JP2014128088A - 電動車両の駆動系制振制御装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】ドライバの要求モータトルクを制限する上限値をモータ回転数の関数とするマップ用いて設定する場合において、モータ回転数の振動に伴って上限トルクの制限値が変動することを防止して、電動モータへの指示トルクの変動を抑えて、全開加速時の駆動系の捩じり共振の助長を防止することを目的とする。
【解決手段】アクセル開度と車速に応じて要求モータトルクを算出する要求トルク算出手段35と、電動モータの上限トルクを設定したモータトルク上限マップ47と、該モータトルク上限マップを用いて上限トルクを算出する上限トルク算出手段37と、要求トルクを制限する上限トルク制限手段39と、上限トルク制限手段39によって制限されたトルク指令値を出力するトルク指令値出力手段41と、上限トルク算出手段37に入力されるモータ回転数信号から駆動系の捩じり共振周波数の振動を抑制するフィルタ手段43と、を備えることを特徴とする。
【選択図】図2
【解決手段】アクセル開度と車速に応じて要求モータトルクを算出する要求トルク算出手段35と、電動モータの上限トルクを設定したモータトルク上限マップ47と、該モータトルク上限マップを用いて上限トルクを算出する上限トルク算出手段37と、要求トルクを制限する上限トルク制限手段39と、上限トルク制限手段39によって制限されたトルク指令値を出力するトルク指令値出力手段41と、上限トルク算出手段37に入力されるモータ回転数信号から駆動系の捩じり共振周波数の振動を抑制するフィルタ手段43と、を備えることを特徴とする。
【選択図】図2
Description
本発明は、電動車両の駆動系制振制御装置に関するものであり、特に、電動車両のモータ全開加速時に生じる駆動系の捩じり共振の発生を抑制する駆動系制振制御装置に関する。
電動車両においては、モータの全開加速時、特に低回転時からの全開加速時においては起振力が大きいこともありドライブシャフトを含む駆動系に捩じり共振が発生しやすい。
この共振に対して、モーターマウントの支持ブッシュの非線形特性の改善や、捩じり共振のバネ要素に相当するドライブシャフトの剛性増大等で対応しているが十分な対策ではなかった。
この共振に対して、モーターマウントの支持ブッシュの非線形特性の改善や、捩じり共振のバネ要素に相当するドライブシャフトの剛性増大等で対応しているが十分な対策ではなかった。
このような、モータ全開加速時の駆動系に生じる捩り振動対策の先行技術としては、特許文献1(特開2000−125410号公報)が知られている。
特許文献1には、図4に示すように、回転速度検出器により電動機の回転速度Nを検出し、この回転速度Nにより振動抑制成分演算手段100で回転速度の振動成分ΔNを算出し、この算出された振動成分ΔNと、トルク指令演算部110で算出された電動機のトルク指令Tとを加算して、振動抑制補正後トルク指令T'となし、この振動抑制補正後トルク指令T'通りの出力トルクを発生すべく電流制御演算部120において電動機に流れる電流を制御することが示されている。
特許文献1には、図4に示すように、回転速度検出器により電動機の回転速度Nを検出し、この回転速度Nにより振動抑制成分演算手段100で回転速度の振動成分ΔNを算出し、この算出された振動成分ΔNと、トルク指令演算部110で算出された電動機のトルク指令Tとを加算して、振動抑制補正後トルク指令T'となし、この振動抑制補正後トルク指令T'通りの出力トルクを発生すべく電流制御演算部120において電動機に流れる電流を制御することが示されている。
しかしながら、特許文献1に開示されている技術は、電動機の回転速度Nより算出した振動成分ΔNと、トルク指令演算部110で算出した電動機のトルク指令Tとを加算して振動抑制補正後トルク指令T'としているため、すなわち、電動機によって生じているトルク振動を打ち消すように強弱させて振動を抑制しているため、モータ制御部での演算制御としては有効だが、上位制御装置でのトルク指令演算では通信おくれ等による位相ずれが生じ振動を助長させてしまう場合もある。
