JP2014115643A - 塩基増殖剤及び当該塩基増殖剤を含有する塩基反応性樹脂組成物 - Google Patents

塩基増殖剤及び当該塩基増殖剤を含有する塩基反応性樹脂組成物 Download PDF

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Abstract

【課題】エポキシ系化合物等の架橋反応に用いることができ、塩基の存在によって新たな塩基を発生可能であり、かつ塩基増殖反応が効率的に進行する塩基増殖剤及び当該塩基増殖剤を含有する塩基反応性樹脂組成物を提供する。
【解決手段】下記式(A)で表わされる塩基増殖剤を含有する塩基反応性樹脂組成物。
Figure 2014115643

【選択図】図8

Description

本発明は、塩基増殖剤及び当該塩基増殖剤を含有する塩基反応性樹脂組成物に関する。さらに詳しくは、塩基の作用によって分解し、新たな塩基を発生可能な塩基増殖剤及び当該塩基増殖剤を含有する塩基反応性樹脂組成物に関する。
光の照射によって酸を発生する酸発生剤を含有する感光性樹脂組成物が、フォトレジスト材料や光硬化材料等として適用されている。酸発生剤から発生した酸は、触媒や重合開始剤として作用し、また、酸発生剤等を含有した感光性樹脂組成物をフォトレジスト材料として用いてパターンを形成する場合には、例えば酸発生剤に光を照射して触媒等となる強酸を発生させ、樹脂成分を化学変性させる。そして、化学変性された樹脂成分の溶解性の変化により、パターンを形成するようにする。
かかるフォトレジスト材料は、解像度及び感度が高いこと、さらには耐エッチング性が高いパターンを形成し得ることが求められており、特に、深紫外線レジスト材料として、酸素プラズマエッチングに耐性を持つパターンを形成し得る材料が求められている。酸発生剤を含有する感光性樹脂組成物からなるフォトレジスト材料は、高感度・高解像性等を目指して、種々のものが提供されているが、光酸発生剤と樹脂材料の組み合わせの種類はある程度限定されてしまうため、酸発生剤を使用しない新たな感光システムが求められていた。
加えて、モノマー、オリゴマー、あるいはポリマーの光硬化速度を向上させるために様々な検討がなされており、光の作用で発生するラジカル種を開始剤として、多数のビニルモノマーを重合させるラジカル光重合系の材料が広く開発の対象とされてきた。また、光の作用で酸を発生させ、この酸を触媒とするカチオン重合系の材料も盛んに研究されていた。しかしながら、ラジカル光重合系の材料の場合には、空気中の酸素によって重合反応が阻害され硬化反応が抑制されるので、酸素遮断のための特別な工夫が必要とされていた。また、カチオン重合系の材料の場合には、ラジカル光重合系の材料のような酸素阻害がない一方、光酸発生剤から発生した強酸が硬化後も残存するために、当該強酸の存在を原因とする腐食性や樹脂の変性の可能性が問題とされていた。
このような背景から、解像度及び感度が高く、耐エッチング性が高いパターンを形成できるレジスト材料を得るために、また、活性エネルギー線を利用して液状物を迅速に固化させる硬化技術をいっそう高性能化するために、空気中の酸素による阻害効果を受けず、生成する強酸のような腐食性物質を含まず高効率で反応が進行する、新たな感光システムを用いた感光性樹脂組成物が強く望まれていた。
前記の問題を克服する手段の1つとして、塩基触媒による重合反応や化学反応を用いる方法、例えば、光の作用によって塩基を発生させ、これを触媒として樹脂を化学変性させる方法を用いて、光によって発生する塩基を触媒とする感光性樹脂組成物をフォトレジスト材料や光硬化材料等へ応用する手段が検討されている。そして、エポキシ基を有する化合物は塩基の作用によって架橋反応を起こして硬化することを利用して、光や熱の作用で開始剤あるいは触媒としてのアミン類をエポキシ樹脂層内で発生させ、次いで加熱処理によって硬化させる方法が提供されている。しかしながら、アミン類を開始剤あるいは触媒として用いた場合でも、エポキシ系化合物の硬化速度は遅かった。エポキシ系化合物を十分に硬化させるためには、長時間を要し、さらに硬化速度を高めるために高温下で加熱処理等を行う必要があるため、実用化されるには至っていない。
これらの問題を解決すべく、光の作用によって発生する塩基を2次的に増幅する塩基増殖剤が提案されており、塩基増殖剤を光塩基発生剤及び塩基反応性化合物と組み合わせると感光性樹脂組成物が得られる。また、このように増殖的に塩基が増加する塩基増殖剤を添加することによって高性能化が図られる樹脂組成物も知られており、塩基増殖反応を起こすウレタン系化合物である塩基増殖剤を含有する感光性樹脂組成物が開示されている(例えば、特許文献1及び特許文献2を参照。)。
特開2000−330270号公報 特開2002−128750号公報
しかしながら、従来提供されている方法にあっては、塩基増殖剤の感度が低く、また、有機溶剤に対する溶解性が悪く塩基反応性化合物等との相溶性が低かったため、樹脂組成物系での塩基増殖反応を効率よく進行させることが難しかった。
本発明は、前記の課題に鑑みてなされたものであり、例えば、エポキシ系化合物等の架橋反応に用いることができ、塩基の存在によって新たな塩基を発生可能であり、かつ塩基増殖反応が効率的に進行する塩基増殖剤及び当該塩基増殖剤を含有する塩基反応性樹脂組成物を提供することにある。
前記の課題を解決するために、本発明の第1発明に係る塩基増殖剤は、下記式(A)で表されることを特徴とする。
Figure 2014115643
(式(A)中、R、R、R及びRは、それぞれ独立して、水素原子、炭素数1〜12のアルキル基、炭素数5〜10のシクロアルキル基、炭素数6〜14のアリール基または炭素数7〜15のアリールアルキル基、XはSOまたはSO、をそれぞれ示す。)
本発明の第2発明に係る塩基増殖剤は、下記式(A’)で表されることを特徴とする。
Figure 2014115643
(式(A’)中、R、R、R、R、R、R、R、R、R及びR10はそれぞれ独立して、水素原子、炭素数1〜12のアルキル基、炭素数5〜10のシクロアルキル基、炭素数6〜14のアリール基または炭素数7〜15のアリールアルキル基を示し、R、R、R、R、R及びRは互いに結合して環構造を作ってもよい。nは0〜20の整数、XはSOまたはSO、をそれぞれ示す。)
本発明の第3発明に係る塩基増殖剤は、下記式(A’)で表されることを特徴とする。
Figure 2014115643
(式(A’)中、R、R、R、R、R、R、R及びR10はそれぞれ独立して、水素原子、炭素数1〜12のアルキル基、炭素数5〜10のシクロアルキル基、炭素数6〜14のアリール基または炭素数7〜15のアリールアルキル基を示す。XはSOまたはSO、をそれぞれ示す。)
本発明に係る塩基反応性樹脂組成物は、前記した第1発明ないし第3発明の少なくとも1に係る塩基増殖剤と、塩基反応性化合物を含有することを特徴とする。
本発明に係る塩基反応性樹脂組成物は、前記した第1発明ないし第3発明の少なくとも1に係る塩基増殖剤と、塩基発生剤及び塩基反応性化合物を含有することを特徴とする。
本発明に係る塩基反応性樹脂組成物は、前記した本発明において、前記塩基発生剤が光塩基発生剤であることを特徴とする。
本発明に係る塩基反応性樹脂組成物は、前記した本発明において、前記塩基反応性化合物がエポキシ系化合物、ケイ素系化合物及びオキセタン系化合物からなる群より選ばれる少なくとも1種であることを特徴とする。
本発明に係る塩基増殖剤は、感度が高く、塩基の作用により分解して連鎖的に塩基を発生することができ、また、ヘテロ環(複素環)を有するためへテロ原子の酸化数を変化させることにより塩基増殖反応速度を自在に制御でき、塩基を連鎖的に発生させることが可能な塩基増殖剤となる。加えて、有機溶剤に対する溶解性が良好であり塩基反応性化合物との相溶性が高いため、本発明の塩基増殖剤を、塩基と反応するエポキシ系化合物等の塩基反応性化合物に共存させると、増殖して発生する塩基により塩基反応性化合物を効率よく硬化させることが可能となる。
また、本発明に係る塩基反応性化合物は、本発明の塩基増殖剤、あるいは本発明の塩基増殖剤と塩基発生剤と塩基反応性化合物を含有することにより、塩基増殖剤から発生する塩基とエポキシ系化合物等との反応が連鎖的に進行し、硬化速度及び反応効率に優れたものとなり、硬化が速やかに実施され、硬化が十分になされる塩基反応性樹脂組成物となる。また、かかる効果を奏する本発明の塩基反応性樹脂組成物は、例えば、高感度の光硬化材料やレジスト材料(パターン形成材料)等に好適に用いることができる。
塩基増殖剤の有機溶剤に対する溶解性を示した図である。 加熱時間と転化率及びオレフィン生成率との関係を示した図である。 加熱時間とオレフィン生成率との関係を示した図である。 加熱時間とピーク強度比との関係を示した図である。 加熱時間とピーク強度比との関係を示した図である。 感度評価結果(露光量と残膜率との関係)を示した図である。 感度評価結果(露光量と残膜率との関係)を示した図である。 感度評価結果(露光量と残膜率との関係)を示した図である。 露光量と鉛筆硬度との関係を示した図である 露光量と鉛筆硬度との関係を示した図である。
