JP2014110735A - すり板の局部摩耗検出装置とその局部摩耗検出プログラム - Google Patents

すり板の局部摩耗検出装置とその局部摩耗検出プログラム Download PDF

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Abstract

【課題】すり板の局部摩耗の発生を早期に検出することができるすり板の局部摩耗検出装置とその局部摩耗検出プログラムを提供する。
【解決手段】左右偏位周期演算部10gは、トロリ線の径間長と車両の走行速度とに基づいて、すり板に対してトロリ線が左右方向に偏位する左右偏位周期を演算する。離線発生周期演算部10hは、離線検出装置9A,9Bが出力する離線検出情報の発生タイミングを測定して、トロリ線とすり板とが離れる離線が発生する離線発生周期を演算する。局部摩耗判定部10iは、トロリ線とすり板とが離れる離線が発生する離線発生周期に基づいて、このすり板の局部摩耗の有無を判定する。局部摩耗判定部10iは、左右偏位周期演算部10gが演算する左右偏位周期と離線発生周期演算部10hが演算する離線発生周期とが一致するときには、すり板に局部摩耗が発生していると判定する。
【選択図】図3

Description

この発明は、トロリ線と摺動するすり板に発生する局部摩耗を検出するすり板の局部摩耗検出装置とその局部摩耗検出プログラムに関する。
従来のすり板の局部摩耗検出装置は、車両基地の入口に設置されてこの車両基地に入線する電車の集電装置のすり板の表面を連続的に測定するビームセンサと、このビームセンサを駆動するスライダ機構と、ビームセンサからの出力信号に基づいてすり板の表面形状データを生成する情報処理端末手段などを備えている(例えば、特許文献1参照)。このような従来のすり板の局部摩耗検出装置では、ビームセンサからの出力信号に基づいて生成したすり板の表面形状データと予め格納された設計データとを情報処理端末手段が比較して、この情報処理端末手段がすり板の摩耗量を演算している。
特開2010-136563号公報
従来のすり板の局部摩耗検出装置では、検出精度が低いためすり板の局部摩耗がかなり進行しないと、このすり板の局部摩耗を検出することができない問題点がある。また、従来のすり板の局部摩耗検出装置では、車両基地内のビームセンサの下を車両が通過しない限り、すり板の局部摩耗を検出することができない。このため、従来のすり板の局部摩耗検出装置では、すり板の局部摩耗が発生する初期の段階でこのすり板の局部摩耗を発見することができず、車両基地の入口を車両が通過する前にすり板の局部摩耗が急激に進展したときには、このような局部摩耗を検出することができない問題点がある。さらに、従来のすり板の局部摩耗検出装置では、車両基地内の全ての線路上にビームセンサなどを設置するとコストが高くなるため、車両基地内の一部の線路上にのみビームセンサなどを設置している。このため、従来のすり板の局部摩耗検出装置では、ビームセンサなどが設置されていない線路上を電車が走行するときには、この電車のすり板の局部摩耗を検出することができない問題点がある。
この発明の課題は、すり板の局部摩耗の発生を早期に検出することができるすり板の局部摩耗検出装置とその局部摩耗検出プログラムを提供することである。
この発明は、以下に記載するような解決手段により、前記課題を解決する。
なお、この発明の実施形態に対応する符号を付して説明するが、この実施形態に限定するものではない。
請求項1の発明は、図2、図3及び図5に示すように、トロリ線(1a)と摺動するすり板(5f)に発生する局部摩耗(W)を検出するすり板の局部摩耗検出装置であって、前記トロリ線と前記すり板とが離れる離線が発生する離線発生周期(T2,T2')に基づいて、このすり板の局部摩耗の有無を判定する局部摩耗判定部(10i)を備えることを備えるすり板の局部摩耗検出装置(10)である。
請求項2の発明は、請求項1に記載のすり板の局部摩耗検出装置において、図5に示すように、前記局部摩耗判定部は、前記すり板に対して前記トロリ線が左右方向に偏位する左右偏位周期(T1)と前記離線発生周期とに基づいて、前記すり板の局部摩耗の有無を判定することを特徴とするすり板の局部摩耗検出装置である。
請求項3の発明は、請求項2に記載のすり板の局部摩耗検出装置において、前記局部摩耗判定部は、前記離線発生周期と前記左右偏位周期とが一致するときには、前記すり板に局部摩耗が発生していると判定することを特徴とするすり板の局部摩耗検出装置である。
請求項4の発明は、請求項2又は請求項3に記載のすり板の局部摩耗検出装置において、図1及び図3〜図5に示すように、前記トロリ線が支持される支持点(P)間の距離である径間長(L)と車両(4)の走行速度(V)とに基づいて、前記左右偏位周期を演算する左右偏位周期演算部(10g)と、前記トロリ線から前記すり板を通じて流れる電流に基づいて、前記離線発生周期を演算する離線発生周期演算部(10h)とを備えることを特徴とするすり板の局部摩耗検出装置である。
請求項5の発明は、請求項2から請求項4までのいずれか1項に記載のすり板の局部摩耗検出装置において、図1及び図3〜図5に示すように、前記トロリ線が支持される支持点(P)間の距離である径間長(L)と車両(4)の走行速度(V)とに基づいて、前記左右偏位周期を演算する左右偏位周期演算部(10g)と、前記トロリ線と前記すり板とが離線するときに発生するアーク(A)に基づいて、前記離線発生周期を演算する離線発生周期演算部(10h)とを備えることを特徴とするすり板の局部摩耗検出装置である。
請求項6の発明は、請求項4又は請求項5に記載のすり板の局部摩耗検出装置において、前記局部摩耗判定部は、前記離線発生周期演算部の演算結果と前記左右偏位周期演算部の演算結果とに基づいて、前記すり板の局部摩耗の有無を判定することを特徴とするすり板の局部摩耗検出装置である。
請求項7の発明は、図2、図5及び図6に示すように、トロリ線(1a)と摺動するすり板(5f)に発生する局部摩耗(W)を検出するすり板の局部摩耗検出プログラムであって、前記トロリ線と前記すり板とが離れる離線が発生する離線発生周期(T2,T2')に基づいて、このすり板の局部摩耗の有無を判定する局部摩耗判定手順(S150,S160)をコンピュータ(10m)に実行させることを特徴とするすり板の局部摩耗検出プログラムである。
請求項8の発明は、請求項7に記載のすり板の局部摩耗検出プログラムにおいて、図5及び図6に示すように、前記局部摩耗判定手順は、前記すり板に対して前記トロリ線が左右方向に偏位する左右偏位周期(T1)と前記離線発生周期とに基づいて、前記すり板の局部摩耗の有無を判定する手順を含むことを特徴とするすり板の局部摩耗検出プログラムである。
請求項9の発明は、請求項8に記載のすり板の局部摩耗検出プログラムにおいて、図5及び図6に示すように、前記局部摩耗判定手順は、前記離線発生周期と前記左右偏位周期とが一致するときには、前記すり板に局部摩耗が発生していると判定する手順(S160)を含むことを特徴とするすり板の局部摩耗検出プログラムである。
