JP2014112471A - 電子顕微鏡 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】試料台に固定された試料に荷電粒子線を照射し、前記試料から放出される荷電粒子線を検出して試料像を取得する電子顕微鏡であって、前記試料台を取り囲む第一のカバーと、前記第一のカバー及び前記試料台を覆う第二のカバーから構成され、前記第二のカバーは、前記第一のカバーを間隙を介して覆うことを特徴とする電子顕微鏡。
【選択図】 図1
Description
一方で、画像分解能の向上に伴い、設置した環境音によって発生する画像の揺れが顕著になってきている。その対策の一つとして、装置全体を覆うような防音カバーが設置された製品もある。
しかし、この防音カバーは、装置内の内部温度上昇を防ぐため、下部に排熱のための隙間を設けている。そのため、防音カバー外で発生した環境音がこの隙間を侵入してしまう。
また、防音カバー自体も環境音を透過してしまい、環境音が防音カバー内に伝わってしまう。これらの音が、試料室内での試料移動のために取り付けられている試料ホルダに照射して振動し、さらに試料ホルダに固定されたステージに振動が伝播し、ステージ上の試料が振動してしまい、画像分解能低下の原因となる。
そこで、音の伝播経路を遮断する方法として、試料ホルダ全体を覆うような構造(以降、ステージカバーと称する)が考えられ、実際に試料室壁に取り付けられている製品もある。例として、特許文献1を示す。
電子顕微鏡装置の外側には環境音を遮蔽する目的で、防音カバー10が備え付けられている。この防音カバー10は試料を装置内に取り付ける際、外から試料を入れられるように、防音カバーの前扉部分101が開閉可能になっている。なお、この防音カバー10の下部には隙間が設けられている。これは電子顕微鏡装置から発生する熱の排出と設置床の凹凸や床面に設置された配管を避けることを目的にしており、隙間の調節は防音カバー10をz方向に移動することで可能である。
電子顕微鏡装置は電子銃を搭載したカラム20、電子ビームを調節する収束器21、試料を格納する試料室22、外から試料室内の試料を移動するための試料ホルダ23、試料室を支持する荷重板24と架台25、床下から伝わる振動を低減する防振材26、試料室内を超高真空に保つイオンポンプ27やターボ分子ポンプ28などから構成されている。カラム20内にある電子銃から放出された電子が、試料ホルダ23に固定されたステージ231の先端に設置された試料に照射される。そして照射された電子が散乱または透過して電子検出器29で検出される。収束器21での電磁場の与え方を変化させると電子銃から射出される電子の軌道が僅かに歪むため、電子の照射される位置が変化し、それに伴って電子検出器29で検出される電子の強度が変化する。このようにして電子の強度を対応する座標に対する濃淡として画像化することで試料の微細構造の拡大像を得ることができる。
本構造にすると、防音カバー101と一体となるステージカバー外側300が音響振動しても、試料室壁221およびステージカバー内側301とは非接触のため、振動は試料ホルダ23やステージ231そして試料には伝播しない。
また、ステージカバー30を入れ子構造にすることにより、環境音源から試料ホルダ23までの伝播距離を長くすることができる。これにより、防音カバー10の下部にある隙間から侵入した音は減衰し、試料ホルダ23に照射する音響振動を低減することが可能になる。
さらに、試料室壁221と一体となり、防音カバー前扉101およびステージカバー外側300と隙間を設けて配置しているステージカバー内側301により、試料ホルダ23自体の曝露面積が減少する。このことにより、試料取り換え時といった、防音カバー前扉101開口時にも試料ホルダ部23の温度変化を抑えることができ、温度変化による試料ホルダ23の熱膨張によって発生する画像の移動、いわゆるドリフトを抑えることができる。
図7は、図6に示されるCから見た概略図である。ステージカバー30のうち、ステージカバー外側300の下部および側面の一部が接続台32を介して荷重板24に取り付けられる。ステージカバー外側300の上部およびx方向の側面は蓋になっており、試料を取り出す際に取り外しが可能である。
本構造にすると、ステージカバー30のうち、荷重板24と一体となるステージカバー外側300に環境音および床からの振動が伝播しても、試料室壁221およびステージカバー内側301とは非接触のため、振動は試料ホルダ23や試料には伝播しない。
また、ステージカバー30を入れ子構造にすることにより、環境音源から試料ホルダ23までの伝播距離を長くすることができる。このため防音カバー10の下部にある隙間から侵入した音は減衰し、試料ホルダ23に照射する音響振動を低減することが可能になる。