以下、本発明の一態様を説明する。本発明の第1発明に係る塩基増殖剤は、下記式(A)で表される化合物である。
Figure 2014115643
式(A)中、R、R、R及びRはそれぞれ独立して、水素原子、炭素数1〜12のアルキル基、炭素数5〜10のシクロアルキル基、炭素数6〜14のアリール基または炭素数7〜15のアリールアルキル基、XはSOまたはSO、をそれぞれ示す。
式(A)におけるR及びRにおいて、アルキル基とした場合には炭素数は1〜6が好ましく、シクロアルキル基とした場合には炭素数は6〜8が好ましく、アリールとした場合には炭素数は6〜10が好ましく、アリールアルキル基の場合には炭素数は7〜11が好ましい。R及びRの具体例としては、例えば、メチル、エチル、プロピル、ブチル、シクロヘキシル、フェニル、トリル、ナフチル、ベンジル、フェネチル、ナフチルメチル等が挙げられる。
式(A)におけるR及びRにおいて、アルキル基とした場合には炭素数は2〜6が好ましく、例えば、エチル、プロピル、ブチル、ヘキシル等が挙げられる。シクロアルキル基とした場合には、炭素数は6〜8が好ましく、例えば、シクロヘキシル、シクロオクチル等が挙げられる。アリール基とした場合には炭素数は6〜10が好ましく、例えば、フェニル、トリル、ナフチル等が挙げられる。アリールアルキル基とした場合には炭素数は7〜11が好ましく、例えば、ベンジル、フェネチル、ナフチルメチル等が挙げられる。
アルキル基、シクロアルキル基、アリール基およびアリールアルキル基は置換基を有していてもよく、この場合の置換基としては、アミノ基、アルコキシ基、アルコキシカルボニル基、アシル基、アシルオキシ基、ヒドロキシ基等が挙げられる。
また、本発明の第2発明に係る塩基増殖剤は、下記式(A’)で表される化合物である。
Figure 2014115643
式(A’)中、R、R、R、R、R、R、R、R、R及びR10はそれぞれ独立して、水素原子、炭素数1〜12のアルキル基、炭素数5〜10のシクロアルキル基、炭素数6〜14のアリール基または炭素数7〜15のアリールアルキル基を示し、R、R、R、R、R及びRは互いに結合して環構造を作ってもよい。nは0〜20の整数、XはSOまたはSO、をそれぞれ示す。
式(A’)のR、R、R及びR10において、アルキル基とした場合には炭素数は1〜6が好ましく、シクロアルキル基とした場合には炭素数は6〜8が好ましく、アリールとした場合には炭素数は6〜10が好ましく、アリールアルキル基の場合には炭素数は7〜11が好ましい。R及びRの具体例としては、例えば、メチル、エチル、プロピル、ブチル、シクロヘキシル、フェニル、トリル、ナフチル、ベンジル、フェネチル、ナフチルメチル等が挙げられる。
式(A’)のR、R、R、R、R及びRにおいて、アルキル基とした場合には炭素数は2〜6が好ましく、例えば、エチル、プロピル、ブチル、ヘキシル等が挙げられる。シクロアルキル基とした場合には、炭素数は6〜8が好ましく、例えば、シクロヘキシル、シクロオクチル等が挙げられる。アリール基とした場合には炭素数は6〜10が好ましく、例えば、フェニル、トリル、ナフチル等が挙げられる。アリールアルキル基とした場合には炭素数は7〜11が好ましく、例えば、ベンジル、フェネチル、ナフチルメチル等が挙げられる。
アルキル基、シクロアルキル基、アリール基およびアリールアルキル基は置換基を有していてもよく、この場合の置換基としては、アミノ基、アルコキシ基、アルコキシカルボニル基、アシル基、アシルオキシ基、ヒドロキシ基等が挙げられる。
さらに、式(A’)におけるnは0〜20の整数であるが、0〜8の整数とすることが好ましい。
さらに、前記した第2発明の類型である、本発明の第3発明に係る塩基増殖剤は、下記式(A’)で表される化合物である。
Figure 2014115643
式(A’)中、R、R、R、R、R、R、R及びR10はそれぞれ独立して、水素原子、炭素数1〜12のアルキル基、炭素数5〜10のシクロアルキル基、炭素数6〜14のアリール基または炭素数7〜15のアリールアルキル基を示す。XはSOまたはSO、をそれぞれ示す。
式(A’)と同様、式(A’)のR、R、R及びR10において、アルキル基とした場合には炭素数は1〜6が好ましく、シクロアルキル基とした場合には炭素数は6〜8が好ましく、アリールとした場合には炭素数は6〜10が好ましく、アリールアルキル基の場合には炭素数は7〜11が好ましい。R及びRの具体例としては、例えば、メチル、エチル、プロピル、ブチル、シクロヘキシル、フェニル、トリル、ナフチル、ベンジル、フェネチル、ナフチルメチル等が挙げられる。
式(A’)のR、R、R及びRにおいて、アルキル基とした場合には炭素数は2〜6が好ましく、例えば、エチル、プロピル、ブチル、ヘキシル等が挙げられる。シクロアルキル基とした場合には、炭素数は6〜8が好ましく、例えば、シクロヘキシル、シクロオクチル等が挙げられる。アリール基とした場合には炭素数は6〜10が好ましく、例えば、フェニル、トリル、ナフチル等が挙げられる。アリールアルキル基とした場合には炭素数は7〜11が好ましく、例えば、ベンジル、フェネチル、ナフチルメチル等が挙げられる。
アルキル基、シクロアルキル基、アリール基およびアリールアルキル基は置換基を有していてもよく、この場合の置換基としては、アミノ基、アルコキシ基、アルコキシカルボニル基、アシル基、アシルオキシ基、ヒドロキシ基等が挙げられる。
次に、式(A)等で表される塩基増殖剤に含まれる化合物の具体例を示す。
式(A)において、Rが水素原子、Rが炭素数5〜10のシクロアルキル基である場合の具体例(式(Q−1)及び式(Q−2))。
Figure 2014115643
式(A’)において、R、R、R及びRを水素原子、nを4とした具体例((式(Q−3))。
Figure 2014115643
式(A’)において、R、R、R、R、R及びRは互いに結合して環構造を作成した具体例(式(Q−4)及び式(Q−5))。
Figure 2014115643
かかる塩基増殖剤は、塩基の作用により分解して塩基(アミン)を発生する特性を有す
る。反応挙動について、式(A)、式(A’)及び式(A’)について下記の反応スキームに示す。かかる反応スキームに示すように、本発明の塩基増殖剤は、その一定量に対してそれより少ない当量の塩基を作用させるだけで、自己増殖的に分解し、最終的にその全量が分解し、その塩基増殖剤の量に対応する多量の塩基を発生させる。そして、塩基反応性化合物(後記)と共存させると、発生した塩基(アミン)が塩基反応性化合物に作用し、発生する塩基により塩基反応性化合物を架橋反応させて効率よく硬化させることが可能となる。なお、スキーム中、HNR’R”は任意の塩基(アミン)である。
(反応スキーム:式(A))
Figure 2014115643
(反応スキーム:式(A’))
Figure 2014115643
(反応スキーム:式(A’))
Figure 2014115643
式(A)で表される塩基増殖剤は、感度が高く、ヘテロ環(複素環)を有するためへテロ原子の酸化数を変化させることにより塩基増殖反応速度を自在に制御でき、また、ヘテロ原子となるX基がSOあるいはSOであるが、分解速度はヘテロ原子をSOとした場合の方が速い。よって、かかるヘテロ原子の選択により、増殖反応速度を容易に調整することができる。
また、例えば、式(A)の分解における分解中間体を下記式に示す。本発明に係る塩基
増殖剤は、下記の構造の分解中間体となるため、X基の電子求引性が強いほどアニオンは
安定化される。すなわち、ヘテロ原子の酸化数によりアニオンの生成しやすさを制御でき
る。
Figure 2014115643
本発明に係る塩基増殖剤は、有機溶剤に対する溶解性が高いため、塩基反応性化合物と混合して塩基反応性樹脂組成物とする場合には、塩基反応性化合物との混合が簡便に実施される。
塩基増殖剤に作用させる塩基としては、特に制限はなく、従来公知の塩基等を使用することができ、例えば、第1級アミン、第2級アミン、第3級アミン等のアミン、ピリジル基を含有する化合物、ヒドラジン化合物、アミド化合物、水酸化四級アンモニウム塩、メルカプト化合物、スルフィド化合物、ホスフィン化合物等を使用することができる。また、例えば、国際公開番号WO2009/19979に開示されるアミンやピリジル基を含有する化合物、ヒドラジン化合物、アミド化合物、水酸化四級アンモニウム塩、メルカプト化合物、スルフィド化合物、ホスフィン化合物等を使用することができる。
式(A)、式(A’)あるいは式(A’)に表される塩基増殖剤が分解して発生する塩基としては、下記式(Am−1)、式(Am−2)あるいは式(Am−3)で表される第1級アミンあるいは第2級アミンが発生する。なお、式中、R〜Rは、式(A)、式(A’)及び式(A’)に準じる。
Figure 2014115643
Figure 2014115643
Figure 2014115643
式(A)、式(A’)あるいは式(A’)に示した塩基増殖剤を合成するには、例えば、チオキサントンやその誘導体等を出発物質として、下記の合成スキームのようにすればよい。なお、下記のスキームは一例であり、本発明の塩基増殖剤の合成については、下記のスキーム以外の方法により合成しても問題はない。また、スキームでは、便宜上、一部のR基を水素原子として示している。
