JP2014111785A - クロムフリー塗料組成物及びこれを塗装して得られる塗膜 - Google Patents

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Abstract

【課題】 プレコート鋼板の端面、傷付き面及び加工部における耐食性に優れた塗膜を与えるクロムフリー塗料組成物、及びこのクロムフリー塗料組成物を塗装して得られる塗膜を提供する。
【解決手段】 塗膜形成樹脂(A)、少なくとも1種類の非晶質MgO−V系化合物からなる防錆顔料(B)、架橋剤(C)を含有するクロムフリー塗料組成物であって、前記防錆顔料(B)の質量含有比率は、前記塗膜形成樹脂(A)と前記架橋剤(C)の樹脂固形分質量の総和に対して10〜80質量%であり、かつ前記防錆顔料(B)の10質量%水溶液の総溶出イオン量が10ppm〜100ppmであることを特徴とするクロムフリー塗料組成物。
【選択図】 なし

Description

本発明は、プレコート鋼板の製造における下塗り塗料としての使用に適した、クロムフリー塗料組成物に関する。
プレコート鋼板は、亜鉛系めっき鋼板に代表される素地鋼板に、前処理として化成処理を施した後で、下塗り塗料を塗装して加熱硬化させ、続いて上塗り塗料を塗装して加熱硬化させる、2コート2ベーク方式により製造されるのが一般的である。
このようにして製造されたプレコート鋼板は、コイル状に巻き取られた状態でユーザーの元に納入される。そして、ユーザーは、用途に応じて必要な量のコイルを巻き戻して切断し、様々な形に加工して使用する。
プレコート鋼板は、塗膜形成後に切断、成型加工されるため、局部的に金属が露出した端面や、加工部のワレ、傷付きが生じることが多く、このような部位は耐食性の低下や塗膜の剥がれが起こりやすい。そこで、塗膜の耐食性及び素地鋼板との付着性を確保するために、従来は、素地鋼板にクロメートを含有する化成処理を施し、さらに、クロム系防錆顔料を含有する下塗り塗料が塗装されていた。
しかし、近年では、毒性の強いクロムの溶出による環境への悪影響が問題視されており、下塗り塗料においては、クロム系防錆顔料を使用しない、クロムフリー塗料組成物が求められている。
このクロムフリー塗料組成物として、防錆顔料にバナジウム化合物を使用したものが知られている(例えば、特許文献1〜4)。
特許文献1には、特定の平均粒子径、吸油量及び細孔面積を有するシリカ微粒子と、バナジン酸マグネシウムを含むマグネシウム塩を含有することを特徴とするクロムフリー塗料組成物が開示されている。
また、特許文献2には、防錆顔料として、五酸化バナジウム、バナジン酸カルシウム及びバナジン酸マグネシウムから選ばれる少なくとも1種のバナジウム化合物と、金属珪酸塩及びリン酸水素金属塩を併用した、クロムフリー塗料組成物が開示されている。
また、特許文献3には、防錆顔料として、モリブデン酸化合物、金属珪酸塩、リン酸系金属塩、五酸化バナジウム、バナジン酸カルシウム及びバナジン酸マグネシウムのうち少なくとも1種のバナジウム化合物を併用した、クロムフリー塗料組成物が開示されている。
しかしながら、特許文献1〜3に記載されているクロムフリー塗料組成物は、クロム系顔料を使用した塗料に比べ、耐食性が劣るものであり、特に端面部における耐食性が不十分である。また、防錆顔料を多量に使用すると耐水性が劣ることが多く、プレコート金属板製造においてクロム系の防錆顔料を代替えするまでには至っていない。また、複数の防錆顔料を添加しなければならず工程が煩雑である。
さらに、特許文献4には、防錆顔料としてバナジン酸カルシウムを含有する防錆塗料組成物において、バナジン酸カルシウムの1質量%水溶液の伝導度やpHを特定の範囲にすることにより、耐食性及び耐湿性が向上された塗膜を形成することができることが開示されている。
しかしながら、特許文献4に記載された防錆塗料組成物は、クロム系顔料を使用した塗料に比べ、塩水噴霧試験のようなウェット率の高い腐食環境における長期耐食性が劣っており、特に加工部及び端面部における耐食性が不十分である。更に55%Al−Zn系溶融めっき鋼板を下地とする塗装金属板に適用した場合、バナジン酸カルシウムのpHによっては腐食初期においても端面部から白錆や赤錆が生じることがあり十分な耐食性が得られず、そのため、プレコート金属板製造においてクロム系の防錆顔料を代替えするまでには至っていない。
特開2001−172570号公報 特開2008−291160号公報 特開2008−291162号公報 特開2011−184624号公報
