JP2014124721A - ガラス基材研磨用酸化マンガン研磨剤及びその製造方法 - Google Patents

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昌則 阿部
Masato Uchida
雅人 内田
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Abstract

【課題】 ガラスに対して高い研磨速度を持ち、研磨することによる傷も発生しなく、取扱いが容易で安価なガラス研磨用酸化マンガン研磨剤を提供すること。
【解決手段】 Mnを焼成して得られるMnを主成分とする粒子であり、アルカリ金属元素のハロゲン化物又は硝酸塩からなる電解質を酸化マンガン粉末に対して0.1〜5wt%含有し、2次粒子の平均粒径D50が0.6〜2.5μmであり、10μm以上の砥粒が含まれないことを特徴とするガラス研磨用酸化マンガン研磨剤は、ガラスに対して高い研磨速度を有し、研磨による傷発生も無いことから、ガラスに対する研磨性能に優れると共に取扱が容易である。
【選択図】 なし

Description

本発明は、液晶パネル用や磁気ディスク、光学用ガラスなどを研磨するために使用するガラス基材研磨用研磨剤及びガラス基材研磨用研磨剤の製造方法に関する。
液晶テレビやコンピューターの普及により、液晶パネル用マザーガラスやフォトマスク用石英ガラス、ハードディスク用強化ガラスなどのガラス材料の使用量が増大している。また、光学レンズにもガラスが用いられている。これらガラス材料の表面は、鏡面化することや平坦化させることが必要であることから、研磨が必須とされる。
ガラス材料の研磨には、機械的研磨作用ばかりでなく化学的研磨作用も発現することで大きい研磨速度を得ることができ、且つ研磨後の表面にスクラッチ等の傷が発生しにくいことから、近年は酸化セリウムが用いられるようになってきている。
例えば、液晶用フォトマスク基板である石英ガラスの研磨では、研磨工具にウレタン製研磨パッドを張り付け、酸化セリウム砥粒を水で分散させたスラリーを供給しながら研磨する方式が用いられている。
このように一般的にガラスの研磨に用いられている酸化セリウムであるが、酸化セリウムは高価な希土類酸化物であり、その価格も安定しないことから、酸化セリウムの代替となる研磨砥粒が求められていた。
半導体基板上の層間絶縁膜の平坦化に用いられる化学的機械的研磨技術(CMP)用途として、安価な酸化マンガン砥粒が知られている。酸化マンガンの砥粒としては、例えばMnイオンを含む電解質溶液を電気分解して陽極上に析出したMnOの塊を500℃〜900℃で加熱し、形成されたMnを粉砕し、その粒子を研磨砥粒とする方法が提案されている(例えば、特許文献1参照)。しかし、MnOを焼成、粉砕して作成したMnを砥粒とした場合、酸化セリウムと比較して加工速度が低いという問題があった。
また、酸化マンガンソースとしてMnを用い、熱処理してMnとし、これを粉砕又は解砕することで研磨砥粒を製造する方法も提案されているが(例えば、特許文献2参照)、ガラス基板表面に発生する傷に関しては一切考察されておらず、研磨速度も十分ではなかった。
また、研磨剤を使用してガラス研磨を繰り返し行うと、砥粒にガラス成分が混入して研磨剤の凝集性が増加し、硬い沈降を形成が形成する。そのため、研磨装置内に沈降物の溜まりが発生し、研磨剤の濃度が変化することや、研磨装置の洗浄性が悪くなることで洗浄作業の時間が長くなること、研磨剤の移動の際に沈降物がほぐれない等取り扱い困難になることが問題であった。この問題に対し、酸化セリウムを主成分とする研磨剤において、改質成分として塩化マグネシウムを添加することで硬い沈降の生成を防止するという方法が提案されている(例えば、特許文献3参照)。しかし、この方法は高価な酸化セリウムを使用しており、経済性に優れる酸化マンガン砥粒の凝集性を改善する方法が求められていた。
特開平10−60415号公報 特開2006−128395号公報 特開平3−146585号公報
