JP2014122740A - 空調機および手術室の空調システム - Google Patents
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Abstract
【解決手段】冷熱源装置から冷却・減湿用の冷水が供給される冷水制御弁を備えた冷水コイル4と、温熱源装置から加熱・再熱用の温水が供給される温水制御弁を備えた温水コイル6を具備してなり、冷水コイルをそれぞれが冷水制御弁によって独立に水量制御可能な2台の冷水コイルユニット4aにより構成して温水コイルの前段に並設する。ケーシング11内に冷水コイル、温水コイル、送風機14、加湿器15を組み込む。ケーシング内の吸込口の近傍位置に温湿度センサー20を設置する。上記空調機を手術室1に面する位置に配置して還気RAを吸引し、調製した給気SAを手術室に吹き出す。外調機25により外気OAを処理して手術室に吹き出す。
【選択図】図1
Description
また、オフィスビルを対象とするものではあるが、高度の温湿度制御が可能な空調システムとして特許文献2に示されるものが提案されている。
本実施形態の空調機および空調システムは病院等の医療施設における手術室、特にたとえば図3に示すように平面形状が略正方形状であるような比較的小規模な手術室1を対象として適用されるものであって、その手術室1の対向する角部にそれぞれ本実施形態の空調機2を手術室1に面して自立状態で対向配置することにより、それら2台の空調機2によってこの手術室1に対する空調を行うことを基本とするものである。
特に、この手術室1においてはその運用状況に応じて厳密な温湿度制御を刻々と行う必要があり、本実施形態の空調機2およびそれによる空調システムはそのような高度の温湿度制御を比較的簡易な構成で確実に実施し得るものとして構成されている。
一方、その温水コイル6の前段には冷水コイル4を構成している2台の冷水コイルユニット4aが並設されていて、それら2台の冷水コイルユニット4aには冷水往管9がそれぞれ冷水制御弁3を介して接続されているとともに冷水還管10が接続されている。これにより、冷熱源装置から設計入口水温がたとえば7℃程度に設定された冷水が冷水往管9を通して各冷水コイルユニット4aに常時供給され、かつ各冷水コイルユニット4aから設計出口水温14℃程度の冷水が冷水還管10を通して冷熱源装置に常時返送されて循環するようになっている。
なお、図示例では冷水制御弁3および温水制御弁5としていずれも2方弁を用いているが、少なくとも水量を比例制御(PID制御)可能なものであれば3方弁あるいは他の形式の制御弁を用いることでも良い。
なお、加湿器15としてはたとえば給水管16から給水されるパン型加湿器あるいは水噴霧式加湿器が好適に採用可能であるが、蒸気加湿器を採用することもできる。
また、冷水コイル4による冷却減湿処理により発生するドレンは、ケーシング11内の底部に設けられたドレンパン17により受けられ、ドレントラップ18を介してドレン管19により排水されるようになっている。
そして、そのような処理を自動的かつ精度良く迅速に行うために、ケーシング11内の吸込口12の近傍位置に還気RAの温度および湿度を検出するための温湿度センサー20が設置されており、その温湿度センサー20の検出結果に基づいて冷水制御弁3、温水制御弁5、加湿器15を公知の比例制御(PID制御)によるアルゴリズムによって制御することにより、手術室1の温湿度を精度良く刻々と制御可能とされている。
したがって本実施形態の空調機2によれば、単一の冷温水コイルのみで全てを処理し制御する直膨式パッケージタイプの空調機や従来一般的な2管式の空調機に比べて制御性が格段に向上し、簡易な構成でありながら手術室1に要求されるような高度の温湿度制御が可能なものである。
また、本実施形態の空調システムでは、手術室1に供給するべき外気OAを処理するための外調機25を備えており、その外調機25により処理した外気OAを外気ダクト26によりHEPAフィルターユニット23に供給する構成とされている。すなわち、空調機2からの給気SAと外調機25からの外気OAとがHEPAフィルターユニット23において混合されて手術室1に吹き出されるようになっている。
