JP2014115040A - 燃焼用ガス量制御装置 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】可動板を移動操作するステッピングモータ18の作動を制御するモータ制御部Uが、印加するパルス数を出力軸が設定基準回転位相に回転した状態を基準に管理する形態で、かつ、ステッピングモータ18の回転方向を変更する場合には、出力軸と可動板とを連係する連係機構の連係融通に対応して予め設定した遊び補正用のパルス数を加算する形態で、ステッピングモータ18に印加するパルス数を定めるように構成され、かつ、出力軸が設定基準回転位相になるようにステッピングモータ18を作動させたときに、出力軸の回転位相を検出する回転位相検出手段PMの検出情報に基づいて、出力軸を基準回転位相に回転させるようにステッピングモータ18を駆動するように構成されている。
【選択図】図2
Description
前記可動板を前記ガス量調節用移動方向に移動操作するステッピングモータと、
目標火力の大きさ及び燃焼停止を指示する燃焼状態設定部の設定情報に基づいて、前記ガス通流用開度を指示された前記目標火力の大きさに対応する前記通流開度に変更し、かつ、前記燃焼停止の指示によって前記ガス通流用開度を前記全閉開度に変更すべく、前記ステッピングモータの作動を制御するモータ制御部とが設けられた燃焼用ガス量制御装置に関する。
前記可動板を前記ガス量調節用移動方向に移動操作するステッピングモータと、
目標火力の大きさ及び燃焼停止を指示する燃焼状態設定部の設定情報に基づいて、前記ガス通流用開度を指示された前記目標火力の大きさに対応する前記通流開度に変更し、かつ、前記燃焼停止の指示によって前記ガス通流用開度を前記全閉開度に変更すべく、前記ステッピングモータを駆動し、且つ、前記可動板を移動操作しないときには、前記ステッピングモータに対する通電を停止する形態で、前記ステッピングモータの作動を制御するモータ制御部とが設けられたものであって、その第1特徴構成は、
前記ステッピングモータの出力軸の回転位相を検出する回転位相検出手段が設けられ、
前記モータ制御部が、
前記ステッピングモータに印加するパルス数を前記出力軸が設定基準回転位相に回転した状態を基準に管理する形態で、かつ、前記ステッピングモータの回転方向を変更する場合には、前記出力軸と前記可動板とを連係する連係機構の連係融通に対応して予め設定した遊び補正用のパルス数を加算する形態で、前記可動板を移動操作するために前記ステッピングモータに印加する前記パルス数を定めて、前記ステッピングモータを駆動するように構成され、かつ、
前記出力軸が前記設定基準回転位相になるように前記ステッピングモータを作動させたときに、前記回転位相検出手段の検出情報に基づいて、前記出力軸が前記設定基準回転位相からずれていることを判別した場合には、前記出力軸を前記設定基準回転位相に回転させるように前記ステッピングモータを駆動するように構成されている点を特徴とする。
つまり、出力軸が設定基準回転位相に回転した状態を基準にしながら、可動板を目標量移動させるためのパルス数を定めて、そのパルス数をステッピングモータに印加する形態、いわゆるオープンループ形態でステッピングモータを駆動するものであるから、モータ制御部の負荷が小さな簡素な制御構成で、ステッピングモータを駆動することができるのである。
前記モータ制御部が、
前記可動板を移動操作しないときには、前記ステッピングモータに対する通電を停止する形態で、前記ステッピングモータの作動を制御するように構成され、且つ、
前記ステッピングモータを駆動するときに設定開始条件を満たす場合には、前記出力軸の実回転位相が目標回転位相よりも設定量手前側となるときに、前記ステッピングモータを一旦停止させ、その後、前記回転位相検出手段の検出情報に基づいて、前記実回転位相が前記目標回転位相となるように前記ステッピングモータに印加する補正パルス数を求めて、前記ステッピングモータに前記補正パルス数を印加する高精度調整処理を実行するように構成されている点を特徴とする。
この高精度調整処理は、出力軸の実回転位相が目標回転位相よりも設定量手前側となるときに、ステッピングモータを一旦停止させ、その後、回転位相検出手段の検出情報に基づいて、実回転位相が目標回転位相となるようにステッピングモータに印加する補正パルス数を求めて、ステッピングモータに補正パルス数を印加する処理である。
前記モータ制御部が、前記出力軸を前記他方側方向に前記可動板を移動させる回転方向に回転させて、最小火力に対応する回転位相に回転させるときに、前記設定開始条件が満たされたと判別するように構成されている点を特徴とする。