請求項10の発明は、請求項8又は請求項9に記載のすり板の局部摩耗検出プログラムにおいて、図1及び図3〜図6に示すように、前記トロリ線が支持される支持点(P)間の距離である径間長(L)と車両(4)の走行速度(V)とに基づいて、前記左右偏位周期を演算する左右偏位周期演算手順(3120)と、前記トロリ線から前記すり板を通じて流れる電流に基づいて、前記離線発生周期を演算する離線発生周期演算手順(S140)とを含むことを特徴とするすり板の局部摩耗検出プログラムである。
請求項11の発明は、請求項8から請求項9までのいずれか1項に記載のすり板の局部摩耗検出プログラムにおいて、図1及び図3〜図6に示すように、前記トロリ線が支持される支持点間の距離である径間長と車両の走行速度とに基づいて、前記左右偏位周期を演算する左右偏位周期演算手順と、前記トロリ線と前記すり板とが離線するときに発生するアーク(A)に基づいて、前記離線発生周期を演算する離線発生周期演算手順(S140)とを含むことを特徴とするすり板の局部摩耗検出プログラムである。
請求項12の発明は、請求項10又は請求項11に記載のすり板の局部摩耗検出プログラムにおいて、前記局部摩耗判定手順は、前記離線発生周期演算手順における演算結果と前記左右偏位周期演算手順における演算結果とに基づいて、前記すり板の局部摩耗の有無を判定する手順を含むことを特徴とするすり板の局部摩耗検出プログラムである。
この発明によると、すり板の局部摩耗の発生を早期に検出することができる。
この発明の実施形態に係るすり板の局部摩耗検出装置を備える車両を模式的に示す構成図である。 この発明の実施形態に係るすり板の局部摩耗検出装置によって検出されるすり板の局部摩耗の発生状況を模式的に示す正面図であり、(A)は局部摩耗の発生前の状況を示す正面図であり、(B)は局部摩耗の発生後の状況を示す正面図である。 この発明の実施形態に係るすり板の局部摩耗検出装置を模式的に示す構成図である。 この発明の実施形態に係るすり板の局部摩耗検出装置の左右偏位周期演算部による演算処理を説明するための平面図である。 この発明の実施形態に係るすり板の局部摩耗検出装置の離線発生周期演算部の演算手順について直線区間をすり板が一定速度で移動する場合を例に挙げて説明するための平面図である。 この発明の実施形態に係るすり板の局部摩耗検出装置の動作を説明するためのフローチャートである。
以下、図面を参照して、この発明の実施形態について詳しく説明する。
図1に示す架線1は、線路上空に架設される架空電車線である。架線1は、所定の間隔をあけて架線支持装置2によって支持点Pで支持されている。図1に示す架線1は、トロリ線1aと、ちょう架線1bと、ハンガイヤー1cなどを備えるシンプルカテナリ式ちょう架方式の架線である。架線1は、トロリ線1a及びちょう架線1bの径間長(径間)Lが所定の長さ(例えば45〜50m程度)になるように架線支持装置2によって支持されている。ここで、径間長Lとは、トロリ線1aが支持される支持点P間の距離である。
図1、図2及び図4に示すトロリ線1aは、集電装置5のすり板5fが接触する電線である。トロリ線1aは、すり板5fが摺動(接触移動)することによって車両4に負荷電流を供給する。トロリ線1aは、例えば、材質が硬銅又は銀若しくはすずなどを僅かに含有する銅合金であり、鋼線を銅で被覆した複合トロリ線(CSトロリ線)、鋼心をアルミニウムで被覆した複合トロリ線(TAトロリ線)、又は大きな引張強さと高い導電率を有する銅合金トロリ線でCr,Zr,Siを僅かに含有する銅合金を熱処理することによって特性を向上させたクロム・ジルコニウム系高強度銅合金トロリ(PHCトロリ線)などである。
図1に示すちょう架線1bは、トロリ線1aを支持する線条(撚線)である。ちょう架線1bは、トロリ線1aの重量による弛み(弛度)が小さくなるようにこのトロリ線1aを吊るして水平に保持する。ハンガイヤー1cは、トロリ線1aをちょう架線1bに吊り下げる架線金具(電車線金具)である。ハンガイヤー1cは、トロリ線1aの高さを略一定に保持するようにこのトロリ線1aの長さ方向に所定の間隔をあけて配置されている。
図1及び図2に示す架線支持装置2は、架線1を支持する装置である。架線支持装置2は、図1及び図4に示すように、トロリ線1a及びちょう架線1bを支持しており、図2及び図4に示すようにトロリ線1aにトロリ線偏位Δを付与している。ここで、トロリ線偏位Δとは、図1に示す軌道3の左右のレール3aの上面に対して垂直な軌道中心面と図4に示すトロリ線1aとの間の最短距離であり、図2及び図4に示す集電装置5のすり板5fが左右方向に平均的に摩耗して、このすり板5fの同一箇所をトロリ線1aが摺動しないように、トロリ線1aの数径間周期で付与されるジグザグ偏位(左右偏位)である。トロリ線偏位Δは、普通鉄道の場合には250mm以内に設定されており、新幹線の場合には300mm以内に設定されている。架線支持装置2は、図4に示すように、左右交互にトロリ線1aが偏位するように、このトロリ線1aを外側に引っ張る曲線引金具、又はトロリ線1aの振動を抑えてこのトロリ線1aを支持する振止金具などの架線金具である。
図1に示す軌道3は、車両4が走行する通路(線路)である。軌道3は、車両4の車輪4dが転がり接触する左右一対のレール3aを備えている。車両4は、軌道3に沿って走行する移動体である。車両4は、例えば、電車又は電気機関車などの電気車(鉄道車両)である。車両4は、車体4aと、屋根上面4bと、台車4cなどを備えている。車体4aは、乗客又は貨物などの搭載物を積載し輸送するための構造物であり、屋根上面4bは集電装置5及び離線検出装置9Bなどの屋根上機器が設置される部分である。台車4cは、車体4aを支持して走行する装置であり車輪4dなどを備えている。
図1及び図2に示す集電装置(パンタグラフ)5は、架線1のトロリ線1aから電力を車両4に導くための装置である。集電装置5は、図1に示す台枠5aと、碍子(がいし)5bと、枠組5cと、図1及び図2に示す集電舟(舟体)5dと、ホーン5eと、すり板5fなどを備えている。集電装置5は、架線1のトロリ線1aと摺動するすり板5fによってこのトロリ線1aから集電する。図1に示す集電装置5は、車両4の進行方向に対して非対称であり、一方向又は両方向に使用可能なシングルアーム式パンタグラフである。
図1に示す台枠5aは、枠組5cを支持して車体4aの屋根上に設置される部材であり、碍子5b上に設置されている。碍子5bは、車体4aと台枠5aとの間を電気的に絶縁する部材である。枠組5cは、集電舟5dを支持する部材であり、集電舟5dを支持した状態で上下方向に動作可能なリンク機構である。枠組5cは、台枠5aに取り付けられて上昇力を付与する主ばね(押上げ用ばね)によって上方に押上げられている。図1及び図2に示す集電舟5dは、すり板5fを取り付けて支持する部材である。集電舟5dは、図2に示すように、一般にトロリ線1aと直交する方向(まくらぎ方向)に伸びた細長い金属製の柱状部材である。図1及び図2に示すホーン5eは、車両4が分岐器を通過するときに、この分岐器の上方で交差する2本のトロリ線1aのうち車両4の進行方向とは異なる方向のトロリ線1aへの割込みを防止するための部材である。ホーン5eは、図2に示すように、集電舟5dの長さ方向の両端部から突出しており、先端部が湾曲して形成された金属製の部材である。
