JP2014110711A - スイッチング電源装置及び半導体装置 - Google Patents

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圭介 福田
Mamoru Kitamura
守 喜多村
Osamu Takada
治 高田
Tomomitsu Azeyanagi
朝光 畔柳
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Abstract

【課題】ディジタル制御方式のスイッチング電源装置のより安定した制御を実現する。
【解決手段】本スイッチング電源装置(1)は、スイッチング素子によってインダクタに流れる電流を制御することにより、整流された電圧を目標電圧に変換するための電圧コンバータ回路(L1、D1、SW1、COUT、RCS1)と、電圧コンバータ回路の入力電圧及び出力電圧の情報とスイッチング素子の平均電流の情報に基づいてスイッチング素子の制御信号を生成する制御部(3)とを有する。前記制御部は、前記スイッチング素子がオンする期間(310)の中間のタイミング(t2、t6)でサンプリングした前記スイッチング素子に流れる電流の情報(DVCS1)を前記平均値の情報とする。
【選択図】図1

Description

本発明は、スイッチング電源装置及びスイッチング電源装置を構成するスイッチ回路を制御するための半導体装置に関し、特にディジタル制御方式のスイッチング電源装置に適用して有効な技術に関する。
交流電力を直流電力に変換する電源システムでは、交流電源から供給される入力電圧と入力電流の位相差に起因する力率の悪化や高調波の発生を抑制するためにPFC(Power Factor Correction)回路が用いられている。
近年、PFC回路を含む種々のスイッチング電源回路は、負帰還制御の方式がアナログ制御からディジタル制御に代わりつつある。具体的には、スイッチング電源装置を構成するスイッチ回路のオン・オフを制御するためのコントロール部が、従来のエラーアンプ回路等から構成されるアナログICからマイクロコントローラ(以下、単にマイコンと称する。)等のプログラム処理装置に置き換わりつつある。
ディジタル制御方式のPFC回路の従来技術として、例えば特許文献1に開示がある。特許文献1に開示されたスイッチング電源装置は、整流回路、PFC回路、DC/DCコンバータ、及びディジタル制御部を含んで構成される。前記ディジタル制御部は、PFC回路及びDC/DC回路における各種の電圧及び電流を検出してA/D変換を行い、その変換結果に基づいて各種演算を実行することで、PFC回路及びDC/DCコンバータを構成するスイッチング素子を制御するための制御パルス(PWM信号)を生成する。
特開2008−99440号公報
PFC回路におけるコントロール部は、PFC回路における各種の電圧及び電流を検出し、その検出結果に基づいてスイッチング素子を制御する。アナログ制御方式のPFC回路の場合、コントロール部としてのアナログICは、PFC回路における各種の電圧及び電流を連続的に検出してスイッチング素子を制御することができる。これに対しディジタル制御方式のPFC回路は、連続的な検出及び制御を行うことができないため、上記特許文献1のように、マイコンが各種の電圧及び電流を定期的にサンプリングしてA/D変換を実行し、その変換結果に基づいてプログラム処理による演算を行って制御量を算出し、その制御量に基づいてスイッチング素子を制御する。本願発明者は、このようなプログラム処理によるスイッチング電源装置の制御方法に関し、以下のような問題があることを見出した。
例えば連続モードのPFC回路は、整流回路からインダクタに流れる入力電流の平均値に基づいてPFC回路内のスイッチング素子を駆動することにより、整流回路から供給される入力電圧と入力電流の位相差が小さくなるように制御する。ディジタル制御方式のPFC回路は、アナログ制御方式のように連続的に入力電流の平均値を検出することができないので、従来は、例えばスイッチング素子のオン期間にスイッチング素子に流れる電流とオフ期間にPFC回路内の昇圧ダイオードに流れる電流とをサンプリングし、マイコンがそれらのサンプリング結果に基づいて演算処理を行うことで入力電流の平均値を算出していた。しかしながら、当該方法では、スイッチング素子のオン期間とオフ期間の両方の電流を検出するためサンプリング数が増加し、また、平均値を算出するための演算処理も複雑になる。その結果、負帰還ループ内の遅延時間の増大を招き、スイッチング電源装置の安定性を低下させる虞があった。また、上記の方法ではスイッチング素子のオン期間とオフ期間の両方の電流を検出するための検出回路が必要となり、部品点数が増加するという問題もある。例えば、連続モードのPFC回路の多くは、特許文献1に示されるように、スイッチング素子のオン期間とオフ期間の両方の電流を検出するため、インダクタンス素子とスイッチング素子と整流回路とを接続する電流経路に直列に電流検出抵抗(同文献の図1におけるR3)を接続する。また、同文献には示されていないが、連続モードのPFC回路の多くは、上記電流検出抵抗に加えて、スイッチング素子の保護のための保護用抵抗をスイッチング素子に直列に接続する。そのため、従来の連続モードのPFC回路では、外付け抵抗として上記保護用抵抗と上記電流検出抵抗の両方が必要となり、部品点数の増加を招いていた。なお、特許文献1には、これらの問題を解決するための具体的な解決策についての記載はない。
ディジタル制御方式のスイッチング電源装置に関する別の問題点として、例えば過電流保護機能が挙げられる。上述したように、ディジタル制御方式のスイッチング電源装置ではサンプリングした値をマイコンによるプログラム処理によって演算し、その演算結果に応じて制御量を決定するため、電圧や電流を検出してからスイッチング素子を制御するまでに演算時間に起因した遅延が発生する。そのため、PFC回路による過電流保護機能をマイコンによるプログラム処理で実現した場合、マイコンが過電流を検出してからスイッチング素子をオフさせるまでに時間を要するので、アナログ制御で行う場合に比べて保護機能が働くのが遅くなり、スイッチング素子等が破壊される虞がある。この問題を解決するため、例えば、マイコンによるプログラム処理ではなく外付けのハードウェア(例えばコンパレータ等)を用いて過電流保護機能を実現する方法が考えられる。しかしながら当該方法では、マイコンと外付けハードウェアとの間で同期をとることが困難であり、マイコンによって制御されるスイッチング周期と非同期で過電流保護機能が解除された場合、意図しないタイミングでスイッチング素子がオンしてしまう虞がある。
本願発明者は、上記内容を検討した結果、ディジタル制御方式のスイッチング電源装置において、より安定した制御を実現するための新たな仕組みが必要であると考えた。
このような課題を解決するための手段等を以下に説明するが、その他の課題と新規な特徴は本明細書の記述及び添付図面から明らかになるであろう。
本願において開示される実施の形態のうち代表的なものの概要を簡単に説明すれば下記のとおりである。
すなわち、本スイッチング電源装置は、交流電圧を整流して出力する整流回路と、前記整流回路によって整流された電圧を入力し、スイッチング素子によってインダクタに流れる電流を制御することにより、前記入力された電圧を目標とする電圧に変換して出力するための電圧コンバータ回路とを有する。本スイッチング電源装置は更に、前記電圧コンバータ回路の入力電圧の情報と、前記電圧コンバータ回路の出力電圧の情報と、前記スイッチング素子に流れる電流の平均値の情報とに基づいて、前記スイッチング素子のオン・オフを制御するための制御信号を生成する制御部を有する。前記制御部は、前記スイッチング素子がオンする期間の中間のタイミングでサンプリングした前記スイッチング素子に流れる電流の情報を前記平均値の情報とする。
