JP2014114793A - 車両の始動制御装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】NSWがONのとき又はSTAがONのときに、ニュートラル判定を行う車両の始動制御装置おいて、ニュートラル判定が未判定となる期間が生じるのを抑える。
【解決手段】ピニオンギヤと、スタータモータと、シフトレバーの操作により非駆動レンジが選択されたときに、ピニオンギヤの押し出しを許可するNSWと、ピニオンギヤとスタータモータとを個別に制御し、且つ、NSW信号がONのとき、又は、スタータモータの駆動時に、ニュートラル判定を行うエンジン始動制御装置である。EFI−ECUは、NSWがオフと判定されたときに、NSW履歴フラグを設定し、且つ、NSW履歴フラグが設定されている間もニュートラル判定を行うように構成されている。
【選択図】図3

Description

本発明は、車両の始動制御装置に関し、特に、シフトレンジが非駆動レンジであることを判定するニュートラル判定を行う車両の始動制御装置に関するものである。
エンジン始動時にエンジンに対して回転力を与えるスタータとしては、1つのソレノイドによりピニオンギヤの押し出しとスタータモータへの通電とを行うもの(以下、従来型スタータという)が従来から知られている。この従来型スタータでは、ピニオンギヤをスタータモータによって回転させながら押し出して、エンジンのリングギヤにピニオンギヤを噛み合わせ、当該ピニオンギヤを介してスタータモータの回転動力をエンジンに供給する。
もっとも、従来型スタータでは、エンジンの回転が停止するまでは、ピニオンギヤをリングギヤに噛み合わせることが困難なため、エンジン停止制御後も暫くの間はエンジンが惰性で回転するアイドルストップシステムに従来型スタータを採用することは困難であった。
そこで最近では、エンジン始動性能の向上のため、ピニオンギヤの押し出しとスタータモータへの通電とを独立に制御する構造、例えば、ピニオン噛み合い制御用ソレノイドのリレーと、モータ用リレーとを個別に設定したスタータ(以下、タンデムソレノイドスタータともいう)が採用されてきている(例えば、特許文献1参照)。
特開2010−223058号公報
ところで、エンジン始動は非駆動レンジ(Nレンジ又はPレンジ)にて行われることから、シフトレバーの操作によって非駆動レンジが選択されたときに、それ自体がONになるニュートラルスタートスイッチ(以下、NSWともいう)を、バッテリ(及びイグニッションスイッチ)とスタータリレーとの間に配置することがある。この構成によれば、駆動レンジが選択されたときにはNSW自体がOFFとなるので、これに接続されるスタータリレーに対して電圧が供給されず、駆動レンジにおけるスタータの駆動が抑えられることになる。
このNSWは、プルアップ抵抗を含んでいることから、イグニッションスイッチがOFFの場合でも、それ自体がOFFであれば端子電圧が+B(バッテリ電圧)レベルとなり、車載の制御装置によってOFFと判定される。また、スタータリレーが接地されていることから、イグニッションスイッチがOFFの場合には、NSWは、それ自体がONであれば端子電圧がグランドレベルとなり、制御装置によってONと判定される。一方、イグニッションスイッチがONの場合、すなわち、運転者がイグニッションキーやスタートスイッチを操作すること(以下、キー操作等ともいう)でスタータを駆動しようとした場合には、NSWは、それ自体がONのときでも、バッテリ電圧が供給されることでその端子電圧が+Bレベルとなり、制御装置によってOFFと判定される。つまり、NSWは、ピニオンギヤが駆動すると、OFFと判定されるという特性を有している。
それ故、ピニオンギヤの押し出しとスタータモータへの通電とが同期する場合には、NSWの信号(以下、NSW信号ともいう)がONのときは、スタータモータの駆動を指示するスタータ信号(以下、STA信号ともいう)が必ずOFFになる一方、STA信号がONのときは必ずNSW信号がOFFとなるという同時性がとれていた。これにより、従来型スタータを用いた場合には、NSW信号がON、又は、STA信号がON(且つNSW信号がOFF)ならば、シフトレンジが非駆動レンジであると判定(ニュートラル判定)することが可能であった。
しかしながら、タンデムソレノイドスタータを用いた場合には、ピニオンギヤの押し出し用リレーと、モータ駆動用リレーとが別駆動となっていることから、以下のような問題が生じる。すなわち、NSWがONの状態で、運転者のキー操作等により、ピニオンギヤの押し出し用リレーに対して電圧が供給されると、NSWの端子電圧は+Bレベルとなるので、NSW信号はOFFとなるが、STA信号とピニオンギヤの押し出しとが同期しないため、ピニオンギヤが押し出された時点では、制御装置はSTA信号がOFFであると判定する。このように、タンデムソレノイドスタータを用いた場合には、NSW信号とSTA信号とが共にOFFになる期間が生じるため、NSW信号がON、又は、STA信号がONであればニュートラル判定を行う従来の判定方法では、未判定の期間が生じることになる。
本発明はかかる点に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、ニュートラルスタートスイッチをONと判定したとき、又は、スタータモータの駆動時に、ニュートラル判定を行う車両の始動制御装置おいて、ニュートラル判定が未判定となる期間が生じるのを抑えることにある。
上記目的を達成するため、本発明では、NSWとSTAとが共にOFFになる期間は、履歴フラグを設定し、かかる履歴フラグが設定されている間も、ニュートラルであると判定するようにしている。