従って、本発明は、プレコート鋼板の端面、傷付き面及び加工部における耐食性に優れた塗膜を与えるクロムフリー塗料組成物、及びこのクロムフリー塗料組成物を塗装して得られる塗膜を提供することを目的とする。
本発明者らは、上記の課題を解決すべく鋭意研究を重ねた結果、少なくとも1種類の非晶質MgO−V系化合物からなる防錆顔料を含有するクロムフリー塗料組成物によって、上記課題を解決できることを見出した。
すなわち、本発明は、塗膜形成樹脂(A)、少なくとも1種類の非晶質MgO−V系化合物からなる防錆顔料(B)、架橋剤(C)を含有するクロムフリー塗料組成物であって、前記防錆顔料(B)の質量含有比率は、前記塗膜形成樹脂(A)と前記架橋剤(C)の樹脂固形分質量の総和に対して10〜80質量%であり、かつ前記防錆顔料(B)の10質量%水溶液の総溶出イオン量が10ppm〜100ppmであることを特徴とするクロムフリー塗料組成物を提供する。
また、本発明は、上記クロムフリー塗料組成物において、前記防錆顔料(B)の10質量%水溶液のpHが9.0〜11.0であるクロムフリー塗料組成物を提供する。
また、本発明は、上記クロムフリー塗料組成物において、前記防錆顔料(B)が、構成元素としてバナジウムとマグネシウムを含有し、前記バナジウムに対する前記マグネシウムのモル比が1.7〜5.0であるクロムフリー塗料組成物を提供する。
また、本発明は、上記クロムフリー塗料組成物において、前記非晶質MgO−V系化合物の原料であるマグネシウム含有化合物が、酸化マグネシウム、炭酸マグネシウムから選ばれる少なくとも1種のマグネシウム含有化合物であるクロムフリー塗料組成物を提供する。
また、本発明は、上記クロムフリー塗料組成物において、前記非晶質MgO−V系化合物の原料であるバナジウム含有化合物が、五酸化バナジウムであるクロムフリー塗料組成物を提供する。
また、本発明は、上記クロムフリー塗料組成物において、前記塗膜形成樹脂(A)は、数平均分子量が400〜10,000の水酸基含有エポキシ樹脂、数平均分子量が500〜20,000の水酸基含有ポリエステル樹脂から選択される少なくとも1種の塗膜形成樹脂であるクロムフリー塗料組成物を提供する。
また、本発明は、上記クロムフリー塗料組成物において、前記架橋剤(C)は、ブロック化ポリイソシアネート化合物、アミノ樹脂から選択される少なくとも1種の架橋剤であって、前記架橋剤(C)の固形分質量含有比率が、前記塗膜形成樹脂(A)の固形分質量に対して、3〜60質量%であるクロムフリー塗料組成物を提供する。
また、本発明は、上記クロムフリー塗料組成物を塗装して得られた塗膜を提供する。
本発明のクロムフリー塗料組成物により、プレコート鋼板の端面、傷付き面及び加工部における耐食性に優れた塗膜を得ることができる。
本発明のクロムフリー塗料組成物に使用する塗膜形成樹脂(A)は、塗膜形成能を有し、かつ架橋剤(C)と反応し得る官能基を有する樹脂である限り、特に限定されないが、加工性や素地鋼板との付着性の点から、好ましくはエポキシ樹脂及びポリエステル樹脂から選ばれる少なくとも1種の塗膜形成樹脂である。これらの塗膜形成樹脂は、単独で使用することもでき、2種以上組み合わせて使用することもできる。
塗膜形成樹脂(A)としてエポキシ樹脂を使用する場合において、エポキシ樹脂には、ビスフェノールAとエピクロルヒドリンから合成されるビスフェノールA型エポキシ樹脂と、ビスフェノールFとエピクロルヒドリンから合成されるビスフェノールF型エポキシ樹脂とがあるが、耐食性の点から、ビスフェノールA型エポキシ樹脂が好ましい。
塗膜形成樹脂(A)としてエポキシ樹脂を使用する場合において、エポキシ樹脂の数平均分子量は、加工性、耐食性、塗装作業性などの点から、好ましくは400〜10,000であり、より好ましくは400〜9,000、であり、さらに好ましくは400〜8,000である。なお、本発明における数平均分子量の値は、ポリスチレンを標準物質としたゲル・パーミエーション・クロマトグラフィー(GPC)により得られたものである。
また、塗膜形成樹脂(A)としてエポキシ樹脂を使用する場合において、エポキシ樹脂のエポキシ当量は、特に限定されないが、例えば180〜5,000が好ましい。
塗膜形成樹脂(A)としてエポキシ樹脂を使用する場合において、このエポキシ樹脂のエポキシ基又は水酸基の全部又は一部が、変性剤との反応により変性されていてもよい。エポキシ樹脂の変性剤として、例えば、ポリエステル、アルカノールアミン、カプロラクトン、イソシアネート化合物、リン酸化合物、酸無水物などが挙げられる。これらの変性剤は、単独で使用することもでき、2種以上組み合わせて使用することもできる。
