JP2005046088A - 真空蒸気解凍機 - Google Patents
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Abstract
【課題】 ミキシングバルブなどを別途必要とせず、使用後に安全にかつ細部まで殺菌できる真空蒸気解凍機を提供。
【解決手段】 被解凍物Wを載せたワゴン20を収容して密閉された処理槽1内を減圧する減圧手段3,4と、減圧した処理槽内へ蒸気供給する給蒸手段8,9とを備えて、被解凍物を解凍する真空蒸気解凍機である。解凍工程終了後に被解凍物を取り出された処理槽は、減圧手段を用いて減圧された後、給蒸手段を用いて蒸気が供給され解凍工程時より高温の蒸気により殺菌される。その後、減圧手段により処理槽内は減圧され冷やされ、そして大気圧まで復圧される。
【選択図】 図1
【解決手段】 被解凍物Wを載せたワゴン20を収容して密閉された処理槽1内を減圧する減圧手段3,4と、減圧した処理槽内へ蒸気供給する給蒸手段8,9とを備えて、被解凍物を解凍する真空蒸気解凍機である。解凍工程終了後に被解凍物を取り出された処理槽は、減圧手段を用いて減圧された後、給蒸手段を用いて蒸気が供給され解凍工程時より高温の蒸気により殺菌される。その後、減圧手段により処理槽内は減圧され冷やされ、そして大気圧まで復圧される。
【選択図】 図1
Description
本発明は、冷凍物を解凍するための真空蒸気解凍機(低圧蒸気式解凍装置)に関するものである。
冷凍物を解凍するための装置として、真空蒸気解凍機が知られている。真空蒸気解凍機は、冷凍物が収容された処理槽内を真空にして、その中に蒸気を供給することにより、蒸気の凝縮潜熱により解凍させる装置である。例えば下記特許文献1に示されるように、処理槽内を真空状態にした後、飽和蒸気を一定温度に制御しつつ供給して、冷凍製品を所定温度まで上昇させて解凍するものである。
ところで、真空蒸気解凍機において、解凍工程終了後などに処理槽内の殺菌を行うものは知られていないが、処理槽内の殺菌を行おうとする場合、処理槽内の奥面に設けたノズルより80℃程度の高温水を噴射させることが考えられる。
特開平10−179019号公報
しかしながら、この方法では、高温水を製造するために、ミキシングバルブなどの別途の機構が必要で、それを本体に追加設置する必要があった。さらに、常圧下で高温水を噴射する方法では、高温水が当たる部分は殺菌できるが、細部まで確実に殺菌できなかった。また、常圧下で処理槽内を密閉しつつ高圧蒸気を供給して殺菌することは、庫内圧力の上昇を招くので、安全面から避けた方がよい。
本発明は、上記事情に鑑みてなされたものであり、その主たる目的は、ミキシングバルブなどを別途必要とせず、安全にかつ細部まで殺菌できる真空蒸気解凍機を提供することにある。
上記目的を達成するために、本発明は、被解凍物を収容して密閉された処理槽内を減圧する減圧手段と、減圧した処理槽内へ蒸気供給する給蒸手段とを備えて、被解凍物を解凍する真空蒸気解凍機において、解凍工程終了後に被解凍物を取り出された処理槽は、前記減圧手段を用いて減圧された後、前記給蒸手段を用いて蒸気が供給され前記解凍工程時より高温の蒸気により殺菌可能とされたことを特徴とする。好ましくは、殺菌のための給蒸手段による蒸気供給後、減圧手段により処理槽内は減圧され冷やされ、そして大気圧まで復圧されることを特徴とする。
また、本発明は、被解凍物を収容して密閉された処理槽内を減圧する減圧手段と、減圧した処理槽内へ蒸気供給する給蒸手段とを備えて、被解凍物を解凍する真空蒸気解凍機において、前記減圧手段を作動させた後前記給蒸手段により蒸気を供給することにより、前記処理槽内の蒸気温度を解凍に適した温度として被解凍物の解凍を行い、前記処理槽内の蒸気温度を大気圧以下で殺菌に適した温度として前記処理槽の殺菌を行う蒸気温度調整手段を備える。前記蒸気温度調整手段は、好ましくは、前記減圧手段を作動させた後前記給蒸手段により蒸気を供給することにより、前記処理槽内を設定圧力に保持する圧力保持手段と、前記設定圧力を調整可能とする設定圧力調整手段とを備える。そして、前記設定圧力調整手段により解凍に適した温度となるように圧力を調整して前記圧力保持手段により被解凍物の解凍を行い、前記設定圧力調整手段により大気圧以下で殺菌に適した温度となるように圧力を調整して前記圧力保持手段により前記処理槽の殺菌を行うことを特徴とする真空蒸気解凍機である。