図1及び図2に示すすり板5fは、トロリ線1aと摺動する部材である。すり板5fは、図2に示すように、車両4の進行方向と直交する方向に伸びた金属製又は炭素製の板状部材である。すり板5fは、集電舟5dとは別個に製造される別部品であり、この集電舟5dと一体に取り付けられている。すり板5fは、トロリ線1aと接触移動(摺動)して大電流が流れるため、一定の機械的強度、導電性及び耐摩耗性などが要求される。すり板5fは、車両4が本線走行時に主にトロリ線1aと摺動する主すり板として機能するすり板片であり、このすり板片を複数並べた状態で配置されている。すり板5fは、例えば、外観形状が略平行四辺形の薄板状部材であり、集電舟5dの中央部に取り付けられている。すり板5fは、図4に示すように、集電舟5dの進行する方向(すり板5fの長さ方向と直交する方向)に対して所定の傾斜角度で両端部が斜めに直線状に切断されている。すり板5fは、例えば、カーボン(炭素)を主原料とするカーボン系すり板、鉄又は銅などを主成分とする焼結合金すり板である。
図2(B)に示す局部摩耗Wは、すり板5fの摺動面に発生する局所的な摩耗である。局部摩耗Wは、すり板5fの摺動面の同一箇所でトロリ線1aと摺動が続いたときに、この箇所のみですり板5fの摩耗が進行してこのすり板5fに発生する凹状の摩耗(段付き摩耗)である。局部摩耗Wは、トロリ線1aとすり板5fとが離れる離線が発生したときに、このトロリ線1aとこのすり板5fとの間にアークAが発生し、このアークAの発生によってすり板5fの摺動面に形成される。局部摩耗Wは、すり板5fが摩耗するときにある部位の摩耗だけが特に早く進行し、一旦すり板5fに発生すると成長してすり板5fの寿命を短くする。
図1に示す主回路装置6は、車両4を駆動するために必要な電気機器を接続した電気回路である。主回路装置6は、例えば、車両4が直流電車の場合には、集電装置5から導かれるトロリ線1aの直流電流を開閉する遮断器と、車両4の車輪4dを回転駆動する駆動力を発生する主電動機と、遮断器からの直流電流を交流電流に変換して主電動機を駆動するインバータ装置などを備えている。主回路装置6は、例えば、車両4が交流電車の場合には、集電装置5から導かれるトロリ線1aの交流電流を開閉する遮断器と、車両4の車輪4dを回転駆動する駆動力を発生する主電動機と、遮断器からの交流電流を一旦直流電流に変換するコンバータと、コンバータが出力する直流電流を交流電流に変換して主電動機を駆動するインバータ装置などを備えている。
通電部7は、集電装置5から主回路装置6に電流を流す部材である。通電部7は、例えば、電力供給のための絶縁された電線又は導体などの母線である。通電部7は、集電装置5の枠組5cから主回路装置6の遮断器まで引き通されてこれらを電気的に接続しており、トロリ線1aからすり板5fを通じて主回路装置6に電力を供給する。
図1及び図3に示す走行速度検出装置8は、車両4の速度を検出する装置である。走行速度検出装置8は、図1に示すように、車両4の車輪4dの回転を検出して、この車輪4dの回転数に応じたパルス信号を発生する速度発電機などの速度計である。走行速度検出装置8は、例えば、車両4の車輪4dの1回転毎に所定数のパルス信号(距離パルス信号)を発生してこの車輪4dの回転数を検出し、この検出結果を走行速度検出情報(走行速度検出信号)として局部摩耗検出装置10に出力する。走行速度検出装置8は、図1に示す矢印方向(例えば上り方向)に車両4が走行する場合と、この矢印方向とは反対方向(下り方向)にこの車両4が走行する場合とを区別可能なように、車両4の車輪4dの回転方向(車両4の進行方向)に対応するパルス信号を発生する。走行速度検出装置8は、車両4の車輪4dの回転方向を検出し、この検出結果を進行方向情報として走行速度検出情報と対応させて局部摩耗検出装置10に出力する。
図1及び図3に示す離線検出装置9A,9Bは、トロリ線1aとすり板5fとが離れる離線を検出する装置である。離線検出装置9A,9Bは、図1に示すように、車両4に搭載された状態でこの車両4とともに軌道3上を移動して、リアルタイムで離線を検出する。離線検出装置9Aは、トロリ線1aからすり板5fを通じて流れる電流が離線発生中にゼロになるのを検出する電流式離線検出装置である。離線検出装置9Aは、例えば、通電部7を流れる電流による磁界を測定することによって離線の発生を検出するクランプメータなどの架線電流計である。離線検出装置9Aは、一編成に複数の集電装置5が存在する場合にはそれぞれの集電装置5のすり板5fを通じてトロリ線1aから流れる電流を検出する。離線検出装置9Aは、例えば、一編成に2つ集電装置5が存在する場合には、一方の集電装置5のすり板5fにトロリ線1aから流れる電流の低下を検出し、他方の集電装置5のすり板5fにトロリ線1aから流れる電流の増加を検出することによって離線を検出する。離線検出装置9Bは、離線発生時に発生するアークAの光を検出する光学式離線検出装置である。離線検出装置9Bは、例えば、太陽光を遮断してアークAの光に含まれる紫外線成分を検出して離線を検出する紫外線検出式の撮影装置のような離線センサである。離線検出装置9Bは、一編成に1つの集電装置5のみが存在する場合には、離線が発生してもすり板5fを通じてトロリ線1aから電流が流れることがあるため、離線検出装置9Aを補完するために車両4に搭載されてアークAを検出する。離線検出装置9A,9Bは、離線を検出してこの検出結果を離線検出情報(離線検出信号)として局部摩耗検出装置10に出力する。
図1及び図3に示す局部摩耗検出装置10は、トロリ線1aと摺動するすり板5fに発生する局部摩耗Wを検出する装置である。局部摩耗検出装置10は、車両4に搭載された状態でこの車両4とともに軌道3上を移動し、トロリ線1aにすり板5fが摺動するときに発生する局部摩耗Wをリアルタイムで検出する。局部摩耗検出装置10は、トロリ線1aが左右方向に往復動作するタイミングと、トロリ線1aとすり板5fとの間に離線が発生するタイミングとを、走行速度検出装置8及び離線検出装置9A,9Bを使用することによって検出して局部摩耗Wを検出する。局部摩耗検出装置10は、図3に示すように、信号入力部10aと、現在位置検出部10bと、径間長情報記憶部10cと、径間長特定部10dと、トロリ線偏位方向情報記憶部10eと、トロリ線偏位方向特定部10fと、左右偏位周期演算部10gと、離線発生周期演算部10hと、局部摩耗判定部10iと、判定結果送信部10jと、プログラム記憶部10kと、制御部10mなどを備えている。
図3に示す信号入力部10aは、種々の信号を入力させる手段である。信号入力部10aには、走行速度検出装置8が出力する走行速度検出情報と、離線検出装置9A,9Bが出力する離線検出情報とが入力し、信号入力部10aはこれらの走行速度検出情報及び離線検出情報を制御部10mに出力する。