塗膜形成樹脂(A)としてポリエステル樹脂を使用する場合において、このポリエステル樹脂は、多価アルコールと多塩基酸との反応を利用した、公知の方法により得ることができる。
多価アルコールとして、グリコール及び3価以上の多価アルコールが挙げられる。グリコールとして、例えば、エチレングリコール、プロピレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、テトラエチレングリコール、ジプロピレングリコール、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、ネオペンチルグリコール、ヘキシレングリコール、1,3−ブタンジオール、1,4−ブタンジオール、1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、2−ブチル−2−エチル−1,3−プロパンジオール、メチルプロパンジオール、シクロヘキサンジメタノール、3,3−ジエチル−1,5−ペンタンジオールなどが挙げられる。また、3価以上の多価アルコールとして、例えば、グリセリン、トリメチロールエタン、トリメチロールプロパン、ペンタエリスリトール、ジペンタエリスリトールなどが挙げられる。これらの多価アルコールは、単独で使用することもでき、2種以上組み合わせて使用することもできる。
多塩基酸として、通常は多価カルボン酸が使用されるが、必要に応じて1価の脂肪酸などを併用することができる。多価カルボン酸として、例えば、フタル酸、テトラヒドロフタル酸、ヘキサヒドロフタル酸、4−メチルヘキサヒドロフタル酸、ビシクロ[2,2,1]ヘプタン−2,3−ジカルボン酸、トリメリット酸、アジピン酸、セバシン酸、コハク酸、アゼライン酸、フマル酸、マレイン酸、イタコン酸、ピロメリット酸、ダイマー酸など、及びこれらの酸無水物、並びに1,4−シクロヘキサンジカルボン酸、イソフタル酸、テトラヒドロイソフタル酸、ヘキサヒドロイソフタル酸、ヘキサヒドロテレフタル酸などが挙げられる。これらの多塩基酸は、単独で使用することもでき、2種以上組み合わせて使用することもできる。
塗膜形成樹脂(A)としてポリエステル樹脂を使用する場合において、ポリエステル樹脂の水酸基価は、耐溶剤性、加工性などの点から、好ましくは5〜200mgKOH/gであり、より好ましくは、7〜150mgKOH/gであり、さらに好ましくは10〜130mgKOH/gである。
塗膜形成樹脂(A)としてポリエステル樹脂を使用する場合において、ポリエステル樹脂の数平均分子量は、耐溶剤性、加工性などの点から、好ましくは500〜20,000であり、より好ましくは、700〜18,000であり、さらに好ましくは800〜1,6000である。
また、塗膜形成樹脂(A)としてポリエステル樹脂を使用する場合において、ポリエステル樹脂の酸価は、特に制限されないが、例えば、0〜10mgKOH/gが好ましい。
本発明のクロムフリー塗料組成物は、少なくとも1種類の非晶質MgO−V系化合物からなる防錆顔料(B)を含有する。
本発明で用いられる非晶質MgO−V系化合物は、公知の製造方法により得ることができるが、例えば、マグネシウム含有化合物とバナジウム含有化合物を、水中で混合して反応させることによって得る製造方法が挙げられる。この場合において、反応生成物は、水洗、脱水、乾燥、粉砕等の処理に供されてもよい。
本発明で用いられる非晶質MgO−V系化合物を製造するための原料であるマグネシウム含有化合物として、マグネシウム酸化物及び各種マグネシウム塩を使用することができる。具体的には、例えば、酸化マグネシウム、炭酸マグネシウム、水酸化マグネシウム、塩化マグネシウム、硝酸マグネシウム、酢酸マグネシウム、硫酸マグネシウムなどが挙げられる。この中でも、特に、酸化マグネシウム、炭酸マグネシウムが好ましい。これらのマグネシウム含有化合物は、単独で使用することもでき、2種以上組み合わせて使用することもできる。
本発明で用いられる非晶質MgO−V系化合物を製造するための原料であるバナジウム含有化合物として、バナジウム酸化物及び各種バナジウム塩を使用することができる。具体的には、例えば、五酸化バナジウム、バナジン酸カリウム、バナジン酸ナトリウム、バナジン酸アンモニウムが挙げられる。この中でも、特に、五酸化バナジウムが好ましい。これらのバナジウム含有化合物は、単独で使用することもでき、2種以上組み合わせて使用することもできる。
これらのマグネシウム含有化合物とバナジウム含有化合物から適切な原料を選ぶことにより、所望の非晶質MgO−V系化合物を得ることができる。そして、本発明のクロムフリー塗料組成物では、このようにして得られた少なくとも1種類の非晶質MgO−V系化合物を防錆顔料(B)として使用する。
