JP5701202B2 - 電鋳ブレード - Google Patents

電鋳ブレード Download PDF

Info

Publication number
JP5701202B2
JP5701202B2 JP2011283133A JP2011283133A JP5701202B2 JP 5701202 B2 JP5701202 B2 JP 5701202B2 JP 2011283133 A JP2011283133 A JP 2011283133A JP 2011283133 A JP2011283133 A JP 2011283133A JP 5701202 B2 JP5701202 B2 JP 5701202B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
blade
blade body
filler
metal plating
superabrasive grains
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Active
Application number
JP2011283133A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2013132705A (ja
Inventor
松本 渉
渉 松本
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Tokyo Seimitsu Co Ltd
Original Assignee
Tokyo Seimitsu Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Tokyo Seimitsu Co Ltd filed Critical Tokyo Seimitsu Co Ltd
Priority to JP2011283133A priority Critical patent/JP5701202B2/ja
Publication of JP2013132705A publication Critical patent/JP2013132705A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP5701202B2 publication Critical patent/JP5701202B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Landscapes

  • Polishing Bodies And Polishing Tools (AREA)

Description

本発明は、例えばガラス、石英、セラミックス等の硬脆材料よりなる電子材料を切断するのに用いられる電鋳ブレードに関するものである。
電子材料の切断に用いられる電鋳ブレードは、ニッケル等の金属めっき相にダイヤモンドやcBN(立方晶窒化ホウ素)等からなる砥粒(超砥粒)を分散した円形薄板状のブレード本体を有している。電鋳ブレードは、このブレード本体がフランジを介して切断装置の主軸に取り付けられたり、或いは電鋳の際の台金に固着され、この台金を介して主軸に取り付けられたりして、中心軸回りに回転されることにより、その外周端縁(切れ刃)によって電子材料を切断する。
この種の電鋳ブレードにおいては、超砥粒を保持する金属めっき相の硬度が高いために自生発刃作用が活発ではなく、超砥粒に摩耗が生じても脱落しにくくなって切断抵抗が増大し、特に切断する電子材料が前述のような硬脆材料の場合には、チッピングを生じやすくなる。
そこで、例えば下記特許文献1、2に示されるように、ニッケル等の金属めっき相にポリテトラフルオロエチレン等のフッ素樹脂よりなるフィラーを分散することにより、金属めっき相の剛性を維持しつつも超砥粒の保持力を低減させて、自生発刃を促すようにした電鋳ブレードが提案されている。
特開2009−119559号公報 特開2010−5778号公報
しかしながら、前述した従来の電鋳ブレードでは、自生発刃作用が十分に活発であるとは言えず、さらにチッピングを抑制して加工品位を高めることに、改善の余地があった。
本発明は、このような事情に鑑みてなされたものであって、チッピングを抑制して、高品位な切断加工が可能な電鋳ブレードを提供することを目的としている。
