JP2014113972A - 制動制御装置 - Google Patents
制動制御装置 Download PDFInfo
- Publication number
- JP2014113972A JP2014113972A JP2012271245A JP2012271245A JP2014113972A JP 2014113972 A JP2014113972 A JP 2014113972A JP 2012271245 A JP2012271245 A JP 2012271245A JP 2012271245 A JP2012271245 A JP 2012271245A JP 2014113972 A JP2014113972 A JP 2014113972A
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- valve
- braking
- solenoid
- valve opening
- time
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Granted
Links
Landscapes
- Regulating Braking Force (AREA)
- Electric Propulsion And Braking For Vehicles (AREA)
Abstract
【解決手段】回生協調制動制御を行う制動トルク制御部としての統合コントローラ100が、ソレノイドアウトバルブ28a〜28dを開弁させる際に、マスタシリンダ13からのブレーキ液を第1配管系統としての左前輪液圧管63および右前輪液圧管64に設けられたソレノイドアウトバルブ28b,28cを開弁させて低圧リザーバ23へ排出する第1開弁処理と、マスタシリンダ13からのブレーキ液を第2配管系統としての左後輪液圧管65および右後輪液圧管66のソレノイドアウトバルブ28a,28dを開いて低圧リザーバ23へ排出する第2開弁処理と、を交互に繰り返す交互開弁処理を行うことを特徴とする制動制御装置とした。
【選択図】図3
Description
この従来技術では、回生制動装置を作動させる際、制動操作時のペダルフィーリング悪化防止のため、液圧制動装置においてソレノイドアウトバルブを開弁させて、ホイールシリンダ側のブレーキ液をリザーバに抜くようにしている。
これにより、ホイールシリンダ液圧は0となって、その分、回生制動装置により回生制動を行うことができる。
例えば、ドライバがブレーキペダルをゆっくりと踏み込んでいった場合などにあっては、ソレノイドアウトバルブの連続開放可能時間内に、制動操作に応じた目標制動トルクが、最大回生制動トルクに達しないことがある。このような場合には、回生制動トルクが最大回生制動トルクへ上昇する前に、液圧制動装置に対する制限を解除して摩擦制動トルクを発生させることになる。
制動操作時に、回生制動装置により回生制動トルクを発生させる一方で、ソレノイドアウトバルブの開閉を制御して摩擦制動トルクを制御する回生協調制動制御を行う制動トルク制御部と、
前記制動トルク制御部に含まれ、前記回生協調制動制御において前記ソレノイドアウトバルブを開弁させる際に、マスタシリンダからのブレーキ液を第1配管系統に設けられた第1のソレノイドアウトバルブを開弁させてリザーバへ排出する第1開弁処理と、前記マスタシリンダからのブレーキ液を第2配管系統の第2のソレノイドアウトバルブを開いて前記リザーバへ排出する第2開弁処理と、を交互に繰り返す交互開弁処理を行うアウトバルブ制御部と、
を備えていることを特徴とする制動制御装置とした。
このため、両ソレノイドアウトバルブを、同時に開弁する場合と比較して、各ソレノイドアウトバルブの開弁作動時間を短縮してコイルの温度上昇を抑制でき、その分、トータルの両ソレノイドアウトバルブの開弁時間を延長できる。
よって、回生制動トルクを最大回生制動トルクへ上昇させるまでソレノイドアウトバルブを開弁し続けることができなくなることを抑制できる。
まず、実施の形態1の制動制御装置の構成を説明する。
実施の形態1の制動制御装置の構成を、「全体システム構成」「回生制動装置」「制御システム」「VDCブレーキ液圧制御ユニット構成」に分けて説明する。
図1は、実施の形態1の制動制御装置を適用した前輪駆動による電動車両の構成を示す。以下、図1に基づき、この制動制御装置の全体構成を説明する。
液圧制動装置1は、マスタシリンダ液圧発生装置10と、既存のVDCシステム(VDCは、「Vehicle Dynamics Control」の略)であるVDCブレーキ液圧制御ユニット2と、左前輪ホイールシリンダ4FLと、右前輪ホイールシリンダ4FRと、左後輪ホイールシリンダ4RLと、右後輪ホイールシリンダ4RRとを備えている。