本発明の防錆顔料(B)は、構成元素としてバナジウムとマグネシウムを含有し、バナジウムに対するマグネシウムのモル比は、耐食性の点で、好ましくは1.7〜5.0であり、より好ましくは2.0〜5.0であり、さらに好ましくは、2.3〜4.5である。
なお、2種類以上の非晶質MgO−V系化合物を防錆顔料(B)として使用する場合には、各非晶質MgO−V系化合物に構成元素として含まれるバナジウム及びマグネシウムの総量に基づいて、防錆顔料(B)におけるバナジウムに対するマグネシウムのモル比が決定される。
本発明の防錆顔料(B)は、防錆顔料(B)の10質量%水溶液の総溶出イオン量が特定の範囲にあることにより、高い耐食性を長期間維持できる塗膜を得ることができる。
防錆顔料(B)の10質量%水溶液は、イオン交換水90gに対して防錆顔料(B)10gを加えて懸濁液を調製し、この懸濁液を1分間激しく振とうしてから、室温にて24時間静置することで調製される。
本発明における防錆顔料(B)の10質量%水溶液の総溶出イオン量は、上記の方法で調製した防錆顔料(B)の10質量%水溶液の上澄み液を抽出し、ICP発光分析装置(「JY−238 ULTRACE」、(株)堀場製作所製)により測定した値である。
本発明の防錆顔料(B)の10質量%水溶液の総溶出イオン量は、10〜100ppmであり、高い耐食性を長期間維持できる点から、好ましくは15〜90ppmであり、より好ましくは20〜80ppmである。
総溶出イオン量が10ppm未満になると、耐食性が低下する場合があり、100ppmを超えると、耐水性の低下を引き起こし、耐食性が低下する場合がある。
本発明の非晶質MgO−V系化合物からなる防錆顔料(B)の粒度は、特に限定されないが、例えば10〜30μmの範囲が適する。なお、粒度は、レーザー回折/散乱式粒度分布測定装置(商品名「LA−920」、(株)堀場製作所製)によって測定した粒度分布において、50%頻度を示す粒子径(中位径)として得られる。
本発明の防錆顔料(B)は、最適な溶出性と溶解性を示すため、他の防錆顔料を併用しなくても、高い耐食性を長期間維持することができ、さらに、被塗物の塗装面だけでなく、端面部の腐食を効果的に防止することができる。
本発明の防錆顔料(B)は、その10質量%水溶液のpHが特定の範囲にあることにより、より優れた耐食性を有する塗膜を得ることができるようになる。
本発明における防錆顔料(B)の10質量%水溶液のpHは、前述の方法で調製した防錆顔料(B)の10質量%水溶液の上澄み液を抽出し、pHメーター(「HM−20S」、東亜電波工業(株)製)により測定した値である。
本発明の防錆顔料(B)の10質量%水溶液のpHは、耐食性の点から、好ましくは9.0〜11.0であり、より好ましくは9.5〜11.0であり、さらに好ましくは10.0〜11.0である。10質量%水溶液のpHが好適な範囲となる防錆顔料(B)を使用することにより、被塗物が亜鉛またはアルミニウムを含むめっき鋼板である場合においても、pH緩衝作用により、亜鉛のアノード反応が生じるpH領域(pH=6〜8)になりにくくなり、高い耐食性を示す塗膜を得ることができる。
防錆顔料(B)の質量含有比率は、前記塗膜形成樹脂(A)と前記架橋剤(C)の樹脂固形分質量の総和に対して10〜80質量%であり、耐食性の点から、より好ましくは15〜80質量%であり、さらに好ましくは20〜80質量%である。
防錆顔料(B)の質量含有比率が10質量%未満になると、耐食性が不十分となる場合があり、80質量%を超えると、機械特性や素地鋼板との付着性が低下する場合がある。
本発明のクロムフリー塗料組成物は、少なくとも1種類の非晶質MgO−V系化合物からなる防錆顔料(B)を含有することにより、その他の防錆顔料を併用しなくても、防錆顔料(B)のみで優れた耐食性を示すものであるが、必要に応じて、その他のクロムフリー系防錆顔料を併用してもよい。その他のクロムフリー系防錆顔料として、例えば、モリブデン酸塩顔料、リンモリブデン酸塩顔料、カルシウム−シリカ系顔料、リン酸塩系顔料、ケイ酸塩系顔料などが挙げられる。
本発明に用いられる架橋剤(C)は、塗膜形成樹脂(A)と反応して硬化塗膜を形成するものである。架橋剤(C)としては、例えば、アミノ樹脂、ポリイソシアネート化合物、ブロック化ポリイソシアネート化合物などを挙げることができるが、加工性や汎用性の点から、メラミン樹脂、ブロック化ポリイソシアネート化合物が好ましい。これらの架橋剤は、単独で使用することもでき、2種以上組み合わせて使用することもできる。