現在位置検出部10bは、車両4の現在位置を検出する手段である。現在位置検出部10bは、例えば、軌道3側の特定地点に設置された自動列車停止装置(ATS(Automatic Train Stop))のATS地上子との間で相互に情報を送受信するために車両4側に設置されたATS車上子と、このATS車上子からの信号を受信し起点(出発地点)からATS地上子までの距離を表す絶対位置情報(絶対位置信号)を出力するATS受信機と、ATS受信機が出力する絶対位置情報に基づいて車両4の絶対位置を検出し、次のATS地上子に車両4が到達するまでの間に走行速度検出装置8が出力するパルス信号(走行速度検出情報)を積算して車両4の現在位置を演算する演算部などを備えている。現在位置検出部10bは、走行速度検出装置8が出力する走行速度検出情報とATS受信機が出力する絶対位置情報とに基づいて、起点からの車両4の移動距離(走行距離)を演算し、車両4の現在位置を現在位置情報(現在位置信号)として制御部10mに出力する。
径間長情報記憶部10cは、トロリ線1aの径間長Lに関する情報を記憶する手段である。径間長情報記憶部10cは、図1及び図4に示すように、車両4が走行する軌道3上の架線1の径間長Lに関する情報を径間長情報として記憶する。径間長情報記憶部10cは、例えば、車両4が通過する各通過地点のトロリ線1aの径間長Lを径間長情報として記憶するメモリであり、各通過地点のトロリ線1aの径間長Lが変更されたような場合には変更後の径間長情報が書き込まれ記憶される。径間長情報記憶部10cは、例えば、軌道3上を走行しながら架線1を検査する電気計測車によって計測された径間長Lに関する情報を区間長情報として記憶する。
図3に示す径間長特定部10dは、車両4が現在走行している軌道3上のトロリ線1aの径間長Lを特定する手段である。径間長特定部10dは、信号入力部10aが出力する現在位置情報と径間長情報記憶部10cが記憶する径間長情報とに基づいて、図1及び図4に示すように車両4が現在走行している軌道3上のトロリ線1aの径間長Lを特定する。径間長特定部10dは、現在位置情報と径間長情報とを参照して、車両4の起点から現在位置までの距離と対応する径間長Lを径間長情報記憶部10cから読み出してこの径間長情報(径間長信号)を制御部10mに出力する。
図3に示すトロリ線偏位方向情報記憶部10eは、すり板5fに対するトロリ線1aの偏位方向に関する情報を記憶する手段である。トロリ線偏位方向情報記憶部10eは、すり板5fに対するトロリ線1aが偏位する方向(すり板5fに対するトロリ線1aの移動方向)を車両4の進行方向に応じてトロリ線偏位方向情報として記憶する。トロリ線偏位方向情報記憶部10eは、例えば、車両4が通過する各通過地点のトロリ線1aの偏位方向をトロリ線偏位方向情報として車両4の進行方向毎に記憶するメモリであり、各通過地点のトロリ線1aの偏位方向が変更されたような場合には変更後のトロリ線偏位方向情報が書き込まれ記憶される。トロリ線偏位方向情報記憶部10eは、例えば、図4に示す矢印方向(例えば上り方向)にすり板5fが移動するときには、このすり板5fの進行方向左側から進行方向右側に向かってトロリ線1aが移動するため、トロリ線偏位方向情報を左方向として記憶する。一方、トロリ線偏位方向情報記憶部10eは、例えば、図4に示す矢印方向とは反対方向(例えば下り方向)にすり板5fが移動するときには、このすり板5fの進行方向右側から進行方向左側に向かってトロリ線1aが移動するため、トロリ線移動方向情報を左方向として記憶する。
図3に示すトロリ線偏位方向特定部10fは、車両4が現在走行している軌道3上のトロリ線1aの偏位方向を特定する手段である。トロリ線偏位方向特定部10fは、信号入力部10aが出力する現在位置情報及び進行方向情報とトロリ線偏位方向情報記憶部10eが記憶するトロリ線偏位方向情報とに基づいて、図4に示すように車両4が現在走行している軌道3上のトロリ線1aの偏位方向を特定する。径間長特定部10dは、進行方向情報とトロリ線偏位方向情報とを参照して、車両4の起点から現在位置までの距離及び車両4の進行方向と対応するトロリ線1aの偏位方向をトロリ線偏位方向情報記憶部10eから読み出してこのトロリ線偏位方向情報(トロリ線偏位方向信号)を制御部10mに出力する。
図3に示す左右偏位周期演算部10gは、トロリ線1aの左右偏位周期T1を演算する手段である。ここで、左右偏位周期T1とは、図2及び図4に示すように、すり板5fに対してトロリ線1aが左右方向に偏位する周期であり、すり板5fの摺動面に対してトロリ線1aが左右方向に往復動作する周期である。左右偏位周期T1は、トロリ線1aの径間長L、車両4の走行速度V及びトロリ線1aの張られ方によって決定される。左右偏位周期演算部10gは、信号入力部10aが出力する現在位置情報と径間長特定部10dが特定した径間長情報とに基づいて、トロリ線1aの左右偏位周期T1を演算する。左右偏位周期演算部10gは、図4に示すように、トロリ線1aがジグザグに張られているときに車両4が直線的に走行していると仮定してトロリ線1aの左右偏位周期T1を演算する。左右偏位周期演算部10gは、車両4の走行速度V(m/s)であり、径間長L(m)であるときには、左右偏位周期T1を以下の数1によって演算する。
Figure 2014110735
左右偏位周期演算部10gは、トロリ線1aの径間長Lと車両4の走行速度Vとに基づいて左右偏位周期T1を演算し、この左右偏位周期T1を左右偏位周期情報(左右偏位周期信号)として制御部10mに出力する。
図3に示す離線発生周期演算部10hは、トロリ線1aとすり板5fとが離れる離線が発生する離線発生周期T2,T2'を演算する手段である。離線発生周期演算部10hは、信号入力部10aが出力する離線検出情報に基づいて離線発生周期T2,T2'を演算する。離線発生周期演算部10hは、離線検出装置9A,9Bが出力する離線検出情報の発生タイミングを測定して離線発生周期T2,T2'を特定する。離線発生周期演算部10hは、トロリ線1aからすり板5fを通じて流れる電流に基づいて離線発生周期T2,T2'を演算するとともに、トロリ線1aとすり板5fとが離線するときに発生するアークAに基づいて離線発生周期T2,T2'を演算する。離線発生周期演算部10hは、例えば、図5に示すように、すり板5fに対してトロリ線1aが左右方向に移動してトロリ線1aからすり板5fを通じて流れる電流がゼロになる時刻t1,…やアークAが発生する時刻t1,…から離線発生周期T2,T2'を特定する。離線発生周期演算部10hは、離線検出情報に基づいて離線発生周期T2,T2'を演算し、この離線発生周期T2,T2'を離線発生周期情報(離線発生周期信号)として制御部10mに出力する。離線発生周期演算部10hは、トロリ線偏位方向特定部10fが出力するトロリ線偏位方向情報に基づいて、トロリ線1aの偏位方向毎に離線発生周期T2,T2'を演算する。離線発生周期演算部10hは、例えば、図5に示すように、すり板5fに対してトロリ線1aがこのすり板5fの進行方向右側に偏位する時刻t1,t4,t7,t10,…の時間差(離線発生周期T2)を演算するとともに、時刻t1,t2,t7,t8,…の時間差(離線発生周期T2')を演算する。一方、離線発生周期演算部10hは、例えば、図5に示すように、すり板5fに対してトロリ線1aがこのすり板5fの進行方向左側に偏位するt3,t6,t9,…の時間差(離線発生周期T2)を演算するとともに、時刻t2,t8,t5,…の時間差(離線発生周期T2')を演算する。
