JP2014119097A - サスペンション装置 - Google Patents

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健夫 水口
Junji Tanida
純児 谷田
Masaru Ouchi
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Abstract

【課題】サスペンション装置に関し、簡素な構成でサスペンションの性能を向上させる。
【解決手段】スプリングシート7,スプリングパッド4,アブソーバー2,バンプストッパー5を備える。スプリングシート7には、バンプストッパー5に対してアブソーバー2の伸縮方向に対向するベース部7eと、ベース部7eの周縁からバンプストッパー5側に延びる筒状の縦壁部7gと、その外周側でコイルスプリング1の端部を支持する円環状の支持部7aとを設ける。
スプリングパッド4には、バンプストッパー5の周面から外周側に延びるように一体形成された座面部4aを設け、座面部4aをコイルスプリング1とスプリングシート7との間に介装する。
バンプストッパー5は、その一端部がベース部7eに対してアブソーバー2の伸縮方向に間隔を空けた状態で、縦壁部7gの内側に嵌合固定される。
【選択図】図1

Description

本発明は、伸縮式のショックアブソーバーとコイルスプリングとを備えたサスペンション装置に関する。
従来、自動車や自動二輪車といった車両用のサスペンション装置として、伸縮式のショックアブソーバー(テレスコピック型ショックアブソーバー)とコイルスプリングとを組み合わせたものが知られている。すなわち、車輪と車体との間で伝達される衝撃をコイルスプリングで吸収しつつ、その衝撃をショックアブソーバーで減衰させるものである。この種の典型的なサスペンション装置は、ショックアブソーバーの伸縮方向とコイルスプリングの伸縮方向とが一致するように、ショックアブソーバーの周囲にコイルスプリングが配置されたアッセンブリーとして組み立てられる。
サスペンション装置のコイルスプリングは、弾性材料からなるスプリングパッドを介して上下をスプリングシートで支持される。また、ピストンロッド上端部の周囲には弾性素材からなるバンプストッパーが配置されており、ショックアブソーバーが縮んだ際にシリンダーの上面に当接してその移動を規制するとともに衝撃力を緩和している。
これら、スプリングパッドやバンプストッパーといった弾性材料からなる部品は、機能が異なることからそれぞれ別々の部品として製造されている。一方、製造コストを削減するとともに組み付け性の改善を図るために、機能の異なる複数の弾性材料部品を一体化して、部品数を減らすことが提案されている。例えば特許文献1には、複数本の接続部分を介してスプリングパッド(受け座)とバンプストッパーとを接続するとともにバンプストッパーの下部に蛇腹状のダストカバーを連設し、これらを単一の部品として一体的に成型したものが記載されている。このような工夫により、部品の成型工程が簡素化され、製造コストを低減させることが可能となる。
特開平8-177941号公報
ところで、特許文献1にも記載のように、バンプストッパーは、その上端部がスプリングシートに当接しているため、ショックアブソーバー収縮時の入力は、バンプストッパーを介して車体側に直接入力される。したがって、バンプストッパーの緩衝性が低いと、ショックアブソーバーの収縮時に路面側からの入力を十分に緩和できずに突き上げ感が増し、乗員に不快感を与える虞があった。バンプストッパーの緩衝性を向上するには、バンプストッパー自体を大きくしてやればよいが、バンプストッパーを大きくするにはコストや周辺部品とのスペースの問題が生じるため、これらコストやスペースとの両立が難しかった。特に、小型自動車や軽自動車等のように、コストやスペースの制約の大きい車両の場合、ショックアブソーバー収縮時における緩衝性を向上させるには限界があった。
このように、従来のサスペンション装置では、コストをかけずに緩衝性を向上させることが難しく、改善の余地があった。
本件の目的の一つは、上記のような課題に鑑み創案されたもので、コストを抑えた簡素な構成でショックアブソーバー収縮時における緩衝性能を向上させることができるようにしたサスペンション装置を提供することである。なお、この目的に限らず、後述する発明を実施するための形態に示す各構成により導かれる作用効果であって、従来の技術によっては得られない作用効果を奏することも本件の他の目的として位置づけることができる。
(1)ここで開示するサスペンション装置は、コイルスプリングの端部を支持するスプリングシートと、弾性材料からなり前記コイルスプリングと前記スプリングシートとの間に挟装されるスプリングパッドと、ロッド及びシリンダーを有し、前記コイルスプリングのコイル内に配置される伸縮式のアブソーバーとを備える。さらに、前記ロッドが貫通可能な筒状をなして前記スプリングシートと前記シリンダーとの間に設けられ、前記アブソーバーの収縮時に前記シリンダーと衝合して前記アブソーバーの変位を規制するバンプストッパーを備える。
ここで、前記スプリングシートは、前記バンプストッパーに対して前記アブソーバーの伸縮方向に対向するベース部と、前記ベース部の周縁から前記バンプストッパー側へ延びる筒状の縦壁部と、前記縦壁部の外周側で前記コイルスプリングの端部を支持する円環状の支持部とを有する。
前記スプリングパッドは、前記バンプストッパーの周面から外周側に延設され、前記バンプストッパーと一体形成されるとともに、その外周側で前記コイルスプリングと前記スプリングシートとの間に介装される座面部を有する。
