JP2014111721A - シラン架橋性樹脂組成物、絶縁電線及びその製造方法 - Google Patents

シラン架橋性樹脂組成物、絶縁電線及びその製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】耐熱性等の諸特性を維持しつつ、製造単価の低減化が促進できる絶縁電線及びその製造方法並びにその製造方法に用いるシラン架橋性樹脂組成物を提供することを目的とする。
【解決手段】本発明は、絶縁電線のシース層を形成するためのシラン架橋性樹脂組成物であって、ポリエチレン及びエチレン−極性モノマー共重合体のうちの少なくとも一方にシラン化合物をグラフトさせたシラン架橋性樹脂と、ポリエチレン及びエチレン−極性モノマー共重合体のうちの少なくとも一方からなる非シラン架橋性樹脂と、金属水酸化物とを含有し、上記シラン架橋性樹脂及び非シラン架橋性樹脂の合計100質量部に対する非シラン架橋性樹脂の含有量が40質量部以上90質量部以下である。上記シラン架橋性樹脂がシラン化合物をグラフトさせた超低密度ポリエチレンであるとよい。上記非シラン架橋性樹脂がエチレンエチルアクリレート共重合体であるとよい。
【選択図】なし

Description

本発明は、シラン架橋性樹脂組成物、絶縁電線及びその製造方法に関する。
電気機器の配線用ワイヤーハーネスを構成する絶縁電線は、一般的には銅や銅合金等からなる複数の金属線を撚った導体と、この導体を被覆する樹脂製の絶縁層と、この絶縁層の周面に被覆されるシース層とから構成される。この絶縁層及びシース層に用いる樹脂としては、従来はポリ塩化ビニル樹脂が用いられていたが、廃棄処分時にハロゲン元素による汚染が懸念されることがら、近年ではポリエチレンやエチレン−極性モノマー共重合体等をシラン化合物で架橋して耐熱性を向上させた合成樹脂が用いられている(特開2007−207638号公報参照)。
このノンハロゲン絶縁電線は耐熱性、難燃性、機械強度等に優れており、近年では太陽電池発電設備の直流電路で使用するケーブル(PVケーブル)としてモジュール間接続、モジュールと接続箱との接続、接続箱とパワーコンディショナーとの接続等に用いられている。
特開2007−207638号公報
しかしながら、上記従来のノンハロゲン絶縁電線は、ポリエチレンやエチレン−極性モノマー共重合体等にシラン化合物をグラフトさせ、これを主成分としたシース層を形成しているため、製造単価が高止まりしている。また、このシラン化合物をグラフトさせた樹脂は、グラフトさせていない樹脂に比べて溶融粘度が上昇するため、押出時のトルクが上昇してしまうが、押出機に定められたトルクの上限以下で押出する必要があり、押出の線速が規制される。そのため、絶縁電線の生産性にはさらなる改善の余地がある。
本発明は、上述のような事情に基づいてなされたものであり、耐熱性等の諸特性を維持しつつ、製造単価の低減化が促進できる絶縁電線、その製造方法、及びその製造方法に用いるシラン架橋性樹脂組成物を提供することを目的とする。
上記課題を解決するためになされた発明は、
絶縁電線のシース層を形成するためのシラン架橋性樹脂組成物であって、
ポリエチレン及びエチレン−極性モノマー共重合体のうちの少なくとも一方にシラン化合物をグラフトさせたシラン架橋性樹脂と、
ポリエチレン及びエチレン−極性モノマー共重合体のうちの少なくとも一方からなる非シラン架橋性樹脂と、
金属水酸化物とを含有し、
上記シラン架橋性樹脂及び非シラン架橋性樹脂の合計100質量部に対する非シラン架橋性樹脂の含有量が40質量部以上90質量部以下である。
当該シラン架橋性樹脂組成物は、シラン架橋性樹脂と非シラン架橋性樹脂とを上記範囲の割合で混合しているため、シラン架橋性樹脂を含有させることによる利点を享受しつつ非シラン架橋性樹脂を含有させることによる利点を享受することができる。すなわち、当該シラン架橋性樹脂組成物は、耐熱性、難燃性、機械強度等の諸特性を有しつつ、相対的に安価な非シラン架橋性樹脂を混合することにより製造単価の低い絶縁電線を製造することができる。また、当該シラン架橋性樹脂組成物は、非シラン架橋性樹脂の上記割合での配合により、押出成形時のシラン架橋の促進が抑制されるため、押出線速を増加させて生産性を向上することができる。
上記シラン架橋性樹脂としては、シラン化合物をグラフトさせた超低密度ポリエチレンが好ましい。このように超低密度ポリエチレンをベースとしたシラン架橋性樹脂を用いることで、当該シラン架橋性樹脂組成物で形成されるシース層の柔軟性を高め、さらに低温での屈曲性を向上できる。その結果、当該シラン架橋性樹脂組成物を用いた絶縁電線の低温環境下での配線作業性を改善できる。
上記非シラン架橋性樹脂としては、超低密度ポリエチレン、エチレン酢酸ビニル共重合体(EVA)及びエチレンエチルアクリレート共重合体からなる群より選択される1種以上が好ましい。このようにシランをグラフトさせる混合工程を経ておらず、混合賃が上乗せされていない非シラン架橋性樹脂を用いることで、当該シラン架橋性樹脂組成物を用いた絶縁電線の単価を効果的に低減できる。
上記シラン架橋性樹脂及び非シラン架橋性樹脂の合計100質量部に対する金属水酸化物の含有量としては、100質量部以上250質量部以下が好ましい。このように金属水酸化物の含有量を上記範囲内とすることで、当該シラン架橋性樹脂組成物の難燃性を効果的に向上できる。
上記非シラン架橋性樹脂のメルトフローレートとしては1g/分以上10g/分以下が好ましい。非シラン架橋性樹脂のメルトフローレートが上記範囲であることで(適度に大きいことで)、当該シラン架橋性樹脂組成物の溶融時の粘度を低くできる。そのため、当該シラン架橋性樹脂組成物から絶縁電線のシース層を押出成形するときの溶融伸びを適度に大きくすることができる。その結果、シース層の押出成形方法として、充実押出成形だけでなく引落押出成形を採用することが可能となる。