つまり、火力を減少させながら最小火力に調節するときに、高精度調整処理が実行されることにより、火力を最小火力に的確に調整することができる。
尚、ステッピングモータに対して目標とするパルス数を印加しても、目標回転位相に出力軸を所望通り回転させることができない状態になっていれば、ステッピングモータに目標とするパルス数を印加すれば、目標回転位相に出力軸を所望通り回転させる状態に復帰させることができることは、もちろんである。
前記モータ制御部が、前記出力軸の回転方向を前回とは反転させるときに、前記設定開始条件が満たされたと判別するように構成されている点を特徴とする。
つまり、火力を減少させた後で火力を増加させることが行われるときや、火力を増加させた後で火力を減少させることが行われたときに、高精度調整処理が実行されることになる。
前記ガス量調節部が、
前記出力軸を前記他方側方向に前記可動板を移動させる回転方向に回転させて、前記最小火力に対応する回転位相に回転させたときの前記通流開度を、前記最小火力に対応する設定適正開度に調節する開度調節手段を備えている点を特徴とする。
前記開度調節手段が、前記固定板を前記ガス量調節用移動方向に移動調節する手段である点を特徴とする。
前記出力軸の前記設定基準回転位相が、前記ガス通流用開度を前記全閉開度に操作する回転位相に定められている点を特徴とする。
前記ガス量調節部が、前記可動板が前記他方側方向に移動操作されることにより、前記ガス通流用開度を前記通流開度の前記最小通流開度に漸次減少させたのち、前記可動板が引き続いて前記他方側方向に移動操作されたときに、前記ガス通流用開度を前記全閉開度に変更するように構成されている点を特徴とする。
前記モータ制御部が、異常発生情報が入力されたときには、前記ガス通流用開度を前記全閉開度に変更すべく、前記ステッピングモータの作動を制御するように構成されている点を特徴とする。
したがって、このような状態においては、ガス通流用開度を全閉開度に操作して、ガスの供給を遮断することにより、安全性の向上を図ることができる。
前記可動板が、前記出力軸の軸心に沿う回転軸心回りで回転自在に支持されて、前記回転軸心回りでの回転方向を前記ガス量調節用移動方向として、前記ステッピングモータにて回転操作されるように構成されている点を特徴とする。
本発明の実施形態を図面に基づいて説明する。
(ガスコンロの全体構成)
図1に示すように、例示するガスコンロは、コンロ本体の上面部に、3つのコンロバーナ1を備え、コンロ本体の内部のグリル部GRに、グリルバーナ2(図2参照)を備える状態に構成され、そして、キッチンカウンターに組み込まれるビルトインタイプに構成されている。
3つのコンロバーナ1は、左側に配設される高火力バーナ1A、右側に配設される標準バーナ1B、及び、横幅方向の中央の奥側箇所に配設される小火力バーナ1Cである。
グリルバーナ2は、グリル上バーナ2U及びグリル下バーナ2Sである(図2参照)。
また、トッププレート3の上部には、3つのコンロバーナ1の夫々にて加熱される鍋等の調理容器を載置するための五徳5が設けられている。
尚、グリルバーナ2としての、グリル下バーナ2Sは、左右一対装備されるものであるが、図2においては、一つのみを記載している。
図1に示すように、コンロ本体の前面部の左方側箇所には、高火力バーナ1Aに対する高火力用操作具6Aが配設され、コンロ本体の前面部の右方側箇所には、標準バーナ1Bに対する標準用操作具6B、及び、小火力バーナ1Cに対する小火力用操作具6Cが配設されている。
尚、以下の記載において、高火力用操作具6A、小火力用操作具6C、及び、標準用操作具6Bを区別して記載する必要がないときには、操作具6と記載する。
運転制御部Uは、点消火スイッチ7A、7B、7CがON(オン)状態になると、点火指令であると判別し、点消火スイッチ7A、7B、7CがOFF(オフ)状態になると、消火指令であると判別するように構成され、そして、後述の如く、点火指令に基づいて点火処理を実行し、かつ、消火指令に基づいて消火処理を実行するように構成されている。
これらのロータリーエンコーダ8A、8B、8Cは、操作具6の一方向への回転操作に伴って2つのパルス信号のうちの一方のパルス信号が他方のパルス信号より位相が進み、操作具6の他方向への回転操作に伴って他方のパルス信号が前記一方のパルス信号より位相が進む状態で、各操作具6の回転操作に伴って互いに異なる位相の2つのパルス信号を出力するように構成されている。
