JP7336594B2 - 荷電粒子線装置 - Google Patents

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Description

本発明は、荷電粒子線装置に関し、より詳細には、イオンポンプを備える荷電粒子線装置に関する。
走査型電子顕微鏡、透過型電子顕微鏡、及び半導体検査装置などの荷電粒子線装置は、鏡筒の上部に配置された荷電粒子線源で発生させた荷電粒子線を、試料室の内部に配置された試料に照射し、この照射によって得られる荷電粒子などを検出して、試料の形状や組成に関する情報などを可視化する装置である。荷電粒子線装置は、マイクロメートル、ナノメートル、またはサブナノメートル領域の高い分解能で試料の形状や組成に関する情報などを得ることができるため、現在では、例えば半導体デバイスの製造現場などにおいて広く利用されている。
荷電粒子線装置の鏡筒の内部には、荷電粒子線の試料への照射や結像などのために電子レンズが備えられている。最近では、荷電粒子線装置の高分解能化や高スループット化などの要求に応えるために、電子レンズが多段化したり複雑化したりし、これに伴って鏡筒が長大化してきた。
荷電粒子線装置では、荷電粒子線源の近傍、すなわち鏡筒の上部にイオンポンプが接続され、イオンポンプによって超高真空を維持することで、荷電粒子線源の汚染を防いでいる。イオンポンプは、鏡筒の上部に片持ち支持で接続されていること、すなわち一端だけが鏡筒に接続されて支持されていることが多い。このため、試料を移動させるステージを駆動した際に発生する反力が試料室に作用すると、鏡筒を介して、イオンポンプの固有振動が励起される。
イオンポンプは、磁石を含む部品で構成されている。このため、荷電粒子線装置では、イオンポンプの固有振動に伴う磁場変動によって荷電粒子線が揺らされ、観察画質が悪化する。観察に影響を及ぼす程度に観察画質が悪化している間は、観察を中断する必要があり、スループットが低下する。スループットの向上のためには、ステージ駆動直後のイオンポンプの固有振動を速やかに減衰させる必要がある。
特許文献1には、イオンポンプの固有振動を減衰させることができる荷電粒子線装置の例が記載されている。特許文献1に記載の荷電粒子線装置では、試料室に固定されたフレームと鏡筒に接続されたイオンポンプとの間に粘弾性体シートを備える振動吸収体が設けられ、イオンポンプの固有振動を短時間で減衰させる。
特許文献2には、一端が試料室に固定され、他端が鏡筒に固定された制振部材を備え、制振部材が粘弾性シートを備えて、鏡筒の傾きと上下方向の振動を抑制する荷電粒子線装置が記載されている。
特許文献3には、複数の鏡筒を備えており、一端が1つの鏡筒に取り付けられ、他端が別の鏡筒に取り付けられた接続部材を備え、接続部材が粘弾性シートを備えて、複数の鏡筒の振動を抑制する荷電粒子線装置が記載されている。
特開2011-003414号公報 国際公開第2011/043391号 特開2017-152276号公報
特許文献1に記載の発明では、荷電粒子線装置において、イオンポンプの固有振動を減衰させるために、振動吸収体とフレームとを用いてイオンポンプを試料室から支持する。荷電粒子線装置では、前述したように、電子レンズの多段化と複雑化のために鏡筒が長大化してきた。鏡筒が長大化すると、イオンポンプと試料室との間隔が大きくなり、特許文献1に開示されているようにイオンポンプを試料室から支持すると、支持体であるフレームが大型化する。支持体が大型化すると、荷電粒子線装置全体の重量が増すとともに製造コストが増大し、好ましくない。
特許文献2と特許文献3に開示されているように、粘弾性体を備える部材で鏡筒を支持すると、鏡筒の振動を減衰させることはできても、鏡筒に接続されたイオンポンプの固有振動を減衰させることができない。
本発明は、鏡筒の長さに依存せず、鏡筒に接続されたイオンポンプの固有振動を減衰させることができる荷電粒子線装置を提供することを目的とする。
本発明による荷電粒子線装置は、荷電粒子線を試料に照射するための鏡筒と、前記鏡筒に接続され、前記鏡筒の内部を排気するイオンポンプと、一端が前記イオンポンプに接続され、他端が前記鏡筒に接続された支持部材とを備える。前記支持部材は、前記鏡筒の中心軸に対して略平行に配置された粘弾性体を備える。
本発明によると、鏡筒の長さに依存せず、鏡筒に接続されたイオンポンプの固有振動を減衰させることができる荷電粒子線装置を提供することができる。
従来の荷電粒子線装置の全体構成を示す概略図。 イオンポンプの固有振動のモードの向きを説明する図。 図2Aに示した鏡筒、フランジ、配管、及びイオンポンプの上面図。 図2Aに示した鏡筒、フランジ、配管、及びイオンポンプの右側面図。 図2Aに示した鏡筒、フランジ、配管、及びイオンポンプの正面図。 本発明の実施例1による荷電粒子線装置の全体構成を示す概略図。 積層構造体の構成の一例を示す図。 積層構造体を備える支持部材の分解図。 積層構造体を備える支持部材が接続された鏡筒とイオンポンプを示す図。 本発明の実施例2による荷電粒子線装置の全体構成を示す概略図。 本発明の実施例2による荷電粒子線装置において、支持部材が1つの粘弾性体を備える構成を示す概略図。 本発明の実施例2による荷電粒子線装置において、第一の鏡筒側支持体が鏡筒の複数の箇所に接続する構成を示す斜視図。 本発明の実施例2による荷電粒子線装置において、第一の鏡筒側支持体が鏡筒の複数の箇所に接続する構成を示す断面図。 本発明の実施例3による荷電粒子線装置において、支持部材と鏡筒を示す斜視図。 2つのイオンポンプがz方向に並んで鏡筒に接続され連結材で互いに接続された構成における、イオンポンプの固有振動を説明する図。 