JP2016150488A - 液体噴射ヘッドおよび液体噴射装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】相対的に大径の流路と、該流路に連通する小径の流路とを有す場合における両者の連通部における気泡の排出を簡単な構造で容易に行うことができる液体噴射ヘッドを提供する。【解決手段】流路となる共通液室32を介して液体が充填される圧力発生室31の前記液体に圧力を付与することによりノズル27を介して液滴を噴射する液体噴射ヘッド1であって、共通液室32は、相対的に大径の流路である第1液室51と、第1液室51に連通する小径の流路である第2液室52とを有するとともに、第2液室52の表面の少なくとも一部が撥水処理されている。【選択図】 図2
Description
本発明は、インクジェット式記録ヘッドなどの液体噴射ヘッド、および液体噴射装置に関するものであり、特に相対的に大径の流路と、該流路に連通する小径の流路とを有する場合に適用して有用なものである。
液体噴射装置は液体噴射ヘッドを備え、この液体噴射ヘッドから各種の液体を噴射する装置である。この種の液体噴射ヘッドには、例えば、ノズルが複数開設されたノズルプレート、各ノズルに連通する圧力発生室を含む個別流路および各圧力発生室に共通な液体が貯留される共通液室(リザーバー或いはマニホールドとも言う)となる流路が形成された流路形成基板、各圧力発生室にそれぞれ対応して設けられた複数の圧電素子(圧力発生手段の一種)を備えたものがある。
近年では、ヘッド全体の小型化を図るべく種々の構成のものが提案されており、その一種として、特許文献1が存在する。特許文献1は、液体が噴射される複数のノズルと、液体がノズル列の中央部に形成された流入口と、該流入口側の流路となる第1液室および該第1液室より相対的に小径の流路として前記ノズル側に位置する第2液室を互いに連通してなる共通液室と、を備えた液体噴射ヘッドを開示する。かかる構造において、前記流入口を介して共通液室の第1液室に流入した液体はノズル列方向に広がりながら第1液室内を流れ、第2液室へと流れ込む。
ここで、前記ノズルから液体を噴射する際の液体噴射ヘッドの姿勢における前記第1液室の高さは、同姿勢における前記第2液室の高さよりも高くなるように形成してあり、前記流入口から前記ノズル列方向に関し、最も離れた前記第1液室の端部に連通する前記第2液室の連通部に、当該連通部の流路断面積を他の部分の流路断面積よりも小さくする仕切壁が設けられている。この結果、前記第1液室の前記端部の最端から前記仕切壁までの距離が、前記第1液室の高さと前記第2液室の高さとの差に対して4倍以下に設定されたものとなっている。
かかる特許文献1によれば、第1液室の端部から前記仕切壁までの距離が、前記第1液室の高さと前記第2液室の高さとの差に対して4倍以下に設定されているので、第1液室の端部に溜まった気泡の排出性をより向上させることが可能となる。特に、ノズルから液体や気泡を強制的に吸引・排出する目的で行われる所謂クリーニング処理を実施する際には、仕切壁によって画成される第2液室における連通部の第1液室側の開口断面積が絞られているため、この部分の流速が他の部分よりも高まる。その結果、第1液室の端部に溜まった気泡が、当該気泡に作用する浮力に抗しつつ第1液室と第2液室との間の段差を通過して第1液室側に引き込まれやすくなる。したがって、クリーニング処理における液体の消費量を低減しつつ気泡排出性を向上させることが可能となる。
ところが、特許文献1では、共通液室の第1液室から第2液室に向かう液体の流速が、共通液室のノズル列に沿う両端部よりも中央部が速いことに起因して両端部に気泡が溜まり易いという問題を解決するため、前述の如く共通液室の両端部の所定の領域において、第2液室の連通部に、当該連通部の流路断面積を他の部分の流路断面積よりも小さくするための仕切壁が設けられている。この結果、当該部分の構造が複雑になるばかりでなく、コンプライアンスの減少等の新たな問題を生起する。
一般に、相対的に大径の流路と、該流路に連通する小径の流路とを連通させた場合には、両者の境目における流路断面積の違いにより大径の流路から小径の流路に向かって流れる液体に含まれる気泡が前記境目に貯留され易くなるという問題が生起され、気排性の悪化を招来する。
このような問題は、インクを吐出するインクジェット式記録ヘッドに限定されず、インク以外の液体を噴射する液体噴射ヘッドにおいても同様に存在する。