また、前記バンプストッパーは、その一端部が前記ベース部に対して前記アブソーバーの伸縮方向に間隔を空けた状態で前記縦壁部の内側に嵌合固定される。
前記スプリングパッド及び前記バンプストッパーは、例えばゴムやエラストマー,プラストマーといった高分子材料等の弾性材料で一体に形成される。
(2)また、前記スプリングシートが、前記アブソーバー側に向かって膨出し、前記縦壁部の外周側に環状に形成された環状溝部を有し、前記スプリングパッドが、前記環状溝部における前記アブソーバー側の面に重合して配置されることが好ましい。
(3)また、前記縦壁部が、前記アブソーバーの前記ロッドと平行に延びる直線状面を有し、前記バンプストッパーが、前記直線状面に対して嵌合固定されることが好ましい。
つまり、前記アブソーバーのシリンダー筒軸を含む断面における前記縦壁部の形状が、前記アブソーバーの伸縮方向に沿って延在する直線状(すなわち、前記アブソーバーの伸縮方向と略平行な直線状)であることが好ましい。また、前記バンプストッパーが、前記直線状面に向かって半径方向外側に圧接力を生じさせるように嵌め込まれることが好ましい。
(4)また、前記バンプストッパーが、他端部に前記シリンダーと衝合する衝合面を有し、前記縦壁部が、前記衝合面の外形を前記アブソーバーの伸縮方向に延長した筒面よりも内側に形成されることが好ましい。つまり、前記バンプストッパーと前記スプリングシートとの嵌合面が、前記アブソーバーと前記バンプストッパーとの衝合面の外形よりも小さく設定されていることが好ましい。
(5)また、前記縦壁部が、前記アブソーバーのシリンダー筒軸と同軸の円筒面上に配置されることが好ましい。つまり、前記スプリングシートと前記バンプストッパーとの嵌合面が前記円筒面の形状であることが好ましい。なお、これ以外の嵌合面形状の例としては、四角柱や六角柱等の多角柱状のものが考えられる。
開示のサスペンション装置では、バンプストッパーがスプリングシートに対してアブソーバーの伸縮方向に間隔を空けて嵌合固定されるため、アブソーバーとバンプストッパーとの衝合時におけるスプリングシートへの衝撃力の入力を段階的に伝達することができる。すなわち、最初にバンプストッパーの弾性力で衝撃力を緩衝することができ、その後、バンプストッパーとスプリングシートとの接触により、衝撃力を伝達することができる。このように、スプリングシートへの入力に遅れを生じさせることで、緩衝能力を向上させることができる。
また、開示のサスペンション装置では、コイルスプリングとスプリングシートとの間に挟まれたスプリングパッドがバンプストッパーに一体成形されている。これにより、バンプストッパーがスプリングシート側へ移動する動きに対して、スプリングパッドが抵抗として作用することになる。このように、バンプストッパーの弾性力だけでなく、スプリングパッドの弾性力を効率よく利用して衝撃力を緩衝することができ、バンプストッパーの端部がスプリングシートのベース部に当接する前に、衝撃力をより減少させることができる。
また、スプリングパッドとバンプストッパーとを一体化することで、サスペンション装置の部品点数を削減することができ、簡素な構成で製造コストを低減させることができる。
一実施形態に係るサスペンション装置の構造を示す側断面図である。 本サスペンション装置の一体成型部品(アッパーパッド,バンプストッパー,ダストカバー)の形状を示す図であり、(a)は上面図、(b)は(a)のA−A断面図である。 本サスペンション装置のアッパーシートの形状を示す図であり、(a)は分解斜視図、(b)は(a)のB−B断面図である。 本サスペンション装置のアッパーパッド及びバンプストッパーとアッパーシートとの関係を説明するための拡大断面図である。 本サスペンション装置の作用を説明するための側断面図であり、(a)はバンプストッパーにショックアブソーバーのシリンダーが当接した状態を示し、(b)はバンプストッパーが圧縮された状態を示す。
以下、図面を参照して実施形態について説明する。なお、以下に示す実施形態はあくまでも例示に過ぎず、以下の実施形態で明示しない種々の変形や技術の適用を排除する意図はない。本実施形態の各構成は、それらの趣旨を逸脱しない範囲で種々変形して実施することができるとともに、必要に応じて取捨選択することができ、あるいは適宜組み合わせることが可能である。
[1.構成]
[1−1.概要]
図1に示す本実施形態のサスペンション装置10は、車両の車体と車輪との間に設けられるサスペンション機構の一部分であり、コイルスプリング1,ショックアブソーバー2,一体成型部品3,アッパーシート7及びロアシート13を備えたものである。
コイルスプリング1は、線材をコイル状に巻き付けてなる金属製のスプリングであり、車輪と車体11との間で伝達される衝撃を受けて弾性的に振動するように設けられる。図1に示すコイルスプリング1は、上部側のコイル端部の巻き径が縮径したピッグテール形状のものである。コイルスプリング1の上端部はアッパーシート7,ベアリング8等を介して車体側に支持され、コイルスプリング1の下端部はロアシート13,ショックアブソーバー2等を介して車輪側に支持される。
ショックアブソーバー2(アブソーバー)は、コイルスプリング1の周期的な振動を収束させるための減衰装置であり、内部にオイルやガス等の流体が封入されたシリンダー2aと、シリンダー2a内を摺動するピストンに接続されたロッド2bとを備える。ロッド2bは、シリンダー2aの筒軸方向に摺動可能に挿入される。ロッド2bの摺動に伴い、シリンダー2a内の流体がピストンの動きを止めようとする抵抗として作用し、ロッド2bの運動エネルギーが吸収されてその振動が減衰される。本実施形態では、シリンダー2aが車輪側に取り付けられ、ロッド2bが車体側に取り付けられている。