局部摩耗判定部10iは、トロリ線1aとすり板5fとが離れる離線が発生する離線発生周期T2,T2'に基づいて、このすり板5fの局部摩耗Wの有無を判定する手段である。局部摩耗判定部10iは、左右偏位周期演算部10gの演算結果と離線発生周期演算部10hの演算結果とに基づいて、すり板5fの局部摩耗Wの有無を判定する。局部摩耗判定部10iは、左右偏位周期演算部10gが演算する左右偏位周期T1と離線発生周期演算部10hが演算する離線発生周期T2,T2'とを照合して、すり板5fの局部摩耗Wの有無を判定する。
局部摩耗判定部10iは、図5に示すように、左右偏位周期T1と離線発生周期T2とが一致するときには、局部摩耗Wに起因する離線が発生していると判定する。局部摩耗判定部10iは、例えば、図5に示すように、時刻t1,t4,t7,t10,…において所定時間間隔で規則的に離線が発生したときには、時刻t1〜t4、時刻t4〜t7及び時刻t7〜t10の時間差(離線発生周期T2)と左右偏位周期T1とが一致するため、すり板5fに局部摩耗Wが発生していると判定する。同様に、局部摩耗判定部10iは、例えば、図5に示すように、時刻t3,t6,t9,…において所定時間間隔で規則的に離線が発生したときには、時刻t3〜t6及び時刻t6〜t9の時間差(離線発生周期T2)と左右偏位周期T1とが一致するため、すり板5fに局部摩耗Wが発生していると判定する。局部摩耗判定部10iは、すり板5fに局部摩耗Wが発生しているときには局部摩耗判定情報(局部摩耗判定信号)を制御部10mに出力する。
一方、局部摩耗判定部10iは、左右偏位周期T1と離線発生周期T2'とが一致しないときには、局部摩耗Wに起因する離線が発生していないと判定する。局部摩耗判定部10iは、例えば、図5に示すように、時刻t1,t2,t3,t5,t7,t8,…において不定時間間隔に不規則に離線が発生したときには、時刻t1から時刻t2までの時間差(離線発生周期T2')と、時刻t2から時刻t3までの時間差(離線発生周期T2')と、時刻t3から時刻t5までの時間差(離線発生周期T2')と、時刻t7から時刻t8までの時間差(離線発生周期T2')とが左右偏位周期T1と一致しないため、すり板5fに局部摩耗Wが発生していないと判定する。
図3に示す判定結果送信部10jは、局部摩耗判定部10iの判定結果を送信する手段である。判定結果送信部10jは、図2(B)及び図5に示すような局部摩耗Wがすり板5fに発生していると局部摩耗判定部10iが判定したときに、告知装置11などにこの判定結果を送信する送信機などである。
図3に示すプログラム記憶部10kは、トロリ線1aと摺動するすり板5fに発生する局部摩耗Wを検出する局部摩耗検出プログラムを記憶する手段である。プログラム記憶部10kは、例えば、情報記録媒体から読み取った局部摩耗検出プログラム、又は電気通信回線を通じて取り込まれた局部摩耗検出プログラムなどを記憶するメモリである。
制御部10mは、局部摩耗検出装置10に関する種々の動作を制御する手段(中央処理部(CPU))である。制御部10mは、プログラム記憶部10kから局部摩耗検出プログラムを読み出して局部摩耗検出装置10のコンピュータに所定の処理を指令し実行させる。制御部10mは、例えば、信号入力部10aが出力する走行速度検出情報を現在位置検出部10b及びトロリ線偏位方向特定部10fに出力したり、信号入力部10aが出力する離線検出情報を離線発生周期演算部10hに出力したり、現在位置検出部10bに車両4の現在位置の検出を指令したり、径間長特定部10dに径間長Lの特定を指令したり、径間長特定部10dが出力する径間長情報を左右偏位周期演算部10gに出力したり、トロリ線偏位方向特定部10fにトロリ線偏位方向の特定を指令したり、トロリ線偏位方向特定部10fが出力するトロリ線偏位方向情報を離線発生周期演算部10hに出力したり、左右偏位周期演算部10gに左右偏位周期T1の演算を指令したり、左右偏位周期演算部10gが出力する左右偏位周期情報を局部摩耗判定部10iに出力したり、離線発生周期演算部10hに離線発生周期T2,T2'の演算を指令したり、離線発生周期演算部10hが出力する離線発生周期情報を局部摩耗判定部10iに出力したり、局部摩耗判定部10iに局部摩耗Wの有無の判定を指令したり、局部摩耗判定部10iが出力する局部摩耗判定情報を判定結果送信部10jに出力したり、判定結果送信部10jに局部摩耗判定情報の送信を指令したり、プログラム記憶部10kから局部摩耗検出プログラムを読み出したりする。制御部10mには、信号入力部10a、現在位置検出部10b、径間長情報記憶部10c、径間長特定部10d、トロリ線偏位方向情報記憶部10e、トロリ線偏位方向特定部10f、左右偏位周期演算部10g、離線発生周期演算部10h、局部摩耗判定部10i、判定結果送信部10j及びプログラム記憶部10kが相互に通信可能なようにバスなどの通信部によって接続されている。
告知装置11は、すり板5fの局部摩耗Wの発生を告知する装置である。告知装置11は、すり板5fに局部摩耗Wが発生していると局部摩耗判定部10iが判定したときに、この判定結果を告知する。告知装置11は、車両4の乗務員が運転操作する乗務員室内の運転台などに設置されている。告知装置11は、例えば、判定結果を音声で案内するスピーカ又は警報音などの音声発生装置、この判定結果を文字、図形、記号又はこれらの組み合わせによって案内する液晶画面などの表示装置である。
次に、この発明の実施形態に係るすり板の局部摩耗検出装置の動作を説明する。
以下では、図3に示す制御部10mの動作を中心として説明する。
図6に示すステップ(以下、Sという)100において、車両4の現在位置の検出を現在位置検出部10bに制御部10mが指令する。図3に示す走行速度検出装置8、離線検出装置9A,9B及び局部摩耗検出装置10に電源装置から電力が供給されると、局部摩耗検出プログラムをプログラム記憶部10kから制御部10mが読み出して、一連の局部摩耗検出処理を制御部10mが実行する。図1に示す軌道3上を起点から車両4が走行を開始すると、図3に示す走行速度検出装置8が車両4の車輪4dの回転及び回転方向を検出して走行速度検出情報を局部摩耗検出装置10の信号入力部10aに出力する。信号入力部10aから制御部10mに走行速度検出情報が入力すると、現在位置検出部10bにこの走行速度検出情報を制御部10mが出力する。走行速度検出情報に基づいて車両4の現在位置を現在位置検出部10bが検出すると、この現在位置検出部10bが現在位置検出情報を制御部10mに出力する。
