μmでその表層からその粒径に対して50%炭化させたダイヤモンドフィラー混入させて形成し、発明品3はベースブレードに粒径10μmでその表層からその粒径に対して80%炭化させたダイヤモンドフィラー混入させて形成し、発明品4はベースブレードに粒径10μmでその表層からその粒径に対して90%炭化させたダイヤモンドフィラー混入させて形成した。一方、比較品5はベースブレードに粒径10μmでその表層からその粒径に対して100%炭化させたダイヤモンドフィラー混入させて形成し、比較品6はベースブレードに粒径10μmでその表層からその粒径に対して5%炭化させたダイヤモンドフィラー混入させて形成した。なお、ベースブレードに対するダイヤモンドフィラーの含有率は15vol%とした。
(剛性評価試験4)
剛性評価試験4では、上記実施例4におけるベースブレード、発明品1〜4、比較品5,6(以下、サンプル品という。)を用いて剛性値を評価する試験を行い、この試験によって得られた剛性値を表9に示す。
Figure 2014128878
この表9に示すように、ベースブレードに混入しているダイヤモンドフィラーの炭化割合が大きくなるほど、剛性値が小さくなっていることが理解できるが、比較品5を除いて曲げ強度は大きな相違がなく、炭化割合が異なっても剛性値は維持されている。しかしながら、比較品5はダイヤモンドフィラーが100%炭化されているため、極端に剛性値が小さくなっていることが理解できる。
(切断試験6)
切断試験6では、上記各サンプル品のブレードを使用して、ワークの切断加工を行った。なお、ワークとしては、長さ100mm、幅100mm、厚さ1.5mmのセラミックグリーンシートを用いた。
この切断加工において、上述した切断試験3と同様に、直進性、ダストの有無、主軸電流値および摩耗量を測定した。
なお、切断装置は、各ブレードを外径68mmのフランジによってその主軸を狭着して、主軸回転数30000min−1、送り速度400mm/secとして切断加工を行った。この切断試験6によって得られた直進性、ダストの有無、主軸電流値および摩耗量を表10に示す。
Figure 2014128878
表10に示すように、直進性における最大曲がり量は、ベースブレードおよび比較品5
,6に対して、発明品1〜4が小さくなっていることが理解される。また、主軸電流値も
、ベースブレードおよび比較品6に対して発明品1〜4が小さくなっていることが理解される。
また、表10に示すように、各サンプル品に付着するダストは、ベースブレードに付着が認められ、比較品6に少量の付着が認められた。一方、発明品1〜4、比較品5には、ダストの付着が認められなかった。
また、摩耗量については、ベースブレードに対して、ダイヤモンドフィラーを混入した発明品1〜4および比較品5,6の方が大きくなっていることが理解できる。つまり、ベースブレードにダイヤモンドフィラーを含有した方が剛性が低くなるため、摩耗量が大きくなることが理解できる。
つまり、ベースブレードに混入したダイヤモンドフィラーの炭化割合を10%以上90%以下とすることで、上記した全ての項目において良好な結果が得られることが理解できる。
なお、本発明は上述した実施形態に限られるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲において、上述した実施形態に種々の変更を加えたものを含む。すなわち、実施形態で挙げた具体的な構造や形状などはほんの一例に過ぎず、適宜変更が可能である。
10 薄刃ブレード
11 メタル基材
13 切刃
21 ダイヤモンド砥粒
25 ダイヤモンドフィラー
O 軸線(軸)

Claims (4)

  1. ダイヤモンド砥粒を分散させてなるメタル基材と、
    前記メタル基材に形成された切刃と、を有し、
    前記切刃で被切断材を切断加工する薄刃ブレードであって、
    前記メタル基材に、少なくとも一部が炭化されたダイヤモンドフィラーが混入されていることを特徴とする薄刃ブレード。
  2. 前記ダイヤモンドフィラーの粒径が、0.5μm以上20μm以下であることを特徴とする請求項1に記載の薄刃ブレード。
  3. 前記ダイヤモンドフィラーが、前記ダイヤモンドフィラーの半径に対して10%以上90%以下、その表層から中心に向かって炭化されていることを特徴とする請求項1または2に記載の薄刃ブレード。
  4. 前記メタル基材に対する前記ダイヤモンドフィラーの含有率が、5vol%以上30vol%以下であることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の薄刃ブレード。
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