JP2014123894A - 通信システム及び通信方法 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】複数の端末装置と制御局を備える通信システムにおいて、端末装置は、希望波の送信元から前記端末装置までの伝送路特性を利用して疑似送信信号を復調復号することにより参照信号を生成する。端末装置は、参照信号と受信信号とにより誤差電力を算出して制御局に送信する。制御局は、複数の端末装置から受信した誤差電力に基づいて複数の端末装置の受信信号の干渉帯域を検出し、干渉帯域制御情報を送信する。複数の端末装置の各々は、受信した干渉帯域制御情報に基づいて干渉帯域の信号を抑圧して復調復号を実行する。
【選択図】図7
Description
受信装置500は、無線LAN基地局400a、400bの双方の無線信号が到達する位置に配置され、中心周波数faの無線信号と中心周波数fbの無線信号とが互いに部分的に干渉した信号を受信する。
しかし、誤差電力は、例えば端末装置から干渉波の送信源との距離などの条件に応じてレベルが変動する。このために、端末装置は、常に安定して高い精度で干渉帯域を検出できるとは限らない。このように、干渉帯域の検出精度に関しては改善の余地がある。
希望波の送信元から前記端末装置までの伝送路特性を利用して疑似送信信号を復調復号することにより参照信号を生成する参照信号生成部と、前記参照信号生成部が生成した参照信号の電力と受信信号の電力との差分を示す誤差電力を算出する誤差電力算出部と、前記誤差電力算出部が算出した誤差電力を無線通信により前記制御局に送信する端末送信制御部とを備え、前記制御局は、前記複数の端末装置から受信した誤差電力に基づいて前記端末装置が受信する希望波に干渉波が重畳する干渉帯域を検出する干渉帯域検出部と、少なくとも前記干渉帯域検出部が検出した干渉帯域に基づいて干渉帯域の信号の抑圧を指示する干渉帯域制御情報を生成する干渉帯域制御情報生成部と、前記干渉帯域制御情報生成部が生成した干渉帯域制御情報を前記複数の端末装置に送信する制御局送信制御部とを備える通信システムである。
[通信システムの構成例]
図1〜図4は、本実施形態の通信システムの構成例及び動作例を示す概略図である。図1〜図4を参照して、本実施形態の通信システムの構成例と動作例の概要について説明する。
図1においては、複数の端末装置100−1〜100−5と、制御局200と、干渉波送信源300とが示されている。
なお、以降の説明にあたり、端末装置100−1〜100−5について特に区別する必要の無い場合には、端末装置100と記載する。また、同図においては、5つの端末装置100−1〜100−5が示されているが、端末装置100の数については特に限定されない。
つまり、端末装置100−1〜100−5のうち、端末装置100−1〜100−3は例えば互いに一定の距離範囲内となる位置関係にある。そこで、制御局200は、端末装置100−1〜100−3によりグループGRP1を設定している。
また、端末装置100−1〜100−3から離れて位置する端末装置100−4、100−5も互いに一定の距離範囲内となる位置関係にある。そこで、制御局200は、端末装置100−4、100−5によりグループGRP2を設定している。
このように、制御局200は、自局の通信範囲に存在する端末装置100を、その位置に基づいて設定したグループに含めるように管理する。
端末装置100が受信して復調復号すべき希望波は、制御局200の送信波である。しかし、干渉波送信源300の通信範囲AR2は、制御局200の通信範囲AR1と重複している。このために、通信範囲AR1と通信範囲AR2が重複する領域に位置する端末装置100−1〜100−3は、希望波としての制御局200からの送信波とともに、干渉波送信源300からの送信波も受信する。干渉波送信源300の送信波の周波数帯域は、制御局200の送信波の周波数帯域と一部が重複しているために、端末装置100−1〜100−3は、干渉波送信源300からの送信波を、希望波に干渉する干渉波として受信する。
端末装置100の各々は誤差電力を算出する。誤差電力は、受信信号が伝送路や干渉波による影響を受けることなく受信された場合の電力と、現実に伝送路を伝送して受信された受信信号の電力との誤差を示す。
制御局200は、自局の通信範囲AR1に位置する端末装置100から送信された誤差電力Perを受信する。そして、受信した誤差電力Perに基づいて、端末装置100の受信信号の干渉帯域をグループごとに検出する。干渉帯域とは、希望波の一部帯域に希望波以外の電波(干渉波)が重複(オーバーラップ)して干渉を生じている場合、希望波と干渉波とが重複している周波数帯域をいう。
