JP2014125245A - 包装用紙箱の組立方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】手早く、折り目の整った美麗な包装用紙箱を組み立てることができる方法を提供する。
【解決手段】基面部の四辺に側面部及びフラップが延成され、基面部の角において側面部同士がコーナ部で繋がれた包装紙について、基面部を底側として、小フラップに対応する側面部が45度超90度未満傾斜するように側面部とコーナ部に予め折り癖を付けると共に、当該側面部に対して少なくとも小フラップは、例えば45度超90度未満傾斜するようにフラップにも予め折り癖を付ける第一手順と、大フラップに対応する側面部が基面部に対して直立するように大フラップを小フラップの上に折り重ねる第二手順と、折り重ねた大フラップを閉止する第三手順とによって包装用紙箱を組み立てる。
【選択図】図3
【解決手段】基面部の四辺に側面部及びフラップが延成され、基面部の角において側面部同士がコーナ部で繋がれた包装紙について、基面部を底側として、小フラップに対応する側面部が45度超90度未満傾斜するように側面部とコーナ部に予め折り癖を付けると共に、当該側面部に対して少なくとも小フラップは、例えば45度超90度未満傾斜するようにフラップにも予め折り癖を付ける第一手順と、大フラップに対応する側面部が基面部に対して直立するように大フラップを小フラップの上に折り重ねる第二手順と、折り重ねた大フラップを閉止する第三手順とによって包装用紙箱を組み立てる。
【選択図】図3
Description
この発明は、例えば進物用羊羹の商品パッケージとして使用する包装用紙箱の組立方法に係り、予め所定の形状に折り癖を付けておくことで、手早く、折り目の整った美麗な包装用紙箱を組み立てることができる方法に関する。
羊羹を包装するに当たっては、まず練り生地を特許文献1に開示されているような易開封性のガゼット袋に封入し、固め終わったものを保形用の箱に収容することが一般的である。そして、進物用であれば、前記の保形箱をさらに、商品名等が印刷された包装紙で包装し、これを一棹(さお)という単位で販売される。二棹以上を詰め合わせる場合は、さらに棹数に応じた大きさの包装箱が用意される。
上記包装紙は、進物用羊羹において商品名や装飾等が施された、いわゆる当該商品の顔となる部分(商品パッケージ)であり、こうした商品の識別を目的としないラッピング包装とは区別される。また、進物用羊羹における包装紙は、それ単独で紙箱として機能する厚手のものが選択される。なぜなら、当該包装紙で折られた紙箱は、進物用羊羹の品等を担保するため、折り目が整った化粧箱としての機能が要求されるからである。また、このように折り目が整った紙箱とすることで、複数の棹を詰め合わせる際、棹同士を隙間なく整然と包装箱に詰め込むこともできる。
このような紙箱を形成する最も簡易なものとして、図7に示した展開図の包装紙が想定される。即ち、図7の包装紙は、矩形の基面部10の四辺それぞれに側面部11を設け、各側面部11にフラップ12が延成されている。これら部位は、図上、点線で示した折り線によって区画されている。基面部10の表面には商品名や適宜な装飾が印刷され、組み立てる際は、印刷面を下にして基面部10に羊羹を収容した保形用の箱を載せ、この保形用の箱を中箱として各側面部11を順次直立に折り立て、最後にフラップ12を内向き水平に折る。ここで長辺側のフラップ(図面上、左右のフラップ)は、中箱の上面で互いに重なり合い、その下に短辺側のフラップ(図面上、上下のフラップ)を差し込むことで、中箱全体を密封することができる。
このような紙箱によれば、簡易包装という社会的要請に適うが、折り目が整った正確な直方体に仕上げるには手間や経験が必要であった。即ち、図7の包装紙では、側面部11を垂直に折り立てる際、作業が行いやすいように、通常、折り立てようとする側面部11が手前に来るように、全体を90度ごとに一々回転させるが、側面部11が互いに独立しているため、側面部11を折り立てている間に、先に折り立てた側面部11が展開しようとし、これを指等で抑えながら、次の側面部11を折り立てなければならなかった。これはフラップ12を水平に折るときも同様であるが、フラップ12を折る場合は、側面部11の展開も制止しながらの作業となるため、非常に手間であり、折り目が整った美麗な紙箱に仕上げるには経験が必要であった。