ショックアブソーバー2は、コイルスプリング1のコイル内において、シリンダー2a及びロッド2bの筒軸,中心軸がコイルスプリング1の伸縮方向と一致するように配置される。なお、以下の説明では、ショックアブソーバー2のシリンダー2aからロッド2bに向かう方向を上方とし、ロッド2bからシリンダー2aに向かう方向を下方とするが、上下を反転させて車両に組み付けることも可能である。
図1に示すショックアブソーバー2は、シリンダー2aが車輪側に取り付けられ、ロッド2bがインシュレーター9を介して車体11に取り付けられる。インシュレーター9は、ロッド2bと車体11との間で伝達される振動を抑制するための防振装置である。このインシュレーター9は、円盤状容器9aの内部に支持プレート9bとインシュレーターゴム9cとを内蔵した構造を持つ。円盤状容器9aは、中央部が上下方向に離間するように膨らんだ形状に形成され、その外縁部が車体11に対して固定される。また、インシュレーター9の内部には、ロッド2bの上端部に固定された支持プレート9bが配置されるとともに、円盤状容器9aと支持プレート9bとが接触しないようにインシュレーターゴム9cが充填される。したがって、ショックアブソーバー2のロッド2bは、インシュレーターゴム9cを介して車体11に支持される。
一体成型部品3は、機能の異なる三種類の部品を一体成型した弾性材料からなる部品であり、その素材は、例えばゴムやエラストマー,プラストマーといった高分子材料等である。一体成型部品3の全体的な断面形状は、図2(b)に示すように、内部にショックアブソーバー2のロッド2bが遊挿される程度の中空を持った筒状であり、ロッド2bの延在方向の途中で徳利状にくびれた部位を有する。また、このくびれた部位よりも上方の部位は、ロッド2bの半径方向外側に向かって傘状に拡開した形状とされる。一方、くびれた部位よりも下方の部位は、シリンダー2aとロッド2bと摺動部位を覆うように筒状に形成され、その筒面が蛇腹状に形成される。本実施形態の一体成型部品3は、その筒軸Cがシリンダー2aの筒軸と一致するように組み付けられる。
一体成型部品3は、コイルスプリング1の上端部を支持する機能と、ショックアブソーバー2が縮んだときに入力されうる衝撃力(例えば、フルバンプしたときの衝撃力)を緩和する機能と、ショックアブソーバー2の摺動部分を保護する機能とを持つ。以下、これらの機能別に一体成型部品3の各部位を分類し、それぞれをアッパーパッド4,バンプストッパー5,ダストカバー6と呼ぶ。
[1−2.アッパーパッド]
アッパーパッド4(スプリングパッド)は、一体成型部品3の最上部における外周側に位置する部位であり、コイルスプリング1のうち、上端側のコイル端部に当接してコイルスプリング1を支えるものである。このアッパーパッド4には、下方に凹んだ溝を上面視でリング状に配置した形状を持つ環状溝部4bが形成される。また、環状溝部4bの外周側(半径方向外側)には、円環板状の座面部4aが設けられる。これらの座面部4a及び環状溝部4bの断面形状は、図2(b)に示すように、上下に波をうったような凹凸形状をなしている。このアッパーパッド4の上面の凹凸形状は、後述するアッパーシート7の下面の凹凸形状に対応する形状である。
座面部4aは、図1に示すように、コイル上端部に接触してコイルスプリング1の座面となる部位であり、環状溝部4bの外周端から水平方向に延設される。また、図2(b)に示すように、座面部4aの内周側の端辺は下方に向かってやや屈曲し、環状溝部4bと滑らかに接続される。この内周側の端辺の屈曲形状は、コイルスプリング1の線材の直径に応じた曲率を持ち、コイルスプリング1のコイル端部におけるリング状の線材を内側から外側に向かって支えるように機能する。上面視における座面部4aの外周の輪郭形状は、図2(a)に示すように、略円形である。座面部4aの輪郭をなすこの円の中心は、一体成型部品3の筒軸C上に位置する。
環状溝部4bは、ショックアブソーバー2側に向かって座面部4aよりも下方に膨出した部位である。この環状溝部4bは、図2(a)に示すように、座面部4aよりも内周側で筒軸Cを中心として環状に配置される。この環状溝部4bの内周側には、バンプストッパー5が一体に結合される。なお、環状溝部4bの内周側の端辺は、図2(b)に示すように、座面部4aよりも高い位置まで迫り上がった形状とされる。
また、図2(a)に示すように、環状溝部4bの底部4eには水抜き孔4dが穿孔されるとともに、水抜き孔4dの周囲の底部4eが他の底部4eよりも大きく形成される。以下、水抜き孔4dの周囲の底部4eのことを水抜き部4cと呼ぶ。なお、水抜き孔4dからの排水性を考慮して、水抜き部4cを他の環状溝部4bの底部4eよりも下方に位置させてもよい。
環状溝部4bの底部4eの裏側に相当する下面側には、接続面4fが設けられる。この接続面4fは、アッパーパッド4の座面部4aとバンプストッパー5とを滑らかに接続する面であり、筒軸Cに対して略垂直に形成される。これにより、バンプストッパー5からアッパーパッド4への応力伝達性が向上する。なお、バンプストッパー5からアッパーパッド4への応力伝達性をさらに向上させることを考慮して、接続面4fの面勾配を、内周側が外周側よりも下方に位置するような傾斜勾配にしてもよい。
[1−3.バンプストッパー]