S110において、径間長Lの特定を径間長特定部10dに制御部10mが指令する。現在位置検出部10bから現在位置検出情報が制御部10mに入力すると、この現在位置検出情報を径間長特定部10dに制御部10mが出力する。その結果、現在位置検出情報に基づいて径間長情報記憶部10cを径間長特定部10dが検索し、車両4の現在位置に対応する径間長L及びすり板5fに対するトロリ線1aの移動方向を径間長情報記憶部10cから径間長特定部10dが特定し、この径間長Lに相当する径間長情報を径間長特定部10dが制御部10mに出力する。
S120において、トロリ線偏位方向の特定をトロリ線偏位方向特定部10fに制御部10mが指令する。現在位置検出部10bから現在位置検出情報が制御部10mに入力すると、この現在位置検出情報をトロリ線偏位方向特定部10fに制御部10mが出力する。また、走行速度検出装置8が車両4の車輪4dの回転方向(車両4の進行方向)を検出して進行方向情報を局部摩耗検出装置10の信号入力部10aに出力する。信号入力部10aから制御部10mに進行方向情報が入力すると、トロリ線偏位方向特定部10fにこのトロリ線偏位方向情報を制御部10mが出力する。その結果、現在位置検出情報及び進行方向情報に基づいてトロリ線偏位方向情報記憶部10eをトロリ線偏位方向特定部10fが検索し、車両4の現在位置に対応するすり板5fに対するトロリ線1aの偏位方向をトロリ線偏位方向情報記憶部10eからトロリ線偏位方向特定部10fが特定し、このトロリ線偏位方向に相当するトロリ線偏位方向情報をトロリ線偏位方向特定部10fが制御部10mに出力する。
S130において、左右偏位周期T1の演算を左右偏位周期演算部10gに制御部10mが指令する。例えば、図4及び図5に示すように、車両4がすり板5fとともに一定の走行速度Vで直線区間の軌道3上を走行しているときには、すり板5fに対してトロリ線1aが左右方向に一定時間間隔で往復動作しながらトロリ線1aとすり板5fとが摺動する。信号入力部10aから走行速度検出情報が制御部10mに入力すると、この走行速度検出情報を左右偏位周期演算部10gに制御部10mが出力する。また、径間長特定部10dから径間長情報が制御部10mに入力すると、この径間長情報を左右偏位周期演算部10gに制御部10mが出力する。その結果、走行速度検出情報及び径間長情報に基づいて左右偏位周期演算部10gが数1によって左右偏位周期T1を演算し、この左右偏位周期T1に相当する左右偏位周期情報を制御部10mに出力する。
S140において、離線発生周期T2,T2'の演算を離線発生周期演算部10hに制御部10mが指令する。図1に示す軌道3上を起点から車両4が走行を開始して、図5に示すすり板5fに対してトロリ線1aが相対的に左右方向に往復移動すると、すり板5fの摺動面とトロリ線1aとが離線することがある。その結果、トロリ線1aからすり板5fを通じて流れる電流が離線発生時にゼロになるとともに、トロリ線1aとすり板5fとの間に離線発生時にアークAが発生することがある。図3に示す離線検出装置9A,9Bが離線を検出して離線検出情報を局部摩耗検出装置10の信号入力部10aに出力すると、この信号入力部10aから制御部10mにこの離線検出情報が入力する。このため、離線発生周期演算部10hに離線検出情報を制御部10mが出力するとともに、離線発生周期演算部10hにトロリ線偏位方向情報を制御部10mが出力する。その結果、離線検出情報及びトロリ線偏位方向情報に基づいて離線発生周期T2,T2'を離線発生周期演算部10hが演算し、この離線発生周期T2,T2'に相当する離線発生周期情報を制御部10mに出力する。
S150において、局部摩耗Wの有無の判定を局部摩耗判定部10iに制御部10mが指令する。左右偏位周期情報が局部摩耗判定部10iに制御部10mから入力するとともに、離線発生周期情報が局部摩耗判定部10iに制御部10mから入力すると、この左右偏位情報とこの離線発生周期情報とに基づいて局部摩耗判定部10iが局部摩耗Wの有無を判定する。
S160において、左右偏位周期T1と離線発生周期T2とが一致するか否かを局部摩耗判定部10iが判定する。局部摩耗判定部10iは、離線検出装置9A,9Bが所定時間間隔で規則的に離線を検出するタイミング(離線発生周期T2,T2')と、すり板5fに対してトロリ線1aが左右方向に往復動作するタイミング(左右偏位周期T1)とが一致するか否かを判定する。局部摩耗判定部10iは、離線が発生するタイミングが一定時間間隔で規則的であり、かつ、トロリ線1aが左右方向に往復動作するタイミングと離線が発生するタイミングとが一致するときには、局部摩耗Wに起因する離線が発生していると判定する。例えば、図5に示すように、車両4がすり板5fとともに一定速度(走行速度V)で直線の軌道3上を矢印方向に走行している場合に、時刻t0では離線が発生していないが、時刻t1において初めて離線が発生し、時刻t1以降も間欠的に離線が発生しているものと仮定する。この場合に、すり板5fに対してトロリ線1aがこのすり板5fの進行方向右側に相対的に移動するときには、時刻t1,t4,t7,t10,…において離線が発生している。このとき、時刻t1〜t4、時刻t4〜t7及び時刻t7〜t10の時間差(離線発生周期T2)と左右偏位周期T1とが一致しており、トロリ線1aとすり板5fとの間に一定時間間隔で規則的に離線が発生している。同様に、図5に示すように、すり板5fに対してトロリ線1aがこのすり板5fの進行方向左側に相対的に移動するときには、時刻t3,t6,t9,…において離線が発生している。このとき、時刻t3〜t6及び時刻t6〜t9の時間差(離線発生周期T2)と左右偏位周期T1とが一致しており、トロリ線1aとすり板5fとの間に一定時間間隔で定期的に離線が発生している。このため、局部摩耗Wに起因する離線が規則的に発生しているため、すり板5fに局部摩耗Wが発生していると局部摩耗判定部10iが判定し、局部摩耗判定部10iが判定結果情報を制御部10mに出力する。
一方、局部摩耗判定部10iは、離線が発生するタイミングが不定時間間隔で不規則であるときには、局部摩耗Wに起因する離線が発生していないと判定する。同様に、局部摩耗判定部10iは、離線が発生するタイミングが一定時間間隔で規則的であっても、トロリ線1aが左右方向に往復動作するタイミングとこの離線が発生するタイミングとが一致しないときには、局部摩耗Wに起因する離線が発生していないと判定する。例えば、図5に示すように、すり板5fに対してトロリ線1aが相対的に左右方向に往復移動すると、すり板5fの局部摩耗Wの発生箇所とトロリ線1aの位置とが一致していないにも関わらず、時刻t2,t5,t8,…において離線が発生することがある。例えば、すり板5fの局部摩耗Wの発生の有無とは無関係に、トロリ線1aに振動が発生したり集電舟5dを下降させる方向の揚力が作用したりすると、トロリ線1aとすり板5fとの間に離線が発生することがある。しかし、この場合には、時刻t1〜t2、時刻t2〜t3、時刻t3〜t5及び時刻t7〜t8の時間差(離線発生周期T2')と左右偏位周期T1とが一致せず、トロリ線1aとすり板5fとの間に不定時間間隔で不規則に離線が発生している。このため、局部摩耗Wに起因する離線が規則的に発生していないため、すり板5fに局部摩耗Wが発生していないと局部摩耗判定部10iが判定する。局部摩耗判定部10iから判定結果情報が入力したと制御部10mが判断したときにはS170に進み、局部摩耗判定部10iから判定結果情報が入力していないと制御部10mが判断したときにはS180に進む。