ここで、充実押出成形の場合、絶縁電線の絶縁層と溶融状態のシース層(シラン架橋性樹脂組成物)とが金型内のダイスとポイントとの間の部分において加圧状態で接触するので、シース層と絶縁層との密着強度(剥離強度)が大きくなり過ぎるおそれがある。これに対して、引落押出成形の場合、絶縁層と溶融状態のシース層(シラン架橋性樹脂組成物)とがダイスを出た後に金型の外部で接触する。このように、引落押出成形では、絶縁層とシース層とが加圧状態の金型内で接触しないため、絶縁層とシース層との密着強度(剥離強度)が大きくなり過ぎず、シース層を後から剥がしやすくなる。そのため、非シラン架橋性樹脂のメルトフローレートを上記範囲とすることで、引落押出成形によりシース層を形成することができ、絶縁電線の端末にコネクタを接続する際等のシース層の引き剥がしが容易な絶縁電線を提供できるため、絶縁電線のコネクタ接続等の作業性を向上させることができる。
また、上記課題を解決するためになされた別の発明は、
導体、この導体の周面を被覆する絶縁層及びこの絶縁層の周面側に被覆されるシース層を備える絶縁電線であって、
上記シース層が、当該シラン架橋性樹脂組成物の架橋物から形成されている。
当該絶縁電線は、当該シラン架橋性樹脂組成物からシース層が形成されているため、耐熱性、難燃性、機械強度等の諸特性を有しつつ、低い単価で製造できる。また、高い線速でシース層を押出成形できるため生産性にも優れる。
上記シース層のゲル分率としては、50%以上80%以下が好ましい。このようにシース層のゲル分率を上記範囲内とすることで、上記シラン架橋性樹脂組成物の所定範囲の架橋を確保し、容易かつ確実に当該絶縁電線の耐熱性、難燃性、機械強度等の諸特性を維持しつつ、製造単価を低減することができる。
さらに、上記課題を解決するためになされた別の発明は、
シラン架橋性樹脂、非シラン架橋性樹脂及び金属水酸化物を用意し、それらを混合することでシラン架橋性樹脂組成物を得る工程と、
導体及びその周面を被覆する絶縁層を備える線状体の周面側に上記シラン架橋性樹脂組成物を押出す工程と、
押出したシラン架橋性樹脂組成物を架橋する工程と
を有する絶縁電線の製造方法である。
当該絶縁電線の製造方法は、シラン架橋性樹脂及び非シラン架橋性樹脂を混合した組成物を用いてシース層を形成するため、製造単価が低く生産性に優れた絶縁電線を製造することができる。
ここで、「非シラン架橋性樹脂」とは、それ単体で架橋性を有しない樹脂を意味する。「非シラン架橋性樹脂のメルトフローレート」とは、JIS−K6760(1995)で規定された押出し形プラストメータを用い、JIS−K7210(1999)に準拠して温度190℃、荷重2.16kgfで測定した値である。「ゲル分率」とは、キシレンにシース層を浸し120℃で24時間加熱溶解させた後、ろ過してろ液を蒸発乾固した際の固形分の質量をW1、溶剤に浸す前のシース層の質量をW2としたときに、W1/W2×100より求められる値である。
以上説明したように、本発明のシラン架橋性樹脂組成物、絶縁電線及びその製造方法は、絶縁電線の耐熱性等の諸特性を維持しつつ、製造単価の低減化が促進できる。
充実押出成形を説明するための模式的断面図である。 引落押出成形を説明するための模式的断面図である。 シース剥離力の測定方法を説明するための模式的斜視図である。 シース剥離力の測定方法を説明するための模式的斜視図である。
以下、本発明のシラン架橋性樹脂組成物の実施形態を詳説する。
[シラン架橋性樹脂組成物]
当該シラン架橋性樹脂組成物は、ポリエチレン及びエチレン−極性モノマー共重合体のうちの少なくとも一方にシラン化合物をグラフトさせたシラン架橋性樹脂と、ポリエチレン及びエチレン−極性モノマー共重合体のうちの少なくとも一方からなる非シラン架橋性樹脂と、ノンハロゲン難燃剤である金属水酸化物とを含有する。
上記シラン架橋性樹脂に用いるポリエチレン及びエチレン−極性モノマー共重合体(以下、グラフト対象樹脂と呼称することがある)のうち、エチレン−極性モノマー共重合体としては、例えばエチレン酢酸ビニル共重合体(EVA)や、エチレンエチルアクリレート共重合体(EEA)のようなエチレンアクリレート共重合体等を挙げることができる。このグラフト対象樹脂としては、低温においても高い柔軟性を有する超低密度ポリエチレン(VLDPE)が特に好ましい。また、グラフト対象樹脂は、複数種の樹脂を含有していてもよく、主成分以外の樹脂としてポリエチレン及びエチレン−極性モノマー共重合体以外の樹脂を微量含有していてもよい。
上記シラン架橋性樹脂は、シラン化合物をグラフト対象樹脂にグラフトすることで得られる。このシラン化合物としては、一般式RR’SiYで表される化合物を用いることができる。ここで、Rは、1価のオレフィン性不飽和炭化水素基であり、R’は、脂肪族不飽和炭化水素以外の1価の炭化水素基又は加水分解性の有機基であり、Yは加水分解性の有機基である。上記式で表される化合物の中でも、R’がYと同一の加水分解性の有機基で、一般式RSiYで表される有機不飽和シランが好ましい。この有機不飽和シランとしては、例えばビニルトリメトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン、ビニルトリブトキシシラン、アリルトリメトキシシラン、アリルトリエトキシシラン、又はこれらのオリゴマー等を挙げることができる。
シラン化合物のグラフト対象樹脂100質量部に対する含有量の下限としては、0.01質量部が好ましく、0.1質量部がより好ましい。一方、シラン化合物のグラフト対象樹脂100質量部に対する含有量の上限としては、1.5質量部が好ましく、1.2質量部がより好ましい。シラン化合物の含有量が上記下限未満の場合、グラフト対象樹脂のグラフトが不十分となり、グラフト対象樹脂の架橋が十分進行しないおそれがある。逆に、シラン化合物の含有量が上記上限を超える場合、当該シラン架橋性樹脂組成物の加工性が低下するおそれがあるほか、グラフトされない残留シランが増加し、絶縁電線形成時にシース層と絶縁層との密着力が低下するおそれがある。