バンプストッパー5は、一体成型部品3の最上部における内周側(アッパーパッド4の内周側)に設けられるとともに、下方に向かって延設された部位である。図2(b)に示すように、バンプストッパー5のうち、アッパーパッド4の内周側の部位はリング状をなし、その下方の部位はロッド2bの外周を覆って蛇腹筒状をなしている。このバンプストッパー5は、例えばショックアブソーバー2が縮んでいく過程でシリンダー2aの上端面2cと衝合して、衝撃力を吸収,緩衝するように機能する。バンプストッパー5の肉厚は、後述するダストカバー6の肉厚よりも大きく、比較的大きな衝撃力の入力に対して緩衝能力を発揮する特性を持つ。例えば、フルバンプしたときに車輪側から車体11に入力される衝撃力は、バンプストッパー5で吸収,緩衝される。
バンプストッパー5の内周面5aは、シリンダー2aの上端面2cと衝突していない通常状態では、ロッド2bに対して非接触とされる。すなわち、内周面5aの最小内法寸法は、ロッド2bの外径よりも大きい寸法とされる。また、バンプストッパー5の最大外径は、コイルスプリング1の縮径した端部側の巻き径(最小の内法寸法)よりも小さく設定される。したがって、コイルスプリング1と一体成型部品3との組み付け完了時には、バンプストッパー5がコイルスプリング1の縮径部分の内側に位置する状態となる。
バンプストッパー5の頂面5bは、筒軸Cに対して垂直な平面状に形成され、その外周側が環状溝部4bの内周側と滑らかに接続される。この頂面5bは、アッパーパッド4の座面部4aよりも上方に配置される。環状溝部4bの溝の底部4eから頂面5bまでの高さ寸法は、Hである。なお、図1,図2(b)等では、組み付け性を考慮して、バンプストッパー5の内周面5aと頂面5bとの間の角を落として内側に凹ませた形状のものを例示する。
頂面5bの外周側(環状溝部4bの内周側)には、筒軸Cを含む断面において、筒軸Cと略平行な直線状に形成された直線状表面部5cが設けられる。直線状表面部5cとは、縦断面の輪郭線が筒軸Cと略平行となる表面を持つ部位である。本実施形態の直線状表面部5cの配置形状は、筒軸Cを中心とした筒面状であり、環状溝部4bの底部4eから上方に向けて突設された円筒15の筒面〔図2(b)中に破線で示す〕に対応する形状である。筒軸Cを通る断面における直線状表面部5c間の距離(円筒15の直径,外径)はDである。
バンプストッパー5の下端部には、シリンダー2aの上端面2cに面接触する衝合面5dが設けられる。この衝合面5dは、筒軸Cに対して垂直な平面状であり、筒軸Cを中心とした円形に形成される。衝合面5dの直径はDであり、少なくとも上記の円筒15の直径Dよりも大径とされる(D<D)。
ダストカバー6は、一体成型部品3の最下部に位置する部位であり、バンプストッパー5の下端部から半径方向外側に拡開した形状の拡開部6aと、拡開部6aの外周端から下方に延設された蛇腹状の筒状部6bとを備える。拡開部6aは、その上面にダストや水滴が溜まりにくくなるように、外周側が下方に向かって傾斜した尖塔状の形状とされる。また、筒状部6bは、ショックアブソーバー2のシリンダー2aよりも大径の中空円筒状に形成され、その筒面が蛇腹状とされる。図2(b)に示すように、ダストカバー6は、アッパーパッド4及びバンプストッパー5と一体に形成され、シリンダー2aとロッド2bとの摺動箇所を覆うように被装される。なお、ダストカバー6はシリンダー2aよりも大径に形成されるため、アッパーパッド4やバンプストッパー5と同様に、通常状態ではロッド2bに対して非接触である。
[1−4.アッパーシート]
アッパーシート7(スプリングシート)は、前述のアッパーパッド4を介してコイルスプリング1の上端部を支持するとともに、バンプストッパー5を嵌合固定する金属製の部材である。このアッパーシート7は、図3(a),(b)に示すように、円環状の板材を板厚方向に屈曲させて形成され、ひらがなの「ひ」の字を水平に二つ並置したような断面形状を持つ。アッパーシート7の下面は、アッパーパッド4及びバンプストッパー5の上面と嵌合する凹凸形状に形成される。このアッパーシート7には、アッパーパッド4の座面部4a,環状溝部4b,水抜き部4c,水抜き孔4dのそれぞれの形状や位置に対応するように、支持部7a,環状溝部7b,水抜き部7c,水抜き孔7dが設けられる。また、バンプストッパー5の頂面5b,直線状表面部5cのそれぞれの形状や位置に対応するように、ベース部7e,縦壁部7gが設けられる。
支持部7aは、アッパーパッド4の座面部4aの上面形状に対応する下面形状を持つ円環板状の部位である。この支持部7aは、座面部4aと面接触してコイルスプリング1の受け座となり、アッパーパッド4を介してコイルスプリング1の上端部を車体11に支持するように機能する。支持部7aの面配向は水平であり、筒軸Cに対して垂直に配設される。また、支持部7aの内周側の端辺は下方に向かって屈曲し、環状溝部7bと滑らかに接続される。図3(a)に示すように、上面視における支持部7aの外周の輪郭形状は、アッパーパッド4の座面部4aと略同径の円形である。支持部7aの輪郭をなす円の中心は、一体成型部品3の筒軸C上に位置する。
環状溝部7bは、ショックアブソーバー2側に向かって支持部7aよりも下方に膨出した溝形状の部位である。環状溝部7bの下面は、環状溝部4bの上面と隙間なく面接触する。図3(a),(b)に示すように、この環状溝部7bは、支持部7aよりも内側で筒軸Cを中心とした環状に配置される。環状溝部7bの内周側の端部は、支持部7aよりも上方まで迫り上がった形状とされる。
環状溝部7bの内周側の端辺は、筒軸Cに対して垂直な方向に延在する平面をなすように屈曲形成される。この筒軸Cに垂直な平面のことをベース部7eと呼ぶ。また、環状溝部7bの下面側における最も下方に位置する部位(下面から見たときの尾根に相当する部位)のことを尾根部7fと呼ぶ。図4(b)に示すように、環状溝部7bの下面側における尾根部7fからベース部7eまでの高さ寸法は、Hである。この高さ寸法Hは、アッパーパッド4の環状溝部4bの高さ寸法Hよりも大きく設定される(H<H)。したがって、アッパーシート7と一体成型部品3との嵌合時であっても、アッパーシート7のベース部7eはバンプストッパー5の頂面5bに対して非接触とされ、ベース部7eと頂面5bとの間には上記の高さ寸法の差H−Hに相当する大きさの隙間が形成される。
