JP2014116996A - 多出力型スイッチング電源装置 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】一次側入力回路11,12のスイッチングでコンバータトランスT1,T2に誘起される交流電力を整流平滑する主および従の二次側出力回路21,22を、備える。。従二次側出力回路22にはスイッチング素子Q3が挿入されている。主従の二次側出力回路21,22間に介在された連動切換回路25は、主二次側出力回路21の出力および出力停止の切り換えに応じてスイッチング素子Q3を制御して従二次側出力回路22を出力状態および出力停止状態とする。減電圧・過電圧検出回路27は、主二次側出力回路21と従二次側出力回路22の差電圧が規定値以上になったときに一次側入力回路11,12のスイッチング制御回路13,14のスイッチング動作を不動作状態に制御する。
【選択図】図1
Description
図1は、本発明の第1実施形態に係る多出力型スイッチング電源装置の回路図である。多出力型スイッチング電源装置Aは、コンバータトランスT1,T2と、入力端子E1,E2に並列接続された一次側入力回路11,12と、二次側出力回路21,22と、を備える。一次側入力回路11,12は、それぞれ、図示しないが、その前段部に、商用交流電源を入力しダイオードブリッジと平滑コンデンサでの全波整流および平滑化により生成した直流電圧が直流電源端子E1,E2間に印加されるようになっている。一次側入力回路11は、入力端子E1に一端側が接続されたコンバータトランスT1の一次側巻線と、入力端子E2との間にソース・ドレインが接続されたスイッチング素子Q1と、このスイッチング素子Q1をそのゲートにスイッチング電圧を印加してスイッチング動作させるスイッチング制御回路13と、を有する。一次側入力回路12は、入力端子E1に一端側が接続されたコンバータトランスT2の一次側巻線、この一次側巻線の他端側と入力端子E2との間にソース・ドレインが接続されたスイッチング素子Q2と、このスイッチング素子Q1をそのゲートにスイッチング電圧を印加してスイッチング動作させるスイッチング制御回路14と、を有する。
いま、多出力型スイッチング電源装置Aが通常動作状態にあるとする。
何らかの原因で従二次側出力回路22におけるスイッチング素子Q3のドレイン‐ゲート間に短絡現象が発生したとする。ここで、発熱対策をなんらしていないものと仮定して、スイッチング素子Q3のゲート、ドレイン、ソースの電位変化の例をみてみる。正常動作時において、ゲート電位が24V、ドレイン電位が5V、ソース電位も5Vであったとする。この状態からドレイン‐ゲート間に短絡が発生し、ゲート電位が5Vに降下したとする。ソースとゲートとの間に抵抗R1とコンデンサC3の並列回路が介在することから、ソース電位が5Vから2.5Vへ降下したとすれば、ドレイン‐ソース間の電位差は5V−2.5V=2.5Vとなる。ドレイン電流が3Aとすると、2.5V×3A=7.5W相当の電力消費が発生し、これがスイッチング素子Q3における発熱の原因となる。
次に、減電圧・過電圧検出回路27の活性動作を説明する。スイッチング素子Q3におけるドレイン‐ゲート間の短絡現象が生じれば、上の例でみたようにソースの電位が降下する。すなわち、従二次側出力回路22の電源出力ラインに減電圧が生じる。すると、定電圧ダイオードZD1のアノード電位が降下し、主二次側出力回路21と従二次側出力回路22の差電圧ΔVが増加し、この差電圧ΔVが規定値以上となったときに定電圧ダイオードZD1が降伏し、逆流防止ダイオードD3、抵抗R3、抵抗R4、定電圧ダイオードZD1の経路で電流が流れる。すると、PNP型のスイッチング素子Q4のベース電位が“L”レベルに反転して、スイッチング素子Q4が導通状態に切り換わる。その結果、主二次側出力回路21の電源出力ラインから逆流防止ダイオードD3、PNP型のスイッチング素子Q4を通ってフォトカプラPCの発光素子に電流が流れ、発光素子の光を受けた受光素子が両スイッチング制御回路13,14に出力遮断信号を送出する。
主二次側出力回路21側の負荷回路においてなんらかの要因により異常が発生し、それに起因して主二次側出力回路21の電源出力ラインに過電圧が発生したとする。このとき、従二次側出力回路22側の負荷回路では異常がなくその電源出力ラインの電圧は正常時と変わらないとすると、前述の主二次側出力回路21と従二次側出力回路22の差電圧ΔVが上昇することになる。差電圧ΔVが規定値以上になると、上記同様にPNP型のスイッチング素子Q4が導通し、出力遮断信号がフォトカプラPCを介して両スイッチング制御回路13,14に送出される。その結果として、主二次側出力回路21および従二次側出力回路22はともに出力停止状態へ遷移し、過電圧に伴うトラブルを未然に防止することができる。
主二次側出力回路21による出力電圧を24V、従二次側出力回路22による出力電圧を5Vとする。また、PNP型のスイッチング素子Q4のオン電圧を1.2V、逆流防止ダイオードD3の順方向電圧を0.6Vとし、定電圧ダイオードZD1の降伏電圧を20Vとする。
24−0.6−1.2=22.2(V)
正常時の定電圧ダイオードZD1のアノード電位は5Vであり、定電圧ダイオードZD1に対する逆バイアス電圧は、
22.2−5=17.2(V)
である。これは、定電圧ダイオードZD1の降伏電圧20Vを下回っているので、定電圧ダイオードZD1は降伏せず、したがって、PNP型のスイッチング素子Q4も導通しない。この場合に、定電圧ダイオードZD1の耐圧には、
