JP2014117838A - 液体噴射ヘッド、および液体噴射装置 - Google Patents

液体噴射ヘッド、および液体噴射装置 Download PDF

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啓吾 山▲崎▼
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Abstract

【課題】気泡排出性を向上させることが可能な液体噴射ヘッド、および液体噴射装置を提供する。
【解決手段】ノズルからインクを噴射する際の記録ヘッドの姿勢における第1液室51の高さh1は、同姿勢における第2液室52の高さh2よりも高く、インク導入空部46から最も離れた第1液室の端部51aに連通する第2液室の連通部52aに、当該連通部の流路断面積を他の部分の流路断面積よりも小さくする仕切壁53が設けられ、第1液室の端部の最端から仕切壁までの距離Xが、第1液室の高さと第2液室の高さとの差(h1−h2=D)に対して0.5倍以上4倍以下に設定された。
【選択図】図11

Description

本発明は、インクジェット式記録ヘッドなどの液体噴射ヘッド、および液体噴射装置に関するものであり、特に、ノズルが複数列設されたノズル形成部材と、共通液室の一部となる液室空部および当該液室空部と圧力室とを連通する個別連通口が形成された共通液室形成部材とを備えた液体噴射ヘッド、および液体噴射装置に関する。
液体噴射装置は液体噴射ヘッドを備え、この噴射ヘッドから各種の液体を噴射する装置である。この液体噴射装置としては、例えば、インクジェット式プリンターやインクジェット式プロッター等の画像記録装置があるが、最近ではごく少量の液体を所定位置に正確に着弾させることができるという特長を生かして各種の製造装置にも応用されている。例えば、液晶ディスプレイ等のカラーフィルターを製造するディスプレイ製造装置,有機EL(Electro Luminescence)ディスプレイやFED(面発光ディスプレイ)等の電極を形成する電極形成装置,バイオチップ(生物化学素子)を製造するチップ製造装置に応用されている。そして、画像記録装置用の記録ヘッドでは液状のインクを噴射し、ディスプレイ製造装置用の色材噴射ヘッドではR(Red)・G(Green)・B(Blue)の各色材の溶液を噴射する。また、電極形成装置用の電極材噴射ヘッドでは液状の電極材料を噴射し、チップ製造装置用の生体有機物噴射ヘッドでは生体有機物の溶液を噴射する。
この種の液体噴射ヘッドには、例えば、ノズルが複数開設されたノズルプレート、各ノズルに連通する圧力室を含む個別流路および各圧力室に共通な液体が貯留される共通液室(リザーバー或いはマニホールドとも言う)の一部となる空部が形成された流路形成基板、各圧力室にそれぞれ対応して設けられた複数の圧電素子(圧力発生手段の一種)、および、各圧力室に共通な液体が貯留される共通液室となる共通液室空部が形成された共通液室形成基板を備えたものがある(例えば、特許文献1参照)。
近年では、ヘッド全体の小型化を図るべく種々の構成のものが提案されている。
図13は、従来の液体噴射ヘッドの構成の一例を示す図であり、(a)は要部断面図、(b)は下面側斜視図(ノズルプレートが接合されていない状態)、(c)は(b)における領域Xの拡大図である。なお、図13(a)に対して垂直な方向がノズル列方向である。この例において、符号55が、圧力室56が形成された流路形成基板、符号57が、ノズル58が開設されたノズルプレート、符号59が、圧力室56とノズル58とを連通するノズル連通路60が形成された連通基板であり、これらの部材を積層してヘッド本体部が構成されている。この構成では、共通液室61は、シリコン単結晶板から成る連通基板59に形成されている。
上記の構成において、共通液室61は、連通基板59の厚さ方向を貫通した貫通部63(第1液室)と、当該非貫通部63に隣接して形成された非貫通部64(第2液室)と、から構成されている。非貫通部64は、連通基板59の下面(ノズルプレート57との接合面)側から、上面側に肉薄部65を残した状態で連通基板59の厚さ方向の途中まで異方性エッチングによって形成された窪みである。そして、上記に肉薄部65が、例えばケース部材等の他の部材との接合代として機能する。また、この肉薄部65に、共通液室61と各圧力室56とを個別に連通する個別連通口66が開設されている。
特開2005−219243号公報
このような構成の液体噴射ヘッドでは、液体カートリッジ等の液体供給源からの液体が、貫通部63の上部開口から導入され、肉薄部65の下方の非貫通部64を通って個別連通口66を介して圧力室56に供給される。一般的には、貫通部63の長手方向(即ち、ノズル並設方向)中心部の上方に、インクが導入される導入口が配置されるので、非貫通部64から個別連通口66へ向かうインクの流速に関し、共通液室61の長手方向中央付近ほど速くなり、同方向における両端に向かうほど遅くなる。このため、図13(b)及び(c)に示すように、共通液室61の長手方向両端部で気泡Bが溜まりやすい。気泡Bには浮力が作用するので、貫通部63側から該貫通部63よりも重量方向で下方に位置する非貫通部64側に潜り込みにくく、貫通部63と非貫通部64との間の段差に気泡Bが滞留してしまう。この部分に滞留した気泡Bは、ノズル58からインクや気泡を強制的に吸引・排出する目的で行われる所謂クリーニング処理を実施しても排出が難しいという問題があった。