アミノ樹脂は、アミノ基を含有する化合物にホルムアルデヒドを付加し縮合させた樹脂の総称であり、具体的には、メラミン樹脂、尿素樹脂又はグアナミン樹脂などが挙げられる。この中でも、メラミン樹脂が好ましい。メラミン樹脂としては、例えば、メラミンとホルムアルデヒドとを反応させて得られる部分又は完全メチロール化メラミン樹脂、メチロール化メラミン樹脂のメチロール基をアルコール成分で部分的に又は完全にエーテル化して得られる部分又は完全アルキルエーテル型メラミン樹脂、イミノ基含有型メラミン樹脂、及びこれらの混合型メラミン樹脂が挙げられる。アルキルエーテル型メラミン樹脂としては、例えば、メチル化メラミン樹脂、ブチル化メラミン樹脂、メチル/ブチル混合アルキル型メラミン樹脂などが挙げられる。
ポリイソシアネート化合物としては、例えば、ヘキサメチレンジイソシアネート、トリメチルヘキサメチレンジイソシアネート、ダイマー酸ジイソシアネートなどの脂肪族ジイソシアネート、そして、イソホロンジイソシアネート、キシリレンジイソシアネート(XDI)、メタキシリレンジイソシアネート、水素化XDIなどの環状脂肪族ジイソシアネート、さらに、トリレンジイソシアネート(TDI)、4,4−ジフェニルメタンジイソシアネート(MDI)、水素化TDI、水素化MDIなどの芳香族ジイソシアネート、及びこれらのアダクト体、ビウレット体、イソシアヌレート体などが挙げられる。これらのポリイソシアネート化合物は、単独で使用することもでき、2種以上組み合わせて使用することもできる。
ブロック化ポリイソシアネート化合物としては、ポリイソシアネート化合物のイソシアネート基を、例えば、ブタノールなどのアルコール類、メチルエチルケトオキシムなどのオキシム類、ε−カプロラクタム類などのラクタム類、アセト酢酸ジエステルなどのジケトン類、イミダゾール、2−エチルイミダゾールなどのイミダゾール類、又はm−クレゾールなどのフェノール類などによりブロックしたものが挙げられる。
本発明のクロムフリー塗料組成物において、架橋剤(C)の塗膜形成性樹脂(A)に対する固形分質量含有比率は、耐食性、加工性の点から、好ましくは3〜60質量%であり、より好ましくは5〜50質量%であり、さらに好ましくは10〜40質量%である。
本発明のクロムフリー塗料組成物には、上記の成分に加えて、必要に応じて、塗料分野で通常使用されている公知の各種成分を含有させることができる。具体的には、例えば、レベリング剤、消泡剤などの各種表面調整剤、分散剤、沈降防止剤、紫外線吸収剤、光安定剤などの各種添加剤、着色顔料、体質顔料などの各種顔料、光輝材、硬化触媒、有機溶剤などが挙げられる。
本発明のクロムフリー塗料組成物は、有機溶剤型塗料でも水性塗料でもよいが、有機溶剤型塗料であることが好ましい。有機溶剤としては、例えば、シクロヘキサノンなどのケトン系溶剤、ソルベッソ100(商品名、エクソンモービルケミカル社製)などの芳香族系溶剤、ブタノールなどのアルコール系溶剤などの1種又は2種以上の混合物が挙げられる。
本発明のクロムフリー塗料組成物を塗装する被塗物としては、例えば、溶融亜鉛メッキ鋼板、電気亜鉛メッキ鋼板、合金化亜鉛メッキ鋼板、アルミニウム−亜鉛メッキ鋼板、ニッケル−亜鉛メッキ鋼板、マグネシウム−アルミニウム−亜鉛メッキ鋼板、マグネシウム−アルミニウム−シリカ−亜鉛メッキ鋼板などの各種亜鉛メッキ鋼板、ステンレス鋼板、アルミニウム板などに、クロムフリー系やクロメート系など化成処理剤による処理を施したものが挙げられる。化成処理に際しては、クロムフリー系の化成処理剤を使用するのが好ましい。
プレコート鋼板の製造においては、一般的に、下塗り塗膜上に上塗り塗料が塗装される。上塗り塗料を塗装することで、プレコート鋼板に美観を付与することができ、また、プレコート鋼板に要求される加工性、耐候性、耐薬品性、耐汚染性、耐水性、耐食性などの各種性能を高めることができる。
本発明のクロムフリー塗料組成物の用途は特に限定されないが、プレコート鋼板の製造における下塗り塗料として使用することが好ましい。
本発明のクロムフリー塗料組成物をプレコート鋼板の製造における下塗り塗料として使用する場合の上塗り塗料として、例えば、ポリエステル樹脂系塗料、シリコンポリエステル樹脂系塗料、ポリウレタン樹脂系塗料、アクリル樹脂系塗料、フッ素樹脂系塗料などが挙げられる。
本発明のクロムフリー塗料組成物の塗装方法は、プレコート鋼板の製造において通常用いられている方法、例えば、ロールコーター塗装、カーテンフローコーター塗装などが適用できる。
本発明のクロムフリー塗料組成物の塗装条件は、プレコート鋼板の製造における一般的な塗装条件を適用することができる。
プレコート鋼板の製造における下塗り塗料の塗装膜厚は、例えば1〜30μmであり、下塗り塗膜の加熱硬化条件は、例えば、最高到達板温150〜300℃、硬化時間15〜150秒である。
