JP2014124894A - 液体吸収体、液体吸収タンク、電子機器 - Google Patents

液体吸収体、液体吸収タンク、電子機器 Download PDF

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Abstract

【課題】浸透性及び保持性の優れた液体吸収体を提供する。
【解決手段】液体を吸収する液体吸収体200であって、前記液体吸収体200は繊維を主体とするとともに、前記繊維の臨界表面張力よりも臨界表面張力が大きい添加物を含む。
【選択図】図1

Description

本発明は、液体吸収体、液体吸収タンク、電子機器に関する。
従来、例えば、インクを吸収する液体吸収体として、セルロース繊維を主体に形成された吸収体が知られている(例えば、特許文献1参照)。
特開2000−135797号公報
特許文献1では、上記、吸収体に対してインクを浸透させる浸透性が満足しないため、セルロース繊維を主体に形成された基材層の少なくとも片面にバルキー性の合成繊維シート層を重ね浸透性を確保した。しかしながら、特許文献1では、基材層での浸透性は変わっていないため、基材層全体にインクが浸透しないという課題は解決されていなかった。
本発明は、上述の課題の少なくとも一部を解決するためになされたものであり、以下の形態または適用例として実現することが可能である。
[適用例1]本適用例にかかる液体吸収体は、液体を吸収する液体吸収体であって、前記液体吸収体は繊維を主体とするとともに、前記繊維の臨界表面張力よりも臨界表面張力が大きい添加物を含むことを特徴とする。
この構成によれば、液体吸収体は、繊維を主体とし、さらに繊維の臨界表面張力よりも臨界表面張力が大きい添加物が含まれる。これにより、繊維間に添加物が存在することになり、その部分は、液体に対してより濡れやすくなり、全体として液体の浸透性を高めることができる。また、添加物の作用により吸収した液体の保持性をも高めることができる。
[適用例2]上記適用例にかかる液体吸収体の前記添加物は、前記液体の表面張力よりも臨界表面張力が大きいことを特徴とする。
この構成によれば、液体の表面張力よりも臨界表面張力が大きい添加物を適用することにより、液体に対してさらに濡れやすくなり、液体の浸透性を高めることができる。
[適用例3]上記適用例にかかる液体吸収体では、前記添加物の臨界表面張力は、前記セルロース繊維の臨界表面張力の1.5倍以上であることを特徴とする。
この構成によれば、さらに浸透性を向上させることができる。
[適用例4]本適用例にかかる液体吸収タンクは、上記の液体吸収体と、前記液体吸収体を収容する収容部と、を備えたことを特徴とする。
この構成によれば、液体の浸透性と保持性を有する液体吸収体を収容することにより、例えば、液体吸収クタンクが斜めや横向きに配置された場合であっても、吸収した液体を保持し、漏れ等を防止することができる。
[適用例5]本適用例にかかる電子機器は、液体を排出する排出部と、排出された前記液体を捕獲する上記の液体吸収タンクと、を備えたことを特徴とする。
この構成によれば、液体を効率よく吸収するとともに、液体の漏れ等の不具合の発生が無く、信頼性の高い電子機器を提供することができる。なお、電子機器としては、例えば、液体としてのインクを噴射するヘッドを備えたインクジェットプリンター等、各種液体を用いる電子機器に適用することができる。
液体吸収体の構成を示す模式図。 液体吸収タンクの構成を示す概略図。 電子機器の構成を示す概略図。 液体吸収体のインク浸透性及びインク保持性の評価方法を示す模式図。
[実施形態]
以下、本発明の実施形態について、図面を参照して説明する。なお、以下の各図においては、各部材等を認識可能な程度の大きさにするため、各部材等の尺度を実際とは異ならせて示している。
まず、液体吸収体の構成について説明する。図1は、液体吸収体の構成を示す模式図である。図1に示す直方体の液体吸収体200は、液体を吸収するものであり、繊維としてのセルロース繊維を主体として構成されている。なお、本実施形態にかかる液体吸収体200には、セルロース繊維の他に、溶融樹脂及び難燃剤、さらには、セルロール繊維の臨界表面張力よりも臨界表面張力が大きい添加物を含んでいる。
本実施形態のセルロース繊維は、例えば、漂白されたパルプシートを、例えば、回転式粉砕装置等の乾式解繊機を用いて解繊したものである。従って、高純度のセルロース繊維が形成される。