そして、制御局200は、干渉帯域制御情報を端末装置100に送信する。干渉帯域制御情報は、干渉帯域の信号の抑圧を指示する情報であり、例えば干渉帯域としての周波数帯域と、干渉波強度を示す。干渉波強度とは、希望波の電力に対する干渉波の電力の比率(希望波対干渉波電力比)である。
また、制御局200は、干渉帯域についてのグループごとの検出結果に基づいて、グループごとに干渉帯域制御情報を生成する。そして、グループごとの干渉帯域制御情報を、各グループに属する端末装置100に送信する。
具体的に、図4に示すように、制御局200は、グループGRP1に対応して生成した干渉帯域制御情報Ibd1を、同じグループGRP1に属する端末装置100−1、100−2、100−3に送信する。また、制御局200は、グループGRP2に対応して生成した干渉帯域制御情報Ibd2を、同じグループGRP2に属する端末装置100−4、100−5に送信する。
また、端末装置100−4、100−5も、例えば干渉帯域制御情報Ibd2が示す干渉領域の信号を干渉波強度に応じて抑圧するための処理を実行する。なお、例えば、端末装置100−4、100−5が受信する範囲では干渉波が重畳していない状態であるとすれば、干渉帯域制御情報Ibd2は干渉帯域が存在しないことを示している。この場合、端末装置100−4、100−5は、受信信号における全ての帯域におけるサブキャリアを抑圧することなく復調復号を行う。
図5及び図6は、干渉帯域を検出する処理の手順例を示す概略図である。次に、図5及び図6を参照して、制御局200と端末装置100−1〜100−3がグループGRP1の干渉帯域を検出するための手順例について説明する。
図5(A)は、制御局200から送信される希望波に対応する信号を周波数領域により示している。また、図5(B)は、干渉波送信源300から送信される干渉波に対応する信号を周波数領域により示している。
図5(C)、図5(D)、図5(E)を比較して分かるように、例えば、端末装置100−1は、端末装置100−2、100−3よりも干渉波送信源300に近い。このために、端末装置100−1の受信信号における干渉波は、他と比較して最もレベルが高い。
また、端末装置100−2は、干渉波送信源300からの距離が端末装置100−1よりも遠い。このために、端末装置100−2の受信信号における干渉波は、端末装置100−1の干渉波よりもレベルが低くなっている。
また、端末装置100−3は、干渉波送信源300から端末装置100−2よりもさらに遠い距離に位置している。このために、端末装置100−3の受信信号における干渉波は、端末装置100−2の干渉波よりもさらにレベルが低くなっている。
端末装置100−1は、同図6(A)に示す受信信号と、後述するように生成する参照信号との差分を求めるようにして誤差電力を算出する。また、端末装置100−1は、誤差電力を例えばサブキャリアscごとに算出する。
希望波に干渉波が重畳している周波数帯域においては、希望波だけではなく干渉波の成分も含んでいたり、干渉波によって伝送路推定精度が低下するなどの要因で、電力が大きく変化する傾向にある。このために、図6(B)の誤差電力は、先の図6(A)において干渉波が重畳していない帯域のレベルは低減しているのに対して、干渉波の重畳している帯域におけるレベルは残留して高くなっている。
図6(D)は、端末装置100−2が、図6(C)に示す受信信号と参照信号とを利用して算出した誤差電力を示している。図6(D)に示す誤差電力も、希望波が干渉波と重畳していない領域よりも、希望波が干渉波と重畳している領域における電力レベルのほうが増加している。ただし、図6(A)と図6(C)を比較して分かるように、干渉波の成分のレベルは端末装置100−2の受信信号のほうが低い。このために、図6(D)に示す誤差電力においても、希望波が干渉波と重畳している領域における電力レベルは、図6(B)よりも低くなっている。
図6(F)は、端末装置100−2が、図6(E)に示す受信信号と参照信号とを利用して算出した誤差電力を示している。図6(E)に示す受信信号では、希望波に重畳する干渉波のレベルは相当に小さい。このために、図6(F)に示す誤差電力では、希望波が干渉波と重畳していない領域の電力レベルに対して、希望波が干渉波と重畳している領域における電力レベルはほとんど同一となっている。
制御局200は、端末装置100−1、100−2、100−3から受信した図6(B)、図6(D)、図6(F)の誤差電力Perを合成することにより、グループGRP1に対応する合成誤差電力を算出することができる。