図10Aに示した鏡筒、フランジ、配管、第一イオンポンプ、第二イオンポンプ、及び連結材の上面図。 図10Aに示した鏡筒、フランジ、配管、第一イオンポンプ、第二イオンポンプ、及び連結材の右側面図。 図10Aに示した鏡筒、フランジ、配管、第一イオンポンプ、第二イオンポンプ、及び連結材の正面図。 本発明の実施例4による荷電粒子線装置において、鏡筒、第一イオンポンプ、及び第二イオンポンプを示す斜視図。 図11に示した荷電粒子線装置において、粘弾性体118Dを備えない構成を示す図。 図11に示した荷電粒子線装置において、粘弾性体118Aを備えない構成を示す図。 本発明の実施例4による荷電粒子線装置において、第二の支持部材が鏡筒に直接、接続する構成を示す斜視図。 本発明の実施例4による荷電粒子線装置において、第二の支持部材が鏡筒に直接、接続する構成を示す断面図。
本発明による荷電粒子線装置は、荷電粒子線を試料に照射するための鏡筒と、鏡筒に接続されたイオンポンプと、イオンポンプに接続された支持部材を備える。支持部材は、イオンポンプと鏡筒に接続されており、鏡筒の中心軸に対して略平行に配置された粘弾性体を備える。本発明による荷電粒子線装置は、イオンポンプを試料室から支持する必要がないため、鏡筒の長さに依存せず、イオンポンプの固有振動を短時間のうちに減衰させることができる。したがって、本発明による荷電粒子線装置は、イオンポンプの支持部材を大型化することなく、高分解能の観察画像を高速に取得でき、スループットを向上することができる。
初めに、従来の荷電粒子線装置について説明する。なお、荷電粒子線装置において、試料に照射する荷電粒子線は、電子線やイオンビームである。以下では、一例として、電子線を試料に照射する荷電粒子線装置について説明する。
図1は、従来の荷電粒子線装置100の全体構成を示す概略図である。従来の荷電粒子線装置100は、鏡筒101、イオンポンプ104、試料室109、及びステージ110を備える。
鏡筒101は、上部に電子銃105が配置されており、電子銃105から放出された電子線106を電子レンズ107で集束させる。鏡筒101の中心軸を鏡筒中心軸114と呼ぶ。鏡筒中心軸114と平行な方向は、鉛直方向である。
イオンポンプ104は、配管103とフランジ102を介して、鏡筒101の上部に片持ち支持で(すなわち、一端だけで)接続されている。イオンポンプ104は、鏡筒101の上部を超高真空状態に維持する。
試料室109は、ターボ分子ポンプ111とドライポンプ112によって真空に排気されており、内部に観察対象の試料108が配置される。なお、試料室109は、除振マウント113で支持され、床振動から絶縁される。
ステージ110は、試料室109の内部に備えられ、駆動して試料108を移動させる。試料108は、観察時にステージ110に載置される。
電子線106は、電子レンズ107によって、試料108上に電子スポットとして集束する。試料108の観察時には、電子スポットは、走査コイル(図示せず)により、プローブとして試料108上を移動する。このとき発生する信号(電子)は、検出器(図示せず)で電気信号に変換され、電子スポットの座標と組み合わされて、試料108の形状や組成に関する情報などとして可視化される。
以下の説明では、図1において、鏡筒101からみてイオンポンプ104が接続されている方向をx方向と定義し、x方向と直交し、かつ鏡筒中心軸114に直交する方向をy方向と定義し、鏡筒中心軸114と平行な方向(鉛直方向)をz方向と定義する。また、x軸、y軸、及びz軸の周りの回転方向を、それぞれθx、θy、及びθzで表す。さらに、イオンポンプ104を六面体として扱い、配管103が接続されておりフランジ102及び鏡筒101と向かい合う面とは反対側の面を、取付面115と呼ぶ。イオンポンプ104の取付面115は、yz面と平行である。
xy面は、z方向に垂直な面、すなわち、鏡筒中心軸114(鉛直方向)に垂直な面である。yz面は、x方向に垂直な面、すなわち、鏡筒101からみてイオンポンプ104が接続されている方向に垂直な面である。zx面は、y方向に垂直な面、すなわち、x方向とz方向に平行な面である。
図2Aは、イオンポンプ104の固有振動のモードの向きを説明する図である。ステージ110を駆動した際に発生する反力が試料室109に作用すると、この反力が鏡筒101、フランジ102、及び配管103を介してイオンポンプ104に伝わり、イオンポンプ104の固有振動がθx、θy、及びθz方向に励起されることが、実験及び解析から明らかになった。イオンポンプ104の固有振動のθx方向のモードは、イオンポンプ104が、配管103を中心にしてx軸の周りに回転するモードである。θy方向のモードは、イオンポンプ104が、配管103とイオンポンプ104の接続部を中心にしてy軸の周りに回転するモードである。θz方向のモードは、イオンポンプ104が、配管103とイオンポンプ104の接続部を中心にしてz軸の周りに回転するモードである。
図2B、図2C、及び図2Dは、zx面を正面としたときの、図2Aに示した鏡筒101、フランジ102、配管103、及びイオンポンプ104の、それぞれ上面図、右側面図、及び正面図である。図2Bに示すように、θz方向のモードは、xy面(紙面)と平行な成分を持つ。図2Cに示すように、θx方向とθy方向とθz方向のモードは、いずれもyz面(紙面)と平行な成分をもつ。図2Dに示すように、θy方向のモードは、zx面(紙面)と平行な成分を持つ。