そして、両液圧管61,62と各ホイールシリンダ4FL〜4RRに至る各液圧管61〜64の途中には、VDCブレーキ液圧制御ユニット2が設けられている。
このVDCブレーキ液圧制御ユニット2は、VDCモータ21により駆動する液圧ポンプ22,22を有し、ホイールシリンダ液圧PW/CYLの増圧・保持・減圧を制御する。また、VDCブレーキ液圧制御ユニット2は、制動時に各輪FLW,FRW,RLW,RRWにスリップが生じた場合は、各ホイールシリンダ4FL,4FR,4RL,4RRの液圧を減圧してロックを抑制する、いわゆるABS(Antilock Brake System)制御も実行可能である。
図1に戻り、走行用電動モータ5は、左右前輪(駆動輪)FLW,FRWの走行用駆動源として設けられ、駆動モータ機能と発電ジェネレータ機能を持つ。この走行用電動モータ5は、力行時、バッテリ電力を吸込み消費しながらのモータ駆動により、左右前輪(駆動輪)FLW,FRWへ駆動力を伝達する。そして、回生時、左右前輪の回転駆動に負荷を与えることで電気エネルギに変換し、発電分をバッテリ30へ充電する。つまり、左右前輪(駆動輪)FLW,FRWの回転駆動に与える負荷が、回生制動トルクとなる。
したがって、この走行用電動モータ5およびその回生制動トルクを制御する図2に示すモータコントローラ103により回生制動装置50が構成されている。なお、走行用電動モータ5は、モータコントローラ103からの制御指令に基づいて、インバータ104により作り出された三相交流を印加することにより制御される。
実施の形態1の制動制御装置の制動トルク制御系は、図2に示す統合コントローラ100と、ブレーキコントローラ101と、モータコントローラ103と、を備えている。
統合コントローラ100は、EVシステムの起動および停止制御や、駆動力演算およびモータ出力指令、減速力演算、モータ・ブレーキ出力指令、EVシステム診断およびフェールセーフ機能などを果たす。
また、統合コントローラ100は、回生協調ブレーキ制御時等において、ドライバ要求制動トルクを目標制動トルクとしてブレーキコントローラ101とモータコントローラ103を統合して制御する。この統合コントローラ100には、バッテリコントローラ102からのバッテリ充電容量情報、車輪速センサ92からの車速情報、ブレーキスイッチ93からの制動操作情報、ペダルストロークセンサ94からのブレーキペダル15のペダルストローク情報、マスタシリンダ液圧センサ16からのマスタシリンダ液圧情報、などが入力される。なお、車輪速センサ92としては、極低車速域までの車速検出が可能な車輪速回転数センサが用いられる。そして、車輪速回転数を時間微分演算処理することで、実減速度を求める。
図3は、VDCブレーキ液圧制御ユニット2を示すブレーキ液圧回路図である。
VDCブレーキ液圧制御ユニット2は、ブレーキコントローラ101(図2参照)からの指令に基づいてホイールシリンダ液圧PW/CYLの制御を行う。このVDCブレーキ液圧制御ユニット2は、VDCモータ21と、VDCモータ21により駆動する液圧ポンプ22,22と、低圧リザーバ23,23と、マスタシリンダ液圧センサ16と、を有する。
図4は、実施の形態1のブレーキ制御装置における統合コントローラ100、ブレーキコントローラ101、モータコントローラ103にて実行される回生協調制動制御の処理の流れを示す。この処理は、制動操作の開始をブレーキスイッチ93から入力すると開始される。
ステップS2では、バッテリコントローラ102からのバッテリ電圧およびバッテリ温度に基づくバッテリ充電容量(バッテリSOC(「State Of Charge」の略))などのバッテリ情報や、車輪速センサ92からの車速情報に基づいて、回生制動可能か否か判定する。そして、ステップS2において回生制動可能と判定した場合は、ステップS3に進んで回生協調制動制御を実施する。ステップS2において回生制動不可能と判定した場合は、ステップS4に進んで回生協調制動制御を非実施とする。
ここで、回生制動不可能な場合は、例えば、バッテリSOCが上限値を越えている満充電状態である場合や、バッテリ温度があらかじめ設定された上限温度よりも高い場合や、車速が設定車速域よりも低いあるいは高い場合などである。
回生協調制動制御時には、ホイールシリンダ液圧PW/CYLの上昇を制限するために、常閉のソレノイドアウトバルブ28a〜28dを開弁させてマスタシリンダ13からのブレーキ液を低圧リザーバ23へ送り込む。
これにより、ブレーキ液が各ホイールシリンダ4FL,4FR,4RL,4RRに流れ込んで摩擦制動トルクが発生するのが制限される。
このようなソレノイドアウトバルブ28a〜28dの開弁制御は、回生協調制動制御の実施時において、ドライバがブレーキペダル15を踏み込んでいる途中に実施する。すなわち、ドライバがブレーキペダル15を踏み込んで、マスタシリンダ13からブレーキ液が各ホイールシリンダ4FL,4FR,4RL,4RRに向けて流れ込む際に実施する。よって、ブレーキペダル15の踏込量が一定となって、上記ブレーキ液の流れが生じない場合には、実施されない。