溶融樹脂は、セルロース繊維間の結合を図り、液体吸収体200に適度な強度(硬度など)を保持したり、紙粉・繊維の飛散を防止したり、液体を吸収した際の形状維持に寄与したりするものである。溶融樹脂は、繊維状や粉状など各種形態を採用することができる。そして、セルロース繊維と溶融樹脂とを混合した混合物を加熱することにより、溶融樹脂を溶融させセルロース繊維に融着させ固化させることができる。なお、セルロース繊維等を熱劣化させない程度の温度で融着させることが望ましい。また、溶融樹脂は、解繊物中の紙繊維と絡みやすい繊維状のものが好ましい。さらに、芯鞘構造の複合繊維が望ましい。芯鞘構造の溶融樹脂は、周囲の鞘部が低温で溶融し、繊維状の芯部が溶融樹脂自身、あるいは、セルロース繊維と接合することで強固な接合を行うことができる。
難燃剤は、液体吸収体200において難燃性を付与するために添加されるものである。難燃剤としては、例えば、水酸化アルミニウムや水酸化マグネシウム等の無機材料、リン系の有機材料(例えば、トリフェニルホスフェートなどの芳香族のリン酸エステル)を用いることができる。
添加物は、セルロース繊維の臨界表面張力よりも臨界表面張力が大きいものが適用される。また、液体の表面張力よりも臨界表面張力が大きいものが適用され得る。具体的には、臨界表面張力が、70〜400mN/mの添加物であれば適用可能である。添加物としては、例えば、炭酸カルシウム、シリカ、酸化鉄、ソーダガラス等を適用することができる。また、添加物は、取扱い対象となる液体によって適宜選択することができる。すなわち、吸収する液体の表面張力より大きい臨界表面張力をもつ添加剤を添加することがのぞましい。例えば、液体としてのインクの表面張力が20〜40mN/mであり、セルロース繊維の臨界表面張力は46mN/mである場合、インクとセルロース繊維との臨界表面張力の差が僅かなので、インクの浸透性が比較的低い。そこで、セルロース繊維の臨界表面張力の1.5倍以上である添加物を適用する。この場合、例えば、炭酸カルシウムが好適である。これにより、インクとセルロース繊維間に存在する添加物(例えば、炭酸カルシウム)との臨界表面張力の差がプラス方向に大きくなり、インクの浸透性をより向上させることができる。
なお、添加物の選択としては他に、例えば、液体吸収体200に対して液体を滴下した場合に、液体吸収体200の表面に対する液滴の接触角がほぼゼロとなる、すなわち、液体が濡れ広がる臨界表面張力を有するように添加物を選択してもよい。このようにすれば、液体の浸透性をさらに高めることができる。
添加剤のサイズは、毛細管現象をおこす、主たるセルロース繊維間に入るサイズから、こぼれ落ちないサイズであればよい。また、セルロース繊維径と同程度のサイズであれば、セルロース繊維を歪ませることなく、より好ましい。
液体吸収体200の形成方法としては、例えば、高純度のセルロース繊維、溶融樹脂、難燃剤及び添加物が混合された混合物を篩にかけ、篩の下方に配置されたメッシュベルトに堆積させて堆積体を形成する。そして、形成された堆積物を加熱加圧処理する。これにより、溶融樹脂が溶解されるとともに、所望の厚みに形成される。さらに、所望の寸法に型抜きすることにより液体吸収体200が形成される。
このように形成された液体吸収体200中には添加物が均一分散され、液体吸収体全体として、浸透性が偏りなく発揮させることができる。
次に、液体吸収タンクの構成について説明する。図2は、液体吸収タンクの構成を示す断面図である。図2に示すように、液体吸収タンク300は、液体を吸収する液体吸収体200と、当該液体吸収体200を収容する収容部170を備えている。
液体吸収体200は、セルロース繊維を主体とするとともに、セルロース繊維の臨界表面張力よりも臨界表面張力が大きい添加物を含むものである。なお、液体吸収体200の詳細な構成は図1における構成と同様なので説明を省略する。
液体吸収体200を収容する収容部170は、例えば、プラスチック材料によって直方形状に形成されたものである。収容部170は、底面部170aと側面部170bを備え、液体吸収体200を収容及び保持可能に形成されている。
そして、例えば、図2に示すように、液体の液滴Dが液体吸収体200に向かって排出され、液体吸収体200の表面に到達すると、液体吸収体200は液滴D(液体)よりも臨界表面張力が大きいため、素早く内部に浸透していく。そして、吸収された液体は添加物の作用等によって保持される。
