JP2010090874A - エンジン始動制御装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】 マイコンによって複数のリレーを個別に駆動することによりスタータを動作できるよう構成されたエンジン始動制御装置において、コストアップを抑えつつ、バッテリ電圧が低下してマイコンがリセットされても、エンジンを始動できるようにする。
【解決手段】 ソレノイド用リレー4とモータ用リレー70の間にスイッチ回路25を設ける。スイッチ回路25は、バッテリ電圧VBが大きく低下(例えば4.5V以下に低下)してエコラン制御マイコン16がリセットしても、バッテリ電圧VBが一定レベル以上(例えば3V以上)ならば動作する。キースイッチ2及びニュートラルスイッチ3が共にオンされると、バッテリ電圧VBはソレノイド用リレー4へ印加されると共にECU11内のスイッチ回路25、遅延回路21,ラッチ回路23にも入力される。これによりスイッチ回路25がオンし、モータ用リレー70にもバッテリ電圧VBが印加される。
【選択図】 図1

Description

本発明は、車両に搭載され、車両のエンジンを始動させるエンジン始動制御装置に関する。
近年、車両における燃費の低減、排気ガスの低減を目的として、例えば信号待ち時等のようにエンジンの作動が不要の時にエンジンを一時的に自動停止(アイドルストップ)させ、エンジンの作動が必要になった時に再びエンジンを自動的に始動させる、いわゆるアイドルストップシステムが開発されており、既に実用化もされている。
アイドルストップシステムを搭載した車両では、走行中にエンジンの停止・再始動が頻繁に繰り返されるため、エンジンを始動させるスタータに対する静粛性や耐久性が強く要求される。その要求に応える技術として、スタータのピニオンをエンジン側(フライホイール)のリングギヤに噛み合わせるためのピニオン噛み合い制御用ソレノイドを電子制御装置(ECU)によって個別に制御可能とした上で、エンジン停止時にピニオンをリングギヤに噛み合わせることにより、ピニオン噛み合い時の衝撃を抑制して、スタータの静粛性と耐久性を向上させるという技術が提案されている(例えば、特許文献1,2参照。)。
この技術では、ピニオン噛み合い制御用ソレノイドを動作させるためのソレノイド用リレー、及びスタータモータを動作させるためのモータ用リレーが、それぞれ、電子制御装置によって個別に制御される。そして、アイドルストップ中に、電子制御装置によってまずソレノイド用リレーを駆動してピニオン噛み合い制御用ソレノイドを動作させることでピニオンをリングギヤに噛み合わせ、その後エンジンの始動条件が成立したときに電子制御装置がモータ用リレーを駆動してスタータモータを動作させることにより、エンジンの自動再始動が行われる。つまり、スタータを構成する各リレーを、電子制御装置が個別に制御するように構成することで、各リレーの駆動タイミングを細かく制御し、これによりスタータの静粛性と耐久性の向上を実現するようにしている。
特開2001−317439号公報 特開平11−30139号公報
ところで、スタータモータの駆動時には、エンジンのクランク軸を回転させるための大きなトルクが必要となることから、スタータモータに大電流が流れ、これによりバッテリの電圧が下がってしまう。
ここで、アイドルストップ後の再始動においては、アイドルストップ直前まではエンジンが作動していたことから、通常、エンジンの潤滑オイルは温まっている。そのため、エンジン始動時にスタータモータが必要とする電力は小さく、バッテリ電圧は大きくは下がらない。具体的には、例えば、通常12Vのバッテリ電圧が最低でも6V程度までしか下がらない。
しかし、アイドルストップ後の再始動ではなく、通常の、停車中の車両のエンジンをはじめから始動させる時(以下「通常始動時」と略す)には、エンジンの潤滑オイルは低温であるため、そのエンジンを回転させるためには、潤滑オイルが温まっている場合よりも大きなトルクが必要となる。そのため、通常始動時にはバッテリ電圧が大きく下がってしまう(例えば3.5V程度にまで下がってしまう)おそれがある。
一方、電子制御装置内には、一般に、バッテリ電圧から所定電圧値(例えば5V)の制御用電圧を生成する電源回路が設けられており、電子制御装置内でアイドルストップシステムにおける各種制御を実行するマイクロコンピュータ(以下「マイコン」と略す)、即ち、スタータを構成するピニオン噛み合い制御用ソレノイド及びスタータモータの駆動を制御するマイコンも、この制御用電圧を受けて動作する。
制御用電圧(5V)を生成する電源回路は、バッテリ電圧が12Vから低下しても所定の動作保証範囲下限値(例えば6V)以上ならば、5Vの制御用電圧を安定して生成することができる。しかし、バッテリ電圧が6Vよりも更に低くなって電源回路の動作保証範囲から外れると、電源回路が生成する制御用電圧も5Vより低くなる。例えば、バッテリ電圧が4.5Vにまで低下すると電源回路が生成する制御用電圧も3.9V程度にまで低下し、バッテリ電圧が4.5Vから更に低下すると制御用電圧も3.9Vから更に低下していく。
そこで、マイコンは、このようなバッテリ電圧の低下に起因した制御用電圧の低下によって誤動作しないよう、一般的には、バッテリ電圧が低電圧(例えば4.5V以下)になって制御用電圧が所定の下限電圧値以下(例えば3.9V以下)になるとリセットするよう構成されている。
そのため、通常始動時にバッテリ電圧が大きく下がると、制御用電圧が低下してマイコンがリセットしてしまい、各リレーが制御不能となってしまうおそれがある。つまり、特許文献1,2に開示された技術では、ソレノイド用リレー及びモータ用リレーを電子制御装置(コントローラ)内のマイコンが個別に制御するようにしているが、このような構成では、上記のように通常始動時にバッテリ電圧が大きく下がってしまうと、マイコンがリセットしてしまって各リレーが正常に駆動されず、結果、エンジンを始動させることができないという状況になるおそれがある。
このような、通常始動時にバッテリ電圧の大きな低下(延いては制御用電圧の低下)によって生じるマイコンのリセットへの対策として、例えば、電子制御装置内にバッテリ電圧を昇圧させる昇圧回路を設ける方法がある。これは一般的によく知られている技術であり、バッテリ電圧を昇圧回路によって昇圧させた上で電源回路へ供給することで、バッテリ電圧が大きく低下しても一定レベル(少なくともマイコンがリセットしない程度)の制御用電圧が生成されるようにし、これによりマイコンのリセットを防止することができる。しかし、このように昇圧回路を設けることでマイコンリセットへの対策をとることは、コストアップを招くという問題がある。
本発明は上記課題に鑑みなされたものであり、マイコン等の制御手段によってスタータが有する複数のリレーを個別に駆動することによりスタータを動作させることが可能に構成されたエンジン始動制御装置において、コストアップを抑えつつ、バッテリ電圧の低下に起因してマイコン等の制御手段が動作できなくなっても、スタータを動作させてエンジンを始動させることができるようにすることを目的とする。
上記課題を解決するためになされた請求項1記載の発明は、車両のバッテリ電圧が所定の動作可能下限電圧値より大きいときに該バッテリ電圧を基に動作し、所定のエンジン始動条件が成立したときに、該車両のエンジン始動用のスタータを動作させるために個々に独立して動作するよう設けられた少なくとも2つのリレーに対して個別に駆動信号を出力することにより該各リレーを駆動するリレー制御手段を備えた、エンジン始動制御装置である。
そして、本発明(請求項1)では、各リレーの相互間のうち、少なくとも、いずれか2つのリレーの間に、リレー間接続手段が備えられている。このリレー間接続手段は、該2つのリレーをそれぞれ第1のリレー及び第2のリレーとして、該2つのリレー間を導通・遮断するためのリレー間スイッチを有し、第1のリレーにバッテリ電圧が印加されることにより該バッテリ電圧が入力されたときに、リレー間スイッチを導通させて該入力されたバッテリ電圧を第2のリレーにも印加するものである。
そして、上記少なくとも2つのリレーのうちいずれか1つは、手動で操作可能なスタートスイッチが操作されることによってバッテリ電圧が印加される操作時駆動リレーとして構成されており、少なくともこの操作時駆動リレーが第1のリレーとして設定されている。
このように構成された請求項1に記載のエンジン始動制御装置では、スタータを動作させるための複数のリレーがリレー制御手段によって駆動されることによりエンジンを始動できるよう構成されているが、このリレー制御手段とは別に、このリレー制御手段によらずにスタータを動作させるための、リレー間接続手段が備えられている。
このリレー間接続手段を備えていることにより、スタートスイッチの操作によって第1のリレーにその駆動用のバッテリ電圧が印加されると、そのバッテリ電圧はリレー間接続手段にも入力される。これにより、リレー間接続手段が備えるリレー間スイッチが導通して、そのバッテリ電圧がリレー間スイッチを介して第2のリレーにも印加され、第2のリレーも駆動されることとなる。
エンジン始動の際にスタータを動作させると、既述のようにバッテリ電圧は大きく下がる。特に、長時間停止していたエンジンをはじめから始動させる場合には大きなトルクを必要とすることからバッテリ電圧はより大きく低下し、動作可能下限電圧値以下にまで下がってリレー制御手段が動作できなくなるおそれがある。
しかし、そのようにリレー制御手段が動作できなくなるほどバッテリ電圧が低下しても、本発明では、スタートスイッチを操作することで、リレー制御手段によらずにリレーを駆動してスタータを動作させることができるのである。そのため、バッテリ電圧の低下によってリレー制御手段が動作不能となるのを防ぐために例えば昇圧回路等を設けるといった、コストアップを招くような構成を採る必要はない。
従って、請求項1に記載のエンジン始動制御装置によれば、リレー制御手段によらずにスタータを動作させてエンジンを始動させることができるため、コストアップを抑えつつ、リレー制御手段が動作できなくなる程度にまでバッテリ電圧が低下してもスタータ動作用の各リレーを駆動してエンジンを始動させることができる。
なお、複数のリレーについて「個々に独立して動作する」とは、各リレーの各々が他のリレーの駆動状態に依存せずに駆動できるものであることを意味する。
また、「バッテリ電圧を基に動作」とは、バッテリ電圧を直接入力してこれを電源として動作することに限らず、例えば、バッテリ電圧を電源回路等によって所定の電圧値に変換してその変換後の電圧によって動作するなど、バッテリ電圧を間接的に入力してこれを電源として動作することも含む。
次に、請求項2に記載の発明は、請求項1に記載のエンジン始動制御装置であって、リレー間接続手段は、第1のリレーにバッテリ電圧が印加されたことにより該バッテリ電圧が入力されたとき、該入力の開始から予め設定された遅延時間が経過した後にリレー間スイッチを導通させるための導通許可信号を出力する遅延回路を備えていることを特徴とする。
即ち、スタータを動作させるための各リレーの駆動タイミングとしては、例えば全て同時に駆動させる場合もあれば、例えば、ある特定のリレーを駆動させた後に一定時間経過してから別の特定のリレーを駆動させる、というように、時間をずらして個々のリレーを駆動させる必要がある場合も想定される。