運転制御部Uは、各ロータリーエンコーダ8A、8B、8Cのパルス信号に基づいて、各操作具6が右方向に設定角度回転されるごとに、火力調節指令として、1段階の火力増加指令が指令されたと判断し、また、各操作具6が左方向に設定角度回転されるごとに、火力調節指令として、1段階の火力減少指令が指令されたと判断するように構成され、そして、後述の如く、火力調節指令(火力増加指令、火力減少指令)に基づいて火力調節処理を実行するように構成されている。
そして、本実施形態のガスコンロは、ガス燃料として、13Aの都市ガス(以下、13Aガスと略称)とLPガスとを使用できるように構成されるものであって、いずれのガス燃料についても、目標火力の大きさを、9段階の目標火力に設定できるように構成されている。
そして、ガス噴出ノズルとして、13Aガスに応じたガス噴出ノズルと、LPガスに応じたガス噴出ノズルが用意されて、これらのガス噴出ノズルを使用するガス燃料の種類に応じて選択するように構成されている。
そして、図2に示すように、コンロ用設定操作部SCの設定情報が、運転制御部Uに入力されて、運転制御部Uが、火力を調節しながら設定された調理メニューに対応する運転を実行する等、3つのコンロバーナ1に対する燃焼制御を実行するように構成されているが、本実施形態においては、コンロ用設定操作部SCの設定情報による燃焼制御についての詳細な説明は省略する。
ちなみに、電源スイッチ9が入り操作されることによって供給される電力は、コンロ本体が備える各種の機器類の作動用電力としても用いられることになる。
そして、図2に示すように、グリル用設定操作部SGの設定情報が、運転制御部Uに入力されて、運転制御部Uが、グリル部GRのグリル上バーナ2U及びグリル下バーナ2Sの燃焼を制御されるように構成されているが、本実施形態では、グリル上バーナ2U及びグリル下バーナ2Sの燃焼制御についての説明は省略する。
図2に示すように、ガス燃料が供給される元ガス路11に、3つのコンロバーナ1に対する3つのコンロ用分岐路12A、12B、12C、及び、グリルバーナ2に対するグリル用分岐路13が分岐状態で接続されている。
尚、以下の記載において、3つのコンロ用分岐路12A、12B、12Cを区別する必要がないときには、分岐路12と記載し、また、コンロ用流量調節弁16A、16B、16Cを区別する必要がないときには、流量調節弁16と記載する。
同様に、グリル用流量調節弁17が、グリル用ステッピングモータ19にて操作されるように構成されている。
尚、以下に記載において、3つのコンロ用ステッピングモータ18A、18B、18Cを区別する必要がないときには、ステッピングモータ18と記載する
コンロ用安全弁20A、20B、20Cは、ガス供給を遮断する閉じ状態に弾性付勢され、かつ、開き状態に操作されたときに電磁保持部20G(図8参照)にて開き状態に保持されるように構成されるものであり、グリル用安全弁21も同様である。
同様に、グリル用安全弁21が、グリル用ステッピングモータ19にて開き状態に操作されるように構成されている。
尚、以下の記載において、3つのコンロ用安全弁20A、20B、20Cを区別する必要がないときには、安全弁20と記載する。
標準用制御部VBは、コンロ用流量調節弁16B、コンロ用安全弁20B及びコンロ用ステッピングモータ18Bを装備するように構成されている。
小火力用制御部VCは、コンロ用流量調節弁16C、コンロ用安全弁20C及びコンロ用ステッピングモータ18Cを装備するように構成されている。
グリル用制御部VGは、グリル用流量調節弁17、グリル用安全弁21、グリル用ステッピングモータ19及びグリル用ガバナ22を装備するように構成されている。
高火力用制御部VA、標準用制御部VB、及び、小火力用制御部VCは、同様な構成であるため、以下、高火力用制御部VAを代表にして、その具体構成を説明する。
また、以下の記載においては、コンロ用流量調節弁16Aを流量調節弁16と記載し、コンロ用安全弁20Aを安全弁20と記載し、また、コンロ用ステッピングモータ18Aをステッピングモータ18と記載する。
ちなみに、図4に示すように、ステッピングモータ18の出力軸18Tの回転位相を検出する回転位相検出手段としてのポテンショメータPMが、出力軸18Tにギヤ式の連動機構にて連動連結される状態で設けられている。
すなわち、可動板27がガス量調節用移動方向に沿って一方側方向に移動操作されることにより、通流開度が漸次増大し、かつ、可動板27がガス量調節用移動方向に沿って他方側方向に移動操作されることにより、通流開度が漸次減少するように構成され、さらに、通流開度を最小開度に操作したのち、引き続き、可動板27が他方側方向に移動操作されることにより、ガス通流用開度が全閉開度に変更されるように構成されている。