上記シラン化合物のグラフトには、ラジカル発生剤を用いるとよい。このラジカル発生剤としては、例えばジクミルパーオキサイド、α,α’−ビス(t−ブチルパーオキシジイソプロピル)ベンゼン、ジ−t−ブチルパーオキサイド、t−ブチルクミルパーオキサイド、ジ−ベンゾイルパーオキサイド、2,5−ジメチル−2,5−ビス(t−ブチルパーオキシ)ヘキサン、t−ブチルパーオキシピバレート、t−ブチルパーオキシ−2−エチルヘキサノエート等を挙げることができる。
ラジカル発生剤のグラフト対象樹脂100質量部に対する含有量の下限としては、0.02質量部が好ましく、0.05質量部がより好ましい。一方、ラジカル発生剤のグラフト対象樹脂100質量部に対する含有量の上限としては、0.15質量部が好ましく、0.12質量部がより好ましい。ラジカル発生剤の含有量が上記下限未満の場合、グラフト対象樹脂のグラフトが不十分となるおそれがある。逆に、ラジカル発生剤の含有量が上記上限を超える場合、当該シラン架橋性樹脂組成物の加工性が低下するおそれがあるほか、局部的なグラフトが発生し、成形外観が悪化するおそれがある。
上記シラン架橋性樹脂には、シラン化合物のグラフトを促進させるためにシラン架橋触媒を添加することが好ましい。このシラン架橋触媒としては、有機金属化合物系の架橋触媒を使用することができる。具体的には、例えばジオクチル錫ジラウレート、ジブチル錫ジラウレート、酢酸第一錫、ジブチル錫ジアセテート、ジブチル錫ジオクトエート、カプリル酸亜鉛、チタン酸テトラブチルエステル、ステアリン酸亜鉛、ステアリン酸カルシウム等を挙げることができる。
シラン架橋触媒のグラフト対象樹脂100質量部に対する含有量の下限としては、0.01質量部が好ましく、0.03質量部がより好ましい。一方、シラン架橋触媒のグラフト対象樹脂100質量部に対する含有量の上限としては、0.15質量部が好ましく、0.12質量部がより好ましい。シラン架橋触媒の含有量が上記下限未満の場合、グラフト対象樹脂のグラフトを十分促進できないおそれがある。逆に、シラン架橋触媒の含有量が上記上限を超える場合、局部的な架橋が発生し、成形外観が悪化するおそれがある。
上記非シラン架橋性樹脂は、ポリエチレン及びエチレン−極性モノマー共重合体のうちの少なくとも一方からなる。ポリエチレンとしては超低密度ポリエチレンが好ましく、エチレン−極性モノマー共重合体としてはエチレン酢酸ビニル共重合体及びエチレンエチルアクリレート共重合体が好ましい。なかでも、非シラン架橋性樹脂としては、安価で耐熱性、成形性に優れるエチレンエチルアクリレート共重合体が特に好ましい。また、非シラン架橋性樹脂は、複数種の樹脂を含有していてもよく、主成分以外の樹脂としてポリエチレン及びエチレン−極性モノマー共重合体以外の樹脂を微量含有していてもよい。
上記非シラン架橋性樹脂のメルトフローレート(以下、「MFR」ともいう)の下限としては、1g/分が好ましく、1.5g/分がより好ましい。非シラン架橋性樹脂のMFRの上限としては、10g/分が好ましく、8g/分がより好ましい。非シラン架橋性樹脂のMFRが上記下限未満であると、シラン架橋性樹脂組成物の溶融時の粘度が高くなるために溶融伸びが小さくなり、押出成形性が悪化する(引落押出成形が困難となる)おそれがある。一方、非シラン架橋性樹脂のMFRが上記上限を超えると、上記シラン架橋性樹脂組成物から形成されるシース層の機械的強度が低下し所望とする引張強さを得られないおそれがある。これに対して、非シラン架橋性樹脂のMFRが上記下限と上記上限との間の範囲であることで(適度に大きいことで)、当該シラン架橋性樹脂組成物の溶融時の粘度を適度に低くできる。そのため、当該シラン架橋性樹脂組成物から絶縁電線のシース層を押出加工するときの溶融伸びを適度に大きくすることができ、押出成形性を良好なものとすることができる。その結果、シース層の押出成形方法として、充実押出成形だけでなく引落押出成形を採用することが可能となる。
当該シラン架橋性樹脂組成物において、上記シラン架橋性樹脂及び非シラン架橋性樹脂の合計100質量部に対する非シラン架橋性樹脂の含有量が40質量部以上90質量部以下である。シラン架橋性樹脂及び非シラン架橋性樹脂の合計100質量部に対する非シラン架橋性樹脂の含有量の下限としては、50質量部がより好ましく、70質量部がさらに好ましい。一方、シラン架橋性樹脂及び非シラン架橋性樹脂の合計100質量部に対する非シラン架橋性樹脂の含有量の上限としては、85質量部がより好ましい。非シラン架橋性樹脂の含有量が上記下限未満の場合、当該シラン架橋性樹脂組成物を用いた絶縁電線の製造単価低減効果が得られないほか、溶融粘度が十分に下がらず押出トルクが上昇して線速が低くなってしまい、絶縁電線の生産性が低下するおそれがある。逆に、非シラン架橋性樹脂の含有量が上記上限を超える場合、当該シラン架橋性樹脂組成物で形成されるシース層の耐熱性及び機械強度が低下するおそれがある。
当該シラン架橋性樹脂組成物が含有する金属水酸化物としては、例えば水酸化マグネシウム、水酸化アルミニウム、水酸化カルシウム等を用いることができる。これらの中でも、難燃効果が高く、さらに分解温度が高く押出成形時に分解しにくい水酸化マグネシウムを用いることが好ましい。
上記金属水酸化物は、分散性を高めるために表面処理されているとよい。この表面処理としては、例えばシラン系カップリング剤、チタネート系カップリング剤、脂肪酸又は脂肪酸金属塩等を用いた表面処理を用いることができる。これらの中でもシラン架橋性樹脂及び非シラン架橋性樹脂と金属水酸化物との密着性向上効果を有するシラン系カップリング剤を用いた表面処理が好ましい。