また、前述のようにモーターマウントの支持ブッシュの非線形特性の改善や、捩じり共振のバネ要素に相当するドライブシャフトの剛性増大等で対応していているが十分な対策ではなかった。
そこで、本発明はこれら事情に鑑みてなされたものであり、電動モータによって発生しているトルク変動を打ち消すように電動モータへ指示トルクを出力することによる振動抑制手法ではなく、
ドライバの要求モータトルクに対して上限トルクリミッタの制限値を、モータ回転数の関数として設定されたマップ用いて設定する場合において、モータ回転数の振動に伴って上限トルク制限値が変動することを防止して、電動モータへの指示トルクの変動を抑えて、全開加速時の駆動系の捩じり共振の助長を防止することを目的とする。
ドライバの要求モータトルクに対して上限トルクリミッタの制限値を、モータ回転数の関数として設定されたマップ用いて設定する場合において、モータ回転数の振動に伴って上限トルク制限値が変動することを防止して、電動モータへの指示トルクの変動を抑えて、全開加速時の駆動系の捩じり共振の助長を防止することを目的とする。
かかる課題を解決するために、本発明は、駆動輪に電動モータからのトルクを伝達する駆動系に生じる捩り振動を抑制する電動車両の駆動系制振装置において、
アクセル開度と車速に応じて要求モータトルクを算出する要求トルク算出手段と、電動モータの回転数に対する上限トルクを設定したモータトルク上限マップと、該モータトルク上限マップを用いて、モータ回転数検出手段によって検出されたモータ回転数に対する上限トルクを算出する上限トルク算出手段と、前記要求トルク算出手段によって算出された要求トルクに対して、前記上限トルク算出手段によって算出された上限値によって前記要求トルクを制限する上限トルク制限手段と、 前記上限トルク制限手段によって制限されたトルク指令値を電動モータへのトルク指令値として出力するトルク指令値出力手段と、前記モータ回転数検出手段から前記上限トルク算出手段に入力されるモータ回転数信号に対して、前記駆動系の捩じり共振周波数を含む周波数帯域の振動を抑制するフィルタ手段と、を備えたことを特徴とする。
アクセル開度と車速に応じて要求モータトルクを算出する要求トルク算出手段と、電動モータの回転数に対する上限トルクを設定したモータトルク上限マップと、該モータトルク上限マップを用いて、モータ回転数検出手段によって検出されたモータ回転数に対する上限トルクを算出する上限トルク算出手段と、前記要求トルク算出手段によって算出された要求トルクに対して、前記上限トルク算出手段によって算出された上限値によって前記要求トルクを制限する上限トルク制限手段と、 前記上限トルク制限手段によって制限されたトルク指令値を電動モータへのトルク指令値として出力するトルク指令値出力手段と、前記モータ回転数検出手段から前記上限トルク算出手段に入力されるモータ回転数信号に対して、前記駆動系の捩じり共振周波数を含む周波数帯域の振動を抑制するフィルタ手段と、を備えたことを特徴とする。
本発明によれば、全開加速運転時に電動モータの性能を確保するために設定される上限トルクリミッタの上限トルクを、上限トルクマップを用いてモータ回転数に対する値として算出する上限トルク算出手段を備え、その上限トルク算出手段へのモータ回転数検出手段からのモータ回転数信号に対して、駆動系の捩じり共振周波数を含む周波数帯域の振動を抑制するフィルタ手段を通過させてから入力する。
従って、図2(a)に示すように、モータ回転数信号に対して、全開加速時に生じる駆動系の捩じり共振周波数を含む周波数帯域の振動をフィルタ手段で抑制(減衰)してから上限トルク算出手段に入力される入力するため、上限トルク値の変動が抑えられ、その結果、上限トルク制限手段を通過して制限されたトルク指令値の変動が抑えられて、電動モータの出力変動が抑えられて、駆動系の捩り振動を低減することができる。