前記目的を達成するために、本発明の発明者は、このような電鋳ブレードについて鋭意研究を重ねた結果、フッ素樹脂の共析量、超砥粒の集中度及び金属めっき相の硬度をそれぞれ所定の範囲内とすることで、ブレード剛性を確保しつつも自生発刃作用を十分に活発にすることができる、という知見を得るに至った。
本発明は、このような知見に基づいてなされたものであり、ニッケルを主成分とする金属めっき相に、超砥粒と、フッ素樹脂からなるフィラーとが分散された円形薄板状のブレード本体を有する電鋳ブレードであって、前記ブレード本体は、厚さが、0.1mm以下であり、前記フィラーの共析量が、10〜30vol%の範囲内であり、前記超砥粒の集中度が、25〜50の範囲内であり、前記金属めっき相の硬度が、HV400〜550の範囲内であることを特徴としている。
本発明の電鋳ブレードによれば、ブレード本体において、フッ素樹脂からなるフィラーの共析量(すなわちブレード本体全体に占めるフィラーの含有量)が10〜30vol%の範囲内であるので、該ブレード本体の剛性を確保しつつも、自生発刃作用を高めることができる。
具体的に、フィラーの共析量が10vol%未満である場合は、当該フィラーを共析させたことによる自生発刃作用が得られにくくなり、被切断材にチッピングが生じやすくなる。
また、フィラーの共析量が30vol%を超える場合は、金属めっき相が脆化して、ブレード本体の剛性(機械的強度)が確保できなくなる。特に、この電鋳ブレードにおいては、ブレード本体の厚さが0.1mm以下に薄刃化されることから、切断加工中に該ブレード本体が破損するおそれがある。
また、ブレード本体において、ダイヤモンドやcBN等からなる超砥粒の集中度が25〜50の範囲内であるので、自生発刃作用を良好に促しつつも、該ブレード本体の摩耗が著しく進行するようなことを防止して、工具寿命が確保される。
具体的に、超砥粒の集中度が25未満である場合は、当該超砥粒を分散させたことによるブレード本体の剛性向上の効果が得られにくくなり、該ブレード本体の摩耗の進行が早くなる。また、超砥粒による切断の仕事量が確保できず、切れ味が低下するとともに、加工品位が低下する。
また、超砥粒の集中度が50を超える場合は、ブレード本体の剛性が高くなり過ぎるとともに自生発刃作用が鈍化し、チッピングが生じやすくなる。
また、ブレード本体において、金属めっき相の硬度がHV(ビッカース硬さ)400〜550の範囲内であるので、該ブレード本体の剛性を確保しつつも、自生発刃作用を高めることができる。
具体的に、金属めっき相の硬度がHV400未満である場合は、ブレード本体の剛性が確保できなくなる。特に、ブレード本体の厚さが0.1mm以下に薄刃化されると、該ブレード本体の機械的強度が確保できない。
また、金属めっき相の硬度がHV550を超える場合は、ブレード本体の剛性が高くなり過ぎるとともに自生発刃作用が鈍化し、チッピングが生じやすくなる。
このように、本発明によれば、ブレード本体の剛性を確保しつつも、超砥粒の自生発刃作用が活発とされ、チッピングが抑制されるとともに切れ味が向上し、加工品位が十分に高められるのである。また、本発明を用いることにより、ブレード本体のさらなる薄刃化が可能である。
また、本発明の電鋳ブレードにおいて、前記フィラーの平均粒径が、前記超砥粒の平均粒径以下であることとしてもよい。
この場合、超砥粒による切れ味が確保されつつも、フィラーによる該超砥粒の自生発刃作用が確実に得られて、前述した作用効果がより顕著となる。
本発明の電鋳ブレードによれば、チッピングを抑制できるとともに、高品位な切断加工が可能である。
本発明の一実施形態に係る電鋳ブレードを示す正面図である。 図1のA−A断面を示す図である。 図2のB部を拡大して示す図である。 フッ素樹脂(フィラー)の共析量とブレード本体の弾性率との関係を示すグラフである。 ダイヤモンド砥粒(超砥粒)の集中度とブレード本体の磨耗(摩耗)量との関係を示すグラフである。 ダイヤモンド砥粒(超砥粒)の集中度と被切断材のチッピングサイズとの関係を示すグラフである。 金属めっき相の硬度(HV)とブレード本体の磨耗量との関係を示すグラフである。 金属めっき相の硬度(HV)と被切断材のチッピングサイズとの関係を示すグラフである。 金属めっき相の硬度(HV)とブレード本体の弾性率との関係を示すグラフである。
以下、本発明の一実施形態に係る電鋳ブレード10について、図面を参照して説明する。