以上詳述したように、本発明の真空蒸気解凍機によれば、ミキシングバルブなどを別途必要とせず、安全にかつ細部まで殺菌できる真空蒸気解凍機を実現することができる。
本発明が適用される真空蒸気解凍機は、被解凍物を収容して密閉可能な処理槽と、処理槽内を減圧する真空ポンプ及び/又はエゼクタなどからなる減圧手段と、減圧した処理槽内へボイラからの蒸気を供給する給蒸手段と、処理槽内の圧力を測定する圧力センサとを備える。そして、前記真空蒸気解凍機は、処理槽内の蒸気温度を調整する蒸気温度調整手段を備える。蒸気温度調整手段は、好ましくは、圧力センサにより処理槽内の圧力を設定圧力に保持する圧力保持手段と、前記設定圧力を調整可能とする設定圧力調整手段とを備える。前記蒸気温度調整手段は、圧力でなく処理槽内の蒸気温度を検出して、蒸気温度を調整するものとすることができる。処理槽には、解凍処理したい被解凍物を載せるための棚を直接的に設けてもよいが、処理槽にワゴンを出し入れ可能とし、そのワゴンを介して処理槽に被解凍物を出し入れ可能とするのがよい。
解凍処理したい場合、処理槽内に被解凍物を入れて、処理槽を密閉する。そして、減圧手段により処理槽内を減圧した後、給蒸手段により処理槽内へ蒸気供給し、蒸気温度調整手段により解凍に適した蒸気温度として解凍する。この際、例えば減圧させながら給蒸することで、所定時間だけ設定圧力下に維持して解凍を図ることもできる。解凍工程終了時には、再び減圧して被解凍物を保冷しておくことができ、また被解凍物を処理槽から取り出す際には、処理槽内を大気圧に復圧すればよい。
被解凍物を取り出した後、ワゴンや処理槽は殺菌処理される。殺菌する前に、ワゴンを処理槽の外で水などで洗浄し、またワゴンを取り出した処理槽内も洗浄することができる。そのような洗浄後、ワゴンを処理槽内へ戻し、処理槽を密閉して、殺菌処理がなされる。
殺菌工程には、解凍のために備える前記減圧手段と前記給蒸手段を利用する。従って、殺菌のために別途新たな構成を必要としない。減圧手段により処理槽内を減圧した後、給蒸手段により処理槽内へ蒸気供給し、蒸気温度調整手段により処理槽の殺菌に適した蒸気温度として、処理槽及びワゴンを殺菌する。この際、例えば減圧させながら給蒸することで、所定時間だけ設定圧力下に維持して殺菌を図ることもできる。殺菌工程においては、大気圧以下に減圧され、解凍工程よりも処理槽内は高い圧力下で蒸気が供給されるので、解凍工程よりも高温で殺菌に適した温度(80℃以上100℃未満)の蒸気により処理槽内が殺菌される。このように、減圧下で蒸気を供給するので、処理槽内圧力の上昇が阻止され、安全に殺菌することができる。しかも、処理槽内が真空のため、手の届き難い細部まで確実に殺菌することができる。特に、手の届かない細部の多いワゴンの殺菌に好適である。
そして、殺菌工程終了後には、安全のため、処理槽内は減圧手段により減圧されて冷やされる。その際、処理槽内を水分の存在下で減圧することにより、真空冷却する。具体的には、処理槽内の減圧下において、処理槽内に水を噴霧すれば、水の気化を伴うことで処理槽内を冷却することができる。処理槽内の冷却後には、処理槽内は大気圧まで復圧される。
ところで、殺菌のために処理槽内へ供給される蒸気は、一次ボイラからの蒸気を利用して、純水又は軟水を蒸気変換した二次ボイラからのクリーン蒸気とするのが衛生的でよい。また、このクリーン蒸気は、殺菌工程だけでなく、解凍工程において処理槽内へ供給するためにも利用できる。被解凍物が冷凍食品の場合には、クリーン蒸気で解凍することは衛生的で好ましい。なお、減圧手段として、処理槽に吸入口を接続された蒸気エゼクタを備え、この蒸気エゼクタの入口へ供給される蒸気を利用して殺菌することもできる。その際、蒸気エゼクタの入口へも前記クリーン蒸気を供給し、蒸気エゼクタを含む下流側の殺菌を行うように構成してもよい。