ステップS102では、ヨーレイト/横/前後Gセンサ96の検出に基づいて車両前後加速度Gを読み込み、次のステップS103に進む。
このステップS112では、通常のアウトバルブ開弁制御を実施する。すなわち、アウトバルブ通常制御では、ソレノイドアウトバルブ28a〜28dを全て開弁させる。また、回生協調制動制御では、回生制動は、制動操作開始時点から所定時間の経過などの終了条件が成立したら終了し、摩擦制動とのすり替えを実施する。よって、この通常のアウトバルブ開弁制御では、所定時間の経過などの終了条件の成立による回生制動の終了に応じてソレノイドアウトバルブ28a〜28dを閉弁させる。
ここで、図6によりゆっくり踏みについて説明する。
図6は横軸が時間を示し、縦軸がブレーキペダル15のストローク量あるいは車両前後加速度Gを示している。このように、交互開弁処理は、ブレーキペダル15の踏込時の単位時間あたりのストローク量あるいは車両前後Gが設定値未満であって、目標制動トルクが最大回生制動トルク未満の場合に実施する。そして、このゆっくり踏みを実施する領域を規定する時間t0は、ソレノイドアウトバルブ28a〜28dの開弁状態を継続した場合に、熱制限によって制限される後述の上限時間Tlimに相当する。
したがって、ステップS103の「ゆっくり踏み判定閾値k0」は、図6の「交互開弁処理を実施するエリア」と「交互開弁処理を実施しないエリア」とを判別する値である。
この交互開弁処理では、第1配管系統に設けられた前輪側のソレノイドアウトバルブ28c,28bを開弁させる第1開弁処理と、第2配管系統に設けられた後輪側のソレノイドアウトバルブ28a,28dを開弁させる第2開弁処理と、を交互に実行する。
本実施の形態1では、第1配管系統は、左右前輪FLW,FRWのホイールシリンダ4FL,4FRに接続された左前輪液圧管63と右前輪液圧管64とにより構成している。一方、第2配管系統は、左右後輪RLW,RRWのホイールシリンダ4RL,4RRに接続された左後輪液圧管65と右後輪液圧管66とにより構成している。
一方、ステップS108にて実行する第2開弁処理では、第2配管系統である左後輪液圧管65と右後輪液圧管66とに設けられたソレノイドアウトバルブ28a,28dを開弁し、前輪側のソレノイドアウトバルブ28c,28bは閉弁させる。
T11>T21>T12>T22・・>T1n>T2n ・・・(1)
つまり、各開弁処理時間は、実行回数を重ねる度に短くなるよう設定されている。
上述のように、ソレノイドアウトバルブ28a〜28dの1回の開弁時間(作動時間)Tnは、残熱の影響を考慮して、交互開弁処理の開弁回数が増すほど、開弁時間(作動時間)T1n,T2nを短く設定する。そして、これら開弁時間を積算した積算時間Ttolが、上限時間Tlimを越えないようにする。
Ttol=T11+T21+T12+T22・・+T1n+T2n ・・・(2)
さらに、本実施の形態1では、ステップS104の第1開弁処理とステップS108の第2開弁処理との切り換え時期には、両開弁処理を時間的に重ならせて、全てのソレノイドバルブ28a〜28dが同時に開弁されるラップ時間tLを形成するラップ処理を実行している(図9のtL1〜tL3参照)。したがって、ステップS104の第1開弁処理とステップS108の第2開弁処理とでは、1回目の第1開弁処理以外では、実行中の開弁処理の終了制御も同時に行っている。すなわち、ステップS108の第2開弁処理では、第2開弁処理を開始して、ラップ時間tLが経過した後に、実行中の第1開弁処理を終了させる処理を行う。また、ステップS104の第1開弁処理においても、第1開弁処理の2回目以降の実施の際には、第1開弁処理を開始して、ラップ時間tLが経過した後に、実行中の第2開弁処理を終了させる処理を行う。
そして、次のステップS106では、交互開弁処理を継続する条件を満たしているか否か判定する。すなわち、ステップS106では、積算時間Ttolが予め設定された上限時間Tlim未満であるか、ストローク速度Vstがゆっくり踏み判定閾値k0未満であるか、のいずれとも満足するか否かにより継続条件を満たすか否か判定する。継続条件を満足する場合はステップS107に進み、継続条件を満足しない場合は、ステップS112に進んで、通常のアウトバルブ開弁制御に進む。
ソレノイドアウトバルブ28a〜28dの開弁時間は、ドライバがブレーキペダル15を踏んでいる時間内に限られる。このとき、ブレーキペダル15のストローク量が一定ストローク量となるのに要する踏込時間を図8(a)に示すTt2とすると、車両前後方向加速度Gが一定となるのに要する時間Tt1は、Tt1>Tt2の関係となる。