本発明は、研磨加工において研磨速度に優れ、表面に傷の発生が無く、且つ経済的に有利で取り扱いの容易なガラス基材研磨用酸化マンガン系研磨剤及びガラス基材研磨用酸化マンガン系研磨剤の製造方法を提供することを目的とする。
本発明者は、鋭意検討を行った結果、Mn粉末を焼成して得られるMn粉末を主成分とするガラス基材研磨用酸化マンガン系研磨剤において、アルカリ金属元素のハロゲン化物又は硝酸塩からなる電解質成分を添加し、酸化マンガン研磨砥粒の成分の硬い凝集をフロック状の柔らかい凝集に変化させることで、研磨材の硬い沈降を防止して取扱を容易にすると同時に研磨速度に優れることを見出し、本発明を完成するに至った。
以下に本発明を詳細に説明する。
本発明は、Mn粉末を焼成して得られるMn粉末を主成分とするガラス研磨用酸化マンガン研磨剤であって、アルカリ金属元素のハロゲン化物又は硝酸塩からなる電解質を酸化マンガン粉末に対して0.1〜5wt%含有することを特徴とするガラス研磨用酸化マンガン研磨剤である。
本発明のガラス研磨用酸化マンガン研磨剤は、主成分であるMn粉末と分散媒、電解質を含んでなる。分散媒としては、蒸留水、イオン交換水、アルコール等を挙げることができるが、取り扱い上、水系であることが好ましい。また、必要に応じて本発明のガラス研磨用酸化マンガン研磨剤には分散剤等の添加、pH調整を行うこともできる。
Mnを主成分とする粉末は、原料であるMn粉末を焼成して得られる。Mnを焼成して得られるMnには、炉内の酸素濃度や焼成温度により全てがMnとならず、Mnが含有される場合がある。研磨剤中のMnの含有率としては重量比で30%以下が好ましく、さらには20%以下が好ましい。研磨剤中のMn含有率が30%より高いと研磨速度が遅くなる傾向にある。Mn含有量の測定方法としては、X線回折法(XRD)のピーク強度比から算出する方法が挙げられる。
本発明で使用する電解質はアルカリ金属元素のハロゲン化物又は硝酸塩であれば特に制限はないが、塩化ナトリウム、塩化カリウム、硝酸ナトリウム、硝酸カリウム、フッ化ナトリウムから選択される少なくとも1種であることが好ましい。これらは、1価の陽イオンと1価の陰イオンを組み合わせたものであり、イオン強度が比較的低い。
Mnを主成分とする粒子に対して電解質を添加すると、粒子の凝集体が発生するが、1価の陽イオンと1価の陰イオンを組み合わせた電解質を使用すると、フロック状の柔らかい凝集体を容易に生成する。この柔らかい凝集体は小さい力で凝集が解けることから、研磨スラリーの取扱が容易となる。また、研磨の際には硬い凝集粒子が存在せずに再分散することで、均一な粒子径の粒子で研磨するため、研磨加工対象物と研磨剤との接触点が多くなることで研磨速度が促進する。
イオン強度が比較的高い、価数の高い陽イオンと価数の高い陰イオンの組み合わせた電解質では、凝集の効果が強くなり硬くなることがある。
電解質の含有量としては、酸化マンガン粉末に対して0.1〜5wt%が好ましく、0.2〜3wt%がより好ましい。0.1wt%よりも少ないと電解質によるフロック形成の効果が得られにくく、5wt%よりも多いと凝集による沈降が早くなり、取扱性が悪くなることがある。
砥粒として用いるMnを主成分とする粒子は2次粒子の平均粒径(D50)が0.6〜2.5μmであることが好ましい。2次粒子の平均粒径が0.6μmよりも小さいとガラスに対する研磨速度が低くなる傾向にあり、2.5μmよりも大きいと研磨加工時に被加工物の表面に傷が発生することがあることや、研磨加工対象物と研磨剤との接触点が少なくなることにより研磨速度が低くなる傾向にある。2次粒子の平均粒径の測定方法としては、レーザー回折法や走査型電子顕微鏡による画像解析法がある。
なお、Mnを主成分とする粒子の2次粒子形状は、球状又は等軸状であることが好ましい。形状が球状又は等軸状であることで、研磨粉末の強度が高くなり、高い研磨速度を得ることができると考えられる。また、鋭利な部分が少ないため研磨加工時に被加工物の表面に傷が発生しにくくなる。