以下、本発明の真空蒸気解凍機について、実施例に基づき更に詳細に説明する。
図1は、本発明の真空蒸気解凍機の一実施例を示す概略構造図である。
図1は、本発明の真空蒸気解凍機の一実施例を示す概略構造図である。
この図に示すように、本発明の真空蒸気解凍機は、被解凍物(解凍処理したい冷凍物)Wが収容されて密閉可能な容器(本実施例では耐圧性容器)からなる処理槽1と、この処理槽1内を減圧する減圧手段(3,4,5)と、減圧した処理槽1内へ蒸気を供給する給蒸手段(8,9)と、処理槽1内の圧力を測定する圧力センサ2とを主要部として備える。
減圧手段としては、真空ポンプ、蒸気エゼクタ(ejector)、又は水エゼクタなどを用いることができる。これらは、複数種類のものを組み合わせて用いることもできる。本実施例では、蒸気エゼクタ3と真空ポンプ4と熱交換器5とを組み合わせて減圧手段を構成している。この場合、蒸気エゼクタ3は、処理槽1に吸入口を接続されており、その蒸気エゼクタ3の出口には、熱交換器5と逆止弁6を介して真空ポンプ4が接続されている。従って、真空ポンプ4を駆動させつつ蒸気エゼクタ3の入口から出口へ向けて蒸気を噴射させ、熱交換器5による冷却、凝縮作用を行わせることで、吸入口が接続された処理槽1内の空気を吸い出して排出し、処理槽1内を減圧することができる。
そのために、蒸気エゼクタ3の入口には、エゼクタ給蒸弁7を介して、一次ボイラ8を熱源とする二次ボイラ9からの蒸気が供給可能とされる。また、蒸気エゼクタ3の出口には、熱交換器5と逆止弁6を介して、水封式真空ポンプ4が接続される。この真空ポンプ4には、封水給水弁10を介して水が供給され、真空ポンプ4からの排水は、排水口へ排出される。また、熱交換器5にも、ストレーナ11と熱交給水弁12を介して冷却用の水が供給され、排水口へ排水される。なお、真空ポンプ4へ給水用の封水給水弁10は、真空ポンプ4に連動して開かれる。
給蒸手段は、減圧した処理槽内へ二次ボイラ9からの蒸気を供給(給蒸)する手段である。この給蒸ラインには、比例制御弁13などからなる蒸気圧調整手段が設けられている。本実施例では、比例制御弁13を備え、二次ボイラ9からの蒸気の流量を調整可能である。これにより、処理槽1内の圧力、すなわち蒸気温度を調整することができ、解凍に適した蒸気温度と殺菌に適した蒸気温度とを容易に調整できる。
ところで、一次ボイラ8による蒸気には、管内のサビや防錆剤が混入するおそれが残る。ところが、処理槽1内へ供給された蒸気は、直接に被解凍物に接触するものであり、しかもその被解凍物が冷凍食品の場合もある。従って、処理槽1内には、よりクリーンな蒸気を供給するのが望ましい。そこで、本実施例では、一次ボイラ8からの蒸気を熱源として、ステンレス熱交換器15により純水や軟水を加熱して、安全でクリーンな蒸気を利用可能としている。すなわち、二次ボイラ(リボイラ)9を用いて、処理槽1内へクリーン蒸気を供給するのである。
具体的には、図1に示すように、一次ボイラ8からの蒸気の熱を利用して、二次ボイラ9にて純水又は軟水を蒸気変換してクリーン蒸気とし、そのクリーン蒸気をストレーナ16などを介して処理槽1へ供給するのである。さらに、本実施例では、蒸気エゼクタ3の入口へ供給される蒸気も、二次ボイラ9からの蒸気を利用している。つまり、二次ボイラ9からの蒸気は、蒸気エゼクタ3の入口への給蒸と、給蒸手段による処理槽1への給蒸の双方に利用可能である。その切換えは、エゼクタ給蒸弁7や比例制御弁13の開閉にて行うことができる。なお、一次ボイラ8だけを用いて、そのボイラの蒸気をエゼクタ3や処理槽1への供給へ利用可能である。或いは、処理槽1へはクリーン蒸気を供給し、エゼクタ3へは一次ボイラ8の蒸気を供給するようにしてもよい。
