JP2014196397A - 難燃性樹脂組成物及びこれを用いた電線・ケーブル - Google Patents
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Abstract
【課題】ハロゲンを含まずに高い難燃性を有するとともに、ホットセット特性と耐油性との両方を満足する被覆材を有し、海外規格に適応可能な難燃性樹脂組成物及びこれを用いた電線・ケーブルを提供する。
【解決手段】密度0.880g/cm3以上のエチレン−α−オレフィン50〜70質量部と、密度0.950g/cm3以上のポリエチレンが30〜50質量部とからなるベースポリマに、金属水酸化物およびビニルシランが添加されており、前記ベースポリマ100質量部に対して、前記金属水酸化物が100質量部以上添加された難燃性樹脂組成物である。
【選択図】なし
【解決手段】密度0.880g/cm3以上のエチレン−α−オレフィン50〜70質量部と、密度0.950g/cm3以上のポリエチレンが30〜50質量部とからなるベースポリマに、金属水酸化物およびビニルシランが添加されており、前記ベースポリマ100質量部に対して、前記金属水酸化物が100質量部以上添加された難燃性樹脂組成物である。
【選択図】なし
Description
本発明は、耐熱性、耐油性に優れた難燃性樹脂組成物及びこれを用いた電線・ケーブルに関するものである。
近年、原発事故とその後の対応の長期化の問題から、発電システムの見直しが行われている。代替として、排出物のでないクリーンエネルギーが着目され、風力、太陽光を利用した自然エネルギーの需要が増しつつある。国内では発電能力がメガワット級のメガソーラ発電計画が進行しており、今後も需要拡大が期待される。
そこで、太陽光発電パネルで発電された電力を送電するために使用される電線・ケーブルの開発が求められている。
これまで、国内では太陽光発電パネル用としてのケーブルの規定はなく、絶縁/シース材に架橋ポリエチレン/ポリ塩化ビニル(以下PVCと称す)、架橋ポリエチレン/架橋ポリエチレンが被覆された電力ケーブルが用いられてきた。
一方、近年のグローバル化に伴い、海外でも使用可能な電線・ケーブルが求められている。例えば、自然エネルギーの使用量が多い欧州ではTUV規格、米国ではUL規格が夫々適用されており、これらの規格を同時に満足できる電線・ケーブルも求められている。
TUV規格、UL規格においては、夫々固有の特性があり、TUV規格ではホットセット特性、UL規格では耐油性がそれに該当するが、これらの海外規格では、ハロゲンを含むPVCを被覆材として使用できない場合があり、これらの特性を満足させるのには新たな被覆材の開発が必要であった。
なお、ホットセット特性では、200℃の高温雰囲気下で絶縁体被覆材料(チューブ状)に荷重を印加したときの伸びと、荷重除去後の永久伸びで評価されるが、ベースとなるポリマの融点が200℃未満である場合、伸長しその後に破断してしまう問題がある。
また、耐油性では、ベースとなるポリマの組成に依存するところが大きく、極性をもったPVCでは問題なかったが、非極性のポリエチレンでは試験油との親和性が大きく膨潤し、強度が低下してしまう問題があった。
そこで、本発明の目的は、ハロゲンを含まずに高い難燃性を有するとともに、ホットセット特性と耐油性との両方を満足する被覆材を有し、海外規格に適応可能な難燃性樹脂組成物及びこれを用いた電線・ケーブルを提供することにある。
上記目的を達成するために本発明の難燃性樹脂組成物は、密度0.880g/cm3以上のエチレン−α−オレフィン50〜70質量部と、密度0.950g/cm3以上のポリエチレンが30〜50質量部とからなるベースポリマに、金属水酸化物およびビニルシランが添加されており、前記ベースポリマ100質量部に対して、前記金属水酸化物が100質量部以上添加されたものである。
