JP2014121786A - 丸鋸 - Google Patents

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Abstract

【課題】逆傾斜切りが可能な丸鋸において直角位置を決めるストッパーを丸鋸の前後に設ける場合であっても1回の操作で直角切りか逆傾斜切りかを選択することが可能な丸鋸を提供する。
【解決手段】傾斜角調整機構は、定盤2の前後に設けたブラケット23,33と、ブラケット23,33に回動可能に支持されハウジング5を支持する前後のサポータ24,34と、前後の少なくとも一方においてブラケット23,33とサポータ24,34とを固定する締結手段と、定盤2の前後においてサポータ24,34が当接可能に設けられた逆傾斜位置決め部材28,38と、によって構成されており、定盤2に移動可能に設けた直角位置決め機構11は、前後に当接部を有し、前後の当接部は連動して前後の逆傾斜位置決め部材28,38上に進退可能に設けられる。
【選択図】図3

Description

本発明は、鋸刃を被切断材に対して傾斜させて傾斜切りをする切断機、主として携帯丸鋸に関する。
携帯丸鋸は、一般的に、被切断材(ワークW)に載置する定盤と、その定盤の下面から突出する鋸刃を備えた丸鋸本体とを備えている。丸鋸本体は、定盤に対して上下方向に傾動可能に設けられており、その傾動によってワークWに対する鋸刃の切り込み深さを変更可能としている。これとともに、前記丸鋸本体は、定盤に対して側方に傾動可能に設けられており、その傾動によってワークWに対する鋸刃の切り込み角度を0°以外に変更することによって、ワークWを傾斜切りすることができる。なお、鋸刃の切り込み深さを変更可能とする機構を切り込み深さ調整機構といい、鋸刃の切り込み角度を変更可能とする機構を傾斜角調整機構という。
前記傾斜角調整機構は、丸鋸本体とともに鋸刃を、例えば傾斜角度0°すなわちワークWに対して直角をなす位置から側方に例えば傾斜角度50゜の傾斜位置までの角度範囲で変更可能としている。なお、鋸刃を傾斜角度0°とした位置は「直角位置」といい、その直角位置における携帯丸鋸の切断形態が最も一般的な「直角切り」と呼ばれる切断形態である。また、鋸刃を傾斜角度45゜とした傾斜位置は「標準傾斜位置」といい、その標準傾斜位置における携帯マルノコの切断形態が前記直角切りに次いで多用する「標準傾斜切り」と呼ばれる切断形態である。さらに、下記特許文献1にみられるように、直角位置からマイナス側(標準傾斜位置の反対側)に傾斜(逆傾斜という)可能な製品も開発されている。これは図15に側断面図で示すように、直角切りより少しマイナス(約3°から約5°)した傾斜角度(「逆傾斜位置」という)で行う「逆傾斜切り」作業を行うために便利な機能である。
特許第3710683号公報
しかしながら、特許文献1に開示された従来の丸鋸では、逆傾斜切りが可能な傾斜角調整機構は丸鋸の前後にあるが、直角位置を決めるストッパーは丸鋸の前方に1つしかなく後方にはなかった。そのため、直角切りの時にハンドルに力をかけるとか丸鋸を物にぶつけるとかすると、後方の傾斜角調整機構の直角がずれるというおそれがあった。
そこで直角位置を決めるストッパーを丸鋸の前後に2つ設けることが望ましいが、直角切りか逆傾斜切りかを選択するために前記直角位置を決めるストッパーの操作が2回必要となるという問題が想定される。
本発明は、上述した問題を解決するために成されたものであって、その目的は、逆傾斜切りが可能な丸鋸において直角位置を決めるストッパーを丸鋸の前後に設ける場合であっても1回の操作で直角切りか逆傾斜切りかを選択することが可能な丸鋸を提供することにある。
上記問題を解決するために、