本願において開示される実施の形態のうち代表的なものによって得られる効果を簡単に説明すれば下記のとおりである。
すなわち、ディジタル制御方式のスイッチング電源装置において、より安定した制御が実現できる。
図1は、本願の一実施の形態に係るスイッチング電源装置を例示するブロック図である。 図2は、PWMタイマ15の内部構成を例示するブロック図である。 図3は、PFC回路100における出力電圧VOUT及び入力電流IINの制御に係るタイミングチャートである。 図4は、制御部3における過電流保護機能に関連する機能部を例示するブロック図である。 図5は、PFC回路1における過電流保護動作に係るタイミングチャートである。
1.実施の形態の概要
先ず、本願において開示される代表的な実施の形態について概要を説明する。代表的な実施の形態についての概要説明で括弧を付して参照する図面中の参照符号はそれが付された構成要素の概念に含まれるものを例示するに過ぎない。
〔1〕(スイッチング素子のオン期間の中間タイミングで電流を検出するPFC回路)
本願の代表的な実施の形態に係るスイッチング電源装置(1)は、交流電圧(VAC)を整流して出力する整流回路(2)と、前記整流回路から出力された電圧(VIN)の供給を受ける入力ノード(NDIN)と第1ノード(ND1)との間に設けられる第1インダクタ(L1)とを有する。本スイッチング電源装置は更に、基準となる電圧(グラウンド電圧)が供給される基準ノード(PFC_OUTN)と前記第1ノードとの間に設けられる第1スイッチング素子(SW1)と、前記第1ノードと出力ノード(PFC_OUTP)との間に設けられ、第1スイッチング素子がオフしている期間に前記第1ノードと前記出力ノードとの間に電流経路を形成する第1整流素子とを有する。本スイッチング電源装置は更に、前記出力ノードと前記基準ノードとの間に設けられた容量素子(COUT)を有する。本スイッチング電源装置は更に、前記出力ノードの電圧の情報(DVOUT)、前記入力ノードの電圧の情報(DVIN)、及び前記第1インダクタに流れる平均電流の情報(DVCS1)に基づいて、前記出力ノードの電圧が前記目標とする電圧と等しく、且つ前記入力ノードの電圧と前記整流回路から前記入力ノードに供給される電流(IIN)の位相差が小さくなるように、前記第1スイッチング素子のオン・オフを制御するための第1制御信号(VGD1)を生成する制御部(3)を有する。前記制御部は、前記第1スイッチング素子がオンする期間(310)の中間のタイミング(t2、t6)でサンプリングした前記第1スイッチング素子に流れる電流の値を前記平均電流の情報とする。
項1のスイッチング電源装置において、整流回路から入力される入力電流(第1インダクタに流れる電流)は、第1スイッチング素子がオンしている期間は第1インダクタから第1スイッチング素子を介して流れ、その電流値はオン時間に対して直線的に増加する。また、前記入力電流は、第1スイッチング素子がオフしている期間は第1インダクタから第1整流素子を介して流れ、その電流値はオフ時間に対して直線的に低下する。本スイッチング電源装置によれば、第1スイッチング素子がオンしている期間の中間のタイミングでスイッチング素子に流れる電流を検出することで、スイッチング周期における前記入力電流の平均的な値を一回のサンプリングで得ることができ、従来のように複数回のサンプリングや平均値を算出するための複雑な演算処理が不要となる。これにより、負帰還ループ内の遅延時間を短縮することができ、スイッチング電源装置の安定した制御の実現に資する。また、従来のように第1スイッチング素子のオン期間とオフ期間の両方の期間の電流を検出するための回路が不要となるから、従来の構成に比べて電流の検出回路の簡易化を図ることができ、部品点数の削減に資する。
〔2〕(アップ/ダウンカウントの切り替わりタイミングでスイッチング素子の電流をサンプリング)
項1のスイッチング電源装置において、前記第1スイッチング素子は、前記第1制御信号が第1論理レベル(ハイレベル)の場合にオン状態とされ、前記第1制御信号が前記第1論理レベルの反転の第2論理レベル(ローレベル)の場合にオフ状態とされる。前記制御部は、前記出力ノードの電圧の情報、前記入力ノードの電圧の情報、及び前記平均電流の情報に基づいて第1設定値(PWM1_INS)を算出する。そして、前記制御部は、アップカウントとダウンカウントが所定の周期で繰り返し実行される三角波状のカウント値(COUT)と前記第1設定値とを比較し、比較結果に応じて前記第1制御信号の信号レベルを前記第1論理レベル又は前記第2論理レベルに切り替えて出力する。前記制御部は、前記第1制御信号が前記第1論理レベルとなる期間(310)において、前記カウント値がアップカウントとダウンカウントの切り替わりに応じた値(CMAX)となったら、前記第1スイッチング素子に流れる電流をサンプリングする。
これによれば、第1スイッチング素子がオンしている期間の中間のタイミングで前記第1スイッチング素子に流れる電流をサンプリングすることが容易となる。
〔3〕(スイッチング素子に直列に接続された電流検出用抵抗)
項2のスイッチング電源装置は、前記第1ノードと前記基準ノードとの間に設けられ、前記第1スイッチング素子に直列に接続される第1抵抗素子(RCS1)を更に有する。前記制御部は、前記第1抵抗素子によって発生した電圧(VCS1)をサンプリングすることによって、前記第1スイッチング素子に流れる電流のサンプリングを行う。
これによれば、前記第1スイッチング素子に流れる電流を容易に検出することができる。また、前記第1抵抗素子によって第1スイッチング素子の保護と電流検出を行うことができるから、従来のように電流検出用抵抗とスイッチング素子の保護用抵抗の両方を設ける必要はなく、部品点数が少なくなる。
〔4〕(制御部の詳細)
項3のスイッチング電源装置において、前記制御部は、前記入力ノードの電圧をサンプリングし、ディジタル信号に変換する第1A/D変換回路(11)と、前記出力ノード電圧をサンプリングし、ディジタル信号に変換する第2A/D変換部(12)とを有する。前記制御部は更に、前記第1抵抗素子に発生する電圧をサンプリングし、ディジタル信号に変換する第3A/D変換部(13)と、第1タイマ部(15)と、データ処理制御部(10)とを有する。前記第1タイマ部は、前記データ処理制御部によって設定された条件に従って、アップカウントとダウンカウントを前記所定の周期で繰り返し実行するカウンタ回路(20)と、前記第1設定値を格納するための第1記憶部(221)と、第2設定値を格納するための第2記憶部(222)と、を有する。前記第1タイマ部は更に、前記第1制御信号を生成するための制御信号生成部(21、23、25、220)と、前記サンプリングの実行を指示するための指示部(24)とを有する。前記データ処理制御部は、前記所定の周期に応じた演算サイクルで、前記第1A/D変換部、前記第2A/D変換部、及び前記第3A/D変換部による夫々の変換結果に基づいて前記第1設定値を算出し、前記第1記憶部に設定する。前記制御信号生成部は、前記第1記憶部に設定された前記第1設定値と前記カウンタ回路によるカウント値(COUT)とを比較し、前記所定の周期において当該カウント値が前記第1設定値に一致してから再び前記第1設定値に一致するまでの第1期間(310)に前記第1論理レベルとし、それ以外の期間を前記第2論理レベルとする前記第1制御信号を生成する。前記指示部は、前記第2記憶部に格納された前記第2設定値と前記カウンタ回路によるカウント値とを比較し、前記第1期間において当該カウント値が前記第2設定値と一致したら前記第3A/D変換部に対してサンプリングの指示を行う。前記第2設定値は、前記第1期間において前記カウンタ回路によるアップカウントとダウンカウントとが切り替わるときのカウント値(CMIN)に応じた値である。