なお、セロハンテープやステープラにより側面部11等を固定すれば、組み立て作業が楽になるが、化粧箱としての機能が阻害されるので好ましくない。また、別の方法として、先に短辺側の片方のフラップだけを開放した紙箱に形成しておき、後から、中箱を挿入するという方法も考えられるが、妥当ではない。中箱を挿入する際、紙箱内部に閉じ込んである他方の短辺側フラップに中箱がつっかえて、当該中箱を挿入しづらいからである。また、最後に開口を閉じる際、開放した上記短辺側フラップを無理に湾曲させて開口に差し込まなければならないが、このとき開放フラップ等に不用意な折り目がついたり、傷を付けたりすることが多いからである。さらに、これら方法であると、内容物を取り出す際、セロハンテープ等を剥がしたり、短辺側フラップを引き抜く手間があり、紙箱が開封しづらくなる。
一方、特許文献2・3には、基面部の四隅において、長辺と短辺の側面部同士を連結し、箱を形成する際に、箱内部に三角形に折り畳まれるコーナ部(特許文献2において補助側板部、特許文献3において連結フラップ)を有した紙箱が開示されている。当該構成の紙箱によれば、図7のものと同じ手順で組み立てられるが、長辺側の側面部の折り立て状態を維持しておけば、コーナ部に引っ張られて、短辺側の側面部の折り立て状態も維持される。したがって、フラップを内向きに折り曲げる際、側面部の展開を制止する手間がなくなる分、組み立て作業が楽になる。
特許文献2には、紙箱の組立手順として、側板部(4、6)とフラップ(第一覆片5、第二覆片7a・7b)に折り目線を付けておき(第一手順)、コーナ部(補助側板部10)を内方に向けて立設させる(第二手順)ことが記載されている。第二手順でコーナ部を立設させると、これに伴って4つの側板部が起立して開蓋状態の箱ができ、その中に物品を収納した後(第三手順)、順次、4つのフラップ(第一覆片5、第二覆片7a・7b)を内向きに折り曲げ(第四手順)、最後に長辺側フラップの一方(第二覆辺7a)に設けた舌辺8を他方の長辺側フラップ(第二覆辺7b)の折り目に設けた切込み孔9に挿入する(第五手順)ことで箱を閉塞することが開示されている。
確かに、このような手順であっても、コーナ部付きの包装紙を箱形に組み立てることができる。しかし、第四手順においては、第三手順で側板部を起立させた後、この状態で4つのフラップを一つずつ内向きに折り曲げなければならず、このとき側板部は起立状態にあって腰がないため、このような側板部を基部としては、フラップを美麗に折り曲げ難いという問題がある。殊、長辺側のフラップは、長手方向に均一に折り曲げることが困難である。
他方、特許文献3には、初期の出荷段階では、短辺側の側板部(端板5)をコーナ部(連結フラップ6)と共に基面部(底板3)に折り重ね、その際、コーナ部の側板部(側板4)と折り重なる三角形部分(6a)を当該側板部に接着してあり(第一手順)、これを店舗等で、前記短辺側の側板部(端板5)を外側に引き起こす(第二手順)ことが記載されている。そして、側板部を引き起こせば、コーナ部を介して、長辺側の側板部(側板4)が自動的に起立して開蓋状態の箱が形成され、この箱に物品を収容し(第三手順)、長辺側のフラップ(蓋片7)を閉じ合わせ(第四手順)、最後に荷造り用バンド(10)を固縛する(第五手順)ことによって、箱を閉蓋するものとされている。
この特許文献3の場合、短辺側の側板部(端板5)にはフラップがなく、したがって、完成した箱は、その部分に隙間が生じる。これは内容物を食品とする場合は好ましいものではなく、進物用の菓子を包装するのであれば尚更である。
しかも、特許文献3の紙箱は、第一手順でコーナ部を接着するという手間と時間が必要である。そのうえ、第二手順においては、短辺側の側板部(端板5)を引き起こして長辺側の側板部(側板4)を起立させるにしても、当該長辺側の側板部(側板4)の中央には起立に必要な力が加わりにくいため、進物用化粧箱に耐え得るような美麗さを実現するには、長辺側の側板部(側板4)を外側から内向きに押し付けるという第二手順を補助する手段が必要となる。そうすると、側板部は短辺側と長辺側で反対方向に力を加えることになって、組み立て作業が煩雑であり、コーナ部付き紙箱を手早く組み立てることができなくなる。