エチレン−α−オレフィンの密度が0.880g/cm3以上0.895g/cm3以下であり、ポリエチレンの密度が0.950g/cm3以上0.960g/cm3以下であり、金属水酸化物が100質量部以上250質量部以下含まれていることが好ましい。
前記ベースポリマがシラングラフトされており、シラン架橋させた後のゲル分率が80%以上であることが好ましい。
シラノール縮合触媒とポリマとを混合してなる触媒マスターバッチをさらに含み、前記触媒マスターバッチの前記ポリマが、融点135℃以上160℃未満のポリプロピレン30〜50質量部と、軟化点140℃以上160℃未満のプロピレンワックス50〜70質量部からからなり、前記ベースポリマをシラングラフトさせた難燃コンパウンドに対して、前記触媒マスターバッチの混合比が20:1〜25:1であることが好ましい。
また本発明の電線は、上記の難燃性樹脂組成物を、絶縁層に用いたことを特徴とする電線である。また本発明のケーブルは上記の難燃性樹脂組成物を、シース層に用いたことを特徴とするケーブルである。
本発明は、海外規格に適応可能な太陽光発電用電力ケーブルとしての機能を満足させることができるという優れた効果を発揮する。
以下、本発明の好適な一実施の形態を添付図面に基づいて詳述する。
先ず、本発明の電線・ケーブルを図1〜図3により説明する。
図1は、複数本の導体1を撚り合わせ、その外周に絶縁層2を被覆し、更にその外周にシース層3を被覆してケーブル10としたものである。
図2は、導体1に絶縁層2を被覆した電線11を対撚りし、その外周にシース層3を被覆してケーブル20としたものである。
図3は、導体1に絶縁層2を被覆した電線を複数本撚り合わせ、その外周にシース層3を被覆してケーブル30としたものである。
これら図1〜図3に示した電線・ケーブルのシース層3や絶縁層2からなる絶縁被覆が、以下に説明するノンハロゲン難燃性樹脂組成物(以下単に難燃性樹脂組成物という)で形成されて本発明の電線・ケーブルとされる。
この難燃性樹脂組成物は、密度0.880g/cm3以上のエチレン−α−オレフィン50〜70質量部と、密度0.950g/cm3以上のポリエチレンが30〜50質量部とからなるベースポリマに、金属水酸化物および架橋剤(ビニルシラン)が添加されており、ベースポリマ100質量部に対して、金属水酸化物が100質量部以上260質量部以下含まれているものである。
本発明においては、柔軟で伸びの大きなエチレン−α−オレフィンに結晶性の高い高密度ポリエチレンを物理的架橋点としてブレンドすることで耐油性を改善し、しかも柔軟な樹脂組成物とし、その上で樹脂組成物中に金属水酸化物からなる難燃剤を添加することで難燃性を付与した難燃性樹脂組成物としたものである。
更に、ベースとなるエチレン−α−オレフィンとポリエチレンをシラングラフトしておき、成形後にシラン架橋させたときのキシレン抽出によるゲル分率を80%以上とすることで200℃のホットセット特性を満足するシラン架橋ノンハロゲン難燃性樹脂組成物が得られる。
また、添加する金属水酸化物の表面にシラン処理しておくことにより、ベースポリマと金属水酸化物の界面を強固に結合させることで耐油性を更に向上することができる。
また、難燃性樹脂組成物のシラン架橋では、シラングラフトされたベースポリマと難燃剤とからなる難燃コンパウンドとシラン縮合反応を促進する触媒を高濃度に配合した触媒マスターバッチとの混合が一般に行われており、電線・ケーブル被覆用としてはケーブル被覆時に押出機により混練押出により混合される。
この作業において、触媒マスターバッチのポリマの融点が140℃以上160℃未満のポリプロピレンと軟化点140℃以上160℃未満の低分子量プロピレンワックスで構成されたものにすることで、触媒の分散を向上し、ケーブル表面の部分架橋によるツブの発生を防止できる。
