JP2014124893A - 廃インク吸収体、廃インクタンク、液滴吐出装置 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】インクを噴射するヘッドから排出された廃インクを吸収し、廃インクタンクに組み込まれる廃インク吸収体であって、前記廃インクタンクに組み込まれない1枚の前記廃インク吸収体において、表面積が最も広い平面の方向で、空隙部分と、前記空隙部分の周囲に形成された高密度部と、前記高密度部よりも密度が低い低密度部と、を有する。
【選択図】図1
Description
次に、本発明にかかる具体的な実施例について説明する。
裁断機を用いて数cmに裁断されたパルプシートをターボミル(ターボ工業株式会社製)で綿状に解繊した。
芯鞘構造を有し、鞘が100℃以上で溶融するポリエチレンであり、芯がポリエステルから成る1.7dtexの溶融繊維(テトロン、帝人株式会社製)。
水酸化アルミニウムB53(日本軽金属株式会社製)。
(実施例1:廃インク吸収体Aの形成)
セルロース繊維100重量部、溶融繊維15重量部、難燃剤10重量部を気中混合した混合物C1を篩に通してメッシュベルト上に堆積した。そして、堆積した堆積物を加圧加熱処理した。そして、200℃で加圧加熱処理された成形物に対して溶融繊維の溶融温度以上の温度の複数の針を突き刺す処理をし、その後、150mm×50mm×12mmに切り出して廃インク吸収体Aを形成した。当該廃インク吸収体Aの密度を観測したところ、針が突き刺された領域では繊維や難燃剤が押しのけられて空隙部分が形成され、当該空隙部分の周囲に押しのけられた繊維や難燃剤が集まって高密度部(0.21g/cm3)が形成され、それ以外の部分には高密度部よりも密度が低い低密度部(0.15g/cm3)が形成された。
セルロース繊維100重量部、溶融繊維15重量部、難燃剤10重量部を気中混合した混合物C1を篩に通してメッシュベルト上に堆積した。そして、堆積した堆積物を加圧加熱処理した。その後、150mm×50mm×12mmに切り出して廃インク吸収体Rを形成した(針を突き刺す処理なし)。当該廃インク吸収体Rの密度を観測したところ、密度は均一で0.15g/cm3であった。
次いで、上記の実施例1及び比較例1において、インク浸透性、インク保持性及びインク堆積性の評価を行う。各評価方法は、下記の通りである。
図4は、廃インク吸収体のインク浸透性及び保持性の評価方法を示す模式図である。図4(a)に示すように、150mm(L)×50mm(W)×12mm(H)のインク吸収体Fを平坦面に載置し、上面の第1ポイントP1からインク80mlをゆっくりと注入する。なお、実施例1では、空隙部分が形成された面からインクを注入する。吸収体Fに染み込まない場合は5分放置し、その後注入を続ける。なお、5分放置しても染み込まない場合は、インクが浸透しないとみなし、インク浸透性の判定はNGとなる。一方、全て注入することができた場合には、インク浸透性の判断はOKとなる。
また、全てインクを注入することができたら、5分間放置し、図4(b)に示すように、第2ポイントP2からストラップS等を用いてインクを注入した第1ポイントP1が下方となるように吊るす。このように吊るされた状態では、浸透したインクがインク吸収体Fの一端部に集まり、保持されにくくなる。そして、インク吸収体Fからインクが垂れた場合には、インクを保持することができないとみなし、インク保持性の判断はNGとなる。一方、インクが垂れない場合には、インク保持性の判断はOKとなる。この評価により、液滴吐出装置や廃インクタンクが斜めになったとしてもインクが漏れ出すことがないことがわかる。
150mm(L)×50mm(W)×12mm(H)のインク吸収体Fを平坦面に載置し、40℃20%RHの環境下において、載置された吸収体Fの上面の中央部にインクを1時間に1回0.4gずつ滴下する。そして、240時間後、インク吸収体Fの表面に固形分の堆積物の厚みが1mm未満であれば、インク堆積性の判断はOKとなる。一方、堆積物の厚みが1mm以上であれば、インク堆積性の判断はNGとなる。