上記シラン系カップリング剤としては、例えば、ビニルトリメトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン、ビニルトリス(β−メトキシエトキシ)シラン等のビニルシラン化合物;γ−アミノプロピルトリメトキシシラン、γ−アミノプロピルトリエトキシシラン、N−β−(アミノエチル)γ−アミノプロピルトリメトキシシラン、β−(アミノエチル)γ−アミノプロピルメチルジメトキシシラン、N−フェニル−γ−アミノプロピルトリメトキシシラン等のアミノシラン化合物;β−(3,4エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルメチルジエトキシシラン等のエポキシシラン化合物;γ−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン等のアクリルシラン化合物;ビス(3−(トリエトキシシリル)プロピル)ジスルフィド、ビス(3−(トリエトキシシリル)プロピル)テトラスルフィド等のポリスルフィドシラン化合物;3−メルカプトプロピルトリメトキシシラン、3−メルカプトプロピルトリエトキシシラン等のメルカプトシラン化合物等を用いることができる。
上記表面処理剤による金属水酸化物の表面処理方法としては、例えば湿式法、乾式法、直接混練法等を用いることができる。また、金属水酸化物に対する表面処理量としては、0.1質量%以上5質量%以下が好ましい。表面処理量が上記下限未満の場合、分散性向上効果が得られないおそれがある。逆に、表面処理量が上記上限を超える場合、当該シラン架橋性樹脂組成物の加工性等が低下するおそれがある。
上記金属水酸化物のシラン架橋性樹脂及び非シラン架橋性樹脂の合計100質量部に対する含有量の下限としては、100質量部が好ましく、140質量部がより好ましい。一方、金属水酸化物のシラン架橋性樹脂及び非シラン架橋性樹脂の合計100質量部に対する含有量の上限は、250質量部が好ましく、180質量部がより好ましい。金属水酸化物の含有量が上記下限未満の場合、当該シラン架橋性樹脂組成物の難燃性が十分向上しないおそれがある。逆に、金属水酸化物の含有量が上記上限を超える場合、当該シラン架橋性樹脂組成物の溶融粘度が上昇するため、押出成形時に表面が滑らかに形成されず凹凸が生じるおそれや、押出線速が低下し絶縁電線の生産性が悪化するおそれがある。
当該シラン架橋性樹脂組成物には、上記添加剤の他に、メラミン系難燃剤、シリコーン系難燃剤等の難燃剤を添加してもよい。また、当該シラン架橋性樹脂組成物には、炭酸カルシウム、クレー、タルク、シリカ、カーボン等の無機充填材、着色剤、紫外線吸収剤、ヒンダードフェノール系酸化防止剤、硫黄系酸化防止剤、リン系酸化防止剤、パラフィンワックス、シリコーンオイル等の滑剤、アクリル系加工助剤などの添加剤を適宜添加してもよい。特に、加圧ニーダー等における混合時にローター等へのこびり付きを抑えるため、アクリル系加工助剤を当該シラン架橋性樹脂組成物に添加するとよい。
次に、当該シラン架橋性樹脂組成物を用いた本発明の絶縁電線の実施形態を詳説する。
[絶縁電線]
当該絶縁電線は、線状の導体と、この導体の周面に被覆する絶縁層と、この絶縁層の周面を被覆するシース層とを備えている。
<導体>
当該絶縁電線に用いる導体としては、特に限定されるものではなく、例えば銅、銅合金、アルミニウム、アルミニウム合金等の金属線を用いることができる。
導体を形成する金属線の断面形状は、特に限定されず、円形、方形、矩形等の種々の形状を採用することができる。また、金属線の断面の大きさも特に限定されない。導体が丸線の場合は径が100μm〜5mmのもの、平角線の場合は一辺の長さが500μm〜5mmのものが一般に使用される。
また、導体は、複数の金属線を撚り合わせた撚線から形成することもできる。この場合、複数種の金属線を組み合わせてもよい。撚り数としては、一般に7本以上とされる。
<絶縁層>
絶縁層は、導体を被覆するように導体の周面に被覆される。絶縁層は、単層でも2層以上の多層構造でもよい。
絶縁層の材質としては絶縁性を有するものであれば特に限定されず、例えば当該シラン架橋性樹脂組成物で用いたシラン架橋性樹脂(ポリエチレン及びエチレン−極性モノマー共重合体のうちの少なくとも一方の樹脂にシラン化合物をグラフトさせたもの)を用いることができる。シラン架橋性樹脂を用いる場合、シラン架橋性樹脂を導体周面に押出し、水分のある雰囲気中で架橋することで絶縁層を得ることができる。また、シラン架橋性樹脂に一定量の非シラン架橋性樹脂を混合した樹脂を絶縁層の材質として用いてもよい。このような樹脂を絶縁層に用いることで当該絶縁電線の製造単価をより低減することができる。
絶縁層の平均厚みとしては、特に限定されないが、例えば0.1mm以上10mm以下とすることができる。
また、絶縁層は導体に接するプライマー層を有していてもよい。このプライマー層としては、金属水酸化物を含有しないエチレン等の架橋性樹脂を硬化させたものを好適に用いることができる。このようなプライマー層を設けることによって、絶縁層と導体との剥離性の経時低下を防いで結線作業の効率低下を防止できる。
<シース層>
シース層は、絶縁層を被覆するように絶縁層の周面に被覆される。シース層は、単層でも2層以上の多層構造でもよい。
シース層は、上述した当該シラン架橋性樹脂組成物を絶縁層周面に押出し、水分のある雰囲気中で架橋することで得ることができる。シース層の具体的な形成方法については、後述の絶縁電線の製造方法において詳説する。
シース層を形成する当該シラン架橋性樹脂組成物は、非シラン架橋性樹脂として、好ましくはMFRが1g/分以上10g/分以下のものが使用される。このように非シラン架橋性樹脂のMFRが上記範囲であることで、上述のようにシース層の押出成形方法として引落押出成形を採用することが可能となる。
なお、シース層中の非シラン架橋性樹脂のMFRは、以下の手法により特定することができる。まず、絶縁電線からシース層のみを分離し、このシース層を120℃のキシレン中で処理する。このとき、非シラン架橋性樹脂が架橋されていないことから、シース層から非シラン架橋性樹脂のみを抽出することができる。このようにして抽出した非シラン架橋性樹脂について、JIS−K6760で規定された押出し形プラストメータを用い、JIS−K7210に準拠して温度190℃、荷重2.16kgfでMFRを測定することにより、シース層に配合された非シラン架橋性樹脂のMFRを特定することができる。
シース層の平均厚みとしては、特に限定されないが、例えば0.1mm以上10mm以下とすることができる。