ところで、処理槽1には、その減圧状態を破壊可能に、外気を導入可能とされている。本実施例では、処理槽1は、解凍処理時及び殺菌処理時閉じる外気導入弁17とフィルター18を介して、外気に連通可能とされている。従って、外気導入弁17を開くと、処理槽1内は大気圧下に開放され、フィルター18を介して処理槽1内に外気を導入して、復圧可能である。外気導入弁17の開き具合によって、処理槽1内を徐々に昇圧することもできる。
さらに、本実施例の真空蒸気解凍機には、殺菌工程で高温になった処理槽1内を冷却するための手段(冷却手段)が設けられている。本実施例では、図1に示すように、水タンク24からの水が、電磁弁25と逆止弁26と噴霧ノズル27を介して処理槽1内へ噴霧可能とされている。減圧下で処理槽1内に水を噴霧することで、水の気化を伴い、処理槽1内の温度を低下させることが可能となる。この際、処理槽1の扉14に向けて噴霧するのがよい。また、それに代えて或いはそれに加えて、ワゴン20に向けて噴霧するように構成してもよい。このように構成することで、作業者が触れるであろう扉14やワゴン20の冷却を優先して、作業者の安全が確保される。
また、真空蒸気解凍機には、減圧手段、給蒸手段(蒸気圧調整手段)、外気導入手段、及び冷却手段などを制御する制御器19が備えられており、この制御器19は圧力センサ2からの検出圧力などに基づいて、前記各手段を制御する。つまり、圧力センサ2、真空ポンプ4、エゼクタ給蒸弁7、封水給水弁10、熱交給水弁12、比例制御弁13、外気導入弁17、電磁弁25などは、制御器19に接続されており、その制御器にて後述する運転(解凍工程,殺菌工程)が可能とされる。
制御器19には、少なくとも蒸気温度調整手段を備え、蒸気温度調整手段は、圧力保持手段と、設定圧力調整手段を含む。圧力保持手段は、処理槽内を設定圧力に保持するために、減圧手段と給蒸手段を制御する。例えば、減圧手段を作動させながら給蒸手段により処理槽内に蒸気を供給して、処理槽内を設定圧力に保持する。また、設定圧力調整手段は、その設定圧力を調整する手段である。本実施例では、処理槽内圧力が設定圧力調整手段により調整された圧力となるように、圧力保持手段は比例制御弁の開度を調整する。この実施例では、減圧手段の作動を制御することなく、蒸気供給量を制御することで、設定圧力を保持するように構成しているが、減圧手段による減圧度を調整しながら蒸気供給量も調整することにより、設定圧力を保持するように構成することができる。
上述した真空蒸気解凍機は、例えば鶏肉などの冷凍食品(被解凍物)を解凍するのに使用される。被解凍物を処理槽1内へ収容して、処理槽1を密閉した状態で、減圧手段を用いて処理槽1内を減圧した後、給蒸手段を用いて処理槽1内へ蒸気を供給し、処理槽1内の蒸気温度を解凍に適した温度として解凍処理がなされる。この減圧と蒸気供給は、少なくとも一回以上行われて、解凍処理される。本実施例では、例えば図2に示すような圧力変化で解凍がなされるが、圧力変化のさせ方は適宜に変更可能なことは言うまでもない。
図2は、本実施例の真空蒸気解凍機を用いた解凍工程の運転フローの一例を示す図であり、処理槽1内の圧力変化を示している。
この図に示すように、被解凍物を処理槽1内へ収容して処理槽1を密閉し外気導入弁17を閉じた後、減圧手段を用いて第一圧力P1(例えば8hPa)まで処理槽内を減圧する。つまり、エゼクタ給蒸弁7、封水給水弁10及び熱交給水弁12を開いて、蒸気エゼクタ3及び真空ポンプ4を駆動することで、処理槽1内を減圧する。
この図に示すように、被解凍物を処理槽1内へ収容して処理槽1を密閉し外気導入弁17を閉じた後、減圧手段を用いて第一圧力P1(例えば8hPa)まで処理槽内を減圧する。つまり、エゼクタ給蒸弁7、封水給水弁10及び熱交給水弁12を開いて、蒸気エゼクタ3及び真空ポンプ4を駆動することで、処理槽1内を減圧する。