本願の特徴点である高密度部と低密度部は、外観として目で見てわかる場合もあるが、密度の差がわずかに違うときは見てもわからない場合がある。その場合の検証方法としては、高密度部と低密度部にそれぞれインクを垂らしてみて、浸透のしやすさが異なれば密度が異なると言える。なお、廃インク吸収体全体が均一の密度の場合、インクを垂らすと、垂らす場所によって浸透の違いはなくほぼ均等に浸透していく。
また、液滴吐出装置としては、インクジェットプリンターの他に、例えば液晶ディスプレイ、EL(エレクトロルミネッセンス)ディスプレイ、面発光ディスプレイ、カラーフィルタの製造などに用いられる電極材や色材などの材料を分散または溶解のかたちで含むインクを噴射する装置、バイオチップ製造に用いられる生体有機物を噴射する装置、精密ピペットとして用いられ試料となるインクを噴射する装置、捺染装置やマイクロディスペンサ等であってもよい。さらに、時計やカメラ等の精密機械にピンポイントで潤滑油を噴射する装置、光通信素子等に用いられる微小半球レンズ(光学レンズ)などを形成する装置、紫外線硬化液を噴射し光や熱で硬化させる装置、基板などをエッチングするために酸又はアルカリ等のエッチング液を噴射する装置を採用しても良い。そして、これらのうちいずれか一種の液滴吐出装置に本発明を適用することができる。
上記実施例において、廃インク吸収体200を直方体としたが、これに限らない。直方体の一部に切り欠きや凹みがあってもよいし、直方体でなく円弧部や傾斜部を有していてもよい。
上記実施例の図において、高密度部と低密度部の割合はインクに応じて変更してもよい。例えば粘度が大きくて浸透しにくいインクであれば高密度部の割合を減らして、浸透しやすくするのが好ましい。逆に粘度が小さくて浸透しやすいなら高密度部の割合を増やすのが好ましい。また、疎の部分と密の部分がわかる状態でもよいし、疎の部分から密の部分へ徐々に密度が高まるものでもよい。
なお、各実施例、比較例において密度を記載したが一例である。また、密度は最も大きいところと小さいところの数字である。
上記実施例の図において、全ての空隙部分205の大きさを一定としたが、異なる大きさにしてもよい。
上記実施例において、セルロース繊維主体とするものとしたが、インクを吸収し、密度差をつけられる材料であれば、セルロース繊維に限られない。ポリウレタンやポリエチレンテレフタラート(PET)などのプラスチックを原料とする繊維や、羊毛などの他の繊維でもよい。
廃インク吸収体を成形する方法は上記実施例に記載の方法に限られない。本願の特徴が出せれば、湿式など他の製法でもよい。
Claims (5)
- インクを噴射するヘッドから排出された廃インクを吸収し、廃インクタンクに組み込まれる廃インク吸収体であって、
前記廃インクタンクに組み込まれない1枚の前記廃インク吸収体において、表面積が最も広い平面の方向で、空隙部分と、前記空隙部分の周囲に形成された高密度部と、前記高密度部よりも密度が低い低密度部と、を有することを特徴とする廃インク吸収体。 - 請求項1に記載の廃インク吸収体において、
前記高密度部の体積は前記低密度部の体積よりも小さいことを特徴とする廃インク吸収体。 - 請求項1または請求項2に記載の廃インク吸収体において、
前記空隙部分と前記高密度部と前記低密度部との合計の平均密度は、前記低密度部の平均密度と同じであることを特徴とする廃インク吸収体。 - 請求項1から請求項3のいずれか一項に記載の廃インク吸収体と、前記廃インク吸収体を収容する収容部と、を備えたことを特徴とする廃インクタンク。
- インクを噴射するヘッドと、
前記ヘッドから排出された廃インクを捕獲する請求項4に記載の廃インクタンクと、を備えたことを特徴とする液滴吐出装置。
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Citations (4)
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2012
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