本発明は、このような事情に鑑みてなされたものであり、その目的は、気泡排出性を高めた液体噴射ヘッド、および液体噴射装置を提供することにある。
本発明の液体噴射ヘッドは、上記目的を達成するために提案されたものであり、液体が噴射される複数のノズルと、
液体が流入口を通じて流入する側の第1液室、および、該第1液室よりも前記ノズル側に位置する第2液室を互いに連通する状態で有する共通液室と、
を備えた液体噴射ヘッドであって、
前記ノズルから液体を噴射する際の液体噴射ヘッドの姿勢における前記第1液室の高さは、同姿勢における前記第2液室の高さよりも高く、
前記流入口から最も離れた前記第1液室の端部に連通する前記第2液室の連通部に、当該連通部の流路断面積を他の部分の流路断面積よりも小さくする仕切壁が設けられ、
前記第1液室の前記端部の最端から前記仕切壁までの距離が、前記第1液室の高さと前記第2液室の高さとの差に対して4倍以下に設定されたことを特徴とする。
本発明によれば、第1液室の端部から前記仕切壁までの距離が、前記第1液室の高さと前記第2液室の高さとの差に対して4倍以下に設定されたので、第1液室の端部に溜まった気泡の排出性をより向上させることが可能となる。特に、ノズルから液体や気泡を強制的に吸引・排出する目的で行われる所謂クリーニング処理を実施する際には、仕切壁によって画成される第2液室における連通部の第1液室51側の開口断面積が絞られているため、この部分の流速が他の部分よりも高まる。その結果、第1液室の端部に溜まった気泡が、当該気泡に作用する浮力に抗しつつ第1液室と第2液室との間の段差を通過して第1液室側に引き込まれやすくなる。したがって、クリーニング処理における液体の消費量を低減しつつ気泡排出性を向上させることが可能となる。
また、上記構成において、前記第1液室の前記端部の最端から前記仕切壁までの距離が、前記第1液室の高さに対して2.75倍以下、望ましくは2.25倍以下に設定される構成を採用することが望ましい。
当該構成によれば、第1液室の端部から仕切壁までの距離が、第1液室の高さに対して2.75倍以下、望ましくは2.25倍以下に設定することで、クリーニング時におけるインク消費量をより一層低減することが可能となる。
また、上記構成において、前記第1液室の前記端部の最端から前記仕切壁までの距離が、前記第1液室の高さに対して0.5倍以上に設定される構成を採用することが望ましい。
この構成によれば、第1液室の端部に溜まった気泡が却って通過しにくくなる不具合を防止することができる。
また、上記構成において、前記仕切壁は、前記第1液室側から前記ノズル側に向かう方向に沿って延在する構成を採用することが望ましい。
当該構成によれば、第1液室側から前記ノズル側に向かう方向に沿って延在する仕切壁により、気泡をノズル側に円滑に案内することができる。
また、上記構成において、前記仕切壁は、前記第1液室から離れている構成を採用することが望ましい。
当該構成によれば、仕切壁が第1液室側に突出しないので、仕切壁に気泡が引っ掛かる等して却って気泡の排出性を悪化させることが抑制される。
さらに、上記構成において、前記仕切壁は、前記流入口側とは反対側の共通液室の底面から離れている構成を採用することが望ましい。
この構成において、前記底面は、前記共通液室内の液体の圧力変動を吸収するダンパー部であり、
前記仕切壁は、前記ダンパー部から離れて設けられている構成とすることが望ましい。
当該構成によれば、仕切壁が共通液室の底面であるダンパー部に接触しないので、仕切壁がダンパー部の弾性変形を阻害することが抑制される。
また、本発明の液体噴射装置は、上記何れかの構成の液体噴射ヘッドを備えることを特徴とする。
プリンターの構成を説明する斜視図である。 記録ヘッドを斜め上方から観た分解斜視図である。 ヘッドユニットの断面図である。 図3における領域Aの拡大断面図である。 連通基板の下面側斜視図である。 連通基板の下面側平面図である。 第2の実施形態における連通基板の下面側斜視図である。 第3の実施形態における連通基板の下面側斜視図である。 第4の実施形態における連通基板の下面側斜視図である。 第5の実施形態における連通基板の下面側斜視図である。 第6の実施形態の構成を説明する図である。 第1液室の端部から仕切壁までの距離と、第1液室の端部に溜まった気泡の排出に必要なインク流量の関係を示すグラフである。 従来の液体噴射ヘッドの構成の一例を示す図である。
以下、本発明を実施するための形態を、添付図面を参照して説明する。なお、以下に述べる実施の形態では、本発明の好適な具体例として種々の限定がされているが、本発明の範囲は、以下の説明において特に本発明を限定する旨の記載がない限り、これらの態様に限られるものではない。また、以下の説明は、本発明の液体噴射装置として、インクジェット式記録ヘッド(以下、記録ヘッド)を搭載したインクジェット式プリンター(以下、プリンター)を例に挙げて行う。