また、本発明において好ましくは、前記フィルタ手段は、ローパスフィルタによって構成され、カットオフ周波数が前記駆動系に生じる捩り振動の1次の共振周波数以下であるとよい。
このように構成することによって、問題となる捩り振動の1次の共振周波数成分の振動が減衰されて前記上限トルク算出手段へ入力信号として入力されないので、上限トルクの算出値の変動が抑えられる。
また、本発明において好ましくは、前記駆動系に生じる捩り振動は、前記モータの低回転時における全開加速時の振動であり、前記1次の共振周波数は予め算出または試験によって設定されるとよい。
このように構成することによって低回転時からの全開加速時に問題となる駆動系の捩り振動に対して効果的に減衰効果を発揮することができる。
また、本発明において好ましくは、前記モータトルク上限マップは、横軸にモータ回転数をとり、縦軸にトルク上限値が設定された2次元マップからなり、中回転数領域までは一定のトルク上限値であり、その後回転数の増加に伴ってトルク上限値が減少するように設定されている。
このように、モータトルク上限マップは、電動モータの回転数に対するトルク上限値が設定され、中回転数領域までは一定のトルク上限値であり、その後回転数の増加に伴って減少する減少領域A(図2(b)参照)を有するため、中高回転域、すなわちアクセルの全開加速時にはこの減少領域Aに入るため、この減少領域の特性に基づいて上限値が設定される。
従って、全開加速時に回転数に振動成分が含まれて変動している場合には設定されるトルク上限値も変動し、さらに、電動モータへのトルク指令値に変動を生じせしめて、駆動系の振動発生源となり、さらに、モータ回転数の実回転数の検出から、トルク指令値として出力されて反映されるまでの遅れ時間、位相のずれによって電動モータの駆動トルクが発散して、駆動系に振動を生じさせる問題を有している。
本発明はこのように、モータトルク上限マップを用いて電動モータのトルク指令値を制御する場合における問題点を解消できるため、モータトルク上限マップを用いてのトルク指令制御に有効である。
また、本発明において好ましくは、前記電動車両が前輪側の電動モータと、後輪側の電動モータとをそれぞれ備え、前輪側の電動モータからのトルクを伝達する前輪駆動系と、後輪側の電動モータからのトルクを伝達する後輪駆動系とにそれぞれ対応した別々のフィルタ手段が設けられるとよい。
このように、電動モータの駆動系ごとにそれぞれ有する捩じり1次共振周波数が異なるため、それに対応したフィルタ手段を設けることで、電動4輪駆動車においても、駆動系の捩り振動を効果的に防止することができる。
本発明によれば、ドライバの要求モータトルクに対して上限トルクリミッタの制限値を、モータ回転数の関数として設定されたマップ用いて設定する場合において、モータ回転数の振動に伴って上限トルク制限値が変動することを防止して、電動モータへの指示トルクの変動を抑えて、全開加速時の駆動系の捩じり共振の助長を防止することができる。
以下、本発明に係る実施形態について図面を用いて詳細に説明する。なお、以下の実施形態に記載されている構成部品の寸法、材質、形状、その相対配置などは特に特定的な記載がない限り、この発明の範囲をそれのみに限定する趣旨ではなく、単なる説明例にすぎない。
図1は本発明が適用される電動車両としてのハイブリッド車両(以下車両という)1を示し、その全体構成図を示す。車両1は、フロント電動モータ3及びリヤ電動モータ5を車両の前後にそれぞれ備え、駆動輪7にトルクを伝達するツインモータ式の4輪駆動車両である。
また、発電用及び駆動に使用するエンジン9を車両前方に配置し、フロント電動モータ3による駆動と、エンジン9による駆動とをフロントトランスファ11によって切替え可能になっている。エンジン9は車両後方に設置された燃料タンク13からの燃料で駆動するようになっている。また、フロント電動モータ3からの駆動力はフロントトランスファ11を介して前輪アクスル14から駆動輪7に伝達され、また、リヤ電動モータ5からの駆動力はリヤトランスファ15を介して後輪アクスル16から駆動輪7に伝達される。