(合成スキーム)
Figure 2014115643
(合成スキーム)
Figure 2014115643
(合成スキーム)
Figure 2014115643
また、本発明に係る塩基増殖剤は、塩基発生剤と組み合わせて塩基増殖剤組成物として使用することが好ましい。ここで、塩基発生剤とは、一般に、光等の活性エネルギー線を照射したり、加熱することによって塩基を発生する物質である。塩基発生剤としては、特に限定されないが、光等の活性エネルギー線の照射によって塩基を発生する光塩基発生剤や、加熱により塩基を発生する熱塩基発生剤(熱潜在性塩基発生剤)を使用することが好ましい。このうち、塩基を発生させるために高温下で加熱処理を行う必要がないため、光塩基発生剤を使用することが特に好ましい。光塩基発生剤を使用した場合のスキームを示す。
光塩基発生剤としては、特に限定されないが、従来知られているo−ニトロベンジル型
光塩基発生剤、(3,5−ジメトキシベンジルオキシ)カルボニル型光塩基発生剤、アミ
ロキシイミノ基型光塩基発生剤、ジヒドロピリジン型光塩基発生剤等が挙げられる。この
うち、塩基発生効率と合成の簡便性に優れているため、o−ニトロべンジル型光塩基発生
剤が好ましく用いられる。
光塩基発生剤としては、例えば、特開2000−330270号公報に開示されるオキ
シムエステル系化合物、アンモニウム系化合物、ベンゾイン系化合物、ジメトキシベンジ
ルウレタン系化合物、オルトニトロベンジルウレタン系化合物等を使用するようにしても
よい。
また、光塩基発生剤としては、特開2009−280785号公報、特開2010−8
4144号公報、特開2011−236416号公報に開示される塩基発生剤等を使用す
ることができる。これらは、光照射により脱炭酸するカルボン酸と塩基類からなるカルボ
ン酸塩である。
また、以下の式で表される光塩基発生剤も使用することができる。なお、式(B−3)
において、−R−は、−(CH−、あるいは−CHCHCHCH(CH
CH−を示す。
Figure 2014115643
Figure 2014115643
Figure 2014115643
熱塩基発生剤としては、特に限定されないが、加熱により脱炭酸して分解する有機酸と塩基との塩、分子内求核置換反応、ロッセン転位反応またはベックマン転位反応等により分解してアミン類を放出する化合物や、加熱により何らかの反応を起こして塩基を放出するものが好ましく用いられる。なかでも、塩基発生効率に優れているため、加熱により脱炭酸して分解する有機酸と塩基との塩が好ましく用いられる。
熱塩基発生剤としては、例えば英国特許第998949号記載のトリクロロ酢酸の塩、米国特許第4060420号に記載のアルファースルホニル酢酸の塩、特開昭59−157637号に記載のプロピール酸類の塩、2−カルボキシルカルボキサミド誘導体、特開昭59−168440号に記載の塩基成分に有機塩基の他にアルカリ金属、アルカリ土類金属を用いた熱分解性酸との塩、特開昭59−180537号に記載のロッセン転位を利用したヒドロキサムカルバメート類、加熱によりニトリルを生成する特開昭59−195237号に記載のアルドキシムカルバメート類、英国特許第998945号、米国特許第3220846号、英国特許第279480号、特開昭50−22625号、特開昭61−32844号、特開昭61−51139号、特開昭61−52638号、特開昭61−51140号、特開昭61−53634号、特開昭61−53640号、特開昭61−55644号、特開昭61−55645号等に記載の熱塩基発生剤が挙げられる。また、特開2000−330270号公報に開示される加熱により塩基を発生する化合物を使用するようにしてもよい。
また、その他の熱塩基発生剤の具体例としては、トリクロロ酢酸グアニジン、トリクロロ酢酸メチルグアニジン、トリクロ酢酸カリウム、フェニルスルホニル酢酸グアニジン、p−クロロフェニルスルホニル酢酸グアニジン、p−メタンスルホニルフェニルスルホニル酢酸グアニジン、フェニルプロピオール酸カリウム、フェニルプロピオール酸グアニジン、フェニルプロピオール酸セシウム、p−クロロフェニルプロピオール酸グアニジン、p−フェニレン−ビス−フェニルプロピオール酸グアニジン、フェニルスルホニル酢酸テトラメチルアンモニウム、フェニルプロピオール酸テトラメチルアンモニウムが挙げられる。
塩基増殖剤と塩基発生剤を組み合わせて塩基増殖剤組成物として使用する場合には、塩基増殖剤を構成する塩基類と、塩基発生剤を構成する塩基類が共通するようにしてもよい。塩基類が共通することにより、塩基増殖剤の分解が効率よく行われることになる。
塩基増殖剤と塩基発生剤を組み合わせて塩基増殖剤組成物として使用する場合の塩基増殖剤と塩基発生剤の配合比は、質量比で(モル比でも)、塩基増殖剤/塩基発生剤=40/1〜5/20の範囲内とすることが好ましい。塩基増殖剤の配合量が少なすぎると塩基が効率的に発生せず、塩基反応性化合物を迅速に反応させることができなくなる場合がある。一方、塩基増殖剤の配合量が多すぎると、塩基発生剤の使用量が増加し、塩基発生剤自体が塩基反応性化合物の溶解性等に悪影響を与える場合があり、また、コスト的にも好ましくない。塩基増殖剤と塩基発生剤の配合比は、質量比で(モル比でも)、塩基増殖剤/塩基発生剤=20/1〜5/5の範囲内とすることが特に好ましい。
次に、本発明の塩基反応性樹脂組成物を説明する。本発明の塩基反応性樹脂組成物は、前記した式(A)、式(A’)及び式(A’)に表される塩基増殖剤の少なくとも1つで表される塩基増殖剤、あるいはかかる塩基増殖剤及び塩基発生剤(塩基増殖剤組成物)と、塩基の存在によって硬化反応をする塩基反応性化合物を必須成分として含有する。
本発明の塩基反応性樹脂組成物を構成する塩基反応性化合物は、塩基増殖剤、あるいは塩基増殖剤及び塩基発生剤(塩基増殖剤組成物)により発生した塩基の作用により反応して、架橋等により硬化する化合物であり、例えば、下記No.2−1〜No.5−6の化合物等を使用することができる。特に、例えば、少なくとも1つのエポキシ基を有するエポキシ系化合物、少なくとも1つのアルコキシシリル基やシラノール基等を有しているケイ素系化合物、オキセタン環を含むオキセタン系化合物等を使用することが好ましい。かかる塩基反応性化合物は、1種類を単独で用いるようにしてもよく、また、2種類以上を組み合わせて使用するようにしてもよい。
また、塩基増殖剤は、1種を単独で用いるようにしてもよく、また、2種以上を組み合わせて使用してもよい。また、塩基増殖剤と塩基発生剤を併用して塩基増殖剤組成物として使用する場合には、塩基発生剤は、1種類を単独で用いるようにしてもよく、また、2種類以上を組み合わせて使用するようにしてもよい。
使用可能なエポキシ系化合物(エポキシ系樹脂)としては、例えば、ジグリシジルエーテル、エチレングリコールジグリシジルエーテル、グリセリンジグリシジルエーテル、プロピレングリコールジグリシジルエーテル、ブタンジオールジグリシジルエーテル、ジエチレングリコールジグリシジルエーテル、グリセロールポリグリシジルエーテル、ジグリセロールポリグリシジルエーテル、ソルビトールポリグリシジルエーテル、アリルグリシジルエーテル、ブチルグリシジルエーテル、フエニルグリシジルエーテル、アルキルフェノールグリシジルエーテル、ポリエチレングリコールジグリシジルエーテル、トリプロピレングリコールジグリシジルエーテル、ネオペンチルグリコールジグリシジルエーテル、1,6−ヘキサンジオールジグリシジルエーテル、グリセリンポリグリシジルエーテル、ジグリセリンポリグリシジルエーテル、トリメチロールプロパンポリグリシジルエーテル、クレジルグリシジルエーテル、脂肪族ジグリシジルエーテル、多官能グリシジルエーテル、3級脂肪酸モノグリシジルエーテル、スピログリコールジグリシジルエーテル、グリシジルプロポキシトリメトキシシラン等が挙げられる。これらのエポキシ系化合物はハロゲン化されていてもよく、水素添加されていてもよく、また、これらのエポキシ系化合物は誘導体も含む。そして、これらのエポキシ系化合物は、1種を単独で使用してもよく、2種以上を組み合わせて使用してもよい。
ケイ素系化合物(ケイ素系樹脂)としては、例えば、アルコキシシラン化合物やシランカップリング剤等を使用することができる。アルコキシシラン化合物としては、トリメチルメトキシシラン、ジメチルジメトキシシラン、メチルトリメトキシシラン、テトラメトキシシラン、メチルジメトキシシラン、トリメチルエトキシシラン、ジメチルジエトキシシラン、メチルトリエトキシシラン、テトラエトキシシラン、ジフェニルジメトキシシラン、フェニルトリメトキシシラン、ジフェニルジエトキシシラン、フェニルトリエトキシシラン、ヘキシルトリメトキシシラン、テトラプロポキシシラン、テトラブトキシシラン等が挙げられる。これらのアルコキシシラン化合物は、1種を単独で使用してもよく、2種以上を組み合わせて使用してもよい。