プリンター1の構成について、図1を参照して説明する。プリンター1は、記録紙等の記録媒体2(着弾対象の一種)の表面に対して液体状のインクを噴射して画像等の記録を行う装置である。このプリンター1は、インクを噴射する記録ヘッド3、この記録ヘッド3が取り付けられるキャリッジ4、キャリッジ4を主走査方向に移動させるキャリッジ移動機構5、記録媒体2を副走査方向に移送するプラテンローラー6等を備えている。ここで、上記のインクは、本発明の液体の一種であり、液体供給源としてのインクカートリッジ7に貯留されている。このインクカートリッジ7は、記録ヘッド3に対して着脱可能に装着される。なお、インクカートリッジ7がプリンター1の本体側に配置され、当該インクカートリッジ7からインク供給チューブを通じて記録ヘッド3に供給される構成を採用することもできる。
上記のキャリッジ移動機構5はタイミングベルト8を備えている。そして、このタイミングベルト8はDCモーター等のパルスモーター9により駆動される。従ってパルスモーター9が作動すると、キャリッジ4は、プリンター1に架設されたガイドロッド10に案内されて、主走査方向(記録媒体2の幅方向)に往復移動する。
図2は、上記記録ヘッド3の構成を示す分解斜視図である。本実施形態における記録ヘッド3は、ケース15と、複数のヘッドユニット16と、ユニット固定板17と、ヘッドカバー18とにより概略構成されている。
ケース15は、複数のヘッドユニット16や、当該ヘッドユニット16へインクを供給する供給流路(図示せず)を備える箱体状部材であり、上面側に針ホルダー19が形成されている。この針ホルダー19は、インク導入針20が立設された部材であり、本実施形態においては各色のインクカートリッジ7のインクに対応させて合計8本のインク導入針20がこの針ホルダー19に横並びに配設されている。このインク導入針20は、インクカートリッジ7内に挿入される中空針状の部材であり、先端部に開設された導入孔(図示せず)からインクカートリッジ7内に貯留されたインクをケース15内の供給流路を通じてヘッドユニット16側に導入する。
また、ケース15の底面側には、4つのヘッドユニット16が、主走査方向に横並びに位置決めされた状態で各ヘッドユニット16に対応した4つの開口部17′を有する金属製のユニット固定板17に接合されると共に、同じく各ヘッドユニット16に対応する4つの開口部18′が開設された金属製のヘッドカバー18によって固定される。
図3は、ヘッドユニット16(本発明の液体噴射ヘッドの一種)の内部構成を示す断面図である。また、図4は、図3における領域Aの拡大図である。なお、便宜上、各部材の積層方向を上下方向として説明する。本実施形態におけるヘッドユニット16は、圧力発生ユニット14および流路ユニット21を備え、これらの部材が積層された状態でユニットケース26(ケース部材の一種)に取り付けて構成されている。流路ユニット21は、ノズルプレート22(ノズル形成部材の一種)、及び、連通基板23(共通液室形成部材の一種)を有している。また、圧力発生ユニット14は、圧力室31が形成された圧力室形成基板(圧力室形成部材の一種)29、弾性膜30、圧電素子35(圧力発生手段)、および保護基板24が積層されてユニット化されている。
ユニットケース26は、ノズルプレート22、および圧力発生ユニット14が接合された連通基板23が底面側に固定される合成樹脂製の箱体状部材である。このユニットケース26の平面視における中心部分にはノズル列方向に沿って長尺な矩形状の開口を有する貫通空部44が、ユニットケース26の高さ方向を貫通する状態で形成されている。この貫通空部44は、圧力発生ユニット14の配線空部38と連通して、フレキシブルケーブル49の一端部および駆動IC50(何れも後述)が収容される空部を形成する。また、ユニットケース26の下面側には、当該下面からユニットケース26の高さ方向の途中まで直方体状に窪んだ収容空部47が形成されている。この収容空部47の深さは、圧力発生ユニット14の厚さ(高さ)よりも少し大きく設定されている。また、収容空部47の第1方向の寸法および第2方向の寸法は、それぞれ、圧力発生ユニット14の対応する方向の寸法よりも少し大きく設定されている。そして、流路ユニット21がユニットケース26の下面に位置決め状態で接合されると、連通基板23上に積層された圧力発生ユニット14が収容空部47に収容される。また、上記の貫通空部44の下端は、収容空部47の天井面に開口している。
ユニットケース26には、インク導入空部46およびインク導入路45が形成されている。インク導入路45は、インク導入空部46と比較して断面積が小さく設定された細い流路であり、その上端はユニットケース26の上面に開口し、下端はインク導入空部46の長手方向の中央部分、すなわち、後述する共通液室32の第1液室51の長手方向の中央部分に対応する位置に開口している。この開口部分は、本発明における流入口に相当する。そして、インクカートリッジ7側からのインクは、インク導入路45を通じて、インク導入空部46に流入し、当該インク導入空部46から連通基板23の共通液室32に導入される。