この関係を最大回生制動トルク相当に当て嵌めた場合に、上限時間Tlimは、ブレーキペダル15のストローク量が最大回生制動トルク相当のストローク量となるのに要する踏込時間であるTt2よりも小さな時間に設定している。すなわち、Tt1>Tt2>Tlimとなるように設定されている。ちなみに、本実施の形態1では、開弁時間Tnを、図7に示すように設定していること、ならびに交互開弁処理を実行することにより、開弁の積算時間Ttolが上限時間Tlim未満では、ソレノイドバルブ28a〜28dの発熱量が、許容最高温度に達しないようになっている。
次に、実施の形態1の制動制御装置および比較例の動作例を図9のタイムチャートに基づいて説明する。
このタイムチャートは、t1の時点でドライバが制動操作を開始した場合の動作例を示している。このときの制動操作は、本願明細書で言う「ゆっくり踏み」、すなわち、ブレーキペダル15のストローク速度Vstがゆっくり踏み判定閾値k0以下のゆっくりとした踏み込みであって、目標制動トルクが最大回生制動トルクに満たない操作である。また、この制動操作では、その後、t8の時点でブレーキペダル15の踏込量が一定となっている。
このラップ時間tL1の設定により、両配管61,62が低圧リザーバ23へ連通された状態を途切れることなく維持でき、低圧リザーバ23,23への流量を一定に保ち、液圧変動によるペダルフィーリング悪化を防止できる。
また、このt9の時点では、ブレーキペダル15の踏込量が一定となり、開弁条件が不成立となり、ステップS110にてNO判定され、ソレノイドアウトバルブ28a〜28dが閉弁される。なお、ブレーキペダル15の踏込量が一定であるため、マスタシリンダ13からホイールシリンダ4(FL,FR,RL,RR)へのブレーキ液の流量が無く、ソレノイドアウトバルブ28a〜28dを閉弁してもホイールシリンダ液圧PW/CYLは発生しない。
実施の形態1の制動制御装置にあっては、下記に列挙する効果を得ることができる。
1)実施の形態1の制動制御装置は、
車両の駆動輪としての左右前輪FLW,FRWに加える回生制動トルクを制御する回生制動装置50と、
車両におけるドライバの制動操作に伴って形成されたマスタシリンダ液圧PM/CYLをホイールシリンダ4(FL,FR,RL,RR)へ第1配管系統(左前輪液圧管63および右前輪液圧管64)および第2配管系統(左後輪液圧管65および右後輪液圧管66)の2系統で供給して摩擦制動トルクを発生させる液圧制動装置1と、
各配管系統に設けられ、開弁作動時にマスタシリンダ13からホイールシリンダ4(FL,FR,RL,RR)へ供給されるブレーキ液を低圧リザーバ23,23へ抜いてホイールシリンダ4(FL,FR,RL,RR)にて発生する摩擦制動トルクの上昇を制限可能とするソレノイドアウトバルブ28a〜28dを備えたVDCブレーキ液圧制御ユニット2と、
制動操作時に、回生制動装置50により回生制動トルクを発生させる一方で、VDCブレーキ液圧制御ユニット2の少なくともソレノイドアウトバルブ28a〜28dの開閉を制御して摩擦制動トルクを制御する回生協調制動制御を行う制動トルク制御部としての統合コントローラ100と、
制動トルク制御部としての統合コントローラ100に含まれ、回生協調制動制御においてソレノイドアウトバルブ28a〜28dを開弁させる際に、マスタシリンダ13からのブレーキ液を第1配管系統(左前輪液圧管63および右前輪液圧管64)に設けられた(第1の)ソレノイドアウトバルブ28b,28cを開弁させて低圧リザーバ23へ排出する第1開弁処理と、マスタシリンダ13からのブレーキ液を第2配管系統(左後輪液圧管65および右後輪液圧管66)の(第2の)ソレノイドアウトバルブ28a,28dを開いて低圧リザーバ23へ排出する第2開弁処理と、を交互に繰り返す交互開弁処理を行うアウトバルブ制御部(図9のフローチャートの処理を実行する部分)と、
を備えていることを特徴とする。
したがって、交互開弁処理を行った場合、第1配管系統のソレノイドアウトバルブ28b,28cを開いているときに、第2配管系統のソレノイドアウトバルブ28a,28dは閉じられる。したがって、本実施の形態1では、全てのソレノイドアウトバルブ28a〜28dを同時に開いた場合と比較して、ソレノイドアウトバルブ28a〜28dの閉弁中の温度上昇を抑制でき、トータルでのソレノイドアウトバルブ28a〜28dの開放時間が延長できる。
よって、回生制動トルクを最大回生制動トルクへ上昇させるまでの間に、ソレノイドアウトバルブ28a〜28dの温度上昇により開放継続できなくなることを抑制できる。
これにより、ソレノイドアウトバルブ28a〜28dの温度上昇を原因とした回生制動トルクの発生制限を行うことが抑制され、その分、回生効率の向上を図ることができる。