S170において、判定結果の送信を判定結果送信部10jに制御部10mが指令する。図3に示す局部摩耗判定部10iから判定結果情報が制御部10mに入力すると、この判定結果情報を制御部10mが判定結果送信部10jに出力し、この判定結果送信部10jが告知装置11にこの判定結果情報を送信する。その結果、すり板5fの局部摩耗Wの発生を告知装置11が告知し、車両4内の乗務員に局部摩耗Wの発生が警告される。
S180において、局部摩耗Wの検出を終了するか否かを制御部10mが判断する。現在位置検出部10bが出力する現在位置情報に基づいて車両4が終点(終着点)に到着したか否かを制御部10mが判断する。車両4が終点に到着したと制御部10mが判断したときには、一連の局部摩耗検出処理を制御部10mが終了する。一方、車両4が終点に到着していないと制御部10mが判断したときにはS110に戻り、S110以降の局部摩耗検出処理を制御部10mが繰り返す。
この発明の実施形態に係るすり板の局部摩耗検出装置とその検出プログラムには、以下に記載するような効果がある。
(1) この実施形態では、トロリ線1aとすり板5fとが離れる離線が発生する離線発生周期T2,T2'に基づいて、このすり板5fの局部摩耗Wの有無を局部摩耗判定部10iが判定する。このため、一定時間間隔で定期的に離線が発生するときには、すり板5fに発生する局部摩耗Wを発生初期の段階で迅速にその場で検出することができる。
(2) この実施形態では、すり板5fに対してトロリ線1aが左右方向に偏位する左右偏位周期T1と離線発生周期T2,T2'とに基づいて、このすり板5fの局部摩耗Wの有無を局部摩耗判定部10iが判定する。このため、すり板5fに対してトロリ線1aが左右方向に往復動作する周期と、すり板5fの局部摩耗Wの発生箇所とトロリ線1aとの間で離線が発生する周期とを検出するだけで、この局部摩耗Wの発生を簡単に検出することができる。
(3) この実施形態では、離線発生周期T2,T2'と左右偏位周期T1とが一致するときには、すり板5fに局部摩耗Wが発生していると局部摩耗判定部10iが判定する。このため、トロリ線1aとすり板5fとの間で周期的に離線が発生する一定時間間隔と、すり板5fに対してトロリ線1aが左右方向に往復動作する周期とが、局部摩耗Wの発生時に一致するという原理を利用して、この局部摩耗Wの発生を初期の段階から簡単に検出することができる。
(4) この実施形態では、トロリ線1aが支持される支持点P間の距離である径間長Lと車両4の走行速度Vとに基づいて、左右偏位周期T1を左右偏位周期演算部10gが演算し、このトロリ線1aからすり板5fを通じて流れる電流に基づいて、離線発生周期T2,T2'を離線発生周期演算部10hが演算する。このため、例えば、車両4に搭載されている既存の速度発電機のような速度計の出力信号を利用して、左右偏位周期T1を簡単に演算することができるとともに、安価で簡単な構造のクランプメータのような離線検出器の出力信号を利用して、離線発生周期T2,T2'を簡単に演算することができる。
(5) この実施形態では、トロリ線1aが支持される支持点P間の距離である径間長Lと車両4の走行速度Vとに基づいて、左右偏位周期T1を左右偏位周期演算部10gが演算し、このトロリ線1aとすり板5fとが離線するときに発生するアークAに基づいて、離線発生周期T2,T2'を離線発生周期演算部10hが演算する。このため、例えば、車両4に搭載されている既存の速度発電機のような速度計の出力信号を利用して、左右偏位周期T1を簡単に演算することができるとともに、安価で簡単な構造の紫外線検出式の離線検出器の出力信号を利用して、離線発生周期T2,T2'を簡単に演算することができる。
(6) この実施形態では、離線発生周期演算部10hの演算結果と左右偏位周期演算部10gの演算結果とに基づいて、すり板5fの局部摩耗Wの有無を局部摩耗判定部10iが判定する。このため、左右偏位周期T1と離線発生周期T2,T2'とを演算することによって、すり板5fの局部摩耗Wの発生を安価で簡単な装置によって簡単に検出することができる。
この発明は、以上説明した実施形態に限定するものではなく、以下に記載するように種々の変形又は変更が可能であり、これらもこの発明の範囲内である。
(1) この実施形態では、架線1がシンプルカテナリ式ちょう架方式の架線である場合を例に挙げて説明したが、このような架線方式に限定するものではない。例えば、シンプルカテナリ式ちょう架方式の架線1のトロリ線1aとちょう架線1bとの間に補助ちょう架線を1本架設し、補助ちょう架線にトロリ線1aをハンガイヤー1cによって吊り下げるコンパウンドカテナリ式ちょう架方式の架線についてもこの発明を適用することができる。同様に、シンプルカテナリ式ちょう架方式の架線を所定の間隔をあけて2組平行に架設したツインシンプルカテナリ式ちょう架方式の架線についてもこの発明を適用することができる。また、この実施形態では、電車線として架空式電車線路を例に挙げて説明したが、架空式電車線路のうち線条ではなく剛体を使用する剛体ちょう架式電車線路、導電性レールを使用する第三軌条式(サードレール式)電車線路などについてもこの発明を適用することができる。さらに、この実施形態では、旅客又は貨物の運輸営業を行う営業車である車両4に局部摩耗検出装置10を搭載する場合を例に挙げて説明したが、架線1及び軌道3などの使用状態における機能を検査する検測車に局部摩耗検出装置10を搭載することもできる。
(2) この実施形態では、集電装置5がシングルアーム式パンタグラフである場合を例に挙げて説明したが、車両4の進行方向に対して対称である菱形パンタグラフ又は翼型パンタグラフなどの他の形式のパンタグラフについてもこの発明を適用することができる。また、この実施形態では、走行速度検出装置8の出力信号とATS車上子の出力信号とに基づいて車両4の現在位置を現在位置検出部10bが検出する場合を例に挙げて説明したが、このような検出方法に限定するものではない。例えば、GPS(Global Positioning System(全地球測位システム))又は自律航行装置(ジャイロ)を併用して車両4の現在位置を検出することもできる。例えば、トンネル区間以外の明かり区間を車両4が走行するときにはGPS信号などに基づいて現在位置検出部10bが車両4の走行距離を演算し、トンネル区間を車両4が走行するときには走行速度検出装置8の出力信号とATS車上子の出力信号とに基づいて現在位置検出部10bが車両4の走行距離を演算することもできる。