本発明は上述した課題を解決するためになされたもので、その目的とするところは、手早く、折り目の整った美麗な包装用紙箱を組み立てることができる方法を提供することである。
上述した目的を達成するために本発明では、矩形の基面部の四周囲に、内容物の厚みに対応した幅の側面部と、前記基面部の角において前記側面部同士を繋ぐコーナ部とが山折り線を介して延成され、前記コーナ部それぞれには、組立時に前記基面部の角を起点として該コーナ部を三角形状に折り込む谷折り線が形成される一方、前記側面部それぞれには、別の山折り線を介してフラップが連続して延成され、該フラップのうち対向する一組は組立時に互いに折り重なる延成長の大フラップを形成すると共に、他組は組立時に前記大フラップの下に差し込まれる小フラップを形成してなる。なお、本発明において「山折り」「谷折り」は、紙箱を、その内部からではなく、外から見たときの折り曲げ方向をいう。
また、本発明における包装紙は、前記側面部及び前記フラップが一定角度で折り癖を保持する厚みまたは/及び強度を有する。これは、その紙箱が単独で保形性を有することを意味し、内容物の存在を前提として、当該内容物を頼りに包装作業が行われる単なるラッピングとは区別される。
そして、上記包装紙を用いて本発明では、前記基面部を底側として、予め、前記側面部、前記コーナ部、前記大フラップ、及び小フラップそれぞれに、前記側面部が直立する過程で前記小フラップが前記大フラップの下方に潜り込む角度で折り癖を付ける第一手順と、前記大フラップに対応する側面部が直立するように前記大フラップを小フラップの上に折り重ねる第二手順と、前記折り重ねた大フラップを閉止する第三手順とから、直方体の包装用紙箱の組立方法を構成した。
第一手順は、第二手順を実行するための予備作業である。折り癖は全ての部位に施すのであるが、特に重要なのは、小フラップと、これに対応する側面部の折り癖角度である。つまり、少なくともこれらの部位については、大フラップ側の側面部が展開状態から直立状態に移行する過程で、小フラップが大フラップに先行して水平に近づくように折り癖を付ける必要がある。ここで折り癖の角度は、全て外角として説明する。
第一手順に係る折り癖の角度は、ある程度の範囲で許容され、包装紙の紙質や小フラップ・大フラップの大きさをも考慮して決定されるが、一応の目安を説明すると、当該角度が大きい程、第二手順における折り重ねの確実性が増す。反対に、折り癖の角度が小さい程、手早く第一手順を完了できる。しかも、折り癖角度が小さい包装は、扁平に近いから、この状態で嵩張らず保管することも可能となる。ここでいう角度は全て外角であるが、特に重要なのは、小フラップとその側面部の折り癖角度である。これら部位の折り癖角度が30度を下回る場合、第二手順において大フラップの操作による側面部の起立時に、小フラップ側の側面部が起立せず、逆に外側に展開してしまう。また、45度丁度であると、力を加える部分によっては側面部を安定して起立動作に移行できないことが想定される。一方、90度であれば、それは既に直方体の紙箱が完成することを意味するから、本発明の第一手順には含まない。90度を超える折り癖は、小フラップとこれに対応する側面部については本発明の第一手順に含むが、大フラップやこれに対応する側面部については含まない。なぜなら、大フラップを90度超に折り曲げると小フラップと干渉するからである。また、大フラップ側の側面部については、コーナ部の存在によって、小フラップ側の側面部と同時に90度超に折り曲げることができないからである。より正確には、このような折り癖を付けると、コーナ部の両脇の山折り線が谷折り線に変化し、コーナ部が予定どおりに機能しなくなる。
このようなことから、各部位の折り癖角度は、特に小フラップとその側面部に関しては50度前後が適当である。なお、本発明は、基本的には手作業による組立を想定しているが、手順の一部または全部を機械によって行うことも含む。