具体的には、本発明は、エンジン側に押し出されることで当該エンジンのリングギヤに噛み合うピニオンギヤと、上記ピニオンギヤを介して上記エンジンに回転動力を供給するスタータモータと、シフトレバーの操作に応じてニュートラルレンジ又はパーキングレンジが選択されたときに、上記ピニオンギヤの押し出しを許可するニュートラルスタートスイッチと、上記ピニオンギヤと上記スタータモータとを個別に制御し、且つ、シフトレンジがニュートラルレンジ又はパーキングレンジであると判定するニュートラル判定を行う制御手段と、を備え、上記制御手段が、上記ピニオンギヤの駆動時に上記ニュートラルスタートスイッチをオフと判定し、且つ、上記ニュートラルスタートスイッチをオンと判定したとき、又は、上記スタータモータの駆動時に、上記ニュートラル判定を行う車両の始動制御装置を対象としている。
そして、上記制御手段は、上記ニュートラルスタートスイッチがオフと判定されたときに、履歴フラグを設定し、且つ、当該履歴フラグが設定されている間も上記ニュートラル判定を行うように構成されている。
この構成によれば、制御手段は、ピニオンギヤとスタータモータとを個別に制御することから、ピニオンギヤを回転させずエンジンのリングギヤへ噛み合わせることができる。これにより、エンジン始動性能の向上を図ることができる。
また、シフトレバーの操作に応じてニュートラルレンジ又はパーキングレンジが選択されたときに、ピニオンギヤの押し出しを許可するNSWを備えていることから、駆動レンジにおけるスタータの駆動を抑制することができる。
もっとも、この構成では、制御手段は、ピニオンギヤの駆動時にNSWをOFFと判定するとともに、ピニオンギヤとスタータモータとを個別に制御することから、NSW信号とスタータ信号とが共にOFFという期間が生じる。
そこで、本発明では、NSWがOFFと判定されたときに、履歴フラグを設定し、当該履歴フラグが設定されている間もニュートラル判定を行うように制御手段を構成している。これにより、ニュートラル判定が未判定となる期間が生じるのを抑えて、制御における誤作動が生じるのを回避することができる。
ところで、制御手段は、スタータ信号がONのときにニュートラル判定を行うことから、スタータモータが始動すれば、履歴フラグが設定されているか否かに拘わらず、ニュートラル判定を行う。もっとも、履歴フラグが設定された状態が不必要に継続されると、実際のスタータモータの状態と、制御上のスタータモータの状態とが一致していないため、制御における誤作動が生じる原因となり得る。
そこで好ましくは、上記制御手段は、上記スタータモータの始動時に、上記履歴フラグをリセットするように構成されている。
この構成によれば、スタータモータの始動時、すなわち、NSW信号とスタータ信号とが共にOFFという期間が終了したときに、履歴フラグがリセットされることから、履歴フラグが設定された状態が不必要に継続されるのを回避することができる。
また、スタータモータの駆動が終了すれば、ピニオンギヤの駆動も終了するところ、制御手段は、ピニオンギヤの駆動時にNSWをOFFと判定することから、スタータモータの駆動終了時(STA信号のOFF時)に、NSWをONと判定する。そうして、制御手段は、NSW信号がONときにニュートラル判定を行うことから、スタータモータの駆動が終了すれば、履歴フラグが設定されているか否かに拘わらず、ニュートラル判定を行うことになる。もっとも、本来両立しない、履歴フラグと、NSWのON判定とが両立することは、制御における誤作動が生じる原因となり得る。
そこで好ましくは、上記制御手段は、上記スタータモータの駆動が終了したときに、上記履歴フラグをリセットするように構成されている。
この構成によれば、スタータモータの駆動終了時に、履歴フラグがリセットされることから、履歴フラグが設定された状態が不必要に継続されるのを回避することができる。
ところで、例えばNSWが断線した場合にも、制御手段はニュートラルスタートスイッチをOFFと判定し、履歴フラグを設定することがある。そうすると、ニュートラルレンジ又はパーキングレンジが選択されていない場合でも、履歴フラグが設定されるおそれがある。
そこで好ましくは、上記制御手段は、シフトレバーの操作に連動して、選択されたシフトレンジに応じた信号を出力するレンジ接点のうちニュートラルレンジ接点およびパーキングレンジ接点がオフのときに、上記履歴フラグをリセットするように構成されている。
この構成によれば、Pレンジ接点がOFFで且つNレンジ接点がOFFであるにも拘わらず、ニュートラル判定が行われるのを回避できるというフェールセーフを達成することができる。
以上説明したように、本発明に係る車両の始動制御装置によれば、ピニオンギヤとスタータモータとを独立に制御することから、エンジン始動性能を向上させることができるとともに、ニュートラルスタートスイッチを備えていることから、駆動レンジにおけるスタータの駆動を抑制することができる。のみならず、ニュートラルスタートスイッチがオフと判定されたときに、履歴フラグを設定し、当該履歴フラグが設定されている間もニュートラル判定を行うことから、ニュートラル判定が未判定となる期間が生じるのを抑えることができる。
本発明の実施形態に係るエンジン始動制御装置の概略構成図である。 ニュートラルスタートスイッチの状態を模式的に説明する図である。 エンジン始動制御装置が実行する制御を示すフローチャートである。 エンジン始動制御装置が実行する制御の一例を示すタイミングチャートである。 従来型のスタータを用いた場合における制御の一例を示すタイミングチャートである。 タンデムソレノイドスタータを用いた場合における、従来の制御の一例を示すタイミングチャートである。
以下、本発明を実施するための形態を図面に基づいて説明する。
