JP2014119119A - 両扉式真空冷却機 - Google Patents

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Abstract

【課題】運転を途中で中止した場合にも、両方の扉を確実に閉鎖状態として運転を再開できる両扉式真空冷却機の提供。
【解決手段】処理槽2の前後が扉3で開閉可能とされ、処理槽2内を減圧することで被冷却物4を冷却する両扉式真空冷却機1である。処理槽本体7の左右の側壁の前後両端部に、それぞれハンドル10が上下に揺動可能に設けられている。各扉3には、左右方向外側へ突出してハンドル引掛部11が設けられている。ハンドル引掛部11にハンドル10を上から引っ掛けて、扉3を処理槽本体7の側へ押し付けて扉3を閉鎖する。処理槽2内を減圧して、処理槽本体7の側に扉3が引き寄せられても、ハンドル引掛部11からハンドル10が脱落しない。
【選択図】図1

Description

本発明は、処理槽の前後に扉を有する両扉式真空冷却機に関するものである。
従来、下記特許文献1に開示されるように、室温の高い調理場(12)と室温の低い保存場(13)との間に真空冷却機(14)を設置し、調理場(12)から被冷却物を搬入して真空冷却後、保存場(13)へ搬出することが行われている。
真空冷却機は、処理槽内の気体を外部へ吸引排出して処理槽内を減圧することで、被冷却物からの水分蒸発を促し、その気化潜熱で被冷却物を冷却する。そのため、処理槽本体と扉との間に隙間があってはならず、扉を処理槽本体の側へ押し付けて閉鎖する必要がある。
従来、片扉式の真空冷却機においては、図4に示すように、扉Aの側端部にバーBを突出して設けておき、処理槽本体Cの側壁に設けたハンドルDをバーBに下方から引っ掛けることで、扉Aを処理槽本体Cの側へ押し付けることが行われている。
特開2001−74347号公報
しかしながら、図4に示す従来方法の場合、真空冷却機の運転に伴い処理槽内が減圧されると、扉は処理槽本体の側にさらに引き寄せられ、ハンドルは自然に脱落する。この際、扉は処理槽本体に既に吸着されているので、片扉式の場合、不都合はなく、むしろ処理槽内の復圧後にはすぐに扉を開放できるメリットがある。
一方、両扉式の場合、運転を途中で中止して再開する際、不都合を生じるおそれがある。すなわち、一旦運転を開始後(つまり処理槽内を減圧後)、所望の被冷却物が処理槽内に入っているかを確認したい場合や、現在のバッチ運転にどうしても被冷却物を追加したい場合がある。その場合、真空冷却機の運転を途中で中止して、処理槽内の被冷却物を確認したり、新たな被冷却物を追加したりして、運転を再開することになる。この際、一方の扉のみを開閉するが、他方の扉は直前の運転(途中で中止した運転)の減圧によりハンドルが既に脱落しているおそれがあり、その場合、所望の真空冷却運転ができないことになる。
本発明が解決しようとする課題は、運転を途中で中止した場合にも、両方の扉を確実に閉鎖状態として運転を再開できる両扉式真空冷却機を提供することにある。
本発明は、前記課題を解決するためになされたもので、請求項1に記載の発明は、処理槽本体の前後の開口部がそれぞれ扉で開閉可能とされ、被冷却物が収容される処理槽と、この処理槽内の気体を外部へ吸引排出して前記処理槽内を減圧する減圧手段と、減圧下の処理槽内に外気を導入して前記処理槽内を復圧する復圧手段とを備え、前記処理槽本体の左右の側壁の前後両端部に、それぞれハンドルが上下に揺動可能に設けられ、前記各扉には、左右方向外側へ突出してハンドル引掛部が設けられており、このハンドル引掛部に前記ハンドルを上から引っ掛けて、前記扉を前記処理槽本体の側へ押し付けて前記扉を閉鎖することを特徴とする両扉式真空冷却機である。
請求項1に記載の発明によれば、ハンドル引掛部にハンドルが上から引っ掛けられるので、処理槽内を減圧しても、ハンドル引掛部からハンドルが脱落するおそれはない。また、処理槽内を復圧すると、処理槽本体への扉の引き寄せが解除されるが、再びハンドルにて扉が処理槽本体へ自然に押し付けられることになる。よって、運転を途中で中止し、一方の扉を開閉しても、他方の扉の閉鎖状態を確認することなく運転を再開できる。
さらに、請求項2に記載の発明は、前記処理槽本体の上部に、前記扉が左右にスライド可能に吊り下げられ、前記ハンドル引掛部は、前記扉の左右両端面から突出するバーから形成され、前記ハンドルは、棒材が略L字状に屈曲された後さらに略L字状に屈曲されて形成され、先端部が前記処理槽本体に回転自在に保持される一方、基端部が把持部とされ、前記ハンドルの先端部側の屈曲部を前記バーに上方から引っ掛けて、前記把持部を下方へ押すことで前記扉を前記処理槽本体の側へ押し付けることを特徴とする請求項1に記載の両扉式真空冷却機である。
請求項2に記載の発明によれば、ハンドル引掛部はバーから形成される一方、ハンドルは棒材を屈曲して形成されるので、簡易な構成とすることができる。また、扉を上方から吊り下げることで、扉の左右両側を処理槽本体に押し付け易い。
本発明によれば、運転を途中で中止した場合にも、両方の扉を確実に閉鎖状態として運転を再開することができる。
本発明の両扉式真空冷却機の一実施例の使用状態を示す概略斜視図である。 図1の両扉式真空冷却機の使用状態を示す概略縦断面図である。 図1の両扉式真空冷却機のハンドルとハンドル引掛部との係合状態を示す図であり、処理槽の側面から見た状態を示している。 従来の片扉式真空冷却機のハンドルとハンドル引掛部との係合状態を示す図であり、処理槽の側面から見た状態を示している。
以下、本発明の具体的実施例を図面に基づいて詳細に説明する。
図1および図2は、本発明の両扉式真空冷却機1の一実施例の使用状態を示す概略図であり、図1は斜視図、図2は側面視の縦断面図である。なお、図1では、手前側の扉を開いた状態、図2では、両方の扉を閉じた状態を示している。
両扉式真空冷却機1は、処理槽2の前後両側がそれぞれ扉3で開閉可能とされている。本実施例の両扉式真空冷却機1は、被冷却物4が収容される処理槽2と、この処理槽2内の気体を外部へ吸引排出して処理槽2内を減圧する減圧手段5と、減圧下の処理槽2内に外気を導入して処理槽2内を復圧する復圧手段6とを備える。さらに、本実施例の両扉式真空冷却機1は、処理槽2内の圧力を検出する圧力センサ(図示省略)と、処理槽2内に収容される被冷却物4の温度を検出する品温センサ(図示省略)と、これらセンサの検出信号などに基づき前記各手段を制御する制御手段(図示省略)とを備える。なお、被冷却物4は、特に問わないが、典型的には加熱調理後の食材(食品)である。