第二手順では、大フラップを操作することで、実質的に側面部を基面部に対して直立状態に移行する。この結果、小フラップに対応する側面部をも連動して起立させるという作用を行う。つまり、上記構成の包装紙の場合、一組の側面部と他組の側面部とがコーナ部によって繋がれているため、一方の組の側面部を直立状態に移行すれば、その操作量に応じてコーナ部が徐々に内側への折込み度合いを深めていき、これに連動して(引き寄せられて)、他組の側面部が自動的に直立するのである。折込み度合いが深まるとは、コーナ部が谷折り線で三角形状に半分に折り畳まれる際、当該三角形状の片の間隔が狭まっていくことを意味する。このように小フラップ側の側面部が起立すれば、これに延成した小フラップも連動して内向きの水平状態に近づき、結果、大フラップの下に潜り込む。
上記原理によれば、コーナ部も一方組の側面部の直立操作時に、これに連動して容易に内側に折り込まれるものであることが好ましい。言い換えれば、コーナ部は谷折り線によって二つに半折りされる際、一種のバネとして機能し、その反発力が小フラップ側の側面部の起立を阻害しないように、当該反発力を低減しておくことが好ましい。そこで、コーナ部の折込みを容易にするための手段として、本発明では、谷折り線の折曲容易性に着目し、第一手順の前に当該谷折り線を予めミシン目によって形成することとした。
さらに、コーナ部は基面部の角で最も折り畳みの応力が大きくなるため、その谷折り線の基面部の角から一定長を予め切込みによって形成するという手段を用いる。これによって、コーナ部の折込みの容易性が高まり、上記ミシン目と併用した場合、最も前記容易性を高めることができる。
最終の第三手順では、第二手順において折り重ねた大フラップを閉止する。つまり、本発明では、大フラップの展開を閉止するだけで、小フラップの展開も抑止されるから、六面全部が閉じた紙箱を得ることができる。特に、大フラップは折り重なっており、しかも、小フラップによって当該大フラップの折り重ね側の辺も閉じることから、密閉性の高い紙箱を得ることができる。当該第三手順は、具体的には大フラップをセロハンテープ等で固定することが該当するが、環状のゴム紐を装着して行うことが好ましい。セロハンテープ等の固定手段を採用した場合、箱から内容物を取り出すには、セロハンテープを剥がして大フラップを開くか、小フラップを引き抜くしかないが、環状のゴム紐であれば、これを取り外す(抜き外す)だけで、大フラップが応力によって展開し、ここから内容物を取り出すことができるからである。
本発明の方法で組み立てられる紙箱は直方体であるが、立方体を含み、どのような外形とするかは内容物の形状等に応じて決定することができる。また、基面部を正方形とした場合は、側面部の長さも同じなるため、大フラップと小フラップを優劣なく、何れの側面部にも形成することができる。
これに対して、基面部を長方形として、長尺な紙箱を組み立てる場合は、前記基面部の長辺に対応して大フラップを構成すると共に、短辺に対応して小フラップを構成すること好ましい。第二手順の確実性を担保するためである。
このような長尺な紙箱は、羊羹等の所謂棹物菓子を内容物とすることができ、この場合、第一手順と第二手順の間に当該棹物菓子を基面部に載せる手順を加えるだけで、以降、第二手順・第三手順を実行することによって、紙箱の組み立ててと共に、棹物菓子の包装も完了させることができる。つまり、これで一棹の商品が完成する。
本発明では、第一手順で側面部とフラップに所定の折り癖を付けておくことで、第二手順では大フラップを折り重ねるだけで、全ての側面部が自動的に直立すると同時に、小フラップを内向きに水平な状態に移行させることができる。また、その包装紙は、完全な紙箱を構成する前に側面部等の折り癖を保持するものであるため、単なるラッピングとは異なり、折り目がくっきりし、また持続する強度を有した紙箱となり、本発明では、このような紙箱を手早く組み立てることができる。
さらに、本発明では、第三手順で環状のゴム紐を装着して最終工程とすることから、組み立て作業が極めて楽であり、しかも、開封作業もゴム紐を外すだけで済む。