図6(G)は、制御局200が図6(B)、図6(D)、図6(F)の誤差電力Perを合成した結果を周波数領域により示している。この図6(G)は、制御局200が、受信した同じグループ内の誤差電力を、例えばサブキャリアに対応する周波数ごとに加算することにより合成誤差電力を算出した例である。図6(G)と、図6(B)、図6(D)、図6(F)の各々とを比較して分かるように、合成誤差電力は、各端末装置100の誤差電力を加算していることで、希望波に干渉波が重畳していない領域の電力レベルと干渉帯域の電力レベルとの差が拡大している。
具体例として、図6(B)、図6(D)、図6(F)の誤差電力Perのうちでは、図6(B)の誤差電力Perのレベル差dが最も大きい。そこで、制御局200は、図6(B)の誤差電力Perを合成誤差電力として選択する。
なお、制御局200は、選択合成として、例えば最大レベルがもっとも高い誤差電力Perを合成誤差電力として選択してもよい。この場合にも、図6(B)、図6(D)、図6(F)の誤差電力Perのうちでは、図6(B)の誤差電力Perが合成誤差電力として選択される。
つまり、サブキャリアまたはサブキャリアグループについて、誤差が最も大きな上位N個の誤差電力Perもしくは最大レベルが最も高い上位N個の誤差電力Perを選択して合成対象としてもよい。この場合、誤差が最も大きな上位N個の誤差電力Perもしくは最大レベルが最も高い上位N個の誤差電力Perは、N個の干渉波ごとにおいて最も確からしい誤差電力Perを示している。
図7は、端末装置100の構成例を示す概略ブロック図である。次に、図7を参照して、端末装置100の構成例について説明する。
なお、以降においては、制御局200と端末装置との間で等電力変調方式により変調した信号をマルチキャリア重畳伝送方式により伝送する場合を例に挙げて説明する。ここで、等電力変調方式とは、ビット列を複数のシンボルに変調するデジタル変調方式のうち、振幅が一定であり位相の違いにより各シンボルを識別するデジタル変調方式のことをいう。例えば、BPSK(Binary Phase Shift Keying:二位相偏移変調)、QPSK(Quadrature Phase Shift Keying:四位相偏移変調)などが等電力変調方式である。また、以降においては、マルチキャリア重畳伝送方式として、OFDM(Orthogonal Frequency Division Multiplexing:直交周波数分割多重)伝送方式を採用した場合について説明する。
復調器114は、振幅位相歪補正器113が補正するサブキャリアの信号ごとに、送信装置としての制御局200において用いられている変調方式に対応した復調を行う。復調器114は、復調により得られた各サブキャリアの信号を信号抑圧器115に出力する。なお、復調器114において用いられる復調は、前述の等電力変調方式に対応する復調である。
また、信号抑圧器115は、復調器114が復調した各サブキャリアの信号のうち、干渉帯域制御情報が示す干渉帯域に含まれないサブキャリアの信号については、重み付け値(抑圧率)wで乗算することなくそのままの値を出力する。
このように、復調復号部102は、無線通信により受信した受信信号を復調復号して受信データを出力するまでの過程において、制御局200から受信した干渉帯域制御情報に基づいて干渉帯域の信号を抑圧する処理を含む。
測位部106は、端末装置100の位置を測位し、測位した位置を示す位置情報posを出力する。
端末送信制御部107は、誤差電力算出部105が算出した誤差電力Perを無線通信により制御局200に送信する。また、端末送信制御部107は、測位部106が出力した位置情報posを制御局200に送信する。
図8は、第1の実施形態における参照信号生成部104と誤差電力算出部105の構成例を示す概略ブロック図である。次に、図8を参照して、第1の実施形態における参照信号生成部104と誤差電力算出部105の構成例について説明する。なお、図8においては、図7の構成との関係性を明確に示すために、図7に示したアンテナ101、バンドパスフィルタ110及び端末送信制御部107をともに示している。
伝送路推定器122は、OFDM復調器121が復調する各サブキャリアの信号を用いて、サブキャリアごとに、制御局200と端末装置100との間の伝送路特性として、例えば伝送路係数を推定する。伝送路推定器122は、例えば図7の伝送路推定器112と同様の構成であればよい。
また、第1の実施形態において、参照信号生成部104が備えるOFDM復調器121は、伝送路推定器122が入力すべきサブキャリアごとの信号を復調するために備えられる。このため、OFDM復調器121にて復調されたサブキャリアごとの信号は、伝送路推定器122以外の経路への出力を行わなくともよい。
変調器125は、直並列変換器124から入力される複数のビット列の各々を、送信装置(制御局200)において用いられている変調方式と同じ変調方式を用いて変調する。変調器125は、複数のビット列を変調して得られた各サブキャリアに対応する信号を振幅位相歪付与器126に出力する。