さらに、試料室壁221と一体となり、防音カバー前扉101およびステージカバー外側300と隙間を設けて配置しているステージカバー内側301により、試料ホルダ23自体の曝露面積が減少する。このことにより、試料取り換え時などの防音カバー前扉101開口時にも試料ホルダ23部の温度変化を抑えることができ、温度変化による試料ホルダ23の熱膨張によって発生する像の移動、いわゆるドリフトを抑えることができる。
なお、ステージカバー外側300と荷重板24との接続台32はz方向に微調整が可能なように、駆動機構を組み込んでもよい。微調整が可能になると、試料室壁221およびステージカバー内側301と非接触に設置することがより容易にできる。
防音カバー10やステージカバー30を透過する音を低減するために、防音カバー前扉101と一体となるステージカバー外側300の面あるいは試料室壁221と一体となり、防音カバー前扉101と隙間を設けて配置したステージカバー内側301の面あるいは両面に吸音材33を貼り付けてもよい。吸音材33により、音を熱エネルギーに変換し、試料ホルダ23に照射される音を低減することができる。また、吸音材33は断熱効果も期待できる断熱吸音材を用いてもよい。断熱吸音材により試料ホルダ23の温度変化を抑えることができ、温度変化による試料ホルダ23の熱膨張によって発生する像の移動、いわゆるドリフトを抑えることができる。
入れ子構造のステージカバー30同士の隙間を侵入する音のエネルギー損失を増加させるために、隙間をラビリンス構造34にしてもよい。防音カバー10の下部にある隙間から侵入した音は減衰し、試料ホルダ23に照射する音響振動を低減することができる。なお、実施例3〜4で示したステージカバー30内構造は図6のようにステージカバー外側300が接続台32を介して荷重板24に取り付けられる場合でも良い。また、実施例3〜4の形態では、それぞれ別に説明したが、これに限定したものではない。例えば、ステージカバーに対して吸音材33およびラビリンス構造34を有しても良い。
また、別の効果として、ステージカバーのうち、試料室壁と一体としている内側は、試料ホルダ自体の曝露面積が、ステージカバーの無い状態よりも減少するため、防音カバー開口時には試料ホルダ部分の温度変化を抑えられる。このため、試料ホルダの熱膨張によって発生する画像の移動、いわゆるドリフトも抑えることができる。
10 防音カバー
101 防音カバー前扉
20 カラム
21 収束器
22 試料室
221 試料室壁
23 試料ホルダ
231 ステージ
232 マイクロメータヘッド
24 荷重板
25 架台
26 防振材
27 イオンポンプ
28 ターボ分子ポンプ
29 電子検出器
30 ステージカバー
300 ステージカバー外側
301 ステージカバー内側
311 ステージカバー取り付けレール(y方向)
312 ステージカバー取り付けレール(z方向)
32 ステージカバー外側と荷重板との接続台
33 吸音材
34 ラビリンス構造
Claims (8)
- 試料台に固定された試料に荷電粒子線を照射し、前記試料から放出される荷電粒子線を検出して試料像を取得する電子顕微鏡であって、
前記試料台を取り囲む第一のカバーと、前記第一のカバー及び前記試料台を覆う第二のカバーから構成され、前記第二のカバーは、前記第一のカバーを間隙を介して覆うことを特徴とする電子顕微鏡。 - 請求項1の電子顕微鏡において、
前記電子顕微鏡は防音カバーを備え、前記第二のカバーは前記防音カバーに備えられたことを特徴とする電子顕微鏡。 - 請求項2の電子顕微鏡において、
前記電子顕微鏡は防音カバーを備え、前記第二のカバーは前記防音カバーにレールを介して備えられ、前記第二のカバーは前記レール上で位置の移動が可能であることを特徴とする電子顕微鏡。 - 請求項1の電子顕微鏡において、前記電子顕微鏡は荷重板を備え、前記第二のカバーは前記荷重板に備えられたことを特徴とする電子顕微鏡。
- 請求項1の電子顕微鏡において、
前記第一のカバーの外側及び/又は前記第二のカバーの内側に吸音材を備えることを特徴とする電子顕微鏡。 - 請求項1の電子顕微鏡において、
前記第一のカバーの外側及び/又は前記第二のカバーの内側にラビリンス構造を備えることを特徴とする電子顕微鏡。 - 試料台に固定された試料に荷電粒子線を照射し、前記試料から放出される荷電粒子線を検出して試料像を取得する電子顕微鏡であって、
試料台を覆うカバーは、第一のカバーと第二のカバーが入れ子になっており、当該カバーが前記試料台を覆うことを特徴とする電子顕微鏡。 - 荷電粒子線装置の試料台を覆う試料台のカバーであって、
前記カバーは、第一のカバーと第二のカバーから構成され、
前記第一のカバーと前記第二のカバーが入れ子になっており、
前記カバーが前記試料台を覆うことを特徴とするカバー。
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JP2015222656A (ja) * | 2014-05-23 | 2015-12-10 | 株式会社日立ハイテクノロジーズ | 電子顕微鏡 |
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