なお、液体吸収タンク300は、複数の液体吸収体200を積層した構成であってもよい。なお、液体吸収体200の積層枚数は適宜設定することができる。このように構成すれば、液体を吸収する許容量を増加させることができる。
次に、電子機器の構成について説明する。電子機器は、液体を排出する排出部と、排出された液体を捕獲する液体吸収タンクを備えたものである。図3は、電子機器の構成を示す概略図である。なお、本実施形態では、電子機器としてのインクジェットプリンターの構成について説明する。図3に示すように、インクジェットプリンター10は、液体としてのインクを排出する排出部としてのヘッドと、排出されたインク(廃インク)を捕獲する液体吸収タンクを備えている。なお、本実施形態のインクジェットプリンター10では、上記の液体吸収体200が収納された液体吸収タンク300を備えた構成について説明する。
インクジェットプリンター10は、主走査方向に往復動しながら印刷用紙などの印刷媒体2上にインクドットを形成するキャリッジ20と、キャリッジ20を往復動させる駆動機構30と、印刷媒体2の紙送りを行うためのプラテンローラー40と、正常に印刷可能なようにメンテナンスを行うメンテナンス機構100などから構成されている。キャリッジ20には、インクを収容したインクカートリッジ26や、インクカートリッジ26が装着されるキャリッジケース22、キャリッジケース22の底面側(印刷媒体2に向いた側)に搭載されたインクを噴射(排出)させるヘッド24などが設けられている。このヘッド24にはインクを噴射する複数のノズルが形成されており、インクカートリッジ26内のインクをヘッド24に導いて、ノズルから印刷媒体2に正確な分量だけインクを噴射することによって、画像が印刷されるようになっている。
キャリッジ20を往復動させる駆動機構30は、主走査方向に延設されたガイドレール38と、内側に複数の歯形が形成されたタイミングベルト32と、タイミングベルト32の歯形と噛み合う駆動プーリー34と、駆動プーリー34を駆動するためのステップモーター36などから構成されている。タイミングベルト32の一部はキャリッジケース22に固定されており、タイミングベルト32を駆動することによって、ガイドレール38に沿ってキャリッジケース22を移動させることができる。また、タイミングベルト32と駆動プーリー34とは歯形によって互いに噛み合っているので、ステップモーター36で駆動プーリー34を駆動すると、駆動量に応じて精度良くキャリッジケース22を移動させることが可能となっている。
印刷媒体2の紙送りを行うプラテンローラー40は、図示しない駆動モーターやギア機構によって駆動されて、印刷媒体2を副走査方向に所定量ずつ紙送りすることが可能である。
また、メンテナンス機構100は、印刷領域外のホームポジションと呼ばれる領域に設けられており、ヘッド24の底面側で噴射ノズルが形成されている面(ノズル面)を払拭するワイパーブレード110や、ヘッド24のノズル面に押しつけられてヘッド24をキャップするキャップユニット120、ヘッド24をキャップユニット120でキャップした状態で駆動することでインクを廃インクとして排出する吸引ポンプ150を備えている。吸引ポンプ150でインクをヘッド24から強制的に排出することで、増粘やメニスカスの破壊、紙粉の影響などで噴射できなくなったノズルの回復をしたり、ノズル内のインクの増粘を防止する。更に吸引ポンプ150の下方には、吸引ポンプ150から排出された廃インクを捕獲する液体吸収タンク300を備えている。液体吸収タンク300を備えることでインクジェットプリンター10の外形は大きくなる。液体吸収体200のインク浸透性や保持性が向上することで、同じインク量を保持できる液体吸収体200の体積は小さくできる。これにより液体吸収タンク300やインクジェットプリンター10の大きさも小さくなる。なお、液体吸収タンク300は、図2において説明した構成と同様なので説明を省略する。また、排出された廃インクには、増粘防止等の目的でインクを噴射するフラッシングによるインクや、所謂縁なし印字でおいて、媒体から外れたインクなど、媒体に到達しないインクも含まれる。そのため、必ずしも吸引ポンプ150で排出されたインクだけではない。廃インクとは、ヘッドから排出され媒体に到達しなかったインクを言う。
以上、本実施形態によれば、以下の効果を得ることができる。