そこで、リレー間接続手段は、第1のリレーにバッテリ電圧が印加されたことによってそのバッテリ電圧がリレー間接続手段にも入力されたときに、すぐにリレー間スイッチを導通させる(つまり前後リレーが同時に駆動されるようにする)のではなく、遅延回路が、その入力時から所定の遅延時間だけ遅らせた上で、導通許可信号を出力してリレー間スイッチを導通させ、第2のリレーを駆動させるようにする。
従って、請求項2に記載のエンジン始動制御装置によれば、第1のリレーに対し、遅延回路によって遅延時間を設けて第2のリレーを駆動させることができるため、複数のリレーを時間差を設けて駆動させる必要がある場合に特に効果的である。
遅延回路の具体的構成は種々考えられるが、例えば請求項3に記載のように、予め決められた基準電圧を生成する基準電圧生成回路と、抵抗及びコンデンサからなり、入力されたバッテリの電圧を、該抵抗の抵抗値及び該コンデンサの容量値により定まる時定数に応じて徐々に増加させる積分回路と、この積分回路の出力電圧と基準電圧生成回路により生成された基準電圧とを比較して、積分回路の出力電圧が基準電圧より大きい場合に導通許可信号を出力するコンパレータと、を備えたものとして構成することができる。
このように構成された請求項3に記載のエンジン始動制御装置によれば、遅延回路が、積分回路の出力電圧と基準電圧とをコンパレータが比較するという簡素な構成であるため、遅延回路を安価に構成することができる。
次に、請求項4に記載の発明は、請求項3に記載のエンジン始動制御装置であって、リレー間接続手段は、バッテリ電圧の入力が遮断されたときに、積分回路を構成するコンデンサの充電電荷を強制的に放電させる強制放電用回路を備えていることを特徴とする。
このように構成された請求項4に記載のエンジン始動制御装置によれば、仮にスタートスイッチにおいてオン操作とオフ操作の切り替えが連続的に繰り返された場合でも、スタートスイッチのオフ操作によってリレー間接続手段へのバッテリ電圧の入力が遮断される度に、遅延回路のコンデンサの充電電荷が強制的に放電される。そのため、例えば、スタートスイッチのオフ操作の後、コンデンサの充電電荷が抜けきらない状態ですぐにまたスタートスイッチがオン操作されてしまって遅延時間が短くなってしまう、といった状況が発生するのを防ぐことができ、遅延回路において遅延時間を確実に発生させることができる。
ところで、遅延回路の構成によっては、バッテリの電圧の変動やその他の種々の要因によって、基準電圧及び積分回路の出力電圧が共に変動し、遅延回路が誤動作して出力が不安定となる(例えばスタートスイッチがオン操作されているにも拘わらず導通許可信号が断続的に出力されてしまう)ことが考えられる。特に、請求項3に記載のようにコンパレータを備えた遅延回路においては、コンパレータの性能(動作保証電圧)によっても遅延回路からの出力が不安定となるおそれがある。
そこで、例えば請求項5に記載のように、リレー間接続手段は、遅延回路から導通許可信号が出力されたときに該導通許可信号をラッチするラッチ回路を備えたものであるとよい。
このように構成された請求項5に記載のエンジン始動制御装置によれば、遅延回路から導通許可信号が出力されたことによりリレー間スイッチが導通された後、何らかの要因で遅延回路が誤動作して導通許可信号の出力が途絶えたり断続的になったりしたとしても、導通許可信号がラッチされているため、リレー間スイッチを導通された状態に維持することができる。
ラッチ回路の具体的構成は種々考えられ、例えば汎用のラッチ回路IC(半導体集積回路)を用いることもできるが、例えば請求項6に記載のように、ディスクリート部品のトランジスタと抵抗とにより構成するようにしてもよい。
このようにラッチ回路をディスクリート部品で構成すれば、ICを用いる場合に比べて、車両において例えばロードダンプの発生によりバッテリ電圧が急上昇したり、また例えば、バッテリを2個直列に接続してエンジン始動を行うジャンプスタートがなされることによって高電圧が発生したりしても、安価な構成で、これら電圧の急上昇等によってラッチ回路が破壊されるのを防ぐことができる。
次に、請求項7に記載の発明は、請求項5又は6に記載のエンジン始動制御装置であって、リレー間接続手段は、バッテリ電圧の入力が停止されたときにラッチ回路による導通許可信号のラッチを解除してリレー間スイッチを強制的に遮断させる第1の強制遮断手段を備えていていることを特徴とする。
このように構成された請求項7に記載のエンジン始動制御装置によれば、例えばスタートスイッチがオフ操作されることによってリレー間接続手段へのバッテリ電圧の入力が停止されたときに、遅延回路やラッチ回路の動作に関係なく、リレー間スイッチを遅滞なく迅速に遮断させることができる。
次に、請求項8に記載の発明は、請求項5〜7のいずれかに記載のエンジン始動制御装置であって、遅延回路は、導通許可信号としてローレベルの信号を出力するよう構成されている。そして、ラッチ回路は、一端が当該ラッチ回路の出力端子に接続され、他端に、バッテリ電圧に基づいて生成される所定の制御用電圧が印加される第1の抵抗と、ベースが遅延回路の出力端子に接続され、エミッタが接地電位側に接続され、コレクタが当該ラッチ回路の出力端子に接続された第1のトランジスタと、一端が遅延回路の出力端子に接続され、他端に制御用電圧が印加される第2の抵抗と、ベースが当該ラッチ回路の出力端子に接続され、エミッタが接地電位側に接続され、コレクタが遅延回路の出力端子に接続された第2のトランジスタと、を備え、遅延回路からローレベルの導通許可信号が出力されたときに、第1のトランジスタがオフして当該ラッチ回路からの出力信号がハイレベル信号となると共に第2のトランジスタがオンすることにより、その後の遅延回路の出力の変化に拘わらず第1のトランジスタのオフ状態が保持されて当該ラッチ回路からのハイレベル信号の出力が保持されるよう構成されている。そして、リレー間スイッチは、ラッチ回路からの出力がハイレベル信号である場合に導通するよう構成されている。
このように構成されたラッチ回路において、制御用電圧を生成する電源からの電流を下流側へ流す第1の抵抗及び第2の抵抗についても、接地電位側に接続される第1及び第2のトランジスタと同様、トランジスタ等の駆動回路で代用することもできる。しかし、そのように制御用電圧の電源側(ハイサイド側)及び接地電位側(ローサイド側)の双方でトランジスタを用いたラッチ回路を構成すると、ラッチを解除しようとして例えばローサイド側の第1のトランジスタを強制的にオンさせても、ハイサイド側及びローサイド側の双方のトランジスタの駆動能力の違いによっては、ラッチ回路の出力が確実にローレベル信号に切り替わらないおそれがある。
そこで、この請求項8に記載のように、ハイサイド側においては単に抵抗(第1の抵抗、第2の抵抗)を用いることで、ローサイド側のトランジスタがオンした場合にそのトランジスタの出力(コレクタ)を容易に接地電位に落とすことができるようになる。そのため、導通許可信号の確実なラッチ、及びそのラッチの確実な解除を実現できる。しかも、ローサイド側のトランジスタとして駆動能力の低い安価なものを用いることができる。
次に、請求項9に記載の発明は、請求項1〜8のいずれかに記載のエンジン始動制御装置であって、車両には、該車両の変速機が所定のレンジに操作されているときに該操作に連動してオンされるレンジ連動スイッチが備えられており、スタートスイッチの操作によって操作時駆動リレーに印加されるバッテリ電圧は、レンジ連動スイッチを介して印加されるよう構成されている。
このように構成された請求項9に記載のエンジン始動制御装置によれば、仮にスタートスイッチがオン故障(オン固着)してしまっても、運転者等のユーザの意思によって変速機を上記所定のレンジ以外のレンジにすることで、レンジ連動スイッチをオフさせ、エンジン始動を中止することができる。
次に、請求項10に記載の発明は、請求項1〜9のいずれかに記載のエンジン始動制御装置であって、車両には、該車両のエンジンが始動された後、該車両において所定のエンジン停止条件が成立したときに該エンジンを一時的に停止させるエンジン停止手段が備えられている。そして、リレー制御手段は、エンジン停止手段によりエンジンが停止された後、該車両において上記所定の条件としてのエンジン再始動条件が成立したときに、各リレーを駆動して該エンジンを再び始動させるよう構成されている。
このように構成された請求項10に記載のエンジン始動制御装置によれば、最初にエンジンを始動させる際には、ユーザがスタートスイッチを操作することによってバッテリ電圧が大きく低下しても(リレー制御手段が動作不可能となっても)確実にエンジンを始動させることができ、その最初の始動後は、エンジン停止手段とリレー制御手段とによって適宜エンジンの一時停止・再始動が行われる。そのため、ユーザによる確実なエンジン始動の実現と、エンジン始動後の省エネ実現が、共に可能となる。
ここで、リレー制御手段によって各リレーを個々に制御できるよう構成された本発明のエンジン始動制御装置において、例えばリレー制御手段がまず第1のリレーのみを駆動しようとして第1のリレーに対して駆動信号を出力した場合、その駆動信号によってリレー間スイッチが導通してしまい、その駆動信号がリレー間スイッチを介して第2のリレーにも供給されてこの第2のリレーまでもが駆動されてしまうおそれがある。
そのため、請求項10に記載のようにエンジン停止手段によってエンジンが一時的に停止された後にリレー制御手段が各リレーを個別に制御して再始動させようとしても、リレー間スイッチが導通されてしまうことによって、リレー制御手段による制御が実質的に無効となってしまうおそれがある。
そこで、上記請求項10に記載のエンジン始動制御装置は、例えば請求項11に記載のように、リレー間接続手段は、リレー制御手段からの強制遮断指令に従ってリレー間スイッチを強制的に遮断させる第2の強制遮断手段を備え、リレー制御手段は、エンジン停止手段によって一時的に停止されたエンジンを再び始動させる際、第2の強制遮断手段へ強制遮断指令を出力することにより、リレー間スイッチを強制的に遮断させるよう、構成するとよい。
このように構成された請求項11に記載のエンジン始動制御装置によれば、エンジン停止手段によるエンジンの停止後、リレー制御手段によってエンジンが再始動される際には、リレー間スイッチは強制的に遮断されるため、リレー制御手段による各リレーの制御を確実に行うことができ、エンジンの再始動を確実に行うことができる。
但し、このように第2の強制遮断手段を備えている場合において、仮にリレー制御手段自身に異常が発生して、強制遮断指令が出力され続けてしまうような事態が発生すると、リレー制御手段によるエンジンの始動、及びスタートスイッチの操作によるエンジン始動のいずれもできなくなってしまうおそれがある。
そこで、リレー制御手段は、例えば請求項12に記載のように、当該リレー制御手段に異常が生じた場合には強制遮断指令が出力されないように構成されたものであるとよい。リレー制御手段がこのように構成されていれば、仮にリレー制御手段に異常が生じてしまっても、少なくともスタートスイッチを操作することでエンジンを始動させることができるため、エンジンを全く始動できなくなる事態が生じるのを防ぐことができる。
上記の請求項11,12では、リレー制御手段から第1のリレーへの駆動信号によってリレー間スイッチも導通して第2のリレーまでもが駆動されてしまう、という問題を解決すべく、第2の強制遮断手段を備えてリレー制御手段がこれを制御する(エンジン再始動の際には強制遮断指令によってリレー間スイッチを強制遮断させる)ようにしたが、この問題に対する別の対策として、例えば請求項13に記載の構成をとることもできる。