なお、以上の各要素に加えて、必要であれば手術室1に供給する外気OAの導入量に応じて手術室1から排気を行うための排気設備を設置しても良く、以上の各構成要素の全てを制御盤27(図3参照)により相互に関連づけて制御するように構成すると良い。
また、本発明の空調機は上記実施形態のように手術室の空調システムを構成するための要素として用いることが好ましいが、本発明の空調機は手術室に限らずそれ以外の任意の用途の諸室を対象として空調を行う場合全般に広く適用可能なものであり、その用途や目的に応じて空調機の具体的な構成は任意に変更可能である。
たとえば、上記実施形態の空調システムでは、図1に示したように温湿度センサー20を2台の空調機2の一方(図1では右側に図示したもの)にのみ設置して、その1台の温湿度センサー20により双方の空調機2における2台の冷水コイル4(つまり、全4台の冷水コイルユニット4a)、2台の温水コイル6、2台の加湿器15の全てを制御するようにしているが、手術室1がより大規模で手術室1内の温湿度分布が問題となるような場合には各空調機2にそれぞれ温湿度センサー20を設けて、各空調機2が備える冷水コイル4、温水コイル6、加湿器15を他の空調機2とは独立に制御することでも良い。
逆に、上記実施形態の空調システムでは2台の空調機2の双方にそれぞれ加湿器15を設けているが、手術室1が小規模で加湿負荷が小さいような場合には一方の加湿器15を省略して1台の加湿器15のみで手術室1全体に対する加湿を行うことでも良い。
また、本発明の空調システムでは上記実施形態のように給気を天井面から引き出すことに限るものではなく、給気を壁面から吹き出すようにしても良い。
勿論、HEPAフィルターユニットや外調機の仕様や設置位置については、手術室の清浄度を他の手段で維持できるような場合にはそれらを省略することも含めて適宜の変更が可能である。
2 空調機
3 冷水制御弁
4 冷水コイル
4a 冷水コイルユニット
5 温水制御弁
6 温水コイル
7 温水往管
8 温水還管
9 冷水往管
10 冷水還管
11 ケーシング
12 吸込口
13 吹出口
14 送風機
15 加湿器
16 給水管
17 ドレンパン
18 ドレントラップ
19 ドレン管
20 温湿度センサー
21 レタンガラリ
22 給気ダクト
23 HEPAフィルターユニット
24 手術台
25 外調機
26 外気ダクト
27 制御盤
Claims (5)
- 冷熱源装置から冷却・減湿用の冷水が供給されるとともに冷水制御弁を備えた冷水コイルと、温熱源装置から加熱・再熱用の温水が供給されるとともに温水制御弁を備えた温水コイルを具備してなる空調機であって、
前記冷水コイルをそれぞれが前記冷水制御弁によって独立に水量制御可能な2台の冷水コイルユニットにより構成して、該冷水コイルユニットを前記温水コイルの前段に並設してなることを特徴とする空調機。 - 請求項1記載の空調機であって、
還気の吸込口および給気の吹出口を設けたケーシング内に前記冷水コイルおよび前記温水コイルを組み込むとともに、前記ケーシング内に送風機および加湿器を組み込んでなり、前記送風機により前記吸込口から前記ケーシング内に吸い込んだ還気に対して前記冷水コイルによる冷却・減湿処理、前記温水コイルによる加熱・再熱処理、前記加湿器による加湿処理を行って給気を調製し、該給気を前記吹出口から吹き出す構成としたことを特徴とする空調機。 - 請求項2記載の空調機であって、
前記ケーシング内の前記吸込口の近傍位置に還気の温度および湿度を検出するための温湿度センサーを設置し、該温湿度センサーの検出結果に基づいて前記冷水制御弁、前記温水制御弁、前記加湿器を制御する構成としたことを特徴とする空調機。 - 医療施設における手術室に適用される空調システムであって、
請求項1,2または3記載の空調機を前記手術室に面する位置に配置して該手術室からの還気を前記空調機により吸引し、該空調機により調製した給気を前記手術室に吹き出す構成としたことを特徴とする手術室の空調システム。 - 請求項4記載の手術室の空調システムであって、
前記手術室に供給するべき外気を処理するための外調機を備え、該外調機により処理した外気を前記手術室に吹き出す構成としたことを特徴とする手術室の空調システム。
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