シース層のゲル分率の上限としては、50%が好ましく、55%がより好ましく、60%がさらに好ましい。一方、ゲル分率の下限としては80%が好ましく、70%がより好ましく、65%がさらに好ましい。シース層のゲル分率が上記上限を超える場合、シース層の架橋度が高く、シラン架橋性樹脂の割合が高いことを意味する。そのため、押出線速が低くなり製造コストが高くなるおそれがある。また、逆に、シース層のゲル分率が上記下限未満の場合、架橋度が低くなりすぎ、シース層の耐熱性や機械強度が低下するおそれがある。
<絶縁電線>
当該絶縁電線の引張強さの下限としては、8MPaが好ましく、9MPaがより好ましい。引張強さが上記下限未満の場合、配線作業において当該絶縁電線が破断するおそれがある。なお、引張強さとは、当該絶縁電線より導体及び絶縁層を除去したシース層についてJIS−C3005に記載の「ゴム・プラスチック絶縁電線試験方法」に準拠して計測される値である。
当該絶縁電線の引張伸びの下限としては、150%が好ましく、180%がより好ましい。引張伸びが上記下限未満の場合、当該絶縁電線の可撓性が低下し配線に適さないおそれがある。なお、引張伸びとは、当該絶縁電線より導体及び絶縁層を除去したシース層についてJIS−C3005に記載の「ゴム・プラスチック絶縁電線試験方法」に準拠して計測される絶縁電線切断時の伸びである。
当該絶縁電線の150℃に168時間加熱した後の上記引張強さ(引張強さ残率)の下限としては、室温における上記引張強さの70%が好ましい。引張強さ残率が上記下限未満の場合、高温環境下で当該絶縁電線のシース層が破れ、絶縁の保護層としての役割を果たさなくなるおそれがある。
当該絶縁電線の150℃に168時間加熱した後の上記引張伸び(引張伸び残率)の下限としては、室温における上記引張伸びの70%が好ましい。一方、引張伸び残率の上限としては、室温における上記引張伸びの130%が好ましい。引張伸び残率が上記下限未満の場合、高温環境下で当該絶縁電線のシース層の可撓性が低下し破れるおそれがある。逆に、引張伸び残率が上記上限を超える場合、高温環境下で当該絶縁電線にたるみが生じて配線に不具合が発生するおそれがある。
<絶縁電線の製造方法>
当該絶縁電線は、例えば以下の工程を有する製造方法により製造することができる。
(1)導体を製造する導体製造工程
(2)絶縁層を導体周面に被覆する絶縁層被覆工程
(3)シラン架橋性樹脂、非シラン架橋性樹脂及び金属水酸化物を用意し、それらを混合するシラン架橋性樹脂組成物製造工程
(4)シラン架橋触媒マスターバッチを製造する工程
(5)上記絶縁層周面にシラン架橋性樹脂組成物を押出すシース層押出工程
(6)押出したシラン架橋性樹脂組成物を架橋するシース層架橋工程
<(1)導体製造工程>
導体製造工程において、まず、導体の原料となる銅等を鋳造及び圧延して圧延材を得る。次に、この圧延材に伸線加工を行って、任意の断面形状及び線径(短辺幅)を有する伸線材を形成する。伸線加工の方法としては、例えば複数の伸線ダイスを備えた伸線装置によって、この伸線ダイスに潤滑剤を塗布した圧延材を挿通させることで所望の断面形状及び線径(短辺幅)に徐々に近づける方法を用いることができる。なお、断面形状の加工は、後述する軟化後に別途行うことも可能である。
伸線加工後、上記伸線材に加熱による軟化処理を行なって導体用の金属線を得る。軟化処理を行うことによって伸線材の結晶が再結晶化されるため、導体の靱性を向上させることができる。この軟化処理は、大気雰囲気下でも可能であるが、酸素含有量が少ない非酸化性雰囲気下で行うことが好ましい。
複数の金属線からなる撚線を導体として用いる場合、上記金属線を複数撚ることで導体を得ることができる。
<(2)絶縁層被覆工程>
絶縁層被覆工程において、絶縁層の形成組成物を所定の比率で混合したものを溶融押出機に投入した後、導体の周面上に押出成形して被覆し、さらに架橋することで絶縁層を形成する。この押出成形の具体的な手順は、後述するシース層被覆工程と同様とすることができる。
<(3)シラン架橋性樹脂組成物製造工程>
シラン架橋性樹脂組成物製造工程において、ポリエチレン及びエチレン−極性モノマー共重合体のうちの少なくとも一方の樹脂(グラフト対象樹脂)にシラン化合物をグラフトさせたシラン架橋性樹脂、ポリエチレン及びエチレン−極性モノマー共重合体のうちの少なくとも一方からなる非シラン架橋性樹脂及び金属水酸化物を混合したシラン架橋性樹脂組成物を製造する。具体的には、シラン架橋性樹脂、非シラン架橋性樹脂及び金属水酸化物を混合装置に投入して溶融混練することで製造できる。この混合装置としては、例えばオープンロールミキサー、加圧ニーダー、バンバリーミキサー、二軸押出機等を挙げることができる。
上記シラン架橋性樹脂は、例えばグラフト対象樹脂に前述した部数の範囲内でシラン化合物及びラジカル発生剤を添加してスーパーミキサー等で室温で撹拌した後に、加圧ニーダー、バンバリーミキサー、二軸又は単軸押出機でグラフト対象樹脂の融点以上に加熱しつつ混練を行う方法でシラン架橋性樹脂を製造することができる。混練が完了した後には、加圧ニーダー、バンバリーミキサーを用いた場合にはフィーダールーダーによって紐状(ストランド状)に押出したものを水冷して、水切りした後にカットすることでペレット状に成形できる。二軸又は単軸押出機で混練した場合には、元々混合物が紐状(ストランド状)に押出されてくるので、水冷して、水切りした後にカットすることでペレット状に成形できる。混練時の温度としては、樹脂の融点とラジカル発生剤の10時間半減温度とを考慮して適宜決定できるが、例えば150℃以上200℃以下が好ましい。
<(4)シラン架橋触媒マスターバッチ製造工程>