(3) この実施形態では、離線検出装置9A,9Bが電流式又は光学式の離線検出器である場合を例に挙げて説明したが、トロリ線1aからすり板5fを通じて流れる電流の電圧降下を検出する分圧式の離線検出器を使用することもできる。また、この実施形態では、離線検出装置9A,9Bを車両4が搭載する場合を例に挙げて説明したが、いずれか一方の離線検出装置9A,9Bを省略することもできる。例えば、一編成の複数の集電装置5が母線を通じて電気的に接続されている場合であって、ある集電装置5に離線が発生して他の集電装置5に離線が発生していないようなときには、離線してもアークAが発生しないことがある。このような場合には、アークAの発生の有無に関わらず離線の発生を検出可能な電流式の離線検出装置9Aのみを車両4に搭載することもできる。さらに、この実施形態では、局部摩耗Wの有無の判定結果を車両4内の告知装置11に送信する場合を例に挙げて説明したが、車両4の運行を円滑に進めるための運転指令及び業務指令を地上側から車両側に行って、車両4の運行状況を管理する中央指令装置にこの判定結果を送信することもできる。
1 架線
1a トロリ線
2 架線支持装置
3 軌道
3a レール
4 車両
5 集電装置
5f すり板
6 主回路装置
7 通電部
8 走行速度検出装置
9A,9B 離線検出装置
10 局部摩耗検出装置
10a 信号入力部
10b 現在位置検出部
10c 径間長情報記憶部
10d 径間長特定部
10e トロリ線偏位方向情報記憶部
10f トロリ線偏位方向特定部
10g 左右偏位周期演算部
10h 離線発生回数演算部
10i 局部摩耗判定部
10j 判定結果送信部
10k プログラム記憶部
10m 制御部
11 告知装置
A アーク
1 左右偏位周期
2 離線発生周期
2' 離線発生周期
L 径間長
P 支持点
V 走行速度
W 局部摩耗
Δ トロリ線偏位
請求項11の発明は、請求項8から請求項10までのいずれか1項に記載のすり板の局部摩耗検出プログラムにおいて、図1及び図3〜図6に示すように、前記トロリ線が支持される支持点間の距離である径間長と車両の走行速度とに基づいて、前記左右偏位周期を演算する左右偏位周期演算手順と、前記トロリ線と前記すり板とが離線するときに発生するアーク(A)に基づいて、前記離線発生周期を演算する離線発生周期演算手順(S140)とを含むことを特徴とするすり板の局部摩耗検出プログラムである。

Claims (12)

  1. トロリ線と摺動するすり板に発生する局部摩耗を検出するすり板の局部摩耗検出装置であって、
    前記トロリ線と前記すり板とが離れる離線が発生する離線発生周期に基づいて、このすり板の局部摩耗の有無を判定する局部摩耗判定部を備えること、
    を備えるすり板の局部摩耗検出装置。
  2. 請求項1に記載のすり板の局部摩耗検出装置において、
    前記局部摩耗判定部は、前記すり板に対して前記トロリ線が左右方向に偏位する左右偏位周期と前記離線発生周期とに基づいて、前記すり板の局部摩耗の有無を判定すること、
    を特徴とするすり板の局部摩耗検出装置。
  3. 請求項2に記載のすり板の局部摩耗検出装置において、
    前記局部摩耗判定部は、前記離線発生周期と前記左右偏位周期とが一致するときには、前記すり板に局部摩耗が発生していると判定すること、
    を特徴とするすり板の局部摩耗検出装置。
  4. 請求項2又は請求項3に記載のすり板の局部摩耗検出装置において、
    前記トロリ線が支持される支持点間の距離である径間長と車両の走行速度とに基づいて、前記左右偏位周期を演算する左右偏位周期演算部と、
    前記トロリ線から前記すり板を通じて流れる電流に基づいて、前記離線発生周期を演算する離線発生周期演算部とを備えること、
    を特徴とするすり板の局部摩耗検出装置。
  5. 請求項2から請求項4までのいずれか1項に記載のすり板の局部摩耗検出装置において、
    前記トロリ線が支持される支持点間の距離である径間長と車両の走行速度とに基づいて、前記左右偏位周期を演算する左右偏位周期演算部と、
    前記トロリ線と前記すり板とが離線するときに発生するアークに基づいて、前記離線発生周期を演算する離線発生周期演算部とを備えること、
    を特徴とするすり板の局部摩耗検出装置。
  6. 請求項4又は請求項5に記載のすり板の局部摩耗検出装置において、
    前記局部摩耗判定部は、前記離線発生周期演算部の演算結果と前記左右偏位周期演算部の演算結果とに基づいて、前記すり板の局部摩耗の有無を判定すること、
    を特徴とするすり板の局部摩耗検出装置。
  7. トロリ線と摺動するすり板に発生する局部摩耗を検出するすり板の局部摩耗検出プログラムであって、
    前記トロリ線と前記すり板とが離れる離線が発生する離線発生周期に基づいて、このすり板の局部摩耗の有無を判定する局部摩耗判定手順をコンピュータに実行させること、
    を特徴とするすり板の局部摩耗検出プログラム。
  8. 請求項7に記載のすり板の局部摩耗検出プログラムにおいて、
    前記局部摩耗判定手順は、前記すり板に対して前記トロリ線が左右方向に偏位する左右偏位周期と前記離線発生周期とに基づいて、前記すり板の局部摩耗の有無を判定する手順を含むこと、
    を特徴とするすり板の局部摩耗検出プログラム。
  9. 請求項8に記載のすり板の局部摩耗検出プログラムにおいて、
    前記局部摩耗判定手順は、前記離線発生周期と前記左右偏位周期とが一致するときには、前記すり板に局部摩耗が発生していると判定する手順を含むこと、
    を特徴とするすり板の局部摩耗検出プログラム。
  10. 請求項8又は請求項9に記載のすり板の局部摩耗検出プログラムにおいて、
    前記トロリ線が支持される支持点間の距離である径間長と車両の走行速度とに基づいて、前記左右偏位周期を演算する左右偏位周期演算手順と、
    前記トロリ線から前記すり板を通じて流れる電流に基づいて、前記離線発生周期を演算する離線発生周期演算手順とを含むこと、
    を特徴とするすり板の局部摩耗検出プログラム。
  11. 請求項8から請求項9までのいずれか1項に記載のすり板の局部摩耗検出プログラムにおいて、
    前記トロリ線が支持される支持点間の距離である径間長と車両の走行速度とに基づいて、前記左右偏位周期を演算する左右偏位周期演算手順と、
    前記トロリ線と前記すり板とが離線するときに発生するアークに基づいて、前記離線発生周期を演算する離線発生周期演算手順とを含むこと、
    を特徴とするすり板の局部摩耗検出プログラム。
  12. 請求項10又は請求項11に記載のすり板の局部摩耗検出プログラムにおいて、
    前記局部摩耗判定手順は、前記離線発生周期演算手順における演算結果と前記左右偏位周期演算手順における演算結果とに基づいて、前記すり板の局部摩耗の有無を判定する手順を含むこと、
    を特徴とするすり板の局部摩耗検出プログラム。
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