インク導入空部46は、ユニットケース26における収容空部47に対して隔壁48を間に挟んで第2の方向の外側に外れた位置に形成されている。より具体的には、連通基板23の共通液室32に対応して、収容空部47の両側にそれぞれ1つずつ、合計2つのインク導入空部46が形成されている。そして、ユニットケース26に連通基板23が接合された状態では、各インク導入空部46は、対応する共通液室32とそれぞれ連通する。収容空部47とインク導入空部46とを隔てる隔壁48は、連通基板23の肉薄部40に対応する位置に形成されている。ユニットケース26と連通基板23との接合時においては、隔壁48の下面と肉薄部40の上面とが互いに接合される。このように構成することで、収容空部47が、インク導入空部46等の流路から独立した空間となる。ここで、従来では、圧力発生ユニットにも共通液室に相当する空部が設けられていたのに対し、本実施形態の構成では、圧力発生ユニット14に共通液室に相当する空部を設けることなく当該圧力発生ユニット14の小型化が図られている。この小型化に伴い、収容空部47を流路から独立した空間とするために、インク導入空部46と収容空部47との間に隔壁48が設けられ、当該隔壁48の下面と連通基板23の肉薄部40の上面とが互いに接合される構成となっている。これに応じて、本発明に係るヘッドユニット16では、共通液室32の第2液室52の上面側に肉薄部40が設けられている。
圧力発生ユニット14の構成部材である圧力室形成基板29は、シリコン単結晶基板(結晶性基板の一種。以下、単にシリコン基板とも言う。)から作製されている。この圧力室形成基板29には、シリコン基板に対して異方性エッチング処理によって複数の圧力室31が、ノズルプレート22の各ノズル27に対応して複数形成されている。このように、シリコン基板に対して異方性エッチングによって圧力室を形成することで、より高い寸法・形状精度を確保することができる。後述するように、本実施形態におけるノズルプレート22にはノズル27の列が2条形成されているので、圧力室形成基板29には、圧力室31の列が各ノズル列に対応して2条形成されている。圧力室31は、ノズル27の並設方向(第1の方向)に直交する方向(第2の方向)に長尺な空部である。圧力室形成基板29(圧力発生ユニット14)が後述する連通基板23に対して位置決めされた状態で接合されると、圧力室31の第2の方向の一端部は、後述する連通基板23のノズル連通路36を介してノズル27と連通する。また、圧力室31の第2の方向の他端部は、連通基板23の個別連通口42を介して共通液室32と連通する。
圧力室形成基板29の上面(連通基板23との接合面とは反対側の面)には、圧力室31の上部開口を封止する状態で弾性膜30が形成されている。この弾性膜30は、例えば厚さが約1μmの二酸化シリコンから構成される。また、この弾性膜30上には、図示しない絶縁膜が形成される。この絶縁膜は、例えば、酸化ジルコニウムから成る。そして、この弾性膜30および絶縁膜上における各圧力室31に対応する位置に、圧電素子35がそれぞれ形成される。圧電素子35は、所謂撓みモードの圧電素子である。この圧電素子35は、弾性膜30および絶縁膜上に、金属製の下電極膜、チタン酸ジルコン酸鉛(PZT)等からなる圧電体層、および、金属製の上電極膜(何れも図示せず)が順次積層された後に、圧力室31毎にパターニングされて構成される。そして、上電極膜または下電極膜の一方が共通電極とされ、他方が個別電極とされる。また、弾性膜30、絶縁膜、および下電極膜が、圧電素子35の駆動時に振動板として機能する。
各圧電素子35の個別電極(上電極膜)からは、図示しない電極配線部が絶縁膜上にそれぞれ延出されており、これらの電極配線部の電極端子に相当する部分に、フレキシブルケーブル49の一端側の端子が接続される。このフレキシブルケーブル49は、例えば、ポリイミド等のベースフィルムの表面に銅箔等で導体パターンを形成し、この導体パターンをレジストで被覆した構成とされる。フレキシブルケーブル49の表面には、圧電素子35を駆動する駆動IC50が実装されている。各圧電素子35は、駆動IC50を通じて上電極膜および下電極膜間に駆動信号(駆動電圧)が印加されることにより、撓み変形する。
上記圧電素子35が形成された連通基板23の上面には保護基板24が配置される。この保護基板24は下面側が開口した中空箱体状の部材であり、例えば、ガラス、セラミックス材料、シリコン単結晶基板、金属、合成樹脂等から作製される。この保護基板24の内部には、圧電素子35に対向する領域に当該圧電素子35の駆動を阻害しない程度の大きさの逃げ凹部39が形成されている。さらに、保護基板24において、隣り合う圧電素子列の間には、基板厚さ方向を貫通した配線空部38が形成されている。この配線空部38内には、圧電素子35の電極端子とフレキシブルケーブル49の一端部とが配置される。
上記のノズルプレート22は、ドット形成密度に対応したピッチで複数のノズル27を列状に開設した板材である。本実施形態では、360dpiに対応するピッチで360個のノズル27を列設することでノズル列(ノズル群の一種)が構成されている。本実施形態においては、当該ノズルプレート22に2条のノズル列が形成されている。本実施形態におけるノズルプレート22はシリコン基板から作製されている。そして、当該基板に対してドライエッチングを施すことにより円筒形状のノズル27が形成されている。このようにノズル27をドライエッチングによって形成することで、例えば、ステンレス鋼等の金属製の板材に対して塑性加工によりノズルを形成する構成と比較して、より高い精度でノズル27を形成することが可能となる。これにより、ノズル27から噴射されるインクの着弾精度が向上する。