環状溝部7bの内周側には、ベース部7eの周縁からバンプストッパー5側に向かって延設された中空円筒状の縦壁部7gが設けられる。この縦壁部7gは、筒軸Cを中心とした中空円筒17の筒面をなす部位である。ここで、中空円筒17の筒面に対応する輪郭線を図3(b)中に破線で示す。この図3(b)に示すように、筒軸Cを含む断面における縦壁部7gの形状は、ショックアブソーバー2の伸縮方向と略平行な直線状とされる。つまり、縦壁部7gには、ショックアブソーバー2のロッド2bと略平行に延びる直線状面が設けられる。
筒軸Cを通る断面における縦壁部7g間の距離(中空円筒17の内法寸法であって、直線状面間の距離)はDであり、円筒15の外径Dよりも僅かに小径に形成される(D<D)。これにより、バンプストッパー5の円筒15(直線状表面部5c)をアッパーシート7の中空円筒17(縦壁部7g)の内部に挿入すると、半径方向外側に作用する圧接力がこれらの嵌合面に生じ、きつく嵌め込まれた状態でしっかりと嵌合する。
円筒15の外径Dと中空円筒17の内径Dとの差D−Dが大きいほど、嵌合時の圧接力が増大する。このように、縦壁部7g(直線状面)は、バンプストッパー5の直線状表面部5cを嵌合固定するように機能する。また、縦壁部7gの外周は、下方に向けて突出した形状の尾根部7fによって取り囲まれているため、剛性及び強度が高められ、円筒状の縦壁部7gの形状や直線状面の面勾配(面の向き)は、バンプストッパー5との嵌合時であっても精度よく保持される。
また、中空円筒17の内径Dは、衝合面5dの直径Dよりも小径とされる(D<D)。つまり、バンプストッパー5とアッパーシート7との嵌合部位は、衝合面5dの外形をショックアブソーバー2の伸縮方向に延長した筒面よりも内側に設けられる。これにより、バンプストッパー5の衝合面5dから入力される衝撃力は、アッパーシート7の縦壁部7gよりも内側だけでなく外周側の部分にも伝達されやすくなり、例えば尾根部7f側にも伝達される。
図3(a)に示すように、環状溝部7bの底部には水抜き孔7dが穿孔され、水抜き孔7dの周囲の底部が他の底部よりも水平方向に拡張された水抜き部7cが形成される。水抜き孔7dは、アッパーシート7とアッパーパッド4との組み付け完了時に、上下方向に貫通する排水路となる部位である。なお、アッパーシート7とアッパーパッド4との組み付け性を考慮して、水抜き孔4d,7dの少なくとも何れか一方を長孔にしてもよい。
環状溝部7bの内側には、バンプストッパー5と同様に、ロッド2bの直径よりも大きい孔部7hが形成される。また、図3(a)に示すように、このアッパーシート7の上面には、円環板状に形成された座金7kが設置される。座金7kは、アッパーパッド4とベアリング8との接触面積を増大させるべく、ベース部7eの上部に固定されるドーナツ板状の金物である。なお、ベース部7eと座金7kとを予め一体に形成してもよいし、ベース部7eとベアリング8との接触面積が十分であれば座金7kを省略してもよい。
また、図1に示すようにコイルスプリング1の下端部には、上記のアッパーパッド4,アッパーシート7に対応して、ロアパッド12,ロアシート13が設けられる。ロアパッド12は、コイルスプリング1の下端部側のコイル端部に当接してコイルスプリング1を支えるものである。また、ロアシート13は、ロアパッド12を介してコイルスプリング1の下端部をシリンダー2aに対して支持する金属製の部材である。コイルスプリング1の下端部側の支持構造や、アッパーシート7を含む車体11側の支持構造に関しては、上述の構造に限らず公知のさまざまな構造を適用してもよい。
[2.作用]
上記の一体成型部品3とアッパーシート7との組み付けが完了した状態を、図4に示す。アッパーシート7の縦壁部7g間の距離Dは、バンプストッパー5の直線状表面部5c間の距離Dよりも小さく形成されている。そのため、直線状表面部5cと縦壁部7gとの嵌合面に圧接力が作用し、バンプストッパー5とアッパーシート7とがずれることなく堅固に固定される。バンプストッパー5からアッパーシート7に与えられる圧接力の作用方向は、半径方向外側である。また、直線状表面部5c,縦壁部7gは筒面状の形状を持つため、圧接力は筒軸Cを中心とした周方向に等方的に(偏ることなく)分布する。
このとき、バンプストッパー5の頂面5bとアッパーシート7のベース部7eとの間には、H−Hに相当する寸法の隙間が形成される。この隙間は、ショックアブソーバー2側から伝達される衝撃力によってバンプストッパー5が上下方向に変形,移動するときの余裕代となる。
図5(a),(b)は、バンプストッパー5の作動状態を説明するための断面図である。まず、図5(a)に示すように、ショックアブソーバー2の縮小動作によりシリンダー2aの上端面2cがバンプストッパー5の衝合面5dに当接すると、その衝撃力が一体成型部品3に入力され、バンプストッパー5が変形を開始する。この変形によって衝撃力が吸収され、車体11側に伝達されるショックが緩和される。