シラン架橋性樹脂組成物に用いるのと同じ樹脂を用いて、これにシラン架橋触媒を0.1〜10部の範囲内で添加してスーパーミキサー等で室温で撹拌した後に、加圧ニーダー、バンバリーミキサー、二軸又は単軸押出機で樹脂の融点以上に加熱しつつ混練を行う方法でシラン架橋触媒マスターバッチを製造することができる。混練が完了した後には、加圧ニーダー、バンバリーミキサーを用いた場合にはフィーダールーダーによって紐状(ストランド状)に押出したものを水冷して、水切りした後にカットすることでペレット状に成形できる。二軸又は単軸押出機で混練した場合には、元々混合物が紐状(ストランド状)に押出されてくるので、水冷して、水切りした後にカットすることでペレット状に成形できる。
<(5)シース層押出工程>
シース層押出工程において、上記シラン架橋性樹脂組成物及びシラン架橋触媒マスターバッチを溶融押出機に投入し、絶縁層の周面上に押出成形して被覆する。
押出成形方法としては、例えば充実押出成形、引落押出成形が挙げられ、引落押出成形が好ましい。ここで、充実押出成形の場合、図1Aに示すように、絶縁電線1の絶縁層10と溶融状態のシース層11(シラン架橋性樹脂組成物)とが金型2内であるダイス20とポイント21との間の部分において加圧状態で接触しているので、シース層11と絶縁層10との密着強度(剥離強度)が大きくなり過ぎるおそれがある。これに対して、引落押出成形の場合、図1Bに示すように、ダイス40及びポイント41を出た後に金型4の外部で絶縁層30とシース層31とが接触する。このように、引落押出成形では絶縁電線3の絶縁層30と溶融状態のシース層31(シラン架橋性樹脂組成物)とが加圧状態の金型4内で接触しないため、これらの絶縁層30とシース層31との密着強度(剥離強度)が大きくなり過ぎず、絶縁電線3においてシース層31を後から剥がしやすくなる。そのため、引落押出成形によりシース層31を形成できれば、絶縁電線3の端末にコネクタを接続する際等のシース層31の引き剥がしが容易となるためにコネクタ接続等の作業性を向上させることができる。
また、シース層は、当該シラン架橋性樹脂組成物から形成されるが、このシラン架橋性樹脂組成物としてはMFRが1g/分以上10g/分以下の非シラン架橋性樹脂を含有するものが好ましく使用される。このような適度に大きなMFRを有する非シラン架橋性樹脂を含有することで、当該シラン架橋性樹脂組成物の溶融時の粘度を低くすることができる。そのため、当該シラン架橋性樹脂組成物から絶縁電線のシース層を押出成形するときの溶融伸びを適度に大きくすることができ、その結果シース層の押出加工方法として、充実押出ではなく引落押出を好適に採用することが可能となる。これにより、シース層の引き剥がしが容易な絶縁電線を提供できる。
シラン架橋性樹脂組成物の押出温度としては、例えば160℃以上210℃以下とすることができる。160℃以下であると、押出トルクが十分に下がらず線速が低くなってしまい生産性が悪化する。一方、200℃以上であると押出機の中で架橋が進んでしまい、外観が悪化する恐れがある。
シラン架橋性樹脂組成物の押出線速の下限としては、105m/分が好ましく、180m/分がより好ましい。一方、押出線速の上限としては、300m/分が好ましい。押出線速が上記下限未満の場合、当該絶縁電線の生産性が低下するおそれがある。逆に、押出線速が上記上限を超える場合、荷重が過大となりシース層の表面にひび割れ等の損傷が発生するおそれがある。
なお、シラン架橋性樹脂組成物を押出機に投入する前に恒温槽等で乾燥させるとよい。シラン架橋性樹脂組成物の水分率を乾燥により低減してから押出すことで、押出中の架橋を防いでシース層の外観を良好なものとすることができる。
<(6)シース層架橋工程>
シース層架橋工程では、絶縁層の周面に被覆した架橋性樹脂組成物を架橋させる。具体的には、大気中への曝露、水中への浸漬、水蒸気雰囲気中への曝露等によって水分を供給することでシラン架橋性樹脂組成物をシラン架橋させて硬化させることができる。この硬化により、当該絶縁電線のシース層が完成する。
当該絶縁電線は、難燃性等の諸特性に優れるため屋外での配線に好適に用いることができる。さらに、当該絶縁電線は製造単価が低いため、例えば太陽電池発電設備の直流電路で使用するケーブル(PVケーブル)としてモジュール間接続、モジュールと接続箱との間の接続、接続箱とパワーコンディショナーとの間の接続などに用いることができる。このようなPVケーブルとしては、当該絶縁電線を単体で使用することもできるし、複数の絶縁電線を組み合わせたワイヤーハーネスとして使用することもできる。
以下、実施例によって本発明の絶縁電線をさらに具体的に説明するが、本発明は以下の製造例に限定されるものではない。
[製造例1]
(シラン架橋性樹脂の製造)
グラフト対象樹脂としての密度が0.87g/cmの超低密度ポリエチレン(VLDPE)、シラン化合物及びラジカル発生剤をスーパーミキサーに投入して、室温にて60rpmでローターを回転させて撹拌した。そして、混合容量3Lの加圧ニーダーに投入して、ローターを30rpmで回転させて、開始温度100℃、練り上がり温度200℃で溶融混練し、排出した。これを設定温度140℃のフィーダールーダーに投入してストランド状に押出したものを水冷してカットし、ペレット形状に成形した。超低密度ポリエチレン100質量部に対するシラン化合物の含有量は1質量部、ラジカル発生剤の含有量は0.1質量部とした。
(シラン架橋性樹脂組成物の製造)
上記シラン架橋性樹脂、非シラン架橋性樹脂としてのMFRが5g/分のエチレンエチルアクリレート共重合体(EEA3)、金属酸化物(難燃剤)としての水酸化マグネシウム、酸化防止剤及び滑剤を混合容量3Lの加圧ニーダーに投入し、開始温度100℃、練り上がり温度160℃で溶融混練し、排出した。これを設定温度140℃のフィーダールーダーに投入してストランド状に押出したものを水冷してカットし、ペレット形状に成形し、シラン架橋性樹脂組成物を製造した。
(絶縁電線の製造)
上記シラン架橋性樹脂組成物及び触媒マスターバッチ(超低密度ポリエチレンにシラン架橋触媒を混練したもの)を溶融押出機(スクリュー径:120mmφ、L/D=24)に投入し、150℃〜190℃でシース層を絶縁層の周面に引落押出成形した。押出線速は200m/分とした。この押出線速は、上記配合比率の樹脂組成物を用いて、表面に凹凸等の不良のない滑らかな外観を有するシース層を押出形成できる最大の線速である。