また、発電用及び駆動に使用するエンジン9を車両前方に配置し、フロント電動モータ3による駆動と、エンジン9による駆動とをフロントトランスファ11によって切替え可能になっている。エンジン9は車両後方に設置された燃料タンク13からの燃料で駆動するようになっている。また、フロント電動モータ3からの駆動力はフロントトランスファ11を介して前輪アクスル14から駆動輪7に伝達され、また、リヤ電動モータ5からの駆動力はリヤトランスファ15を介して後輪アクスル16から駆動輪7に伝達される。
このフロント電動モータ3からフロントトランスファ11、前輪アクスル14及び駆動輪7までによってフロント側の駆動系を構成している。また同様に、リヤ電動モータ5からリヤトランスファ15、後輪アクスル16及び駆動輪7までによってリヤ側の駆動系を構成している。
また、発電機18がエンジン9によって駆動されるようにエンジン9に近接して取り付けられており、発電電力がフロントインバータ19、フロント電動モータ3、駆動用バッテリ21、リヤインバータ23、リヤ電動モータ5へ供給されるようになっている。この駆動用バッテリ21は、床下中央部に配置されており、発電機18からの発電電力の充電および放電を行っている。
このように構成された車両1において、フロント電動モータ3の駆動を制御するフロント制御部25と、リヤ電動モータ5の駆動を制御するリヤ制御部27とを備えた電動モータ制御装置29が備えられている。
この電動モータ制御装置29には、アクセル開度センサ31からアクセル開度(APS)信号、フロント制御部25、リヤ制御部27のそれぞれには、電動モータ3、5からモータ回転センサ3a、5aによるモータ回転(Nm)信号が入力されている。
次に、フロント制御部25とリヤ制御部27について説明する。同一の構成を有するため、フロント制御部25についてのみ図2の制御構成ブロック図を参照して説明する。
フロント制御部25には、大きく分けて、アクセル開度とモータ回転信号から算出された車速に応じてドライバの要求モータトルクを算出する要求トルク算出手段35と、モータ回転数センサ3aによって検出されたモータ回転数に対するフロント電動モータの上限トルクを算出する上限トルク算出手段37と、該上限トルク算出手段37によって算出された上限値によって要求トルクを制限する上限トルク制限手段39と、該上限トルク制限手段39によって制限されたトルク指令値を電動モータへのトルク指令値として出力するトルク指令値出力手段41と、モータ回転センサ3aから前記上限トルク算出手段33に入力されるモータ回転数信号に対して、駆動系の捩じり共振周波数を含む周波数帯域の振動を抑制するフィルタ手段43と、を備えている。
要求トルク算出手段35は、ドライバが要求する必要トルクを、ドライバ要求トルクマップ45を用いて算出する。このドライバ要求トルクマップ45は、図2で示すように、アクセル開度APSと車速Vsとを基に要求トルクTRQ_REQが設定された3次元マップによって構成されている。車速とアクセル開度からドライバの要求トルクが算出される。
また、上限トルク算出手段37は、フロント電動モータ3の回転数に対する許容最大トルクである上限トルクを、モータトルク上限マップ47を用いて算出する。このモータトルク上限マップ47は、図2で示すように、横軸にモータ回転数Nmをとり、縦軸にモータトルク上限値TRQ_LIMが設定された2次元マップからなり、中間回転数領域までは一定のトルク上限値に設定され、その後回転数の増加に伴ってトルク上限値が減少する特性に設定されている。
このように、モータトルク上限マップ47は、電動モータの回転数に対するトルク上限値が設定され、中間回転数領域までは一定のトルク上限値であり、その後、中回転数から高回転数へと回転数の増加に伴って減少する減少領域Aを有する。このため、中高回転域、すなわちアクセルの全開加速時にはこの減少領域Aに入るため、この減少領域の特性に基づいて上限値が設定される。従って、全開加速時に回転数に振動成分が含まれて変動している場合には設定されるトルク上限値も変動して出力される問題がある。