鋸刃およびその駆動部を収納したハウジングと、該ハウジングの下方に配置されワークに載置する定盤と、該定盤に傾斜角調整機構を設け、該傾斜角調整機構は該鋸刃の傾斜角度を逆傾斜位置に設定可能とすることができる丸鋸において、該傾斜角調整機構は、該定盤の前後に設けたブラケットと、該ブラケットに回動可能に支持され該ハウジングを支持する前後のサポータと、前後の少なくとも一方において該ブラケットと該サポータとを固定する締結手段と、該定盤の前後において該サポータが当接可能に設けられた逆傾斜位置決め部材と、によって構成され、該定盤に移動可能に設けた直角位置決め機構は、前後に当接部を有し、前後の該当接部は連動して前後の該逆傾斜位置決め部材上に進退可能に設けられたことを特徴とする。
ここで、直角位置決め機構の前後の当接部がリンクで結合されて構成されていることが好ましい。
また、直角位置決め機構の前後の当接部が一体として形成されていることが好ましい。
本発明によれば、直角位置を決めるストッパーを丸鋸の前後に設ける場合であっても1回の操作で直角切りか逆傾斜切りかを選択することが可能な丸鋸を提供することができる。
本発明の実施の形態1に係る丸鋸の正面図である。 本発明の実施の形態1に係る丸鋸の左側一部断面側面図である。 本発明の実施の形態1に係る丸鋸のA−A矢視一部断面平面図である。 図3のE−E矢視断面図である。 図3のD−D矢視断面図である。 本発明の実施の形態1に係る丸鋸のA−A矢視一部断面平面図である。 図6のC−C矢視断面図である。 図6のB−B矢視断面図である。 本発明の実施の形態2に係る丸鋸のA−A矢視一部断面平面図である。 本発明の実施の形態2に係る丸鋸のA−A矢視一部断面平面図である。 本発明の実施の形態3に係る丸鋸のA−A矢視一部断面平面図である。 本発明の実施の形態3に係る丸鋸のA−A矢視一部断面平面図である。 本発明の実施の形態4に係る丸鋸のA−A矢視一部断面平面図である。 図13のF矢視断面図である。 逆傾斜切りにより切断されたワークWの平面接続部を示す側断面図である。
[実施の形態1]
本発明の実施の形態1について図面を用いて説明する。図1、図2において、1は丸鋸であり、2はワークWに載置する定盤2、不図示の駆動部(モータを含む)により回転し、前記ワークWを切断する円板形状の鋸刃3が設けられている。4は作業者が手で握って丸鋸1を操作するハンドルであり、ハンドル4は前記モータを収納するハウジング5に取り付けられている。ハウジング5にはさらに、鋸刃3の上半分をカバーする鋸刃カバー6と、鋸刃3の下半分をカバーする安全カバー7が設けられている。8はモータに電力を供給する電源コードである。なお、図1において右側を丸鋸1の前方、左側を丸鋸1の後方という。
図1乃至図8において、傾斜角調整機構は、鋸刃1を定盤2に対して傾斜させることによりワークWに斜めの切断面を形成するためのものであり、丸鋸1の前後2ヶ所に設けられ、前部に設けられたものを前部傾斜角調整機構20、後部に設けられたものを後部傾斜角調整機構30といい、定盤2の前後部の上面からそれぞれ起立するブラケット23,33と、カバー6の前後端にそれぞれ、枢軸10を介して取り付けられたサポータ24と、説明は省略する深さ調整機構のガイドリンク17の後端部であるボス17cに係合する支軸18を介して取り付けられたサポータ34と、サポータ24,34をブラケット23,33にそれぞれ回動可能に枢支する枢ピン25,35と、サポータ24,34をブラケット23,33にそれぞれ締め付ける締結手段とを具備する。なお、支軸18は、サポータ34に設けられた二つの立壁34c間に回動可能に掛け渡されている。