OFDM変調器127は、振幅位相歪付与器126から入力される各サブキャリアの信号に対してIFFT(Inverse Fast Fourier Transform:逆高速フーリエ変換)を行い、周波数領域の信号から時間領域の信号に変換することにより参照信号を生成する。OFDM変調器127は、生成した参照信号を電力算出器143に出力する。
誤差電力算出部105は、信号バッファ141、電力算出器142、電力算出器143及び減算器144を備える。
信号バッファ141は、バンドパスフィルタ110により希望波の周波数帯域に帯域制限された受信信号を一時的に記憶する。信号バッファ141により、例えばバンドパスフィルタ110から出力される受信信号と、伝送路推定器122が受信信号について推定した伝送路特性に応じて生成する参照信号との時間差が吸収される。
電力算出器143は、参照信号生成部104により生成された参照信号の各サブキャリアにおける電力を算出する。電力算出器143も、例えば電力算出器142と同様の構成により、参照信号の各サブキャリアの電力を算出することができる。
つまり、受信信号は、図6(A)、図6(C)、図6(E)などに示したように、希望波の成分と、希望波に重畳した干渉波の成分とを含む。一方、参照信号は、希望波のみに対応する成分を含み、干渉波の成分は含まないために、例えば図5(A)に示した受信信号と同等の周波数特性を有する。
このような受信信号と参照信号とを減算すれば、希望波の成分が打ち消し合うようにして抑圧される一方で、干渉波による電力の変動成分は打ち消し合うことなく残留する。これにより、減算器144による演算結果として、例えば、図6(B)、図6(D)、図6(F)などに示した誤差電力Perが算出される。
そして、端末送信制御部107は、このように誤差電力算出部105により算出された誤差電力Perをアンテナ101から制御局200に対して送信する。
つまり、OFDM変調器127から出力される演算結果をメモリに保持させ、誤差電力算出部105は、メモリから読み出した演算結果を参照信号として入力する。そして、PN系列生成器123、直並列変換器124、変調器125、振幅位相歪付与器126及びOFDM変調器127は、伝送路推定器122により推定される伝送路特性に変化が生じた場合にのみ参照信号を生成する演算を行ってメモリが保持する演算結果を更新するようにしてもよい。
図9は、制御局200における干渉帯域検出と干渉帯域制御情報の送信に関する構成の一例を示す概略図である。次に、図9を参照して、制御局200における干渉帯域検出と干渉帯域制御情報の送信に関する構成の一例について説明する。なお、図9においては、制御局200が端末装置100の通信を中継するためのルーティングなどに関する機能についての図示を省略している。
図9に示す制御局200は、アンテナ201、受信信号処理部202、グループ設定部203、端末情報記憶部204、誤差電力合成部205、干渉帯域検出部206、干渉波強度検出部207、干渉帯域制御情報生成部208、制御局送信制御部209及び送信信号処理部210を備える。
そのうえで、受信信号処理部202は、端末装置100が送信した位置情報posが受信データに含まれている場合には、位置情報posをグループ設定部203に出力する。また、受信信号処理部202は、端末装置100が送信した誤差電力Perの情報が受信データに含まれている場合には、誤差電力Perを誤差電力合成部205に出力する。
なお、端末装置100が例えば携帯端末などの移動体である場合には、ユーザの移動などに応じて端末装置100の位置が変化する。この場合、端末装置100は一定時間ごとに測位を行って位置情報posを送信し、制御局200も、一定時間ごとのタイミング、あるいは一定数以上の位置情報posが変更されたタイミングで、逐次、グループ設定を変更すればよい。
グループ設定部203は、端末情報記憶部204が記憶する端末情報においてグループの設定結果を示す情報を格納させる。
なお、誤差電力合成部205は、グループごとの合成誤差電力Tperを算出するにあたって、図6(G)にて説明したように、同一グループにおける端末装置100から受信した誤差電力Perを加算する加算合成を行ってもよい。あるいは、誤差電力合成部205は、図6(H)に示したように、例えば最小値と最大値とのレベル差dが最大の誤差電力Perを合成誤差電力Tperとして選択する、選択合成を行ってもよい。
これにより、端末装置100の各々は、自装置を宛先として送信された干渉帯域制御情報を受信することができる。前述のように、端末装置100の信号抑圧器115は、受信した干渉帯域制御情報が示す干渉帯域Binfの信号を「0」に置換することにより、干渉帯域の信号成分を抑圧する。