例えば、図2の減少領域Aのモータ回転数Nmにおいては、回転数がN1の時点で設定されたトルク上限値に基づいて、ドライバ要求トルクマップ45からの要求トルクに対して上限リミッタ49で制限を掛けてその制限後のトルク指令値が電動モータコントローラ若しくはインバータ19へ出力されて、フロント電動モータ3の駆動力として反映される。
トルク上限値が設定されてからフロント電動モータ3が作動するまでには遅れ時間を要するため、その遅れ時間の間に回転数の変動によって、回転数が下がり、次の演算サイクルで回転数がN2の時点で設定されるトルク上限値に基づいて、前記同様に上限リミッタ49で制限を掛けてその制限後のトルク指令値が電動モータコントローラ若しくはインバータ19へ出力されて、フロント電動モータ3の駆動力として反映される。
従って、この傾斜領域Aの部分では、電動モータに回転変動か生じると、その回転変動が、フロント電動モータ3へのトルク指令値に変動を生じせしめて、駆動系の振動発生源となる(図2(b)、(d))。
さらに、モータ回転数の実回転数の検出から、トルク指令値として出力されて反映されるまでの遅れ時間、位相のずれによってフロント電動モータ3の駆動トルクが発散して、駆動系に振動を生じさせる問題がある。
さらに、モータ回転数の実回転数の検出から、トルク指令値として出力されて反映されるまでの遅れ時間、位相のずれによってフロント電動モータ3の駆動トルクが発散して、駆動系に振動を生じさせる問題がある。
以上のように、全開加速時のようにモータ回転数Nmが傾斜領域Aに入るような場合には、モータ回転に振動成分が乗っていると、特に、駆動系の捩じり共振周波数帯の振動成分が乗っていると、上限トルク値がその振動周波数で振動して、その結果として上限リミッタ49によって制限を行った後のトルク指令値も、その振動周波数で振動し駆動系が捩じり共振を生じるおそれがあるため、全開加速時の駆動系の捩じり共振対策として、上限トルク算出手段37へ入力されるモータ回転数信号から問題となる駆動系の捩じり共振周波数帯の振動成分を抑制するために、フィルタ手段43が設けられている。
フィルタ手段43は、ローパスフィルタ(LPF)51によって構成されており、モータ回転センサ3aからの信号を通過させることで、カットオフ周波数の設定によって、その周波数より高い周波数の振動成分を減衰させる。
具体的には、次の式(1)によって振動抑制機能を表わすことができる。
Nm(n)=K×Nm(r)+(1−K)Nm(n−1) …(1)
Nm(n)=K×Nm(r)+(1−K)Nm(n−1) …(1)
ここで、Nm(n):モータ回転数(フィルタ出力値)、Nm(r):モータ回転数(フィルタ入力値)、K:フィルタゲイン(K=Fc×2π×0.01)、Fc:カットオフ周波数(Hz)である。
また、カットオフ周波数Fc(1Hz〜16Hzの例)とフィルタゲインKとの具体的な対応関係は、
Fc=1でK=0.063、Fc=5でK=0.314、Fc=8でK=0.502、
Fc=10でK=0.628、Fc=16でK=1.000となる。
Fc=1でK=0.063、Fc=5でK=0.314、Fc=8でK=0.502、
Fc=10でK=0.628、Fc=16でK=1.000となる。
前記式(1)の意味は、カットオフ周期数Fcを下げるには、フィルタゲインKが小さくする。その結果(1−K)が大きくなり、前回演算サイクルでのモータ回転数(フィルタ出力値)Nm(n−1)の重み付けが大きくなり、今回演算サイクルでのモータ回転数Nm(r)の重み付けが小さくなることで、減衰効果を大きくする。
従って、カットオフ周波数Fcを制御して、駆動系の捩じり1次の共振周波数が、高周波側帯域の範囲に入るように減衰することで、モータトルク上限マップ47の傾斜領域Aの部分での、上限トルク値の変動を抑制している。
また、上限トルク制限手段39は、モータトルク上限マップ47を用いて算出したトルク上限値を用いて、ドライバ要求トルクマップ45を用いて算出した要求トルクを制限する。