以下、本発明の好ましい実施の形態を添付した図面に従って説明する。図1は、本発明の方法を適用する包装紙の一例を示した展開図であり、進物用羊羹を棹単位で包装する包装用紙箱についての実施形態を示したものである。図中、1は縦横の寸法を羊羹に合わせた長方形の基面部、2は該基面部1の周囲に羊羹の厚み(高さ)に応じた幅だけ延成された環状延成部である。即ち、環状延成部2は基面部1の周囲を連続して一周するように形成されている。なお、この包装用紙箱における寸法は、基面部1の長辺が215mm、短辺が55mm程度、また環状延成部2の幅が35mm程度である。
基面部1と環状延成部2の境界には、基面部1の表面(外面)から見て、山折り線3a・3bを基面部1の四辺に沿って縦横に形成している。これら山折り線3a・3bは、基面部1の四辺だけではなく、基面部1の角1aから環状延成部2の外縁まで延長して形成され、結果、全体として井桁状となっている。そして、当該山折り線3a・3bの延長部分によって前記環状延成部2は、基面部1の四辺に連続する側面部4a・4bと、基面部1の角1aにおいて側面部4a・4b同士を繋ぐ正方形状のコーナ部5とに区画している。
コーナ部5には、基面部1の角1aを起点として、その対角線上に谷折り線6を形成している。この谷折り線6は、本実施形態の場合、コーナ部5の折込み容易性を高めるために、ミシン目6aで構成している。特に、コーナ部5の折込み応力が集中する基面部1の角1a側の内角には切込み6bを形成している。この切込み6bの長さは、包装紙の厚み等に応じて決定する。つまり、厚みが大きければ、切込み6bの長さを長くする。さらに、この実施形態では、切込み6bを設けた内角と対角関係にある開放角部5aを丸めて円弧状としている。こうすることで、この角部5aを直角とするよりも、コーナ部5の折込み容易性を高めることができる。
一方、側面部4a・4bは、基面部1の長辺・短辺に対応して、長辺側面部4aと短辺側面部4bとを構成する。そして、各側面部4a・4bには、その山折り線3a・3bの反対側でこれと平行する山折り線7a・7bを介してフラップ8a・8bを延成している。言い換えれば、これらフラップ8a・8bの山折り線7a・7bは、フラップ8a・8bと側面部4a・4bそれぞれの境界に設けたということできる。
フラップ8aとフラップ8bは、何れも包装用紙箱の組立完了時に箱を封止する蓋として機能するものであるが、フラップ8aとフラップ8bとでは幅(延成長)が異なる。即ち、この実施形態の場合、長辺側面部4aから延成する大フラップ8aの幅を基面部1の短辺(55mm)と同じか、やや短い程度としている。後述するように、大フラップ8aを折り重ねた際、確実にしょうフラップ8bをその下に閉じ込むためであり、また、密封性や意匠性をも高めるためである。ただし、本発明における寸法は、これに限定されない。一方、短辺側面部4bから延成する小フラップ8bの幅については、具体的な寸法基準はないが、後述するように、組立完了後において大フラップ8aの下に差し込まれた状態を維持し、人がこれを開けようとするときに、抜き出すことができる大きさとすることが好ましい。具体的には、上記寸法の基面部及び側面部に対して27mm程度である。
以上が、この実施形態における包装紙の構成であるが、さらに当該包装紙は、次のような特性(紙質)を有する。即ち、当該包装紙は、側面部4a・4bとフラップ8a・8bに後述する折り癖を付けた際、当該折り癖を維持する厚み又は/及び強度を有する。このような紙は、菓子の化粧箱では特別なものではなく、むしろ、ラッピング包装の紙では薄すぎる。
なお、図1は、包装紙の表面(外面)を示していて、組立が完了した包装用紙箱の正面となる基面部1と、背面となる一方の大フラップ8aには、商品名のラベルを貼付したり、保管方法等の情報を印刷することができる。この他、羊羹等の棹物菓子に特化して、包装紙の表面全体に、竹の皮を模した装飾を印刷することもある。ただし、包装紙の裏面には、こうした印刷は必要なく、無地とすることができる。
一方、図2は、上記構成の包装紙により組み立てられる紙箱を商品パッケージとして適用する前の羊羹の包装例を示したものである。つまり、当該包装例では、羊羹の練り生地を封入・固化したガゼット袋Aを、厚紙からなる中箱Bに収容している。中箱Bは、専ら羊羹を外力から保護するためのものであり、進物用として採用することが望ましいものである。ただし、いわゆる自宅用であれば、簡易包装という要請に即して、中箱Bを省略し、上記ガゼット袋Aを本発明の包装用紙箱に直接投入することもできる。