−エンジン始動制御装置の全体構成−
図1は、本実施形態に係るエンジン始動制御装置の概略構成図である。このエンジン始動制御装置1は、車両に搭載されるものであり、エンジン2と、エンジン2を始動させるためのスタータ3と、駆動レンジにおけるスタータ3の駆動を禁止するためのニュートラルスタートスイッチ4と、不図示のインジェクタや点火プラグ等を制御するエンジン制御装置5と、エンジン2の停止および再始動を自動的に制御するエコラン制御装置6と、スタータ3等の電源であるバッテリ7と、を備えている。
スタータ3は、エンジン2側に押し出されることで、エンジン2のクランク軸(図示せず)の一端におけるフライホイールの外周部に形成されたリングギヤ12と噛み合うピニオンギヤ13と、当該ピニオンギヤ13をエンジン2側に押し出すためのピニオン駆動用ソレノイド33と、ピニオンギヤ13を介してエンジン2に回転動力を供給するスタータモータ23と、スタータモータ23を回転駆動させるためのモータ駆動用ソレノイド43と、を備えている。このように、本実施形態のスタータ3は、1つのソレノイドによりピニオンギヤ13の押し出しとスタータモータ23への通電とを行うのではなく、ピニオン駆動用ソレノイド33とモータ駆動用ソレノイド43とを個別に設定したタンデムソレノイドスタータとなっている。それ故、本実施形態のエンジン始動制御装置1は、エンジン停止制御後も暫くの間はエンジン2が惰性で回転するアイドルストップシステムに適用可能となっている。
ピニオン駆動用ソレノイド33とモータ駆動用ソレノイド43とは、共に電線を円筒状に巻いたコイル(図示せず)と円筒状のコイルに挿入された可動鉄心とで構成されており、コイルに電流が流れると電磁石となり可動鉄心が移動するようになっている。そうして、ピニオン駆動用ソレノイド33では、バッテリ7の電圧が印加されると、可動鉄心としてのピニオンギヤ13がエンジン2側に押し出される一方、モータ駆動用ソレノイド43では、バッテリ7の電圧が印加されると、不図示の可動鉄心がスタータモータ23への通電を行うスイッチとして作動する。
また、エンジン始動制御装置1は、ピニオン駆動用ソレノイド33に電圧を印加するためのピニオン駆動用リレー53と、モータ駆動用ソレノイド43に電圧を印加するためのモータ駆動用リレー63とを備えており、これらピニオン駆動用ソレノイド33及びモータ駆動用ソレノイド43へのバッテリ7の電圧の印加はこれらのリレー53,63を介して行われる。
ピニオン駆動用リレー53は、不図示のリレーコイル及びリレー接点を備えた周知の構成を有するリレーである。リレーコイルの一端はグランドラインに接地されている一方、他端はニュートラルスタートスイッチ4に接続されている。また、リレー接点は、リレーコイルに通電されたときにONする通常時開状態の接点であり、一端がバッテリ7の正極に接続される(図示省略)一方、他端がピニオン駆動用ソレノイド33に接続されている。
モータ駆動用リレー63も、不図示のリレーコイル及びリレー接点を備えた周知の構成を有するリレーである。リレーコイルの一端はグランドラインに接地されている一方、他端はエコラン制御装置6に接続されている。また、リレー接点は、一端がバッテリ7の正極に接続される(図示省略)一方、他端がモータ駆動用ソレノイド43に接続されている。
ニュートラルスタートスイッチ(以下、NSWともいう)4は、イグニッションスイッチ8とピニオン駆動用リレー53との間に配置されているとともに、シフトレバー装置14と接続されている。このシフトレバー装置14には、シフトレバー14aの操作に連動して、選択されたシフトレンジに応じた信号を出力する5つのレンジ接点(P(パーキング)レンジ接点、R(リバース)レンジ接点、N(ニュートラル)レンジ接点、D(ドライブ)レンジ接点、B(ブレーキ)レンジ接点)が設けられている。これらのレンジ接点は、シフトレバー14aの角度に応じてON/OFFが切り換わるようになっており、対応するシフトレンジが選択されているときはONとなる接点範囲をそれぞれ有している。そうして、これらのレンジ接点は、あるレンジ(例えばニュートラルレンジ)が選択されると(レンジ接点がONになると)、当該あるレンジ(例えばニュートラルレンジ)を表すレンジ信号をエンジン制御装置5に出力するようになっている。
NSW4には、シフトレバー装置14の5つのレンジ接点とは別系統で、シフトレバー14aの角度に応じてON/OFFが切り換わるNSWレンジ接点(Pレンジ接点およびNレンジ接点)が設けられている。このNSWレンジ接点は、非駆動レンジ(Nレンジ又はPレンジ)が選択されているときはONとなる接点範囲を有している。そうして、NSW4は、シフトレバー14aが操作されて非駆動レンジが選択されたとき(NSWレンジ接点がONのとき)には、当該NSW4自体がONとなる(図1及び図2に示す、バッテリ7からイグニッションスイッチ8及びNSW4を介してピニオン駆動用リレー53に至る回路9をクローズする)一方、駆動レンジ(Dレンジ又はRレンジ又はBレンジ)が選択されたとき(NSWレンジ接点がOFFのとき)には、当該NSW4自体がOFFとなる(図1及び図2に示す回路9をオープンする)ように構成されている。
なお、NSWレンジ接点の接点範囲は、シフトレバー装置14の5つのレンジ接点の接点範囲よりも狭く設定されている。具体的には、シフトレバー装置14のNレンジ接点の接点範囲よりも、NSWレンジ接点におけるNレンジ接点の接点範囲の方が狭くなっているとともに、シフトレバー装置14のPレンジ接点の接点範囲よりも、NSWレンジ接点におけるPレンジ接点の接点範囲の方が狭くなっている。それ故、シフトレバー装置14の5つのレンジ接点の接点範囲は、製造上のバラツキ等により重なる場合があり得るが、例えば、NSWレンジ接点におけるNレンジ接点の接点範囲と、シフトレバー装置14のRレンジ接点やNレンジ接点の接点範囲とは重ならないようになっている。