〔5〕(タイマのネゲート機能を利用した過電流検出)
項4のスイッチング電源装置において、前記制御部は、前記第1抵抗素子に発生する電圧(VCS1)と所定の基準値(VOCP1)とを比較し、比較結果(CMPO_1)を出力するコンパレータ回路(17)を更に有する。前記制御信号生成部は、前記第1記憶部に設定された前記第1設定値と前記カウンタ回路によるカウント値とを比較し、前記所定の周期において前記カウント値が前記第1設定値に一致してから再び前記第1設定値に一致するまでの第1期間(310)に前記第1論理レベルとし、それ以外の期間を前記第2論理レベルとするPWM信号(200)を生成するPWM信号生成回路(23)を有する。前記制御信号生成部は更に、前記コンパレータ回路による比較結果に基づいて、前記PWM信号を前記第1制御信号として出力するか否かを制御する出力制御回路(21、25、220)を有する。前記出力制御回路は、前記第1抵抗素子に発生した電圧が前記所定の基準値を超えない場合には、前記PWM信号を前記第1制御信号として出力する。また、前記出力制御回路は、前記第1抵抗素子に発生した電圧が前記所定の基準値を超える場合には、前記PWM信号の出力を停止するとともに前記第2論理レベルの信号を前記第1制御信号として出力し、次のサイクルの前記PWM信号が生成される前のタイミングで前記PWM信号の出力を可能にする。
これによれば、第1スイッチング素子に過電流が流れた場合に速やかに第1スイッチング素子をオフさせることが可能となる。また、これによれば、過電流検出後の次のサイクルの前記PWM信号が生成される前のタイミングで過電流保護機能が解除され、このタイミングでのPWM信号の信号レベルは第2論理レベルとなるから、過電流保護機能の解除直後に第1論理レベルの信号が出力されることはなく、第1スイッチング素子が意図せずオンすることはない。
〔6〕(アップカウントとダウンカウントとが切り替わりに応じてネゲート機能を解除)
項5のスイッチング電源装置において、前記出力制御回路は、前記第1抵抗素子に発生した電圧が前記所定の基準値を超えたことが検出されてから最初に前記カウント値が第3設定値と一致したタイミングで前記PWM信号の出力を可能にする。前記第3設定値は、前記カウンタ回路によるアップカウントとダウンカウントとが切り替わるときのカウント値(CMIN)に応じた値であって、前記第2設定値と異なる値とされる。
これによれば、第1制御信号の信号レベルが第2論理レベルとなるタイミングで過電流保護機能の解除することが容易となる。
〔7〕(山型カウンタの最上位点で電流をサンプリングし、最下位点でネゲート機能リセット)
項5のスイッチング電源装置において、前記第1期間は、前記カウンタ回路によるカウント値が、アップカウント時に前記第1設定値に一致してから、次のダウンカウント時に前記第1設定値に一致するまでの期間である。また、前記第2設定値は、前記カウンタ回路によるカウント動作がアップカウントからダウンカウントに切り替わるときの最大カウント値(CMAX)に応じた値であり、前記第3設定値は、前記カウンタ回路によるカウント動作がダウンカウントからアップカウントに切り替わるときの最小カウント値(CMIN)に応じた値である。
〔8〕(インターリーブ構成)
項1乃至7の何れかのスイッチング電源装置は、第2ノード(ND2)と前記入力ノードとの間に設けられる第2インダクタ(L2)と、前記第2ノードと前記基準ノードとの間に設けられる第2スイッチング素子(SW2)とを更に有する。前記スイッチング電源装置は更に、前記第2ノードと前記出力ノードとの間に設けられ、前記第2スイッチング素子がオフしている期間に、前記第2ノードと前記出力ノードとの間に電流経路を形成する第2整流素子(D2)と有する。前記制御部は、出力ノードの電圧の情報、入力ノードの電圧の情報、及び第2インダクタに流れる平均電流の情報(DVCS1)に基づいて、出力ノードの電圧が前記目標とする電圧と等しく、且つ入力ノードの電圧と整流回路から入力ノードに供給される電流との位相差が小さくなるように、第2スイッチング素子のオン・オフを制御するための第2制御信号(VGD2)を生成する。前記制御部は、前記第2スイッチング素子がオンする期間(410)の中間のタイミング(t4、t7)でサンプリングした前記第2スイッチング素子に流れる電流(ISW2)の情報を前記平均電流の情報とする。前記第1制御信号を生成するための制御と前記第2制御信号を生成するための制御は、位相がπずれたタイミングで行われる。
これによれば、インターリーブ構成の連続モードのPFC回路において、整流回路から第1インダクタ側に入力される入力電流のみならず、第2インダクタ側に入力される電流の平均値もそれぞれ一回のサンプリングで得ることができるから、第1インダクタ側と第2インダクタ側の双方に流れる平均電流の算出を行っていた従来のPFC回路に比べて、大幅に処理負荷を減らすことができる。
〔9〕(マイクロコントローラ)
項1乃至8の何れかのスイッチング電源装置において、前記制御部は、マイクロコントローラを含んで構成される。
〔10〕(連続モードのPFC回路のコントロールIC)
本願の代表的な実施の形態に係る半導体装置(3)は、スイッチング素子(SW1(SW2))によってインダクタ(L1(L2))に流れる電流(IL1(IL2))を制御することにより、交流電圧(VAC)を整流した入力電圧(VIN)を目標とする直流電圧に変換して出力するとともに力率を改善するための連続モードのPFC回路(1)を制御するための半導体装置である。前記半導体装置は、前記入力電圧を入力するための第1外部端子(IN_VIN)と、前記PFC回路の出力電圧(VOUT)を入力するための第2外部端子(IN_VOUT)と、前記スイッチング素子に流れる電流に応じた検出電圧(VCS1(VCS2))を入力するための第3外部端子(CS1(CS2))とを有する。前記半導体装置は、前記第1外部端子に入力された電圧をサンプリングし、ディジタル信号に変換するための第1A/D変換部(11)と、前記第2外部端子に入力された電圧をサンプリングし、ディジタル信号に変換するための第2A/D変換部(12)と、前記第3外部端子に入力された電圧をサンプリングし、ディジタル信号に変換するための第3A/D変換部(13(14))とを有する。前記半導体装置は更に、タイマ部(15(16))と、前記出力電圧が前記目標とする直流電圧と等しく、且つ前記PFC回路の入力電圧(VIN)と入力電流(IIN)との位相差が小さくなるように、前記出力電圧の情報、前記入力電圧の情報、及び前記PFC回路の入力電流の平均値の情報に基づいて、前記制御信号のパルス幅を決定するための第1設定値を算出するデータ処理制御部(10)とを有する。前記タイマ部は、前記データ処理制御部によって設定された条件に従って、アップカウントとダウンカウントを所定の周期で繰り返し実行するカウンタ回路(20)と、前記スイッチング素子のオン・オフを制御するための制御信号(VGD1(VGD2))を生成するための制御信号生成部(23、25、21、220)と、を有する。