即ち、請求項13に記載の発明は、請求項1〜10のいずれかに記載のエンジン始動制御装置であって、第1のリレーにおける、該第1のリレー駆動用に入力されるバッテリ電圧の入力側には、該入力側にカソードが接続されるようにダイオードが設けられている。そして、第1のリレーに印加されるバッテリ電圧は、このダイオードを介して入力(印加)されると共に、リレー間接続手段に対してはダイオードのアノード側から入力されるよう構成されている。また、リレー制御手段から第1のリレーへの駆動信号は、該第1のリレーに対してダイオードのカソード側から入力されるよう構成されている。
このように構成された請求項13に記載のエンジン始動制御装置によれば、リレー制御手段によって第1のリレーに駆動信号が出力された場合、その駆動信号は、第1のリレーに入力されてその第1のリレーを駆動するだけであって、リレー間接続手段には入力されない。つまり、第1のリレーに対して出力された駆動信号がリレー間接続手段にも入力されてしまうのをダイオードが阻止するのである。
従って、請求項13に記載のエンジン始動制御装置によれば、各リレーがリレー制御手段からの駆動信号によって個別に駆動される際に、その駆動信号がリレー間接続手段に入力されるのが阻止され、その駆動信号によってリレー間接続手段内のリレー間スイッチが導通してしまうのを防ぐことができる。そのため、リレー制御手段によって各リレーの駆動を制御する際に、リレー間接続手段の影響を受けること無く確実に制御することができる。
次に、請求項14に記載の発明は、請求項1〜13のいずれかに記載のエンジン始動制御装置であって、上記少なくとも2つのリレーとして、第2のリレーとしての、スタータを構成するスタータモータにバッテリ電圧を印加して該スタータモータを動作させるためのモータ用リレーと、操作時駆動リレーとしての、スタータモータの駆動力をエンジンへ伝達する駆動力伝達機構を動作させるための駆動力伝達用リレーと、が設けられている。
このように構成された請求項14に記載のエンジン始動制御装置によれば、駆動力伝達用リレー及びモータ用リレーの2つのリレーを駆動させることによってスタータを動作させ、エンジンを始動させることができるため、エンジン始動制御装置の小型化、低コスト化が可能となる。
以下に、本発明の好適な実施形態を図面に基づいて説明する。
[第1実施形態]
(1)エンジン始動装置の全体構成
図1に、本実施形態のエンジン始動装置10の概略構成を示す。本実施形態のエンジン始動装置10は、車両に搭載され、この車両のエンジンを始動させるためのものであり、図1に示す如く、バッテリ1と、バッテリ1からの電力供給を受けて動作するスタータ9と、バッテリ1からの電力供給を受けて動作し、スタータ9の動作を制御する電子制御装置(ECU)11と、を備えている。
バッテリ1は、車両に搭載されて、下記に示すスタータ9及びECU11や、これら以外の車両内の他の部位(他の制御装置や駆動部などの各部)に電力を供給する電源であり、本実施形態では例えば定格12Vのバッテリ電圧VBを有するものである。
スタータ9は、エンジンのクランク軸(図示略)の一端におけるフライホイールの外周部に形成されたリングギヤ102と噛み合ってこのリングギヤ102を回転(延いてはエンジンのクランク軸を回転)させるためのピニオン101と、バッテリ1の電力によりこのピニオン101をリニアに移動させることによりこのピニオン101とリングギヤ102との噛み合いを制御するピニオン噛み合い制御用ソレノイド5と、このピニオン噛み合い制御用ソレノイド5にバッテリ電圧VBを印加するためのソレノイド用リレー4と、ピニオン101を回転駆動させるスタータモータ8と、このスタータモータ8にバッテリ電圧VBを印加するモータ用第1リレー7と、このモータ用第1リレー7を駆動させるためのモータ用第2リレー6と、を備えている。
本発明の第1のリレー及び操作時駆動リレーとしてのソレノイド用リレー4は、リレーコイルL1及びリレー接点J1を備えた周知の構成のリレーであり、リレーコイルL1の一端はグランドラインに接地され、他端(以下「入力側」ともいう)は、ECU11のソレノイド用リレー駆動端子12に接続されると共に、後述するニュートラルスイッチ3及びキースイッチ2を介してバッテリ1の正極にも接続されている。また、リレー接点J1は、リレーコイルL1に通電されたときにオンする通常時開状態の接点(後述する他のリレー接点J2,J3も同様)であり、一端がバッテリ1の正極に接続され、他端がピニオン噛み合い制御用ソレノイド5に接続されている。
モータ用第1リレー7は、リレーコイルL3及びリレー接点J3を備え、リレーコイルL3の一端はグランドラインに接地され、他端(入力側)はモータ用第2リレー6のリレー接点J2の一端に接続されている。また、リレー接点J3は、一端がバッテリ1の正極に接続され、他端がスタータモータ8に接続されている。
モータ用第2リレー6は、リレーコイルL2及びリレー接点J2を備え、リレーコイルL2の一端はグランドラインに接地され、他端(入力側)はECU11のモータ用リレー駆動端子13に接続されている。また、リレー接点J2は、一端がバッテリ1の正極に接続され、他端がモータ用第1リレーの入力側に接続されている。
なお、本実施形態では、スタータモータ8を、モータ用第1リレー7及びモータ用第2リレー6の2つのリレーを介して駆動するようにしているが、このように2つのリレーを用いているのは、スタータモータ8の動作時の電流が非常に大きいためである。
即ち、スタータモータ8の動作時の電流は数百A程度の大電流となる。この大電流をオン・オフするためのリレーとしては、当然ながらリレー接点の電流容量がその大電流を許容するものである必要があるのはもちろん、そのリレー接点を開閉するために必要なリレーコイルの通電電流は数A(例えば5A〜6A)程度が必要となる。しかし、ECU11は、数Aもの電流を直接リレーコイルへ供給する能力はない。
そこで、本実施形態では、スタータモータ8に直接接続されるモータ用第1リレー7に対して更にモータ用第2リレー6を接続し、ECU11は直接的にはこのモータ用第2リレー6を駆動することで、モータ用第1リレー7を駆動させ、これによりスタータモータ8を動作させるようにしている。モータ用第2リレー6は、モータ用第1リレー7に数A程度の電流を供給するものであり、そのリレー接点J2を開閉するためにリレーコイルL2に流す電流は小さい電流(例えば数百mA)で済む。そのため、このモータ用第2リレー6についてはECU11が直接駆動することができる。
このように、本実施形態では、スタータモータ8に流れる電流が非常に大きいために2つのリレー6,7を用いるようにしているのであって、仮に、ECU11からの駆動信号によって数百Aもの大電流を直接オン・オフできるようなリレーがあればそれを1つ用いればよい。そこで、以下の説明では、説明の便宜上、適宜、モータ用第1リレー7及びモータ用第2リレー6をまとめて単にモータ用リレー70とも称する。
本発明のエンジン始動制御装置としてのECU11は、主として、エンジン作動中に所定のエンジン停止条件が成立した場合にエンジンを一時的に停止させ、その後、所定のエンジン再始動条件が成立したときにエンジンを再始動させる、いわゆるアイドルストップ機能を実現するための、各種制御を行う電子制御装置であり、バッテリ電圧VBから制御用電圧Vcc(本例では5V)を生成する電源IC19と、当該ECU11にて実行される制御全体を統括するマイコンであるエコラン制御マイコン16と、このエコラン制御マイコン16からの制御指令に従い、ソレノイド用リレー駆動端子12からソレノイド用リレー4へ駆動信号(詳細は後述)を出力するソレノイド用リレー駆動回路17と、エコラン制御マイコン16からの制御指令に従い、モータ用リレー駆動端子13からモータ用リレー70(詳しくはモータ用第2リレー6)へ駆動信号(詳細は後述)を出力するモータ用リレー駆動回路18と、を備えている。
電源IC19は、バッテリ電圧VBが定格の12Vから低下したとしても所定の動作保証下限値(本例では6V)までは動作が保証されるよう構成されている。つまり、バッテリ電圧が6V以上であれば5Vの制御用電圧Vccが生成される。一方、バッテリ電圧VBが動作保証下限値(6V)から更に低下すると、電源IC19は制御用電圧Vccの生成自体は実力的にはまだ可能であるものの、生成する制御用電圧Vccの値は5Vから低下していく。なお、本実施形態の電源IC19は、実力的には、バッテリ電圧VBが4V以上あれば制御用電圧Vccを生成できるよう構成されている。但し、既述の通り5Vの制御用電圧Vccを生成できるのはバッテリ電圧VBが6V以上のときである。
なお、バッテリ1からECU11内の電源IC19に入力されるバッテリ電圧VBは、ECU11内において、電源IC19だけでなく、バッテリ電圧VBを電源として動作する他の各回路(詳細は後述)にも入力される。一方、ECU11には、後述するように、キースイッチ2及びニュートラルスイッチ3を介してソレノイド用リレー駆動端子12からもバッテリ電圧VBが入力される。そこで、以下の説明では、ECU11内に入力される上記2系統のバッテリ電圧VBのうち、前者を「電源としてのバッテリ電圧VB」とも称することとし、後者を「入力信号としてのバッテリ電圧VB」とも称することとする。
エコラン制御マイコン16は、電源IC19にて生成された制御用電圧Vccを受けて動作する。そして、本実施形態のエコラン制御マイコン16は、制御用電圧Vccが所定のリセット電圧(本例では3.9V)以下となったときにリセットされるよう構成されている。既述の通り、バッテリ電圧VBが6Vより低くなると電源IC19にて生成される制御用電圧Vccも低下していき、例えばバッテリ電圧VBが4.5Vになると、電源IC19が生成する制御用電圧Vccは3.9Vとなる。このように制御用電圧Vccが3.9V以下になると、エコラン制御マイコン16はリセットされる。つまり、本実施形態のエコラン制御マイコン16は、バッテリ電圧VBが4.5Vより大きいとき(即ち制御用電圧Vccがリセット電圧3.9Vより大きいとき)に動作するものである。なお、4.5Vのバッテリ電圧VBは本発明の動作可能下限電圧値に相当するものである。
このエコラン制御マイコン16は、ソレノイド用リレー駆動回路17及びモータ用リレー駆動回路18を介してソレノイド用リレー4及びモータ用リレー70を個別に駆動(オン)することによりスタータ9を動作させるよう構成されている。
但し、エコラン制御マイコン16によるスタータ9の駆動(各リレー4,70の駆動)は、アイドルストップ機能において一時的に停止されたエンジンを再始動させる際に行われるのであって、停止中の車両のエンジンをユーザが最初に始動させる通常始動時においては、エコラン制御マイコン16によるスタータ9の駆動は行われない。この通常始動時におけるスタータ9の駆動については、後で詳細に説明する。
(1−1)アイドルストップ機能について
ここで、エコラン制御マイコン16により実現されるアイドルストップ機能について、概略的に説明する。エコラン制御マイコン16は、通常始動時のスタータ9の駆動によってエンジンが始動した後、車両において所定のエンジン停止条件が成立したかどうか判断する。エンジン停止条件としては、例えば、車速が0になったこと、図示しない変速機のギアが所定のレンジ(マニュアルトランスミッション車の場合は例えばニュートラルレンジ、オートマチックトランスミッションの場合は例えばニュートラルレンジ又はパーキングレンジ)に操作されていること、ブレーキ操作がなされていること、などが挙げられる。
そして、エンジン停止条件が成立すると、エコラン制御マイコン16は、エンジンを停止させるための所定の処理を実行して、エンジンを一時的に停止(アイドルストップ)させる。