(1)液体吸収体200には、液体(例えば、インク)の表面張力よりも臨界表面張力が大きい添加物が含まれている。このため、セルロース繊維単体における臨界表面張力よりもさらに大きい臨界表面張力を有することになり、液体の浸透性を向上させることができる。さらに、添加物により吸収された液体を保持することができる。従って、浸透性及び保持性を備えた液体吸収体200を提供することができる。
(2)上記液体吸収体200を備えた液体吸収タンク300では、液体吸収タンク300が斜めや横向きに配置された場合であっても、吸収した液体(例えば、インク)を保持し、漏れ等を防止することができる。
(3)上記液体吸収タンク300を備えたインクジェットプリンター10では、ヘッド24から排出された廃インクを効率よく浸透させるとともに、インクの漏れ等の不具合の発生を防止し、信頼性を確保することができる。
[実施例]
次に、本発明にかかる具体的な実施例について説明する。
1.混合物
(1)セルロース繊維
裁断機を用いて数cmに裁断された漂白済みのパルプシートをターボミル(ターボ工業株式会社製)で綿状に解繊した。
(2)溶融樹脂
芯鞘構造を有し、鞘が100℃以上で溶融するポリエチレンであり、芯がポリエステルから成る1.7dtexの溶融繊維(テトロン、帝人株式会社製)。
(3)難燃剤
水酸化アルミニウムB53(日本軽金属株式会社製)。
(4)添加物
(4−1)シリカ:平均粒径2.6μm(NIPGEL AZ−200、東ソー・シリカ株式会社製)。
(4−2)シリカ:平均粒径6.6μm(NIPGEL AY−603、東ソー・シリカ株式会社製)。
(4−3)炭酸カルシウム:平均粒径2.4μm(カルライトKT、白石工業製)。
(4−4)炭酸カルシウム:平均粒径3.1μm(カルライトSA、白石工業製)。
(4−5)粉砕酸化鉄:平均粒径4.5μm
(4−6)粉砕ソーダガラス:平均粒径5.0μm
(4−7)シリカスラリー:(AZ−200、東ソー・シリカ株式会社製)。
(4−8)炭酸カルシウムスラリー:(Vakofil900、白石カルシウム株式会社製)。
なお、上記各添加剤の平均粒径は、Sysmex社 FPIA2000で測定したD50の値である。
2.液体吸収体の形成
(実施例1:液体吸収体Aの形成)
セルロース繊維100重量部、溶融繊維30重量部、難燃剤10重量部及び添加物(上記4−1)10重量部を気中混合し、混合された混合物を篩に通してメッシュベルト上に堆積させた。そして、堆積した堆積物を200℃で加圧加熱処理した。その後、150mm×50mm×12mmに切り出して液体吸収体Aを形成した。
(実施例2:液体吸収体Bの形成)
セルロース繊維100重量部、溶融繊維40重量部、難燃剤10重量部及び添加物(上記4−2)20重量部を気中混合し、混合された混合物を篩に通してメッシュベルト上に堆積させた。そして、堆積した堆積物を200℃で加圧加熱処理した。その後、150mm×50mm×12mmに切り出して液体吸収体Bを形成した。
(実施例3:液体吸収体Cの形成)
セルロース繊維100重量部、溶融繊維30重量部、難燃剤10重量部及び添加物(上記4−3)20重量部を気中混合し、混合された混合物を篩に通してメッシュベルト上に堆積させた。そして、堆積した堆積物を200℃で加圧加熱処理した。その後、150mm×50mm×12mmに切り出して液体吸収体Cを形成した。
(実施例4:液体吸収体Dの形成)
セルロース繊維100重量部、溶融繊維40重量部、難燃剤10重量部及び添加物(上記4−4)20重量部を気中混合し、混合された混合物を篩に通してメッシュベルト上に堆積させた。そして、堆積した堆積物を200℃で加圧加熱処理した。その後、150mm×50mm×12mmに切り出して液体吸収体Dを形成した。
(実施例5:液体吸収体Eの形成)
セルロース繊維100重量部、溶融繊維30重量部、難燃剤10重量部及び添加物(上記4−5)10重量部を気中混合し、混合された混合物を篩に通してメッシュベルト上に堆積させた。そして、堆積した堆積物を200℃で加圧加熱処理した。その後、150mm×50mm×12mmに切り出して液体吸収体Eを形成した。
(実施例6:液体吸収体Fの形成)
セルロース繊維100重量部、溶融繊維30重量部、難燃剤10重量部及び添加物(上記4−6)10重量部を気中混合し、混合された混合物を篩に通してメッシュベルト上に堆積させた。そして、堆積した堆積物を200℃で加圧加熱処理した。その後、150mm×50mm×12mmに切り出して液体吸収体Fを形成した。