前記タイマ部は更に、前記制御信号のパルス幅を決定するための第1設定値を格納するための第1記憶部(221)と、第2記憶部(222)と、指示部(24)とを有する。前記データ処理制御部は、第1A/D変換部の変換結果(DVIN)を前記入力電圧の情報とし、第2A/D変換部の変換結果(DVOUT)を前記出力電圧の情報とし、第3A/D変換部の変換結果(DVCS1(DVCS2))を前記PFC回路の入力電流の平均値の情報として、前記所定の周期に応じた演算サイクルで、前記第1設定値を算出するとともに前記第1記憶部に設定する。前記制御信号生成部は、前記第1記憶部に設定された前記第1設定値と前記カウンタ回路によるカウント値(COUT)とを比較し、前記カウント値が前記第1設定値よりも大きい場合に第1論理レベル(ハイレベル)の前記制御信号を生成し、小さい場合に前記第1論理レベルを反転した第2論理レベル(ローレベル)の前記制御信号を生成する。前記第2記憶部は、前記制御信号が前記第1論理レベルとなる期間において前記カウンタ回路によるカウント動作がアップカウントとダウンカウントとが切り替わるときのカウント値(CMAX)に応じた第2設定値が設定可能にされる。前記指示部は、前記制御信号が前記第1論理レベルとなる期間において、前記カウント値が前記第2設定値と一致したら前記第3A/D変換部に対してサンプリングの指示を行う。
これによれば、項1と同様に、前記PFC回路の入力電流(インダクタに流れる電流)の平均値を一回のサンプリングで得ることができ、従来のように入力電流の平均値を算出するための複雑な演算処理が不要となる。また、前記第3外部端子の電圧を検出することで、容易に、前記スイッチング素子に流れる電流を検出することができるから、従来のように電流検出用抵抗とスイッチング素子の保護用抵抗を両方設ける必要はなく、部品点数が少なくすることができる。
〔11〕(内蔵タイマのネゲート機能を利用した過電流検出)
項10の半導体装置は、前記第3外部端子の電圧(VCS1)と所定の閾値電圧(VOCP1(VOCP2))とを比較し、比較結果を出力するためのコンパレータ回路(17(18))を更に有する。前記制御信号生成部は、前記コンパレータ回路から前記第3外部端子の電圧が前記閾値電圧を超えないことを示す比較結果が出力された場合には、前記第1設定値と前記カウンタ回路によるカウント値との比較結果に基づいて前記制御信号を生成する。前記制御信号生成部は、前記第3外部端子の電圧が前記閾値電圧を超えたことを示す比較結果が出力された場合には、前記第1設定値と前記カウント値との比較結果に基づく前記制御信号の生成を停止するとともに前記第2論理レベルの前記制御信号を生成する。そして、前記制御信号生成部は、前記カウント値が第3設定値と最初に一致したタイミングで、前記第1設定値と前記カウンタ回路によるカウント値との比較結果に基づく前記制御信号の生成を再開する。ここで、前記第3設定値は、前記カウンタ回路によるアップカウントとダウンカウントとが切り替わるときのカウント値に応じた値であって、前記第2設定値と異なる値(CMIN)とされる。
これによれば、項5と同様に、スイッチング素子に過電流が流れた場合に速やかにスイッチング素子をオフさせることが可能となる。また、前記制御信号が第2論理レベルとなるタイミングで過電流保護動作を解除することができ、スイッチング素子が意図せずオンすることはない。
〔12〕(スイッチング素子のオン期間の中間タイミングで電流を検出するスイッチング電源装置)
本願の代表的な実施の形態に係るスイッチング電源装置(1)は、交流電圧(VAC)を整流して出力する整流回路(2)を有する。本スイッチング電源装置は更に、前記整流回路によって整流された電圧(VIN)を入力し、スイッチング素子(SW1(SW2))によってインダクタ(L1(L2))に流れる電流(IL1(IL2))を制御することにより、前記入力された電圧を目標とする電圧に変換して出力するための電圧コンバータ回路(L1(L2)、SW1(SW2)、D1(D2)、COUT)を有する。本スイッチング電源装置は更に、前記電圧コンバータ回路の入力電圧の情報(DVIN)と、前記電圧コンバータ回路の出力電圧(VOUT)の情報(DVOUT)と、前記スイッチング素子に流れる電流の平均値の情報(DVCS1(DVCS2)とに基づいて、前記スイッチング素子のオン・オフを制御するための制御信号(VGD1(VGD2))を生成する制御部(3)を有する。前記制御部は、前記スイッチング素子がオンする期間(310(410))の中間のタイミング(t2、t6(t4、t7))でサンプリングした前記スイッチング素子に流れる電流の情報を前記平均値の情報とする。
これによれば、電圧コンバータ回路に入力される入力電流のスイッチング周期における平均的な値を一回のサンプリングで得ることができ、前記入力電流の平均値を算出するための複雑な演算処理が不要となる。また、スイッチング素子のオン期間とオフ期間の両方の期間の入力電流を検出するための回路が不要となるから、電流の検出回路の簡易化を図ることができ、部品点数の削減に資する。
2.実施の形態の詳細
実施の形態について更に詳述する。
≪PFC回路の構成≫
図1は、本願の一実施の形態に係るスイッチング電源装置を例示するブロック図である。同図に示されるスイッチング電源装置1は、交流電源200から供給された交流電力を直流電力に変換するとともに、力率を改善するためのPFC回路である。以下、本スイッチング電源装置をPFC回路1と表記する。
PFC回路1は、例えば、整流回路2と、電圧コンバータ回路と、制御部3と、電圧検出用の抵抗R1〜R4と、複数の外部端子とを含んで構成される。なお、図1では、上記複数の外部端子として、代表的に入力端子IN_ACP、IN_ACNと出力端子PFC_OUTP、PFC_OUTNが例示されている。
入力端子IN_ACP、IN_ACNは、交流電源200から出力される交流電力を受ける端子である。入力端子IN_ACPは正側の入力端子であり、入力端子IN_ACNは負側の入力端子である。交流電源200は、特に制限されないが、商用交流電源であり、50Hz又は60Hzの正弦波の交流電圧VACを出力する。出力端子PFC_OUTPは、PFC回路1によって生成された直流電圧(以下、出力電圧という。)VOUTを出力するための端子である。出力端子PFC_OUTNは、PFC回路1の基準となる電圧が供給される端子であり、例えばグラウンド電圧が供給される。以下、参照符号PFC_OUTPは、出力端子のみならず、その出力端子に接続されるノードをも表し、参照符号PFC_OUTNは、出力端子のみならず、その出力端子に接続されるノード(以下、基準ノードと称する。)をも表すものとする。
整流回路2は、例えば複数のダイオードを組み合わせて構成される全波整流回路である。整流回路2は、入力端子IN_ACP、IN_ACN間に供給された交流電力を入力し、正の電圧に変換する。変換された電圧はノードNDINに供給される。以下、ノードNDINに供給される電圧を入力電圧VIN、ノードNDINに供給される電流を入力電流IINと表記する。
上記電圧コンバータ回路は、整流回路2によって整流された入力電圧VINを直流電圧に変換する。電圧コンバータ回路は、特に制限されないが、インダクタやスイッチング素子等を2重化したインターリーブ方式のPFC回路を実現するように構成され、例えば、インダクタL1、L2、スイッチング素子SW1、SW2、整流素子D1、D2、ゲートドライバ回路4_1、4_2、出力容量COUT、及び抵抗素子RCS1、RCS2を含んで構成される。
インダクタL1は、その一端がノードNDINに接続され、その他端がノードND1に接続される。インダクタL2は、その一端がノードNDINに接続され、その他端がノードND2に接続される。