イオンポンプ104は、磁石を含む部品で構成されている。このため、イオンポンプ104の振動に伴って発生する磁場変動によって電子線106が揺らされ、観察画質が悪化する。観察に影響を及ぼす程度に観察画質が悪化している間は、観察を中断する必要があり、スループットが低下する。スループットの向上のためには、ステージ110を駆動して試料108を観察位置へと移動させた直後のイオンポンプ104の固有振動を、速やかに(例えば、0.1秒以内に)減衰させる必要がある。
以下、本発明の実施例による荷電粒子線装置を、図面を用いて説明する。なお、本明細書で用いる図面において、同一のまたは対応する構成要素には同一の符号を付け、これらの構成要素については繰り返しの説明を省略する場合がある。
以下の実施例では、一例として、電子線106を試料108に照射する荷電粒子線装置について説明し、荷電粒子線装置として半導体検査装置を例に挙げて説明する。なお、前述したように、荷電粒子線装置において試料108に照射する荷電粒子線は、電子線やイオンビームであり、本発明による荷電粒子線装置は、イオンビームを試料108に照射することもできる。また、以下の実施例で説明する内容は、イオンポンプ104の固有振動を減衰させる構成に限らず、試料108の観察時に鏡筒101に取り付けられた機器(例えば、検出器、対物絞り、サイドエントリステージ、フィードスルー、または非蒸発型ゲッターポンプなど)の振動を減衰させる構成に対しても適用することができる。
本発明の実施例1による荷電粒子線装置を説明する。
図3は、本実施例による荷電粒子線装置1の全体構成を示す概略図である。本実施例による荷電粒子線装置1は、鏡筒101とイオンポンプ104とに支持部材117が接続されている点が、図1に示した従来の荷電粒子線装置100と異なる。以下では、本実施例による荷電粒子線装置1について、従来の荷電粒子線装置100と異なる点を主に説明する。
鏡筒101は、従来の荷電粒子線装置100と同様に、荷電粒子線(電子線106)を試料108に照射するための部材である。鏡筒101の中心軸である鏡筒中心軸114は、鉛直方向(z方向)に平行である。
イオンポンプ104は、一端が配管103とフランジ102を介して鏡筒101の上部に接続され、鏡筒101の内部を排気して超高真空状態に維持する。
支持部材117は、イオンポンプ側支持体119と、鏡筒側支持体120と、粘弾性体118を備え、一端がイオンポンプ104に接続され、他端が鏡筒101に接続されており、イオンポンプ104の振動を減衰させる部材である。イオンポンプ側支持体119は、イオンポンプ104と接続する。鏡筒側支持体120は、鏡筒101と接続する。粘弾性体118は、鏡筒中心軸114に対して略平行に配置されており、イオンポンプ側支持体119と鏡筒側支持体120の間に配置される。図3では、粘弾性体118は、yz面と略平行に配置されている。
イオンポンプ104は、一端が鏡筒101に接続され、他端が支持部材117に接続されている。支持部材117が鏡筒101に接続されているので、イオンポンプ104の他端は、支持部材117を介して鏡筒101に接続されている。
本実施例による荷電粒子線装置1では、イオンポンプ104は、一端が鏡筒101に接続され、他端が粘弾性体118を備える支持部材117を介して鏡筒101に接続されているので、鏡筒101の長さに依存せず、鏡筒101に接続されたイオンポンプ104の固有振動を減衰させることができる。
図2Cを用いて説明したように、θx方向とθy方向とθz方向に励起されるイオンポンプ104の固有振動は、yz面と平行な成分をもつ。本実施例では、図3に示すように、粘弾性体118がyz面と略平行に配置されているので、粘弾性体118は、θx方向とθy方向とθz方向のどの方向に励起されるイオンポンプ104の固有振動に対しても減衰させることができる。
イオンポンプ104の固有振動を十分に減衰させるためには、粘弾性体118には、鏡筒101、イオンポンプ104、イオンポンプ側支持体119、及び鏡筒側支持体120を構成する材料よりも、大きな減衰比を有する材料(例えば、ゴムなどの高分子材料)を用いるのが好ましい。
粘弾性体118の形状は、任意であり、例えばシート状やコイン状とすることができる。イオンポンプ104の振動の減衰を大きくしたいときには、粘弾性体118の厚さを減らしたり、粘弾性体118の面積を増やしたりすればよい。
粘弾性体118は、鏡筒中心軸114に対して、必ずしも平行に配置されていなくてもよい。例えば、粘弾性体118のシート面(イオンポンプ側支持体119または鏡筒側支持体120に接する面)と鏡筒中心軸114との角度(すなわち、粘弾性体118のz方向に対する角度)が30度以下であれば、イオンポンプ104の固有振動を十分に減衰させることができる。
また、粘弾性体118のシート面は、必ずしもyz面と平行でなくてもよい。例えば、粘弾性体118のシート面とyz面との角度が30度以下であれば、イオンポンプ104の固有振動を十分に減衰させることができる。
粘弾性体118の材料として高分子材料を用いると、粘弾性体118は、イオンポンプ104のベーキング時の高温には耐えられない。したがって、ベーキング時には、粘弾性体118をイオンポンプ104から取り外す必要がある。粘弾性体118は、イオンポンプ104から容易に取り外すことができるように、例えば図4に示すような積層構造体121で置き換えることができる。
図4は、積層構造体121の構成の一例を示す図である。積層構造体121は、第一の支持体122と、粘弾性体123と、第二の支持体124を備える。粘弾性体123は、第一の支持体122と第二の支持体124の間に配置される。積層構造体121は、粘弾性体123を挟み込んだ第一の支持体122と第二の支持体124を、接着剤や両面テープなどで固定した構造としてもよい。