20−17.2=2.8(V)
の余裕がある。
22.2−1.5=20.7(V)
である。これは、定電圧ダイオードZD1の降伏電圧20Vに達しており、定電圧ダイオードZD1は降伏する。したがって、PNP型のスイッチング素子Q4は導通し、フォトカプラPCからの出力遮断信号で一次側入力回路11,12のスイッチング制御回路13,14はスイッチング動作を停止することにより、主二次側出力回路21も従二次側出力回路22もともに出力停止状態となる。
27.5−0.6−1.2=25.7(V)
定電圧ダイオードZD1に対する逆バイアス電圧は、
25.7−5=20.7(V)
である。この場合も定電圧ダイオードZD1の降伏電圧20Vに達しており、定電圧ダイオードZD1は降伏する。したがって、PNP型のスイッチング素子Q4は導通し、フォトカプラPCからの出力遮断信号で一次側入力回路11,12のスイッチング制御回路13,14はスイッチング動作を停止され、主二次側出力回路21も従二次側出力回路22もともに出力停止状態となる。
図2を参照して、本発明の第2実施形態に係る多出力型スイッチング電源装置Bを説明する。多出力型スイッチング電源装置Bでは、多出力型スイッチング電源装置Aとは異なり、一次側入力回路11,12と、主二次側出力回路21および従二次側出力回路22との電磁的結合に用いるコンバータトランスはコンバータトランスT1の1つのみである。主二次側出力回路21の高直流出力電圧と従二次側出力回路22の低直流出力電圧との差異は、平滑コンデンサC1と平滑コンデンサC2の容量差によって作られる。この点は第1実施形態でも同様である。
図3を参照して本発明の第3実施形態の多出力型スイッチング電源装置Cを説明する。多出力型スイッチング電源装置Cは、クロスレギュレーション対策も加味した多出力型スイッチング電源装置になっている。
21 主二次側出力回路
22 従二次側出力回路
25 連動切換回路
27 減電圧・過電圧検出回路
Claims (6)
- コンバータトランスの一次側巻線に接続された第1スイッチング素子、および該第1スイッチング素子のスイッチング動作を制御するスイッチング制御回路を含む一次側入力回路と、
前記コンバータトランスの二次側巻線に接続された主整流平滑回路を含み、前記主整流平滑回路から主直流出力電圧を生成して出力する主二次側出力回路と、
前記コンバータトランスの二次側巻線に接続された従整流平滑回路を含み、前記従整流平滑回路から前記主直流出力電圧よりも低い従直流出力電圧を生成して出力する従二次側出力回路と、
前記従二次側出力回路の電源出力ラインに接続された第2スイッチング素子を含み、かつ、前記主二次側出力回路の出力および出力停止の動作に連動して、前記第2スイッチング素子を導通および非導通として、前記従二次側出力回路を出力状態および出力停止状態に切り換える連動切換回路と、
前記主二次側出力回路と前記従二次側出力回路との差電圧を検出すると共に該検出した差電圧が規定値以上になったときに前記スイッチング制御回路により前記第1スイッチング素子のスイッチング動作を動作停止状態に制御する減電圧・過電圧検出回路と、
を備えたことを特徴とする多出力型スイッチング電源装置。 - 前記連動切換回路の前記第2スイッチング素子は、前記従二次側出力回路の前記整流平滑回路の出力側の電源出力ラインに、ソース・ドレインが接続された電界効果トランジスタからなり、前記電界効果トランジスタは、そのゲートに、前記主二次側回路の電源出力ラインに接続された逆流防止ダイオードと該逆流防止ダイオードに直列に接続された第1抵抗とを介して、前記主二次側出力回路の出力および出力停止の状態を示す信号が印加されることにより、それぞれ、導通状態および非導通状態になって、前記従二次側出力回路を出力状態および出力停止状態に切り換える請求項1に記載の多出力型スイッチング電源装置。
- 前記減電圧・過電圧検出回路は、前記従二次側出力回路の電源出力ラインに直列に接続された定電圧ダイオードおよび第2抵抗の直列回路と、前記第2抵抗がエミッタ・ベース間に接続されかつ前記エミッタが前記逆流防止ダイオードと前記第1抵抗との接続部に接続されたPNP型のトランジスタと、前記トランジスタのコレクタに接続された発光素子および前記一次側入力回路のスイッチング制御回路に接続された受光素子を含むフォトカプラとを具備し、前記トランジスタが、前記差電圧が規定値以上になったときに導通すると共に、該導通により前記フォトカプラは、前記一次側入力回路のスイッチング制御回路にその動作を停止させる出力を与える、請求項2に記載の多出力型スイッチング電源装置。
- 前記減電圧・過電圧検出回路は、前記トランジスタのエミッタ・ベース間に接続された前記第2抵抗にコンデンサが並列接続されている、請求項3に記載の多出力型スイッチング電源装置。
- 前記一次側入力回路を、2つ設け、前記コンバータトランスを前記各一次側入力回路に個別に対応して2つ設けると共に、それらの一次側巻線を前記各一次側入力回路に接続する一方、前記各コンバータトランスそれぞれの二次側巻線を前記主二次側出力回路と従二次側出力回路に個別に接続した、請求項1に記載の多出力型スイッチング電源装置。
- 前記一次側入力回路を、1つ備え、前記一次側入力回路を前記コンバータトランスの一次側巻線に接続すると共に、該コンバータトランスに2つの二次側巻線を設け、これら二次側巻線それぞれに前記主二次側出力回路と従二次側出力回路を個別に接続した、請求項1に記載の多出力型スイッチング電源装置。
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