処理槽2は、前後に開口部を有する略矩形の中空ボックス状の処理槽本体7と、この処理槽本体7の前後の開口部を開閉する略矩形の板状の扉3とを備える。本実施例では、扉3は、処理槽本体7の上部に、左右にスライド可能に吊り下げられる。具体的には、図1において、処理槽本体7の前後両端部の上部には、それぞれ左右方向へ沿うと共に処理槽本体7から右側へ延出してレール8が設けられており、このレール8に扉3がスライド可能に吊り下げられている。
図1において、扉3を処理槽本体7に対し右側へ目一杯スライドさせると、処理槽本体7の開口部を全開させることができ、逆に扉3を処理槽本体7に対し左側へ目一杯スライドさせると、処理槽本体7の開口部を全閉することができる。扉3の外面には、扉3のスライド操作時に用いることができる把手9が設けられている。
処理槽本体7の左右の側壁の前後両端部には、それぞれハンドル10が上下に揺動可能に設けられている。一方、各扉3には、左右方向外側へ突出してハンドル引掛部11が設けられている。従って、ハンドル引掛部11にハンドル10を引っ掛けて、扉3を処理槽本体7の側へ押し付けて閉鎖することができる。その際、処理槽本体7と扉3との隙間はパッキン12で封止される。ハンドル10とハンドル引掛部11とは、処理槽2の上下方向中央部に配置される。ハンドル10とハンドル引掛部11の具体的構成は、図3に基づき後述する。
両扉式真空冷却機1は、第一室と第二室とを区切る仕切壁13に設けて使用することができる。その際、処理槽2の一方の扉3を第一室へ向け、他方の扉3を第二室へ向けて配置する。第一室と第二室は、一方が食材の加熱調理室とされ、他方が真空冷却後の食材の盛り付け室とできる。食材は、比較的高温の加熱調理室から真空冷却機1内へ搬入されて冷却された後、比較的低温の盛り付け室へ搬出される。なお、図示例の場合、被冷却物(食材)4は台車14に載せられ、その台車14は渡し板15により処理槽2に出し入れされ、その渡し板15は処理槽本体7に着脱可能とされる。
減圧手段5は、処理槽2内の気体を、排気路16を介して外部へ吸引排出する真空発生装置17を備える。真空発生装置17は、その具体的構成を特に問わないが、典型的には、蒸気凝縮用の熱交換器と、その下流に配置される水封式の真空ポンプとを備える。蒸気凝縮用の熱交換器の上流に、さらに蒸気エゼクタを備えてもよい。
復圧手段6は、減圧された処理槽2内へ給気路18を介して外気を導入して、処理槽2内を復圧する手段である。本実施例では、給気路18には、処理槽2へ向かって順に、フィルタ19および給気弁20が設けられる。処理槽2内が減圧された状態で給気弁20を開くと、処理槽2の内外の差圧によって、フィルタ19を介した空気が処理槽2内に送られ、処理槽2内を復圧することができる。
制御手段は、前記各センサの検出信号や経過時間などに基づき、前記各手段5,6を制御する制御器である。制御器は、所定の手順(プログラム)に従い、処理槽2内を減圧して被冷却物4の真空冷却を図り、被冷却物4が目標温度まで冷却されると、処理槽2内を大気圧まで復圧する。
図3は、本実施例のハンドル10とハンドル引掛部11との係合状態を示す図であり、処理槽2の側面から見た状態を示している。ここでは、図1の処理槽2の手前側の開口部の左側に配置されたハンドル10を示しているが、その他の箇所のハンドル10も同様の構成である。
ハンドル引掛部11は、本実施例では、扉3の上下方向中央部において、扉3の左右両端面から突出する丸棒状のバー21から形成される。一方、ハンドル10は、本実施例では、棒材が略L字状に屈曲された後さらに略L字状に屈曲された形状とされ、先端部が処理槽本体7に回転自在に保持される一方、基端部が把持部22とされる。この際、ハンドル10の先端部は、処理槽本体7の左右方向へ沿う軸23に回転自在に保持され、上下に揺動可能とされる。
なお、厳密には、ハンドル10は、図3に示すように、基端片24と中央片25とでなす角が90度とされる一方、中央片25と先端片26とでなす角は90度より若干広い角度(たとえば100度)とされる。また、中央片25と先端片26とでなす角部には、バー21の外周部の一部がはまり込む凹所27を形成してもよい。
扉3を閉めるには、処理槽本体7の開口部と対面する位置に扉3を配置して、ハンドル10の先端部側の屈曲部(中央片25と先端片26との間の角部)を扉3のバー21に上方から引っ掛けるように、ハンドル10の把持部22を下方へ押し込めばよい。ハンドル10の把持部22を下方へ押し込むと、バー21が中央片25によって処理槽本体7側へ押され、最終的に図3に示すように先端部側の屈曲部にはまり込み、扉3を処理槽本体7の側へ押し付ける。このようにして、ハンドル10が略水平に配置された状態となり、扉3を処理槽本体7の側へ押し付けることができる。逆に、図3の状態からハンドル10をバー21から取り外すには、ハンドル10の把持部22を上方へ持ち上げればよい。
本実施例の両扉式真空冷却機1によれば、ハンドル引掛部11にハンドル10が上から引っ掛けられるので、処理槽2内を減圧しても、ハンドル引掛部11からハンドル10が脱落するおそれはない。また、処理槽2内を復圧すると、処理槽本体7への扉3の引き寄せが解除されるが、再びハンドル10にて扉3が処理槽本体7へ自然に押し付けられることになる。よって、運転を途中で中止し、一方の扉3を開閉しても、他方の扉3の閉鎖状態を確認することなく運転を再開できる。
本発明の両扉式真空冷却機1は、前記実施例の構成に限らず適宜変更可能である。特に、扉3のハンドル引掛部11に、処理槽本体7側のハンドル10を上から引っ掛けて、扉3を処理槽本体7の側へ押し付けて扉3を閉鎖する構成であれば、ハンドル引掛部11やハンドル10、さらには真空冷却機1の具体的構成(たとえば減圧手段5や復圧手段6や制御方法)は適宜に変更可能である。
1 両扉式真空冷却機
2 処理槽
3 扉
4 被冷却物
5 減圧手段
6 復圧手段
7 処理槽本体
8 レール
9 把手
10 ハンドル
11 ハンドル引掛部
12 パッキン
13 仕切壁
14 台車
15 渡し板
16 排気路
17 真空発生装置
18 給気路
19 フィルタ
20 給気弁
21 バー
22 把持部
23 軸
24 基端片
25 中央片
26 先端片
27 凹所