第一の支持体122と第二の支持体124の材料には、粘弾性体123の材料(例えば、ゴムなどの高分子材料)よりも、小さな減衰比を有する材料(例えば、金属やセラミックなど)を用いるのが好ましい。第一の支持体122と第二の支持体124の厚さは、粘弾性体123の厚さと同じか、粘弾性体123の厚さより大きいのが望ましい。第一の支持体122と第二の支持体124には、他の部品に取り付けることができるように、ネジ穴(図示せず)を設けてもよい。
図5Aは、積層構造体121を備える支持部材117の分解図である。図5Bは、積層構造体121を備える支持部材117が接続された鏡筒101とイオンポンプ104を示す図である。支持部材117は、イオンポンプ側支持体119と積層構造体121と鏡筒側支持体120を備える。
図5Aに示すように、イオンポンプ104の取付面115と支持部材117のイオンポンプ側支持体119とが接続される。イオンポンプ側支持体119と積層構造体121の第一の支持体122とが接続される。第一の支持体122と第二の支持体124は、粘弾性体123を挟み込んで積層構造体121を構成している。積層構造体121の第二の支持体124と支持部材117の鏡筒側支持体120の一端とが接続される。鏡筒側支持体120の他端と鏡筒101とが接続される。なお、支持部材117をイオンポンプ104と鏡筒101とに接続する工程では、上記に記載した順序で接続しなくてもよい。
上記の接続にボルトやネジなどの固定部材125を用いると、イオンポンプ104のベーキング時に積層構造体121をイオンポンプ104から容易に取り外すことができる。なお、上記の接続には、全てに固定部材125を用いなくてもよく、一部を溶接や接着などの方法で接続してもよい。
イオンポンプ104は、製作時に一部の部品を溶接して組み立てるため、寸法のばらつきが避けられず、イオンポンプ104の取付面115の位置に数ミリメートル程度の取り付け誤差が生じることがある。そこで、イオンポンプ側支持体119の固定部材125が通る穴を、固定部材125の径より大きな径を持つ穴や長円穴とすることで、取付面115でのイオンポンプ側支持体119の位置を移動させ、取付面115に対するイオンポンプ側支持体119の位置を調整することができる。
なお、支持部材117そのものの振動に伴う磁場変動を抑制するために、支持部材117は、一部または全部が非磁性体材料で構成されているのが望ましい。すなわち、支持部材117を構成するイオンポンプ側支持体119と、粘弾性体118と、鏡筒側支持体120と、積層構造体121を構成する第一の支持体122と、粘弾性体123と、第二の支持体124と、接続に用いる固定部材125は、一部または全部が非磁性体材料で構成されているのが望ましい。
本発明の実施例2による荷電粒子線装置1を説明する。
図6は、本実施例による荷電粒子線装置1の全体構成を示す概略図である。本実施例による荷電粒子線装置1は、支持部材117の構成が、図3に示した実施例1による荷電粒子線装置1と異なる。以下では、本実施例による荷電粒子線装置1について、実施例1による荷電粒子線装置1と異なる点を主に説明する。
支持部材117は、イオンポンプ側支持体119と、粘弾性体118Bと、第二の鏡筒側支持体128Bと、粘弾性体118Aと、第一の鏡筒側支持体128Aを備え、イオンポンプ104と鏡筒101とに接続され、イオンポンプ104の振動を減衰させる部材である。
イオンポンプ側支持体119は、イオンポンプ104と接続する。粘弾性体118Bは、yz面と略平行に(すなわち、鏡筒中心軸114に対して略平行に)配置されており、イオンポンプ側支持体119と第二の鏡筒側支持体128Bの間に配置される。第二の鏡筒側支持体128Bは、粘弾性体118Bと粘弾性体118Aとを接続する。粘弾性体118Aは、xy面と略平行に(すなわち、鏡筒中心軸114に対して略直交するように)配置されており、第二の鏡筒側支持体128Bと第一の鏡筒側支持体128Aの間に配置される。第一の鏡筒側支持体128Aは、鏡筒101と接続する。
本実施例による荷電粒子線装置1では、イオンポンプ104は、一端が鏡筒101に接続され、他端が粘弾性体118A、118Bを備える支持部材117を介して鏡筒101に接続されているので、鏡筒101の長さに依存せず、鏡筒101に接続されたイオンポンプ104の固有振動を減衰させることができる。
図2Bを用いて説明したように、イオンポンプ104の固有振動のうちθz方向に励起されるモードは、xy面と平行な成分を持つ。本実施例では、図6に示すように、粘弾性体118Aがxy面と略平行に配置されているので、粘弾性体118Aは、θz方向に励起されるイオンポンプ104の固有振動を減衰させることができる。また、粘弾性体118Bがyz面と略平行に配置されているので、粘弾性体118Bは、実施例1で説明したように、θx方向とθy方向とθz方向のどの方向に励起されるイオンポンプ104の固有振動に対しても減衰させることができる。
本実施例による荷電粒子線装置1では、図6に示すように、支持部材117が粘弾性体118A、118Bを備えるので、θx方向とθy方向とθz方向に励起されるイオンポンプ104の固有振動の全てを減衰させることができ、特にθz方向に励起される固有振動を大きく減衰させることができる。
粘弾性体118A、118Bの形状は、任意であり、例えばシート状やコイン状とすることができる。
粘弾性体118Aは、鏡筒中心軸114に対して、必ずしも直交するように配置されていなくてもよく、粘弾性体118Bは、鏡筒中心軸114に対して、必ずしも平行に配置されていなくてもよい。例えば、粘弾性体118Aのシート面(第一の鏡筒側支持体128Aまたは第二の鏡筒側支持体128Bに接する面)と鏡筒中心軸114との角度(すなわち、粘弾性体118Aのz方向に対する角度)が30度以下であり、粘弾性体118Bのシート面(イオンポンプ側支持体119または第二の鏡筒側支持体128Bに接する面)と鏡筒中心軸114との角度(すなわち、粘弾性体118Bのz方向に対する角度)が30度以下であれば、イオンポンプ104の固有振動を十分に減衰させることができる。