また、本発明のガラス研磨用酸化マンガン研磨剤には、2次粒子径10μm以上のMnを主成分とする粒子が含まれていないことが好ましい。研磨剤の中に2次粒子径10μm以上のMnを主成分とする粒子が存在すると、研磨加工時に被加工物の表面に傷が発生しやすくなるからである。
本発明のガラス研磨用酸化マンガン研磨剤は、被研磨剤が石英ガラス、アルミノシリケートガラス、無アルカリガラスから選択される少なくとも1種であることが好ましい。通常、酸化マンガン研磨剤によって、これらガラスを繰返し研磨する場合、酸化マンガン研磨剤が硬い凝集となり、研磨剤の取扱が困難となるが、本発明のガラス研磨用酸化マンガン研磨剤をこれらガラス研磨に使用することで、硬い凝集の発生を抑制し、取扱が容易になると共に、研磨速度が向上する。
次に、本発明のガラス研磨用酸化マンガン研磨剤の製造方法について説明する。
本発明のガラス研磨用酸化マンガン研磨剤は、2次粒子の平均粒径が1〜5μmである原料粉末のMn粉末を空気又は酸素気流中で焼成温度500〜950℃で焼成することで得られるMnを主成分とした粒子に分散媒及び電解質を加えることで製造することができる。
原料粉末であるMn粉末は、例えば金属マンガンの加水分解反応で生成する水酸化マンガンを酸化して得る方法や、硫酸マンガン塩を塩基性水溶液で中和、酸化する方法で得ることができるが、これに限定されない。
原料粉末であるMn粉末の大きさとしては、1次粒子の平均粒径が0.02〜3μm、2次粒子の平均粒径が1〜5μmのものを用いる。2次粒子の平均粒径が1μmより小さいと、焼成後のMnを主成分とする粒子の2次粒子径が小さくなるため研磨速度が低くなり、2次粒子の平均粒径が5μmより大きいと、焼成後のMnを主成分とする粒子の2次粒子径が大きくなるため研磨加工時に被加工物の表面に傷が発生しやすくなるからである。2次粒子の平均粒径の測定方法としては、レーザー回折法や走査型電子顕微鏡による画像解析法がある。
原料粉末であるMn粉末は、粒径の大きさを調整するために造粒を行うことが好ましい。造粒方法としては、例えばMn粉末をスラリー化してスプレードライする方法が挙げられる。スプレードライをする際にMnの凝集粒子がある場合は、事前にボールミルやビーズミルを行うことが好ましい。粉砕メディアとしては、アルミナ、ジルコニア等のセラミックスが粉砕効率の高さから好ましい。
スプレードライの方式については、特に限定されることはないが、2次粒子の平均粒径1〜5μmの造粒粒子を作成するため、超音波ノズル方式や圧縮空気によりスラリーを噴射する多流体ノズルを用いたスプレードライヤーを使用することが好ましい。圧縮空気によりスラリーを噴射する多流体ノズルとは、例えば2流体ノズルや3流体ノズル、4流体ノズルを挙げる事ができる。
スプレードライを行う際のMnスラリーの濃度としては、5〜50wt%とすることが好ましい。5wt%よりも低いと高密度の造粒粒子が得られず、50wt%よりも高いとスラリー粘度が高くなりスプレードライ法を行えない。スラリー濃度を高くすると粘度が高くなるが、その場合、アニオン系、カチオン系、ノニオン系などの分散剤を適時添加して粘度を低下させても良い。
次に、Mn粉末を焼成することでMnを主成分とした粒子とする。Mnの焼成に用いる炉としては特に限定はないが、密閉式の箱型炉はバッチ当たりの焼成量が多いと焼成中に酸素濃度不足になり易くMnの含有量が高くなる傾向になるので、空気や酸素を送り込むことが出来る箱型炉やロータリーキルンやローラーハースキルンなどが好ましい。
焼成する雰囲気としては、酸化される雰囲気、例えば大気中や空気流通の雰囲気、酸素ガス流通の雰囲気が挙げられる。還元性雰囲気は、MnからMnへの酸化反応が発生しないため、好ましくない。
焼成することで得られるMnを主成分とした粒子は粒子同士が凝集している場合があるため、凝集された粒子を2次粒子の平均粒径0.6〜2.5μmとするため、焼成されたMnを主成分とした粒子をビーズミル等で粉砕及び/又は解砕することが好ましい。