ブラケット23,33は定盤2上を左右方向に延び、サポータ24,34も同様に左右方向に延び、サポータ24,34は、上記枢ピン25,35を中心に、ブラケット23,33の側面に対し回動可能に当接する。サポータ24,34をブラケット23,33にそれぞれ枢支する枢ピン25,35は、定盤2の前後方向に伸びる同一直線上に並んでおり、これにより定盤2はハウジング5に対し枢ピン25,35を支点にして傾斜(図2中二点鎖線は傾斜した定盤2を示す。)する。また、図4及び図5に示すように、ブラケット23,33には枢ピン25,35を中心にして湾曲する円弧溝26、36が形成されている。締結手段は具体的にはノブ付きの締付けネジ27、37であり、この締付けネジ27、37がブラケット23,33の円弧溝26、36をサポータ24,34側へ貫通しサポータ24,34に螺合する。これにより、定盤2を所望角度だけ傾斜させたところで締付けネジ27、37を締め付けると、定盤2がこの角度位置でハウジング5に対し固定される。この定盤2をワークWに当てて切断作業を行うと、丸鋸刃1と定盤2との角度関係に応じた傾斜角度の切断面がワークWに形成される。
サポータ24,34の一端24d、34dが定盤2の上面から鷲のくちばしのように少し上に伸びており、これら一端24d、34dの直下において逆傾斜位置決め部材28、38が定盤2に螺合している。逆傾斜位置決め部材28、38はそれぞれ丸鋸1の前後の逆傾斜切り時のストッパーを形成し、具体的にはネジで構成されている。図6乃至8に示すように、後述する直角位置決め機構11の2つの当接部を構成する当接部材12,13がそれぞれ逆傾斜位置決め部材28、38とサポータ24,34の一端24d、34dとの間に入ると、鋸刃3は定盤2に対して直角にセットされることとなる。この時、当接部材12,13と逆傾斜位置決め部材28、38とによってそれぞれ丸鋸1の前後の直角切り時のストッパーが形成される。図3乃至5に示すものは、直角位置決め機構11の当接部材12,13が逆傾斜位置決め部材28、38とサポータ24,34の一端24d、34dとの間に入っていない状態を表しており、この場合は、鋸刃3は定盤2に対して逆傾斜位置にセットされることとなる。
直角位置決め機構11は、定盤2の前方に設けられる当接部材12と、定盤2の後方に設けられる当接部材13と、当接部材12,13を結合するリンク14で主に構成される。当接部材12は、作業者が指で操作するレバー12aの付いた略くの字形状をした板状の部材であり、中心にネジ12bを通す孔が設けられ、ネジ12bによって定盤2の前方上に設けられたボス部2aに回動可能に固定される。ボス部2aの近傍には直角切り位置規制部材2cと逆傾斜切り位置規制部材2dが設けられ、後述する引張コイルバネ15によってレバー12aは直角切り位置規制部材2cに当接してその位置で通常停止している。この時、当接部材12は逆傾斜位置決め部材28上に位置する。作業者が指でレバー12aを逆傾斜切り位置規制部材2dに当接させると当接部材12は逆傾斜位置決め部材28上から外れた位置に位置する。当接部材13は基部にネジ13bを通す孔が設けられた板状の部材で、ネジ13bによって定盤2の後方上に設けられたボス部2bに回動可能に固定され、回動することにより逆傾斜位置決め部材38上に位置することができる。そして、当接部材12,13はリンク14によって結合され、作業者が指でレバー12aを操作することにより、当接部材12,13は同時に回動することが可能である。引張コイルバネ15はリンク14を丸鋸1の前方へ付勢しており、通常は、直角位置決め機構11の当接部材12,13が逆傾斜位置決め部材28、38とサポータ24,34の一端24d、34dとの間にそれぞれ位置する。
レバー12aから指を離している状態で、サポータ24,34の一端24d、34dを当接部50c、50dを介して逆傾斜位置決め部材28、38に押し付け締付けネジ27,37を締め付けると、鋸刃3は定盤2に対して直角位置にセット(図12の状態)され、丸鋸1は直角切りが可能となる。また、レバー12aを指で引張コイルバネ15のバネ力に抗して丸鋸1の後方へ操作した状態で、サポータ24,34の一端24d、34dを逆傾斜位置決め部材28、38に押し付け締付けネジ27,37を締め付けると、鋸刃3は定盤2に対しては逆傾斜位置にセット(図11の状態)され、丸鋸1は逆傾斜切りが可能となる。