アウトバルブ制御部(図9のフローチャートの処理を実行する部分)は、交互開弁処理における第1開弁処理と第2開弁処理との切り換え時に、第1・第2両開弁処理を重ならせて全ソレノイドアウトバルブ28a〜28dが同時に開弁するラップ時間帯(tL1〜tLn)を形成するラップ処理を行うことを特徴とする。
このラップ時間tLnの設定により、両配管61,62が低圧リザーバ23へ連通された状態を途切れることなく維持でき、低圧リザーバ23への流量を一定に保持できる。このため、本実施の形態1では、例えば、同時に切り換えを行った場合などにおいて一時的に上記連通状態が途切れ、流量変化が生じた場合と比較して、液圧変動によるペダルフィーリング悪化を防止できる。
アウトバルブ制御部(図9のフローチャートの処理を実行する部分)は、各開弁処理の実行時間を積算する積算部(S104,S108)と、この積算部の積算時間Ttolが、制動操作量と車両前後加速度との少なくとも一方(図8のTt1,Tt2の少なくとも一方)に基づいてソレノイドアウトバルブ28a〜28dの発熱量を設定範囲に抑えるよう設定された上限時間Tlimに達する前に交互開弁処理を終了する終了時間設定部(S106,S109)と、を備えていることを特徴とする。
このように、第1開弁処理と第2開弁処理とによる開弁時間の積算を行うことにより、ソレノイドアウトバルブ28a〜28dに対する熱影響時間を確実に把握することができる。そして、積算時間Ttolが、設定された上限時間Tlimを越える前に交互開弁処理を終了することにより、ソレノイドアウトバルブ28a〜28dへの熱影響を抑制することができる。
加えて、交互開弁制御は、ブレーキペダル15の踏込量が増加中に実行される。したがって、制動操作量と車両前後加速度Gとのいずれかに基づいて、ソレノイドアウトバルブ28a〜28dの必要最大開弁時間を推定可能である。そして、この必要最大開弁時間と発熱量との関係に基づいて、上限時間Tlimを最適に設定することが可能となる。
また、車両前後加速度Gに基づいて、最大回生制動トルクに達する時間Tt1を求めることができる。上限時間Tlimは、この時間Tt1よりも短い時間に設定することにより、適正に設定することができる。
すなわち、本実施の形態1では、交互開弁処理を実施すること、ならびに、開弁時間Tnを、図7に示すように、開弁の度に少しずつ短く設定することにより、ゆっくり踏みの場合でも、最大回生制動トルクに達するまでの開弁が可能となった。そこで、上限時間Tlimを、このように最大回生制動トルクに基づいて、簡便に設定可能となった。
これにより、両時間Tt1,Tt2のいずれか一方のみに基づいて上限時間Tlimを設定する場合よりも、より精度の高い上限時間Tlimの設定が可能であり、上限時間Tlimの誤設定のリスクを軽減できる。
アウトバルブ制御部(図9のフローチャートの処理を実行する部分)は、制動操作速度であるストローク速度Vstが設定値(ゆっくり踏み判定閾値k0)以下の場合に、交互開弁処理を実行する実行判定部(ステップS103)を備えていることを特徴とする。
ブレーキペダル15のストローク速度Vstが設定値(ゆっくり踏み判定閾値k0)以下の場合、VDCブレーキ液圧制御ユニット2による減圧作動時間(ソレノイドアウトバルブ28a〜28dの開弁時間)が相対的に長くなる。したがって、このような状況に交互開弁処理を行うことにより、ソレノイドアウトバルブ28a〜28dのトータルの開放時間を確実に延長することができ、その分、上記1)のように、回生効率の向上を図ることが可能となる。
さらに、実施の形態では、回生協調制動制御の際に、液圧制動装置による摩擦制動トルクを制御するのにあたり、ソレノイドアウトバルブを開弁してホイールシリンダ液圧を0に制限する例を示した。しかしながら、ソレノイドアウトバルブを開弁するものであれば、ホイールシリンダ液圧は0よりも大きな液圧に制御するようにしてもよい。
また、実施の形態では、交互開弁処理時に、第1開弁処理と第2開弁処理との切り換え時に、両処理を重ならせるラップ処理を行う例を示したが、このラップ処理を実施しなくてもよい。すなわち、ラップ処理を実行しない場合でも、所期の目的であるソレノイドアウトバルブの開放時間の延長を図ることが可能である。
また、実施の形態では、終了時間設定部は、上限時間を、制動操作量(ストローク量)と車両前後加速度との両方に基づいて設定する例を示したが、制動操作量(ストローク量)と車両前後加速度との少なくとも一方に基づいて設定することは可能である。
また、実施の形態では、交互開弁処理の実行判定として、「ゆっくり踏み」を判定するのにあたり、制動操作速度であるストローク速度がゆっくり踏み判定閾値未満であるか否かにより判定するものを示したが、これに限定されない。要は、目標制動トルクが最大回生制動トルクに満たない制動操作を検出することができればよく、例えば、車両前後加速度が判定値未満であるか否かにより判定してもよいし、あるいは、目標制動トルクやその変化量が判定値未満であるか否かにより判定するようにしてもよい。