図5(b)に示すように、ショックアブソーバー2が縮小してシリンダー2aが上昇すると、バンプストッパー5の変形量が増加し、上下から押し潰されたような形状となる。一方、バンプストッパー5とアッパーシート7との嵌合面である直線状表面部5c及び縦壁部7gは、衝撃力の作用方向に沿って配置されているため、嵌合面に作用する圧接力が弱められるようなことがなく上下方向にずれにくい。また、バンプストッパー5の頂面5bとアッパーシート7のベース部7eとの間に隙間が形成されているため、バンプストッパー5の頂面5b近傍での変形が許容されることになり、相対的に直線状表面部5c及び縦壁部7gの嵌合面での変形が発生しにくくなる。これにより、バンプストッパー5とアッパーシート7との嵌合状態が維持され、バンプストッパー5の頂面5bとアッパーシート7のベース部7eとの間の隙間が確保される。
また、アッパーシート7の縦壁部7g間の距離Dが、バンプストッパー5の衝合面5dの直径Dよりも小さく形成されているため、シリンダー2aからバンプストッパー5に伝達された衝撃力は、図5(b)中に白抜き矢印で示すように、アッパーパッド4の環状溝部4bを介してアッパーシート7の尾根部7f及び環状溝部7bにも伝達される。つまり、アッパーパッド4とアッパーシート7との接触面を介して車体11側に衝撃力が伝達される。これにより、バンプストッパー5の直線状表面部5cよりも内周側の部分に伝達される衝撃力が相対的に小さくなり、バンプストッパー5の頂面5bとアッパーシート7のベース部7eとの間の隙間が確保されやすくなる。このとき、縦壁部7gの外周を取り囲むように形成されたアッパーシート7の尾根部7fによって、縦壁部7gの剛性,強度が確保される。
さらに、アッパーパッド4とコイルスプリング1との関係について、アッパーパッド4の座面部4aは、アッパーシート7の支持部7aとコイルスプリング1の上端部とによって挟まれた状態とされる。コイルスプリング1から座面部4aに加えられる押圧力の作用方向はおおむね直上方である。一方、アッパーパッド4の座面部4aは、アッパーシート7とコイルスプリング1とに挟まれた状態となっており、その位置は固定されている。これにより、環状溝部4bの外周側の部分には、図5(b)中に黒矢印で示すように、アッパーパッド4の半径方向外側への引張力が作用し、バンプストッパー5が半径方向外側に押し広げられる。
つまり、アッパーパッド4がバンプストッパー5の変位,変形を抑制する抵抗として作用する。このことは、バンプストッパー5自身の弾性的な復元力だけでなく、アッパーパッド4側に生じる弾性的な復元力がバンプストッパー5の変位,変形を減少させるように作用することを意味する。したがって、バンプストッパー5の緩衝機能が向上し、ショックアブソーバー2側からの衝撃力に対して、バンプストッパー5がロッド2b側に引き込まれるような変位,変形が効果的に抑制される。
ショックアブソーバー2がさらに縮小してシリンダー2aが上昇すると、変形したバンプストッパー5の頂面5bとアッパーシート7のベース部7eとが当接し、これらの当接面を介して衝撃力が車体11側に伝達される。このとき、車体11側に伝達される衝撃力は十分に小さくなっている。頂面5bとベース部7eとの当接面を介した衝撃力の伝達は、環状溝部4bと環状溝部7bとの接触面を介した衝撃力の伝達に対して、やや遅れて発生する。つまり、衝撃力が時間的遅れを伴って段階的に伝達されることになる。これにより、車体11側に衝撃力が作用するタイミングが分散し、車体11に入力されるショックが軽減される。
その後、ショックアブソーバー2が伸長してシリンダー2aが下降すると、バンプストッパー5の形状が図5(a)に示す状態へと復帰する。このとき、バンプストッパー5の内周面5aはショックアブソーバー2のロッド2bに対して接触していないため元の形状に戻りやすく、バンプストッパー5の頂面5bとアッパーシート7のベース部7eとの間に隙間が再び形成される。このとき、ロッド2bとの間で異音が生じることもない。また、バンプストッパー5はアッパーシート7の縦壁部7gに対して拡径方向に圧接力を作用させながら嵌合しているため、シリンダー2aの下降に伴って外れるようなこともない。
[3.効果]
(1)上記のサスペンション装置10では、アッパーパッド4と一体に形成されたバンプストッパー5の頂面5bとアッパーシート7のベース部7eとの間に隙間が設けられた状態で、バンプストッパー5がアッパーシート7に嵌合固定されるため、ショックアブソーバー2側から車体11への衝撃力の入力を段階的に伝達することができ、緩衝性を向上させることができる。
例えば、衝撃力が比較的小さい場合には、バンプストッパー5のみの変形によって衝撃力を吸収することができる。この場合、バンプストッパー5の頂面5bとアッパーシート7のベース部7eとの間の隙間が確保されているため、車体11への衝撃力の入力は僅かとなる。
また、中程度の衝撃力が作用した場合には、上記の作用に加えて環状溝部4b,7bを介して衝撃力が車体11側に伝達される。この場合も、バンプストッパー5の頂面5bとアッパーシート7のベース部7eとの間の隙間が確保されており、車体11への衝撃力が緩和される。また、ショックアブソーバー2側から入力される衝撃力の大きさが増大するに連れてバンプストッパー5の変形量が増大し、隙間の寸法が減少する。一方、たとえバンプストッパー5の変形量が増大しても、バンプストッパー5の頂面5bとアッパーシート7のベース部7eとの間の隙間が確保されている限り、頂面5bからの車体11への衝撃力の入力は生じない。
また、衝撃力が比較的大きい場合には、バンプストッパー5の変形量がさらに大きくなり、上記の作用に加えて、時間的にやや遅れてバンプストッパー5の頂面5bとアッパーシート7のベース部7eとが接触する。これにより、頂面5bとベース部7eとの当接面を介した衝撃力の伝達が開始される。このように、車体11側への入力に遅れを生じさせることで、サスペンション装置10の緩衝能力を向上させることができる。