シランカップリング剤としては、例えば、ビニルシラン、アクリルシラン、エポキシシラン、アミノシラン等が挙げられる。ビニルシランとして、ビニルトリクロルシラン、ビニルトリス(β−メトキシエトキシ)シラン、ビニルトリエトキシシラン、ビニルトリメトキシシラン等が挙げられる。アクリルシランとしては、γ−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン、γ−メタクリロキシプロピルメチルジメトキシシラン等が挙げられる。エポキシシランとしては、β−(3,4−エポキシシクロへキシル)エチルトリメトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルメチルジエトキシシラン等が挙げられる。アミノシランとしては、N−β−(アミノエチル)−γ−アミノプロピルトリメトキシシラン、N−β−(アミノエチル)−γ−アミノプロピルメチルジメトキシシラン、γ−アミノプロピルトリメトキシシラン、N−フェニル−γ−アミノプロピルトリメトキシシラン等が挙げられる。その他のシランカップリング剤としては、γ−メルカプトプロピルトリメトキシシラン、γ−クロロプロピルメチルジメトキシシラン、γ−クロロプロピルメチルジエトキシシシラン等が挙げられる。これらのシランカップリング剤は、1種を単独で使用してもよく、2種以上を組み合わせて使用してもよい。
オキセタン系化合物(オキセタン系樹脂)としては、単量体のオキセタン系化合物、2量体のオキセタン系化合物等を使用することができる。使用可能なオキセタン系化合物としては、例えば、4,4’−ビス[(3−エチル−3−オキセタニル)メトキシメチル]ビフェニル、1,4−ベンゼンジカルボン酸ビス[(3−エチル−3−オキセタニル)メチル]エステル、1,4−ビス[(3−エチル−3−オキセタニル)メトキシメチル]ベンゼン等のキシリレンジオキセタン、3−エチル−3−(((3−エチルオキセタン−3−イル)メトキシ)メチル)オキセタン(あるいは3−(((3−エチルオキセタン−3−イル)メトキシ)メチル)−3−エチルオキセタンとも呼ばれる。)、3−エチルヘキシルオキセタン、3−エチル−3−ヒドロキシオキセタン、3−エチル−3−ヒドロキシメチルオキセタン、またはオキセタン化フェノールノボラック等が挙げられる。これらのオキセタン系化合物は、1種を単独で使用してもよく、2種以上を組み合わせて使用してもよい。
以下、塩基とエポキシ系化合物との反応挙動を説明する。なお、下記のスキームにあっては、また、R及びR’は、例えば炭素数が1〜12のアルキル基を示すが、特にそれらには限定されない。
第1級や第2級のアミン系では、下記に示したスキームのように、例えば、第1級アミンがエポキシ基に付加すると、中間体1となるが、Hとして脱離可能な水素が窒素原子上に2つあるため、このうち1つのHを失って2へと変化する。一方、変化した2は第2級アミンの構造をしているので、もう一度、別のエポキシ系化合物と反応することが可能となり3を生成する。
(スキーム)
Figure 2014115643
以下、塩基反応性化合物の具体例を挙げる。なお、下記No.2−1〜No.2−8の高分子化号物(塩基反応性化合物)のうち、No.2−1〜No.2−5の高分子化合物は、塩基の作用により脱離及び脱炭酸の反応を生じる。一方、No.2−6、No.2−7及びNo.2−8の塩基反応性化合物は、塩基の作用により脱離反応を引き起こし、カルボン酸を生じることになる。
Figure 2014115643
なお、前記した塩基反応性化合物No.2−1〜No.2−8は、いずれも塩基の作用で脱離反応を起こし、極性が変換されるポリマー群であり、分解前後で溶解性が変化することを利用してパターニングを行う材料(レジスト材料)等として適用することができる。
また、塩基反応性化合物の他の例を挙げる。なお、下記No.3−1〜No.3−4の塩
基反応性化合物のうち、No.3−1の物質(混合物)は塩基の作用により脱水縮合及び
架橋の反応を生じる。No.3−2の物質(混合物)は塩基の作用により脱水縮合及び架
橋の反応を生じる。No.3−3の物質(ポリマー)は塩基の作用により脱炭酸の反応を
生じる。No.3−4の物質は塩基の作用によりイミド形成の反応を生じる。なお、No
.3−1及びNo.3−2において、xは0を超えて1以下の数を示す。
Figure 2014115643
本発明の塩基反応性樹脂組成物を構成する塩基反応性化合物は、少なくとも1つのエポキシ基を有するエポキシ系化合物を使用することができる。また、少なくとも2つのエポキシ基を有するエポキシ系化合物に塩基を作用させることによって、エポキシ系化合物をエポキシ基の開環重合によりポリマーとすることができる。また、エポキシ系化合物に塩基を付加することにより、かかるエポキシ系化合物を化学変性することができる。重合反応性を示すエポキシ系化合物の一例を以下に示す。
Figure 2014115643
また、重合反応性を示すエポキシ系化合物(ポリマー)のその他の例を以下に示す。
Figure 2014115643
また、塩基反応性化合物としては、少なくとも1つのシラノール基またはアルコキシシリル基を有するケイ素系化合物を使用することができる。また、少なくとも2つのシラノール基またはアルコキシシリル基を有するケイ素系化合物に塩基を作用させることによって、かかるケイ素系化合物をシラノール基またはアルコキシシリル基の縮重合によりポリマーとすることができる。重合反応性を示すケイ素系化合物(No.5−2〜No.5−4はポリマー)の具体例を以下に示す。
Figure 2014115643
前記した光塩基発生剤や、本発明の塩基増殖剤と光塩基発生剤を併用して(塩基増殖剤組成物として)、塩基増殖剤及び光塩基発生剤を含有した塩基反応性樹脂組成物(感光性樹脂組成物)における照射光の波長及び露光量の範囲としては、光塩基発生剤の種類や量、及び塩基反応性樹脂組成物(感光性樹脂組成物)を構成する塩基反応性化合物の種類等に応じて適宜決定すればよいが、例えば、波長として190〜400nm、露光量として100〜10000mJ/cmの範囲内から選択して適用すればよく、後記する増感剤を用いることによりさらに高波長域を使用することも可能である。照射光の照射時間は、数秒でも可能な場合もあるが、概ね10秒以上とすればよく、1.5〜20分とすることが好ましい。
一方、熱塩基発生剤を使用する場合の加熱条件は、使用する熱塩基発生剤の種類や量、及び塩基反応性樹脂組成物(感光性樹脂組成物)を構成する塩基反応性化合物の種類等に応じて適宜決定すればよいが、加熱温度を概ね50〜150℃として、加熱時間を1〜1800分とすればよい。
また、塩基発生剤を併用せず、主成分を塩基増殖剤と塩基反応性化合物として塩基反応性樹脂組成物とする場合には、塩基増殖剤が分解可能な所望の塩基を添加するようにすればよく、塩基増殖剤と共通する塩基を添加することが好ましい。
本発明の塩基反応性樹脂組成物における塩基増殖剤の含有量は、エポキシ化合物等の塩基反応性化合物の分子量等が比較的低い場合を考慮して、塩基反応性化合物100質量部に対して概ね0.1〜300質量部の範囲内から選択すればよく、0.1〜60質量部とすることが好ましい。塩基増殖剤の含有量は、塩基反応性化合物100質量部に対して1〜60質量部とすることがなお好ましく、2〜30質量部とすることがさらに好ましく、2〜20質量部とすることがより好ましく、2〜15質量部とすることが特に好ましい。また、塩基反応性化合物(エポキシ系化合物やケイ素系化合物)のモノマーユニットあたり0.1〜50molの範囲内から選択して含有させるようにしてもよい。また、塩基増殖剤は、塩基反応性化合物中のエポキシ基100molに対する塩基増殖剤のアミン官能基比率で、10〜90mol%の範囲内から選択するようにしてもよく、40〜80mol%とすることが好ましい。なお、アミン官能基比率とは、対象となる塩基反応性化合物を例えばエポキシ系化合物とすると、エポキシ系化合物におけるエポキシ基の個数に対する塩基増殖剤中のアミノ基の個数をmol%として表したものであり、例えばアミン官能基比率10mol%(対エポキシ基)とは、塩基反応性化合物中のエポキシ基100個(100mol)に対して、塩基増殖剤からアミノ基が10個(10mol)発生するような塩基増殖剤のことを指す(後記する塩基発生剤についてのアミン官能基比率についても同様とする。)。前記の説明は、塩基反応性化合物としてエポキシ基を有するエポキシ系化合物を例に挙げて説明したが、ケイ素系化合物等の他の塩基反応性化合物についても同様とする。
また、塩基増殖剤と塩基発生剤を併用して塩基反応性化合物に塩基増殖剤組成物として含有させる場合にあっては、塩基発生剤の含有量は、前記した塩基増殖剤と塩基発生剤の配合比に対応させるように塩基発生剤を含有させるようにすることが好ましい。また、塩基反応性化合物100質量部に対して0.5〜40質量部とすることが好ましい。塩基発生剤の含有量が0.5質量部より少ないと、塩基増殖剤に作用せず、塩基反応性化合物を迅速に反応させることができなくなる場合がある一方、塩基発生剤の含有量が40質量部を超えると、塩基増殖剤と同様、塩基発生剤の存在が塩基反応性化合物の溶媒に対する溶解性に悪影響を与える場合があり、また、過剰量の塩基発生剤の存在はコスト高に繋がることになる。塩基発生剤の含有量は、塩基反応性化合物100質量部に対して0.5〜30質量部とすることがなお好ましく、2〜30質量部とすることがさらに好ましく、5〜20質量部とすることが特に好ましい。また、塩基反応性化合物(エポキシ系化合物やケイ素系化合物)のモノマーユニットあたり0.1〜50molの範囲内から選択して含有させるようにしてもよい。また、塩基発生剤は、塩基反応性化合物中のエポキシ基100molに対する塩基発生剤のアミン官能基比率で、5〜90mol%の範囲内から選択するようにしてもよく、10〜80mol%とすることが好ましい。