また、トルク指令値出力手段41は、上限トルク制限手段39によって制限された要求トルクを用いて、フロント電動モータ3のモータ指示トルクの指令値として、電動モータコントローラ若しくはインバータ19へ出力する。
また、トルク指令値出力手段41は、上限トルク制限手段39によって制限された要求トルクを用いて、フロント電動モータ3のモータ指示トルクの指令値として、電動モータコントローラ若しくはインバータ19へ出力する。
以上の電動モータ制御装置29の構成によって、振動抑制の制御の流れについて図2を参照して説明する。
モータ回転センサ3aのモータ回転(Nm)信号をフィルタ手段43であるローパスフィルタ(LPF)51を通過させる。このときの、時間経過に対するモータ回転数Nmの変化を説明図2(a)に示す。
モータ回転センサ3aのモータ回転(Nm)信号をフィルタ手段43であるローパスフィルタ(LPF)51を通過させる。このときの、時間経過に対するモータ回転数Nmの変化を説明図2(a)に示す。
図2(a)は、低回転時からのアクセルペダル全開加速時を示しており、モータ回転数Nmには、振動成分が含まれており、その振動成分の内、駆動系の捩り1次共振周波数をカットオフ周波数以上の周波数帯に含むように、カットオフ周波数Fc(例えば10Hz)とフィルタゲインKとを設定する。
この捩り1次共振周波数は、駆動系を構成するドライブシャフトの径の大きさや、駆動系を支持するブッシュ構造等によって異なるため、予め試験によって、または解析計算によって算出しておく。
この捩り1次共振周波数は、駆動系を構成するドライブシャフトの径の大きさや、駆動系を支持するブッシュ構造等によって異なるため、予め試験によって、または解析計算によって算出しておく。
図2(a)には、アクセル全開加速時のローパスフィルタ(LPF)51の有無によるローパスフィルタ51の出力側信号を示す。問題となる共振周波数成分(例えば10Hz)が抑制されて、加速時の回転数信号は、緩やかな回転数上昇特性となる。
次に、この回転数Nmの上昇信号が、上限トルク算出手段37に入力される。回転数Nmの振動成分は抑制されているため、モータトルク上限マップ47によって算出されるトルク上限値TRQ_LIMは、図2(b)の水平ライン、傾斜ラインによって特定されるトルク上限値を算出して設定する。回転数Nmの振動成分が抑制されているため、傾斜ラインに沿った(傾斜ラインに乗った)トルク上限値に設定される。
設定されたトルク上限値を用いて、上限トルク制限手段39の上限リミッタ49によって、ドライバ要求トルクマップ45を用いて算出された要求トルク(図2(c)参照)に制限を掛ける。この制限を掛けた後の要求トルクTRQ_REQは、図2(d)の特性グラフに示すように、ローパスフィルタ(LPF)51を通過させた場合には、トルク上限値に変動成分が含まないため、上限リミッタ49で制限されて生成されるモータ指示トルクには、振動成分の変動が生じないため、低回転時における全開アクセル開度の加速時において、駆動系の捩じり共振を抑制することができる。
本発明の制御を実施した場合、つまりローパスフィルタ51を通過させて、モータトルク上限マップ47へ、フロント電動モータ3の回転数Nmの信号を入力した場合と、ローパスフィルタ51を設けなかった場合との振動レベルの変化について確認した。
試験結果のデータを図3に示す。図3は時間を横軸にとり、振動レベルを縦軸にとり、時間経過による振動レベルを比較したものである。振動レベルの中央部分の太字で濃くなっている範囲が制御ありの状態である。制御ありの場合には振動レベルが、図3のCの範囲だけ減少していることが分かり、大幅に減少(略1/3)したことを確認できた。
試験結果のデータを図3に示す。図3は時間を横軸にとり、振動レベルを縦軸にとり、時間経過による振動レベルを比較したものである。振動レベルの中央部分の太字で濃くなっている範囲が制御ありの状態である。制御ありの場合には振動レベルが、図3のCの範囲だけ減少していることが分かり、大幅に減少(略1/3)したことを確認できた。