図10は、第1の実施形態における端末装置100と制御局200とが干渉帯域の検出と、干渉帯域の信号の抑圧のために実行する処理手順例を示すフローチャートである。
端末装置100において、測位部106は、現在、測位をすべきタイミング(測位タイミング)であるか否かについて判定する(ステップS101)。測位タイミングとしては、例えば一定時間ごととすればよい。あるいは、端末装置100が一定以上移動したことを検出したタイミングを測位タイミングとしてもよい。この場合には、例えば、端末装置100に動きセンサを備えておき、動きセンサにより動きが継続して一定時間以上検出された場合に、一定以上の距離による移動が行われたとして、測位タイミングに至ったと判定すればよい。
測位タイミングであると判定した場合(ステップS101−YES)、測位部106は、測位を実行して自装置の位置を示す位置情報posを出力する(ステップS102)。端末送信制御部107は、測位部106が出力した位置情報posを制御局200に送信するための制御を実行する(ステップS103)。
誤差電力算出タイミングは、例えば、測位タイミングと同様に、一定時間ごととしてもよい。また、端末装置100が大きく移動しなければ誤差電力Perの変動も少ないため、例えば、端末装置100が一定以上移動したことを検出したタイミングを誤差電力算出タイミングとしてもよい。
前述のように制御情報抽出部103は、復調復号部102から出力された受信データを入力し、入力した信号に干渉帯域制御情報が含まれていれば、干渉帯域制御情報を抽出して信号抑圧器115に出力する。そこで、信号抑圧器115は、制御情報抽出部103から干渉帯域制御情報が入力されれば干渉帯域制御情報が受信されたと判定し、干渉帯域制御情報が入力されなければ干渉帯域制御情報が受信されていないと判定すればよい。
制御局200において、グループ設定部203は、端末装置100が送信した位置情報posが受信されたか否かについて判定する(ステップS201)。位置情報posが受信された場合(ステップS201−YES)、グループ設定部203は、制御局200の通信範囲AR1における端末装置100についてグループを設定する(ステップS202)。
このために、グループ設定部203は、例えば今回のステップS201により受信された位置情報posと、これまでに受信された他の端末装置100の位置情報posを利用して、現在における通信範囲AR1内の端末装置100間の位置関係を認識する。そして、グループ設定部203は、認識した端末装置100間の位置関係に基づいて、相互に一定間隔の距離に位置する端末装置100同士でグループ分けを行う。
グループ設定部203は、上記のように行ったグループ設定の結果を、端末情報記憶部204における端末情報として記憶させる(ステップS203)。
一方、誤差電力が受信されたのであれば(ステップS204−YES)、誤差電力合成部205は、今回のステップS204に対応して受信した誤差電力の送信元である端末装置100が属するグループ(対象グループ)における各端末装置100の誤差電力を合成する(ステップS205)。これにより、誤差電力の送信元の端末装置100が属するグループに対応する合成誤差電力Tperが得られる。なお、ステップS205においては、図6(G)または図6(H)により説明したように、加算合成と選択合成のいずれによって合成誤差電力Tperを求めてもよい。
次に、干渉帯域制御情報生成部208は、ステップS206により検出された干渉帯域としての周波数帯域と、ステップS207により検出された干渉波強度Rinfを示す干渉帯域制御情報を生成する(ステップS208)。制御局送信制御部209は、ステップS208により生成された干渉帯域制御情報を、対象グループに属する端末装置100を宛先として送信する(ステップS209)。ステップS209の処理を終了した後、グループ設定部203は、ステップS201の処理に戻る。
しかし、誤差電力は、例えば図6(B)、図6(D)、図6(F)に例示したように、干渉波送信源300からの距離などの条件に応じてレベルが異なる。このために、干渉波が弱く、一定以上のレベルが得られないような状態では、高い精度で干渉帯域を検出することが難しくなる場合がある。
これに対して、本実施形態においては、端末装置100のそれぞれが算出した誤差電力を制御局200が合成し、合成した誤差電力に基づいて干渉帯域Binfを検出するようにしている。このように複数の端末装置の誤差電力が合成されることで、端末装置間の誤差電力のレベルが強調される。これにより、例えば合成誤差電力の干渉帯域Binfにおいて一定以上の電力レベルが求められることになり、グループ内の干渉帯域Binfを高い精度で検出することが可能になる。そして、このように検出した干渉帯域の抑制を、同じグループにおける端末装置100のそれぞれに適用させることができる。これにより、例えば重畳している干渉波のレベルが低いような受信状態の端末装置であっても、高い精度で検出された干渉帯域Binfの情報に基づいて信号を有効に抑圧できる。