本発明の塩基反応性樹脂組成物は、塩基反応性化合物として、前記したNo.4−1〜No.4−14等の重合反応性を示すエポキシ系化合物(重合性エポキシ系化合物)、あるいは前記したNo.5−1〜No.5−6等の重合反応性を示すケイ素系化合物(重合性ケイ素系化合物)とすることが好ましい。このような塩基反応性樹脂組成物は、光または熱の作用により、重合し、重合体を与えることとなる。中でも、光により重合反応を開始する塩基反応性化合物を含む塩基反応性樹脂組成物(感光性樹脂組成物)とすることが好ましい。
本発明の塩基反応性樹脂組成物には、さらに、チオール化合物を含有することが好ましい。チオール化合物は、エポキシ系化合物等と併用することにより、エポキシ等の硬化官能基として作用する。チオール化合物としては、チオール基を2個以上有するポリチオール化合物を使用することが好ましく、例えば、エチレングリコールビス(3−メルカプトブチレート)、ブタンジオールビス(3−メルカプトブチレート)、ジペンタエリスリトールヘキサキス(3−メルカプトブチレート)、エチレングリコールビス(3−メルカプトイソブチレート)、ブタンジオールビス(3−メルカプトイソブチレート)、トリメチロールプロパントリス(3−メルカプトイソブチレート)、ペンタエリスリトールテトラキス(3−メルカプトイソブチレート)、ジペンタエリスリトールヘキサキス(3−メルカプトイソブチレート)、ペンタエリスリトールテトラキス(3−メルカプトブチレート)、トリス[(3−メルカプトプロピオニルオキシ)エチル]イソシアヌレート、ペンタエリスリトールテトラキス(3−メルカプトプロピオネート)、トリメチロールプロパントリス(3−メルカプトプロピオネート)、ジペンタエリスリトールヘキサ(3−メルカプトプロピオネート)、ジエチレングリコールビス(3−メルカプトプロピオネート)、1,4−ビス(3−メルカプトブチリルオキシ)ブタン、1,3,5−トリス(3−メルカプトブチルオキシエチル)−1,3,5−トリアジン−2,4,6(1H,3H,5H)−トリオン、ペンタエリスリトールテトラキス(3−メルカプトブチレート)等のチオール基を2〜5個有するポリチオール化合物を挙げることができる。これらのうち反応性等や扱いやすさを考慮して、ペンタエリスリトールテトラキス(3−メルカプトブチレート)、トリス[(3−メルカプトプロピオニルオキシ)エチル]イソシアヌレート、ペンタエリスリトールテトラキス(3−メルカプトプロピオネート)を使用することが好ましい。これらのチオール化合物は、1種を単独で使用してもよく、2種以上を組み合わせて使用してもよい。
チオール化合物の使用量は、例えば、エポキシ系化合物やオキセタン系化合物に対して、チオール当量(SH当量)/エポキシ当量(あるいはオキセタン当量)=0.3/1.7〜1.7/0.3となるようにすることが好ましく、0.8/1.2〜1.2/0.8の比率となるようにすることがより好ましい。この比率が、0.3/1.7〜1.7/0.3の範囲内であれば、未反応のチオール基やエポキシ基(あるいはオキセタン基)が硬化物中に多量に残存することを防止でき、硬化物の機械特性の低下傾向を抑制できる。
本発明に係る塩基反応性樹脂組成物を用いてパターンを形成するには、例えば、当該樹脂組成物を有機溶媒に溶解して塗布液を調製し、調製された塗布液を基板等の適当な固体表面に塗布し、乾燥して塗膜を形成するようにする。そして、形成された塗膜に対して、パターン露光を行って塩基を発生させた後、所定の条件で加熱処理を行って、塩基反応性樹脂組成物に含有される塩基反応性化合物の重合反応を促すようにする。
本発明の塩基反応性樹脂組成物は、本発明の塩基増殖剤を含有するため、室温でも重合反応は進行するが、重合反応を効率よく進行させるべく、加熱処理を施すことが好ましい。加熱処理の条件は、露光エネルギー、使用する塩基増殖剤から発生する塩基の種類、エポキシ系化合物またはケイ素系化合物等の塩基反応性化合物の種類によって適宜決定すればよいが、加熱温度は50℃〜150℃範囲内とすることが好ましく、60℃〜130℃の範囲内とすることが特に好ましい。また、加熱時間は10秒〜60分とすることが好ましく、60秒〜30分とすることが特に好ましい。これを露光部と未露光部とで溶解度に差を生じる溶媒中に浸漬して現像を行ってパターンを得ることができる。
本発明の塩基反応性樹脂組成物は、感光性樹脂組成物として使用する場合、感光波長領域を拡大し、感度を高めるべく、増感剤を添加することができる。使用できる増感剤としては、特に限定はないが、例えば、ベンゾフェノン、p,p’−テトラメチルジアミノベンゾフェノン、p,p’−テトラエチルアミノベンゾフェノン、2−クロロチオキサントン、アントロン、9−エトキシアントラセン、アントラセン、ピレン、ペリレン、フェノチアジン、ベンジル、アクリジンオレンジ、ベンゾフラビン、セトフラビン−T、9,10−ジフェニルアントラセン、9−フルオレノン、アセトフェノン、フェナントレン、2−ニトロフルオレン、5−ニトロアセナフテン、ベンゾキノン、2−クロロ−4−ニトロアニリン、N−アセチル−p−ニトロアニリン、p−ニトロアニリン、N−アセチル−4−ニトロ−1−ナフチルアミン、ピクラミド、アントラキノン、2−エチルアントラキノン、2−tert−ブチルアントラキノン、1,2−ベンズアントラキノン、3−メチル−1,3−ジアザ−1,9−ベンズアンスロン、ジベンザルアセトン、1,2−ナフトキノン、3,3’−カルボニル−ビス(5,7−ジメトキシカルボニルクマリン)またはコロネン等が挙げられる。これらの増感剤は、1種類を単独で用いるようにしてもよく、また、2種類以上を組み合わせて使用するようにしてもよい。
本発明の塩基反応性樹脂組成物を感光性樹脂組成物として使用する場合、増感剤の添加量は、使用する光塩基発生剤や塩基反応性化合物、及び必要とされる感度等により適宜決定すればよいが、塩基反応性樹脂組成物全体に対して1〜30質量%の範囲であることが好ましい。増感剤が1質量%より少ないと、感度が十分に高められないことがある一方、増感剤が30質量%を超えると、感度を高めるのに過剰となることがある。増感剤の添加量は、塩基反応性樹脂組成物全体に対して5〜20質量%の範囲であることが特に好ましい。
本発明の塩基反応性樹脂組成物を所定の基材に塗布等する場合にあっては、必要により、溶媒を適宜含有するようにしてもよい。塩基反応性樹脂組成物に溶媒を含有させることにより、塗布能力を高めることができ、作業性が良好となる。溶媒としては、特に限定はないが、例えば、ベンゼン、キシレン、トルエン、エチルベンゼン、スチレン、トリメチルベンゼン、ジエチルベンゼン等の芳香族炭化水素化合物;シクロヘキサン、シクロヘキセン、ジペンテン、n−ペンタン、イソペンタン、n−ヘキサン、イソヘキサン、n−ヘプタン、イソヘプタン、n−オクタン、イソオクタン、n−ノナン、イソノナン、n−デカン、イソデカン、テトラヒドロナフタレン、スクワラン等の飽和または不飽和炭化水素化合物;ジエチルエーテル、ジ−n−プロピルエーテル、ジ−イソプロピルエーテル、ジブチルエーテル、エチルプロピルエーテル、ジフェニルエーテル、ジエチレングリコールジメチルエーテル、ジエチレングリコールジエチルエーテル、ジエチレングリコールジブチルエーテル、ジエチレングリコールメチルエチルエーテル、ジプロピレングリコールジメチルエーテル、ジプロピレングリコールジエチルエーテル、ジプロピレングリコールジブチルエーテル、ジプロピレングリコールメチルエチルエーテル、エチレングリコールジメチルエーテル、エチレングリコールジエチルエーテル、エチレングリコールジプロピルエーテル、エチレングリコールメチルエチルエーテル、テトラヒドロフラン、1,4−ジオキサン、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、エチレングリコールモノエチルエーテルアセテート、ジプロピレングリコールメチルエーテルアセテート、ジエチレングリコールモノエチルエーテルアセテート、エチルシクロヘキサン、メチルシクロヘキサン、p−メンタン、o−メンタン、m−メンタン;ジプロピルエーテル、ジブチルエーテル等のエーテル類;アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、ジエチルケトン、ジプロピルケトン、メチルアミルケトン、シクロペンタノン、シクロヘキサノン、シクロヘプタノン等のケトン類;酢酸エチル、酢酸メチル、酢酸ブチル、酢酸プロピル、酢酸シクロヘキシル、酢酸メチルセロソルブ、酢酸エチルセロソルブ、酢酸ブチルセロソルブ、乳酸エチル、乳酸プロピル、乳酸ブチル、乳酸イソアミル、ステアリン酸ブチル等のエステル類等が挙げられる。これらの溶媒は、1種類を単独で用いるようにしてもよく、また、2種類以上を組み合わせて使用するようにしてもよい。