(実施例7:液体吸収体Gの形成)
漂白したパルプシートに添加物(上記4−7)を塗り、塗ったものを乾燥した。その後、ターボミル(ターボ工業株式会社製)で綿状に解繊し、セルロース繊維100重量部と添加物(上記4−7)25重量部を含む解繊物を形成した。添加剤のサイズは平均粒径5.8μmまで粉砕されていた(電子顕微鏡観察による)。そして、当該解繊物と溶融繊維30重量部及び難燃剤10重量部を気中混合し、混合された混合物を篩に通してメッシュベルト上に堆積させた。そして、堆積した堆積物を200℃で加圧加熱処理した。その後、150mm×50mm×12mmに切り出して液体吸収体Gを形成した。
(実施例8:液体吸収体Hの形成)
漂白したパルプシートに添加物(上記4−8)を塗り、塗ったものを乾燥した。その後、ターボミル(ターボ工業株式会社製)で綿状に解繊し、セルロース繊維100重量部と添加物(上記4−8)25重量部を含む解繊物を形成した。添加剤のサイズは平均粒径9.9μmまで粉砕されていた(電子顕微鏡観察による)。そして、当該解繊物と溶融繊維30重量部及び難燃剤10重量部を気中混合し、混合された混合物を篩に通してメッシュベルト上に堆積させた。そして、堆積した堆積物を200℃で加圧加熱処理した。その後、150mm×50mm×12mmに切り出して液体吸収体Hを形成した。
(比較例1:液体吸収体Rの形成)
セルロース繊維100重量部、溶融繊維30重量部、難燃剤10重量部を気中混合し、混合された混合物を篩に通してメッシュベルト上に堆積させた。そして、堆積した堆積物を200℃で加圧加熱処理した。その後、150mm×50mm×12mmに切り出して液体吸収体Rを形成した。すなわち、添加物を含まない液体吸収体Rを形成した。
3.評価
次いで、上記の実施例1から実施例8及び比較例1において、インク浸透性、インク保持性及びインク堆積性の評価を行う。各評価方法は、下記の通りである。
(a)インク浸透性及びインク保持性の評価方法について
図4は、液体吸収体のインク浸透性及び保持性の評価方法を示す模式図である。図4(a)に示すように、150mm(L)×50mm(W)×12mm(H)の液体吸収体Tを平坦面に載置し、上面の第1ポイントP1から液滴Dとしてのインク80mlをゆっくりと注入する。吸収体Tに染み込まない場合は5分放置し、その後注入を続ける。なお、5分放置しても染み込まない場合は、インクが浸透しないとみなし、インク浸透性の判定はNGとなる。一方、全て注入することができた場合には、インク浸透性の判断はOKとなる。
また、全てインクを注入することができたら、5分間放置し、図4(b)に示すように、第2ポイントP2からストラップS等を用いてインクを注入した第1ポイントP1が下方となるように吊るす。このように吊るされた状態では、浸透したインクが液体吸収体Tの一端部に集まり、保持されにくくなる。そして、液体吸収体Tからインクが垂れた場合には、インクを保持することができないとみなし、インク保持性の判断はNGとなる。一方、インクが垂れない場合には、インク保持性の判断はOKとなる。なお、インク浸透性の判定がNGの場合、所望の量を吸収させることができないため、インク保持性の評価は行わない。この評価により、インクジェットプリンター等の液体を扱う電子機器や液体吸収タンクが斜めになったとしてもインクが漏れ出すことがないことがわかる。
(b)インク堆積性の評価方法について
150mm(L)×50mm(W)×12mm(H)の液体吸収体Tを平坦面に載置し、40℃20%RHの環境下において、載置された液体吸収体Tの上面の中央部にインクを1時間に1回0.4gずつ滴下する。そして、240時間後、液体吸収体Tの表面に固形分の堆積物の厚みが1mm未満であれば、インク堆積性の判断はOKとなる。一方、堆積物の厚みが1mm以上であれば、インク堆積性の判断はNGとなる。
上記の実施例及び比較例において、インク浸透性、インク保持性及びインク堆積性を評価した。評価結果は、表1の通りである。
Figure 2014124894
表1に示すように、本発明にかかる液体吸収体A〜H(実施例1〜8)によれば、インク浸透性、インク保持性及びインク堆積性の全ての評価に対して優れていた。一方、比較例1では、満足のいく結果が得られなかった。これは、実施例1〜8にかかる液体吸収体A〜Hには、セルロースの臨界表面張力及びインクの表面張力よりも臨界表面張力が大きい添加物が含まれているため、これらの添加物を含まない液体吸収体R(比較例1)に比べ、インクの浸透性が高くなり、保持性が良好となる。また、浸透性が高いことから、堆積物が残ることもない。