以上のように構成された丸鋸1の逆傾斜切り作業について説明する。今、丸鋸1は直角切りの位置にセットされているとすると、作業者は、前後の締付けネジ27、37を緩め、サポータ24,34がブラケット23,33に対し円弧溝26、36にガイドされて回動可能な状態とする。次に、指でレバー12aを引張コイルバネ15のバネ力に抗して回動操作し、レバー12aを逆傾斜切り位置規制部材2dに当接させることにより、直角位置決め機構11の当接部材12,13を逆傾斜位置決め部材28、38とサポータ24,34の一端24d、34dとの間から抜く。この時、直角位置決め機構11の当接部材12,13はリンク14で連結されているので、1回の操作で直角位置決め機構11の当接部材12,13を逆傾斜位置決め部材28、38とサポータ24,34の一端24d、34dとの間から抜くことができる。そして次に、握ったハンドル4を操作し、ハウジング5を逆方向へ傾動させ、逆傾斜位置決め部材28、38にサポータ24,34の一端24d、34dを当接させ、前後の締付けネジ27、37を締め付ければよい。後は、不図示の電源スイッチをオンにして逆傾斜切り作業を開始することができる。
[実施の形態2]
本発明の実施の形態2について図面を用いて説明する。実施の形態2は、実施の形態1における直角位置決め機構11に変更を加えたものであるから、その変更部分について詳述し、実施の形態1と同一もしくは実質的に同一構成と考えられる部分には同一の符号を付して重複する説明は省略する。
図9及び図10に示すように、50は直角位置決め機構を構成する、定盤2の前後方向の長さにほぼ等しい長さを持った、平面視F字状の板部材である。板部材50の前後方向の端部近傍には長孔50a、50bが設けられており、それぞれネジによって定盤2の上面に設けられた不図示のボス部に前後方向に摺動可能に取り付けられる。また、板部材50の前後方向の端部には突出した当接部50c、50dが板部材50の長手方向に略直交する同一方向へ突出して設けられ、引張コイルバネ15は板部材50を丸鋸1の前方へ付勢している。(当接部50c、50dは実施の形態1における直角位置決め機構11の当接部を構成する当接部材12,13に相当する。)50eはレバーで作業者が指で板部材50を操作するとき使用するものであり、図9はレバー50eが引張コイルバネ15のバネ力に抗して丸鋸1の後方へ操作され、当接部50c、50dが、逆傾斜位置決め部材28、38とサポータ24,34の一端24d、34dとの間から抜けた状態を表し、図10は作業者がレバー50eから指を離したことにより、板部材50が引張コイルバネ15のバネ力によって前進し、当接部50c、50dが、逆傾斜位置決め部材28、38とサポータ24,34の一端24d、34dとの間に位置する状態を表している。レバー50eから指を離している状態で、サポータ24,34の一端24d、34dを当接部50c、50dを介して逆傾斜位置決め部材28、38に押し付け締付けネジ27,37を締め付けると、鋸刃3は定盤2に対して直角位置にセット(図12の状態)され、丸鋸1は直角切りが可能となる。この時、当接部60a、60bと逆傾斜位置決め部材28、38はそれぞれ丸鋸1の前後の直角切り時のストッパーを形成する。また、レバー50eを指で引張コイルバネ15のバネ力に抗して丸鋸1の後方へ操作した状態で、サポータ24,34の一端24d、34dを逆傾斜位置決め部材28、38に押し付けて締付けネジ27,37を締め付けると、鋸刃3は定盤2に対しては逆傾斜位置にセット(図11の状態)され、丸鋸1は逆傾斜切りが可能となる。この時、逆傾斜位置決め部材28、38はそれぞれ丸鋸1の前後の逆傾斜切り時のストッパーを形成する。