触媒マスターバッチのポリマの融点を規定したのは、融点140℃未満の材料では早期に触媒がコンパウンド中に分散してしまい、部分架橋によるツブが多くなるためであり、160℃を超えると触媒の分散が悪くなり、架橋が局所的に起こりツブまたは被覆の不連続が発生するためである。
また、プロピレンワックスを混合したのは、ポリプロピレンだけでは分散が悪くヤケが発生するが、分子量の低いプロピレンワックスを混合することで分散を助けツブを防止できるためであり、粘度を規定したのは2000mPa・s(@140℃)を超える粘度では分散低下によるツブが発生するためである。
ポリプロピレンとプロピレンワックスの配合比を規定したのは、ポリプロピレンが30質量部未満では粘度が低すぎて触媒マスターバッチの混練ができないためであり、70質量部を超えると分散が悪くヤケが発生するためである。
エチレン−α−オレフィンの密度を0.880〜0.895g/cm3に規定することで結晶性が低く、ケーブルにしたときに柔軟な感触を与えられる。0.880g/cm3未満になると耐油性の低下が大きくなり、0.895g/cm3を超えると硬くなるため規定の範囲が好ましい。更にはエチレン−α−オレフインのメルトフローレート2〜4g/10minのものを選択することで難燃剤を高充填したときの伸び低下を抑制できるためより好ましい。
ポリエチレンの密度を0.950〜0.960g/cm3に規定したのは、耐油性に優れるためであり、0.950g/cm3未満になると耐油性が低下し、0.960g/cm3を超えると伸びが低下するため規定範囲が好ましい。
ベースポリマ100質量部において、先述の範囲にあるエチレン−α−オレフィン50〜70質量部と高密度ポリエチレン30〜50質量部の組成とすることで耐油性に優れたベースポリマを得ることができる。
エチレン−α−オレフィンとポリエチレンの配合比率を規定したのは、エチレン−α−オレフィンが50質量部未満では伸びが低下し、70質量部を超えると耐油性が低下するためである。
更に金属水酸化物を100〜260質量部添加することで、電線・ケーブルにしたときの難燃性を満足することができる。
エチレン−α−オレフィンとしては、エチレン−1−ヘキセン共重合体、エチレン−1−ブテン共重合体、エチレン−4−メチル−1−ペンテン共重合体、エチレン−1−オクテン共重合体、エチレン−1−ブテン−1−ヘキセン共重合体、エチレン−1−ブテン−4−メチル−1−ペンテン共重合体、エチレン−1−ブテン−1−オクテン共重合体等があげられる。
また、シラングラフトポリマは、上記ベースポリマ100質量部に対しシラン2〜4質量部とラジカル発生剤を高温混練することで得られる。シランとしてはビニルトリエトキシシラン、ビニルトリメトキシシラン、3−メタクリロキシプロピルトリエトキシシラン、3−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン等があげられる。
シラングラフトポリマの脱水縮合反応は、シラノール縮合触媒の併用により行い、触媒としては、ジブチル錫ジラウレート、ジブチル錫ジオレート、ジブチル錫ジアセテート、テトラブチルチタネート、オクタン酸第一錫等があげられる。
添加量は押出条件、その後の架橋条件により最適量が異なるために規定することは困難だが、経験的にはシラングラフトポリマ100質量部あたり0(無添加)〜0.01質量部であるのが好ましい。
尚、シラノール縮合触媒を含有する触媒マスターバッチと、エチレン−α−オレフィンとポリエチレンをシラングラフトさせた難燃コンパウンドとの混合比(難燃コンパウンド:触媒マスターバッチ)は、20:1〜25:1であるのが好ましく、触媒マスターバッチ比率が増すと、非架橋成分が増すため架橋度の目安であるゲル分率が低下し、その結果ホットセット特性が悪化する。逆に触媒マスターバッチ比率が低下すると、触媒マスターバッチ中の触媒濃度を上げる必要があるため、部分的な架橋が促進し、ツブの発生元となるため好ましくない。