スイッチング素子SW1は、基準ノードPFC_OUTNとノードND1との間に設けられ、インダクタL1に流れる電流を制御する。スイッチング素子SW2は、基準ノードPFC_OUTNとノードND2との間に設けられ、インダクタL2に流れる電流を制御する。スイッチング素子SW1、SW2は、例えばIGBT(Insulated Gate Bipolar Transistor)である。スイッチング素子SW1はゲートドライバ回路4_1によって制御され、スイッチング素子SW2はゲートドライバ回路4_2よって制御される。具体的に、ゲートドライバ回路4_1、4_2は、制御部3から出力される制御信号VGD1、VGD2に応じてスイッチング素子SW1、SW2のオン・オフを制御する。例えば、ゲートドライバ回路4_1は、駆動信号VGD1の信号レベルが第1論理レベル(例えば、ハイ(High)レベル)である場合にスイッチング素子SW1をオンさせ、駆動信号VGD1の信号レベルが第2論理レベル(例えば、ロー(Low)レベル)である場合にスイッチング素子SW1をオフさせる。ゲートドライバ回路4_2も駆動信号VGD2の信号レベルに応じて同様にスイッチング素子SW2を制御する。
抵抗素子RCS1は、ノードND1と基準ノードPFC_OUTNとの間に、スイッチング素子SW1と直列に接続される。例えば、抵抗素子RCS1は、スイッチング素子SW1のエミッタと基準ノードPFC_OUTNとの間に接続される。同様に抵抗素子RCS2は、ノードND2と基準ノードPFC_OUTNとの間に、スイッチング素子SW2と直列に接続される。抵抗素子RCS1は、スイッチング素子SW1に大電流が流れることを防止するとともに、スイッチング素子SW1に流れる電流ISW1を電圧に変換する。同様に、抵抗素子RCS2は、スイッチング素子SW2に大電流が流れることを防止するとともに、スイッチング素子SW2に流れる電流ISW2を電圧に変換する。以下、抵抗素子RCS1、RCS2によって変換された電圧を夫々、検出電圧VCS1、VCS2と表記する。検出電圧VCS1、VCS2は、端子CS1、CS2を介して制御部3に入力される。
整流素子D1は、ノードND1と出力ノードPFC_OUTPとの間に設けられ、スイッチング素子SW1がオフしている期間にノードND1と出力端子PFC_OUTPとの間に電流経路を形成する。整流素子D2は、ノードND2と出力端子PFC_OUTPとの間に設けられ、スイッチング素子SW2がオフしている期間にノードND2と出力端子PFC_OUTPとの間に電流経路を形成する。整流素子D1、D2は、例えばダイオードであり、アノードがノードND1(ND2)側に接続され、カソードが出力端子PFC_OUTP側に接続される。出力容量COUTは、出力端子PFC_OUTPと出力端子PFC_OUTNとの間に接続され、出力電圧VOUTを安定させる。
制御部3は、出力電圧VOUTが目標電圧と等しく、且つ入力電圧VINと入力電流IINとの位相差が小さくなるように、制御信号VGD1、VGD2を生成する。制御部3は、例えば、マイクロコントローラ(MCU)やDSP(Digital Signal Processor)等によって実現される。特に制限されないが、制御部3は、公知のCMOS集積回路の製造技術によって1個の単結晶シリコンのような半導体基板に形成された半導体集積回路から構成される。なお、制御部3は、上記のように1チップで実現しても良いし、マルチチップ構成で実現しても良く、その構成は特に制限されない。
制御部3は、例えば、A/D変換部11〜14、データ処理制御部10、PWMタイマ15、16、過電流検出部17、18等の内部回路と、複数の外部端子とを含んで構成される。なお、図1には、制御部3の外部端子として、端子IN_VIN、端子IN_VOUT、端子CS1、端子CS2、端子GD1、及び、端子GD2が代表的に例示されている。
端子IN_VINは、ノードNDINと基準ノードPFC_OUTNとの間に直列に接続された抵抗素子R1、R2の接続ノードに接続される。これにより、端子IN_VINには、入力電圧VINを抵抗素子R1、R2の抵抗比で分圧した電圧が入力される。A/D変換部11は、PWMタイマ15(又は16)から出力されたA/D変換開始信号TRG_1、TRG_2を受け取ると、端子IN_VINに入力された電圧をサンプリングし、データ処理制御部10によって設定された条件に従って当該サンプリングした電圧をディジタル信号に変換し、変換結果DVINを生成する。これにより、入力電圧VINの情報が得られる。
端子IN_VOUTは、出力端子PFC_OUTPと出力端子PFC_OUTNとの間に直列に接続された抵抗素子R3、R4の接続ノードに接続される。これにより、端子IN_VOUTには、出力電圧VOUTを抵抗素子R3、R4の抵抗比で分圧した電圧が入力される。A/D変換部12は、PWMタイマ15(又は16)から出力されたA/D変換開始信号TRG_1、TRG_2を受け取ると、端子IN_VOUTに入力された電圧をサンプリングし、データ処理制御部10によって設定された条件に従って、当該サンプリングした電圧をディジタル信号に変換し、変換結果DVOUTを生成する。これにより、出力電圧VOUTの情報が得られる。
端子CS1は、抵抗RCS1とスイッチング素子SW1のエミッタの接続ノードに接続される。これにより、端子CS1には、抵抗RCS1によって発生した検出電圧VCS1が入力される。A/D変換部13は、PWMタイマ15から出力されたA/D変換開始信号TRG_1を受け取ると、端子CS1に入力された検出電圧VCS1をサンプリングし、データ処理制御部10によって設定された条件に従ってサンプリングした電圧をディジタル信号に変換し、変換結果DVCS1を生成する。過電流検出部17は、端子CS1に入力された検出電圧VCS1と基準値VOCP1を比較し、比較結果CMPO_1を出力する。基準値VOCP1は、スイッチング素子SW1側の過電流保護動作を開始する電流値に応じた基準電圧である。過電流検出部17は、例えば差動入力型のアナログコンパレータである。
端子CS2は、抵抗RCS2とスイッチング素子SW2のエミッタの接続ノードに接続される。これにより、端子CS2には、抵抗RCS2によって発生した検出電圧VCS2が入力される。A/D変換部14は、PWMタイマ16から出力されたA/D変換開始信号TRG_2を受け取ると、端子CS2に入力された検出電圧VCS2をサンプリングし、データ処理制御部10によって設定された条件に従ってサンプリングした電圧をディジタル信号に変換し、変換結果DVCS2を生成する。過電流検出部18は、端子CS2に入力された検出電圧VCS2と基準値VOCP2を比較し、比較結果CMPO_2を出力する。基準値VOCP2は、スイッチング素子SW2側の過電流保護動作を開始する電流値に応じた基準電圧である。過電流検出部18は、例えば差動入力型のアナログコンパレータである。
スイッチSWCS1、SWCS2は、交互にオン・オフが制御され、端子CS1、CS2の電圧を過電流検出部17、18の入力端子に供給する。例えば、スイッチSWCS1、SWCS2は、後述するPWM信号200と同じ周期で交互にオン・オフされる。なお、スイッチSWCS1、SWCS2はハードウェアによって実現しても良いし、ソフトウェアによって実現しても良く、特に制限されない。