また、交互開弁処理における開弁時間は、実施の形態1では、(1)式のように設定したが、これに限定されない。例えば、下記(3)式としてもよい。
T11=T21>T12=T22・・>T1n=T2n ・・・(3)
あるいは、開弁時間は、一定としても、所期の効果は得ることはできる。
2 VDCブレーキ液圧制御ユニット
4FL 左前輪ホイールシリンダ
4FR 右前輪ホイールシリンダ
4RL 左後輪ホイールシリンダ
4RR 右後輪ホイールシリンダ
13 マスタシリンダ
28b,28c ソレノイドアウトバルブ(第1のソレノイドバルブ)
28a,28d ソレノイドアウトバルブ(第2のソレノイドバルブ)
50 回生制動装置
61 プライマリ液圧管
62 セカンダリ液圧管
63 左前輪液圧管(第1配管系統)
64 右前輪液圧管(第1配管系統)
65 左後輪液圧管(第2配管系統)
66 右後輪液圧管(第2配管系統)
100 統合コントローラ(制動トルク制御部:アウトバルブ制御部)
101 ブレーキコントローラ(制動トルク制御部:アウトバルブ制御部)
103 モータコントローラ(制動トルク制御部)
FLW 左前輪(駆動輪)
FRW 右前輪(駆動輪)
PM/CYL マスタシリンダ液圧
Claims (4)
- 車両の駆動輪に加える回生制動トルクを制御する回生制動装置と、
前記車両におけるドライバの制動操作に伴って形成されたマスタシリンダ液圧をホイールシリンダへ第1配管系統および第2配管系統の2系統で供給して摩擦制動トルクを発生させる液圧制動装置と、
各配管系統に設けられ、開弁作動時に前記マスタシリンダから前記ホイールシリンダへ供給されるブレーキ液をリザーバへ抜いて前記ホイールシリンダにて発生する前記摩擦制動トルクの上昇を制限可能なソレノイドアウトバルブを備えたブレーキ液圧制御ユニットと、
前記制動操作時に、前記回生制動装置により前記回生制動トルクを発生させる一方で、前記ブレーキ液圧制御ユニットの少なくとも前記ソレノイドアウトバルブの開閉を制御して前記摩擦制動トルクを制御する回生協調制動制御を行う制動トルク制御部と、
前記制動トルク制御部に含まれ、前記回生協調制動制御において前記ソレノイドアウトバルブを開弁させる際に、前記マスタシリンダからのブレーキ液を前記第1配管系統に設けられた第1のソレノイドアウトバルブを開弁させて前記リザーバへ排出する第1開弁処理と、前記マスタシリンダからのブレーキ液を前記第2配管系統に設けられた第2のソレノイドアウトバルブを開いて前記リザーバへ排出する第2開弁処理と、を交互に繰り返す交互開弁処理を行うアウトバルブ制御部と、
を備えていることを特徴とする制動制御装置。 - 請求項1に記載の制動制御装置において、
前記アウトバルブ制御部は、前記交互開弁処理における前記第1開弁処理と前記第2開弁処理との切り換え時に、前記第1・第2両開弁処理を重ならせて両ソレノイドアウトバルブが同時に開弁するラップ時間帯を形成するラップ処理を行うことを特徴とする制動制御装置。 - 請求項1または請求項2に記載の制動制御装置において、
前記アウトバルブ制御部は、前記各開弁処理の実行時間を積算する積算部と、この積算部が積算した時間が、前記制動操作量と車両前後加速度との少なくとも一方に基づいて前記ソレノイドアウトバルブの発熱量を設定範囲に抑えるよう設定された上限時間に達する前に前記交互開弁処理を終了する終了時間設定部と、を備えていることを特徴とする制動制御装置。 - 請求項1〜請求項3のいずれか1項に記載の制動制御装置において、
前記アウトバルブ制御部は、前記制動操作速度が設定値以下の場合に、前記交互開弁処理を実行する実行判定部を備えていることを特徴とする制動制御装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2012271245A JP6036251B2 (ja) | 2012-12-12 | 2012-12-12 | 制動制御装置 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2012271245A JP6036251B2 (ja) | 2012-12-12 | 2012-12-12 | 制動制御装置 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2014113972A true JP2014113972A (ja) | 2014-06-26 |
JP6036251B2 JP6036251B2 (ja) | 2016-11-30 |
Family
ID=51170452
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2012271245A Active JP6036251B2 (ja) | 2012-12-12 | 2012-12-12 | 制動制御装置 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP6036251B2 (ja) |
Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
CN106427597A (zh) * | 2016-10-25 | 2017-02-22 | 北京新能源汽车股份有限公司 | 一种制动系统的控制方法及控制装置 |
JP2020100317A (ja) * | 2018-12-24 | 2020-07-02 | ロベルト・ボッシュ・ゲゼルシャフト・ミト・ベシュレンクテル・ハフツングRobert Bosch Gmbh | 車両用ブレーキ装置及び車両用ブレーキ装置の制御方法 |
WO2020226443A1 (ko) * | 2019-05-07 | 2020-11-12 | 주식회사 만도 | 브레이크 장치 및 그 제어 방법 |
Citations (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPH11245784A (ja) * | 1998-03-03 | 1999-09-14 | Toyota Motor Corp | 液圧制御装置 |
JP2000247216A (ja) * | 1999-02-24 | 2000-09-12 | Fuji Heavy Ind Ltd | 車両の自動ブレーキ制御装置 |
JP2008049897A (ja) * | 2006-08-25 | 2008-03-06 | Toyota Motor Corp | ブレーキ制御装置 |
JP2009234490A (ja) * | 2008-03-27 | 2009-10-15 | Toyota Motor Corp | ブレーキ制御装置およびブレーキ制御方法 |
-
2012
- 2012-12-12 JP JP2012271245A patent/JP6036251B2/ja active Active
Patent Citations (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPH11245784A (ja) * | 1998-03-03 | 1999-09-14 | Toyota Motor Corp | 液圧制御装置 |
JP2000247216A (ja) * | 1999-02-24 | 2000-09-12 | Fuji Heavy Ind Ltd | 車両の自動ブレーキ制御装置 |
JP2008049897A (ja) * | 2006-08-25 | 2008-03-06 | Toyota Motor Corp | ブレーキ制御装置 |
JP2009234490A (ja) * | 2008-03-27 | 2009-10-15 | Toyota Motor Corp | ブレーキ制御装置およびブレーキ制御方法 |
Cited By (7)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
CN106427597A (zh) * | 2016-10-25 | 2017-02-22 | 北京新能源汽车股份有限公司 | 一种制动系统的控制方法及控制装置 |
JP2020100317A (ja) * | 2018-12-24 | 2020-07-02 | ロベルト・ボッシュ・ゲゼルシャフト・ミト・ベシュレンクテル・ハフツングRobert Bosch Gmbh | 車両用ブレーキ装置及び車両用ブレーキ装置の制御方法 |
JP7313141B2 (ja) | 2018-12-24 | 2023-07-24 | ロベルト・ボッシュ・ゲゼルシャフト・ミト・ベシュレンクテル・ハフツング | 車両用ブレーキ装置及び車両用ブレーキ装置の制御方法 |
WO2020226443A1 (ko) * | 2019-05-07 | 2020-11-12 | 주식회사 만도 | 브레이크 장치 및 그 제어 방법 |
KR20210149862A (ko) * | 2019-05-07 | 2021-12-09 | 주식회사 만도 | 브레이크 장치 및 그 제어 방법 |
KR102623777B1 (ko) * | 2019-05-07 | 2024-01-11 | 에이치엘만도 주식회사 | 브레이크 장치 및 그 제어 방법 |
US12090892B2 (en) | 2019-05-07 | 2024-09-17 | Hl Mando Corporation | Brake apparatus and method for controlling same |