流量調節弁16について説明を加えると、可動板27が、固定板26の下面に密接する状態で回転軸心Z回りでの回転自在に支持されている。
図5及び図6に示すように、可動板27には、上下に貫通するガス通流孔27Aが形成され、また、可動板27の上面には、ガス通流孔27Aに連通するガス通流凹溝27Bが、CW方向に沿ってガス通流孔27Aから離れるほど小幅となる状態で、円周方向に沿って形成されている。
そして、安全弁20の開き状態において、ケーシング25の内部を通して流動するガスがガス通流孔27Aに導かれるように構成されている。
そして、図4に示すように、この調整孔26aを挿通する状態で、実質的にケーシング25に螺合する締付ボルト28が設けられ、締付ボルト28の締結によって、固定板26がケーシング25に固定されている。
したがって、締付ボルト28を緩めて、固定板26を回転軸心Zの回りに回動させることにより、ガス通流孔27A及びガス通流凹溝27Bに対するガス流出孔26Aの回転軸心Z回りでの位置を調節できるように構成されている。
安全弁20について説明を加えると、図5に示すように、ケーシング25の側部に、筒状の安全弁収納部分25Aが設けられている。
図4に示すように、この安全弁収納部分25Aに、弁体30が、弁座31に接当する閉じ位置と弁座31から離間する開き位置とに切換え自在に設けられ、弁体30を閉じ位置に復帰付勢する閉じ付勢用のスプリング32が設けられている。
また、弁体30を開き位置に押圧操作するスライド式の操作体33が、戻しスプリング34にて、弁体30を押圧しない非操作位置に復帰付勢された状態で設けられている。
尚、上述の如く、開き位置に押圧された弁体30が電磁保持部20Gにて保持されることにより、安全弁20が、開き状態に保持されるように構成されている。
図4及び図5に示すように、ケーシング25には、流量調節弁16及び安全弁20に加えて、安全弁20を開き状態に押し開くための開操作用位置と安全弁20が閉じ状態になることを許容する閉動作許容位置とに切換えられる安全弁操作用体35、及び、可動板27を回動操作する中継体36が組み込まれている。
つまり、中継体36と可動板27とが、回転軸心Z方向に相対移動自在な状態で、連係ピン40によって一体回転するように連係されている。
また、図8に示すように、中継体36の外周部に設けた突起部36aを受止めるストッパー42が、ケーシング25に設けられている。
ちなみに、出力軸18Tが設定基準回転位相Aに回転しているときには、中継体36の突起部36aは、ストッパー42から離間している。
そして、連係機構Rは、図9に示すように、出力軸18Tが他方側範囲(CCW方向側の範囲)において設定基準回転位相Aから離れる側の安全弁操作用位相F(図6参照)に回転したときに、安全弁操作用体35を開操作用位置に操作すべく、出力軸18Tと安全弁操作用体35とを連係するように構成されている。
図6は、出力軸18Tが設定基準回転位相Aに回転している状態を示すものであって、固定板26のガス流出孔26Aが、ガス通流孔27A及びガス通流凹溝27Bに合致しない状態となっている。
Cで示す回転位相は、ガス燃料として13Aガスを使用する際に、最小目標火力にする回転位相(以下、13A用最小通流位相と略称)である。ちなみに、上述した開度調節手段Wによって、この13A用最小通流位相Cにおける通流開度を調節することになる。
Dで示す回転位相は、通流開度を最大通流開度にする回転位相(以下、最大通流位相と略称)であって、ガス燃料としてLPガス及び13Aガスを使用する際に、最大目標火力にする回転位相である。
Eで示す回転位相は、ガス燃料として13Aガスを使用する際において、コンロバーナ1を点火する場合の通流開度を設定する回転位相(以下、点火用回転位相)である。
CCW方向限度Gは、安全弁20を開き状態に操作する操作体33を安全弁収納部分25Aに設けた受止体43(図8参照)にて受止めることにより、達成されるように構成されている。
CW方向限度Hは、中継体36がCW方向に回転したときに、突起部36aが上述したストッパー42に受止められることにより達成されることになる(図10参照)。
つまり、ポテンショメータPMは、設定基準回転位相Aから256.5度回転した位相と、設定基準回転位相Aから−76.55度回転した位相との間において、出力軸18Tの回転位相に対応する角度を検出するように構成されている。