エンジン制御装置(以下、EFI−ECUともいう)5は、CPU、ROM、RAM等からなるマイクロコンピュータを備えている。このEFI−ECU5には、上述のインジェクタや点火プラグの他、各種のセンサが接続されており、これにより、EFI−ECU5は、エンジン運転状態に応じて燃料噴射量、燃料噴射時期および点火時期を制御する。また、EFI−ECU5には、エコラン制御装置6がデータ通信可能に接続されている。さらに、このEFI−ECU5は、後述するように、変速機のシフトレンジがニュートラルレンジ又はパーキングレンジである、すなわち、非駆動レンジであると判定するニュートラル判定を行うように構成されている。なお、このEFI−ECU5は、NSW4の端子電圧を読み込むようになっており、NSW4の端子電圧が+B(バッテリ電圧)レベルのときには、NSW4をOFFであると判定する一方、NSW4の端子電圧がグランドレベルのときには、NSW4をONであると判定するように構成されている。
エコラン制御装置(以下、エコランECUともいう)6は、EFI−ECU5の上位に位置付けられる電子制御装置であり、CPU、ROM、RAM等からなるマイクロコンピュータを備えている。このエコランECU6は、主として、エンジン作動中に所定のアイドルストップ条件(エンジン停止条件)が成立した場合にアイドルストップ(エンジン2を一時的に停止)させ、その後、所定のエンジン再始動条件が成立したときにスタータ3を駆動させてエンジン2を再始動させる所謂アイドルストップ機能を実現するための、各種制御を行う。
このエコランECU6には、不図示のクラッチペダルのON状態やOFF状態を検知するクラッチスイッチ(図示せず)等が接続されている。そして、エコランECU6は、クラッチスイッチから入力された情報と、EFI−ECU5から通信線を介して得た情報とを用いて、エンジン2の停止要求および再始動要求の条件の判定処理を行う。このように、EFI−ECU5とエコランECU6とは、制御に必要な制御データの一部をデータ通信によって互いに受取り、この制御データを両者の間で共用している。この場合、エコランECU6には、EFI−ECU5により演算されたエンジン回転数、スロットル開度センサ(図示せず)からの出力信号等が入力される。
バッテリ7は、車両に搭載されており、スタータ3の他、車載された他の制御装置や駆動部などに電力を供給する電源である。また、バッテリ7とNSW4との間に配置されたイグニッションスイッチ8は、運転者が不図示のイグニッションキーやスタートスイッチを操作すること(以下、キー操作等ともいう)によって、ONになるように構成されている。
このように構成されたエンジン始動制御装置1では、駆動レンジ(例えばDレンジ)が選択されており、それ故にNSW4がOFFのときは、回路9がオープンすることから、たとえイングニッションスイッチがONとなっても、ピニオン駆動用リレー53には電圧が供給されない。これにより、駆動レンジにおけるスタータ3の駆動を抑制することができる。一方、シフトレバー14aの操作によって非駆動レンジが選択されると、回路9がクローズすることから、ピニオン駆動用リレー53への電圧の供給が可能となる。つまり、本実施形態においては、NSW4は、それ自体がONのときは、ピニオンギヤ13の押し出しを許可する一方、それ自体がOFFのときは、ピニオンギヤ13の押し出しを禁止する役目を果たしている。
そうして、運転者のキー操作等によってイグニッションスイッチ8がONになると、NSW4がONであることを条件として、バッテリ7の電圧がピニオン駆動用リレー53に供給される。ピニオン駆動用リレー53を介してピニオン駆動用ソレノイド33に電圧が印加されると、ピニオンギヤ13がエンジン2側に押し出されてリングギヤ12と噛み合う。このとき、ピニオンギヤ13が押し出されたこと(ピニオン駆動用リレー53に電圧が供給されたこと)は、信号としてエコランECU6に入力され、かかる信号を受けたエコランECU6は、スタータモータ23の駆動を指示するスタータ信号(以下、STA信号ともいう)を、モータ駆動用リレー63と、EFI−ECU5とに出力する。このように、エコランECU6は、ピニオンギヤ13の押し出しに関する信号を受けて初めて、STA信号をモータ駆動用リレー63に出力することから、換言すると、ピニオンギヤ13の押し出しとスタータモータ23の回転とが同期しないように、これらを個別に制御することから、ピニオンギヤ13を回転させずエンジン2のリングギヤ12へ噛み合わせることができる。
モータ駆動用リレー63を介してモータ駆動用ソレノイド43に電圧が印加されると、スタータモータ23への通電を行うスイッチがONとなり、スタータモータ23にバッテリ電圧が印加されて、スタータモータ23が回転駆動する。これにより、リングギヤ12と噛み合ったピニオンギヤ13を介して、エンジン2のクランク軸にスタータモータ23の回転動力が伝達されて、エンジン2が始動する。
−ニュートラルスタートスイッチの特性−
ところで、上述の如く、NSW4は、シフトレバー14aが操作されて非駆動レンジが選択されたときには、それ自体がONとなる一方、駆動レンジが選択されたときには、それ自体がOFFとなる。しかしながら、EFI−ECU5は、NSW4自体がONのときに、NSW4がONであると判定し、NSW4自体がOFFのときに、NSW4がOFFであると判定する訳ではない。この点について、以下、図2を参照して説明する。