第一圧力P1まで減圧した後、減圧手段を作動させながら、給蒸手段にて処理槽1内に蒸気を供給する。つまり、比例制御弁13を開いて、処理槽1内へ蒸気を供給する。これにより処理槽1内の圧力は上昇するが、ここでは第二圧力P2(18〜22hPa)まで蒸気供給し、その後、比例制御弁13の開度を調整して、その第二圧力P2にて所定時間保持する。
第二圧力P2における所定時間の保持は、上述した圧力保持手段と設定圧力調整手段により達成される。つまり、設定圧力調整手段により解凍に適した温度となるように圧力を調整して圧力保持手段により被解凍物の解凍が行われる。なお、第二圧力の上限圧力(ここでは22hPa)と下限圧力(ここでは18hPa)の圧力域に維持されるように、上限圧力まで蒸気供給したら、比例制御弁13を閉めて処理槽1内への蒸気供給をストップさせる一方、その状態で放置して処理槽1内の蒸気が被解凍物によって凝縮するとともに減圧手段による減圧により、下限圧力まで下がったら、再度、給蒸手段を駆動して処理槽1内に蒸気を供給するというサイクルを繰り返す。この間、減圧手段の作動は継続されている。
このようにして第二圧力P2にて所定時間保持した後、再び第一圧力P1まで減圧して保持することで、被解凍物は保冷される。なお、第二圧力P2にて一定時間保持して第一圧力P1まで減圧後、第二圧力P2までの蒸気供給、第一圧力P1までの減圧、そして第一圧力P1での保持というサイクルを所望回数だけ行った後、第一圧力P1にて保冷するようにしてもよい。いずれの場合でも、第一圧力P1や第二圧力P2は、解凍に適した適宜の値に設定され、しかも解凍条件や前記サイクルごとに可変可能である。
なお、解凍といっても、0℃までの解凍に限らず、例えば−3℃までの解凍などに適用することも可能である。そして、第一圧力P1で保冷された被解凍物の取り出しは、外気導入弁17を開いて処理槽1内を大気圧にして行われる。
本発明の解凍機では、解凍工程終了後、処理槽1内から被解凍物Wを取り出した後、処理槽1内の殺菌が可能である。この際、図1に示すように、ワゴン20を介して処理槽1に被解凍物Wを出し入れする構成としておけば、被解凍物Wを載せる棚や、処理槽1の洗浄及び殺菌が容易になる。
本実施例のワゴン20は、図1に示すように、直方体形状に枠材が組み立てられ、上下に複数段の棚板21が配置されている。そして、各棚板21には複数個の傾斜板22が設けられており、各傾斜板22に被解凍物Wが載せられる。被解凍物Wを傾斜して配置することで、被解凍物Wの表面に凝縮した水滴は被解凍物Wから脱落し、被解凍物Wへの伝熱に対する悪影響を防止することができる。しかも、棚板21や傾斜板22をメッシュ状にしておくことで、被解凍物Wからの水滴の脱落を一層容易にすることができる。なお、上の棚からの水滴が下の棚の被解凍物へ落下しないように、メッシュ状の棚板21の下部に、上方からの水滴を受けて、その水滴をワゴン外へ導くための遮蔽板(不図示)などを設けるのがよい。また、ワゴン20の下部には、キャスター23が設けられており、移動が可能とされている。
ワゴン20を介して処理槽1に被解凍物Wを出し入れする場合、処理槽1に対する被解凍物Wの出し入れが容易になる。また、上記構成のワゴン20では、解凍工程中に生じる水滴が被解凍物Wへ付くのが防止されるので、効率的でムラのない解凍が可能となる。さらに、解凍工程終了後には、処理槽1からワゴン20を取り出し、そのワゴン20から被解凍物Wを取り除いた後、ワゴン20自体を水洗いなど、容易に洗浄することができる。また、処理槽1内からワゴン20を取り出すことで、処理槽1内の洗浄も可能となる。そして、洗浄後には、処理槽1内にワゴン20を戻して、処理槽1及びワゴン20の殺菌が可能である。
図3は、本実施例の真空蒸気解凍機を用いた殺菌工程の運転フローの一例を示す図であり、処理槽1内の圧力変化を示している。