以上のように構成された丸鋸1の逆傾斜切り作業について説明する。今、丸鋸1は直角切りの位置(図10)にセットされているとすると、作業者は、前後の締付けネジ27、37を緩め、サポータ24,34がブラケット23,33に対し円弧溝26、36にガイドされて回動可能な状態とする。次に、指でレバー50eを引張コイルバネ15のバネ力に抗して後方へ操作することにより、板部材50を逆傾斜位置決め部材28、38とサポータ24,34の一端24d、34dとの間から抜く。この時、板部材50の当接部50c、50dは一体で構成されているので、1回の操作で各直角位置決め部材50の当接部50c、50dを逆傾斜位置決め部材28、38とサポータ24,34の一端24d、34dとの間から抜くことができる。そして次に、握ったハンドル4を操作し、ハウジング5を逆方向へ傾動させ、逆傾斜位置決め部材28、38にサポータ24,34の一端24d、34dを当接させ、前後の締付けネジ27、37を締め付ければよい。後は、不図示の電源スイッチをオンにして逆傾斜切り作業を開始することができる。
[実施の形態3]
本発明の実施の形態3について図面を用いて説明する。実施の形態3は、実施の形態1における各直角位置決め機構11に変更を加えたものであるから、その変更部分について詳述し、実施の形態1と同一もしくは実質的に同一構成と考えられる部分には同一の符号を付して重複する説明は省略する。
図11及び図12に示すように、60は直角位置決め機構を構成する、定盤2の前後方向の長さにほぼ等しい長さを持った、平面視くの字状の板部材である。板部材60の略中央にはネジ61を通す孔が設けられ、ネジ61によって定盤2上に設けられた不図示のボス部に回動可能に固定される。板部材60の両端部には当接部60a、60b(当接部60a、60bは実施の形態1における直角位置決め機構11の部材12,13に相当する。)が設けられている。ネジ61の回りにはねじりコイルバネ62が装着され、このバネ力によって通常板部材60はネジ61の回りで反時計回りに付勢され、直角切り位置規制部材2eに当接している。この時、当接部60a、60bは逆傾斜位置決め部材28、38とサポータ24,34の一端24d、34dとの間に位置している。当接部60a、60bは、作業者が指でレバー60cを操作することによりねじりコイルバネ62のバネ力に抗して時計回りに回動し逆傾斜切り位置規制部材2fに当接すると、図11に示すように、両当接部60a、60bが、逆傾斜位置決め部材28、38とサポータ24,34の一端24d、34dとの間から抜けた状態となる。また、作業者がレバー60cから指を離すと、ねじりコイルバネ62のバネ力によって板部材60は反時計回りに回動し、図12に示すように、当接部60a、60bが、逆傾斜位置決め部材28、38とサポータ24,34の一端24d、34dとの間に位置した状態にもどる。板部材60が直角切り位置規制部材2eに当接している状態で、サポータ24,34の一端24d、34dを当接部60a、60bを介して逆傾斜位置決め部材28、38に押し付け締付けネジ27,37を締め付けると、鋸刃3は定盤2に対して直角位置にセット(図12の状態)され、丸鋸1は直角切りが可能となる。この時、当接部60a、60bと逆傾斜位置決め部材28、38はそれぞれ丸鋸1の前後の直角切り時のストッパーを形成する。また、板部材60が逆傾斜切り位置規制部材2fに当接している状態で、サポータ24,34の一端24d、34dを逆傾斜位置決め部材28、38に押し付け締付けネジ27,37を締め付けると、鋸刃3は定盤2に対しては逆傾斜位置にセット(図11の状態)され、丸鋸1は逆傾斜切りが可能となる。この時、逆傾斜位置決め部材28、38はそれぞれ丸鋸1の前後の逆傾斜切り時のストッパーを形成する。