本発明はこのような事情に鑑み、相対的に大径の流路と、該流路に連通する小径の流路とを有す場合における両者の連通部における気泡の排出を簡単な構造で容易に行うことができる液体噴射ヘッドおよび液体噴射装置を提供することを目的とする。
上記目的を達成する本発明の構成は、流路を介して液体が充填される圧力発生室の前記液体に圧力を付与することによりノズルを介して液滴を噴射する液体噴射ヘッドであって、前記流路は、相対的に大径の第1の流路と、該第1の流路に連通する小径の第2の流路とを有するとともに、前記第2の流路の表面の少なくとも一部が撥水処理されていることを特徴とする液体噴射ヘッドにある。
本態様によれば、相対的に小径の流路である第2の流路は、その表面の少なくとも一部が撥水処理されているので、この部分に接触した気泡との間での接触角が大きくなるので、気泡を流すために必要な力(圧力)は小さくなる。この結果、第1の流路から第2の流路に流入しようとする気泡を容易に流れ込ませることができ、良好な気排性が担保される。
本態様によれば、相対的に小径の流路である第2の流路は、その表面の少なくとも一部が撥水処理されているので、この部分に接触した気泡との間での接触角が大きくなるので、気泡を流すために必要な力(圧力)は小さくなる。この結果、第1の流路から第2の流路に流入しようとする気泡を容易に流れ込ませることができ、良好な気排性が担保される。
ここで、個別連通口を介して複数の前記圧力発生室に供給する液体を貯留するとともに、前記第1の流路から前記第2の流路に流入する前記液体の流速が、複数の前記ノズルで形成するノズル列に沿う方向において中央部よりも両端部が増大するようにして共通液室を形成し、さらに前記撥水処理は、前記第2の流路のうち、前記両端部における表面の少なくとも一部に施されているように構成することもできる。この場合には気泡が溜まり易い部位に撥水処理した部位を合理的に配設することができる。また、特許文献1において、ノズル列方向の両端部の所定領域に配設していた仕切壁を除去することができるので、構造も簡素化される。
前記撥水処理は、前記第2の流路の上面のみに施しても良い。液体中の気泡は、浮き上がって上昇し上面に当接する確率が高いからであり、この場合には、費用対効果の観点から合理的な構成とすることができる。
本発明の他の態様は、上述の如き液体噴射ヘッドを有することを特徴とする液体噴射装置にある。
本態様によれば、気排性の良い装置とすることができるので、印刷等の品質を良好に維持することができる。
本態様によれば、気排性の良い装置とすることができるので、印刷等の品質を良好に維持することができる。
以下、本発明の実施の形態を図面に基づき説明する。なお、以下に述べる実施の形態では、本発明の好適な具体例として種々の限定がされているが、本発明の範囲は、以下の説明において特に本発明を限定する旨の記載がない限り、これらの態様に限られるものではない。また、以下の説明は、本発明の液体噴射装置として、インクジェット式記録ヘッド(以下、記録ヘッドともいう)を搭載したインクジェット式プリンター(以下、記録装置ともいう)を例に挙げて行う。
図1に示すように、記録装置Iは、記録ヘッド1を搭載して所定の印刷を行う。すなわち、記録装置Iにおいて、記録ヘッド1は、インク供給手段を構成する複数のインクカートリッジ9が着脱可能に設けられる。記録ヘッド1を搭載したキャリッジ3は、装置本体4に取り付けられたキャリッジ軸5に軸方向移動自在に設けられている。本形態では、記録ヘッド1には、4個のインクカートリッジ9が装着されて、4個の記録ヘッド1から4種類の異なるインクが噴射される。
そして、駆動モーター6の駆動力が図示しない複数の歯車およびタイミングベルト7を介してキャリッジ3に伝達されることで、記録ヘッド1を搭載したキャリッジ3はキャリッジ軸5に沿って移動される。一方、装置本体4には搬送手段としての搬送ローラー8が設けられており、紙等の記録媒体である記録シートSが搬送ローラー8により搬送される。
かくして、記録ヘッド1がキャリッジ3とともにキャリッジ軸5に沿い移動しつつ、この移動方向に対して直交する方向に搬送される記録シートSの表面にインク滴を噴射して所定の印刷等を行う。
なお、記録シートSを搬送する搬送手段は、搬送ローラーに限られずベルトやドラム等であってもよい。
ここで、装置本体4には、記録装置Iの制御を行う制御手段である制御装置400が搭載されており、制御装置400と記録ヘッド1の中継基板とは、外部配線基板410を介して接続されている。