PWMタイマ(GPT)15、16は、データ処理制御部10によって設定された条件に従って、PWM信号200を生成するとともに、生成したPWM信号200に基づいて制御信号VGD1、VGD2を生成する。制御信号VGD1は端子GD1から出力され、ゲートドライバ回路4_1に供給され、制御信号VGD2は端子GD2から出力され、ゲートドライバ回路4_2に供給される。PWMタイマ15、16は更に、A/D変換部12〜14に対して入力電圧のサンプリングを指示するためのA/D変換開始信号TRG_1、TRG_2を生成する。なお、PWMタイマ15、16の詳細については後述する。
データ処理制御部10は、制御部3内の各機能部の統括的な制御を行う。また、データ処理制御部10は各種の演算処理を行う。具体的に、データ処理制御部10は、出力電圧VOUTが目標電圧と等しく、且つPFC回路1の入力電圧VINと入力電流IINとの位相差が小さくなるように、出力電圧の情報と、入力電圧の情報と、PFC回路1の入力電流IINの平均値の情報とに基づいて、制御信号VGD1、VGD2のパルス幅を決定するため演算処理を実行する。
パルス幅を決定するための演算処理を行う機能部は、図1に例示されるように、目標電流値算出部101、ソフトスタート制御部102、電圧制御部103、過電圧保護制御部104、過電圧検出部105、目標電圧値格納レジスタ106、減算部107〜109、第1電流制御部110、第2電流制御部111、乗算部112、113、及び過電流保護制御部114を含んで構成される。これらの機能部は、例えばROMやRAM等に格納されたプログラムに従ってCPU等がプログラム処理を実行することにより実現される機能実現手段である。なお、図1には、説明の便宜上、データ処理制御部10を構成する各種機能部のうち、制御信号VGD1、VGD2の基になるPWM信号200のパルス幅を決定するための演算処理に係る機能部のみを図示している。
PWM信号200のパルス幅を決定するための演算処理は、出力電圧VOUTを制御するための電圧制御ループによる演算処理と、入力電流IINを制御するための電流制御ループによる演算処理とに大きく分けられる。
先ず、電圧制御ループによる演算処理について説明する。A/D変換部12による出力電圧VOUTの検出値の変換結果DVOUTは、出力電圧VOUTの情報として減算部107に入力される。減算部107は、変換結果DVOUTと、目標電圧値格納レジスタ(REG_TGT_V)106に設定された出力電圧VOUTの目標電圧を示す目標電圧値との差分を算出する。電圧制御部(V_CNT)103は、減算部107によって算出された差分の大きさに応じて、スイッチ素子SW1、SW2のオン期間を決定するための制御データを生成する。例えば、目標電圧値から出力電圧の変換結果DVOUTを減算した値が大きい場合には、スイッチ素子SW1、SW2のオン期間が長くなるような制御データを生成し、前記減算した値が小さい場合には、スイッチ素子SW1、SW2のオン期間が短くなるような制御データを生成する。過電圧検出部105は、変換結果DVOUTと基準値VOVPとを比較し、比較結果を過電圧保護制御部(OVP)104に入力する。過電圧保護制御部104は、過電圧検出部105の比較結果に応じて、スイッチング素子SW1、SW2をオンさせるか否かを指示する制御データを生成する。例えば、出力電圧VOUTの変換結果DVOUTが基準値VOVPより低い場合には、スイッチング素子SW1、SW2がオンすることを許可する制御データ(例えば“1”)を生成し、出力電圧VOUTの変換結果DVOUTが基準値VOVPを超える場合には、スイッチング素子SW1、SW2をオフさせることを指示する制御データ(例えば“0”)を生成する。ソフトスタート制御部(SST)102は、例えばPFC回路1の起動時等において、突入電流を防止するために、スイッチング素子SW1、SW2のオン期間が徐々に長くなるように、オン期間を制限するための制御データを生成する。目標電流値算出部101は、電圧制御部103による制御データと、過電圧保護制御部104による制御データと、ソフトスタート制御部102による制御データと、A/D変換部11による変換結果DVINとに基づいて、インダクタL1、L2の電流IL1、IL2の目標値を指示する制御データ(以下、電流指令値I_INSと称する。)を生成する。例えば、目標電流値算出部101は、入力した各データを乗算することにより、電流指令値I_INSを生成する。これにより、電流指令値I_INSは、入力電圧VINの位相と等しく、且つ出力電圧VOUTが目標電圧と等しくなるような目標電流を表すデータとなる。なお、過電圧状態の場合は、電流指令値I_INSは例えば“0”となり、ソフトスタート期間の場合は、電流指令値I_INSの値が徐々に大きくなるように補正される。
次に、電流制御ループによる演算処理について説明する。電流制御ループは、スイッチング素子SW1に流れる電流を制御するための制御ループと、スイッチング素子SW2に流れる電流を制御するための制御ループに分けられる。
スイッチング素子SW1に流れる電流を制御するための制御ループは、減算部108、第1電流制御部(C_CNT)110、乗算部112、及び過電流保護制御部(OCP)114から構成される。A/D変換部13による電流ISW1に応じた検出電圧VCS1の変換結果DVCS1は、インダクタL1の電流IL1の平均値の情報として減算部108に入力される。減算部108は、変換結果DVCS1と電流指令値I_INSとの差分を算出する。第1電流制御部110は、電流ISW1が電流指令値I_INSに近づくように、減算部108によって算出された差分に基づいて、スイッチング素子SW1のオン期間を指示する制御データを生成する。例えば、第1電流制御部110は、電流指令値I_INSから電流ISWの検出値を減算した値が大きい場合には、スイッチング素子SW1のオン期間が長くなるような制御データを生成し、上記減算した値が小さい場合には、スイッチング素子SW1のオン期間が短くなるような制御データを生成する。乗算部112は、過電流保護制御部114からの制御データと第1電流制御部110によって生成された制御データとを乗算し、その乗算結果を、スイッチング素子SW1に供給すべきPWM信号のパルス幅を指示するパルス幅指令値PWM1_INSとしてPWMタイマ15に設定する。これにより、出力電圧VOUTが目標電圧と等しく、且つインダクタL1の電流IL1と入力電圧VINの位相差が小さくなるような制御信号VGD1(PWM信号)のパルス幅が決定される。なお、過電流保護制御部114及び乗算部112の詳細については後述する。
スイッチング素子SW2に流れる電流を制御するための制御ループは、減算部109、第2電流制御部(C_CNT)111、乗算部113、及び過電流保護制御部114から構成される。A/D変換部14による電流ISW2に応じた検出電圧VCS2の変換結果DVCS2は、インダクタL2の電流IL2の平均電流の情報として減算部109に入力される。減算部109は、変換結果DVCS2と電流指令値I_INSとの差分を算出する。第2電流制御部111は、第1電流制御部110と同様に、電流ISW2が電流指令値I_INSに近づくように、減算部109によって算出された差分に基づいて、スイッチング素子SW2のオン期間を指示する制御データを生成する。乗算部113は、乗算部112と同様に、過電流保護制御部114からの制御データと第1電流制御部110によって生成された制御データとを乗算し、その乗算結果を、スイッチング素子SW1に供給すべきPWM信号のパルス幅を指示するパルス幅指令値PWM2_INSとしてPWMタイマ16に設定する。これにより、出力電圧VOUTが目標電圧と等しく、且つインダクタL2の電流IL2と入力電圧VINの位相差が小さくなるような制御信号VGD2(PWM信号)のパルス幅が決定される。
≪PWMタイマの構成≫