アイドルストップ後、エコラン制御マイコン16は、車両において所定のエンジン再始動条件が成立したかどうか判断する。エンジン再始動条件としては、例えば、ブレーキ操作が解除されたこと、マニュアルトランスミッション車の場合はクラッチが踏まれたこと、オートマチックトランスミッション車の場合は変速機がドライブレンジに操作されたこと、などが挙げられる。
そして、エンジン再始動条件が成立すると、エコラン制御マイコン16は、まず、ソレノイド用リレー駆動回路17へ制御指令を出力してこのソレノイド用リレー駆動回路17から駆動信号を出力させる。
ソレノイド用リレー駆動回路17は、エコラン制御マイコン16からの制御指令に従い、ECU11内に入力された電源としてのバッテリ電圧VBを、駆動信号としてソレノイド用リレー駆動端子12へ出力するものである。具体的な回路構成としては、例えば、エコラン制御マイコン16からの制御指令に従ってオン・オフするスイッチング回路を備え、制御指令によってスイッチング回路をオンすることにより駆動信号(バッテリ電圧VB)を出力するような構成が考えられる。
ソレノイド用リレー駆動回路17から駆動信号が出力されると、その駆動信号がソレノイド用リレー駆動端子12からソレノイド用リレー4に入力される。つまり、バッテリ電圧VBがソレノイド用リレー4のリレーコイルL1に印加されるのであり、これによりソレノイド用リレー4が駆動する。すると、ピニオン噛み合い制御用ソレノイド5にバッテリ電圧VBが印加され、ピニオン101がリングギヤ102側に移動されてリングギヤ102と噛み合う。なおこのとき、ピニオン101とリングギヤ102の双方の歯の位置によっては、必ずしもすぐには噛み合わずにピニオン101がリングギヤ102の端面に当接した状態となる場合もある。
エコラン制御マイコン16は、このようにしてまずソレノイド用リレー駆動回路17を介してソレノイド用リレー4を駆動した後、一定時間経過した後に、モータ用リレー駆動回路18へ制御指令を出力してこのモータ用リレー駆動回路18から駆動信号を出力させる。モータ用リレー駆動回路18も、ソレノイド用リレー駆動回路17と同様、エコラン制御マイコン16からの制御指令に従い、ECU11内に入力された電源としてのバッテリ電圧VBを、駆動信号としてモータ用リレー駆動端子13へ出力するものである。
モータ用リレー駆動回路18から駆動信号が出力されると、その駆動信号がモータ用リレー駆動端子13からモータ用リレー70に入力され、モータ用リレー70が駆動する。より詳細には、駆動信号(バッテリ電圧VB)がモータ用第2リレー6のリレーコイルL2に印加されることによりこのモータ用第2リレー6が駆動し、これにより更にモータ用第1リレー7が駆動することとなる。
すると、スタータモータ8にバッテリ電圧VBが印加されてスタータモータ8が回転駆動し、その回転駆動力がピニオン101からリングギヤ102を経てエンジンのクランク軸に伝達され、これによりエンジンが始動する。なお、ピニオン噛み合い制御用ソレノイド5及びピニオン101は、本発明の駆動力伝達機構に相当するものである。
このように、エコラン制御マイコン16によってアイドルストップ機能が実現される際の、アイドルストップ後のエンジン再始動は、スタータ9が有するソレノイド用リレー4及びモータ用リレー70をエコラン制御マイコン16が個別に駆動制御することにより行われる。
ここまで、アイドルストップ機能実現のためにエコラン制御マイコン16により行われるスタータ9の駆動について説明したが、本実施形態のエンジン始動装置10では、ユーザにより最初に行われる通常始動時には、エコラン制御マイコン16によるスタータ9の駆動制御は行われず、次に説明するようなエンジン始動が行われる。
(1−2)通常始動時のエンジン始動について
上述したアイドルストップ機能、及び、これを実現するための、エコラン制御マイコン16による各駆動回路17,18を介した各リレー4,70の個別駆動は、本実施形態のエンジン始動装置10に限らず従来から提案されている技術である。
これに対し、本実施形態のエンジン始動装置10は、ユーザにより最初に行われる通常始動時においては、エコラン制御ECU16及び各駆動回路17,18はエンジン始動には関与せず、後述するようにスイッチ回路25を中心とする各回路の動作によってエンジン始動が行われる。この通常始動時のエンジン始動及びそれを実現するための回路構成が、本実施形態のエンジン始動装置10の最も特徴的な構成である。
即ち、本実施形態のECU11は、上述したエコラン制御マイコン16、各駆動回路17,18などを備えている他に、図1に示すように、スイッチ回路25、遅延回路21、及びラッチ回路23を備えている。これら各回路はいずれも、通常始動時においてスタータ9を駆動するために、電源としてのバッテリ電圧VBによって動作するものであり(詳細は後述)、基本的には、バッテリ電圧VBが一定範囲(例えば3V以上)であれば動作するよう構成されている。つまり、遅延回路21,ラッチ回路23,及びスイッチ回路25は、制御用電圧Vccによって動作するものではなく、また、エコラン制御マイコン16によって制御されるものでもない。但し例外的に、アイドルストップ機能実現の際には、エコラン制御マイコン16がラッチ回路23へスイッチ回路停止信号を出力してラッチ回路23の動作を停止させる(詳細は後述)。
そのため、通常始動時において、仮に、バッテリ電圧VBが4.5V以下に低下することにより制御用電圧Vccがリセット電圧3.9V以下となってエコラン制御マイコン16がリセットしたとしても、バッテリ電圧VBが3V以上あれば、少なくともラッチ回路23及びスイッチ回路25は動作する。遅延回路21については、その内部に、後述するようにバッテリ電圧VBを電源として動作する汎用のコンパレータ22(図2参照)が備えられている。そのため、バッテリ電圧VBが仮に3V程度にまで下がってしまうと、コンパレータ22の動作が不安定となって遅延回路21が全体として誤動作してしまうおそれがある。しかし、その誤動作の影響を吸収するためにラッチ回路23が備えられているのであり、後述するように、このラッチ回路23が、遅延回路21の誤動作によりエンジンの通常始動時に悪影響が生じてしてしまうのを防止している。
また、本実施形態のエンジン始動装置10は、ユーザが車両のキーをキーシリンダに挿入して所定の位置(スタート位置)に回転操作することによりオンするキースイッチ2と、変速機のレンジがニュートラルレンジ又はパーキングレンジに操作されているときにオンするニュートラルスイッチ3と、を備えており、これら各スイッチ2,3を介してソレノイド用リレー4の入力側にバッテリ電圧VBを印加できるよう構成されている。尚、キースイッチ2は本発明のスタートスイッチに相当するものであり、ニュートラルスイッチ3は本発明のレンジ連動スイッチに相当するものである。
キースイッチ2は、一端がバッテリ1の正極に接続され、他端がニュートラルスイッチ3の一端に接続されている。ニュートラルスイッチ3の他端は、ソレノイド用リレー4の入力側に接続されると共にECU11のソレノイド用リレー駆動端子12に接続されている。
スイッチ回路25、遅延回路21、及びラッチ回路23の詳細な回路構成については後で図2を用いて説明することとし、ここではこれら各回路の動作に基づく通常始動時のスタータ駆動について概略的に説明する。
通常始動時において、ニュートラルスイッチ3がオンされている状態でユーザ操作によりキースイッチ2がオンされると、バッテリ電圧VBがキースイッチ2及びニュートラルスイッチ3を介してソレノイド用リレー4に印加され、これによりまずソレノイド用リレー4が駆動する。
また、キースイッチ2及びニュートラルスイッチ3を介してソレノイド用リレー4に印加されるバッテリ電圧VBは、ECU11のソレノイド用リレー駆動端子12を介してECU11内にも入力され、ECU11内においてスイッチ回路25、遅延回路21、及びラッチ回路23にも入力される。このソレノイド用リレー駆動端子12を介して入力されるバッテリ電圧VBは、上述したような各回路21,23,25の電源としてのバッテリ電圧VBではなく、各回路21,23,25への入力信号として入力される。この入力信号としてのバッテリ電圧VBがソレノイド用リレー駆動端子12を介して入力されることにより、遅延回路21及びラッチ回路23がそれぞれ所定の動作を行い、スイッチ回路25がオンして、ソレノイド用リレー駆動端子12とモータ用リレー駆動端子13の間を導通させる。
スイッチ回路25は、ソレノイド用リレー4の入力側(リレーコイルL1の他端)とモータ用リレー70の入力側(モータ用第2リレー6のリレーコイルL2の他端)との間を電気的に導通させるために、これら各リレー4,70の間に設けられている。
そして、キースイッチ2及びニュートラルスイッチ3を介してソレノイド用リレー4に印加されるバッテリ電圧VBがソレノイド用リレー駆動端子12を介してスイッチ回路25、遅延回路21、及びラッチ回路23にも入力されると、遅延回路21及びラッチ回路23の動作によって、その入力開始時から所定の遅延時間が経過した後にスイッチ回路25がオンされる。このようにスイッチ回路25がオンされることにより2つのリレー4,70間が導通(即ち、ソレノイド用リレー駆動端子12とモータ用リレー駆動端子13の間が導通)すると、キースイッチ2及びニュートラルスイッチ3を介してソレノイド用リレー4に印加されるバッテリ電圧VBは、ソレノイド用リレー駆動端子12、スイッチ回路25、及びモータ用リレー駆動端子13を介してモータ用リレー70にも印加され、これによりモータ用リレー70も駆動することとなる。
このように、本実施形態のエンジン始動装置10は、ECU11内にスイッチ回路25、遅延回路21、及びラッチ回路23を備え、通常始動時には、スイッチ回路25をオンさせて各リレー4,70を繋ぐ(導通させる)ことにより、ソレノイド用リレー4へのバッテリ電圧VBをスイッチ回路25を介してモータ用リレー70にも印加させて、スタータ9を駆動するように構成されている。
そして、通常始動時にスイッチ回路25がオンされてエンジンが始動した後、ユーザ操作によってキースイッチ2が再びオフされたとき、或いはニュートラルスイッチ3がオフされたときは、各リレー4,70へのバッテリ電圧VBの印加が遮断され、各リレー4,70の駆動が停止される。
なお、既述の通り、通常始動後はエコラン制御マイコン16によるアイドルストップ機能が実現されるが、そのアイドルストップ機能において一時停止されたエンジンを再始動するとき、エコラン制御マイコン16は、ラッチ回路23に対してスイッチ回路停止信号を出力し、これによりスイッチ回路25を強制的にオフさせるようにしている。
これは、詳細は後述するが、通常始動が行われた後も、遅延回路21及びラッチ回路23の動作状態によってはスイッチ回路25がすぐにはオフされず、オンされたままの状態が続くことがあるため、アイドルストップ後の再始動時にはスイッチ回路25を確実にオフさせて再始動を確実に行えるようにするためである。
(2)スイッチ回路25、遅延回路21、及びラッチ回路23の詳細構成
次に、通常始動の際にスタータ9を駆動するためにECU11が備えている、スイッチ回路25、遅延回路21、及びラッチ回路23について、図2に基づいてより詳しく説明する。