図2は、ニュートラルスタートスイッチの状態を模式的に説明する図である。図2(a)に示すように、NSW4自体がOFFの場合には、NSW4にはバッテリ電圧+Bは印加されていない。もっとも、回路9の信号としての電圧は、+Bレベルまたはグランドレベルの電圧が常に印加されていなければならず、これらの中間電圧の状態では、誤動作を起こす場合がある。そのため、本実施形態のNSW4には、入力が無い場合に+Bレベルの電圧をかける働きをするプルアップ抵抗が取り付けられている。それ故、NSW自体がOFFの場合には、NSW4の端子電圧は+Bレベルとなることから、かかる端子電圧を読み込んだEFI−ECU5は、NSW4がOFFであると判定する。
一方、図2(b)に示すように、NSW4自体がONで且つイグニッションスイッチ8がOFFの場合には、ピニオン駆動用リレー53のリレーコイルの先端がグランドラインに接地されているため、NSW4の端子電圧はグランドレベルとなり、かかる端子電圧を読み込んだEFI−ECU5は、NSW4がONであると判定する。
このように、NSW4自体がOFFの場合、又は、NSW4自体がONで且つイグニッションスイッチ8がOFFの場合には、NSW4自体のON/OFFと、EFI−ECU5によるNSW4のON/OFF判定とが一致する。
これらに対して、図2(c)に示すように、NSW4自体がONで且つイグニッションスイッチ8がONの場合には、NSW4とピニオン駆動用リレー53のリレーコイルとに、バッテリ7から電圧が供給される。ここで、NSW4の抵抗すなわちプルアップ抵抗をR1とし、ピニオン駆動用リレー53の抵抗すなわちコイル抵抗をR2とすると、NSW4にはR1/(R1+R2)の分圧が印加される一方、ピニオン駆動用リレー53にはR2/(R1+R2)の分圧が印加される。よって、NSW4の端子電圧は、R1/(R1+R2)をバッテリ電圧に乗じた値となる。もっとも、EFI−ECU5は、端子電圧が所定値以上か未満かを判定する01判定を行うところ、ピニオン駆動用リレー53のコイル抵抗R2は、プルアップ抵抗R1に比して極めて小さいため、EFI−ECU5は、NSW4の端子電圧を+Bレベルとして読み込み、NSW4がOFFであると判定する。換言すると、EFI−ECU5は、ピニオンギヤ13の駆動時にはNSW4がOFFであると判定するように構成されている。すなわち、イグニッションスイッチ8がONの場合には、NSW4自体のON/OFFと、EFI−ECU5によるNSW4のON/OFF判定とが一致しないことになる。
−エコランECU及びEFI−ECUによる制御−
ここで、本実施形態の理解を助けるため、1つのソレノイドによりピニオンギヤの押し出しとスタータモータへの通電とを行うスタータ、換言すると、ピニオンギヤの押し出しとスタータモータへの通電とが同期するスタータ(以下、従来型スタータという)について説明する。
図5は、従来型のスタータを用いた場合における制御の一例を示すタイミングチャートである。先ず、t0’では、シフトレバーの操作によって非駆動レンジが選択されていることから、NSWはONとなっている。このとき、EFI−ECUは、NSWがONであると判定するとともに(NSW信号ON)、変速機のシフトレンジが非駆動レンジであると判定するニュートラル判定を行う(ニュートラル判定ON)。
次に、t1’において、運転者のキー操作等によってイグニッションスイッチがONになると、ピニオンギヤ及びスタータモータの共通のソレノイドにバッテリから電圧が印加されて、ピニオンギヤの押し出し(駆動)とスタータモータの回転とが同時に行われる。このとき、EFI−ECUは、NSWの端子電圧を+Bレベルとして読み込み、NSWがOFFであると判定するとともに(NSW信号OFF)、STA信号がEFI−ECUに入力される(STA信号ON)。この場合も、EFI−ECUはニュートラル判定を行う(ニュートラル判定ON)。
その後、イグニッションスイッチがONになってから所定時間経過したt2’においてエンジンが始動し、エンジン回転数が50回転に達したt3’において、エンジン始動判定がONとなる。そうして、エンジン始動後のt4’において、スタータモータの回転が停止するとともにピニオンギヤが引っ込むと、NSWの端子電圧がグランドレベルとなり、かかる端子電圧を読み込んだEFI−ECUは、NSWがONであると判定するとともに(NSW信号ON)、ニュートラル判定を行う(ニュートラル判定ON)。
以上のように、ピニオンギヤの押し出しとスタータモータへの通電とが同期する場合には、NSW信号がONのときはSTA信号が必ずOFFになる一方、STA信号がONのときは必ずNSW信号がOFFとなるという同時性がとれていた。これにより、従来型スタータを用いた場合には、NSW信号がON、又は、STA信号がON(且つNSW信号がOFF)ならば、EFI−ECUはニュートラル判定を行うことが可能であった。
しかしながら、タンデムソレノイドスタータを用いた本実施形態のエンジン始動制御装置1に、NSW信号がON、又は、STA信号がONであればニュートラル判定を行う従来の判定方法を適用した場合には、以下のような問題が生じる。
図6は、タンデムソレノイドスタータを用いた場合における、従来の制御の一例を示すタイミングチャートである。先ず、t0”では、シフトレバー14aの操作によって非駆動レンジが選択されていることから、NSW4はONとなっている。このとき、EFI−ECU5は、NSW4がONであると判定するとともに(NSW信号ON)、ニュートラル判定を行う(ニュートラル判定ON)。