図5及び図6は、連通基板23の構成を説明する図であり、図5はノズルプレート22が接合される側の下面(第1の面)側から見た斜視図、図6は連通基板23の第1の方向(ノズル並設方向)両端部の下面側平面図である。なお、図5は、通液室32の第1の方向の両端部のうちの一方の端部のみを図示している(後述する図7〜図11も同様)。この連通基板23は、シリコン基板から作製された板材である。この連通基板23には、共通液室32が、異方性エッチングによって形成されている。この共通液室32は、各圧力室31の並設方向(即ち第1の方向)に沿って長尺な空部である。共通液室32は、連通基板23の板厚方向を貫通した第1液室51(貫通部)と、連通基板23の下面側から上面(第2の面)側に向けて当該共通液室形成部材23の板厚方向の途中まで上面側に肉薄部40を残した状態で形成された第2液室52(非貫通部)と、から構成される。
連通基板23の上面側における第1液室51の開口は、インクが導入される入口開口部として機能する。すなわち、ユニットケース26に形成されたインク導入路45およびインク導入空部46側からのインクが、入口開口部を通じて第1液室51内に流入する。また、第1液室51の下面側の開口は、ノズルプレート22によって塞がれる。なお、第1液室51の下面側の開口が弾性シート(コンプライアンスシート)によって塞がれる構成もある。この第1液室51の長手方向、即ち、第1の方向の両端部は、それぞれの端部に向かうほど次第に狭くなるように形成されている。より具体的には、第1液室51の両端部において、当該第1液室51を画成している互いに対向する壁面の少なくとも一方が、第1の方向の端部に向かうほど他方に近接するように傾斜している。このように、第1液室51の両端部の開口形状を先細りにすることで、当該第1液室51の両端部におけるインクの流速の低下を抑制することができる。したがって、個別連通口42を通じて各圧力室31へ供給するインクの供給圧を揃えることができる。
第2液室52は、第1液室51に隣接する状態に形成された窪みである。この第2液室52は、第1液室51よりもノズル27側に位置している。上記の肉薄部40は、当該第2液室52の天井面を構成する。この第2液室52の第2の方向における一端部(ノズル27から遠い側の端部)は、第1液室51と連通する一方、同方向の他端部は、圧力室31の下方に対応する位置に形成されている。この第2液室52の他端部、すなわち、第1液室側51とは反対側の縁部には、肉薄部40を貫通する個別連通口42が、圧力室形成基板29の各圧力室31に対応して第1の方向に沿って複数形成されている。この個別連通口42の下端は、第2液室52と連通し、個別連通口42の上端は、圧力室形成基板29の圧力室31と連通する。ここで、第1液室51は、連通基板23を貫通する状態で形成されているのに対し、第2液室52は、連通基板23の下面側から上面側に向けて当該共通液室形成部材23の板厚方向の途中まで形成されているので、使用時、すなわち、記録媒体2に対してノズル27からインクを噴射して画像等を記録する際の記録ヘッド3の姿勢における第1液室51の高さは、第2液室52の高さよりも高い。このため、第1液室51と第2液室52との間には段差が生じている。
本実施形態における第2液室52の長手方向の両端部、即ち、肉薄部40の第1の方向の両端部には、隣り合う個別連通口42同士を仕切る仕切壁53が形成されている。この仕切壁53は、第1液室51と第2液室52の境界部分から個別連通口側の側壁面まで連続する(すなわち、第1液室51側からノズル27側に向かう方向に沿って延在する)壁であり、肉薄部40の下面(第2液室52の天井面)から連通基板23の下面に向けて突出している。すなわち、本実施形態における仕切壁53の高さは第2液室52の深さと同一に設定され、その上端面は連通基板23の下面と同一面上に位置している。また、本実施形態における仕切壁53は、肉薄部40の第1の方向の両端部の所定の範囲、具体的には、共通液室32において気泡が溜まりやすい範囲に、個別連通口42を1つずつ仕切るように複数配置されている。このように、仕切壁53によって第1液室51側から個別連通口42に向かう細長い流路が共通液室32内で部分的に形成されている。この仕切壁53によって仕切られて形成される細長い流路の断面積は、仕切壁53が設けられていない中央部分の流路の断面積と比べて小さいので、仕切壁53を設けない構成と比較して個別連通口42に向かって流れるインクの流速が高められる。これにより、第1液室51に滞留する気泡を上記の比較的速い流速の流れに乗せて排出させやすくすることができる。本実施形態では、このような仕切壁53を第2液室52の長手方向の両端部、即ち、肉薄部40の第1の方向の両端部に設けているので、共通液室32(第1液室51)の第1方向の両端部に滞留する気泡を排出させやすくすることができる。特に、ノズル27からインクや気泡を強制的に吸引・排出する目的で行われる所謂クリーニング処理を実施する際には、仕切壁53によって画成される流路の第1液室51側の開口が吸い込み口となってインクや気泡を吸引する。その結果、共通液室32(第1液室51)の第1方向の両端部に滞留する気泡が、当該気泡に作用する浮力に抗しつつ第1液室51と第2液室52との間の段差を通過して個別連通口42側に引き込まれやすくなる。したがって、気泡排出性を向上させることが可能となる。