図2は記録ヘッド1を抽出して示す断面図である。同図に示すように、記録ヘッド1は、圧力発生ユニット14および流路ユニット21を備え、これらの部材が積層された状態でユニットケース26に取り付けて構成されている。流路ユニット21は、ノズルプレート22および連通基板23を有している。また、圧力発生ユニット14は、圧力発生室31が形成された圧力発生室形成基板29、弾性膜30、圧電素子35(圧力発生手段)、および保護基板24が積層されてユニット化されている。
ユニットケース26は、ノズルプレート22、および圧力発生ユニット14が接合された連通基板23が底面側に固定される合成樹脂製の箱体状部材である。このユニットケース26の平面視における中心部分にはノズル列方向に沿って長尺な矩形状の開口を有する貫通空部44が、ユニットケース26の高さ方向を貫通する状態で形成されている。この貫通空部44は、圧力発生ユニット14の配線空部38と連通して、フレキシブルケーブル49の一端部および駆動IC50が収容される空部を形成する。
ユニットケース26には、インク導入空部46およびインク導入口45が形成されている。インク導入口45は、インク導入空部46と比較して断面積が小さく設定された細い流路であり、その上端はユニットケース26の上面に開口し、下端はインク導入空部46の長手方向の中央部分、すなわち、後述する共通液室32の第1液室51の長手方向の中央部分に対応する位置に開口している。インクカートリッジ側からのインクは、インク導入口45を通じて、インク導入空部46に流入し、さらにインク導入空部46から連通基板23に形成された共通液室(マニホールド)32に導入され、各個別連通口42を介して各圧力発生室31に充填される。
共通液室32は、相対的に大径の流路である第1液室51と、第1液室51よりも小径の流路である第2液室52とからなり、第1液室51から第2液室52に向かってインクを流通させる構造となっている(この部分の詳細な構造は後に詳述する)。
インク導入空部46、共通液室32、圧力発生ユニット14等は同形状のものが左右対称に形成されている。
圧力発生ユニット14の構成部材である圧力発生室形成基板29は、シリコン単結晶基板(結晶性基板の一種。以下、単にシリコン基板ともいう)で形成されている。この圧力発生室形成基板29には、シリコン基板に対して異方性エッチング処理によって複数の圧力発生室31が、ノズルプレート22の各ノズル27に対応して複数形成されている。このように、シリコン基板に対して異方性エッチングによって圧力発生室31を形成することで、より高い寸法・形状精度を確保することができる。本形態におけるノズルプレート22にはノズル27の列が2条形成されているので、圧力発生室形成基板29には、圧力発生室31の列が各ノズル列に対応して2条形成されている。圧力発生室31は、ノズル27の並設方向(第1の方向X)に直交する方向(第2の方向Y)に長尺な空部である。圧力発生室形成基板29(圧力発生ユニット14)が連通基板23に対して位置決めされた状態で接合されると、圧力発生室31の第2の方向Yの一端部は、後述する連通基板23のノズル連通路36を介してノズル27と連通する。また、圧力発生室31の第2の方向Yの他端部は、連通基板23の個別連通口42に連通している。
圧力発生室形成基板29の上面(連通基板23との接合面とは反対側の面)には、圧力発生室31の上部開口を封止する状態で弾性膜30が形成されている。この弾性膜30は、例えば厚さが約1μmの二酸化シリコンから構成される。また、この弾性膜30上には、図示しない絶縁膜が形成される。この絶縁膜は、例えば、酸化ジルコニウムからなる。そして、この弾性膜30および絶縁膜上における各圧力発生室31に対応する位置に、圧電素子35がそれぞれ配設される。圧電素子35は、いわゆる撓みモードの圧電素子である。この圧電素子35は、弾性膜30および絶縁膜上に、金属製の下電極膜60、チタン酸ジルコン酸鉛(PZT)等からなる圧電体層70、および金属製の上電極膜80が順次積層された後に、圧力発生室31毎にパターニングされて構成される。そして、上電極膜80または下電極膜60の一方が共通電極とされ、他方が個別電極とされる。また、弾性膜30、絶縁膜、および下電極膜60が、圧電素子35の駆動時に振動板として機能する。