図2に示すように、遅延回路21は、抵抗R1及びコンデンサCからなる積分回路と、電源としてのバッテリ電圧VBを2つの分圧抵抗R2,R3によって分圧することにより基準電圧を生成する基準電圧生成回路と、コンパレータ22とを備えている。積分回路の出力はコンパレータ22のマイナス側入力端子に入力され、基準電圧はコンパレータ22のプラス側入力端子に入力される。なお、本実施形態のコンパレータ22は、いわゆるヒステリシス機能付のものであり、バッテリ電圧VBを電源として動作する。また、このコンパレータ22は、エンジンの通常始動時に想定されるバッテリ電圧VBの最低値(例えば3.5V)までは動作の保証がされていない(但し実力的には動作可能)、汎用のコンパレータである。そのため、エンジンの通常始動時にバッテリ電圧VBが大きく低下して例えば3.5V程度になると、コンパレータ22は誤動作してしまうおそれがあるが、この誤動作の影響は、ラッチ回路23によって吸収される。
このように構成された遅延回路21に対し、ソレノイド用リレー駆動端子12を介して入力信号としてのバッテリ電圧VBが入力されると、積分回路の出力電圧(即ちコンパレータ22のマイナス側入力端子に入力される電圧)はその入力されるバッテリ電圧VBの値に向けて徐々に増加していく。この増加傾向は、積分回路を構成する抵抗R1の抵抗値及びコンデンサCの容量値により定まる時定数により決定される。
積分回路の出力電圧が0Vのときは、コンパレータ22からの出力信号はハイレベル信号であるが、バッテリ電圧VBの入力によって積分回路の出力電圧が徐々に増加していき、所定の遅延時間が経過して基準電圧を超えると、コンパレータ22の出力信号がローレベル信号に転じる。なお、このローレベル信号は本発明の導通許可信号に相当するものである。
次に、ラッチ回路23は、遅延回路21の出力信号がハイレベル信号からローレベル信号に転じたときに、遅延回路21から入力されるそのローレベル信号をラッチ(保持)するための回路である。
このラッチ回路23は、より具体的には、一端が当該ラッチ回路23の出力端子に接続されて他端に電源としてのバッテリ電圧VBが印加される抵抗R6と、ベースが抵抗R19を介して遅延回路21の出力端子(即ちコンパレータ22の出力端子)に接続され、エミッタがグランドラインに接続され、コレクタが当該ラッチ回路23の出力端子(即ち抵抗R6の一端)に接続されたラッチ用第1トランジスタT5と、一端が遅延回路21の出力端子に接続されて他端に電源としてのバッテリ電圧VBが印加される抵抗R5と、ベースが抵抗R17を介して当該ラッチ回路23の出力端子に接続され、エミッタがグランドラインに接続され、コレクタが遅延回路21の出力端子に接続されたラッチ用第2トランジスタT4と、を備えている。
なお、ラッチ用第1トランジスタT5のベース−エミッタ間、及びラッチ用第2トランジスタT4のベース−エミッタ間には、それぞれ、図示のようにバイアス用の抵抗R20,R18が接続されている。また、各トランジスタT4,T5はいずれも、本実施形態ではNPN型バイポーラトランジスタである。また、ここでいうラッチ回路23の「出力端子」とは、実際に物理的に独立した端子が備えられていることを意味しているわけではなく、本実施形態においては、ラッチ用第1トランジスタT5のコレクタ側を、便宜上、ラッチ回路23の出力端子と称している。
次に、スイッチ回路25は、ベースが抵抗R21を介してラッチ回路23の出力端子に接続され、エミッタがグランドラインに接続され、コレクタが抵抗R8及び抵抗R7を介してソレノイド用リレー駆動端子12に接続されたスイッチ用入力トランジスタT6と、ベースが抵抗R7と抵抗R8の接続点に接続され、エミッタがソレノイド用リレー駆動端子12に接続され、コレクタがダイオードD1のアノードに接続されたスイッチ用トランジスタT7と、を備えている。ダイオードD1のカソードはモータ用リレー駆動端子13に接続されている。
なお、スイッチ用入力トランジスタT6のベース−エミッタ間にはバイアス用の抵抗R22が接続されている。また、このスイッチ用入力トランジスタT6は本実施形態ではNPN型バイポーラトランジスタであり、スイッチ用トランジスタT7(本発明のリレー間スイッチに相当)は、本実施形態ではPNP型バイポーラトランジスタである。
このような構成により、遅延回路21からの出力信号がハイレベル信号である通常時、即ちソレノイド用リレー駆動端子12からECU11内へまだバッテリ電圧VBが入力されていないときは、ラッチ回路23においてラッチ用第1トランジスタT5がオンすると共にラッチ用第2トランジスタT4はオフするため、ラッチ回路23からスイッチ回路25への出力信号はローレベル信号となる。そのため、スイッチ回路25においては、スイッチ用入力トランジスタT6がオフしてスイッチ用トランジスタT7もオフし、結果、ソレノイド用リレー駆動端子12とモータ用リレー駆動端子13との間は遮断されている。
一方、キースイッチ2及びニュートラルスイッチ3が共にオンされることにより、これら各スイッチ2,3及びソレノイド用リレー駆動端子12を介して遅延回路21へバッテリ電圧VBが入力されると、遅延回路21内の積分回路の出力電圧が徐々に上昇していき、やがてコンパレータ22の出力信号がハイレベル信号からローレベル信号(導通許可信号)に転じる。
すると、ラッチ回路23において、ラッチ用第1トランジスタT5がオフして当該ラッチ回路23からスイッチ回路25への出力信号はハイレベル信号となる。
そのため、スイッチ回路25において、スイッチ用入力トランジスタT6がオンすると共にスイッチ用トランジスタT7もオンして、ソレノイド用リレー駆動端子12とモータ用リレー駆動端子13の間が導通し、これによりソレノイド用リレー4とモータ用リレー70とが繋がる。
よって、キースイッチ2及びニュートラルスイッチ3を介してソレノイド用リレー4に印加されたバッテリ電圧VBは、ソレノイド用リレー駆動端子12、スイッチ用トランジスタT7、ダイオードD1、及びモータ用リレー駆動端子13を介してモータ用リレー70にも印加され、モータ用リレー70が駆動されることとなる。
またラッチ回路23の出力信号がハイレベルとなることにより、ラッチ回路23内においてラッチ用第2トランジスタT4がオンするため、ラッチ用第1トランジスタT5は、ベースがグランドレベルに保持されてオフ状態が保持される。
そのため、遅延回路21から入力される信号がローレベルに転じた後、仮に遅延回路21が誤動作して一時的或いは断続的にハイレベルに転じたとしても、ラッチ回路23のラッチ(自己保持)作用により、ラッチ回路23からスイッチ回路25への出力信号はハイレベル信号が保持される。
また、本実施形態では、上記のようにキースイッチ2等の操作によってスタータ9を動作させた場合に、キースイッチ2が再びオフされたときは速やかにスイッチ回路25内のスイッチ用トランジスタT7をオフしてスタータモータ8を停止させるために、ラッチ回路23内にラッチイネーブル用トランジスタT2が設けられている。このラッチイネーブル用トランジスタT2は、本発明の第1の強制遮断手段に相当するものである。
ラッチイネーブル用トランジスタT2は、ベースが抵抗R13を介してイネーブル用入力トランジスタT1のコレクタに接続され、エミッタがグランドラインに接続され、コレクタがラッチ回路23の出力端子に接続されている。また、イネーブル用入力トランジスタT1は、ベースが抵抗R11を介してソレノイド用リレー駆動端子12に接続され、エミッタがグランドラインに接続され、コレクタが抵抗R13に接続されると共に抵抗R4の一端に接続されている。抵抗R4の他端には電源としてのバッテリ電圧VBが印加されている。なお、これら各トランジスタT1,T2はいずれも、本実施形態では、NPN型バイポーラトランジスタである。また、各トランジスタT1,T2のベース−エミッタ間には、それぞれ、バイアス用の抵抗R12,R14が接続されている。
このような構成により、キースイッチ2及びニュートラルスイッチ3を介してソレノイド用リレー駆動端子12にバッテリ電圧VBが入力されると、イネーブル用入力トランジスタT1がオンしてラッチイネーブル用トランジスタT2はオフする。そのため、遅延回路21及びラッチ回路23は上述したように動作し、ラッチ回路23からの出力信号はハイレベル信号にラッチされて、スイッチ回路25がオン(即ちスイッチ用トランジスタT7がオン)する。
その後、キースイッチ2がオフされることによりキースイッチ2及びニュートラルスイッチ3を介したバッテリ電圧VBの入力が停止されると、イネーブル用入力トランジスタT1はオフしてラッチイネーブル用トランジスタT2がオンする。このラッチイネーブル用トランジスタT2がオンすることにより、ラッチ回路23の出力端子は強制的にローレベルに落とされ(即ちラッチ状態が解除され)、よってスイッチ回路25は強制的にオフされる。
更に、本実施形態では、エコラン制御マイコン16がエンジン再始動を行うときは、誤ってスイッチ回路25がオンしてソレノイド用リレー駆動端子12とモータ用リレー駆動端子13の間が導通することのないよう、ラッチ回路23内にスイッチ回路停止用トランジスタT3が設けられている。このスイッチ回路停止用トランジスタT3は本発明の第2の強制遮断手段に相当するものである。
スイッチ回路停止用トランジスタT3は、ベースが抵抗R15を介してエコラン制御マイコン16に接続され、エミッタがグランドラインに接続され、コレクタがラッチ回路23の出力端子に接続されている。なお、ベース−エミッタ間にはバイアス用の抵抗R16が接続されている。
エコラン制御マイコン16は、アイドルストップ機能におけるエンジン一時停止後の再始動を行うとき以外は、スイッチ回路停止用トランジスタT3への信号出力は行わない。つまり、スイッチ回路停止用トランジスタT3のベース側からエコラン制御マイコン16を見たとき、電気的にはハイインピーダンス状態となっている。
一方、アイドルストップ機能におけるエンジン再始動を行う際は、エコラン制御マイコン16は、スイッチ回路停止用トランジスタT3へスイッチ回路停止信号(ハイレベル信号。本発明の強制遮断指令に相当。)を出力して、スイッチ回路停止用トランジスタT3をオンさせる。これにより、ラッチ回路23の出力端子は強制的にローレベルに落とされ(即ちラッチ状態が解除され)、スイッチ回路25のオフ状態が強制的に保持される。
また、エコラン制御マイコン16は、当該エコラン制御マイコン16が動作していないとき、或いは何らかの原因で異常が生じた場合など、当該エコラン制御マイコン16が正常に動作していない間は、スイッチ回路停止用トランジスタT3へ信号を出力しないように構成されている。つまり、アイドルストップ機能におけるエンジン再始動を行うとき以外は、スイッチ回路停止用トランジスタT3は常にオフされるように構成されている。
そのため、仮にエコラン制御マイコン16が何らかの原因で正常に動作しなくなり、アイドルストップ機能が正常に作動しなくなってエンジンの再始動が自動的に行われなくなったとしても、最低限、ユーザのキースイッチ2の操作によって、通常始動時と同じ要領でエンジンを始動させることができる。
なお、遅延回路21、ラッチ回路23、及びスイッチ回路25を構成する各トランジスタ、抵抗は、いずれも、本実施形態ではディスクリート部品である。
(3)エンジン始動装置の動作説明
次に、本実施形態のエンジン始動装置10により行われるスタータ9の駆動(延いてはエンジンの始動)について、図3及び図4のタイムチャートを用いて説明する。
(3−1)通常始動時について
まず、通常始動時のスタータ9の駆動について、図3のタイムチャートを用いて説明する。図3に示すように、ユーザ操作によりキースイッチ2がオンされると(ニュートラルスイッチ3がオンされていることが前提)、キースイッチ2及びニュートラルスイッチ3を介してソレノイド用リレー4及びECU11のソレノイド用リレー駆動端子12にバッテリ電圧VBが印加される。