上記の構成のヘッドユニット16を製造する際には、まず、圧力室形成基板29(圧力室31が形成されていない状態のシリコン基板)の上面に弾性膜30、絶縁膜が順次形成された後、圧電素子35が焼成により形成される。この上に、逃げ凹部39に圧電素子35が収容される状態で保護基板24が接合される。そしてこの状態で、圧力室形成基板29の下面側から異方性エッチングによって圧力室31が形成される。このように、圧力室形成基板29に圧力室31が形成される前の段階で、当該圧力室形成基板29の上面側に圧電素子35および保護基板24を積層してユニット化しておくことで、圧力発生ユニット14の組み立て工程中に圧力室形成基板29が破損することが抑制される。
次に、連通基板23に対し、異方性エッチングによって共通液室32(第1液室51および第2液室52)、個別連通口42、ノズル連通路36、および、仕切壁53が形成される。そして、ノズル連通路36とノズル27とが連通する状態で、連通基板23の下面にノズルプレート22が接着により接合される。このようにして流路ユニット21がユニット化される。続いて、この流路ユニット21における連通基板23の上面に、上記の圧力発生ユニット14が接合される。具体的には、圧力室31の第2の方向の一端部がノズル連通路36と連通すると共に、圧力室31の第2の方向の他端部が個別連通口42と連通する状態で、流路基板23の上面に、圧力発生ユニット14の圧力室形成基板29が接着剤によって接合される。
流路ユニット21と圧力発生ユニット14が組み付けられたならば、保護基板24の配線空部を通じて各圧電素子35の電極端子に対してフレキシブルケーブル49の配線が行われる。即ち、各圧電素子35の電極端子に相当する部分に、フレキシブルケーブル49の一端部の端子がそれぞれ電気的に接続される。
続いて、連通基板23とユニットケース26とが接着剤により接合される。具体的には、連通基板23の上面とユニットケース26の下面とが、接着剤によって接合される。流路ユニット21とユニットケース26とが接合されると、収容空部47内に圧力発生ユニット14が収容されると共に、インク導入空部46と共通液室32の第1液室51とが液密に連通する。また、フレキシブルケーブル49の一端部および駆動IC50は、ユニットケース26の貫通空部44内に収容される。これにより、ヘッドユニット16が組み上がる。そして、ヘッドユニット16の内部には、インク導入路45から共通液室32までの一連の共通流路と、個別連通口42から圧力室31およびノズル連通路36を通ってノズル27に至るまでの個別流路と、が形成される。本実施形態においては、第2液室52の長手方向の両端部の所定の範囲に、隣り合う個別連通口42同士を仕切る仕切壁53が形成されているので、当該仕切壁53によって個別連通口42毎に形成される流路も個別流路の一部と言える。
ところで、本発明は、上記した実施形態に限定されるものではなく、特許請求の範囲の記載に基づいて種々の変形が可能である。
例えば、仕切壁53の高さに関し、上記実施形態では、第2液室52の深さと同一に設定され、その上端面が、連通基板23の下面と同一面上に位置する構成を例示したが、必ずしも第2液室52の深さと同一には限られない。図7に例示する第2の実施形態では、仕切壁53の高さが第2液室52の深さよりも低く(例えば、半分程度に)設定され。仕切壁53の上端面は、連通基板23の下面と肉薄部40の下面との間に位置している。このように、仕切壁53の高さが第2液室52の深さよりも低くても、気泡排出性の向上が得られる。
また、上記第1の実施形態では、個別連通口42を1つずつ仕切るように仕切壁53を形成した構成を例示したが、これには限られない。図8に示す第3実施形態では、複数の個別連通口42毎に仕切壁53が設けられている。この例では、隣り合う3つの個別連通口42を一グループとして、隣り合うグループ間を仕切るように仕切壁53が設けられている。この構成においても、上記各実施形態と同様の作用効果を奏する。
さらに、上記各実施形態では、仕切壁53が、第1液室51側から個別連通口42に向けて平面視で直線状に形成された構成を例示したが、これには限られない。図9に示す第4の実施形態では、仕切壁53の途中から第1液室51側の部分(端部53a)が、共通液室32の第1方向の端部に向けて、仕切壁53の途中から個別連通口42側の端部に対して(すなわち、第2の方向に対して)傾斜している点に特徴を有している。本実施形態では、肉薄部40の第1方向の両端部に、それぞれの端部に向けて傾斜した仕切壁53が設けられている。また、図10に示す第5の実施形態では、肉薄部40の第1の方向全長に渡って仕切壁53が一定の間隔で複数配置されている。この構成において、共通液室32の第1の方向両端に近い仕切壁53ほど、端部53aの傾斜角度が大きくなっている。これらの第4の実施形態或いは第5の実施形態では、共通液室32の第1方向の両端部に滞留する気泡が仕切壁53に案内されて個別連通口42側に誘導され易くなる。これにより、仕切壁52によって共通液室32の第1方向の両端部に滞留する気泡の排出性をより向上させることができる。特に、第1の方向における両端に位置する仕切壁53と、共通液室32を区画する第1の方向の両側の内壁との間隔が、個別連通口42側から第1液室51側に向かって次第に近接することで、両者の間に画成される流路の幅が狭くなり、当該部分の流速が高められる。これにより、共通液室32の両端部に滞留する気泡を個別連通口42側に引き込みやすくすることができ、気泡の排出性の向上に寄与する。なお、仕切壁53全体が傾斜する構成であっても良いし、仕切壁53が複数段階的に傾斜する構成であっても良い。後者の場合、第1液室51に近づく程、傾斜角度が次第に大きくなることが望ましい。