難燃剤は、ノンハロゲンである金属水酸化物から選択され、実用的には水酸化アルミニウム、水酸化マグネシウムから選ばれるが、難燃剤混練後の加工温度が180℃を超えるような場合、水酸化アルミニウムでは分解による水の放出により架橋が進行するため、水酸化マグネシウムを選択するのが良い。
尚、難燃剤の表面が未処理では吸着水分により、シラングラフトポリマと混練したときに部分架橋が進行するため、脂肪酸、シランの何れかで処理されたものが良い。しかしながら脂肪酸処理された難燃剤だけでは脂肪酸がシラングラフトポリマの縮合触媒としてシラン縮合が進み粘度の増加と押出時にツブが発生するため、シラン処理された難燃剤と併用またはシラン処理された難燃剤単独での使用が好ましい。しかし、シラン処理された難燃剤単独では難燃剤とポリマの密着が強まり、伸びが低下するため、脂肪酸とシランの両方で処理された難燃剤の使用がより好ましい。例としてマグシーズS−4(神島化学製)があげられる。
上述した難燃コンパウンドと触媒マスターバッチを混練して得られた難燃性樹脂組成物を最外層の被覆層として、シース層3や絶縁層2として押し出し被覆することで、図1〜図3で説明した電線・ケーブルが構成される。
本発明の実施例1〜11と比較例1〜3を表1に示す。
表中の難燃コンパウンドにおいて、二軸型ラボプラストミル(20mEXT、L/D:32、東洋精機製)で、温度200℃にてベースポリマとジクミルパーオキサイド、シランを混合してグラフト処理(滞留時間:4〜5分)にてシラングラフトポリマを作製した。
その後、触媒マスターバッチを除く材料を150℃に熱したロールでシラングラフトポリマに混合させた後、シリンダー温度110〜180℃の押出機内(40mm押出機(L/D:25)で押し出しながら、これにフルフライトスクリュ(圧縮比:2.0)で、触媒マスターバッチと混合させたものを、図1で説明したケーブル10のシース層3の形状に成形して押し出したのち、そのケーブル10を、70℃×12hスチーム雰囲気中で架橋させた。
このシース層3のサンプルを用い以下の特性を評価した。
尚、ケーブル10の絶縁層2は、EVOLUE SP2030(低密度ポリエチレン@プライムポリマ製)を、素線径φ0.78mmの撚り合わせ導体1上に肉厚1.2mmに被覆した後に、電子線照射(5Mrad)を施したものを準備しておき、その上層に表1に示す実施例、比較例の材料からなる難燃性樹脂組成物を肉厚0.8mmのシース層として被覆した。
実施例と比較例のケーブル構造は、図1の形状のものを選択したが、他にも導体1の外周に絶縁層2が設けられた電線を複数本撚り合わせてなるケーブル20、30のシース層3(図2、3)、または光ファイバケーブル上のシース層、電線の絶縁体としても可能である。
下記特性の評価はケーブルよりシース層のみを剥離し実施した。
(1)ゲル分率(架橋度)は、JISC3005に記載された条件で行った。110℃に加熱したキシレン中で架橋した難燃性樹脂組成物を溶解し、初期質量に対する残留物の質量割合をゲル分率(%)とした。
(2)ホットセット特性は、図1のケーブル形状で導体を引き抜いた管状サンプルに調整し、IEC60811−2−1に従い評価した。試験は200℃の高温雰囲気下で管状サンプルに荷重を加えたときの伸びと、荷重除去後の永久伸びを測定し、荷重を加えたときの伸びが100%以下であり、かつ永久伸びが25%以下であるものを合格、それ以外を不合格とした。
(3)引張試験は、JISC3005に準拠し、難燃性樹脂組成物で作製した厚さ1mmのシート状のサンプルを用い、200mm/minの速度で引張試験を実施した。初期の引張強さは10.5MPa以上、伸びは140%以上を合格とした。