また、粘弾性体118Aのシート面は、必ずしもxy面と平行でなくてもよく、粘弾性体118Bのシート面は、必ずしもyz面と平行でなくてもよい。例えば、粘弾性体118Aのシート面とxy面との角度が30度以下であり、粘弾性体118Bのシート面とyz面との角度が30度以下であれば、イオンポンプ104の固有振動を十分に減衰させることができる。
粘弾性体118A、118Bの一部または全部は、イオンポンプ104から容易に取り外すことができるように、例えば図4に示したような積層構造体121で置き換えることができる。
また、粘弾性体118A、118Bは、1つの粘弾性体で構成することもできる。
図7は、本実施例による荷電粒子線装置1において、支持部材117が1つの粘弾性体118Cを備える構成を示す概略図である。粘弾性体118Cは、図6に示した粘弾性体118A、118Bに置き換わって、支持部材117に設けられる。粘弾性体118Cは、yz面と略平行な面と、xy面と略平行な面を備える。yz面と略平行な面は、イオンポンプ側支持体119と第二の鏡筒側支持体128Bの間に位置し、図6に示した粘弾性体118Bの役割を果たす。xy面と略平行な面は、第二の鏡筒側支持体128Bと第一の鏡筒側支持体128Aの間に位置し、図6に示した粘弾性体118Aの役割を果たす。
また、支持部材117の第一の鏡筒側支持体128Aは、図8Aと図8Bに示すように、鏡筒101の複数の箇所に接続することもできる。
図8Aと図8Bは、本実施例による荷電粒子線装置1において、第一の鏡筒側支持体128Aが鏡筒101の複数の箇所に接続する構成を示す概略図である。図8Aは、支持部材117と鏡筒101を示す斜視図である。図8Bは、支持部材117と鏡筒101を示す断面図である。図8Aと図8Bには、一例として、第一の鏡筒側支持体128Aが鏡筒101の2箇所に接続する構成を示している。
第一の鏡筒側支持体128Aは、少なくとも1つのステー支持部131と、複数のステー130と、複数の鏡筒接続部129を備える。ステー支持部131は、第二の鏡筒側支持体128Bとの間で粘弾性体118Aを挟むとともに、ステー130を支持する部材である。ステー130は、ステー支持部131と鏡筒接続部129を接続する保持部材であり、支持部材117を鏡筒101の複数の箇所に接続する。鏡筒接続部129は、鏡筒101の周方向の複数の箇所に設けられ、ステー130が接続する部材である。
支持部材117の第一の鏡筒側支持体128Aは、複数のステー130により、鏡筒101の複数の箇所に接続されている。
図8Aと図8Bに示すように、支持部材117の第一の鏡筒側支持体128Aが、鏡筒101の周方向の(すなわち、xy面上の)複数の箇所で鏡筒101に接続する構成では、図5Bに示したような支持部材117が1箇所で鏡筒101に接続する構成よりも、鏡筒101に対するイオンポンプ104のxy面上の支持剛性が増大する。このため、イオンポンプ104の固有振動のモードうち、特にθz方向に励起されるモード(図2B)に対して大きな減衰を与えることができる。
本発明の実施例3による荷電粒子線装置1を説明する。
図9は、本実施例による荷電粒子線装置1において、支持部材117と鏡筒101を示す斜視図である。本実施例による荷電粒子線装置1は、支持部材117の構成が、図8Aと図8Bに示した実施例2による荷電粒子線装置1と異なる。図9には、一例として、図8Aと図8Bに示した荷電粒子線装置1と同様に、支持部材117の第一の鏡筒側支持体128Aが、複数の箇所で鏡筒101に接続する荷電粒子線装置1を示している。以下では、本実施例による荷電粒子線装置1について、図8Aと図8Bに示した荷電粒子線装置1と異なる点を主に説明する。
支持部材117は、イオンポンプ側支持体119と、粘弾性体118Bと、第二の鏡筒側支持体128Bと、粘弾性体118Aと、第一の鏡筒側支持体128Aを備え、イオンポンプ104と鏡筒101とに接続され、イオンポンプ104の振動を減衰させる部材である。
イオンポンプ側支持体119は、イオンポンプ104と接続する。粘弾性体118Bは、鏡筒中心軸114に対して略平行で、zx面と略平行(すなわち、鏡筒中心軸114に対して略平行に)に配置されており、イオンポンプ側支持体119と第二の鏡筒側支持体128Bの間に配置される。図9では、粘弾性体118Bは、イオンポンプ104の2つの側面(zx面)にそれぞれ配置されている。第二の鏡筒側支持体128Bは、粘弾性体118Bと粘弾性体118Aとを接続する。図9では、第二の鏡筒側支持体128Bは、イオンポンプ104と粘弾性体118Bを覆うように設置されている。粘弾性体118Aは、xy面と略平行に(すなわち、鏡筒中心軸114に対して略直交するように)配置されており、第二の鏡筒側支持体128Bと第一の鏡筒側支持体128Aの間に配置される。第一の鏡筒側支持体128Aは、ステー支持部131とステー130と鏡筒接続部129を備え、鏡筒101と接続する。
本実施例による荷電粒子線装置1では、イオンポンプ104は、一端が鏡筒101に接続され、他端が粘弾性体118A、118Bを備える支持部材117を介して鏡筒101に接続されているので、鏡筒101の長さに依存せず、鏡筒101に接続されたイオンポンプ104の固有振動を減衰させることができる。