粉砕及び/又は解砕する方法としては、ボールミルやビーズミルを挙げることができる。粉砕メディアとしては、アルミナ、ジルコニア等のセラミックスが粉砕効率の高さから好ましい。
また、本発明の遊離砥粒研磨用酸化マンガン研磨剤は、2次粒子径10μm以上のMn粒子が無い方が好ましいため、液中サイクロンや篩等による分級を行うことが好ましい。
分散媒は、湿式でビーズミルを行うためのスラリー化の際に添加することや、研磨前に添加して酸化マンガン研磨剤の濃度調整を行う。
アルカリ金属元素のハロゲン化物又は硝酸塩である電解質は、湿式でビーズミルを行うためのスラリー化の際に添加することや、研磨前のスラリーに添加しても良い。
本発明のガラス研磨用酸化マンガン研磨剤は、十分な研磨速度を有し、研磨加工時に被加工物の表面に傷が発生しにくく、取扱も容易なことから、様々なガラス材料の研磨工程に用いることができるが、特に液晶パネル用マザーガラスやフォトマスク用石英ガラス、ハードディスク用強化ガラスなどに対して好適に用いることができる。
本発明のガラス研磨用酸化マンガン研磨剤は、十分な研磨速度を有し、研磨加工時に被加工物の表面に傷が発生しにくく、取扱も容易なことから、様々なガラス材料の研磨工程に用いることができ、しかも安価に製造することができる。
実施例1及び比較例1のスラリーの電解質と研磨速度との関係を示す図である。 実施例1、比較例1及び比較例2のスラリーの電解質と研磨速度の関係を示す図である。
以下、本発明を実施例により説明するが、本発明はこれらの実施例に何ら制限されるものではない。
(実施例1)
Mn粉末として、1次粒子径0.08μm、2次粒子の平均粒径0.8μmの東ソー製のブラウノックスを用いた。スラリー濃度が45wt%となるようにMn粉末とイオン交換した蒸留水を投入し、アニオン系分散剤として花王製の商品名ポイズ530をMn粉末量に対して1.5wt%添加してボールミルを実施し、Mnスラリーを作成した。
前記スラリーを4流体ノズル方式であるスプレードライヤー(藤崎電機製、商品名「MDL−050M」)を用いて入口温度200℃、風量1.00m/minの条件で造粒・乾燥を行ない、Mn造粒品を得た。粒度分布計(島津製作所製、商品名「SALD−7100」)により測定した2次粒子の平均粒径(D50)は4.1μmであった。
Mn造粒品に対し、箱形電気炉を用いて900℃で8時間の焼成を行った。焼成の雰囲気は大気とした。焼成で得られた粉末をX線回折装置(理学電機製、商品名「RINT UltimaIII」)によって構成相の同定を行い、Mn単相であることを確認した。
焼成して得られたMn粉末をビーズミル(三井鉱山社製、商品名「SC150」)を用いて、イオン交換した蒸留水とφ1mmのジルコニアビーズを粉砕メディアとして使用して湿式のビーズミルを実施した。粉砕時間は固形分1kg当りMnは10分とした。Mnの平均粒径は1.0μm、10μm以上の砥粒は無かった。このビーズミルを行ったスラリーに対して、イオン交換した蒸留水を添加してスラリー濃度が25wt%になるよう調整し、電解質として塩化ナトリウム、フッ化ナトリウム、塩化カリウム、硝酸ナトリウム試薬特級をスラリー中の固形分に対してそれぞれ0.5〜0.7wt%添加して研磨用スラリーとした。このスラリーはフロック状の柔らかい沈降物が存在していた。
(実施例2)
実施例1と同様の条件でMn造粒体からMn粉末を作成し、湿式のビーズミルを実施した。得られたスラリーに対し、イオン交換した蒸留水を添加してスラリー濃度が25wt%になるよう調整し、電解質として塩化ナトリウム、塩化カリウム、硝酸ナトリウムの特級試薬をそれぞれ固形分に対して0.5wt%、2.0wt%添加して研磨用スラリーとした。これらのスラリーは全てフロック状の柔らかい沈降物が存在していた。
(比較例1)
実施例1と同様の条件でMn造粒体からMn粉末を作成し、湿式のビーズミルを実施した。得られたスラリーに対し、イオン交換した蒸留水を添加してスラリー濃度が25wt%なるよう調整し、電解質は添加しなかった。
(比較例2)