これにより、ソレノイド用リレー4が駆動(オン)する。また、ソレノイド用リレー駆動端子12からECU11内にもバッテリ電圧VBが入力されることにより、遅延回路21において積分回路の出力電圧が徐々に上昇し始める。また、ラッチイネーブル用トランジスタT2がオンからオフに転じ、ラッチ回路23によるラッチ動作が可能となる。
そして、遅延回路21への、入力信号としてのバッテリ電圧VBの入力開始後、所定の遅延時間が経過して、遅延回路21における積分回路の出力電圧が基準電圧を超えると、コンパレータ22の出力信号がハイレベル信号からローレベル信号に転じ、ラッチ回路23からの出力信号がハイレベル信号となる。これにより、スイッチ回路25のスイッチ用トランジスタT7がオンし、このスイッチ用トランジスタT7及びモータ用リレー駆動端子13を介してモータ用リレー70にもバッテリ電圧VBが印加されて、モータ用リレー70が駆動(オン)する。
なお、通常始動時においては、エコラン制御マイコン16からスイッチ回路停止用トランジスタT3(ラッチ回路23内)には信号が出力されないため、このスイッチ回路停止用トランジスタT3はオフ状態が保持され、ラッチ回路23によるラッチ動作が可能な状態が保持される。
モータ用リレー70が駆動すると、スタータモータ8が動作を開始する。そのため、特にその動作開始直後は、スタータモータ8へ大電流が流れることにより、バッテリ電圧VBは大きく低下し、例えば最低で3.5Vにまで低下する。このように3.5V程度にまで低下してしまうと、既述の通り、エコラン制御マイコン16は動作できなくなってリセットしてしまう。しかし、通常始動時においては、スタータ9の各リレーの駆動にエコラン制御マイコン16は関与しないため、エコラン制御マイコン16の動作状態の影響を受けることはない。
また、スタータモータ8の動作開始後、バッテリ電圧VBは、単に低下するだけでなく、スタータモータ8をはじめとする負荷の状態に応じて図示のように変動する。
そのため、そのバッテリ電圧VBの変動によって、コンパレータ22に入力される各電圧もいずれも変動する。なお、コンパレータ22の各入力電圧のうち、プラス側入力端子に入力される基準電圧は、バッテリ電圧VBの変動に伴ってほぼ同時に変動するが、マイナス側入力端子に入力される積分回路の出力電圧は、バッテリ電圧VBの変動から一定時間の遅延を伴って変動する。
このような、バッテリ電圧VBの変動、その変動に起因するコンパレータ22の各入力電圧の変動、更にはバッテリ電圧VBの低下に起因するコンパレータ22自身の誤動作などによって、コンパレータ22の出力信号は、一端ローレベル信号に転じた後も、図示のように、断続的にハイレベルに転じてしまう。
しかし、このようにコンパレータ22の出力が一時的にハイレベルに転じたとしても、ラッチ回路23の動作によってラッチ回路23からの出力信号はハイレベルに保持されているため、スイッチ回路25のスイッチ用トランジスタT7はオン状態が保持され、モータ用リレー70へのバッテリ電圧VBの印加状態は保持される。
なお、モータ用リレー70の駆動開始後、ラッチ回路23の出力波形も変動しているが、これもバッテリ電圧VBの変動に起因するものである。但し、この変動は、ハイレベル信号として扱われる範囲内での変動であり、この変動によってスイッチ回路25のスイッチ用トランジスタT7がオフされてしまうことはない。
そして、ユーザ操作によりキースイッチ2が再びオフされると、このキースイッチ2を介したソレノイド用リレー4及びソレノイド用リレー駆動端子12へのバッテリ電圧VBの入力が停止されるため、ソレノイド用リレー4はオフされる。またこのとき、ラッチ回路23におけるラッチイネーブル用トランジスタT2がオンされる。そのため、ラッチ回路23からスイッチ回路25への出力信号は強制的にローレベルに落とされ、スイッチ回路25のスイッチ用トランジスタT7がオフされて、モータ用リレー駆動端子13を介したモータ用リレー70へのバッテリ電圧VBの印加も停止される。そのため、モータ用リレー70もその駆動が停止されてオフされる。
但し、キースイッチ2のオフ後、コンパレータ22の出力信号については、すぐにはハイレベル信号に戻らず、一定時間遅延した後にハイレベル信号に戻る。これは、遅延回路21への入力信号としてのバッテリ電圧VBの入力が停止された後、積分回路を構成するコンデンサの充電電荷が徐々に放電されていくため、コンパレータ22のマイナス側入力端子に入力される電圧がすぐには0Vに下がらないためである。
(3−2)アイドルストップ後の再始動時について
次に、アイドルストップ後のスタータ9の駆動について、図4のタイムチャートを用いて説明する。図3で説明した通常始動時のスタータ9の駆動では、エコラン制御マイコン16は関与しなかったが、アイドルストップ後のスタータ9の駆動においては、既述の通り、エコラン制御マイコン16が中心となってスタータ9の駆動を行う。
この場合、エンジンは通常始動時の始動により既に始動されていることが前提であるため、キースイッチ2はオフされた状態となる。詳細には、スタート位置ではなくイグニション位置に操作されている状態である。
所定のエンジン停止条件が成立してエンジンが一時的に停止(アイドルストップ)された後、所定のエンジン再始動条件が成立すると、エコラン制御マイコン16は、ソレノイド用リレー駆動回路17を制御してこのソレノイド用リレー駆動回路17から駆動信号(バッテリ電圧VB)を出力させる。これにより、ソレノイド用リレー駆動端子12を介してソレノイド用リレー4に駆動信号が入力され、ソレノイド用リレー4が駆動(オン)する。
ここで、ソレノイド用リレー駆動回路17からの駆動信号は、回路構成上、ソレノイド用リレー駆動端子12からソレノイド用リレー4へ入力されるだけでなく、遅延回路21、ラッチ回路23、及びスイッチ回路25にも入力される。そのため、この駆動信号によって遅延回路21も動作し、通常始動時と同じようにコンパレータ22の出力信号が所定の遅延時間経過後にローレベルに転じてしまう。
しかし、エコラン制御マイコン16は、エンジン再始動条件が成立したときに、ソレノイド用リレー駆動回路17から駆動信号を出力させるのに先立って、まず、ラッチ回路23内のスイッチ回路停止用トランジスタT3へスイッチ回路停止信号(ハイレベル信号)を出力し、このスイッチ回路停止用トランジスタT3をオンさせる。そのため、ラッチ回路23の出力信号は強制的にローレベルに保持され、スイッチ回路25のスイッチ用トランジスタT7は強制的にオフ状態が保持される。
エコラン制御マイコン16は、ソレノイド用リレー4を駆動させた後、一定時間経過後に、モータ用リレー駆動回路18を制御してこのモータ用リレー駆動回路18から駆動信号(バッテリ電圧VB)を出力させる。これにより、モータ用リレー駆動端子13を介してモータ用リレー70に駆動信号が入力され、モータ用リレー70が駆動(オン)する。
アイドルストップ後のエンジン再始動の際は、一般に、通常始動時に比べて、エンジンを始動させる際に必要なスタータモータ8のトルクは小さくて済む。これは、通常始動時はエンジンの潤滑オイルが低温であるのに対してアイドルストップ後の再始動時には潤滑オイルが高温であること等に起因する。
そのため、モータ用リレー70が駆動されてスタータモータ8が動作すると、バッテリ電圧VBは、通常始動時と同じく低下・変動するものの、その低下の度合いは通常始動時よりも小さい。具体的には、本例では、通常始動時には最低で3.5Vにまで低下したのに対し、アイドルストップ後の再始動時には最低でも6V程度に低下するだけであり、仮に6Vまで低下しても、電源IC19の動作保証範囲内にあることから、電源IC19は5Vの制御用電圧Vccを生成することができる。
つまり、この再始動時には、エコラン制御マイコン16がリセットしてしまうほどにまではバッテリ電圧VBは低下しない。そのため、エコラン制御マイコン16は、アイドルストップ後のエンジン再始動を確実に制御し、エンジンを確実に始動させることができるのである。
そして、エンジンが再始動すると、エコラン制御マイコン16は、各駆動回路17,18からの駆動信号の出力を停止させ、各リレー4,70をともにオフさせて、スタータ9の動作を停止させる。そして、各リレー4,70のオフ後、一定時間経過後に、エコラン制御マイコン16はスイッチ回路停止用トランジスタT3へのスイッチ回路停止信号の出力を停止して、このスイッチ回路停止用トランジスタT3をオフさせる。
(4)第1実施形態の効果
以上説明した本実施形態のエンジン始動装置10によれば、通常始動時においては、エコラン制御マイコン16による始動のための制御は行われず、スイッチ回路25を介して各リレー4,70間を導通させることによって各リレー4,70へバッテリ電圧VBが印加され、各リレー4,70が駆動される。そのため、バッテリ電圧VBの低下(延いては制御用電圧Vccの低下)によるエコラン制御マイコン16のリセットへの対策として例えばECU11内にバッテリ電圧VBを昇圧させる昇圧回路等を設けるなどのコストアップを伴う対策は不要となり、コストアップを抑えつつ、バッテリ電圧VBがリセット電圧以下にまで低下してもスタータ9の各リレー4,70を駆動させてエンジンを始動させることができる。
また、スイッチ回路25を動作させてソレノイド用リレー4とモータ用リレー70との間を導通させるにあたり、遅延回路21を用いて、ソレノイド用リレー4の駆動時から所定の遅延時間が経過した後にモータ用リレー70が駆動されるように構成されている。そのため、エンジンの始動を良好に行うことができる。
また、遅延回路21とスイッチ回路25の間にラッチ回路23が設けられていることにより、遅延回路21からローレベル信号(導通許可信号)が出力されてスイッチ回路25のスイッチ用トランジスタT7がオンされると、そのオン状態は、遅延回路21からの出力信号の変動に拘わらず保持される。そのため、例えばエンジン始動時のバッテリ電圧低下などの何らかの要因で遅延回路21が誤動作して、出力信号が一時的にハイレベル信号に転じてしまったとしても、ラッチ回路23へのローレベル信号の入力はラッチされているため、モータ用リレー70の駆動が中断されてしまうのを防ぐことができる。
また、遅延回路21は、積分回路の出力電圧と基準電圧とをコンパレータ22が比較するという簡素な構成であり、しかもコンパレータ22として、エンジンの通常始動時に想定されるバッテリ電圧VBの最低値(例えば3.5V)までは動作の保証がされていない汎用のコンパレータを用いることができる。そのため、遅延回路21を安価に構成することができる。
また、ラッチ回路23についても、汎用のラッチ回路ICは用いず、ディスクリート部品のトランジスタと抵抗を用いて構成されている。そのため、例えばロードダンプの発生によりバッテリ電圧VBが急上昇したり、また例えば、バッテリ1を2個直列に接続してエンジン始動を行うジャンプスタートがなされることによって高電圧が発生したりしても、安価な構成で、これら電圧の急上昇等によってラッチ回路23が破壊されるのを防ぐことができる。
また、ラッチ回路23には、ラッチイネーブル用トランジスタT2が設けられている。このラッチイネーブル用トランジスタT2により、通常始動時にキースイッチ2及びニュートラルスイッチ3がオンされてスタータ9が駆動された後に再びキースイッチ2がオフされると、ラッチ回路23の出力信号は強制的にローレベルに落とされるため、スイッチ回路25のスイッチ用トランジスタT7を速やかにオフさせてモータ用リレー70を遅延なくオフさせることができる。