プレコート鋼板の製造における上塗り塗料の塗装膜厚は、例えば10〜25μmであり、上塗り塗膜の加熱硬化条件は、例えば、最高到達板温190〜250℃、硬化時間20〜180秒である。
なお、プレコート鋼板に対する要求性能に応じて、下塗り塗膜と上塗り塗膜の間には、1層以上の中塗り塗膜が形成されていてもよい。
本発明のクロムフリー塗料組成物は、プレコート鋼板の製造において、素地鋼板の裏面の塗装に上塗り塗料としても使用することができる。素地鋼板の両面に本発明のクロムフリー塗料組成物を塗装した塗膜を形成することによって、クロム系の防錆顔料を含まず、環境衛生面で有利であり、かつ耐食性に優れた塗装金属板を得ることができる。
以下、本発明について、実施例を挙げて更に詳細に説明するが、本発明はこれに限定されるものではない。なお、特に断らない限り、各例中の部、%、比は、それぞれ質量部、質量%、質量比を表す。
<製造例1−1:防錆顔料B1の調整>

酸化マグネシウム470gと、五酸化バナジウム530gを脱イオン水10Lに添加し、60℃に昇温後、同温度で2時間攪拌した。得られた反応生成物を水洗後脱水し、100度にて乾燥した後、粉砕することにより、非晶質MgO−V系化合物1を得た。これを防錆顔料B1とした。
<製造例1−2:防錆顔料B2の調製>
原料の使用量を酸化マグネシウム530g、五酸化バナジウム470gに変更し、製造例1−1と同様の方法で非晶質MgO−V系化合物2を得た。これを防錆顔料B2とした。
<製造例1−3:防錆顔料B3の調製>
原料の使用量を酸化マグネシウム570g、五酸化バナジウム430gに変更し、製造例1−1と同様の方法で非晶質MgO−V系化合物3を得た。これを防錆顔料B3とした。
<製造例1−4:防錆顔料B4の調製>
原料の使用量を酸化マグネシウム640g、五酸化バナジウム360gに変更し、製造例1−1と同様の方法で非晶質MgO−V系化合物4を得た。これを防錆顔料B4とした。
<製造例1−5:防錆顔料B5の調製>
原料の使用量を酸化マグネシウム670g、五酸化バナジウム330gに変更し、製造例1−1と同様の方法で非晶質MgO−V系化合物5を得た。これを防錆顔料B5とした。
<製造例1−6:防錆顔料B6の調製>
原料の使用量を酸化マグネシウム400g、五酸化バナジウム600gに変更し、製造例1−1と同様の方法で非晶質MgO−V系化合物6を得た。これを防錆顔料B6とした。
<製造例1−7:防錆顔料B7の調整>
500gの非晶質MgO−V系化合物5と500gの非晶質MgO−V系化合物6とを、乳鉢を用いて均一に混合することにより、防錆顔料B7を得た。
<製造例1−8:防錆顔料B8の調製>
原料の使用量を酸化マグネシウム730g、五酸化バナジウム270gに変更し、製造例1−1と同様の方法で非晶質MgO−V系化合物8を得た。これを防錆顔料B8とした。
<製造例1−9:防錆顔料B9の調製>
原料の使用量を酸化マグネシウム250g、五酸化バナジウム750gに変更し、製造例1−1と同様の方法で非晶質MgO−V系化合物9を得た。これを防錆顔料B9とした。
<製造例1−10:防錆顔料B10の調製>
原料の使用量を炭酸マグネシウム740g、五酸化バナジウム260gに変更し、製造例1−1と同様の方法で非晶質MgO−V系化合物10を得た。これを防錆顔料B10とした。
<製造例1−11:防錆顔料B11の調製>
600gの非晶質MgO−V系化合物8と400gの非晶質MgO−V系化合物10とを、乳鉢を用いて均一に混合することにより、防錆顔料B11を得た。
なお、上記製造例で得た防錆顔料B1〜11の粒度は、10〜30μmの範囲内であった。
以下の方法により、防錆顔料B1〜11の各々について、防錆顔料の10質量%水溶液を調製し、総溶出イオン量及びpHを測定した。
<防錆顔料の10質量%水溶液の調製>
ポリエチレン製の広口瓶に、防錆顔料を10g及びイオン交換水90gを加えた。蓋をして1分間激しく振とうして得られた懸濁液を、室温で24時間静置し、防錆顔料の10質量%水溶液を得た。
<溶出イオン量及びpHの測定>
上記の方法で得られた防錆顔料の10質量%水溶液の各々について、上澄み液を採取し、レーヨン紙でろ過したろ液を試料として、ICP発光分光分析装置(「JY−238 ULTRACE」、(株)堀場製作所製)で総溶出イオン量を測定した。また、pHメーター(「HM−20S」、東亜電波工業(株)製)でpHを測定した。これらの測定結果を表1にまとめた。
Figure 2014111785
<実施例1:クロムフリー塗料組成物CF1の製造>