図1〜図3に示されるように、本実施形態の電鋳ブレード10は、ニッケルを主成分とする金属めっき相2に、超砥粒3と、フッ素樹脂からなるフィラー4とが分散された円形薄板状のブレード本体1を有している。また、ブレード本体1の金属めっき相2において、複数の超砥粒3同士は、互いの間隔が均一となるように分散されており、複数のフィラー4同士も、互いの間隔が均一となるように分散されている。
尚、図2においては説明のため、ブレード本体1の厚さが実際より厚く示されているが、ブレード本体1は、その厚さ(すなわち円形をなすブレード本体1の両側面間の距離)が例えば0.1mm以下であり、極薄板状とされている。また、ブレード本体1の中央部には、このブレード本体1の中心軸Oを中心とした円形をなし、該ブレード本体1を厚さ方向(図2における左右方向)に貫通する取付孔5が形成されており、このためブレード本体1は、厳密には円環薄板状を呈している。
特に図示しないが、電鋳ブレード10は、このブレード本体1がフランジを介して切断装置の主軸に取り付けられたり、或いは電鋳の際の台金に固着されたハブ付きブレードとされるとともに、この台金を介して主軸に取り付けられたりして、中心軸O回りに回転されることにより、その外周端縁(切れ刃)によって電子材料(被切断材)を切断する。本実施形態の電鋳ブレード10は、例えばガラス、石英、セラミックス等の硬脆材料よりなる電子材料を精密切断加工するのに適している。
本実施形態のブレード本体1は、金属めっき相2を形成するニッケルを主成分とした金属めっき液に、超砥粒3及びフィラー4を分散して、この金属めっき液中に台金を配置し、超砥粒3及びフィラー4を取り込みつつ台金表面に金属めっき相2を所定の厚さに析出させ、これを台金から剥離して円板状に成形するといった公知の電鋳法により形成される。尚、ブレード本体1を前述したハブ付きブレードとする場合には、台金の所定領域(ブレード本体1を作製しない領域)にマスキングを施し、マスキングした所定領域以外の部位にブレード本体1を析出させればよい。
超砥粒3は、天然又は合成ダイヤモンド砥粒からなる。本実施形態の超砥粒3の平均粒径は、1〜100μmの範囲内となっている。そして、ブレード本体1における超砥粒3の集中度は、25〜50の範囲内である。
尚、超砥粒3として、ダイヤモンド砥粒の代わりにcBN砥粒を用いたり、これらダイヤモンド砥粒及びcBN砥粒を混在させたりしても構わない。
フィラー4は、例えばポリテトラフルオロエチレン(PTFE)等のフッ素樹脂からなる。本実施形態のフィラー4の平均粒径は、0.1〜20μmの範囲内となっている。また、フィラー4の平均粒径は、超砥粒3の平均粒径以下である。そして、ブレード本体1におけるフィラー4の共析量(つまりブレード本体1全体におけるフィラー4の含有量)は、10〜30vol%の範囲内である。
尚、フィラー4として、PTFE以外の公知のフッ素樹脂を用いても構わない。
そして、このブレード本体1における金属めっき相2の硬度(ビッカース硬さ)は、HV400〜550の範囲内である。
以上説明した本実施形態の電鋳ブレード10によれば、ブレード本体1において、フッ素樹脂からなるフィラー4の共析量(すなわちブレード本体1全体に占めるフィラー4の含有量)が10〜30vol%の範囲内であるので、該ブレード本体1の剛性を確保しつつも、自生発刃作用を高めることができる。
具体的に、フィラー4の共析量が10vol%未満である場合は、当該フィラー4を共析させたことによる自生発刃作用が得られにくくなり、被切断材にチッピングが生じやすくなる。
また、フィラー4の共析量が30vol%を超える場合は、金属めっき相2が脆化して、ブレード本体1の剛性(機械的強度)が確保できなくなる。特に、この種の電鋳ブレード10においては、ブレード本体1の厚さが、本実施形態のように例えば0.1mm以下に薄刃化されることから、切断加工中に該ブレード本体1が破損するおそれがある。
また、ブレード本体1において、超砥粒3の集中度が25〜50の範囲内であるので、自生発刃作用を良好に促しつつも、該ブレード本体1の摩耗が著しく進行するようなことを防止して、工具寿命が確保される。
具体的に、超砥粒3の集中度が25未満である場合は、当該超砥粒3を分散させたことによるブレード本体1の剛性向上の効果が得られにくくなり、該ブレード本体1の摩耗の進行が早くなる。また、超砥粒3による切断の仕事量が確保できず、切れ味が低下するとともに、加工品位が低下する。