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JP6036251B2 (ja) | 2016-11-30 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
JP6056340B2 (ja) | 制動制御装置 | |
JP5970953B2 (ja) | 車両用ブレーキ制御装置、車両用ブレーキ制御方法 | |
JP5270654B2 (ja) | ブレーキ制御装置 | |
JP5229290B2 (ja) | 車両用ブレーキ装置 | |
US20120319465A1 (en) | Brake Control Apparatus | |
JP2006311791A (ja) | 車両用ブレーキ制御装置 | |
US20060125317A1 (en) | Vehicle-brake control unit | |
CN103201146B (zh) | 用于电力驱动车辆的制动控制装置 | |
JP2014061835A (ja) | ブレーキ制御装置 | |
JP2013006529A (ja) | 車両用ブレーキ装置 | |
JP5978943B2 (ja) | 制動制御装置 | |
JP6237139B2 (ja) | 車両用制動制御装置 | |
JP6036251B2 (ja) | 制動制御装置 | |
JP5853573B2 (ja) | 制動力制御装置 | |
JP2013177024A (ja) | 電動車両のブレーキ制御装置 | |
JP5125944B2 (ja) | ブレーキ制御装置 | |
JP5853682B2 (ja) | 車両のブレーキ制御装置 | |
JP5366867B2 (ja) | 車両のブレーキシステム | |
JP5871135B2 (ja) | 車両のブレーキ制御装置 | |
KR20110125114A (ko) | 유압 제동시스템 | |
CN111065559B (zh) | 车辆用制动装置 | |
JP5683305B2 (ja) | ブレーキ制御装置 | |
JP5879974B2 (ja) | 車両のブレーキ制御装置 | |
JP5765180B2 (ja) | ブレーキ制御装置 | |
JP5799741B2 (ja) | ブレーキ制御装置 |
Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A621 | Written request for application examination |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621 Effective date: 20151029 |
|
A977 | Report on retrieval |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007 Effective date: 20160624 |
|
A131 | Notification of reasons for refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131 Effective date: 20160705 |
|
A521 | Written amendment |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523 Effective date: 20160728 |
|
RD02 | Notification of acceptance of power of attorney |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A7422 Effective date: 20160728 |
|
TRDD | Decision of grant or rejection written | ||
A01 | Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01 Effective date: 20161004 |
|
A61 | First payment of annual fees (during grant procedure) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61 Effective date: 20161017 |
|
R151 | Written notification of patent or utility model registration |
Ref document number: 6036251 Country of ref document: JP Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R151 |