本発明によれば、ドライバの要求モータトルクに対して上限トルクリミッタの制限値を、モータ回転数の関数として設定されたマップ用いて設定する場合において、モータ回転数の振動に伴って上限トルク制限値が変動することを防止して、電動モータへの指示トルクの変動を抑えて、全開加速時の駆動系の捩じり共振の助長を防止することができるので、電動車両の電動モータのトルク指令制御への適用技術として有用である。
1 ハイブリッド車両(電動車両)
3 フロント電動モータ(電動モータ)
3a、5a モータ回転数センサ(モータ回転数検出手段)
5 リヤ電動モータ(電動モータ)
7 駆動輪
25 フロント制御部
27 リヤ制御部
29 電動モータ制御装置(駆動系制振制御装置)
31 アクセル開度センサ
35 要求トルク算出手段
37 上限トルク算出手段
39 上限トルク制限手段
41 トルク指令値出力手段
43 フィルタ手段
45 ドライバ要求トルクマップ
47 モータトルク上限マップ
49 上限リミッタ
51 ローパスフィルタ
3 フロント電動モータ(電動モータ)
3a、5a モータ回転数センサ(モータ回転数検出手段)
5 リヤ電動モータ(電動モータ)
7 駆動輪
25 フロント制御部
27 リヤ制御部
29 電動モータ制御装置(駆動系制振制御装置)
31 アクセル開度センサ
35 要求トルク算出手段
37 上限トルク算出手段
39 上限トルク制限手段
41 トルク指令値出力手段
43 フィルタ手段
45 ドライバ要求トルクマップ
47 モータトルク上限マップ
49 上限リミッタ
51 ローパスフィルタ
Claims (5)
- 駆動輪に電動モータからのトルクを伝達する駆動系に生じる捩り振動を抑制する電動車両の駆動系制振制御装置において、
アクセル開度と車速に応じて要求モータトルクを算出する要求トルク算出手段と、
電動モータの回転数に対する上限トルクを設定したモータトルク上限マップと、
該モータトルク上限マップを用いて、モータ回転数検出手段によって検出されたモータ回転数に対する上限トルクを算出する上限トルク算出手段と、
前記要求トルク算出手段によって算出された要求トルクに対して、前記上限トルク算出手段によって算出された上限値によって前記要求トルクを制限する上限トルク制限手段と、
前記上限トルク制限手段によって制限されたトルク指令値を電動モータへのトルク指令値として出力するトルク指令値出力手段と、
前記モータ回転数検出手段から前記上限トルク算出手段に入力されるモータ回転数信号に対して、前記駆動系の捩じり共振周波数を含む周波数帯域の振動を抑制するフィルタ手段と、
を備えたことを特徴とする電動車両の駆動系制振制御装置。 - 前記フィルタ手段は、ローパスフィルタによって構成され、カットオフ周波数が前記駆動系に生じる捩り振動の1次の共振周波数以下であることを特徴とする請求項1記載の電動車両の駆動系制振制御装置。
- 前記駆動系に生じる捩り振動は、前記モータの低回転時における全開加速時の振動であり、前記1次の共振周波数は予め算出または試験によって設定されることを特徴とする請求項2記載の電動車両の駆動系制振制御装置。
- 前記モータトルク上限マップは、横軸にモータ回転数をとり、縦軸にトルク上限値が設定された2次元マップからなり、中回転数領域までは一定のトルク上限値であり、その後回転数の増加に伴ってトルク上限値が減少するように設定されていることを特徴する請求項1記載の電動車両の駆動系制振制御装置。
- 前記電動車両が前輪側の電動モータと、後輪側の電動モータとをそれぞれ備え、前輪側の電動モータからのトルクを伝達する前輪駆動系と、後輪側の電動モータからのトルクを伝達する後輪駆動系とにそれぞれ対応した別々のフィルタ手段が設けられることを特徴とする請求項1記載の電動車両の駆動系制振制御装置。
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