次に、高火力用制御部VAにおけるガス燃料の流れについて説明を加えると、図4及び図5に示すように、ケーシング25の安全弁収納部分25Aに、ガス入口部44が設けられている。
このガス入口部44から安全弁収納部分25Aの内部に流動したガスは、弁体30が開き位置に位置するときには、弁座31の形成部分を通過してケーシング25の内部に流動することになる。
そして、可動板27と固定板26の間に流動したガスは、ガス流出孔26Aがガス通流孔27A又はガス通流凹溝27Bに合致しているときには、ガス流出孔26Aより流出することになる。
尚、図4に示すように、ケーシング25における出力軸18Tの挿通箇所には、ケーシング25の内部に流動したガスが、ステッピングモータ18の存在側に漏れるのを抑制するシール用のOリング45が、出力軸18Tに外嵌する状態で設けられている。
運転制御部Uは、流量調節弁16のガス通流用開度と出力軸18Tの設定基準回転位相Aを基準とした回転角度(回転位相)との関係として、出力軸18TをCCW方向に回転させた状態における、ガス通流用開度と回転角度(回転位相)との関係を記憶するように構成されている。
本実施形態においては、このようなヒステリシスが存在するため、ガス通流用開度と回転角度(回転位相)との関係として、出力軸18TをCCW方向に回転させた状態における関係を記憶させるようにした。
ちなみに、ポテンショメータPMの出力は、例えば、CW方向限度Hにて0.000V、CCW方向限度Gにて0.060V、安全弁操作用位相Fにて0.260V、設定基準回転位相Aにて0.690V、最小通流位相Bにて0.892V、13A用最小通流位相Cにて1.500V、最大通流位相Dにて2.850Vである。
尚、「V」は、ボルトの略記である。
運転制御部Uは、マイクロコンピュータを主要部として構成されて、上述の如く、3つのコンロバーナ1夫々についての、消火指令、点火指令、及び、火力調節指令(火力増加指令、火力減少指令)を判別して、コンロバーナ1の燃焼を制御することになるが、コンロバーナ1の燃焼を制御するために、消火指令、点火指令、及び、火力調節指令、並びに、ポテンショメータPMの検出情報に基づいて、ステッピングモータ18の作動を制御するモータ制御部として機能することになる。
また、ガス種設定スイッチGEにて、13Aガスが設定されている場合であるとして説明する。
すなわち、図12に示すように、本実施形態のステッピングモータ18は、2相励磁式に構成されており、ステッピングモータ18を駆動するときには、A極及びB極にパルス電流を通電することになるが、ステッピングモータ18を停止するときには、パルス電流の通電を停止するように構成されている。
そして、図13に示すように、運転制御部Uは、点火処理において、出力軸18Tを安全弁操作用位相Fに回転させた際に、出力軸18Tの回転を停止しかつ出力軸18Tが外力により回転されるのを牽制する停止保持電流を、設定ホールド時間に亘りステッピングモータ18に通電する出力軸保持処理を実行するように構成されている。
そして、出力軸保持処理の実行後において出力軸18Tを回転させる際には、先ず、励磁切替え速度を300PPSした後、励磁切替え速度を500PPSに切換える等、励磁切替え速度が制御されるように構成されている。
尚、「PPS」とは、パルス・パー・セコンドの略記である。
また、運転制御部Uは、ステッピングモータ18に印加するパルス数を出力軸18Tが設定基準回転位相Aに回転した状態を基準に管理する形態で、かつ、ステッピングモータ18の回転方向を変更する場合には、予め設定した遊び補正用のパルス数を加算する形態で、可動板27を移動操作するためにステッピングモータ18に印加するパルス数を定めて、ステッピングモータ18を駆動するように構成されている。
したがって、出力軸18Tを設定基準回転位相Aから安全弁操作用位相F(−48度)に回転させる際には、48を0.395にて除算して求められる122ステップを、必要ステップ数(印加するパルス数)として定めてステッピングモータ18をCCW方向に駆動することになる。
また、例えば、安全弁操作用位相Fから点火用回転位相Eに回転させた出力軸18Tを、点火用回転位相E(165度)から13A用最小通流位相C(90度)に回転させる際には、165から90を減算した75を0.395にて除算して求められる190ステップに、連係機構Rの遊び7度を0.395にて除算して求められる18ステップを加えた208ステップを、必要ステップ数(印加するパルス数)として定めてステッピングモータ18をCCW方向に駆動することになる。