Claims (2)

  1. 処理槽本体の前後の開口部がそれぞれ扉で開閉可能とされ、被冷却物が収容される処理槽と、
    この処理槽内の気体を外部へ吸引排出して前記処理槽内を減圧する減圧手段と、
    減圧下の処理槽内に外気を導入して前記処理槽内を復圧する復圧手段とを備え、
    前記処理槽本体の左右の側壁の前後両端部に、それぞれハンドルが上下に揺動可能に設けられ、
    前記各扉には、左右方向外側へ突出してハンドル引掛部が設けられており、
    このハンドル引掛部に前記ハンドルを上から引っ掛けて、前記扉を前記処理槽本体の側へ押し付けて前記扉を閉鎖する
    ことを特徴とする両扉式真空冷却機。
  2. 前記処理槽本体の上部に、前記扉が左右にスライド可能に吊り下げられ、
    前記ハンドル引掛部は、前記扉の左右両端面から突出するバーから形成され、
    前記ハンドルは、棒材が略L字状に屈曲された後さらに略L字状に屈曲されて形成され、先端部が前記処理槽本体に回転自在に保持される一方、基端部が把持部とされ、
    前記ハンドルの先端部側の屈曲部を前記バーに上方から引っ掛けて、前記把持部を下方へ押すことで前記扉を前記処理槽本体の側へ押し付ける
    ことを特徴とする請求項1に記載の両扉式真空冷却機。
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