図2Bを用いて説明したように、イオンポンプ104の固有振動のうちθz方向に励起されるモードは、xy面と平行な成分を持つ。図2Dを用いて説明したように、θy方向に励起されるモードは、zx面と平行な成分を持つ。本実施例では、図9に示すように、粘弾性体118Aがxy面と略平行に配置されているので、粘弾性体118Aは、θz方向に励起されるイオンポンプ104の固有振動を減衰させることができる。また、粘弾性体118Bがzx面と略平行に配置されているので、粘弾性体118Bは、θy方向に励起されるイオンポンプ104の固有振動を減衰させることができる。
粘弾性体118A、118Bの形状は、任意であり、例えばシート状やコイン状とすることができる。
粘弾性体118Aは、鏡筒中心軸114に対して、必ずしも直交するように配置されていなくてもよく、粘弾性体118Bは、鏡筒中心軸114に対して、必ずしも平行に配置されていなくてもよい。例えば、粘弾性体118Aのシート面(第一の鏡筒側支持体128Aまたは第二の鏡筒側支持体128Bに接する面)と鏡筒中心軸114との角度(すなわち、粘弾性体118Aのz方向に対する角度)が30度以下であり、粘弾性体118Bのシート面(イオンポンプ側支持体119または第二の鏡筒側支持体128Bに接する面)と鏡筒中心軸114との角度(すなわち、粘弾性体118Bのz方向に対する角度)が30度以下であれば、イオンポンプ104の固有振動を十分に減衰させることができる。
また、粘弾性体118Aのシート面は、必ずしもxy面と平行でなくてもよく、粘弾性体118Bのシート面は、必ずしもzx面と平行でなくてもよい。例えば、粘弾性体118Aのシート面とxy面との角度が30度以下であり、粘弾性体118Bのシート面とzx面との角度が30度以下であれば、イオンポンプ104の固有振動を十分に減衰させることができる。
粘弾性体118A、118Bの一部または全部は、イオンポンプ104から容易に取り外すことができるように、例えば図4に示したような積層構造体121で置き換えることができる。
本実施例(図9)では、支持部材117の粘弾性体118Bは、zx面と略平行に配置されている。実施例2(例えば、図8A、8B)では、粘弾性体118Bは、yz面と略平行に配置されている。すなわち、本実施例では、粘弾性体118Bの向きが実施例2と異なる。本実施例の構成では、イオンポンプ104の側面(zx面)に粘弾性体118Bが配置されているので、イオンポンプ104の、鏡筒101が接続されている面と反対側の面(yz面)の周囲の空間を空けることができる。このため、本実施例の構成では、例えばベーキングヒーターのケーブルなどの配線を、イオンポンプ104の周囲に配置する作業を容易に行うことができる。
本発明の実施例4による荷電粒子線装置1を説明する。
実施例1から実施例3では、荷電粒子線装置1が1台のイオンポンプ104を備えている。本実施例による荷電粒子線装置1は、複数のイオンポンプ104を備える。以下では、一例として、荷電粒子線装置1が2台のイオンポンプ104(すなわち、第一イオンポンプと第二イオンポンプ)を備える構成について説明する。
半導体検査装置などの荷電粒子線装置1では、第一イオンポンプと第二イオンポンプの振動特性は、互いに同じであるか類似していることが多い。第一イオンポンプと第二イオンポンプの固有振動を減衰させるためには、実施例1から実施例3のいずれかで説明した支持部材117で鏡筒101と第一イオンポンプを接続し、さらに、実施例1から実施例3のいずれかで説明した支持部材117で鏡筒101と第二イオンポンプを接続することができる。
以下では、第一イオンポンプと第二イオンポンプの固有振動を減衰させるための、別の構成を説明する。
図10Aは、第一イオンポンプ104Aと第二イオンポンプ104Bがz方向に並んで鏡筒101に接続され、かつ両イオンポンプが連結材133で互いに接続された構成における、イオンポンプの固有振動を説明する図である。第一イオンポンプ104Aと第二イオンポンプ104Bは、振動特性が互いに同じであるか類似しているとする。
第一イオンポンプ104Aと第二イオンポンプ104Bは、連結材133で互いに接続されただけでは、十分な制振効果が得られず、イオンポンプ104A、104Bの固有振動が主にθy方向とθz方向に励起されることが、実験及び解析から明らかになった。
図10B、図10C、及び図10Dは、zx面を正面としたときの、図10Aに示した鏡筒101、フランジ102、配管103、第一イオンポンプ104A、第二イオンポンプ104B、及び連結材133の、それぞれ上面図、右側面図、及び正面図である。図10Bに示すように、イオンポンプ104A、104Bの固有振動のうち、θz方向に励起されるモードは、xy面(紙面)と平行な成分を持つ。図10Cに示すように、θy方向とθz方向に励起されるモードは、いずれもyz面(紙面)と平行な成分をもつ。図10Dに示すように、θy方向に励起されるモードは、zx面(紙面)と平行な成分を持つ。
図11は、本実施例による荷電粒子線装置1において、鏡筒101、第一イオンポンプ104A、及び第二イオンポンプ104Bを示す斜視図である。本実施例による荷電粒子線装置1は、2つのイオンポンプ(第一イオンポンプ104A、及び第二イオンポンプ104B)を備え、第一イオンポンプ104Aと第二イオンポンプ104Bが支持部材117と第二の支持部材157で互いに接続されている点が、図9に示した実施例3による荷電粒子線装置1と異なる。以下では、本実施例による荷電粒子線装置1について、図9に示した荷電粒子線装置1と異なる点を主に説明する。