また、運転制御部Uは、出力軸18Tが設定基準回転位相Aになるようにステッピングモータ18を作動させたときに、ポテンショメータPMの検出情報に基づいて、出力軸18Tが設定基準回転位相Aからずれていることを判別した場合には、出力軸18Tを設定基準回転位相Aに回転させるようにステッピングモータ18を駆動する位相調整処理を実行するように構成されている。
また、出力軸18Tが設定基準回転位相Aをオーバーしている場合には、一旦、出力軸18TをCW方向に回転させて設定基準回転位相Aの手前側に戻した後、設定基準回転位相Aに向けてCCW方向に回転させることになる。
次に、運転制御部Uの燃焼制御について説明するが、3つのコンロバーナ1の夫々に対する制御内容は同様であるので、以下の記載においては、コンロバーナ1が高火力バーナ1Aであるとして説明する。
また、ガス種設定スイッチGEにて、13Aガスが設定されている場合であるとして説明する。
点火処理は、図15に示すように、安全弁操作用体35を開操作用位置に操作した後、安全弁操作用体35を閉動作許容位置に操作し、かつ、ガス通流用開度を点火用火力の大きさに対応する通流開度に変更すべくステッピングモータ18を作動させる処理、及び、安全弁20を開き状態に保持すべく電磁保持部20Gに通電し、点火用のイグナイタLを作動させ且つ着火検出センサJにて着火を検出する処理を実行する処理である。
尚、元電磁弁15を開くときには、先ず、吸着用の大きな電流と保持用の小さな電流と通電し、その後、吸着用の大きな電流の通電を停止することになる。
ちなみに、出力軸18Tを設定基準回転位相Aから安全弁操作用位相Fに回転させた際には、上述の如く、停止保持電流を設定ホールド時間に亘りステッピングモータ18に通電する出力軸保持処理が実行されることになる。
火力調節処理は、点火処理の実行後において、火力調節指令が指令されると、指示された目標火力の大きさに対応する通流開度に変更する処理であり、具体的には、13A用最小通流位相Cと最大通流位相Dとの間で出力軸18Tを回転させながら、ガス通流用開度を目標火力に対応する通流開度に変更することになる。
尚、出力軸18Tを13A用最小通流位相Cに回転させる際には、後述する高精度調整処理が実行されることになる。
消火処理は、消火指令が指令されると、ガス通流用開度を全閉開度に変更する処理であり、具体的には、図16に示すように、出力軸18Tを設定基準回転位相Aに回転させる処理、及び、安全弁20を閉じる処理を実行することになる。
ちなみに、出力軸18Tを設定基準回転位相Aに回転させた際に、出力軸18Tが設定基準回転位相Aからずれていることを判別した場合には、上述の如く、出力軸18Tを設定基準回転位相Aに回転させるようにステッピングモータ18を駆動する位相調整処理を実行することになる。
尚、安全弁故障判断処理を実行した後、他のコンロバーナ1やグリルバーナ2が使用されていない場合には、元電磁弁15を閉じることになる。
ちなみに、消火処理においては、出力軸18Tを設定基準回転位相Aに回転させるものであるから、安全弁操作用体35が閉作動許容位置に操作されることになる。
図14に示すフローチャートに基づいて、燃焼制御の流れについて説明する。
先ず、コンロバーナ1が燃焼中であるか否かを判別し(#1)、燃焼中でないと判別したときには、点火処理中であるか否かを判別し(#2)、点火処理中でない場合には、操作具6の操作によって点火指令が指令されているか否かを判別し(#3)、指令されていない場合には、#1の処理に移行することになる。
#2の処理によって、点火処理中であると判別した場合には、操作具6の操作によって消火指令が指令されているか否かを判別し(#5)、消火指令が指令されていない場合には、#4の処理に移行し、消火指令が指令されている場合には、#6の消火処理に移行することになる。
#7の処理にて、異常発生でないと判別したときには、操作具6の操作によって消火指令が指令されているか否かを判別し(#8)、消火指令が指令されている場合には、#6の消火処理に移行することになる。
また、火力調節処理中であるか否かを判別し(#9)、火力調節処理中である場合や、火力調節指令が指令されたと判別したときには(#10)、火力調節処理(#11)を実行することになる。
運転制御部Uは、上述の如く、基本的には、オープンループ式の制御形態でステッピングモータ18を駆動することになるが、ステッピングモータ18を駆動するときに設定開始条件を満たす場合には、高精度調整処理を実行するように構成されている。