上記実施例は、電子機器としてのインクジェットプリンター10に用いる液体吸収タンク300および液体吸収体200として採用されている。ここで、液体としてのインクとは一般的な水性インク、油性インク、顔料インク、染料インク、溶剤系インク、レジン系インク、昇華転写インク、ジェルインク、ホットメルトインク、紫外線硬化インク等の各種液体組成物を包含するものとする。さらに、インクとは、ヘッド24が噴射させることができるような材料であれ良い。例えば、物質が液相であるときの状態のものであれば良く、液晶、粘性の高い又は低い液状体、ゾル、ゲル水、その他の無機溶剤、有機溶剤、溶液、液状樹脂、液状金属(金属融液)のような流状体、また物質の一状態としての液体のみならず、顔料や金属粒子などの固形物からなる機能材料の粒子が溶媒に溶解、分散または混合されたもの、エッチング液、潤滑油などを含む。
また、インクジェットプリンター10の他に、例えば液晶ディスプレイ、EL(エレクトロルミネッセンス)ディスプレイ、面発光ディスプレイ、カラーフィルタの製造などに用いられる電極材や色材などの材料を分散または溶解のかたちで含むインクを噴射する装置、バイオチップ製造に用いられる生体有機物を噴射する装置、精密ピペットとして用いられ試料となるインクを噴射する装置、捺染装置やマイクロディスペンサ等であってもよい。さらに、時計やカメラ等の精密機械にピンポイントで潤滑油を噴射する装置、光通信素子等に用いられる微小半球レンズ(光学レンズ)などを形成する装置、紫外線硬化液を噴射し光や熱で硬化させる装置、基板などをエッチングするために酸又はアルカリ等のエッチング液を噴射する装置を採用しても良い。そして、これらのうちいずれか一種の電子機器に本発明を適用することができる。
なお、液滴吐出装置として吐出しないような液体を吸収してもよい。例えば、水や油、汚水、尿など一般的に液体と言えるものである。
上記実施例において、液体吸収体200の表面の毛羽立ちを防止するなどのために、表面に薄い不織布を張り付けてもよい。貼り付ける不織布は液体吸収体200に比べて薄いため、インクの浸透性や保持性には影響は少ない。
上記実施例において、液体吸収体200を直方体としたが、これに限らない。直方体の一部に切り欠きや凹みがあってもよいし、直方体でなく円弧部や傾斜部を有していてもよい。
上記実施例において、パルプシートとは、針葉樹や広葉樹などの木材パルプ、麻・綿・ケナフなどの非木材植物繊維、古紙などを含む。
上記実施例において、セルロース繊維主体とするものとしたが、インクを吸収可能で、添加剤と表面張力の差が出る材料であれば、セルロース繊維に限られない。ポリウレタンやポリエチレンテレフタラート(PET)などのプラスチックを原料とする繊維や、羊毛などの他の繊維でもよい。
廃インク吸収体を成形する方法は上記実施例に記載の方法に限られない。本願の特徴が出せれば、湿式など他の製法でもよい。
10…電子機器としてのインクジェットプリンター、24…排出部としてのヘッド、100…メンテナンス機構、170…収容部、200…液体吸収体、300…液体吸収タンク。

Claims (5)

  1. 液体を吸収する液体吸収体であって、
    前記液体吸収体は繊維を主体とするとともに、前記繊維の臨界表面張力よりも臨界表面張力が大きい添加物を含むことを特徴とする液体吸収体。
  2. 請求項1に記載の液体吸収体において、
    前記添加物は、前記液体の表面張力よりも臨界表面張力が大きいことを特徴とする液体吸収体。
  3. 請求項1または請求項2に記載の液体吸収体において、
    前記添加物の臨界表面張力は、前記繊維の臨界表面張力の1.5倍以上であることを特徴とする液体吸収体。
  4. 請求項1から請求項3のいずれか一項に記載の液体吸収体と、
    前記液体吸収体を収容する収容部と、を備えたことを特徴とする液体吸収タンク。
  5. 液体を排出する排出部と、
    排出された前記液体を捕獲する請求項4に記載の液体吸収タンクと、を備えたことを特徴とする電子機器。
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