本実施例による荷電粒子線装置1では、鏡筒101と第一イオンポンプ104Aとが、支持部材117(図9)で接続され、支持部材117と第二イオンポンプ104Bとが第二の支持部材157で接続されている。すなわち、第一イオンポンプ104Aと第二イオンポンプ104Bは、支持部材117と第二の支持部材157で互いに接続されている。
第二の支持部材157は、第二イオンポンプ側支持体136と、粘弾性体118Dと、支持体137を備え、一端が第二イオンポンプ104Bに接続され、他端が支持部材117に接続されており、第一イオンポンプ104Aと及び第二イオンポンプ104Bの振動を減衰させる部材である。
第二イオンポンプ側支持体136は、第二イオンポンプ104Bと接続する。粘弾性体118Dは、zx面と略平行に(すなわち、鏡筒中心軸114に対して略平行に)配置されており、第二イオンポンプ側支持体136と支持体137の間に配置される。支持体137は、支持部材117と接続する。図11では、粘弾性体118Dと支持体137は、第二イオンポンプ104Bの2つの側面(zx面)にそれぞれ配置されている。
本実施例による荷電粒子線装置1では、第一イオンポンプ104Aは、一端が鏡筒101に接続され、他端が粘弾性体118A、118Bを備える支持部材117を介して鏡筒101に接続されている。第二イオンポンプ104Bは、一端が鏡筒101に接続され、他端が粘弾性体118Dを備える第二の支持部材157と支持部材117を介して鏡筒101に接続されている。このため、本実施例による荷電粒子線装置1は、鏡筒101の長さに依存せず、鏡筒101に接続された第一イオンポンプ104Aと第二イオンポンプ104Bの固有振動を減衰させることができる。
図10Bから図10Dを用いて説明したように、イオンポンプ104A、104Bの固有振動のうち、θy方向に励起されるモードは、少なくともzx面と平行な成分を持ち、θz方向に励起されるモードは、少なくともxy面と平行な成分を持つ。本実施例では、図11に示すように、粘弾性体118Aがxy面と略平行に配置されているので、粘弾性体118Aは、θz方向に励起されるイオンポンプ104A、104Bの固有振動を減衰させることができる。また、粘弾性体118B、118Dがzx面と略平行に配置されているので、粘弾性体118B、118Dは、θy方向に励起されるイオンポンプ104A、104Bの固有振動を減衰させることができる。
なお、試料108の観察に影響を与えない程度にイオンポンプ104A、104Bの固有振動を減衰させることができれば、本実施例による荷電粒子線装置1は、粘弾性体118A、118B、118Dのうち一部の粘弾性体を備えなくてもよい。このような構成の荷電粒子線装置1の例を、図12Aと図12Bに示す。
図12Aは、図11に示した荷電粒子線装置1において、粘弾性体118Dを備えない構成を示す図である。
図12Bは、図11に示した荷電粒子線装置1において、粘弾性体118Aを備えない構成を示す図である。
本実施例による荷電粒子線装置1では、第一イオンポンプ104Aと第二イオンポンプ104Bの両方に対して、特にθz方向に励起される固有振動を大きく減衰させるために、第二の支持部材157が直接、鏡筒101に接続することもできる。すなわち、第二の支持部材157は、支持部材117を介さずに直接、鏡筒101に接続してもよい。
図13Aと図13Bは、本実施例による荷電粒子線装置1において、第二の支持部材157が鏡筒101に直接、接続する構成を示す概略図である。図13Aは、支持部材117と第二の支持部材157と鏡筒101を示す斜視図である。図13Bは、支持部材117と第二の支持部材157と鏡筒101を示す断面図である。
図13Aと図13Bに示すように、支持部材117は、鏡筒101と第一イオンポンプ104Aを接続し、第二の支持部材157は、鏡筒101と第二イオンポンプ104Bを接続する。支持部材117と第二の支持部材157は、互いに接続される。
第二の支持部材157は、第二イオンポンプ側支持体136と、zx面と略平行に配置された粘弾性体118Dと、支持体137と、粘弾性体118Eと、ステー支持部139と、ステー138と、鏡筒接続部129を備える。
粘弾性体118Eは、xy面と略平行に(すなわち、鏡筒中心軸114に対して略直交するように)配置されており、支持体137とステー支持部139の間に配置される。
ステー支持部139は、支持体137との間で粘弾性体118Eを挟むとともに、ステー138を支持する部材である。ステー138は、ステー支持部139と鏡筒接続部129を接続する支柱部材であり、第二の支持部材157を複数の箇所で鏡筒101に接続する。鏡筒接続部129は、鏡筒101の周方向の複数の箇所に設けられ、ステー138が接続する部材である。すなわち、第二の支持部材157は、ステー138によって鏡筒101と接続する。
粘弾性体118A、118B、118D、118Eの形状は、任意であり、例えばシート状やコイン状とすることができる。
粘弾性体118Aと粘弾性体118Eは、鏡筒中心軸114に対して、必ずしも直交するように配置されていなくてもよく、粘弾性体118Bと粘弾性体118Dは、鏡筒中心軸114に対して、必ずしも平行に配置されていなくてもよい。例えば、粘弾性体118Aのシート面と鏡筒中心軸114との角度(すなわち、粘弾性体118Aのz方向に対する角度)と、粘弾性体118Eのシート面(支持体137またはステー支持部139に接する面)と鏡筒中心軸114との角度(すなわち、粘弾性体118Eのz方向に対する角度)と、粘弾性体118Bのシート面と鏡筒中心軸114との角度(すなわち、粘弾性体118Bのz方向に対する角度)と、粘弾性体118Dのシート面(第二イオンポンプ側支持体136または支持体137に接する面)と鏡筒中心軸114との角度(すなわち、粘弾性体118Dのz方向に対する角度)が、それぞれ30度以下であれば、イオンポンプ104の固有振動を十分に減衰させることができる。