そして、高精度調整処理として、出力軸18Tの実回転位相が目標回転位相(13A用最小通流位相C)よりも設定量手前側となるときに、ステッピングモータ18を一旦停止させ、その後、ポテンショメータPMの検出情報に基づいて、実回転位相が目標回転位相(13A用最小通流位相C)となるようにステッピングモータ18に印加する補正パルス数を求めて、ステッピングモータ18に補正パルス数を印加する処理を実行するように構成されている。
そして、ポテンショメータPMの現在の検出値から目標回転位相(13A用最小通流位相C)に対応するポテンショメータPMの検出値(0.892V)を減算した減算値を求め、その減算値を0.395にて乗算して、補正パルスを求め、その後、ステッピングモータ18に補正パルス数を印加して、出力軸18Tを目標回転位相(13A用最小通流位相C)に回転させるようにする(図15参照)。
また、運転制御部Uは、ポテンショメータPMの検出値(出力値)が正常範囲(0.000〜3.000V)でない異常であると判別したときには、出力軸18Tを基準回転方向としてのCW方向に向けて、回転位相が設定基準回転位相AよりもCW方向側の一方側範囲(CW方向側の範囲)となるように回転させるべく、予め定めた異常対策用設定パルス数をステッピングモータ18に印加する異常対策処理を実行するように構成され、かつ、この異常対策処理を実行する際には、安全弁20及び元電磁弁15を閉じ操作する弁閉じ操作処理が実行されることになる。
そして、運転制御部Uは、ポテンショメータPMの検出値(出力値)が正常範囲でない異常であると判別したときには、出力軸18TをCW方向に向けて90度回転させるべく、予め定めた異常対策用設定パルス数をステッピングモータ18に印加するように構成され、また、コンロバーナ1の燃焼を停止させるために、安全弁20及び元電磁弁15を閉じ操作するように構成されている。
つまり、ポテンショメータPMの検出値(出力値)が正常範囲でない異常であると判別したときには、安全弁20及び元電磁弁15と閉じ操作して、ガス漏れが生じないようにすることができるのである。
尚、ポテンショメータPMの検出値(出力値)が正常範囲でない異常であると判別したときには、警報ランプ等を作動させて、使用者に異常状態であることを報知することになる。
上記一方側範囲(CW方向側の範囲)及び上記他方側範囲(CCW方向側の範囲)を加えた角度、つまり、安全弁操作用位相Fと最大通流位相Dとの間の角度は、上述の説明から明らかな如く、360度よりも小さな角度であり、また、ポテンショメータPMは、上述の如く、上記一方側範囲(CW方向側の範囲)及び上記他方側範囲(CCW方向側の範囲)を外れた範囲のうちの一部範囲(検出不能範囲K)において、出力軸18Tの回転位相を検出不能となる形態に構成されている。
ちなみに、予備対策用設定パルス数は、出力軸18Tを180度回転させるのに必要なパルス数として定められる。
具体的には、出力軸18Tの現在の回転位相と設定基準回転位相Aとの間に相当する角度を回転させるのに必要なステップ数を定めて、ステッピングモータ18を作動させることになる。
尚、出力軸18Tを設定基準回転位相に回転させた際には、上述した位相調整処理が実行されることになる。
また、運転制御部Uが、火力調節処理を実行するためにステッピングモータ18を作動させることが終了する毎に、ポテンショメータPMの検出値(出力値)が正常範囲内であるか否かを判別した際に、検出値(出力値)が正常範囲内であるものの、火力調節処理を実行した結果として予測される予測値に対して設定量以上の差がある場合には、基準回転方向(CW方向)とは逆方向(CCW方向)に回転させる形態で、出力軸18Tを設定基準回転位相Aに回動させるべく、ステッピングモータ18を作動させる初期化処理を実行するように構成されている。
尚、出力軸18Tを設定基準回転位相に回転させた際には、上述した位相調整処理が実行されることになる。
以下、別実施形態を列記する。
そして、選択して使用するガス燃料の種類が、3種類以上存在させる形態で実施してもよく、また、例えば、13Aの都市ガス等、一つの種類のガス燃料のみを使用する形態で実施してもよい。
この場合、出力軸18Tを設定基準回転位相AよりもCCW方向側に回動させることが省略されることになる。
26 固定板
27 可動板
18 ステッピングモータ
A 設定基準回転位相
M 燃焼状態設定部
PM 回転位相検出手段
R 連系機構
U モータ制御部
W 開度調節手段
Z 回転軸心
Claims (10)