この図に示すように、ワゴン20を処理槽1内へ収容して処理槽1を密閉し、外気導入弁17を閉じた後、減圧手段を用いて第一圧力P1’ (ここでは13hPa)まで処理槽1内を減圧する。つまり、エゼクタ給蒸弁7、封水給水弁10及び熱交給水弁12を開いて、蒸気エゼクタ3及び真空ポンプ4を駆動することで、処理槽1内を減圧する。
この図に示すように、ワゴン20を処理槽1内へ収容して処理槽1を密閉し、外気導入弁17を閉じた後、減圧手段を用いて第一圧力P1’ (ここでは13hPa)まで処理槽1内を減圧する。つまり、エゼクタ給蒸弁7、封水給水弁10及び熱交給水弁12を開いて、蒸気エゼクタ3及び真空ポンプ4を駆動することで、処理槽1内を減圧する。
第一圧力P1’まで減圧した後、減圧手段を作動させながら、給蒸手段にて処理槽1内に蒸気を供給し、処理槽1内の蒸気温度を処理槽1の殺菌に適した温度として殺菌する。つまり、エゼクタ給蒸弁7などを開いたままで、比例制御弁13を開いて、処理槽1内へ蒸気を供給する。リボイラ(クリーン蒸気発生器)9を備え、そのクリーン蒸気を処理槽1内へ供給すれば、より衛生的に殺菌することができる。
蒸気供給により処理槽1内の圧力は上昇するが、ここでは第三圧力P3まで蒸気供給し、その第三圧力P3にて所定時間保持する。これにより、処理槽内全体を所定温度まで上昇させることができ、殺菌を行うことができる。殺菌工程の第三圧力P3は、解凍工程の第二圧力P2よりも十分に高い圧力であるが、大気圧より低い圧力である。減圧下で蒸気を供給することにより、100℃以下の温度の蒸気により殺菌を行うことができる。例えば約350Torr(飽和温度80℃)下で殺菌処理が行われる。
仮に大気圧下で正圧の蒸気を吹き込むと、密閉された処理槽内では内圧が上昇するため危険であるが、大気圧以下の減圧下で蒸気を噴霧することにより、処理槽内は常に大気圧以下となり安全である。さらに処理槽内は減圧されているので、手の届き難い部分にまで蒸気が行き届き、細部まで殺菌できる。
第三圧力P3における所定時間の保持は、上述した圧力保持手段と設定圧力調整手段により達成される。つまり、設定圧力調整手段により大気圧以下で殺菌に適した温度となるように圧力を調整して圧力保持手段により処理槽内の殺菌が行われる。その際、処理槽に接続された各配管内の殺菌を行うこともできる。特に、真空ポンプ4を作動させながら第三圧力P3に保持するので、蒸気エゼクタ3および熱交換器5を含む配管(真空吸引ライン)内の殺菌を効果的に行うことができる。
第三圧力P3にて所定時間保持することで処理槽やワゴンの殺菌は完了するが、殺菌後直ちに処理槽1を開いてワゴン20などに触れると、高温のため危険となる場合がある。そこで、処理槽内を冷やしておくのが望ましい。つまり、図3に示すように、再び第一圧力P1’まで減圧し、第一圧力P1’で所定時間保持することで、処理槽内を冷やすのである。その際、水タンク24からの水を噴霧ノズル27から処理槽1内に噴霧することで、その水の気化により、処理槽1内を迅速確実に冷やすことができる。また、処理槽1の扉14やワゴン20に水を噴霧して、それらの冷却を優先すれば、ユーザの安全がより確保される。その後、外気導入弁17を開いて処理槽1内を大気圧にすれば、殺菌工程は終了である。
このように、本実施例の真空蒸気解凍機によれば、真空蒸気を用いることにより、減圧下で安全に殺菌することができる。また、ミキシングバルブなどの温水製造装置を要することなく殺菌ができる。つまり、真空蒸気解凍機の場合、減圧手段だけでなく、減圧した処理槽内へ蒸気を噴霧するノズルが元々存在するため、ミキシングバルブなどの追加が不要で、制御修正、すなわち設定圧力P2,P3及びその設定圧力での保持時間の調整のみで対応できる。また、処理槽内は真空のため、手の届き難い細部まで殺菌することができる。
なお、本発明の真空蒸気解凍機は、上記実施例の構成に限らず、適宜変更可能である。例えば、殺菌工程において、初期の減圧−給蒸を複数回行うことにより処理槽内の余剰空気を排出し、昇温速度を上げることができる。
1 処理槽
2 圧力センサ
3 蒸気エゼクタ
4 真空ポンプ
5 熱交換器