PWMタイマ15、16について詳細に説明する。
図2は、PWMタイマ15の内部構成を例示するブロック図である。図2に示されるように、PWMタイマ15は、カウンタ回路(CNTR)20、リセット回路(RST_CIR)21、レジスタ群22、PWM信号生成回路(PWM_GEN)23、ADC制御部(ADC_CNT)24、及び出力制御部25を含んで構成される。
カウンタ回路20は、データ処理制御部10によって設定された条件に従って、入力されたクロック信号をカウントする。なお、カウント対象のクロック信号は、例えば、制御部3の内部又は外部に設けられた図示されないクロック信号生成部から供給される。カウンタ回路20のカウント方式(アップカウントやダウンカウント等)やカウント周期の設定、及びカウント動作の開始・停止等の制御は、例えばデータ処理制御部10がレジスタ群22内の各種制御レジスタを設定することにより行われる。本実施の形態では、カウンタ回路20は、例えばアップカウントとダウンカウントを所定の周期で繰り返し実行するものとし、そのカウント値が三角波状になるものとする。
レジスタ群22は、PWMタイマ15内の各種機能部の動作を制御するための複数のレジスタを含む。例えば、レジスタ群22には、ネゲート制御レジスタ(REG_NC)220、コンペアデータレジスタ(REG_CMPR)221、A/D変換開始要求タイミングレジスタ(REG_TMG)222、及びカウンタ回路20の制御レジスタ等(図示せず)を含んで構成される。
コンペアデータレジスタ221は、データ処理制御部10による上述の演算処理によって生成されたパルス幅指令値PWM1_INSが設定される。
ネゲート制御レジスタ220は、過電流検出部17による検出結果CMPO_1に応じて、PWM信号200の出力と停止を指示する値が設定される。例えば、ネゲート制御レジスタ220には、初期値として“PWM信号の出力許可を指示する値(例えば”1“)”が設定されており、過電流検出部17から過電流を検出したことを示す検出結果CMPO_1が出力された場合に、“PWM信号の出力の停止を指示する値(例えば”0“)”に設定変更される。
A/D変換開始要求タイミングレジスタ222は、制御部3内の各種A/D変換部に対してA/D変換開始要求を発行するタイミングを指示する値が設定される。
PWM信号生成回路23は、カウンタ回路20のカウント値とコンペアデータレジスタ221の設定値とに基づいてPWM信号200を生成する。具体的に、PWM信号生成回路23は、コンペアデータレジスタ221に設定されたパルス幅指令値PWM1_INSとカウンタ回路20によるカウント値とを比較する。そして、PWM信号生成回路23は、カウンタ回路20によるカウント動作の1周期において、カウント値がパルス幅指令値PWM1_INSに一致してから再びパルス幅指令値PWM1_INSに一致するまでの期間に、信号レベルを第1論理レベル(例えばハイレベル)とし、それ以外の期間を第2論理レベル(例えばローレベル)とするPWM信号200をカウント動作の周期毎に生成する。例えば、カウンタ回路20によるアップカウント時にカウント値がパルス幅指令値PWM1_INSに一致してから、ダウンカウント時に再びカウント値がパルス幅指令値PWM1_INSに一致するまでの期間をハイレベルとするパルスを生成する。すなわち、PWM信号生成回路23によって生成されるPWM信号200は、カウンタ回路20によるカウント値が“0”から所定の最大値まで上昇し、その後、最大値から下降して再びカウント値が“0”に至るまでの期間を1周期とする周期信号であって、カウント値がパルス幅指令値PWM1_INSよりも大きく(又は小さく)なる期間だけハイレベルにされる信号となる。
出力制御部25は、ネゲート制御レジスタ220の設定値に応じて、端子GD1に対するPWM信号200の出力を制御する。出力制御部25は、例えば論理積回路(AND回路)を含んで構成される。具体的に、出力制御部25は、ネゲート制御レジスタ220にPWM信号の出力許可を指示する値(例えば“1”)が設定された場合には、PWM信号200を制御信号VGD1として端子GD1に出力する。他方、ネゲート制御レジスタ220にPWM信号200の出力停止を指示する値(例えば“0”)が設定された場合には、PWM信号200の出力を停止するとともに、スイッチング素子SW1をオフさせる信号(例えば、第2論理レベル(ローレベル)の信号)を制御信号VGD1として出力する。
リセット回路21は、カウンタ回路20のカウント値COUTを参照し、カウント値COUTが所定の値に一致したら、ネゲート制御レジスタ220の設定値をリセットする。リセット回路21の詳細は後述する。
ADC制御部24は、カウント値COUTとA/D変換開始要求タイミングレジスタ222の設定値とに基づいて、A/D変換開始信号TRG_1を生成する。具体的に、ADC制御部24は、A/D変換開始要求タイミングレジスタ222の設定値とカウント値COUTとを比較し、カウント値COUTがA/D変換開始要求タイミングレジスタ222の設定値と一致したら、A/D変換開始信号TRG_1(例えばワンショットパルス)を発行する。生成されたA/D変換開始信号TRG_1は、例えば、A/D変換部11、12、及び13に供給される。前述したように、A/D変換部11、12、13は、A/D変換開始信号TRG_1に応答して入力電圧をサンプリングするとともに、A/D変換処理を行い、ディジタル信号に変換する。本実施の形態では、A/D変換開始要求タイミングレジスタ222に、カウンタ回路20によるアップカウントとダウンカウントとが切り替わるときのカウント値に応じた値が設定される。例えば、カウンタ回路20によるカウント動作がアップカウントからダウンカウントに切り替わるときの最大カウント値CMAXに応じた値に設定される。これによれば、カウント値COUTが最大カウント値CMAXになったタイミングでA/D変換開始信号TRG_1が発行されるから、スイッチング素子SW1がオンしている期間の中間のタイミングでスイッチング素子SW1に流れる電流をサンプリングすることが容易となる。
PWMタイマ16は、PWMタイマ15と同様の構成とされる。具体的にPWMタイマ16は、PWMタイマ15と同様に、データ処理制御部10によって生成されたパルス幅指令値PWM2_INSや過電流検出部18による検出結果CMPO_2等に基づいて制御信号VGD2を生成する。また、PWMタイマ16は、PWMタイマ15と同様に、A/D変換開始信号TRG_2を生成し、A/D変換部11、12、及び14に供給する。A/D変換部11、12、14は、A/D変換開始信号TRG_2に応答して入力電圧をサンプリングするとともに、A/D変換処理を行い、ディジタル信号に変換する。PWMタイマ16は、PWMタイマ15と異なる動作タイミングで動作する。詳細は後述するが、例えばPWMタイマ15、16によるカウント動作や各種レジスタの更新は、位相が“π”ずれたタイミングで制御される。
≪制御部3による出力電圧VOUT及び入力電流IINの制御≫