- 固定板に対して可動板をガス量調節用移動方向に移動させることにより、ガス通流用開度を最小通流開度と最大通流開度との間の通流開度及び全閉開度に変更するように構成され、且つ、前記可動板が前記ガス量調節用移動方向に沿って一方側方向に移動操作されることにより、前記通流開度を増大し、かつ、前記可動板が前記ガス量調節用移動方向に沿って他方側方向に移動操作されることにより、前記通流開度を減少するように構成されたガス量調節部と、
前記可動板を前記ガス量調節用移動方向に移動操作するステッピングモータと、
目標火力の大きさ及び燃焼停止を指示する燃焼状態設定部の設定情報に基づいて、前記ガス通流用開度を指示された前記目標火力の大きさに対応する前記通流開度に変更し、かつ、前記燃焼停止の指示によって前記ガス通流用開度を前記全閉開度に変更すべく、前記ステッピングモータ作動を制御するモータ制御部とが設けられた燃焼用ガス量制御装置であって、
前記ステッピングモータの出力軸の回転位相を検出する回転位相検出手段が設けられ、
前記モータ制御部が、
前記ステッピングモータに印加するパルス数を前記出力軸が設定基準回転位相に回転した状態を基準に管理する形態で、かつ、前記ステッピングモータの回転方向を変更する場合には、前記出力軸と前記可動板とを連係する連係機構の連係融通に対応して予め設定した遊び補正用のパルス数を加算する形態で、前記可動板を移動操作するために前記ステッピングモータに印加する前記パルス数を定めて、前記ステッピングモータを駆動するように構成され、かつ、
前記出力軸が前記設定基準回転位相になるように前記ステッピングモータを作動させたときに、前記回転位相検出手段の検出情報に基づいて、前記出力軸が前記設定基準回転位相からずれていることを判別した場合には、前記出力軸を前記設定基準回転位相に回転させるように前記ステッピングモータを駆動するように構成されている燃焼用ガス量制御装置。 - 前記モータ制御部が、
前記可動板を移動操作しないときには、前記ステッピングモータに対する通電を停止する形態で、前記ステッピングモータの作動を制御するように構成され、且つ、
前記ステッピングモータを駆動するときに設定開始条件を満たす場合には、前記出力軸の実回転位相が目標回転位相よりも設定量手前側となるときに、前記ステッピングモータを一旦停止させ、その後、前記回転位相検出手段の検出情報に基づいて、前記実回転位相が前記目標回転位相となるように前記ステッピングモータに印加する補正パルス数を求めて、前記ステッピングモータに前記補正パルス数を印加する高精度調整処理を実行するように構成されている請求項1記載の燃焼用ガス量制御装置。 - 前記モータ制御部が、前記出力軸を前記他方側方向に前記可動板を移動させる回転方向に回転させて、最小火力に対応する回転位相に回転させるときに、前記設定開始条件が満たされたと判別するように構成されている請求項2記載の燃焼用ガス量制御装置。
- 前記モータ制御部が、前記出力軸の回転方向を前回とは反転させるときに、前記設定開始条件が満たされたと判別するように構成されている請求項2又は3記載の燃焼用ガス量制御装置。
- 前記ガス量調節部が、
前記出力軸を前記他方側方向に前記可動板を移動させる回転方向に回転させて、最小火力に対応する回転位相に回転させたときの前記通流開度を、前記最小火力に対応する設定適正開度に調節する開度調節手段を備えている請求項1又は2に記載の燃焼用ガス量制御装装置。 - 前記開度調節手段が、前記固定板を前記ガス量調節用移動方向に移動調節する手段である請求項5記載の燃焼用ガス量制御装装置。
- 前記出力軸の前記設定基準回転位相が、前記ガス通流用開度を前記全閉開度に操作する回転位相に定められている請求項1〜6のいずれか1項に記載の燃焼用ガス量制御装置。
- 前記ガス量調節部が、前記可動板が前記他方側方向に移動操作されることにより、前記ガス通流用開度を前記通流開度の前記最小通流開度に漸次減少させたのち、前記可動板が引き続いて前記他方側方向に移動操作されたときに、前記ガス通流用開度を前記全閉開度に変更するように構成されている請求項7記載の燃焼用ガス量制御装置。
- 前記モータ制御部が、異常発生情報が入力されたときには、前記ガス通流用開度を前記全閉開度に変更すべく、前記ステッピングモータの作動を制御するように構成されている請求項7又は8に記載の燃焼用ガス量制御装置。
- 前記可動板が、前記出力軸の軸心に沿う回転軸心回りで回転自在に支持されて、前記回転軸心回りでの回転方向を前記ガス量調節用移動方向として、前記ステッピングモータにて回転操作されるように構成されている請求項1〜9のいずれか1項に記載の燃焼用ガス量制御装置。
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