また、上記のサスペンション装置10では、バンプストッパー5と一体に形成されたアッパーパッド4が、コイルスプリング1とアッパーシート7との間に挟み込まれて固定されており、すなわち、バンプストッパー5の外周がアッパーパッド4に支持された構造となっている。これにより、バンプストッパー5が変位,変形しようとしたときに、アッパーパッド4がその変位,変形を抑制する抵抗として作用する。
このように、バンプストッパー5の復元力だけでなくアッパーパッド4の復元力をも利用して、その変位,変形を抑制することができる。したがって、バンプストッパー5の頂面5bがアッパーシート7のベース部7eに近接する方向に移動することを効率的に阻止することができ、バンプストッパー5の緩衝機能を向上させることができる。例えば、バンプストッパー5の頂面5bがアッパーシート7のベース部7eに当接する前に、衝撃力をより減少させることができる。
また、アッパーパッド4とバンプストッパー5とを一体化することで、サスペンション装置10の部品点数を削減することができ、簡素な構成で製造コストを低減させることができる。
(2)また、上記のサスペンション装置10では、アッパーシート7の縦壁部7gの外周側に環状溝部7bが設けられ、その下面側にアッパーパッド4の環状溝部4bが隙間なく重合して配置される。これにより、バンプストッパー5に入力された衝撃力を、アッパーパッド4を介してアッパーシート7側に伝達することができ、衝撃力を縦壁部7gよりも外周側に分散させることができる。
また、例えばバンプストッパー5の頂面5bがアッパーシート7のベース部7eに近接する方向に移動しようとしたときには、アッパーシート7の環状溝部7bにアッパーパッド4の環状溝部4bが引っ掛かって密着するため、バンプストッパー5の移動が拘束される。このように、環状溝部7bの突出形状によってバンプストッパー5の変位をより確実に阻止することができ、バンプストッパー5の緩衝機能を向上させることができる。
また、図4に示すように、環状溝部7bのさらに外周側には、支持部7aが形成される。この支持部7aとコイルスプリング1との間に、アッパーパッド4の座面部4aが挟装される。このような一体成型部品3の固定構造により、図5(b)中に黒矢印で示すように、環状溝部7bの外周側の部分に半径方向外側への引張力を作用させることができ、アッパーパッド4の位置ずれを抑制することができる。
また、アッパーパッド4と一体に形成されたバンプストッパー5についても位置ずれが抑制されるため、例えば図5(b)に示すように比較的大きな衝撃力が作用した場合であっても、バンプストッパー5が縦壁部7g間に押し込まれにくくなり、バンプストッパー5とアッパーシート7との隙間寸法を確保しやすくすることができる。
(3)また、バンプストッパー5には筒軸Cと略平行な直線状表面部5cが設けられ、アッパーシート7には筒軸Cを中心とした中空円筒17の筒面をなす縦壁部7g(直線状面)が設けられる。言い換えると、バンプストッパー5には円筒15が設けられるとともにアッパーシート7には中空円筒17が設けられる。そして、中空円筒17に円筒15を嵌め込んで、円筒15の外筒面と中空円筒17の内筒面とを密着させることにより、嵌合時の圧接力を確保している。
このように、ショックアブソーバー2の伸縮方向に沿った筒面に対して、伸縮方向とは垂直な方向に圧接力を働かせることにより、バンプストッパー5とアッパーシート7との嵌合面をずれにくくすることができ、相対移動を抑制することができる。したがって、バンプストッパー5とアッパーシート7との隙間寸法をより確実に維持することができ、緩衝能力の低下を防ぐことができる。
(4)また、アッパーシート7の縦壁部7g間の距離Dが衝合面5dの直径Dよりも小さく設定されているため、図5(b)中に白抜き矢印で示すように、ショックアブソーバー2のシリンダー2aから伝達される衝撃力を環状溝部4b,7b側に伝達することができる。これにより、バンプストッパー5に入力された衝撃力を、縦壁部7gよりも外周側へとより確実に分散させることができ、バンプストッパー5の直線状表面部5cよりも内側に伝達される衝撃力を相対的に小さくすることができ、バンプストッパー5とアッパーシート7との隙間寸法を確保しやすくすることができる。
(5)また、上記のアッパーシート7では、筒軸Cと略平行な直線状に形成された縦壁部7gが中空円筒17の内筒面をなす部位として設けられており、すなわち、バンプストッパー5とアッパーシート7との嵌合面の形状が筒軸Cと同軸の円筒面となっている。これにより、バンプストッパー5側から入力される圧接力や衝撃力を等方的にアッパーシート7に分散させることができ、バンプストッパー5の位置ずれを抑制することができる。したがって、バンプストッパー5とアッパーシート7との隙間寸法を確保しやすくすることができる。
(6)また、上記のサスペンション装置10では、バンプストッパー5の内周面5aの最小内法寸法がロッド2bの直径よりも大きく設定されている。つまり、バンプストッパー5は、ロッド2bに対して固定されておらず、通常時は非接触の状態である。これにより、例えばショックアブソーバー2が伸縮動作を繰り返すうちに、バンプストッパー5の内周側がロッド2bの表面に引っ掛かってしまうようなことを回避することができ、バンプストッパー5の頂面5bとアッパーシート7のベース部7eとの間の隙間寸法を確保することができる。したがって、サスペンション装置10の緩衝能力を長期間高いまま維持することができる。また、ロッド2bとの接触による摩耗や摩擦音の発生を防止することができる。
[4.変形例]
上述した実施形態に関わらず、それらの趣旨を逸脱しない範囲で種々変形して実施することができる。本実施形態の各構成は、必要に応じて取捨選択することができ、あるいは適宜組み合わせてもよい。