本発明の塩基反応性樹脂組成物において、溶媒の含有量は、例えば、所定の基材上に塩基反応性樹脂組成物を塗布し、塩基反応性樹脂組成物による層を形成する際に、均一に塗工されるように適宜選択すればよい。
なお、本発明の塩基反応性樹脂組成物には、本発明の目的及び効果を妨げない範囲において、添加剤を適宜添加するようにしてもよい。使用することができる添加剤としては、例えば、充填剤、顔料、染料、レベリング剤、消泡剤、帯電防止剤、紫外線吸収剤、pH調整剤、分散剤、分散助剤、表面改質剤、可塑剤、可塑促進剤、タレ防止剤、硬化促進剤、充填剤等が挙げられ、これらの1種類を単独で用いるようにしてもよく、2種類以上を組み合わせて使用するようにしてもよい。
以上説明した本発明の塩基反応性樹脂組成物は、本発明の塩基増殖剤、あるいは本発明の塩基増殖剤と塩基発生剤と塩基反応性化合物を含有することにより、塩基増殖剤から発生する塩基とエポキシ系化合物等との反応が連鎖的に進行し、硬化速度及び反応効率に優れたものとなり、硬化が速やかに実施され、硬化が十分になされる塩基反応性樹脂組成物となる。かかる効果を奏する本発明の塩基反応性樹脂組成物は、例えば、高感度の光硬化材料やレジスト材料(パターン形成材料)等に好適に用いることができる。
光硬化材料として適用された成形体は、耐熱性、寸法安定性、絶縁性等の特性が有効とされる分野の部材等として、例えば、塗料または印刷インキ、カラーフィルター、フレキシブルディスプレー用フィルム、半導体装置、電子部品、層間絶縁膜、配線被覆膜、光回路、光回路部品、反射防止膜、ホログラム、光学部材または建築材料の構成部材として広く用いられ、印刷物、カラーフィルター、フレキシブルディスプレー用フィルム、半導体装置、電子部品、層間絶縁膜、配線被覆膜、光回路、光回路部品、反射防止膜、ホログラム、光学部材または建築部材等が提供される。また、形成されたパターン等は、耐熱性や絶縁性を備え、例えば、カラーフィルター、フレキシブルディスプレー用フィルム、電子部品、半導体装置、層間絶縁膜、配線被覆膜、光回路、光回路部品、反射防止膜、その他の光学部材または電子部材として有利に使用することができる。
以下、実施例に基づき本発明をさらに詳細に説明するが、本発明は、かかる実施例に何
ら限定されるものではない。
[製造例1]
中間体の製造(1)
300mL四つ口フラスコに脱水ジエチルエーテル50mLを入れ、そこに攪拌しながら水素化リチウムアルミニウム1.6g(44×10−3mol)をゆっくり加えた。氷浴下でフラスコ内を攪拌させながら塩化アルミニウム5.6g(84×10−3mol)を脱水ジエチルエーテル50mLに溶解させた溶液をゆっくり滴下した。その後、下記式(H−1)に表されるチオキサントン5.0g(24×10−3mol)を少量ずつ反応系に入れ、すべて加えたら30分間還流攪拌した。反応終了後、反応系に氷を少量ずつ入れ、HClaqをゆっくり投入し残留物を溶解させ、ジエチルエーテルで抽出を行った。抽出は有機層をNaHCOaq、NaClaqによって各3回ずつ行い、最後に有機層を硫酸マグネシウムで乾燥させた。そして、エバポレーターにより溶媒留去し減圧乾燥することで、下記式(H−2)で表される中間体(化合物)の淡黄色固体を収量4.5g(収率95%)で得た。
Figure 2014115643
Figure 2014115643
[製造例2]
中間体の製造(2)
200mL二つ口ナスフラスコに式(H−2)で表される中間体1.0g(5.0×10−3mol)、p−ホルムアルデヒド0.3g(10×10−3mol)を入れ窒素雰囲気下にし、脱水ジエチルエーテル40mLを入れ、氷浴下にした。ここにn−ブチルリチウムのヘキサン溶液3.2mL(5.0×10−3mol)をゆっくり滴下し、滴下終了後15分間還流攪拌した。反応終了後、反応系に氷を少量ずつ入れ、25%HSOaqをゆっくり投入し残留物を溶解させ、ジエチルエーテルで抽出を行った。抽出は有機層をNaHSOaq、NaClaqによって各3回ずつ行い、最後に有機層を硫酸マグネシウムで乾燥させた。そして、エバポレーターにより溶媒留去しカラムクロマトグラフィー(展開溶媒 ヘキサン:酢酸エチル=3:1)を行い減圧乾燥することで、下記式(H−3)で表される中間体(化合物)の白色固体を収量0.7g(収率57%)で得た。
Figure 2014115643
[製造例3]
中間体の製造(3):
100mLナスフラスコに式(H−3)で表される中間体0.20g(0.8×10−3mol)を入れ、ジクロロメタン10mLに溶解させた。ここにm−クロロ過安息香酸0.2g(1.2×10−3mol)を加え、室温で1日間攪拌した。反応終了後、反応系に水を少量ずつ入れ、ジクロロメタンで抽出を行った。抽出は有機層をNaHCOaq、NaClaqによって各3回ずつ行い、最後に有機層を硫酸マグネシウムで乾燥させた。そして、エバポレーターにより溶媒留去しカラムクロマトグラフィー(展開溶媒 ヘキサン:酢酸エチル=1:3)を行い減圧乾燥することで、下記式(H−5)で表される中間体の白色固体を収量0.14g(収率69%)、下記式(H−6)で表される中間体
(化合物)を収量0.01g(収率4%)で得た。
また、この反応において式(H−3)で表される中間体を1.0g(4.4×10−3mol)、ジクロロメタンを40mL、m−クロロ過安息香酸を2.5g(14.0×10−3mol)にすることにより下記式(H−6)で表される中間体(化合物)の白色固
体を収量0.9g(収率86%)で得た。
Figure 2014115643
Figure 2014115643
[実施例1]
塩基増殖剤の製造(1):
50mLナスフラスコに式(H−6)で表される中間体0.20g(0.8×10−3mol)とジラウリン酸ジブチルすず(IV)0.06g(0.1×10−3mol)を入れ、脱水ベンゼン10mLと脱水アセトニトリル15mLの混合溶媒に溶解させた。ここにイソシアン酸シクロヘキシル0.2g(1.2×10−3mol)を脱水ベンゼン1mLに溶解させた溶液を滴下し室温で6時間攪拌した。反応終了後、エバポレーターにより溶媒留去しカラムクロマトグラフィー(展開溶媒 ヘキサン:酢酸エチル=4:1)を行い減圧乾燥することで、下記式(A−1)で表される塩基増殖剤の白色固体を収量0.2g(収率74%)で得た。
Figure 2014115643
[実施例2]
塩基増殖剤の製造(2):
50mLナスフラスコに式(H−6)で表される中間体0.75g(2.9×10−3mol)とジラウリン酸ジブチルすず(IV)0.18g(0.3×10−3mol)を入れ、脱水ベンゼン30mLと脱水アセトニトリル30mLの混合溶媒に溶解させた。ここにヘキサメチレンジイソシアナート0.2g(1.2×10−3mol)を脱水ベンゼン1mLに溶解させた溶液を滴下し室温で10時間攪拌した。反応終了後、エバポレーターにより溶媒留去しカラムクロマトグラフィー(展開溶媒 ヘキサン:酢酸エチル=4:1)を行い減圧乾燥することで、下記式(A’−1)で表される塩基増殖剤の白色固体を収量0.69g(収率69%)で得た。
Figure 2014115643
[実施例3]
塩基増殖剤の製造(3):
50mLナスフラスコに式(H−6)で表される中間体0.50g(1.9×10−3mol)とジラウリン酸ジブチルすず(IV)0.12g(0.2×10−3mol)を入れ、脱水ベンゼン30mLと脱水アセトニトリル30mLの混合溶媒に溶解させた。ここにイソホロンジイソシアネート0.21g(0.96×10−3mol)を脱水ベンゼン1mLに溶解させた溶液を滴下し室温で12時間攪拌した。反応終了後、エバポレーターにより溶媒留去しカラムクロマトグラフィー(展開溶媒 ヘキサン:酢酸エチル=4:1)を行い減圧乾燥することで、下記式(A’−2)で表される塩基増殖剤の白色固体を収量0.50g(収率70%)で得た。
Figure 2014115643
[実施例4]
塩基増殖剤の製造(4):
100mLナスフラスコに式(H−5)で表される中間体0.2g(0.8×10−3mol)とジラウリン酸ジブチルすず(IV)0.06g(0.1×10−3mol)を入れ、脱水アセトニトリル20mLに溶解させた。ここにイソシアン酸シクロヘキシル0.1g(0.8×10−3mol)を脱水アセトニトリル1mLに溶解させた溶液を滴下し室温で1日間攪拌した。反応終了後、エバポレーターにより溶媒留去しカラムクロマトグラフィー(展開溶媒 ヘキサン:酢酸エチル=1:1)を行い減圧乾燥することで、下記式(A−2)で表される塩基増殖剤の白色固体を収量0.3g(収率89%)で得た。
Figure 2014115643
[製造例4]
光塩基発生剤の製造(1):
100mLナスフラスコに4,5−ジメトキシ−2−ニトロベンジルアルコール0.3g(1.4×10−3mol)とジラウリン酸ジブチルすず(IV)0.06g(0.1×10−3mol)を入れ、脱水ベンゼン18mLに溶解させた。ここにイソシアン酸シクロヘキシル0.2g(1.4×10−3mol)を脱水ベンゼン2mLに溶解させた溶液を滴下し3時間還流攪拌した。反応終了後、冷却して出てきた結晶を吸引ろ過し減圧乾燥することで、式(B−1)で表される光塩基発生剤の淡黄色固体を収量0.3g(収率95%)で得た。
[製造例5]