また、粘弾性体118Aのシート面と粘弾性体118Eのシート面は、必ずしもxy面と平行でなくてもよく、粘弾性体118Bのシート面と粘弾性体118Dのシート面は、必ずしもzx面と平行でなくてもよい。例えば、粘弾性体118Aのシート面とxy面との角度と、粘弾性体118Eのシート面とxy面との角度と、粘弾性体118Bのシート面とzx面との角度と、粘弾性体118Dのシート面とzx面との角度が、それぞれ30度以下であれば、イオンポンプ104A、104Bの固有振動を十分に減衰させることができる。
粘弾性体118A、118B、118D、118Eの一部または全部は、イオンポンプ104A、104Bから容易に取り外すことができるように、例えば図4に示したような積層構造体121で置き換えることができる。
なお、第二の支持部材157そのものの振動に伴う磁場変動を抑制するために、第二の支持部材157は、支持部材117と同様に、一部または全部が非磁性体材料で構成されているのが望ましい。
本実施例では、2台のイオンポンプ104A、104Bを備える荷電粒子線装置1について説明した。3台以上のイオンポンプ104を備える荷電粒子線装置1でも、本実施例で説明した構成を用いたり、本実施例で説明した構成と実施例1から実施例3で説明した構成のいずれかの構成とを組み合わせたりすることで、3台以上のイオンポンプ104の固有振動を減衰させることができる。
なお、本発明は、上記の実施例に限定されるものではなく、様々な変形が可能である。例えば、上記の実施例は、本発明を分かりやすく説明するために詳細に説明したものであり、本発明は、必ずしも説明した全ての構成を備える態様に限定されるものではない。また、ある実施例の構成の一部を他の実施例の構成に置き換えることが可能である。また、ある実施例の構成に他の実施例の構成を加えることも可能である。また、各実施例の構成の一部について、削除したり、他の構成を追加・置換したりすることが可能である。
1…荷電粒子線装置、100…従来の荷電粒子線装置、101…鏡筒、102…フランジ、103…配管、104…イオンポンプ、104A…第一イオンポンプ、104B…第二イオンポンプ、105…電子銃、106…電子線、107…電子レンズ、108…試料、109…試料室、110…ステージ、111…ターボ分子ポンプ、112…ドライポンプ、113…除振マウント、114…鏡筒中心軸、115…取付面、117…支持部材、118、118A、118B、118C、118D、118E…粘弾性体、119…イオンポンプ側支持体、120…鏡筒側支持体、121…積層構造体、122…第一の支持体、123…粘弾性体、124…第二の支持体、125…固定部材、128A…第一の鏡筒側支持体、128B…第二の鏡筒側支持体、129…鏡筒接続部、130…ステー、131…ステー支持部、133…連結材、136…第二イオンポンプ側支持体、137…支持体、138…ステー、139…ステー支持部、157…第二の支持部材。

Claims (13)

  1. 荷電粒子線を試料に照射するための鏡筒と、
    前記鏡筒に接続され、前記鏡筒の内部を排気するイオンポンプと、
    一端が前記イオンポンプに接続され、他端が前記鏡筒に接続された支持部材と、
    を備え、
    前記支持部材は、前記鏡筒の中心軸に対して略平行に配置された粘弾性体を備える、
    ことを特徴とする荷電粒子線装置。
  2. 前記支持部材は、前記鏡筒の中心軸に対して略直交するように配置された粘弾性体をさらに備える、
    請求項1に記載の荷電粒子線装置。
  3. 前記イオンポンプを複数備え、
    前記支持部材は、前記一端が複数の前記イオンポンプの1つに接続されている、
    請求項1に記載の荷電粒子線装置。
  4. 前記支持部材は、前記鏡筒の中心軸に対して略直交するように配置された粘弾性体をさらに備える、
    請求項3に記載の荷電粒子線装置。
  5. 第二の支持部材を備え、
    前記支持部材の前記一端が接続されている前記イオンポンプを第一イオンポンプと呼ぶと、
    前記第二の支持部材は、前記第一イオンポンプ以外の前記イオンポンプの1つと前記支持部材とに接続されており、前記鏡筒の中心軸に対して略平行に配置された粘弾性体を備える、
    請求項3に記載の荷電粒子線装置。
  6. 前記支持部材は、前記鏡筒の中心軸に対して略直交するように配置された粘弾性体をさらに備える、
    請求項5に記載の荷電粒子線装置。
  7. 前記第二の支持部材は、前記鏡筒に接続されている、
    請求項5に記載の荷電粒子線装置。
  8. 前記支持部材は、前記鏡筒の中心軸に対して略直交するように配置された粘弾性体をさらに備える、
    請求項7に記載の荷電粒子線装置。
  9. 前記第二の支持部材は、前記鏡筒の中心軸に対して略直交するように配置された粘弾性体をさらに備える、
    請求項7に記載の荷電粒子線装置。
  10. 前記粘弾性体は、シート状である、
    請求項1に記載の荷電粒子線装置。
  11. 前記支持部材は、前記他端に複数の保持部材を備え、前記保持部材により前記鏡筒の複数の箇所に接続されている、
    請求項1に記載の荷電粒子線装置。
  12. 前記支持部材は、一部または全部が非磁性体材料で構成されている、
    請求項1に記載の荷電粒子線装置。
  13. 前記第二の支持部材は、一部または全部が非磁性体材料で構成されている、
    請求項5に記載の荷電粒子線装置。
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