次に、t1”において、運転者のキー操作等によってイグニッションスイッチ8がONになると、ピニオン駆動用リレー53のリレーコイルにバッテリ7から電圧が印加されて、ピニオンギヤ13の押し出しが行われる。このとき、EFI−ECU5は、NSW4の端子電圧を+Bレベルとして読み込み、NSW4がOFFであると判定する(NSW信号OFF)。もっとも、この時点では、スタータモータ23の駆動を指示するスタータ信号のON信号がEFI−ECU5に入力されていないので(STA信号OFF)、EFI−ECU5はニュートラル判定を行わない(ニュートラル判定OFF)。
そうして、t1”において、ピニオンギヤ13が押し出されたことは、信号としてエコランECU6に入力される。かかる信号を受けたエコランECU6は、t1”から微小時間後のt2”に、STA信号を、モータ駆動用リレー63とEFI−ECU5とに出力する。これにより、スタータモータ23にバッテリ電圧が印加されて、スタータモータ23が回転駆動するとともに、STA信号がEFI−ECU5に入力されることから(STA信号ON)、EFI−ECU5はニュートラル判定を行う(ニュートラル判定ON)。
その後、イグニッションスイッチ8がONになってから所定時間経過したt3”においてエンジン2が始動し、エンジン回転数が50回転に達したt4”において、エンジン始動判定がONとなる。そうして、エンジン始動後のt5”において、スタータモータ23の回転が停止するとともにピニオンギヤ13が引っ込むと、NSW4の端子電圧がグランドレベルとなり、かかる端子電圧を読み込んだEFI−ECU5は、NSW4がONであると判定するとともに(NSW信号ON)、ニュートラル判定を行う(ニュートラル判定ON)。
以上のように、タンデムソレノイドスタータを用いた場合には、t1”〜t2”の間は、NSW信号とSTA信号とが共にOFFになるため、NSW信号がON、又は、STA信号がONであればニュートラル判定を行う従来の判定方法では、未判定の期間が生じることになる。なお、本実施形態では、エンジン2が停止した状態から、運転者のキー操作等によってエンジン2が始動する場合を想定しているが、かかるニュートラル判定の未定期間は、アイドルストップによる再始動の場合にも生じ得る。
このような未判定期間が生じるということは、実際のシフトレンジの状態と、制御上のシフトレンジの状態とが一致しておらず、制御における誤作動が生じる原因となり得る。例えば、シフトレバーが非走行位置から走行位置へ操作されたときに、非駆動レンジ接点と駆動レンジ接点との間の無接点状態において、クラッチを係合させるためのモジュレータ油圧よりも低く調圧されたガレージシフト油圧をクラッチに供給することにより、クラッチを滑らかに係合させるようにしたガレージシフト制御では、以下のような問題が生じる。すなわち、EFI−ECU5は、NSW信号とSTA信号とが共にOFFの間はニュートラル判定を行わないが、NSW信号がOFFであると認識しているとともに、例えばシフトレバー装置14のDレンジ接点等がOFFであることから、無接点状態と判定し、クラッチを係合させる準備としてガレージシフト油圧をクラッチに供給する。しかし、実際には、例えばシフトレバー装置14のNレンジ接点等の非駆動レンジ接点がONであることから、モジュレータ油圧が供給されないまま、ガレージシフト油圧がドレインされることになり、無駄な油圧制御が行われることになる。
ここで、駆動レンジにおけるスタータ3の駆動を抑制することが可能なNSW4を用いつつ、未判定期間が生じるのを抑えるべく、ピニオン駆動用リレー53ではなく、モータ駆動用リレー63とNSW4とを接続することが考えられるが、かかる構成では、ピニオンギヤ13を押し出す(駆動させる)基準が無くなるため、不都合である。
また、ピニオン駆動用リレー53からの信号がエコランECU6に入力され、エコランECU6からSTA信号がEFI−ECU5に入力されるために、タイムラグが生じていることに鑑み、ピニオン駆動用リレー53とEFI−ECU5とを直接繋ぐことも考えられる。しかしながら、かかる構成では、ピニオン駆動用リレー53とEFI−ECU5とを繋ぐための新たなワイヤーハーネスや端子等を追加しなければならず、製造コストの上昇を招くおそれがある。
さらに、NSW4を用いることなく、シフトレバー装置14のNレンジ接点およびPレンジ接点の信号からニュートラル判定を行うことも考えられる。しかしながら、上述の如く、シフトレバー装置14の5つのレンジ接点の接点範囲は、製造上のバラツキ等により重なる場合があり得るため、ニュートラル判定を正確に行うことが困難となるおそれがある。
そこで、本実施形態のエンジン始動制御装置1では、NSW信号とSTA信号とが共にOFFになる期間は、NSW履歴フラグを設定し、かかるNSW履歴フラグが設定されている間も、ニュートラルであると判定するようにしている。より詳しくは、EFI−ECU5は、NSW4をONと判定したとき(NSW信号がONのとき)、又は、スタータモータ23の駆動時(STA信号がONのとき)に、ニュートラル判定を行うことを前提としつつ、NSW4をOFFと判定したときに、NSW履歴フラグを設定し、且つ、当該NSW履歴フラグが設定されている間もニュートラル判定を行うように構成されている。これにより、ニュートラル判定が未判定となる期間が生じるのを抑えて、制御における誤作動が生じるのを回避することができる。
また、EFI−ECU5は、スタータモータ23の始動時、又は、スタータモータ23の駆動が終了したときに、NSW履歴フラグをリセットするように構成されている。このようにすれば、NSW信号とスタータ信号とが共にOFFという期間が終了したとき、又は、スタータモータ23の駆動終了時に、NSW履歴フラグがリセットされることから、NSW履歴フラグが設定された状態が不必要に継続されるのを回避することができる。