また、本実施形態のラッチ回路23において、電源としてのバッテリ電圧VBが印加されてこの電源(バッテリ電圧VB)から電流を流すためのハイサイド側の回路・素子として、ローサイド側(各トランジスタT4,T5)のようにトランジスタを用いることはせず、単に、抵抗R5,R6を用いている。これにより、ローサイド側のトランジスタがオンした場合にそのトランジスタの出力(コレクタ)を容易に接地電位に落とすことができるようになる。そのため、ラッチ回路23による確実なラッチ動作、及びそのラッチの確実な解除を共に実現できる。しかも、ローサイド側の各トランジスタT4,T5として、駆動能力の低い安価なものを用いることができる。
また、本実施形態では、バッテリ1からキースイッチ2を介してソレノイド用リレー4に至る通電経路における、キースイッチ2からソレノイド用リレー4の間に、ニュートラルスイッチ3が設けられており、キースイッチ2を介したバッテリ電圧VBは、このニュートラルスイッチ3の下流側からECU11内に入力されるように構成されている。そのため、仮にキースイッチ2がオン故障(オン固着)してしまっても、運転者等のユーザの意思によって変速機をニュートラルレンジ及びパーキングレンジ以外のレンジにすることで、ニュートラルスイッチ3をオフさせ、エンジン始動を中止することができる。
また、本実施形態のエンジン始動装置10は、通常始動時においては、ユーザがキースイッチをオンすることによって、バッテリ電圧VBが大きく低下しても(エコラン制御マイコン16が動作不可能となっても)確実にエンジンを始動させることができ、通常始動の後は、エコラン制御マイコン16によってアイドルストップ機能(エンジンの一時停止・再始動)が実現される。そのため、ユーザによる確実なエンジン始動(通常始動)と、エンジン始動後のアイドルストップ機能による省エネとが、共に実現可能となる。
また、エコラン制御マイコン16は、アイドルストップ機能におけるエンジン再始動を行う際は、ラッチ回路23内のスイッチ回路停止用トランジスタT3へスイッチ回路停止信号(ハイレベル信号)を出力して、スイッチ回路25内のスイッチ用トランジスタT7を強制的にオフさせるようにしている。そのため、ソレノイド用リレー駆動回路17からの駆動信号によって遅延回路21までもが動作してしまうものの、その動作の影響を受けることなくスイッチ用トランジスタT7をオフ状態に保持させて、アイドルストップ後のエンジン再始動を確実に行うことができる。
[第2実施形態]
次に、第2実施形態のエンジン始動装置について、図5を用いて説明する。なお、図5において、図1と同じ構成要素には図1と同じ符号を付し、その詳細説明は省略する。
図5に示す如く、本実施形態のエンジン始動装置30は、ユーザによるエンジン始動時にユーザにより操作されるプッシュスイッチ34を備えている。このプッシュスイッチ34はECU31のプッシュスイッチ信号入力端子32に接続されている。
一方、ECU31は、プッシュスイッチ34の状態に応じて始動回路36を制御する始動制御マイコン35と、この始動制御マイコン35の制御に従い、始動信号出力端子33を介してソレノイド用リレー4へ始動信号を出力する始動回路36と、を備えている。
即ち、本実施形態のエンジン始動装置30は、車両においていわゆるプッシュスタートシステムを実現するものであり、例えばユーザがブレーキを操作した状態で(マニュアル車の場合は更にクラッチレバーを踏んだ状態で)プッシュスイッチ34を押す(オンする)と、始動制御マイコン35が始動回路36を制御してこの始動回路36から始動信号を出力させ、これによりソレノイド用リレー4が駆動される。
始動回路36は、ECU31内に入力された電源としてのバッテリ電圧VBを始動信号として始動信号出力端子33へ出力するものである。
プッシュスイッチ34のオン操作により始動回路36から始動信号出力端子33を介してソレノイド用リレー4へ始動信号が出力されると、その始動信号は、ソレノイド用リレー駆動端子12を介してECU31内にも入力される。そのため、上記実施形態1と同様、その入力された始動信号(バッテリ電圧VB)によって遅延回路21,ラッチ回路23,スイッチ回路25がそれぞれ動作して、スイッチ回路25内のスイッチ用トランジスタT7がオンし、ソレノイド用リレー4とモータ用リレー70とが導通して、モータ用リレー70も駆動される。
従って、本実施形態のエンジン始動装置30によれば、プッシュスタートシステムを構築でき、そのプッシュスタートシステムにおいても、第1実施形態と同様、通常始動時にはエコラン制御マイコン16を用いることなく、スイッチ回路25によって各リレー4,70間を導通させることで、各リレー4,70を駆動してエンジンを始動させることができる。
また、プッシュスイッチ34によるエンジン始動を行うプッシュスタートシステムを構成するエンジン始動装置として、本実施形態のエンジン始動装置3を用いることで、プッシュスタートシステムを備えた車両、及び第1実施形態のようなキースイッチ2によるエンジン始動を行う車両の双方で、両者の始動システムに依存することなく、ECU内の主たる回路構成(エコラン制御マイコン16や、遅延回路21,ラッチ回路23,及びスイッチ回路25からなる構成)を同様の構成とすることができる。
また、本実施形態のエンジン始動装置30によれば、通常始動時に各リレー4,70を駆動するための始動信号を出力する始動回路36が、第1実施形態のエンジン始動装置10と同様、ニュートラルスイッチ3に対してバッテリ電圧VBの供給経路における上流側(バッテリ1側)に配置されている。このように始動回路36をニュートラルスイッチ3の上流側に配置できることで、仮に始動回路36がオン故障してしまって始動回路36から始動信号が出力され続けてしまう異常が生じたとしても、運転者等のユーザの意思によって変速機のレンジをニュートラルレンジ及びパーキングレンジ以外の他のレンジに操作することで、ニュートラルスイッチ3をオフさせ、エンジン始動を中止させることができる。そのため、始動回路36内に故障検出回路を設ける必要がなくなり、始動回路36の構成を簡素化することができる。
なお、本実施形態において、プッシュスイッチ34は本発明のスタートスイッチに相当するものである。
[第3実施形態]
次に、第3実施形態のエンジン始動装置について、図6を用いて説明する。なお、図6において、図1と同じ構成要素には図1と同じ符号を付し、その詳細説明は省略する。
図6に示す如く、本実施形態のエンジン始動装置40は、ニュートラルスイッチ3とソレノイド用リレー4の間に、ダイオードD2が設けられている。具体的には、このダイオードD2において、アノードは、ニュートラルスイッチ3に接続されると共にECU41のバッテリ電圧入力端子42に接続され、カソードは、ソレノイド用リレー4に接続されると共にECU41のソレノイド用リレー駆動端子12に接続されている。
ECU41は、基本的には第1実施形態のECU11と同じ構成要素を有するものであるが、次の点で第1実施形態のECU11と相違する。
まず、本実施形態のECU41では、ソレノイド用リレー駆動端子12は、スイッチ回路25、遅延回路21,ラッチ回路23には接続されていない。そのため、ソレノイド用リレー駆動回路17からの駆動信号は、スイッチ回路25、遅延回路21,ラッチ回路23には入力されない。
一方、スイッチ回路25、遅延回路21,ラッチ回路23に対しては、キースイッチ2及びニュートラルスイッチ3を介して、バッテリ電圧入力端子42からバッテリ電圧VBが入力される。
このような構成により、通常始動時においては、各スイッチ2,3がオンされると、バッテリ電圧VBがソレノイド用リレー4に印加されると共にバッテリ電圧入力端子42からECU41内のスイッチ回路25、遅延回路21,ラッチ回路23にも入力される。そのため、第1実施形態と同様にスタータ9が動作し、エンジンが始動する。
また、アイドルストップ後のエンジン再始動時、即ちエコラン制御マイコン16による各リレー4,70の駆動時は、エコラン制御マイコン16は基本的には第1実施形態と同様に制御を行うが、ラッチ回路23に対するスイッチ回路停止信号の出力は行わない。よって、本実施形態では、ラッチ回路23には、第1実施形態のようなスイッチ回路停止用トランジスタT3は設けられていない。
これは、ソレノイド用リレー駆動回路17からの駆動信号をダイオードD2のカソード側に入力するようにしていると共に、スイッチ回路25、遅延回路21,ラッチ回路23へのバッテリ電圧VBの入力は、ソレノイド用リレー駆動回路17からの駆動信号とは別系統で、ダイオードD2のカソード側から入力するようにしているためである。
このような構成により、アイドルストップ後のエンジン再始動時にソレノイド用リレー駆動回路17から駆動信号が出力されても、その駆動信号がスイッチ回路25、遅延回路21,ラッチ回路23に入力されるのをダイオードD2が阻止する。そのため、第1実施形態のようにエコラン制御マイコン16からスイッチ回路停止信号を出力してスイッチ回路25を強制的にオフさせる必要はないのである。
従って、本実施形態のエンジン始動装置40によれば、各リレー4,70が各駆動回路17,18からの駆動信号によって個別に駆動される際に、その駆動信号がスイッチ回路25、遅延回路21,ラッチ回路23に入力されるのが阻止され、その駆動信号によってスイッチ回路25がオンしてしまうのを防ぐことができる。そのため、アイドルストップ機能における、エコラン制御マイコン16による各リレー4,70の駆動を、スイッチ回路25の影響を受けること無く確実に行うことができる。
[変形例]
以上、本発明の実施の形態について説明したが、本発明の実施の形態は、上記実施形態に何ら限定されるものではなく、本発明の技術的範囲に属する限り種々の形態を採り得ることはいうまでもない。
例えば、図7に示すエンジン始動装置50のように、ECU51内の遅延回路21に対し、コンデンサCに充電された充電電荷を強制的に急速放電させるための放電用トランジスタT10(本発明の強制放電用回路に相当)を設けるようにしてもよい。図7のエンジン始動装置50は、この放電用トランジスタT10が設けられていることを除けば、第1実施形態のエンジン始動装置10と全く同じ構成である。
このように構成されたエンジン始動装置50では、通常始動時において、キースイッチ2及びニュートラルスイッチ3がオンされてソレノイド用リレー駆動端子12からバッテリ電圧VBが入力されている間は、放電用トランジスタT10はオフされている。このとき、コンデンサCには電荷が充電される。そして、エンジン始動がなされた後、再びキースイッチ2がオフされると、トランジスタT10はオンする。そのため、コンデンサCの充電電荷はこのトランジスタT10を介してグランド側へ強制的且つ急速に放電される。
そのため、仮にキースイッチ2が連続的にオン・オフされても、オフされる度にコンデンサCの充電電荷は急速に放電されるため、例えば、キースイッチ2がオフされた後、コンデンサCの充電電荷が抜けきらない状態ですぐにまたキースイッチ2がオンされてしまって遅延回路21の遅延時間が短くなってしまう、といった状況が発生するのを防ぐことができ、遅延回路21において遅延時間を確実に発生させることができる。
また、上記実施形態では、スタータを構成する、個々に独立して動作するリレーとして、ソレノイド用リレー4とモータ用リレー70の2つのリレーを備えている場合について説明したが(但しモータ用リレー70は詳しくは2つのリレー6,7にて構成)、これはあくまでも一例であり、個々に独立して動作するリレーを3つ以上備えている場合であっても本発明を適用できる。