例えば、干渉波強度が不明、あるいは、干渉波強度の検出精度が低いような場合には、受信装置においてサブキャリアの信号を抑圧するにあたり、サブキャリアの信号を「0」に置換するという処理を行う。サブキャリアの信号としての「0」は、最も曖昧で中間的な値である。従って、サブキャリアの信号を「0」に置換すれば、干渉波の影響が著しく大きいような状態のときには、誤り率の著しい低下を抑制することができる。ただし、「0」に置換した場合には、信号の値としての有効性が失われるために、干渉帯域における希望波の情報を有効活用できないということになる。
これに対して、本実施形態の信号抑圧器115は、干渉波強度Rinfについて高い精度で検出できることに基づき、干渉波強度Rinfに基づいて求めた重み付け値wにより重み付け(例えば、乗算)を行うことでサブキャリアの信号を抑圧する。これにより、サブキャリアの信号を「0」に置換する場合と比較して、干渉帯域Binfにおける希望波の情報を有効に利用することが可能になる。これにより誤り率のさらなる低減を図ることが可能になる。
このような場合において、グループを設定することなく、通信範囲AR1における全ての端末装置100からの誤差電力により合成誤差電力を求めていると、干渉帯域Binfを適切に検出することは難しい。
そこで、本実施形態においては、上記のように地域的に近接する端末装置100のグループ単位で干渉帯域Binfの検出を行うことにより、干渉帯域Binfについての検出精度を一定以上に維持できるようにしている。
このように、干渉波強度Rinfの情報を用いない場合、サブキャリアの信号の抑圧にあたっては、例えば「0」に置換する処理を行うことになる。しかし、本実施形態においては、端末装置100から収集した誤差電力Perを合成した合成誤差電力Tperを利用していることで、干渉帯域Binfについての検出精度は高い。従って、本実施形態では、現実に干渉波が重畳している帯域と信号が抑圧される帯域との誤差が少ない。これにより、「0」に置換する信号の抑圧処理であっても誤り率を低下させることができる。
[参照信号生成部の構成例]
続いて、第2の実施形態について説明する。第2の実施形態は、端末装置100における参照信号生成部104の構成が第1の実施形態と異なる。
図11は、第2の実施形態における参照信号生成部104の構成例を示す概略ブロック図である。なお、図11において、図8と同一部分については同一符号を付して説明を省略する。
参照信号対応復調復号部104aは、OFDM復調器121、伝送路推定器122、振幅位相歪補正器128、復調器129、並直列変換器130及びFEC復号器131を備える。
参照信号対応符号化変調部104bは、FEC再符号化器132、直並列変換器124、変調器125、振幅位相歪付与器126及びOFDM変調器127及びを備える。
図11に示す参照信号生成部104は、図8に示した構成からPN系列生成器123を省略したうえで、振幅位相歪補正器128、復調器129、並直列変換器130、FEC復号器131及びFEC再符号化器132をさらに備えた構成である。
第1の実施形態に対応する図7の参照信号生成部104において、OFDM復調器121の出力は、伝送路推定器122のみが入力している。これに対して、第2の実施形態におけるOFDM復調器121の出力は、振幅位相歪補正器128に対しても分岐して入力されるようになっている。
並直列変換器130は、復調器129から並列的に入力されるサブキャリアごとの信号列に対してパラレル−シリアル変換を行い、1つの信号列に変換して、FEC復号器131に出力する。なお、並直列変換器130は、例えば図7の並直列変換器116と同様の構成でよい。
これに対して、図11の参照信号生成部104においては復調器129の後段に信号抑圧器115に相当する部位が備えられていない。これにより、FEC復号器131が出力する信号は、干渉帯域Binfにおける信号成分が欠落することなく含まれている。このように、FEC復号器131が出力する信号は、制御局200から送信される送信信号に代替する疑似的な信号(疑似送信号)である。すなわち、第2の実施形態においては、PN系列に代えて、受信信号について干渉帯域Binfを抑圧することなく復調復号した信号を疑似送信信号とする。
直並列変換器124、変調器125、振幅位相歪付与器126及びOFDM変調器127は、図8にて説明したのと同様の処理を実行する。これにより、FEC復号器131から出力された疑似送信信号を元とする参照信号が生成される。