以上のように構成された丸鋸1の逆傾斜切り作業について説明する。今、丸鋸1は直角切りの位置(図12)にセットされているとすると、作業者は、前後の締付けネジ27、37を緩め、サポータ24,34がブラケット23,33に対し円弧溝26、36にガイドされて回動可能な状態とする。次に、指でレバー60cをねじりコイルバネ62のバネ力に抗して操作し、レバー60cを逆傾斜切り位置規制部材2fに当接させることにより、板部材60を逆傾斜位置決め部材28、38とサポータ24,34の一端24d、34dとの間から抜く。この時、板部材60の当接部60a、60bは一体で構成されているので、1回の操作で板部材60の当接部60a、60bを逆傾斜位置決め部材28、38とサポータ24,34の一端24d、34dとの間から抜くことができる。そして次に、握ったハンドルを操作し、ハウジングを逆方向へ傾動させ、逆傾斜位置決め部材28、38にサポータ24,34の一端24d、34dを当接させ、前後の締付けネジ27、37を締め付ければよい。後は、不図示の電源スイッチをオンにして逆傾斜切り作業を開始することができる。
[実施の形態4]
本発明の実施の形態4について図面を用いて説明する。実施の形態4は、実施の形態3における板部材60にわずかな変更を加えたものであるから、その変更部分について詳述し、実施の形態3と同一もしくは実質的に同一構成と考えられる部分には同一の符号を付して重複する説明は省略する。
図13及び図14に示すように、64は直角位置決め機構を構成する板部材であり、略中央にネジ61を通す孔を設け、両端の当接部60a、60bと上記孔の間に、規制部64a、64bを設けたもので、平面視くの字状の板部材である。規制部64a、64bには板部材64の長手方向に対し略直角な方向に長孔64c,64cが設けられて、ネジ65が長孔64cを貫通し定盤2に設けられたボス部2cにネジ締めされている。図14から理解されるように、ネジ65のつば部は板部材64に強く接触することなく接近しているので、板部材64は長孔64cの長手方向の範囲内においてネジ61を中心として回動することができる。64dは64を操作するレバーである。
以上のように構成されているので、板部材64は定盤2から浮き上がることなく、また、定盤2との平行を維持してネジ61の回りで回動するよう規制されるので回動が安定するという効果がある。傾斜切り作業については実施の形態3と同じ要領である。
以上、本発明の好適な実施形態について説明したが、本発明の技術的範囲は上記実施形態に記載の範囲には限定されるものではなく、多様な変更又は改良を加えることが可能である。
1 丸鋸
2 定盤
3 鋸刃
4 ハンドル
5 ハウジング
6 鋸刃カバー
7 安全カバー
8 電源コード
10 枢軸
11 直角位置決め機構
17 ガイドリンク
18 支軸
20 前部傾斜角調整機構
23、33 ブラケット
24、34 サポータ
25 枢ピン
26、36 円弧溝
27、37 締付けネジ
28、38 逆傾斜位置決め部材
30 後部傾斜角調整機構
35 枢ピン
50、60、64 板部材
64a,64b 規制部材

Claims (3)

  1. 鋸刃およびその駆動部を収納したハウジングと、該ハウジングの下方に配置されワークに載置する定盤と、該定盤に傾斜角調整機構を設け、該傾斜角調整機構は該鋸刃の傾斜角度を逆傾斜位置に設定可能とすることができる丸鋸において、該傾斜角調整機構は、該定盤の前後に設けたブラケットと、該ブラケットに回動可能に支持され該ハウジングを支持する前後のサポータと、前後の少なくとも一方において該ブラケットと該サポータとを固定する締結手段と、該定盤の前後において該サポータが当接可能に設けられた逆傾斜位置決め部材と、によって構成され、該定盤に移動可能に設けた直角位置決め機構は、前後に当接部を有し、前後の該当接部は連動して前後の該逆傾斜位置決め部材上に進退可能に設けられたことを特徴とする丸鋸。
  2. 請求項1に記載の丸鋸において、直角位置決め機構の前後の当接部がリンクで結合されていることを特徴とする丸鋸。
  3. 請求項1に記載の丸鋸において、直角位置決め機構の前後の当接部が一体として形成されていることを特徴とする丸鋸。
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