各圧電素子35の個別電極(上電極膜80)からは、電極配線部が絶縁膜上にそれぞれ延出されており、これらの電極配線部の電極端子に相当する部分に、フレキシブルケーブル49の一端側の端子が接続される。このフレキシブルケーブル49は、例えば、ポリイミド等のベースフィルムの表面に銅箔等で導体パターンを形成し、この導体パターンをレジストで被覆した構成とされる。フレキシブルケーブル49の表面には、圧電素子35を駆動する駆動IC50が実装されている。各圧電素子35は、駆動IC50を通じて上電極膜80および下電極膜60間に駆動信号(駆動電圧)が印加されることにより、撓み変形する。
上記圧電素子35が形成された連通基板23の上面には保護基板24が配置される。この保護基板24は下面側が開口した中空箱体状の部材であり、例えば、ガラス、セラミックス材料、シリコン単結晶基板、金属、合成樹脂等から作製される。この保護基板24の内部には、圧電素子35に対向する領域に当該圧電素子35の駆動を阻害しない程度の大きさの逃げ凹部39が形成されている。さらに、保護基板24において、隣り合う圧電素子列の間には、基板厚さ方向を貫通した配線空部38が形成されている。この配線空部38内には、圧電素子35の電極端子とフレキシブルケーブル49の一端部とが配置される。
上記のノズルプレート22は、ドット形成密度に対応したピッチで複数のノズル27を列状に開設した板材である。本形態では、360dpiに対応するピッチで360個のノズル27を列設することでノズル列が形成されている。本形態においては、ノズルプレート22に2条のノズル列が形成されている。本形態におけるノズルプレート22はシリコン基板で形成されている。そして、当該基板に対してドライエッチングを施すことにより円筒形状のノズル27が形成されている。このようにノズル27をドライエッチングによって形成することで、例えば、ステンレス鋼等の金属製の板材に対して塑性加工によりノズルを形成する構成と比較して、より高い精度でノズル27を形成することが可能となる。これにより、ノズル27から噴射されるインクの着弾精度が向上する。
連通基板23の共通液室32が開口する面には、コンプライアンス基板61が設けられている。このコンプライアンス基板61が、共通液室32のノズルプレート22側の開口を封止している。かかるコンプライアンス基板61は、本形態では、可撓性を有する薄膜からなる封止膜62と、金属等の硬質の材料からなる固定基板63とを具備する。固定基板63の共通液室32に対向する領域は、厚さ方向に完全に除去された開口部64となっているため、共通液室32の一方面は可撓性を有する封止膜62のみで封止された可撓部であるコンプライアンス部65となっている。
図3は図2の共通液室の一部を抽出・拡大して示す平面図(a)およびそのA−A′線断面図である。ここで、図3は共通液室32の一部を示しているが、これはインク導入口45(図3には図示せず。以下同じ)に対して左右対称な形状となっている。なお、図3中、図2と同一部分には同一番号を付し、重複する説明は省略する。図3に示すように、共通液室32の第2液室52はノズル列方向(第1の方向X)に関する両端部の幅(第2の方向Yの寸法。以下同じ)が漸減する構造となっている。これは第1の方向Xに関し、中央部に配設されたインク導入口45から導入されたインクが第1の方向Xに関し広がりつつ第1液室51から第2液室52に流入するインクの流速を中央部と端部とで平均化するためである。すなわち、両端部では流路である第2液室52の幅を絞ることで流速を早くしている。同様の理由でインク導入空部46の天井46Aも第1の方向Xに沿い徐々に低くなるように傾斜させてある。
本形態では第1液室51に対し相対的に小径の流路となっている第2液室52の表面の全体に撥水膜66が形成してある。かかる撥水膜66は必ずしも全面に形成する必要はない。少なくとも第2液室52の表面の一部に形成されていれば良い。この場合、特に上面に形成されているのが好ましい。インクに浮いた気泡Bが接触する確率が高くなるからである。また、インクの流速が小さくなるノズル列方向(第1の方向X)に関する両端部の所定領域に選択的に撥水膜66を形成しても良い。このことにより特許文献1における仕切壁と同様の機能を撥水膜66に代替させることができる。すなわち、第2液室52の第1の方向Xに関する全域に撥水処理をする場合よりも合理的である。