また、超砥粒3の集中度が50を超える場合は、ブレード本体1の剛性が高くなり過ぎるとともに自生発刃作用が鈍化し、チッピングが生じやすくなる。
また、ブレード本体1において、金属めっき相2の硬度がHV400〜550の範囲内であるので、該ブレード本体1の剛性を確保しつつも、自生発刃作用を高めることができる。
具体的に、金属めっき相2の硬度がHV400未満である場合は、ブレード本体1の剛性が確保できなくなる。特に、ブレード本体1の厚さが、本実施形態のように例えば0.1mm以下に薄刃化された場合に、該ブレード本体1の機械的強度が確保できない。
また、金属めっき相2の硬度がHV550を超える場合は、ブレード本体1の剛性が高くなり過ぎるとともに自生発刃作用が鈍化し、チッピングが生じやすくなる。
このように、本実施形態によれば、ブレード本体1の剛性を確保しつつも、超砥粒3の自生発刃作用が活発とされ、チッピングが抑制されるとともに切れ味が向上し、加工品位が十分に高められるのである。また、本実施形態の構成を用いることにより、ブレード本体1のさらなる薄刃化が可能である。
また、フィラー4の平均粒径が、超砥粒3の平均粒径以下となっているので、超砥粒3による切れ味が確保されつつも、フィラー4による該超砥粒3の自生発刃作用が確実に得られて、前述した作用効果がより顕著となる。
尚、本発明は前述の実施形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲において種々の変更を加えることが可能である。
例えば、前述の実施形態では、電鋳ブレード10において、ブレード本体1の厚さが0.1mm以下であるとしたが、本発明とは技術思想が異なる参考例では、これに限定されるものではなく、ブレード本体1の厚さは0.1mmを超えても構わない。ただし、ブレード本体1の厚さが0.1mm以下の場合に、前述した効果がより顕著に得られることになる。
また、電解めっき相2は、ニッケルを主成分としていればよく、ニッケルのみで形成されていなくても構わない。
また、被切断材として、例えばガラス、石英、セラミックス等の硬脆材料よりなる電子材料を挙げたが、それ以外の材料からなる被切断材であってもよい。
以下、本発明を実施例により具体的に説明する。ただし本発明はこの実施例に限定されるものではない。
[フッ素樹脂共析量確認試験]
ブレード本体1におけるフッ素樹脂(フィラー4)の共析量と、該ブレード本体1の弾性率との関係について、確認試験を行った。
試験する電鋳ブレード10の共通仕様(以下、ベースブレードと省略)として、ブレード本体1は、外径58.2mm、取付孔5の内径40mm、厚さ0.1mmとし、その外周端縁には、径方向の長さ2mm、周方向の幅1mmのスリットを周方向等間隔に16本形成した。また、金属めっき相2には主成分としてNiを用い、金属めっき相2に分散する超砥粒3には粒度#1200のダイヤモンド砥粒を用い、金属めっき相2に分散するフィラー4には平均粒径0.3μmのPTFEを用いた。
そして、ブレード本体1におけるフィラー4の共析量を、本発明の範囲内(10、20、30vol%)に設定したものと、本発明の範囲外(5、40、50vol%)に設定したものとをそれぞれ用意し、小型卓上試験機:EZ Test−20N(株式会社島津製作所製)により、変位量:0.2mmとしてブレード本体1の弾性率を測定した。尚、この確認試験では、ブレード本体1における超砥粒3の集中度は25とし、金属めっき相2の硬度はHV500とした。結果を図4に示す。
[評価]
図4に示されるように、ブレード本体1におけるフィラー4の共析量が、5、10、20、30vol%の場合は、該ブレード本体1の弾性率が十分に確保された。一方、ブレード本体1におけるフィラー4の共析量が30vol%を超えると(図4における40、50vol%)、ブレード本体1が脆化して破損し測定不能となり、該ブレード本体1の剛性が確保できないことがわかった。尚、前述の実施形態で説明したように、フィラー4の共析量が10vol%未満(本試験においては5vol%)の場合には、フィラー4を含有したことによるブレード本体1の自生発刃作用が得られにくくなるとともに、チッピングが生じやすくなる。
従って、ブレード本体1におけるフィラー4の共析量は、10〜30vol%の範囲内が好ましい。
[超砥粒の集中度確認試験]