7 エゼクタ給蒸弁
8,9 ボイラ
13 比例制御弁
17 外気導入弁
20 ワゴン
2 圧力センサ
3 蒸気エゼクタ
4 真空ポンプ
5 熱交換器
7 エゼクタ給蒸弁
8,9 ボイラ
13 比例制御弁
17 外気導入弁
20 ワゴン
Claims (6)
- 被解凍物を収容して密閉された処理槽内を減圧する減圧手段と、減圧した処理槽内へ蒸気供給する給蒸手段とを備えて、被解凍物を解凍する真空蒸気解凍機において、
解凍工程終了後に被解凍物を取り出された処理槽は、前記減圧手段を用いて減圧された後、前記給蒸手段を用いて蒸気が供給され、前記解凍工程時より高温の蒸気により殺菌可能とされた
ことを特徴とする真空蒸気解凍機。 - 殺菌のための給蒸手段による蒸気供給後、減圧手段により処理槽内は減圧され冷やされ、そして大気圧まで復圧される
ことを特徴とする請求項1に記載の真空蒸気解凍機。 - 被解凍物を収容して密閉された処理槽内を減圧する減圧手段と、減圧した処理槽内へ蒸気供給する給蒸手段とを備えて、被解凍物を解凍する真空蒸気解凍機において、
前記減圧手段を作動させた後前記給蒸手段により蒸気を供給することにより、前記処理槽内の蒸気温度を解凍に適した温度として被解凍物の解凍を行い、前記処理槽内の蒸気温度を大気圧以下で殺菌に適した温度として前記処理槽の殺菌を行う蒸気温度調整手段を備えた
ことを特徴とする真空蒸気解凍機。 - 前記蒸気温度調整手段が、前記減圧手段を作動させた後前記給蒸手段により蒸気を供給することにより前記処理槽内を設定圧力に保持する圧力保持手段と、前記設定圧力を調整可能とする設定圧力調整手段とからなり、
前記設定圧力調整手段により解凍に適した温度となるように圧力を調整して前記圧力保持手段により被解凍物の解凍を行い、
前記設定圧力調整手段により大気圧以下で殺菌に適した温度となるように圧力を調整して前記圧力保持手段により前記処理槽の殺菌を行う
ことを特徴とする請求項3に記載の真空蒸気解凍機。 - 前記給蒸手段が供給蒸気量を調整する比例制御弁を含み、
前記処理槽内圧力が前記設定圧力調整手段により調整された圧力となるように前記比例制御弁の開度を調整する
ことを特徴とする請求項4に記載の真空蒸気解凍機。 - 処理槽への被解凍物の出し入れは、ワゴンを介して行われ、
このワゴンは、処理槽内へ収容されて殺菌される
ことを特徴とする請求項1から請求項5までのいずれかに記載の真空蒸気解凍機。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2003282769A JP2005046088A (ja) | 2003-07-30 | 2003-07-30 | 真空蒸気解凍機 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
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JP2019170430A (ja) * | 2018-03-27 | 2019-10-10 | 三浦工業株式会社 | 蒸気釜 |
WO2021018409A1 (de) * | 2019-07-30 | 2021-02-04 | Awas Fee Gmbh | Verfahren zum explosionsgeschützten auftauen von schüttguttransportierenden transportmitteln |
RU2807082C2 (ru) * | 2019-07-30 | 2023-11-09 | Авас Фээ Гмбх | Способ взрывозащищенного размораживания перевозящих сыпучий груз транспортных или тяговых средств |
-
2003
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