一方、図8に示した第1の実施形態における参照信号生成部104の場合には、PN系列を生成すればよいことから、参照信号生成部104としての回路規模が小さくて済み、処理負荷も軽いという利点がある。
つまり、参照信号対応復調復号部104aからOFDM復調器121、伝送路推定器122、振幅位相歪補正器128及び復調器129を省略する。これに代えて、参照信号対応復調復号部104aは、OFDM復調器111、伝送路推定器112、振幅位相歪補正器113及び復調器114を復調復号部102と共有する。参照信号生成部104における並直列変換器130は、復調器114から出力される信号を入力するように構成してもよい。このように信号処理系の共有を図ることで、例えば回路規模の縮小や処理負荷の軽減が可能になる。
[制御局の構成例]
続いて、第3の実施形態について説明する。第3の実施形態においては、制御局200における干渉帯域制御情報の生成に関する構成が第1の実施形態と異なる。
図12は、第3の実施形態における制御局200の構成例を示す概略図である。なお、図12において図9と同一部分には同一符号を付して説明を省略する。
図12に示す制御局200は、図9に示す構成に対して、重み付け値テーブル記憶部211をさらに備える。
図13は、重み付け値テーブルの構造例を示す模式図である。図13に示すように、重み付け値テーブルは、例えば干渉帯域Binfの変数iと干渉波強度Rinfの変数jとのマトリクスに対応付けられたセルCLごとに、重み付け値w(i,j)を格納した構造である。つまり、重み付け値テーブルは、干渉帯域Binfと干渉波強度Rinfとの組み合わせに対応する重み付け値を格納したテーブルである。
干渉帯域制御情報生成部208は、重み付け値テーブル記憶部211から読み出した重み付け値w(i,j)と、干渉帯域Binfとを示す干渉帯域制御情報を生成する。
第3の実施形態における端末装置100の構成は、例えば、図7と同様でよい。ただし、第3の実施形態における信号抑圧器115は、干渉帯域制御情報の入力に応じて、以下のように動作する。
つまり、信号抑圧器115は、制御局200から受信した干渉帯域制御情報が示す干渉帯域に含まれる各サブキャリアの信号について、同じ干渉帯域制御情報が示す重み付け値w(i,j)を利用した演算(例えば、乗算)により抑圧する。
この構成の場合、例えば、信号抑圧器115は、干渉波強度Rinfに基づいて重み付け値wを決定する処理を実行することなく、干渉帯域制御情報が示す重み付け値w(i,j)を利用した演算により信号を抑圧できる。
つまり、端末装置100は、新たに更新された干渉帯域制御情報が受信されるのに応じて、この干渉帯域制御情報が示す重み付け値を初期値として信号抑圧器115により干渉帯域の信号を抑圧する。端末装置100は、この後において、次に新たに更新された干渉帯域制御情報が受信されるまでの間、誤差電力算出部105が算出する誤差電力Perに応じて重み付け値を変更する。信号抑圧器115は、変更された重み付け値により干渉帯域の信号を抑圧するようにしてもよい。なお、誤差電力Perに応じて重み付け値を変更するにあたっては、例えば誤差電力Perに重み付け値を対応付けた重み付け値テーブルを記憶しておき、この重み付け値テーブルを参照すればよい。
このような構成により、干渉帯域における信号抑圧の度合いを、さらにきめ細かく調整することが可能になる。
また、「コンピュータ読み取り可能な記録媒体」とは、フレキシブルディスク、光磁気ディスク、ROM、CD−ROM等の可搬媒体、コンピュータシステムに内蔵されるハードディスク等の記憶装置のことをいう。さらに「コンピュータ読み取り可能な記録媒体」とは、インターネット等のネットワークや電話回線等の通信回線を介してプログラムが送信された場合のサーバやクライアントとなるコンピュータシステム内部の揮発性メモリ(RAM)のように、一定時間プログラムを保持しているものも含むものとする。また上記プログラムは、前述した機能の一部を実現するためのものであっても良く、さらに前述した機能をコンピュータシステムにすでに記録されているプログラムとの組み合わせで実現できるものであってもよい。
Claims (8)
- 複数の端末装置と、制御局とを備え、
前記端末装置は、
無線通信により受信した受信信号を復調復号して受信データを出力するまでの過程において、前記制御局から受信した干渉帯域制御情報に基づいて干渉帯域の信号を抑圧する復調復号部と、
希望波の送信元から前記端末装置までの伝送路特性を利用して疑似送信信号を復調復号することにより参照信号を生成する参照信号生成部と、
前記参照信号生成部が生成した参照信号の電力と受信信号の電力との差分を示す誤差電力を算出する誤差電力算出部と、