光塩基発生剤の製造(2):
前記した製造例4に記載した方法に準じて、式(B−2)に表される光塩基発生剤を得た。
[製造例6]
光塩基発生剤の製造(3):
前記した製造例4に記載した方法に準じて、式(B−3)に表される光塩基発生剤(R:−(CH−)を得た。
[試験例1]
有機溶剤に対する溶解性の確認:
実施例1ないし実施例4で得られた塩基増殖剤の有機溶剤に対する溶解性を確認した。結果を図1に示す。なお、塩基増殖剤の溶解性は、塩基増殖剤0.01gに対して溶解する溶媒量を確認した。図1中、溶解量の結果を、溶媒量が1mL未満の場合(溶媒を1mL必要としないで溶解した場合)を「++」、2〜5mLの場合「+」、6〜9mLの場合「−」、10mLを超える場合「−−」として示した。また、比較として、下記式(C)で表される化合物もあわせて評価した。
Figure 2014115643
図1は、塩基増殖剤等の有機溶剤に対する溶解性を示した図である。図1に示すように、実施例1ないし実施例4の塩基増殖剤は、有機溶剤に対して良好な溶解性を示した。
[試験例2]
溶液中での塩基増殖剤の分解挙動の確認(1):
塩基増殖剤は、スキーム1に示すように、塩基の添加により分解反応が起こり、塩基及び二酸化炭素(CO)とともに、オレフィンが発生する。下記の方法を用いて、塩基増殖剤の分解挙動を確認した。
NMR試料管に、実施例1で得られた塩基増殖剤70×10−3mol/L、塩基であるシクロヘキシルアミン13×10−3mol/L、溶媒としてジオキサン−d、内部標準液としてメシチレン13×10−3mol/Lを入れ、封管した後100℃で所定の時間加熱した。そして、H−NMRにより、発生するオレフィンピークを追跡することにより、塩基増殖剤の分解挙動(オレフィンの生成)を確認し、塩基を添加しない場合と比較した。加熱時間と転化率及びオレフィン生成率との関係を図2に示す。なお、オレフィンの生成率は、H−NMRスペクトルより算出した。
図2に示すように、塩基増殖剤を構成する塩基と共通する塩基(シクロヘキシルアミン)が添加された系は、増殖反応特有の非線形反応の曲線が得られ、塩基を添加しない系より効率よく分解し、オレフィンを生成することが確認できた。
また、半減期と非線形反応の曲線の反応が加速した後の直線部の傾きについての結果を表1に示す。
(半減期と傾き)
Figure 2014115643
[試験例3]
溶液中での塩基増殖剤の分解挙動の確認(2)
NMR試料管に、実施例4で得られた塩基増殖剤70×10−3mol/L、塩基であるジアザビシクロウンデセン(DBU)13×10−3mol/L、溶媒としてメタノール−d、内部標準液としてメシチレン13×10−3mol/Lを入れ、封管した後100℃で所定の時間加熱した。そして、H−NMRにより、発生するオレフィンピークを追跡することにより、塩基増殖剤の分解挙動(オレフィンの生成)を確認し、塩基としてDBUの代わりにシクロヘキシルアミンを添加した場合、及び塩基を添加しない場合と比較した。加熱時間とオレフィン生成率との関係を図3に示す。なお、オレフィンの生成率は、試験例1と同様にして算出した。
図3に示すように、塩基増殖剤を構成する塩基と共通する塩基(DBU)が添加された系は、増殖反応特有の非線形反応の曲線が得られ、塩基を添加しない系より効率よく分解し、オレフィンを生成することが確認できた。
また、半減期と非線形反応の曲線の反応が加速した後の直線部の傾きについての結果を表2に示す。
(半減期と傾き)
Figure 2014115643
[試験例4]
高分子固体(ポリスチレン)中での塩基増殖剤の分解挙動の確認(1):
ポリスチレン(Sigma−Aldrich社製、Mw=280000)0.058gに対して、実施例1で得られた塩基増殖剤0.023g(0.060×10−3mol%)(ポリスチレン100質量部に対して40質量部)、式(B−1)で示した光塩基発生剤を0.0023g(ポリスチレン100質量部に対して4質量部)を含有させることにより樹脂組成物とした。かかる樹脂組成物を、キャスト溶媒としてテトラヒドロフラン(THF)1gに溶解させて試料溶液とし、この試料溶液を3000rpmで30秒間シリコンウェハ上にスピンコートし、ホットプレート上にて100℃で30秒間プリベイクすることにより製膜した。この膜に波長365nmで100、1000、10000J/cmの光を照射した後、60℃で所定の時間加熱して、IRスペクトルにより、転化するカルボニル基(C=O)のピーク(1757cm−1)を追跡することにより、塩基増殖剤の分解挙動を確認した(露光をしない系(0mJ/cm)もブランクとして実施した。)。加熱時間とピーク強度比との関係を図4に示す。なお、カルボニル基の転化率は、
加熱開始前のピーク強度を基準として算出した。
図4に示すように、露光した系については、加熱後すぐに分解が進行する非線形な分解挙動を示した。これは、露光により系中に塩基が存在し、その後の加熱で塩基の濃度が増大し、ある閾値を超えたときに分解が爆発的に進行したことを意味し、すなわち塩基増殖反応が進行したことを意味する。一方、露光をしない系(0mJ/cmで示したもの)は、塩基を添加した系より分解が遅かった。以上のことから、塩基増殖剤が、光塩基発生剤への光の照射で発生する少量の塩基を引き金として高分子固体中で自己触媒的に分解することが確認できた。
[試験例5]
高分子固体(ポリスチレン)中での塩基増殖剤の分解挙動の確認(2):
ポリスチレン(Sigma−Aldrich社製、Mw=280000)0.058gに対して、実施例4で得られた塩基増殖剤0.023g(0.062×10−3mol%)(ポリスチレン100質量部に対して40質量部)、塩基であるシクロヘキシルアミンを1.0×10−3g(ポリスチレン100質量部に対して約1.7質量部)を含有させることにより樹脂組成物とした。かかる樹脂組成物を、キャスト溶媒としてクロロホルム1gに溶解させて試料溶液とし、この試料溶液を3000rpmで30秒間シリコンウェハ上にスピンコートし、ホットプレート上にて100℃で30秒間プリベイクすることにより製膜した。この膜を120℃で所定の時間加熱して、IRスペクトルにより、転化するカルボニル基(C=O)のピーク(1757cm−1)を追跡することにより、塩基増殖剤の分解挙動を確認し、塩基を添加しない場合と比較した。加熱時間とピーク強度比との関係を図5に示す。なお、カルボニル基の転化率は、加熱開始前のピーク強度を基準として算出した。
図5に示すように、塩基(シクロヘキシルアミン)が添加された系は、加熱後すぐに分解が進行する非線形な分解挙動を示した。これは系中で塩基の濃度が増大し、ある閾値を超えたときに分解が爆発的に進行したことを意味し、すなわち塩基増殖反応が進行したことを意味する。一方、塩基を添加していない系では、塩基を添加した系より分解が遅かった。以上のことから、塩基増殖剤が少量の塩基を引き金として高分子固体中で自己触媒的に分解することが確認できた。
[試験例6]
PGMA中での光不溶化挙動の確認(1):
式(No.4−12)に表されるエポキシ系化合物であるポリグリシジルメタクリレート(PGMA:M=13000)0.1gに対して、実施例1で得られた塩基増殖剤をPGMAのモノマーユニットに対して7.4mol%、式(B−1)で表される光塩基発生剤をPGMAのモノマーユニットに対して2.2mol%含有させることにより樹脂組成物とした。得られた樹脂組成物を1.0gのクロロホルムに溶解させ試料溶液とし、かかる試料溶液を3000rpmで30秒間シリコンウェハ上にスピンコートし、ホットプレート上にて60℃で1分間プリベイクすることにより、厚さ0.5μmの膜を作製した。この膜に365nmの単色光を所定の露光量で照射し、ポストベイクの温度を100℃として加熱時間を20分間実施し、クロロホルムで1分間現像し、残っている膜の厚さを測定し、露光量と残膜率との関係(感度曲線)を作成した。そして、加熱時間を40分、60分として、感度曲線を作成した。結果を図6に示す。図6に示すように、1000mJ/cmを超えた露光量でPGMAの光不溶化挙動が確認された。
[試験例7]
PGMA中での光不溶化挙動の確認(2):
式(No.4−12)に表されるエポキシ系化合物であるポリグリシジルメタクリレート(PGMA:M=13000)0.1gに対して、実施例2で得られた塩基増殖剤をPGMAのモノマーユニットに対して3.7mol%、式(B−1)で表される光塩基発生剤をPGMAのモノマーユニットに対して2.2mol%含有させることにより樹脂組成物とした。得られた樹脂組成物を1.0gのクロロホルムに溶解させ試料溶液とし、かかる試料溶液を3000rpmで30秒間シリコンウェハ上にスピンコートし、ホットプレート上にて60℃で1分間プリベイクすることにより、厚さ0.5μmの膜を作製した。この膜に365nmの単色光を所定の露光量で照射し、ポストベイクの温度を60℃として加熱時間を10分間実施し、クロロホルムで1分間現像し、残っている膜の厚さを測定し、露光量と残膜率との関係(感度曲線)を作成した。そして、加熱時間を20分、40分として、感度曲線を作成した。結果を図7に示す。図7に示すように、100mJ/cmを超えた露光量でPGMAの光不溶化挙動が確認された。