ブレード本体1における超砥粒3の集中度と該ブレード本体1の外周端縁(切れ刃)の磨耗(摩耗)量との関係、及び、超砥粒3の集中度とチッピングサイズとの関係について、確認試験を行った。
電鋳ブレード10としては、前述のベースブレードを用い、本発明の範囲内(実施例1、2)となるように超砥粒3の集中度(ダイヤ集中度)を設定したものと、本発明の範囲外(比較例1〜4)となるように超砥粒3の集中度を設定したものとをそれぞれ用意した(下記表1を参照)。尚、この確認試験では、ブレード本体1におけるフィラー4の共析量は20vol%とし、金属めっき相2の硬度はHV500とした。
Figure 0005701202
そして、電鋳ブレード10を切断装置に装着し、被切断材を4m切断したときのブレード本体1の切れ刃の径方向への磨耗量、及び、切断後に被切断材の裏面に形成されたチッピングのうち、最大サイズをそれぞれ測定した。
尚、試験の条件としては、ワーク(被切断材):石英(100×100×0.5T)、フランジ:φ52mm、主軸回転数:12000min−1、送り速度:10mm/secとした。結果を図5及び図6に示す。
[評価]
図5及び図6に示されるように、ブレード本体1における超砥粒3の集中度が25〜50(実施例1、2)の場合は、磨耗量が確保されて自生発刃作用が促されつつ、チッピングサイズが十分に小さくなる(図6において20μm以下である)ことがわかった。一方、ブレード本体1における超砥粒3の集中度が25未満(比較例1)の場合は、磨耗量は確保されるものの、チッピングサイズが20μmを超えることがわかった。これは、ブレード本体1内の超砥粒3の集中度が低いために、切れ味が十分に確保できないためと考えられる。また、ブレード本体1における超砥粒3の集中度が50を超える(比較例2〜4)場合は、該ブレード本体1の剛性が高くなり過ぎるとともに磨耗量が確保できず(つまり自生発刃作用が鈍化してしまい)、チッピングサイズが大きくなることがわかった。
従って、ブレード本体1における超砥粒3の集中度は、25〜50の範囲内が好ましい。
[金属めっき相の硬度確認試験]
ブレード本体1における金属めっき相2の硬度(ビッカース硬さHV)と該ブレード本体1の切れ刃の磨耗量との関係、金属めっき相2の硬度とチッピングサイズとの関係、及び、金属めっき相2の硬度と該ブレード本体1の弾性率との関係について、確認試験を行った。
電鋳ブレード10としては、前述のベースブレードを用い、本発明の範囲内(実施例3、4)となるように金属めっき相2の硬度(Ni硬度)を設定したものと、本発明の範囲外(比較例5〜7)となるように金属めっき相2の硬度を設定したものとをそれぞれ用意した(下記表2を参照)。尚、この確認試験では、ブレード本体1におけるフィラー4の共析量は20vol%とし、超砥粒3の集中度は25とした。また、弾性率の確認試験(図9)においては、金属めっき相2にフィラー4及び超砥粒3を分散させていないベースブレードを用いた。
Figure 0005701202
そして、電鋳ブレード10を切断装置に装着し、被切断材を4m切断したときのブレード本体1の切れ刃の径方向への磨耗量、及び、切断後に被切断材の裏面に形成されたチッピングのうち、最大サイズをそれぞれ測定した。
尚、試験の条件は、前述した[超砥粒の集中度確認試験]と同様とした。結果を図7及び図8に示す。
また、オートグラフ:AGS−J50N(株式会社島津製作所製)により、変位量:2.5mmとしてブレード本体1の弾性率を測定した(引っ張り試験)。結果を図9に示す。
[評価]
図7及び図8に示されるように、ブレード本体1における金属めっき相2の硬度がHV550以下(実施例3、4及び比較例5、6)の場合は、磨耗量が十分に確保されて自生発刃作用が促されつつ、チッピングサイズが十分に小さくなる(図8において20μm以下である)ことがわかった。一方、ブレード本体1における金属めっき相2の硬度がHV550を超える(比較例7)場合は、チッピングサイズが顕著に大きくなることがわかった。
また、図9に示されるように、ブレード本体1における金属めっき相2の硬度がHV400未満(比較例5、6)の場合は、該ブレード本体1の弾性率が150000Nm/mm未満となり、ブレード本体1の機械的強度が十分に確保できないことがわかった。
従って、ブレード本体1における金属めっき相2の硬度は、HV400〜550の範囲内が好ましい。
1 ブレード本体
2 金属めっき相
3 超砥粒
4 フィラー
10 電鋳ブレード