実施例1と同様の条件でMn造粒体からMn粉末を作成し、湿式のビーズミルを実施した。得られたスラリーに対し、イオン交換した蒸留水を添加してスラリー濃度が25wt%なるよう調整し、電解質として、塩化マグネシウムを0.4wt%添加して研磨用スラリーとした。
(研磨評価1)
34mm×34mmの石英ガラス基板3枚を研磨装置(ラップマスターSFT製、商品名「LGP−15AF」)に設置し、実施例1及び比較例1のスラリーを使用して1時間の研磨加工を実施した。研磨パッドはニッタ・ハース製IC1000を用い、研磨圧力は254g/cm、ガラスと工具の回転数は45rpmとした。
加工後のガラス基板は、研磨加工前後の重量変化から研磨速度を、目視観察から研磨による傷の有無を評価した。研磨結果について表1に示す。電解質を添加することで、研磨速度が向上した。
また、沈降物の硬さの評価として、研磨を6時間実施した実施例1と比較例1のスラリーを1時間放置して発生した沈降物に対して棒を挿すことで評価したところ、実施例1では沈降物に硬さは無かったが、比較例1では硬い沈降物となっていた。
Figure 2014124721
(研磨評価2)
研磨評価1と同様の石英ガラス基板と研磨装置を使用し、実施例1と比較例1、2のスラリーを使用して1時間の研磨加工を実施した。研磨パッドはニッタ・ハース製IC1000を用い、研磨圧力は167g/cm、ガラスと工具の回転数は30rpmとした。
加工後のガラス基板は、研磨評価1同様の方法で評価を行った。研磨結果について表2に示す。アルカリ金属元素のハロゲン化物又は硝酸塩である電解質を添加することで、研磨速度が向上した。
Figure 2014124721
(洗浄評価)
実施例2及び比較例1のスラリーに対して、研磨評価と同様の方法で6時間の研磨を実施し、研磨後、装置洗浄に要する時間を測定した。結果を表2に示す。アルカリ金属元素のハロゲン化物又は硝酸塩電解質を添加することで、装置内に硬い沈降の存在が無くなり、洗浄性が向上したため、作業に要する時間が短くなった。
Figure 2014124721

Claims (7)

  1. Mn粉末を焼成して得られるMn粉末を主成分とするガラス研磨用酸化マンガン研磨剤であって、アルカリ金属元素のハロゲン化物又は硝酸塩からなる電解質を酸化マンガン粉末に対して0.1〜5wt%含有することを特徴とするガラス研磨用酸化マンガン研磨剤。
  2. 電解質が塩化ナトリウム、塩化カリウム、硝酸ナトリウム、硝酸カリウム、フッ化ナトリウムから選択される少なくとも1種であることを特徴とする請求項1に記載のガラス研磨用酸化マンガン研磨剤。
  3. 酸化マンガン粉末の2次粒子の平均粒径(D50)が0.6〜2.5μmであり、10μm以上の砥粒が含まれていないことを特徴とする請求項1〜2のいずれかに記載のガラス研磨用酸化マンガン研磨剤。
  4. 被加工物が石英ガラス、アルミノシリケートガラス、無アルカリガラスから選択される少なくとも1種であることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載のガラス研磨用酸化マンガン研磨剤。
  5. 2次粒子の平均粒径が1〜5μmである原料粉末のMn粉末を空気又は酸素気流中で焼成温度500〜950℃で焼成することで得られるMnを主成分とした粒子に、分散媒及び電解質を加えることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載のガラス研磨用酸化マンガン研磨剤の製造方法。
  6. Mn粉末をスプレードライ法で造粒することで2次粒子の平均粒径を1〜5μmとすることを特徴とする請求項5に記載のガラス研磨用酸化マンガン研磨剤の製造方法。
  7. 焼成後に2次粒子の平均粒径が0.6〜2.5μmとなるようにビーズミルにより粉砕することを特徴とする請求項5または6に記載のガラス研磨用酸化マンガン研磨剤の製造方法。
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