前記誤差電力算出部が算出した誤差電力を無線通信により前記制御局に送信する端末送信制御部とを備え、
前記制御局は、
前記複数の端末装置から受信した誤差電力に基づいて前記端末装置が受信する希望波に干渉波が重畳する干渉帯域を検出する干渉帯域検出部と、
少なくとも前記干渉帯域検出部が検出した干渉帯域に基づいて干渉帯域の信号の抑圧を指示する干渉帯域制御情報を生成する干渉帯域制御情報生成部と、
前記干渉帯域制御情報生成部が生成した干渉帯域制御情報を前記複数の端末装置に送信する制御局送信制御部とを備える
通信システム。 - 前記干渉帯域検出部は、
前記複数の端末装置から受信した誤差電力を合成した合成誤差電力に基づいて前記干渉帯域を検出する、請求項1に記載の通信システム。 - 前記端末送信制御部は、
前記端末装置の位置を示す位置情報を前記制御局に送信し、
前記制御局は、
前記複数の端末装置から受信した位置情報に基づいて自局の通信範囲に存在する端末装置が属するグループを設定するグループ設定部をさらに備え、
前記干渉帯域検出部は、
前記グループごとに前記干渉帯域を検出し、
前記干渉帯域制御情報生成部は、
前記干渉帯域検出部がグループごとに検出した干渉帯域に基づいて前記干渉帯域制御情報をグループごとに生成し、
前記制御局送信制御部は、
前記干渉帯域制御情報生成部がグループごとに生成した干渉帯域制御情報を、それぞれ、対応のグループに属する端末装置に送信する、請求項1または2に記載の通信システム。 - 前記制御局は、
前記複数の端末装置から受信した誤差電力と前記干渉帯域検出部が検出した干渉帯域とに基づいて干渉波強度を検出する干渉波強度検出部をさらに備え、
前記干渉帯域制御情報生成部は、
前記干渉帯域検出部が検出した干渉帯域と前記干渉波強度検出部が検出した干渉波強度とに基づいて干渉帯域の信号の抑圧を指示する干渉帯域制御情報を生成し、
前記復調復号部は、
前記制御局から受信した干渉帯域制御情報が示す干渉帯域の信号について、前記干渉帯域制御情報が示す干渉波強度に基づいて求めた重み付け値を利用した演算を行うことにより抑圧する、請求項1から3のいずれか一項に記載の通信システム。 - 前記制御局は、
前記複数の端末装置から受信した誤差電力と前記干渉帯域検出部が検出した干渉帯域とに基づいて干渉波強度を検出する干渉波強度検出部をさらに備え、
前記干渉帯域制御情報生成部は、
前記干渉波強度検出部が検出した干渉波強度と前記干渉帯域検出部が検出した干渉帯域とに基づいて求めた重み付け値と、前記干渉帯域とを示す前記干渉帯域制御情報を生成し、
前記復調復号部は、
前記制御局から受信した干渉帯域制御情報が示す干渉帯域の信号について、前記干渉帯域制御情報が示す重み付け値を利用した演算を行うことにより抑圧する、請求項1から3のいずれか一項に記載の通信システム。 - 前記参照信号生成部は、
受信信号について復調復号を実行することにより疑似送信信号を生成する参照信号対応復調復号部と、
前記参照信号対応復調復号部が生成した疑似送信信号について変調及び符号化を行うことにより前記参照信号を生成する参照信号対応符号化変調部とを備える、請求項1から5のいずれか一項に記載の通信システム。 - 前記参照信号生成部は、
前記伝送路特性を利用してランダムに生成されたビット列による疑似送信信号を生成する、請求項1から5のいずれか一項に記載の通信システム。 - 複数の端末装置と、制御局とを備える通信システムにおける通信方法であって、
前記端末装置は、
無線通信により受信した受信信号を復調復号して受信データを出力するまでの過程において、前記制御局から受信した干渉帯域制御情報に基づいて干渉帯域の信号を抑圧する処理を含む復調復号ステップと、
希望波の送信元から前記端末装置までの伝送路特性を利用して疑似送信信号を復調復号することにより参照信号を生成する参照信号生成ステップと、
前記参照信号生成ステップが生成した参照信号の電力と受信信号の電力との差分を示す誤差電力を算出する誤差電力算出ステップと、
前記誤差電力算出ステップが算出した誤差電力を無線通信により前記制御局に送信する端末送信制御ステップとを備え、
前記制御局は、
前記複数の端末装置から受信した誤差電力に基づいて前記端末装置が受信する希望波に干渉波が重畳する干渉帯域を検出する干渉帯域検出ステップと、
少なくとも前記干渉帯域検出ステップが検出した干渉帯域に基づいて干渉帯域の信号の抑圧を指示する干渉帯域制御情報を生成する干渉帯域制御情報生成ステップと、
前記干渉帯域制御情報生成ステップが生成した干渉帯域制御情報を前記複数の端末装置に送信する制御局送信制御ステップとを備える
通信方法。
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