図3〜6は、上記包装例の羊羹を内容物として、包装用紙箱を組み立てる手順を図示したものである。図3は、本発明の第一手順を示したものであり、図1の展開状態にある包装紙の印刷面を下にし、基面部1を底面として4つの側面部4a・4b及びフラップ8a・8bを所定角度折り曲げる。側面部とフラップは何れを先に折り曲げてもよいが、作業のしやすさからすると、フラップ8a・8bを先に折り曲げるほうが好ましい。また、側面部4a・4bを折り曲げるときは、必然的にコーナ部5も内側に折り込む。このような折り曲げ作業は、包装用紙箱を完成させるときと同じ作業となるが、本発明の場合は、各部位を90度に折り曲げることなく、所定の傾斜角度α・βで折り癖を付けておくものである。
具体的には、短辺側面部4bは、基面部1の設置面から45度超90度未満の角度範囲αで折り癖を付けておく。また、小フラップ8bについても、短辺側面部4bに対して45度超90度未満の角度範囲βで折り癖を付けておく。これらの折り癖の角度α・βが大きい程、後述する第二手順での作業性が良好となるが、実際は、いずれも46〜55度の範囲で十分であり、図示のものはこれに即している。
これ以外の長辺側面部4aや大フラップ8aについても、折り癖を付けるのであるが、その角度は任意である。ただし、長辺側面部4aについては、短辺側面部4bとコーナ部5を介して繋がっているため、当該短辺側面部4bを上記角度範囲で折り癖を付けるには、長辺側面部4bも自ずと、これに見合った角度に折り癖を付けておく必要がある。言い換えれば、長辺側面部4aは短辺側面部4bの折り癖角度を保持する角度で折り癖をつければよく、両者の折り癖の角度を一致させる必要はない。
次に、当該折り癖が付いた半展開状態の包装紙に対して、その基面部1に図2に示した包装済み羊羹を載せ、第二手順に移る。この第二手順では、図4に示したように、一対存在する大フラップ8aを互いに引き寄せ、基面部1の上空で折り重なるように操作する。この実施形態の場合、大フラップ8aは基面部1と同形なので、最終的には大フラップ8aを反対側の大フラップ8aと完全に一致するように折り重ねる。この操作により、大フラップ8aが延成された長辺側面部4aは、上記折り癖の状態から直立方向に移行する。このとき、コーナ部5も谷折り線6がミシン目6aと切込み6bによって折り込みやすくなっていることから、長辺側面部4aの直立動作に追従して、徐々に箱内部に折り込まれていく。さらに、このコーナ部5の折込み動作に連動して、短辺側面部4bが山折り線3aを中心として自動的に直立方向に回転する。そして、小フラップ8bは、短辺側面部4bの回転に伴い、大フラップ8aの下方に潜り込むように姿勢を変位する。つまり、第二手順では、大フラップ8aの折り重ね操作をきっかけに、各部位が連動し、最終的には図5に示したような紙箱が完成する。
なお、大フラップ8aの操作と同時に、長辺側面部4aを外側から内側に向かって補助的に押圧操作することが好ましい。ただし、大フラップ8aではなく、長辺側面部4aのみを操作すると、その後に大フラップ8aの折り重ね操作をしなくてはならず、第二手順が実質的に二つの手順から構成されることになるため、好ましくない。言い換えれば、本発明の第二手順は、大フラップ8aの折り重ね操作によって長辺側面部4aを同時に直立させることを本質とするものである。このような動きを忠実なものとするには、大フラップ8aの山折り線7aに付けた折り癖の角部を外側から内側に押圧することが好ましい。何れにせよ、本発明では、大フラップ8aのみを操作するだけで、他の部位の展開を抑止しつつ、箱形に組み立てることができるのである。