図11は、本発明の第6の実施形態の構成を説明する図であり、(a)は連通基板23の平面図、(b)は(a)のA−A線における記録ヘッド3の要部断面図、(c)は(a)のB−B線における記録ヘッド3の要部断面図である。
本実施形態における連通基板23における共通液室32の下面側開口は、可撓性を有するコンプライアンスシート54によって塞がれている。このコンプライアンスシート54は、共通液室23に生じる圧力変動に応じて弾性変形することで、当該圧力変動を吸収するダンパー部として機能する。
第1液室51は、連通基板23を貫通する状態で形成されているのに対し、第2液室52は、連通基板23の下面側から上面側に向けて当該共通液室形成部材23の板厚方向の途中まで形成されているので、使用時、すなわち、記録媒体2に対してノズル27からインクを噴射して画像等を記録する際の記録ヘッド3の姿勢における第1液室51の高さは、第2液室52の高さよりも高い。このため、第1液室51と第2液室52との間には段差が生じている。そして、第1液室51の高さをh1、第2液室52の高さをh2とし、この段差の高さDは、D=h1−h2と表される。
上記各実施形態と同様に、本実施形態における第2液室52において、第1液室51の長手方向両端部51aと連通する連通部52aの天井面(肉薄部40)には、当該連通部52aの流路断面積を他の部分(連通部52aよりも中央側)の流路断面積よりも小さくする仕切壁53が設けられている。この仕切壁53は、第1液室51側からノズル27側の個別連通口42に向かって延びる壁であり、肉薄部40の下面(第2液室52の天井面)から連通基板23の下面に向けて突出している。このように、第1液室51側からノズル27側に向かって延びる仕切壁53によって、インクや気泡をノズル27側に円滑に案内することができる。本実施形態における仕切壁53の高さは第2液室52の高さh2よりも少し低く設定されている。このため、仕切壁53の下端面はコンプライアンスシート54から僅かに離れている。これにより、仕切壁53が、ダンパー部として機能するコンプアインスシート54の弾性変形を阻害しないように構成されている。また、本実施形態における仕切壁53の第1液室51側の端部は、当該第1液室51から僅かに離れている。すなわち、仕切壁53が、第1液室51側に突出しないように構成されている。これにより、仕切壁53に気泡Bが引っ掛かる等して却って気泡Bの排出性を悪化させることが抑制されている。
ここで、インクが流入される流入口としてのインク導入路45の下流側開口から最も離れた第1液室51の長手方向両端部51aでは、インク導入路45の下流側開口に近い部分と比較してインクの流速が低下しやすい。しかも、第1液室51と第2液室52との間には段差Dがあるため、この第1液室51の両端部51aに気泡Bbが溜まりやすい。この気泡Bbの直径は、概ね段差Dの2倍程度となる。すなわち、段差Dよりも極端に小さい直径の気泡は、インクの流れに乗って第2液室52側に流れやすい。逆に直径が段差Dの2倍よりも極端に大きい気泡は、この流路全体を閉塞するので、クリーニング処理などにより比較的高い流速では流れやすくなる。このため、段差Dの2倍程度の直径の気泡Bbが端部51aに溜まりやすい傾向となる。
第1液室51の端部51aに溜まった気泡Bbの気泡排出性を向上させるには、仕切壁53の形成位置が重要となる。本実施形態における構成は、第1液室51の端部51aから仕切壁53までの距離Xが、段差Dに対して0.5倍以上で少なくとも4倍以下(D/2≦X≦4D)の範囲内に設定される点に特徴を有している。
図12は、第1液室51の端部51aの最端から仕切壁53までの距離Xと、第1液室51の端部51aに溜まった気泡Bbの排出に必要なインク流量〔g/s:1ノズル列あたり〕の関係を示すグラフである。仕切壁53が無い従来の構成では、気泡排出必要流量が0.24〔g/s〕であったところ、上記距離X=4Dとなるような位置に仕切壁53を設けた場合、気泡排出必要流量が0.18〔g/s〕となり、従来と比べて流量を25%抑えることができる。なお、上記距離Xが4Dよりも大きい場合、気泡排出必要流量が、仕切壁53が無い従来の構成と同程度となるため、距離Xは少なくとも4D以下であることが望ましい。また、上記距離X=2.75Dとなるような位置に仕切壁53を設けた場合、気泡排出必要流量が0.12〔g/s〕となり、従来と比べて流量を50%抑えることができる。したがって、距離Xは2.75D以下であることがより望ましい。気泡排出必要流量をさらに抑えるには、距離Xは2.25D以下であることが一層望ましい。この場合、気泡排出必要流量が0.09〔g/s〕となり、従来と比べて流量を37.5%抑えることができる。したがって、クリーニング時における気泡排出性を確保しつつインク消費量をより一層低減することが可能となる。なお、上記距離XがD/2よりも小さい場合、気泡Bbが却って通過しにくくなるため、距離Xは少なくともD/2以上であることが望ましい。