さらに、EFI−ECU5は、シフトレバー装置14のPレンジ接点がOFFで且つNレンジ接点がOFFのときにも、NSW履歴フラグをリセットするように構成されている。これにより、Pレンジ接点がOFFで且つNレンジ接点がOFFであるにも拘わらず、例えば断線等によってNSW4をOFFであると判定してしまうことで、履歴フラグが設定されるのを回避できるというフェールセーフを達成することができる。
なお、本実施形態においては、エコランECU6及びEFI−ECU5が、ピニオンギヤ13とスタータモータ23とを個別に制御し、且つ、ニュートラル判定を行う、本発明で言うところの制御手段に相当する。
次いで、本実施形態に係る制御の一例を、図3のフローチャートを参照して説明する。なお、このフローチャートは、NSW信号がONの場合、又は、STA信号がONの場合に、ニュートラル判定を行う制御を補完するものであり、具体的には、NSW信号とSTA信号とが共にOFFになる期間に適用されるものである。よって、STARTのときには、Nレンジ接点またはPレンジ接点がONであり、NSW4自体がONであることを前提として説明する。
先ず、ステップS1では、EFI−ECU5が、NSW信号がONからOFFに変わったか否か、すなわち、NSW4の端子電圧が、運転者のキー操作等によって、グランドレベルから+Bレベルに変わったか否かを判定する。このステップS1の判定がNOのとき、すなわち、NSW信号がONのままのときには、NSW信号とSTA信号とが共にOFFになる期間とは無関係なので、そのままENDする。一方、ステップS1の判定がYESのときには、ステップS2に進む。
次のステップS2では、EFI−ECU5は、NSW4がOFFであると判定するとともに、NSW履歴フラグを設定する。なお、このときは、NSW信号がOFFであり、且つ、NSW信号がEFI−ECU5に入力されてから、エコランECU6からEFI−ECU5にSTA信号が入力されるまでにタイムラグがあることから、STA信号もOFFである。
次の、ステップS3では、EFI−ECU5が、NSW信号がONに変わったか否か、例えば運転者のキー操作やクランキングの終了等によってスタータ3の駆動が停止され、それに伴って、NSW4の端子電圧が+Bレベルからグランドレベルに変わったか否かを判定する。このステップS3の判定がYESのとき、すなわち、NSW信号がONに変わったときには、ステップS7に進み、ステップS2で設定したNSW履歴フラグをリセットする。一方、ステップS3の判定がNOのときには、ステップS4に進む。
次の、ステップS4では、EFI−ECU5が、STA信号がONになったか否かを判定する。このステップS4の判定がYESのとき、すなわち、NSW信号とスタータ信号とが共にOFFという期間が終了したときには、ステップS7に進み、ステップS2で設定したNSW履歴フラグをリセットする。一方、ステップS4の判定がNOのときには、ステップS5に進む。
次のステップS5では、EFI−ECU5が、シフトレバー装置14のPレンジ接点がOFFであるか否かを判定し、このステップS5の判定がYESのとき、すなわち、シフトレンジがパーキングレンジではなくなったときには、ステップS6に進む。次のステップS6では、EFI−ECU5が、シフトレバー装置14のNレンジ接点がOFFであるか否かを判定し、このステップS6の判定がYESのとき、すなわち、シフトレンジがニュートラルレンジではなくなったときには、ステップS7に進む。例えばNSW4が断線した場合のNSW4のOFFと、ピニオンギヤ13の押し出しによるNSW4のOFFとは判別し難いところ、ステップS5及びステップS6では、フェールセーフ達成のために、シフトレンジが非駆動レンジではなくなっているか否かを判定する。そうして、ステップS5及びステップS6の判定が共にYESの場合にのみ、ステップS7に進み、ステップS2で設定したNSW履歴フラグをリセットする。一方、ステップS5及びステップS6のいずれか一方の判定でもNOであれば、すなわち、シフトレンジが非駆動レンジであれば、ステップS8に進む。
次のステップS8では、NSW4をONと判定したとき(NSW信号ON)、又は、スタータモータ23の駆動時(STA信号ON)という条件に加え、NSW履歴フラグが設定されているという条件を満たすか否かが判定される。すなわち、EFI−ECU5は、NSW信号がONのとき、又は、STA信号がONのとき、又は、NSW履歴フラグがON(設定されている)ときに、ステップS8の判定がYESであると判定する。
そうして、このステップS8の判定がYESのときには、ステップS9に進み、ニュートラルであると判定した後に(ニュートラル判定を行った後に)、ステップS11に進む。
次のステップS11では、NSW履歴フラグが設定されている可能性があることから、次回のエンジン始動時に持ち越されないように、NSW履歴フラグをリセットし、その後ENDする。
一方、このステップS8の判定がNOのときには、ステップS10に進み、ニュートラルではないと判定する。なお、ステップS10に進むということは、NSW履歴フラグが設定されていないことを意味するので、ステップS11に進むことなく、そのままENDする。
−エコランECU及びEFI−ECUによるニュートラル判定−
次に、エコランECU6及びEFI−ECU5によるニュートラル判定について、図4に示すタイミングチャートを用いて説明する。
先ず、t0では、シフトレバー14aの操作によって非駆動レンジが選択されていることから、NSW4はONとなっている。このとき、EFI−ECU5は、NSW4がONであると判定するとともに(NSW信号ON)、ニュートラル判定を行う(ニュートラル判定ON)。