Claims (2)

  1. ニッケルを主成分とする金属めっき相に、超砥粒と、フッ素樹脂からなるフィラーとが分散された円形薄板状のブレード本体を有する電鋳ブレードであって、
    前記ブレード本体は、
    厚さが、0.1mm以下であり、
    前記フィラーの共析量が、10〜30vol%の範囲内であり、
    前記超砥粒の集中度が、25〜50の範囲内であり、
    前記金属めっき相の硬度が、HV400〜550の範囲内であることを特徴とする電鋳ブレード。
  2. 請求項1に記載の電鋳ブレードであって、
    前記フィラーの平均粒径が、前記超砥粒の平均粒径以下であることを特徴とする電鋳ブレード。
JP2011283133A 2011-12-26 2011-12-26 電鋳ブレード Active JP5701202B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2011283133A JP5701202B2 (ja) 2011-12-26 2011-12-26 電鋳ブレード

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2011283133A JP5701202B2 (ja) 2011-12-26 2011-12-26 電鋳ブレード

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2013132705A JP2013132705A (ja) 2013-07-08
JP5701202B2 true JP5701202B2 (ja) 2015-04-15

Family

ID=48909774

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2011283133A Active JP5701202B2 (ja) 2011-12-26 2011-12-26 電鋳ブレード

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP5701202B2 (ja)

Families Citing this family (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP6183903B2 (ja) * 2013-12-18 2017-08-23 株式会社東京精密 電鋳ブレード
JP2018130812A (ja) * 2017-02-17 2018-08-23 株式会社ディスコ 切削ブレード及び切削装置

Family Cites Families (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH061324Y2 (ja) * 1986-06-30 1994-01-12 三菱マテリアル株式会社 電鋳薄刃砥石
JPH0730279Y2 (ja) * 1987-03-17 1995-07-12 三菱マテリアル株式会社 電鋳薄刃砥石
JP4112328B2 (ja) * 2002-09-30 2008-07-02 株式会社ジーシー 歯科用ダイヤモンドバー

Also Published As

Publication number Publication date
JP2013132705A (ja) 2013-07-08

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP6282613B2 (ja) ダイシングブレード
JP5888827B2 (ja) ダイシング装置及びダイシング方法
JP5701202B2 (ja) 電鋳ブレード
JP6183903B2 (ja) 電鋳ブレード
US5261385A (en) Abrasive cutting blade assembly with multiple cutting edge exposures
JP5976228B2 (ja) ダイシングブレード
JP4852892B2 (ja) ツルーイング工具および研削砥石のツルーイング方法
JP2009006409A (ja) 薄刃砥石
JP2010005778A (ja) 電鋳ブレード
JP5721877B2 (ja) 薄刃ブレード
JP5840270B2 (ja) 切断ブレード
JP5676352B2 (ja) 電鋳ブレードの製造方法
JP2011251350A (ja) 薄刃ブレード
JP2011218486A (ja) 仕上げ用加工工具
JP5905069B2 (ja) 電鋳ブレードの製造方法
JP2008023677A (ja) 硬脆材料基板用ホイール型回転砥石
JP2013154423A (ja) 切断ブレード
JP2011251349A (ja) 薄刃ブレード
JP2004306151A (ja) メタルボンド砥石及びその製造方法
JP4494590B2 (ja) 薄刃ブレードの製造方法
JP2022153867A (ja) 電鋳ブレード
JP5767007B2 (ja) 切断ブレード
JP2003225867A (ja) 薄刃砥石
JP2012192487A (ja) 切断ブレード
JP2001179639A (ja) 電鋳薄刃砥石

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20131017

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20140828

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20140902

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20141031

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20150127

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20150217

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 5701202

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250