例えば、上述の実施形態では、インシュレーター9を介してショックアブソーバー2が車体11に固定されたものを例示したが、ショックアブソーバー2と車体11,車輪等との接続手法は任意であって、インシュレーター9を省略してもよい。
また、上述の実施形態では、ショックアブソーバー2のシリンダー2aが車輪側に取り付けられ、ロッド2bが車体11側に取り付けられたものを例示したが、ショックアブソーバー2の取付姿勢を上下反転させることも可能である。コイルスプリング1,ショックアブソーバー2,一体成型部品3の相対的な位置関係が保たれていれば、これらのアッセンブリーの取付姿勢は任意に設定することができる。
また、上述の実施形態では、アッパーシート7の縦壁部7gが中空円筒17の内筒面上に配置されるものとされているが、縦壁部7gの立体形状はこれに限定されない。例えば、中空円筒17の代わりに中空四角柱状や中空六角柱状の部位を設け、その側面上に縦壁部7gが配置されるような構造を想定することも可能である。同様に、バンプストッパー5の直線状表面部5cの立体形状についても、円筒15の筒面形状ではなく、角柱の側面形状にしてもよい。中空円筒17及び円筒15のそれぞれの形状を適宜変更することで、アッパーシート7とバンプストッパー5との嵌合形状や、嵌合面に作用する圧接力の分布が変化する。少なくとも、アッパーシート7とバンプストッパー5との嵌合面の形状が筒軸Cの延在方向に延びる筒状であれば、筒軸Cを含む断面において、筒軸Cと略平行な直線状表面部5c,縦壁部7gを形成することができる。
また、上述の実施形態では、縦壁部7gとして断面図上に現れる中空円筒17が、これと同軸の円形である衝合面5dよりも小径に形成されたものを例示した。一方、縦壁部7gの具体的な配設位置はこれに限定されず、必ずしも中空円筒17と衝合面5dとが同軸である必要はない。少なくとも、衝合面5dの輪郭を筒軸C方向に延長した筒面の内側に縦壁部7gを配置すればよい。つまり、衝合面5dからバンプストッパー5に衝撃力が作用した時に、その衝撃力が環状溝部7bよりも外周側に伝達されるような形状とすればよい。
また、上記のサスペンション装置10の適用対象となるサスペンション形式は任意であり、例えばウィッシュボーンタイプやストラットタイプ,マルチリンクタイプ,トレーリングアームタイプといったさまざまな形式のサスペンションに適用することができる。少なくとも、伸縮式のショックアブソーバーとコイルスプリングとを同軸に配置したアッセンブリーを含むサスペンションであれば、その種類を問わず適用可能である。
1 コイルスプリング
2 ショックアブソーバー(アブソーバー)
2a シリンダー
2b ロッド
4 アッパーパッド(スプリングパッド)
4a 座面部
4b 環状溝部
5 バンプストッパー
5b 頂面
5c 直線状表面部
5d 衝合面
6 ダストカバー
7 アッパーシート(スプリングシート)
7a 支持部
7b 環状溝部
7e ベース部
7g 縦壁部(直線状面)
10 サスペンション装置

Claims (5)

  1. コイルスプリングの端部を支持するスプリングシートと、
    弾性材料からなり前記コイルスプリングと前記スプリングシートとの間に挟装されるスプリングパッドと、
    ロッド及びシリンダーを有し、前記コイルスプリングのコイル内に配置される伸縮式のアブソーバーと、
    前記ロッドが貫通可能な筒状をなして前記スプリングシートと前記シリンダーとの間に設けられ、前記アブソーバーの収縮時に前記シリンダーと衝合して前記アブソーバーの変位を規制するバンプストッパーと、を備えるサスペンション装置であって、
    前記スプリングシートが、前記バンプストッパーに対して前記アブソーバーの伸縮方向に対向するベース部と、前記ベース部の周縁から前記バンプストッパー側へ延びる筒状の縦壁部と、前記縦壁部の外周側で前記コイルスプリングの端部を支持する円環状の支持部とを有し、
    前記スプリングパッドが、前記バンプストッパーの周面から外周側に延設され、前記バンプストッパーと一体形成されるとともに、その外周側で前記コイルスプリングと前記スプリングシートとの間に介装される座面部を有し、
    前記バンプストッパーは、その一端部が前記ベース部に対して前記アブソーバーの伸縮方向に間隔を空けた状態で前記縦壁部の内側に嵌合固定される
    ことを特徴とする、サスペンション装置。
  2. 前記スプリングシートが、前記アブソーバー側に向かって膨出し、前記縦壁部の外周側に環状に形成された環状溝部を有し、
    前記スプリングパッドが、前記環状溝部における前記アブソーバー側の面に重合して配置される
    ことを特徴とする、請求項1記載のサスペンション装置。
  3. 前記縦壁部が、前記アブソーバーの前記ロッドと平行に延びる直線状面を有し、
    前記バンプストッパーが、前記直線状面に対して嵌合固定される
    ことを特徴とする、請求項1又は2記載のサスペンション装置。
  4. 前記バンプストッパーが、他端部に前記シリンダーと衝合する衝合面を有し、
    前記縦壁部が、前記衝合面の外形を前記アブソーバーの伸縮方向に延長した筒面よりも内側に形成される
    ことを特徴とする、請求項1〜3の何れか1項に記載のサスペンション装置。
  5. 前記縦壁部が、前記アブソーバーのシリンダー筒軸と同軸の円筒面上に配置される
    ことを特徴とする、請求項1〜4の何れか1項に記載のサスペンション装置。
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