次に、t1において、運転者のキー操作等によってイグニッションスイッチ8がONになると、ピニオン駆動用リレー53のリレーコイルにバッテリ7から電圧が印加されて、ピニオンギヤ13の押し出し(駆動)が行われる。このとき、EFI−ECU5は、NSW4の端子電圧を+Bレベルとして読み込み、NSW4がOFFであると判定するとともに(NSW信号OFF)、NSW履歴フラグを設定する。このようにNSW履歴フラグが設定されていることから、スタータ信号がEFI−ECU5に入力されていなくても、EFI−ECU5はニュートラルであると判定する(ニュートラル判定ON)。
そうして、t1において、ピニオンギヤ13が押し出されたことは、信号としてエコランECU6に入力される。かかる信号を受けたエコランECU6は、t1から微小時間後のt2に、STA信号を、モータ駆動用リレー63とEFI−ECU5とに出力する。これにより、スタータモータ23にバッテリ電圧が印加されて、スタータモータ23が回転駆動するとともに、EFI−ECU5は、ニュートラル判定を行い(ニュートラル判定ON)、且つ、NSW履歴フラグをリセットする。
その後、イグニッションスイッチ8がONになってから所定時間経過したt3においてエンジン2が始動し、エンジン回転数が50回転に達したt4において、エンジン始動判定がONとなる。そうして、エンジン始動後のt5において、スタータモータ23の回転が停止するとともにピニオンギヤ13が引っ込むと、NSW4の端子電圧がグランドレベルとなり、かかる端子電圧を読み込んだEFI−ECU5は、NSW4がONであると判定するとともに(NSW信号ON)、ニュートラル判定を行う(ニュートラル判定ON)。
以上のように、本実施形態のエンジン始動制御装置1では、t1〜t2の間においてNSW信号とSTA信号とが共にOFFなっても、未判定期間を生じさせることなく、ニュートラル判定を行うことができる。これにより、非駆動レンジではピニオンギヤ13の押し出しを禁止するというNSW4の特性を活かしつつ、且つ、新部材を追加するなど回路構成に変更を加えることなく、ニュートラル判定が未判定となる期間が生じるのを抑えて、制御における誤作動が生じるのを回避することができる。
(その他の実施形態)
本発明は、実施形態に限定されず、その精神又は主要な特徴から逸脱することなく他の色々な形で実施することができる。
上記実施形態では、スタータモータ23の始動時、スタータモータ23の駆動が終了したとき、及び、Pレンジ接点がオフで且つNレンジ接点がオフのときに、NSW履歴フラグをリセットするようにしたが、これに限らず、ニュートラル判定が未判定となる期間が生じないのであれば、他の条件が成立したときに、NSW履歴フラグをリセットするようにしてもよい。
また、上記実施形態では、エンジンが停止した状態から、運転者のキー操作等によってエンジン2が始動する場合と、アイドルストップによる再始動の場合とを特に区別しなかったが、例えば、アイドルストップによる再始動の場合には、他の制御を行うようにしてもよい。
このように、上述の実施形態はあらゆる点で単なる例示に過ぎず、限定的に解釈してはならない。さらに、特許請求の範囲の均等範囲に属する変形や変更は、全て本発明の範囲内のものである。
本発明によると、ニュートラル判定が未判定となる期間が生じるのを抑えて、制御における誤作動が生じるのを回避することができるので、ニュートラルスタートスイッチを用いてニュートラル判定を行う始動制御装置に適用して極めて有益である。
1 エンジン始動制御装置(始動制御装置)
2 エンジン
4 ニュートラルスタートスイッチ
5 エンジン制御装置(制御手段)
6 エコラン制御装置(制御手段)
12 リングギヤ
13 ピニオンギヤ
14a シフトレバー
23 スタータモータ

Claims (4)

  1. エンジン側に押し出されることで当該エンジンのリングギヤに噛み合うピニオンギヤと、
    上記ピニオンギヤを介して上記エンジンに回転動力を供給するスタータモータと、
    シフトレバーの操作に応じてニュートラルレンジ又はパーキングレンジが選択されたときに、上記ピニオンギヤの押し出しを許可するニュートラルスタートスイッチと、
    上記ピニオンギヤと上記スタータモータとを個別に制御し、且つ、シフトレンジがニュートラルレンジ又はパーキングレンジであると判定するニュートラル判定を行う制御手段と、を備え、
    上記制御手段が、上記ピニオンギヤの駆動時に上記ニュートラルスタートスイッチをオフと判定し、且つ、上記ニュートラルスタートスイッチをオンと判定したとき、又は、上記スタータモータの駆動時に、上記ニュートラル判定を行う車両の始動制御装置であって、
    上記制御手段は、上記ニュートラルスタートスイッチがオフと判定されたときに、履歴フラグを設定し、且つ、当該履歴フラグが設定されている間も上記ニュートラル判定を行うように構成されていることを特徴とする車両の始動制御装置。
  2. 上記請求項1に記載の車両の始動制御装置において、
    上記制御手段は、上記スタータモータの始動時に、上記履歴フラグをリセットするように構成されていることを特徴とする車両の始動制御装置。
  3. 上記請求項1に記載の車両の始動制御装置において、
    上記制御手段は、上記スタータモータの駆動が終了したときに、上記履歴フラグをリセットするように構成されていることを特徴とする車両の始動制御装置。
  4. 上記請求項1に記載の車両の始動制御装置において、
    上記制御手段は、シフトレバーの操作に連動して、選択されたシフトレンジに応じた信号を出力するレンジ接点のうちニュートラルレンジ接点およびパーキングレンジ接点がオフのときに、上記履歴フラグをリセットするように構成されていることを特徴とする車両の始動制御装置。
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