例えば、第1のリレー、第2のリレー、及び第3のリレーを備えている場合に、第1のリレーと第2のリレーとの間、及び第2のリレーと第3のリレーとの間にそれぞれ、上記実施形態のようにスイッチ回路25を設けることで、第1のリレーに印加されたバッテリ電圧VBを第2のリレー及び第3のリレーにも順次印加して駆動させるようにすることができる。
また例えば、第1のリレー、第2のリレー、及び第3のリレーを備えている場合に、第1のリレーと第2のリレーとの間、及び第1のリレーと第2のリレーとの間にそれぞれ、スイッチ回路25を設けることで、第1のリレーに印加されたバッテリ電圧VBをそれぞれスイッチ回路25を介して第2のリレー及び第3のリレーにも印加して駆動させるようにすることもできる。
また、個々に独立して動作する複数のリレーに対し、他のリレーが並列的に接続されていてもよい。例えば、個々に独立して動作する第1のリレーと第2のリレーの間にスイッチ回路が設けられている構成において、第2のリレーに他のリレーが並列接続されていたり、或いは第1のリレーに他のリレーが並列接続されているといった構成でもよい。
また、3つ以上のリレーを備えている場合であっても、各リレー間に必ずスイッチ回路25が設けられた構成に限定されず、例えば3つ以上のリレーのうち特定のリレー間にのみスイッチ回路を設ける、といった形態も考えられる。
第1実施形態のエンジン始動装置の概略構成を示す説明図である。 第1実施形態のエンジン始動装置の詳細構成を示す説明図である。 第1実施形態のエンジン始動装置における、通常始動時の動作を説明するためのタイムチャートである。 第1実施形態のエンジン始動装置における、アイドルストップ後のエンジン再始動時の動作を説明するためのタイムチャートである。 第2実施形態のエンジン始動装置の概略構成を示す説明図である。 第3実施形態のエンジン始動装置の概略構成を示す説明図である。 変形例のエンジン始動装置の概略構成を示す説明図である。
符号の説明
1…バッテリ、2…キースイッチ、3…ニュートラルスイッチ、4…ソレノイド用リレー、5…ピニオン噛み合い制御用ソレノイド、6…モータ用第2リレー、7…モータ用第1リレー、8…スタータモータ、9…スタータ、10,30,40,50…エンジン始動装置、11,31,41,51…ECU、12…ソレノイド用リレー駆動端子、13…モータ用リレー駆動端子、16…エコラン制御マイコン、17…ソレノイド用リレー駆動回路、18…モータ用リレー駆動回路、19…電源IC、21…遅延回路、22…コンパレータ、23…ラッチ回路、25…スイッチ回路、32…プッシュスイッチ信号入力端子、33…始動信号出力端子、34…プッシュスイッチ、35…始動制御マイコン、36…始動回路、42…バッテリ電圧入力端子、70…モータ用リレー、101…ピニオン、102…リングギヤ、C…コンデンサ、D1,D2…ダイオード、J1,J2,J3…リレー接点、L1,L2,L3…リレーコイル、R1,R4〜R8,R11〜R22…抵抗、R2,R3…分圧抵抗、T1…イネーブル用入力トランジスタ、T2…ラッチイネーブル用トランジスタ、T3…スイッチ回路停止用トランジスタ、T4…ラッチ用第2トランジスタ、T5…ラッチ用第1トランジスタ、T6…スイッチ用入力トランジスタ、T7…スイッチ用トランジスタ、T10…放電用トランジスタ

Claims (14)

  1. 車両のバッテリ電圧が所定の動作可能下限電圧値より大きいときに該バッテリ電圧を基に動作し、所定のエンジン始動条件が成立したときに、該車両のエンジン始動用のスタータを動作させるために個々に独立して動作するよう設けられた少なくとも2つのリレーに対して個別に駆動信号を出力することにより該各リレーを駆動するリレー制御手段を備えた、エンジン始動制御装置であって、
    前記各リレーの相互間のうち、少なくとも、いずれか2つのリレーの間に設けられ、該2つのリレーをそれぞれ第1のリレー及び第2のリレーとして、該2つのリレー間を導通・遮断するためのリレー間スイッチを有し、前記第1のリレーに前記バッテリ電圧が印加されることにより該バッテリ電圧が入力されたときに、前記リレー間スイッチを導通させて該入力されたバッテリ電圧を前記第2のリレーにも印加するリレー間接続手段を備えており、
    前記少なくとも2つのリレーのうちいずれか1つは、手動で操作可能なスタートスイッチが操作されることによって前記バッテリ電圧が印加される操作時駆動リレーとして構成されており、少なくとも該操作時駆動リレーが前記第1のリレーとして設定されている
    ことを特徴とするエンジン始動制御装置。
  2. 請求項1に記載のエンジン始動制御装置であって、
    前記リレー間接続手段は、前記第1のリレーに前記バッテリ電圧が印加されたことにより該バッテリ電圧が入力されたとき、該入力の開始から予め設定された遅延時間が経過した後に前記リレー間スイッチを導通させるための導通許可信号を出力する遅延回路を備えている
    ことを特徴とするエンジン始動制御装置。
  3. 請求項2に記載のエンジン始動制御装置であって、
    前記遅延回路は、
    予め決められた基準電圧を生成する基準電圧生成回路と、
    抵抗及びコンデンサからなり、入力された前記バッテリ電圧を、該抵抗の抵抗値及び該コンデンサの容量値により定まる時定数に応じて徐々に増加させる積分回路と、
    前記積分回路の出力電圧と前記基準電圧生成回路により生成された基準電圧とを比較して、該積分回路の出力電圧が該基準電圧より大きい場合に前記導通許可信号を出力するコンパレータと、
    を備えていることを特徴とするエンジン始動制御装置。
  4. 請求項3に記載のエンジン始動制御装置であって、
    前記リレー間接続手段は、前記バッテリ電圧の入力が遮断されたときに、前記積分回路を構成する前記コンデンサの充電電荷を強制的に放電させる強制放電用回路を備えている
    ことを特徴とするエンジン始動制御装置。
  5. 請求項2〜4のいずれかに記載のエンジン始動制御装置であって、
    前記リレー間接続手段は、前記遅延回路から前記導通許可信号が出力されたときに該導通許可信号をラッチするラッチ回路を備えている
    ことを特徴とするエンジン始動制御装置。
  6. 請求項5に記載のエンジン始動制御装置であって、
    前記ラッチ回路は、ディスクリート部品のトランジスタと抵抗とにより構成されている
    ことを特徴とするエンジン始動制御装置。
  7. 請求項5又は6に記載のエンジン始動制御装置であって、
    前記リレー間接続手段は、前記バッテリ電圧の入力が停止されたときに前記ラッチ回路による前記導通許可信号のラッチを解除して前記リレー間スイッチを強制的に遮断させる第1の強制遮断手段を備えている
    ことを特徴とするエンジン始動制御装置。
  8. 請求項5〜7のいずれかに記載のエンジン始動制御装置であって、
    前記遅延回路は、前記導通許可信号としてローレベルの信号を出力するよう構成されており、
    前記ラッチ回路は、
    一端が当該ラッチ回路の出力端子に接続され、他端に、前記バッテリ電圧に基づいて生成される所定の制御用電圧が印加される第1の抵抗と、
    ベースが前記遅延回路の出力端子に接続され、エミッタが接地電位側に接続され、コレクタが当該ラッチ回路の出力端子に接続された第1のトランジスタと、
    一端が前記遅延回路の出力端子に接続され、他端に前記制御用電圧が印加される第2の抵抗と、
    ベースが当該ラッチ回路の出力端子に接続され、エミッタが接地電位側に接続され、コレクタが前記遅延回路の出力端子に接続された第2のトランジスタと、
    を備え、前記遅延回路からローレベルの前記導通許可信号が出力されたときに、前記第1のトランジスタがオフして当該ラッチ回路からの出力信号がハイレベル信号となると共に前記第2のトランジスタがオンすることにより、その後の前記遅延回路の出力の変化に拘わらず前記第1のトランジスタのオフ状態が保持されて当該ラッチ回路からのハイレベル信号の出力が保持され、
    前記リレー間スイッチは、前記ラッチ回路からの出力がハイレベル信号である場合に導通するよう構成されている
    ことを特徴とするエンジン始動制御装置。
  9. 請求項1〜8のいずれかに記載のエンジン始動制御装置であって、
    前記車両には、該車両の変速機が所定のレンジに操作されているときに該操作に連動してオンされるレンジ連動スイッチが備えられており、
    前記スタートスイッチの操作によって前記操作時駆動リレーに印加される前記バッテリ電圧は、前記レンジ連動スイッチを介して印加されるよう構成されている
    ことを特徴とするエンジン始動制御装置。
  10. 請求項1〜9のいずれかに記載のエンジン始動制御装置であって、
    前記車両には、該車両のエンジンが始動された後、該車両において所定のエンジン停止条件が成立したときに該エンジンを一時的に停止させるエンジン停止手段が備えられており、
    前記リレー制御手段は、前記エンジン停止手段により前記エンジンが停止された後、該車両において前記所定の条件としてのエンジン再始動条件が成立したときに、前記各リレーを駆動して該エンジンを再び始動させるよう構成されている
    ことを特徴とするエンジン始動制御装置。
  11. 請求項10に記載のエンジン始動制御装置であって、
    前記リレー間接続手段は、前記リレー制御手段からの強制遮断指令に従って前記リレー間スイッチを強制的に遮断させる第2の強制遮断手段を備え、
    前記リレー制御手段は、前記エンジン停止手段によって一時的に停止されたエンジンを再び始動させる際、前記第2の強制遮断手段へ前記強制遮断指令を出力することにより、前記リレー間スイッチを強制的に遮断させる
    ことを特徴とするエンジン始動制御装置。
  12. 請求項11に記載のエンジン始動制御装置であって、
    前記リレー制御手段は、当該リレー制御手段に異常が生じた場合には前記強制遮断指令が出力されないように構成されている
    ことを特徴とするエンジン始動制御装置。
  13. 請求項1〜10のいずれかに記載のエンジン始動制御装置であって、
    前記第1のリレーにおける、該第1のリレー駆動用に入力される前記バッテリ電圧の入力側には、該入力側にカソードが接続されるようにダイオードが設けられ、該バッテリ電圧は、該ダイオードを介して該第1のリレーに印加されると共に、前記リレー間接続手段に対しては該ダイオードのアノード側から入力されるよう構成されており、
    前記リレー制御手段から前記第1のリレーへの前記駆動信号は、該第1のリレーに対して前記ダイオードのカソード側から入力されるよう構成されている
    ことを特徴とするエンジン始動制御装置。
  14. 請求項1〜13のいずれかに記載のエンジン始動制御装置であって、
    前記少なくとも2つのリレーとして、
    前記第2のリレーとしての、前記スタータを構成するスタータモータに前記バッテリ電圧を印加して該スタータモータを動作させるためのモータ用リレーと、
    前記操作時駆動リレーとしての、前記スタータモータの駆動力を前記エンジンへ伝達する駆動力伝達機構を動作させるための駆動力伝達用リレーと、が設けられている
    ことを特徴とするエンジン始動制御装置。
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