このように、本実施形態では、第1液室51の端部51aから仕切壁53までの距離Xを上記のように規定することにより、第1液室51の端部51aに溜まった気泡Bbの排出性をより向上させることが可能となる。特に、ノズル27からインクや気泡を強制的に吸引・排出する目的で行われる所謂クリーニング処理を実施する際には、仕切壁53によって画成される第2液室52における連通部52aの第1液室51側の開口断面積が絞られているため、この部分の流速が他の部分よりも高まる。その結果、第1液室51の端部51aに溜まった気泡Bbが、当該気泡Bbに作用する浮力に抗しつつ第1液室51と第2液室52との間の段差Dを通過して個別連通口42側に引き込まれやすくなる。したがって、インク消費量を抑えつつ気泡排出性を向上させることが可能となる。
なお、第1液室51の端部51aから仕切壁53までの距離Xの規定は、上記第1の実施形態から第5の実施形態にも適用することができる。
そして、上記各実施形態では、圧力発生手段として、所謂撓み振動型の圧電素子35を例示したが、これには限られず、例えば、所謂縦振動型の圧電素子を採用することも可能である。その他、圧力発生手段としては、発熱によりインク内に気泡を発生させることで圧力変動を生じさせる発熱素子や、静電気力により圧力室の区画壁を変位させることで圧力変動を生じさせる静電アクチュエーターなどの圧力発生手段を採用する構成においても本発明を適用することが可能である。
また、各部材の材質も上述のものに限られない。例えば、シリコンの単結晶を用いずにステンレスやセラミックス等の他の材質を用いてもよい。
さらに、インク導入路45が共通液室32の第1液室51の長手方向の中央部分に対応する位置に開口しているものに限られず、インク導入路45が第1液室51の長手方向の端部近傍に対応する位置に開口していてもよい。この場合、インクの流れる勢いが弱く気泡を排出しにくいインク導入路45から長手方向遠い側に隔壁を設け、インクの流れる勢いが強く気泡を排出しやすいインク導入路45から長手方向近い側には隔壁を設けないようにしてもよい。
また、以上では、液体噴射ヘッドの一種であるインクジェット式記録ヘッド3(ヘッドユニット16)を例に挙げて説明したが、本発明は、液体が、第1液室の上部開口から導入され、第2液室の天井面である肉薄部の下方を通って個別連通口を介して圧力室に供給される構成を採用する他の液体噴射ヘッドにも適用することができる。例えば、液晶ディスプレイ等のカラーフィルターの製造に用いられる色材噴射ヘッド、有機EL(Electro Luminescence)ディスプレイ、FED(面発光ディスプレイ)等の電極形成に用いられる電極材噴射ヘッド、バイオチップ(生物化学素子)の製造に用いられる生体有機物噴射ヘッド等にも本発明を適用することができる。
1…プリンター,3…記録ヘッド,14…圧力発生ユニット,16…ヘッドユニット,21…流路ユニット,22…ノズルプレート,23…連通基板,26…ユニットケース,27…ノズル,29…圧力室形成基板,31…圧力室,32…共通液室,35…圧電素子,40…肉薄部,41…共通連通路,42…個別連通口,51…第1液室,52…第2液室,53…仕切壁

Claims (8)

  1. 液体が噴射される複数のノズルと、
    液体が流入口を通じて流入する側の第1液室、および、該第1液室よりも前記ノズル側に位置する第2液室を互いに連通する状態で有する共通液室と、
    を備えた液体噴射ヘッドであって、
    前記ノズルから液体を噴射する際の液体噴射ヘッドの姿勢における前記第1液室の高さは、同姿勢における前記第2液室の高さよりも高く、
    前記流入口から最も離れた前記第1液室の端部に連通する前記第2液室の連通部に、当該連通部の流路断面積を他の部分の流路断面積よりも小さくする仕切壁が設けられ、
    前記第1液室の前記端部の最端から前記仕切壁までの距離が、前記第1液室の高さと前記第2液室の高さとの差に対して4倍以下に設定されたことを特徴とする液体噴射ヘッド。
  2. 前記第1液室の前記端部の最端から前記仕切壁までの距離が、前記第1液室の高さに対して2.75倍以下、望ましくは2.25倍以下に設定されたことを特徴とする請求項1に記載の液体噴射ヘッド。
  3. 前記第1液室の前記端部の最端から前記仕切壁までの距離が、前記第1液室の高さに対して0.5倍以上に設定されたことを特徴とする請求項1又は2に記載の液体噴射ヘッド。
  4. 前記仕切壁は、前記第1液室側から前記ノズル側に向かう方向に沿って延在することを特徴とする請求項1から請求項3の何れか一項に記載の液体噴射ヘッド。
  5. 前記仕切壁は、前記第1液室から離れて設けられたことを特徴とする請求項1から請求項4の何れか一項に記載の液体噴射ヘッド。
  6. 前記仕切壁は、前記流入口側とは反対側の共通液室の底面から離れて設けられたことを特徴とする請求項1から請求項5の何れか一項に記載の液体噴射ヘッド。
  7. 前記底面は、前記共通液室内の液体の圧力変動を吸収するダンパー部であり、
    前記仕切壁は、前記ダンパー部から離れて設けられていることを特徴とする請求項6に記載の液体噴射ヘッド。
  8. 請求項1から請求項7の何れか一項に記載の液体噴射ヘッドを備えることを特徴とする液体噴射装置。
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