上記押出成形したシース層を60℃の温水に12時間浸漬してシラン架橋を行い、製造例1の絶縁電線を得た。なお、導体としては、径が0.32mmの銅線を65本撚った公称断面積5.0cmの導体を用いた。また、絶縁層は、シース層と同様の超低密度ポリエチレン、シラン化合物、ラジカル発生剤及びシラン架橋触媒を含有する組成物を用いて、シース層と同じ条件で押出成形した。
また、シラン架橋性樹脂組成物において、シラン架橋性樹脂と非シラン架橋性樹脂との質量混合比が20:80となるように配合を調整した。さらに、シラン架橋性樹脂及び非シラン架橋性樹脂の合計100質量部に対し、水酸化マグネシウムの含有量が160質量部、シラン架橋触媒が0.1質量部、酸化防止剤の含有量が2質量部、滑剤の含有量が1質量部となるように調整した。
なお、シラン化合物としてはビニルシラン(信越化学工業社の「KBM−1003」)、ラジカル発生剤としてはジクミルパーオキサイド(日油社の「パークミルD」)、シラン架橋触媒としてはジオクチル錫(日東化成社の「ネオスタンU−810」)、酸化防止剤としてはヒンダードフェノール(BASF社の「イルガノックス1010」)、滑剤としてはパラフィンワックス(三井化学社の「ハイワックス420P」)を用いた。
[製造例2]
非シラン架橋性樹脂としてMFRが5g/分、密度が0.87g/cmの超低密度ポリエチレン(VLDPE)を用い、その他の材料及び配合は製造例1と同様にしてシラン架橋性樹脂組成物を調製し、製造例1と同様の条件の引落押出成形により製造例2の絶縁電線を製造した。
[製造例3]
非シラン架橋性樹脂としてMFRが2.5g/分のエチレン酢酸ビニル共重合体(EVA)を用い、その他の材料及び配合は製造例1と同様にしてシラン架橋性樹脂組成物を調製し、製造例1と同様の条件の引落押出成形により製造例3の絶縁電線を製造した。
[製造例4及び製造例5]
製造例1と同様の材料を用いて、製造例4及び製造例5の絶縁電線を製造した。ただし、シラン架橋性樹脂と非シラン架橋性樹脂との質量混合比が製造例4は40:60、製造例5は60:40となるように配合を調整した。その他の配合剤(金属水酸化物等)の含有量は製造例1と同様とした。
[製造例6]
非シラン架橋性樹脂としてのMFRが1.5g/分のエチレンエチルアクリレート共重合体(EEA2)を用い、その他の材料及び配合は製造例1と同様にしてシラン架橋性樹脂組成物を調製し、製造例1と同様の条件の引落押出成形により製造例6の絶縁電線を製造した。
[製造例7]
引落押出成形に代えて充実押出成形を採用した以外は製造例1と同様にして製造例7の絶縁電線を製造した。
なお、充実押出成形は、製造例1の引落押出成形の条件で行った。
[製造例8]
非シラン架橋性樹脂としてのMFRが0.8g/分のエチレンエチルアクリレート共重合体(EEA1)を用い、その他の材料及び配合は製造例1と同様にしてシラン架橋性樹脂組成物を調製し、製造例7と同様の条件の充実押出成形より製造例8の絶縁電線を製造した。なお、引落押出成形によって絶縁電線の製造を試みたが、シース層を形成することができなかった。
[製造例9]
非シラン架橋性樹脂としてのMFRが20g/分のエチレンエチルアクリレート共重合体(EEA4)を用い、その他の材料及び配合は製造例1と同様にしてシラン架橋性樹脂組成物を調製し、製造例1と同様の条件の引落押出成形により製造例9の絶縁電線を製造した。
[製造例10]
製造例1と同様の材料を用いて、シラン架橋性樹脂と非シラン架橋性樹脂との質量混合比が70:30となるように配合を調整して製造例10の絶縁電線を製造した。その他の配合剤(金属水酸化物等)の含有量は製造例1と同様とした。
[製造例11]
非シラン架橋性樹脂を用いない一方で、製造例1と同じシラン架橋性樹脂を用い、その他の材料及び配合は製造例1と同様にしてシラン架橋性樹脂組成物を調製し、製造例1と同様にして製造例11の絶縁電線を製造した。
[製造例12]
シラン架橋性樹脂を用いない一方で、非シラン架橋性樹脂としてのシラン化合物をグラフトしていないエチレン酢酸ビニル共重合体を用い、その他の材料及び配合は製造例1と同様にして樹脂組成物を調製し、製造例1と同様の条件の引落押出成形により製造例12の絶縁電線を製造した。
[製造例13]
非シラン架橋性樹脂を用いない一方で、シラン架橋性樹脂としてシラン化合物をグラフトしたシラン架橋エチレン酢酸ビニル共重合体(EVA)を用い、その他の材料及び配合は製造例1と同様にしてシラン架橋性樹脂組成物を調製し、製造例1と同様の条件の引落押出成形により製造例13の絶縁電線を製造した。

Figure 2014111721
なお、表1において、「−」は該当成分を使用しなかったことを意味する。
<評価>
製造例1〜13の絶縁電線について、シース剥離力、ゲル分率、引張強さ、引張伸び、引張強さ残率、引張伸び残率、最大押出線速、難燃性及び低温屈曲性を以下の方法にて評価した。これらの評価結果を表2に示す。
[ゲル分率(単位:%)]
溶剤(成分:キシレン)100質量部に絶縁電線のシース層を10質量部浸し、120℃で24時間加熱溶解させた後、ろ過してろ液を蒸発乾固した際の固形分残分の質量W1を測定し、溶剤に浸す前のシース層の質量W2を用いた下記式(1)によって、ゲル分率を算出した。
ゲル分率=W1/W2×100(%) ・・・(1)
[シース剥離力(単位:N/20mm)]
図2Aに示すように、端から20mmの部分まで絶縁層50及びシース層51を剥離し導体52を露出させた所定長さの絶縁電線5を準備する。同時に、絶縁層50の外径より大きく、かつシース層51の内径よりも小さい径を有する貫通孔60が形成された鉄板6を準備する。図2Bに示すように、この鉄板6の貫通孔60に、絶縁電線5における露出した導体52を挿入する。鉄板6を固定した状態で、導体52を図の上方に引張り、シース層51が引き剥がされるときの負荷を測定し、これをシース剥離力とした。
[引張強さ(単位:MPa)]