(4)耐熱性は、引張試験に用いたサンプルと同じサンプルをJISC3005に準拠して、恒温槽内に150℃×168h暴露処理後に所定の条件で冷却し、引張試験を行い、引張強さ、伸びの残率70%以上を合格とした。
(5)耐油性は、JISC3005に準拠して、引張試験に用いたサンプルと同じサンプルを100℃に加熱したIRM902試験油中に96h浸漬したのちに油を拭き取り、室温で4h冷却した後に引張試験を行い、引張強さ、伸びの残率50%以上を合格とした。
(6)難燃性は、図1のケーブル形状でJISC3665−1−2に従い垂直難燃試験を評価し、合格を○、不合格を×とした。
(7)押出外観は、シース層を押出したときのシース層の表面のツブの有無を目視で判断し、1mm以上のツブのあるものを×、1mm未満のツブを○、ツブのないものを◎とした。
実施例1〜11、比較例1〜3に用いた試料を以下に示す。
(難燃コンパウンド)
ベースポリマ;
エチレン−α−オレフィンA:密度:0.885g/cm3、MFR:3.6g/10min、タフマー4085S(三井化学製)
エチレン−α−オレフィンB:密度:0.870g/cm3、MPR:3.6g/10min、タフマー4070S(三井化学製)
エチレン−α−オレフィンC:密度:0.893g/cm3、MFR:3.6g/10min、タフマー4090S(三井化学製)
ポリエチレンA:密度:0.951g/cm3、MFR:0.8g/10min、ハイゼックス5305E(プライムポリマ製)
ポリエチレンВ:密度:0.944g/cm3、MFR:0.4g/10min、エボリューSP4005(プライムポリマ製)
ポリエチレンC:密度:0.956g/cm3、MFR:0.38g/10min、ハイゼックス530M(プライムポリマ製)
なお、上記の密度は、ASTM D 1505に準拠した測定によって得られたものである。
シラン;トリメトキシビニルシラン
ラジカル発生剤;ジクミルパーオキサイド
難燃剤;
水酸化マグネシウムA:平均粒子径:0.8μm、シラン処理、マグシーズS−4(神島化学製)
水酸化マグネシウムB:平均粒子径:0.8μm、脂肪酸処理、マグシーズN−4(神島化学製)
酸化防止剤;
酸化防止剤A:フェノール系酸化防止剤
酸化防止剤B:イオウ系酸化防止剤
ベースポリマ;
エチレン−α−オレフィンA:密度:0.885g/cm3、MFR:3.6g/10min、タフマー4085S(三井化学製)
エチレン−α−オレフィンB:密度:0.870g/cm3、MPR:3.6g/10min、タフマー4070S(三井化学製)
エチレン−α−オレフィンC:密度:0.893g/cm3、MFR:3.6g/10min、タフマー4090S(三井化学製)
ポリエチレンA:密度:0.951g/cm3、MFR:0.8g/10min、ハイゼックス5305E(プライムポリマ製)
ポリエチレンВ:密度:0.944g/cm3、MFR:0.4g/10min、エボリューSP4005(プライムポリマ製)
ポリエチレンC:密度:0.956g/cm3、MFR:0.38g/10min、ハイゼックス530M(プライムポリマ製)
なお、上記の密度は、ASTM D 1505に準拠した測定によって得られたものである。
シラン;トリメトキシビニルシラン
ラジカル発生剤;ジクミルパーオキサイド
難燃剤;
水酸化マグネシウムA:平均粒子径:0.8μm、シラン処理、マグシーズS−4(神島化学製)
水酸化マグネシウムB:平均粒子径:0.8μm、脂肪酸処理、マグシーズN−4(神島化学製)
酸化防止剤;
酸化防止剤A:フェノール系酸化防止剤
酸化防止剤B:イオウ系酸化防止剤
(触媒マスターバッチ)
ポリマ;