撹拌機、冷却管及び温度計を備えたフラスコを用いて、エポキシ樹脂(商品名「jER 1009」、ビスフェノールA型エポキシ樹脂、三菱化学(株)製)80部を、混合溶剤(芳香族系溶剤(商品名「ソルベッソ100」、エクソンモービルケミカル社製)/シクロヘキサノン/n−ブタノール=55/27/18(質量比))120部に加熱溶解させ、塗膜形成樹脂(A)となるエポキシ樹脂溶液を得た。次に、このエポキシ樹脂溶液200部に、シクロヘキサノン30部、芳香族系溶剤(商品名「ソルベッソ150」、エクソンモービルケミカル社製)30部を加え、15部の防錆顔料B1を添加し、サンドグラインドミルで粒度が20〜25μmになるまで分散して、ミルベースを得た。このミルベースに、架橋剤(C)としてブロック化ポリイソシアネート化合物(商品名「デスモジュールBL−3175」、住化バイエルウレタン(株)製)21部、ジブチルスズジラウリレート(DBTDL)0.3部を加えて均一に混合し、クロムフリー塗料組成物CF1を得た。
<実施例2〜34、比較例1〜11:クロムフリー塗料組成物CF2〜45の製造>
表2〜表8に示された配合組成に従って、実施例1と同様の方法で、クロムフリー塗料組成物CF2〜45を得た。
Figure 2014111785
Figure 2014111785
Figure 2014111785
Figure 2014111785
Figure 2014111785
Figure 2014111785
Figure 2014111785
表2〜表8に示される各種配合成分の詳細を以下に示す。
(注1)エポキシ樹脂溶液は、エポキシ樹脂(商品名「jER 1009」、三菱化学(株)製、ビスフェノールA型エポキシ樹脂、樹脂固形分100質量%、エポキシ当量2,500〜3,500、数平均分子量3,800)80部を、混合溶剤(芳香族系溶剤(商品名「ソルベッソ100」、エクソンモービルケミカル社製)/シクロヘキサノン/n−ブタノール=55/27/18(質量比))120部に加熱溶解させて得られる。
(注2)変性エポキシ樹脂(商品名「エピクロン H−304−40」、DIC(株)製、ジエタノールアミン変性エポキシ樹脂、樹脂固形分40質量%、数平均分子量3,500)
(注3)ポリエステル樹脂(商品名「LH−822」、エボニックデグサ社製、樹脂固形分55質量%、数平均分子量5,000、水酸基価50mgKOH/g)
(注4)ブロック化ポリイソシアネート化合物(商品名「デスモジュール BL−3175」、住化バイエルウレタン(株)製、メチルエチルオキシムでブロックされたHDIイソシアヌレート型ポリイソシアネート化合物、樹脂固形分75質量%、NCO約11.1質量%)
(注5)n−ブチル化メラミン樹脂(商品名「ユーバン122」、三井化学(株)製、樹脂固形分60質量%)
(注6)五酸化バナジウム:市販試薬
(注7)酸化マグネシウム:市販試薬
(注8)バナジン酸カルシウム:市販試薬
(注9)二酸化チタン(商品名「R−960」、デュポン社製)
(注10)カオリン(商品名「ハイドライトMS」、IMERYS MINERALS社製)
(注11)沈降性硫酸バリウム(商品名「SS−50」、堺化学工業(株)製)
(注12)微粉末シリカ(商品名「NIPSIL E−200A」、東ソー・シリカ(株)製)
(注13)DBTDL(日東化成(株)製、不揮発分100%)
(注14)芳香族系溶剤(商品名「ソルベッソ150」、エクソンモービルケミカル社製)
以下の方法により、クロムフリー塗料組成物CF1〜45の各々について、本発明のクロムフリー塗料組成物を下塗り塗料として使用した試験片を作成し、塗膜の性能評価を行った。
<試験片の作成>
化成処理が施された板厚0.35mmのアルミニウム/亜鉛合金めっき鋼板(Al55%)上に、本発明のクロムフリー塗料組成物をバーコーターにて乾燥膜厚が5μmになるように塗布し、最高到達板温210℃にて40秒間、熱風乾燥機中で焼き付けて下塗り塗膜を形成した。この下塗り塗膜の上に、ポリエステル樹脂系上塗り塗料(商品名「プレカラーHD0030」、BASFコーティングスジャパン(株)製、ブラウン色)」をバーコーターにて乾燥膜厚が15μmになるように塗布し、最高到達板温が220℃にて40秒間、熱風乾燥機中で焼き付けて上塗り塗膜を形成して試験片を得た。
得られた試験片について、以下の塗膜性能評価を行い、結果を表2〜8に示した。
<素地鋼板との付着性>
試験片の塗膜に、カッターナイフを用いて1mm×1mmの碁盤目を100個形成した。次に、エリクセン試験機を使用し、試験片の押さえ面からポンチの先端までの距離が6mmとなるように、碁盤目が形成された部分の塗膜を、試験片の裏側からポンチで張り出した。最後に、この張り出した塗膜の碁盤目部分にセロハンテープを強く圧着させ、テープの端を45°の角度で一気に引き剥がし、碁盤目の状態を観察して、以下の基準で評価した。