図4は共通液室における気泡の挙動を示す図3(b)と同様の断面図である。上述の構造とした本形態によれば、同図(a)に示すように第1液室51と第2液室52との境界の段部に滞留する気泡Bは、撥水膜66の作用によりこの部分に接触した気泡Bとの間での接触角が大きくなるので、気泡Bを流すために必要な力(圧力)は小さくなる。この結果、第1液室51から第2液室52に流入しようとする気泡Bを、図4(b)に気泡B1として示すように、容易に第2液室52に流れ込ませることができ、各個別連通口42、圧力発生室31、ノズル27を介して外部に排出することができる。すなわち、良好な気排性が担保される。
なお、上記実施の形態では第1の流路を第1液室51、第2の流路を第2液室52で形成したが、これに限るものでは、勿論ない。相対的に大径の第1の流路と、該第1の流路に連通する小径の第2の流路とを有するとともに、前記第2の流路の表面の少なくとも一部に撥水処理がされていれば、良好な気排性が担保される。
図5は本発明の原理を示す説明図である。同図(a)に示すように、相対的に大径(直径=a)の第1の流路67と、第1の流路67に連通する小径(直径=b)の第2の流路68とが連続している場合を考える。すなわち、a>bとなっている。この場合、図5(b)に示すように、第1の流路67から第2の流路68に跨って気泡Bが滞留している場合、インクの流れにより気泡Bに作用する圧力P1と、圧力P1に対抗する第2の流路68側からの圧力P2との大小関係がP1>P2の場合に、気泡Bは第1の流路67から第2の流路68に流れて排出される。ここで、圧力P2は、第2の流路68におけるインクの表面張力γ、気泡Bと第2の流路68の表面との接触角θ、第2の流路68の半径(b/2)等により規定される。すなわち、P2=2γcosθ/(b/2)の関係がある。
したがって、接触角θを大きくすれば圧力P2が小さくなる。ここで、第2の流路68の表面を撥水処理することにより接触角θを大きくすることができる。この結果、圧力P1が一定の条件で考えると、撥水処理をした場合の方が圧力P2が小さくなるので、より簡単に気泡Bを第2の流路68側に流すことができる。
なお、上記実施の形態では、液体噴射ヘッドの一種であるインクジェット式記録ヘッド1を例に挙げて説明したが、本発明は、液体が、第1液室51の上部開口から導入され、第2液室52を通り、個別連通口42を介して圧力発生室31に供給される構成を採用する他の液体噴射ヘッドにも適用することができる。例えば、液晶ディスプレイ等のカラーフィルターの製造に用いられる色材噴射ヘッド、有機EL(Electro Luminescence)ディスプレイ、FED(電界放出ディスプレイ)等の電極形成に用いられる電極材噴射ヘッド、バイオチップ(生物化学素子)の製造に用いられる生体有機物噴射ヘッド等にも本発明を適用することができる。
I 記録装置(液体噴射装置)、 1 インクジェット式記録ヘッド(液体噴射ヘッド)、 14 圧力発生ユニット、 21 流路ユニット、 22 ノズルプレート、 23 連通基板、 26 ユニットケース、 27 ノズル、 29 圧力発生室形成基板、 31 圧力発生室、 32 共通液室、 35 圧電素子、 42 個別連通口、 51 第1液室、 52 第2液室、 B,B1 気泡
Claims (4)
- 流路を介して液体が充填される圧力発生室の前記液体に圧力を付与することによりノズルを介して液滴を噴射する液体噴射ヘッドであって、
前記流路は、相対的に大径の第1の流路と、該第1の流路に連通する小径の第2の流路とを有するとともに、
前記第2の流路の表面の少なくとも一部が撥水処理されていることを特徴とする液体噴射ヘッド。 - 請求項1に記載する液体噴射ヘッドにおいて、
個別連通口を介して複数の前記圧力発生室に供給する液体を貯留するとともに、前記第1の流路から前記第2の流路に流入する前記液体の流速が、複数の前記ノズルで形成するノズル列に沿う方向において中央部よりも両端部が増大するようにして共通液室を形成し、
さらに前記撥水処理は、前記第2の流路のうち、前記両端部における表面の少なくとも一部に施されていることを特徴とする液体噴射ヘッド。 - 請求項1または請求項2に記載する液体噴射ヘッドにおいて、
前記撥水処理は、前記第2の流路の上面のみに施したことを特徴とする液体噴射ヘッド。 - 請求項1〜請求項3のいずれか一項に記載する液体噴射ヘッドを有することを特徴とする液体噴射装置。
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