図5の状態で大フラップ8bから力を除去すると、当該大フラップ8bが展開し、各部位も図3の状態まで展開しようとする。そこで第三手順では、図6に示したように、図5の状態の紙箱に環状のゴム紐9を通し、大フラップ8aを閉止する。そして、当該閉止後の紙箱は商品名等が印刷等された基面部1を上にして陳列等されるが、内容物の重みによっても大フラップ8a等の展開を抑制することができる。当然、当該紙箱を持ち上げても、大フラップ8aはゴム紐9によって展開することがない。このように第三手順によって大フラップ8aの展開が抑止され、正確に直方体の包装用紙箱が完成する。なお、この実施形態の形状の紙箱であれば、ゴム紐9は当該紙箱の中央に1本設けることによって、大フラップ8aを展開しないように押さえ込むことができる。ただし、この実施形態よりも長尺な紙箱の場合は、複数本のゴム紐で大フラップを止めることもある。
このように、上記実施形態では、第一手順で予め所定の折り癖を付けておくことによって、第二手順では、こうした包装に熟練を有しない者でも、手早く、進物用羊羹の商品パッケージとしての包装用紙箱を組み立てることができる。そして、第三手順ではゴム紐9によって大フラップを閉止することで、包装済み棹物菓子が完成するのである。この状態でゴム紐9を取り外せば、大フラップ8aが展開し、ほぼ図3の状態となることから、短辺フラップ8bを引き抜くという手間を経ず、大開口の状態で棹物菓子を容易に取り出すことができる。しかも、残りをもう一度箱に戻すときも、第二手順・第三手順によって容易に元の形に戻すことができる。
なお、包装物は棹物菓子に限らず、食品でいえば、固形バターやチーズの包装用紙箱としても使用することができる。また、この紙箱自身が保形性を有し、内容物に頼らずとも当該内容物を包装することができるから、内容物は直方体である必要はなく、あらゆる物品を収容することができる。
1 基面部
1a 基面部の角
2 環状延成部
3a・3b 環状延成部の山折り線
4a 長辺側面部
4b 短辺側面部
5 コーナ部
6 谷折り線
6a ミシン目
6b 切込み
7a・7b フラップの山折り線
8a 大フラップ
8b 小フラップ
9 環状のゴム紐
1a 基面部の角
2 環状延成部
3a・3b 環状延成部の山折り線
4a 長辺側面部
4b 短辺側面部
5 コーナ部
6 谷折り線
6a ミシン目
6b 切込み
7a・7b フラップの山折り線
8a 大フラップ
8b 小フラップ
9 環状のゴム紐
Claims (7)
- 矩形の基面部の四周囲に、内容物の厚みに対応した幅の側面部と、前記基面部の角において前記側面部同士を繋ぐコーナ部とが山折り線を介して延成され、前記コーナ部それぞれには、前記基面部の角を起点として該コーナ部を三角形状に折り込む谷折り線が形成される一方、前記側面部それぞれには、別の山折り線を介してフラップが連続して延成され、該フラップのうち対向する一組は互いに折り重なる幅を有した大フラップを形成すると共に、他組は前記大フラップの下に差し込まれる小フラップを形成し、前記側面部及び前記フラップが一定角度で折り癖を保持する包装紙を直方体の紙箱に組み立てる方法であって、
前記基面部を底側として、予め、前記側面部、前記コーナ部、前記大フラップ、及び小フラップに、前記側面部が直立する過程で前記小フラップが前記大フラップの下方に潜り込む角度で折り癖を付ける第一手順と、
前記大フラップに対応する側面部が基面部に対して直立するように前記大フラップを小フラップの上に折り重ねる第二手順と、
前記折り重ねた大フラップを閉止する第三手順とからなることを特徴とした包装用紙箱の組立方法。 - コーナ部の谷折り線は、予めミシン目によって形成した請求項1記載の包装用紙箱の組立方法。
- コーナ部の谷折り線は、基面部の角から一定長だけ、予め切込みによって形成した請求項1または2記載の包装用紙箱の組立方法。
- 第三手順は、環状のゴム紐を装着して行う請求項1、2または3記載の包装用紙箱の組立方法。
- 基面部は長方形であり、その長辺に対応して大フラップを形成すると共に、短辺に対応して小フラップを形成した請求項1から4のうち何れか一項記載の包装用紙箱の組立方法。
- 包装物は棹物菓子であり、第一手順と第二手順の間に当該棹物菓子を基面部に載せる手順を有した請求項5記載の包装用紙箱の組立方法。
- 請求項6記載の包装用紙箱の組立方法により包装したことを特徴とする棹物菓子。
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