○:塗膜の剥離が認められない。
×:塗膜の剥離が認められる。
<耐沸騰水性>
JIS
K 5600−6−2に準じて、試験片を沸騰水に2時間浸漬し、室温で2時間放冷した後の試験片を、以下の(1)及び(2)の方法で評価した。
(1)塗膜異常
試験片の塗膜の異常を観察して、以下の基準で評価した。
◎:塗膜に全く異常がない。
○:わずかに塗膜のふくれが認められる。
×:明らかに塗膜のふくれが認められる。
(2)素地鋼板との付着性
JIS
K 5600−5−6に準じて、試験片の塗膜に、カッターナイフを用いて1mm×1mmの碁盤目を100個形成し、碁盤目部分にセロハンテープを強く圧着させ、テープの端を45°の角度で一気に引き剥がし、碁盤目の状態を観察して、JIS K 5600−5−6の「表1 試験結果の分類」に沿って評価した。
◎:分類0
○:分類1
×:分類2〜5
<折り曲げ加工性>
試験片と同一の板を間に挟み込むようにして、試験片を180度に折り曲げた。この際、試験片の間に挟み込まれる、試験片と同一の板の枚数により、0T、2Tなどと表記される。例えば、0Tとは、試験片と同一の板を挟み込まずに試験片を折り曲げることであり、2Tとは、試験片と同一の板を2枚挟み込むようにして試験片を折り曲げることを示す。本発明の塗膜の性能評価では、2T、3Tを実施し、折り曲げ後の頂部にセロハンテープを強く圧着させ、テープの端を45°の角度で一気に引き剥がし、塗膜の剥離状態により以下の基準で評価した。
◎:塗膜の剥離が認められない。
○:塗膜の剥離がわずかに認められる。
×:塗膜の剥離が認められる。
<耐食性>
以下の(1)〜(3)により、耐食性試験片を準備した。
(1)試験片のエッジ部が、塗膜が形成されている側を向いたバリ(上バリ)と、塗膜が形成されている側とは反対を向いたバリ(下バリ)を有するように、70mm×150mmに試験片を切断した。
(2)試験片に4T折り曲げ加工を行った。
(3)(2)の4T折り曲げ加工部に重ならないように、塗膜が形成されている側の塗膜の中央部に、素地面に達する深さのクロスカットを入れた。
作製した耐食性試験片について、JIS K5600−7−1に準じて、500時間の塩水噴霧試験(SST)を行い、試験後の耐食性試験片のエッジ部、4T折り曲げ加工部及びクロスカット部の状態を、次の基準で評価した。
[エッジ部]
上バリと下バリのエッジクリープ幅を測定し、以下の基準により評価した。
◎:上バリと下バリのエッジクリープ幅の平均値が4mm未満
○:上バリと下バリのエッジクリープ幅の平均値が4mm以上かつ10mm未満
×:上バリと下バリのエッジクリープ幅の平均値が10mm以上
[4T折り曲げ加工部]
折り曲げ加工を行った頂部における白錆の発生状態に応じて、次の基準で評価した。
◎:白錆がほとんど認められない。
○:白錆がわずかに認められる。
×:白錆が認められる。
[クロスカット部]
クロスカット部の白錆の発生状態を観察し、また、塗膜の膨れの幅を測定して、以下の基準により評価した。
◎:白錆がほとんど認められず、かつ塗膜の膨れの幅が2mm未満
○:白錆がわずかに認められ、かつ塗膜の膨れの幅が2mm以上かつ5mm未満
×:白錆が認められ、かつ塗膜の膨れの幅が5mm以上



Claims (5)

  1. 塗膜形成樹脂(A)、少なくとも1種類の非晶質MgO−V系化合物からなる防錆顔料(B)、架橋剤(C)を含有するクロムフリー塗料組成物であって、前記防錆顔料(B)の質量含有比率は、前記塗膜形成樹脂(A)と前記架橋剤(C)の樹脂固形分質量の総和に対して10〜80質量%であり、かつ前記防錆顔料(B)の10質量%水溶液の総溶出イオン量が10ppm〜100ppmであることを特徴とするクロムフリー塗料組成物。
  2. 前記防錆顔料(B)の10質量%水溶液のpHが9.0〜11.0である、請求項1に記載のクロムフリー塗料組成物。
  3. 前記防錆顔料(B)が、構成元素としてバナジウムとマグネシウムを含有し、前記バナジウムに対する前記マグネシウムのモル比が1.7〜5.0である、請求項1又は2に記載のクロムフリー塗料組成物。
  4. 請求項1〜3のいずれか1項に記載のクロムフリー塗料組成物を塗装して得られた塗膜。
  5. 請求項1〜3のいずれか1項に記載のクロムフリー塗料組成物を下塗り塗料として塗装して得られたプレコート鋼板。
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