ポリプロピレンA:融点145℃(日本ポリプロ製)
ポリプロピレンB:融点157℃(プライムポリマ製)
プロピレンワックスA:軟化点:145℃、粘度70mPa・s、ビスコール660−P(三洋化成製)
プロピレンワックスB:軟化点153℃、粘度2000mPa・s、ビスコール440−P(三洋化成製)
シラノール縮合触媒;ジブチル錫ジラウレート
上記の配合に必要に応じて、着色剤、滑剤などを添加しても構わない。
ポリマ;
ポリプロピレンA:融点145℃(日本ポリプロ製)
ポリプロピレンB:融点157℃(プライムポリマ製)
プロピレンワックスA:軟化点:145℃、粘度70mPa・s、ビスコール660−P(三洋化成製)
プロピレンワックスB:軟化点153℃、粘度2000mPa・s、ビスコール440−P(三洋化成製)
シラノール縮合触媒;ジブチル錫ジラウレート
上記の配合に必要に応じて、着色剤、滑剤などを添加しても構わない。
表1より、実施例1〜11は、ホットセット特性、引張試験、耐熱性、耐油性、難燃性、押出外観の全て目標とする特性を満足した。
比較例1は、難燃剤が90質量部で規定値(100質量部)未満のものであり規定値未満では難燃性が低下したことがわかる。
比較例2は、0.870g/cm3のエチレン−α−オレフィンBを用いたものである。規定値(0.880g/cm3)未満では耐油時の伸びが低下してしまう。
比較例3は、密度0.944g/cm3のポリエチレンBを用いたものである。規定値(0.950g/cm3)未満では耐油時の伸びが低下してしまう。
以上のことから、柔軟で伸びの大きなエチレン−α−オレフィンに結晶性の高い高密度ポリエチレンを物理的架橋点としてブレンドすることで耐油性を改善することができる。この際、エチレン−α−オレフィンの密度を0.880g/cm3以上に規定することで結晶性が低く、ケーブルにしたときに柔軟な感触を与えられる。またポリエチレンの密度を0.950g/cm3以上に規定することで、耐油性に優れたものとすることができ、これにより太陽光発電用電力ケーブルとしての機能を満足させることが可能となる。
1 導体
3 シース層
3 シース層
Claims (6)
- 密度0.880g/cm3以上のエチレン−α−オレフィン50〜70質量部と、密度0.950g/cm3以上のポリエチレンが30〜50質量部とからなるベースポリマに、金属水酸化物およびビニルシランが添加されており、前記ベースポリマ100質量部に対して、前記金属水酸化物が100質量部以上添加されたことを特徴とする難燃性樹脂組成物。
- エチレン−α−オレフィンの密度が0.880g/cm3以上0.895g/cm3以下であり、ポリエチレンの密度が0.950g/cm3以上0.960g/cm3以下であり、金属水酸化物が100質量部以上260質量部以下含まれている請求項1に記載の難燃性樹脂組成物。
- 前記ベースポリマがシラングラフトされており、シラン架橋させた後のゲル分率が80%以上である請求項1又は2に記載の難燃性樹脂組成物。
- シラノール縮合触媒とポリマとを混合してなる触媒マスターバッチをさらに含み、前記触媒マスターバッチの前記ポリマが、融点135℃以上160℃未満のポリプロピレン30〜50質量部と、軟化点140℃以上160℃未満のプロピレンワックス50〜70質量部からからなり、前記ベースポリマをシラングラフトさせた難燃コンパウンドに対して、前記触媒マスターバッチの混合比が20:1〜25:1である請求項3に記載の難燃性樹脂組成物。
- 請求項1〜4のいずれか1項に記載の難燃性樹脂組成物を、絶縁層に用いたことを特徴とする電線。
- 請求項1〜4のいずれか1項に記載の難燃性樹脂組成物を、シース層に用いたことを特徴とするケーブル。
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