また、図8は、試験例6及び試験例7の結果について、加熱時間が40分の場合の感度曲線を併せて載せたものである(試験例6について、塩基増殖剤を含有させず光塩基発生剤のみを含有させて実施した結果(加熱温度:100℃)についても載せている。)。図8に示すように、塩基増殖剤を含有させることにより高感度化し、感度は実施例2の塩基増殖剤を含有させた系の方が高かった。
[実施例5及び実施例6]
塩基反応性樹脂組成物の製造(1):
式(No.5−6)に表されるエポキシ系化合物であるポリメタクリル酸3−(トリメトキシシリル)プロピル(PMAS,M=20000)0.1gに対して、式(B−3)で表される光塩基発生剤をPMASのモノマーユニットに対して2.5mol%、実施例2で得られた塩基増殖剤を下記の含有量で含有させることにより本発明の塩基反応性樹脂組成物を得た。
(塩基増殖剤の含有量)
エポキシ系化合物に対して(モノマーユニットに対してのmol%)
実施例5 7.2mol%
実施例6 14.0mol%
[参考例1]
樹脂組成物の製造(1)
実施例5において、実施例2で得られた塩基増殖剤を添加しなかった以外は、実施例4と同様な方法を用いて、樹脂組成物を得た。
[試験例8]
硬化確認(1)(加熱温度依存性の確認):
実施例6で得られた塩基反応性樹脂組成物を1.0gのクロロホルム(CHCl)に溶解させて試料溶液とした。この試料溶液をガラス基板上にバーコートして製膜し、60℃で1分間加熱してプリベイクし、厚さ5.0μmの塗膜を調製した。この塗膜に365nmの単色光を、露光量を0(ブランク)、100、1000、5000及び10000mJ/cmとして、ポストベイクとして60℃で40分間加熱後の塗膜の硬度をJIS K5600−5−4に準拠して鉛筆硬度測定を行った。そして、同様な操作を、ポストベイクの加熱温度を80℃、及び100℃として実施し、比較・評価した。結果を図9(a)に示す。
[試験例9]
硬化確認(2)(加熱時間依存性の確認):
実施例6で得られた塩基反応性樹脂組成物を1.0gのクロロホルム(CHCl)に溶解させて試料溶液とした。この試料溶液をガラス基板上にバーコートして製膜し、60℃で1分間加熱してプリベイクし加熱してプリベイクし、厚さ5.0μmの塗膜を調製した。この塗膜に365nmの単色光を、露光量を0(ブランク)、100、1000、5000及び10000mJ/cmとして、ポストベイクとして80℃で20分間加熱後の塗膜の硬度をJIS K5600−5−4に準拠して鉛筆硬度測定を行った。そして、同様な操作を、ポストベイクの加熱時間を40分、及び60分として実施し、比較・評価
した。結果を図9(b)に示す。
[試験例10]
硬化確認(3)(添加量依存性の確認):
実施例5で得られた塩基反応性樹脂組成物を1.0gのクロロホルム(CHCl)に溶解させて試料溶液とした。この試料溶液をガラス基板上にバーコートして製膜し、60℃で1分間加熱してプリベイクし加熱してプリベイクし、厚さ5.0μmの塗膜を調製した。この塗膜に365nmの単色光を、露光量を0(ブランク)、100、1000、5000及び10000mJ/cmとして、ポストベイクとして80℃で40分間加熱後の塗膜の硬度をJIS K5600−5−4に準拠して鉛筆硬度測定を行った。そして、同様な操作を、実施例6及び参考例1の塩基反応性樹脂組成物等に対して実施し、比較・評価した。結果を図9(c)に示す。
図9に示すように、加熱温度を高くするほど、加熱時間を長くするほど、及び塩基増殖剤の含有量が高くなるほどに硬化が進行することが確認できた。
[実施例7ないし実施例9]
感光性樹脂組成物の製造(2):
式(No.4−13)に表されるエポキシ系化合物であるソルビトールポリグリシジルエーテル(デナコール(登録商標)EX−622/ナガセケムテックス(株)製)0.1gに対して、式(B−2)で表される光塩基発生剤を0.031g(エポキシ系化合物100質量部に対して31質量部)(アミン官能基比率:10mol%(対エポキシ基)、実施例3で得られた塩基増殖剤を下記の含有量で含有させることにより本発明の感光性樹脂組成物を得た。
(塩基増殖剤の含有量)
含有量(g) 質量部 アミン官能基比率(注)
実施例7 0.14 140 40mol%
実施例8 0.21 210 60mol%
実施例9 0.27 270 80mol%
(注)対エポキシ基(mol%)
[参考例2]
樹脂組成物の製造(2)
実施例7において、実施例3で得られた塩基増殖剤を添加しなかった以外は、実施例6と同様な方法を用いて、樹脂組成物を得た。
[試験例11]
硬化確認(4)(加熱温度依存性の確認):
実施例8で得られた塩基反応性樹脂組成物を1.0gのクロロホルム(CHCl)に溶解させて試料溶液とした。この試料溶液をガラス基板上にバーコートして製膜し、60℃で30秒間加熱してプリベイクし、厚さ5.0μmの塗膜を調製した。この塗膜に365nmの単色光を、露光量を0(ブランク)、1000、5000及び10000mJ/cmとして、ポストベイクとして50℃で20分間加熱後の塗膜の硬度をJIS K5600−5−4に準拠して鉛筆硬度測定を行った。そして、同様な操作を、ポストベイクの加熱温度を60℃、70℃及び80℃として実施し、比較・評価した。結果を図10(a)に示す。
[試験例12]
硬化確認(5)(加熱時間依存性の確認):
実施例8で得られた塩基反応性樹脂組成物を1.0gのクロロホルム(CHCl)に溶解させて試料溶液とした。この試料溶液をガラス基板上にバーコートして製膜し、60℃で30秒間加熱してプリベイクし加熱してプリベイクし、厚さ5.0μmの塗膜を調製した。この塗膜に365nmの単色光を、露光量を0(ブランク)、1000、5000及び10000mJ/cmとして、ポストベイクとして60℃で10分間加熱後の塗膜の硬度をJIS K5600−5−4に準拠して鉛筆硬度測定を行った。そして、同様な操作を、ポストベイクの加熱時間を20分、40分及び60分として実施し、比較・評価した。結果を図10(b)に示す。
[試験例13]
硬化確認(6)(添加量依存性の確認):
実施例7で得られた塩基反応性樹脂組成物を1.0gのクロロホルム(CHCl)に溶解させて試料溶液とした。この試料溶液をガラス基板上にバーコートして製膜し、60℃で30秒間加熱してプリベイクし、厚さ5.0μmの塗膜を調製した。この塗膜に365nmの単色光を、露光量を0(ブランク)、1000、5000及び10000mJ/cmとして、ポストベイクとして60℃で20分間加熱後の塗膜の硬度をJIS K5600−5−4に準拠して鉛筆硬度測定を行った。そして、同様な操作を、実施例8、実施例9及び参考例2の塩基反応性樹脂組成物等に対して実施し、比較・評価した。結果を図10(c)に示す。
図10に示すように、加熱温度を高くするほど、加熱時間を長くするほど、及び塩基増殖剤の含有量が高くなるほどに硬化が進行することが確認できた。
本発明は、高感度の光硬化材料やレジスト材料(パターン形成材料)等を提供する材料として有利に使用することができる。

Claims (7)

  1. 下記式(A)で表されることを特徴とする塩基増殖剤。
    Figure 2014115643
    (式(A)中、R、R、R及びRは、それぞれ独立して、水素原子、炭素数1〜
    12のアルキル基、炭素数5〜10のシクロアルキル基、炭素数6〜14のアリール基ま
    たは炭素数7〜15のアリールアルキル基、XはSOまたはSO、をそれぞれ示す。)
  2. 下記式(A’)で表されることを特徴とする塩基増殖剤。
    Figure 2014115643
    (式(A’)中、R、R、R、R、R、R、R、R、R及びR10はそれぞれ独立して、水素原子、炭素数1〜12のアルキル基、炭素数5〜10のシクロアルキル基、炭素数6〜14のアリール基または炭素数7〜15のアリールアルキル基を示し、R、R、R、R、R及びRは互いに結合して環構造を作ってもよい。nは0〜20の整数、XはSOまたはSO、をそれぞれ示す。)
  3. 下記式(A’)で表されることを特徴とする塩基増殖剤。
    Figure 2014115643
    (式(A’)中、R、R、R、R、R、R、R及びR10はそれぞれ独立して、水素原子、炭素数1〜12のアルキル基、炭素数5〜10のシクロアルキル基、炭素数6〜14のアリール基または炭素数7〜15のアリールアルキル基を示す。XはSOまたはSO、をそれぞれ示す。)
  4. 請求項1ないし請求項3の少なくとも1項に記載の塩基増殖剤と、塩基反応性化合物を含有することを特徴とする塩基反応性樹脂組成物。
  5. 請求項1ないし請求項3の少なくとも1項に記載の塩基増殖剤と、塩基発生剤及び塩基反応性化合物を含有することを特徴とする塩基反応性樹脂組成物。
  6. 前記塩基発生剤が光塩基発生剤であることを特徴とする請求項5に記載の塩基反応性樹脂組成物。
  7. 前記塩基反応性化合物がエポキシ系化合物、ケイ素系化合物及びオキセタン系化合物からなる群より選ばれる少なくとも1種であることを特徴とする請求項4ないし請求項6のいずれかに記載の塩基反応性樹脂組成物。
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