JIS−C3005(2000)に記載の「ゴム・プラスチック絶縁電線試験方法」に準拠し、絶縁電線より導体及び絶縁層を除去したシース層の試験片を引張試験機により200m/分の引張速度で引張して最大引張荷重を測定し、引張強さを算出した。
[引張伸び(単位:%)]
JIS−C3005(2000)に記載の「ゴム・プラスチック絶縁電線試験方法」に準拠し、絶縁電線より導体及び絶縁層を除去したシース層の試験片を引張試験機により200m/分の引張速度で引張して破断長さを測定し、引張伸びを算出した。
[引張強さ残率(単位:%)]
当該絶縁電線を150℃に168時間加熱した後、JIS−C3005(2000)に記載の「ゴム・プラスチック絶縁電線試験方法」に準拠し、絶縁電線より導体及び絶縁層を除去したシース層の試験片を引張試験機により200m/分の引張速度で引張して最大引張荷重を測定し引張強さを算出し、常温時の引張強さに対する割合を求めた。
[引張伸び残率(単位:%)]
当該絶縁電線を150℃に168時間加熱した後、JIS−C3005(2000)に記載の「ゴム・プラスチック絶縁電線試験方法」に準拠し、絶縁電線より導体及び絶縁層を除去したシース層の試験片を引張試験機により200m/分の引張速度で引張して破断長さを測定し引張伸びを算出し、常温時の引張伸びに対する割合を求めた。
[最大押出線速(単位:m/分)]
シース層の押出成形において、表面に凹凸等の不良のない滑らかな外観を有するシース層を押出形成できる最大の押出線速で押出を行った。なお、製造例13においては、線速を最小(3m/分)にしても表面に凹凸等の不良のない滑らかなシース層を形成できなかった。
[難燃性(垂直一条燃焼性)]
EN60332−1−2(IEC60332−1/JIS−C3665−1)に準拠し、絶縁電線を垂直に保持し、絶縁電線に対し45度の角度でバーナを配置し、バーナの炎を絶縁電線の表面に当て、規定の試験時間後の絶縁電線の炭化状態を観測した。上部支持材の下端と炭化開始点との距離が50mm以上の場合をA(合格)とし、50mm未満の場合をB(不合格)とした。また、燃焼が上部支持材の下端から540mmより下方に拡がった場合もB(不合格)とした。
[低温屈曲性]
EN60811−1−4に準拠して、−40±2℃の環境下で16時間保持した後、規定の直径のマンドレルに1回転/5秒の回転速度で、規定回数巻きつけた後の亀裂の有無を調べた。絶縁電線の表面に亀裂が無い場合をA(合格)とし、亀裂が有る場合をB(不合格)とした。

Figure 2014111721
表2の結果から示されるように、製造例1〜9の絶縁電線は、コストの低い非シラン架橋性樹脂をシース層に用いながらも、機械強度、耐熱性及び難燃性に優れ、さらに良好な成形性が発揮される。これらの製造例1〜9の中でも、製造例1〜6の絶縁電線は、引落押出成形によっても適度なシース剥離力(10N/20mm以上30N/20mm以下程度)が得られた。これは、製造例1〜6の絶縁電線のシース層を形成するためのシラン架橋性樹脂組成物に含有させた非シラン架橋性樹脂のMFRが影響しているものと考えられる。すなわち、非シラン架橋性樹脂のMFRを所定の範囲(1g/分以上10g/分以下程度)とすることで、引落押出成形に適し、かつ適度な剥離力を有するシース層が得られるものと考えられる。
以上のように、本発明のシラン架橋性樹脂組成物を用いた絶縁電線は、難燃性等の諸特性を維持しつつ、製造単価の低減化が促進できる。従って、当該絶縁電線は、例えば太陽電池発電設備の直流電路で使用するケーブル(PVケーブル)として好適に用いることができる。
1,3 絶縁電線
10,30 絶縁層
11,31 シース層
2,4 金型
20,40 ダイス
21,41 ポイント
6 鉄板
60 貫通孔
5 絶縁電線
50 絶縁層
51 シース層
52 導体

Claims (8)

  1. 絶縁電線のシース層を形成するためのシラン架橋性樹脂組成物であって、
    ポリエチレン及びエチレン−極性モノマー共重合体のうちの少なくとも一方にシラン化合物をグラフトさせたシラン架橋性樹脂と、
    ポリエチレン及びエチレン−極性モノマー共重合体のうちの少なくとも一方からなる非シラン架橋性樹脂と、
    金属水酸化物とを含有し、
    上記シラン架橋性樹脂及び非シラン架橋性樹脂の合計100質量部に対する非シラン架橋性樹脂の含有量が40質量部以上90質量部以下であるシラン架橋性樹脂組成物。
  2. 上記シラン架橋性樹脂がシラン化合物をグラフトさせた超低密度ポリエチレンである請求項1に記載のシラン架橋性樹脂組成物。
  3. 上記非シラン架橋性樹脂が超低密度ポリエチレン、エチレン酢酸ビニル共重合体、及びエチレンエチルアクリレート共重合体からなる群より選択される1種以上である請求項1又は請求項2に記載のシラン架橋性樹脂組成物。
  4. 上記シラン架橋性樹脂及び非シラン架橋性樹脂の合計100質量部に対する金属水酸化物の含有量が100質量部以上250質量部以下である請求項1、請求項2又は請求項3に記載のシラン架橋性樹脂組成物。
  5. 上記非シラン架橋性樹脂のメルトフローレートが1g/分以上10g/分以下である請求項1から請求項4のいずれか1項に記載のシラン架橋性樹脂組成物。
  6. 導体、この導体の周面を被覆する絶縁層及びこの絶縁層の周面側に被覆されるシース層を備える絶縁電線であって、
    上記シース層が、請求項1から請求項5のいずれか1項に記載のシラン架橋性樹脂組成物の架橋物から形成されている絶縁電線。
  7. 上記シース層のゲル分率が50%以上80%以下である請求項6に記載の絶縁電線。
  8. シラン架橋性樹脂、非シラン架橋性樹脂及び金属水酸化物を用意し、それらを混合することでシラン架橋性樹脂組成物を得る工程と、
    導体及びその周面を被覆する絶縁層を備える線状体の周面側に上記シラン架橋性樹脂組成物を押出す工程と、
    押出したシラン架橋性樹脂組成物を架橋する工程と
    を有する絶縁電線の製造方法。
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