図3に、PFC回路1における出力電圧VOUT及び入力電流IINの制御に係るタイミングチャートを例示する。同図において、参照符号300は入力ノードNDINに供給される入力電圧VINを表し、参照符号301は出力端子PFC_OUTPの出力電圧VOUTを表す。参照符号302はインダクタL1に流れる電流IL1を表し、参照符号303はスイッチ素子SW1に流れる電流ISW1に応じた検出電圧VCS1を表し、参照符号304はPWMタイマ15におけるカウンタ回路20のカウント値COUTを表し、参照符号305はPWMタイマ15におけるコンペアデータレジスタ221の設定値を表す。参照符号306はスイッチング素子SW1の制御信号VGD1を表し、参照符号307はA/D変換開始信号TRG_1を表し、参照符号308、309はデータ処理制御部10によるスイッチング素子SW1に係るPWM信号のパルス幅を決定するための演算処理の期間を表す。また、参照符号402はインダクタL2に流れる電流を表し、参照符号403はスイッチ素子SW2に流れる電流ISW2に応じた検出電圧VCS2を表し、参照符号404はPWMタイマ16におけるカウンタ回路20のカウント値COUTを表し、参照符号405はPWMタイマ16におけるコンペアデータレジスタ221の設定値を表す。参照符号406はスイッチング素子SW2の制御信号VGD2を表し、参照符号407はA/D変換開始信号TRG_2を表し、参照符号408、409はデータ処理制御部10によるスイッチング素子SW2に係るPWM信号のパルス幅を決定するための演算処理の期間を表す。なお、同図では、カウンタ回路20によるカウント動作の周期を約28.6μs(35kHz)とした場合が例示されているが、その周期は特に限定されない。また、同図では、スイッチング素子SW1に係るPWMタイマ15内のカウンタ回路20のカウント動作が開始されてから半周期遅れた(位相がπ遅れた)タイミングで、スイッチング素子SW2に係るPWMタイマ16内のカウンタ回路20のカウント動作が開始される場合が例示される。更に、同図には、過電流が検出されていない状態でのタイミングチャートが例示され、PWMタイマ15,16のネゲート制御レジスタ220には、PWM信号の出力の許可を指示する値が設定されているものとする。
先ず、スイッチング素子SW1側の動作について説明する。
例えば、タイミングt0でPWMタイマ15内のカウンタ回路20がアップカウントを開始し、そのカウント値COUTがPWMタイマ15内のコンペアデータレジスタ221の設定値と一致したタイミングt1において、制御信号VGD1が第1論理レベル(ハイレベル)にされる。これにより、スイッチング素子SW1がオフ状態からオン状態に遷移し、整流回路2からインダクタL1を介してスイッチング素子SW1に電流ISW1が流れる。このときインダクタL1に流れる電流は電流ISW1と等しく、参照符号302、303に示されるように、時間の経過とともに直線的に増加する。
その後、PWMタイマ15内のカウンタ回路20によるカウント動作がアップカウントからダウンカウントに切り替わるタイミング(カウント値が最大値となるタイミング)t2で、PWMタイマ15内のADC制御部24によってA/D変換開始信号TRG_1が発行され、A/D変換部11、12、及び13に供給される。A/D変換部13は、A/D変換開始信号TRG_1に応答して、スイッチング素子SW1に流れる電流ISW1に係る検出電圧VCS1をサンプリングするとともにディジタル信号に変換する。同様にA/D変換部11、12は、A/D変換開始信号TRG_1に応答して入力電圧VIN及び出力電圧VOUTを夫々サンプリングし、ディジタル信号に変換する。そして、データ処理制御部10は、参照符号308に示されるように、A/D変換部11、12、及び13によってディジタル信号に変換された各検出値に基づいてパルス幅指令値PWM1_INSを算出するための演算処理を開始する。
その後、タイミングt3において、カウント値COUTが、再びPWMタイマ15内のコンペアデータレジスタ221の設定値と一致すると、制御信号VGD1が第2論理レベル(ローレベル)にされる。これにより、スイッチング素子SW1はオン状態からオフ状態に遷移し、インダクタL1から整流素子D1を介して出力端子PFC_OUT側に電流が流れる。このときインダクタL1に流れる電流は整流素子D1に流れる電流と等しく、参照符号302に示されるように、時間の経過とともに直線的に低下する。そして、PWMタイマ15内のカウンタ回路20によるカウント動作がダウンカウントからアップカウントに切り替わるタイミング(カウント値が最小値(“0”)となるタイミング)t4において、期間308で算出されたパルス幅指令値PWM1_INSがコンペアデータレジスタ221に格納され、当該レジスタの設定値が更新される。これにより、次の1周期に係る制御信号VGD1(PWM信号)の生成が開始される。その後は、上記タイミングt1〜t4と同様である。
次に、スイッチング素子SW2側の動作について説明する。
例えば、スイッチング素子SW1側のPWMタイマ15がアップカウントを開始したタイミングt0よりも半周期(位相がπ)遅れたタイミングt2において、スイッチング素子SW2側のPWMタイマ16がアップカウントを開始する。その後、タイミングt3において、PWMタイマ16内のカウンタ回路20によるカウント値COUTがPWMタイマ16内のコンペアデータレジスタ221の設定値と一致すると、制御信号VGD2が第1論理レベル(ハイレベル)にされる。これにより、スイッチング素子SW2がオフ状態からオン状態に遷移し、整流回路2からインダクタL2を介してスイッチング素子SW2に電流ISW2が流れる。このときインダクタL2に流れる電流は電流ISW2と等しく、参照符号402、403に示されるように、時間の経過とともに直線的に増加する。
その後、PWMタイマ16内のカウンタ回路20によるカウント動作がアップカウントからダウンカウントに切り替わるタイミング(カウント値が最大カウント値CMAXとなるタイミング)t4で、PWMタイマ16内のADC制御部24によってA/D変換開始信号TRG_2が出力され、A/D変換部11、12、及び14に供給される。A/D変換部14は、A/D変換開始信号TRG_2に応答して、スイッチング素子SW2に流れる電流ISW2に係る検出電圧VCS2をサンプリングするとともにディジタル信号に変換する。同様にA/D変換部11、12は、A/D変換開始信号TRG_2に応答して入力電圧VIN及び出力電圧VOUTを夫々サンプリングし、ディジタル信号に変換する。そして、参照符号408に示されるように、データ処理制御部10は、A/D変換部11、12、及び14によってディジタル信号に変換された各検出値に基づいてパルス幅指令値PWM2_INSを算出するための演算処理を開始する。
その後、タイミングt5において、PWMタイマ16のカウント値COUTが再びコンペアデータレジスタ221の設定値に一致すると、制御信号VGD2が第2論理レベル(ローレベル)にされる。これにより、スイッチング素子SW2はオン状態からオフ状態に遷移し、インダクタL2から整流素子D2を介して出力端子PFC_OUT側に電流が流れる。このときインダクタL2に流れる電流は整流素子D2に流れる電流と等しく、参照符号402に示されるように、時間の経過とともに直線的に低下する。そして、PWMタイマ16内のカウンタ回路20によるカウント動作がダウンカウントからアップカウントに切り替わるタイミング(カウント値が最小値(“0”)となるタイミング)t6において、期間408で算出されたパルス幅指令値PWM2_INSがPWMタイマ16内のコンペアデータレジスタ221に格納され、当該レジスタの設定値が更新される。これにより、次の1周期に係る制御信号VGD2(PWM信号)の生成が開始される。その後は、上記タイミングt2〜t6と同様である。
以上のように、PFC回路1は、制御信号VGD1、VGD2のパルス幅を調整することでスイッチング素子SW1、SW2のオン期間を制御することにより、インダクタL1に流れる電流IL1と入力電圧VINとの位相差、及びインダクタL2に流れる電流IL2と入力電圧VINとの位相差が小さくなるように制御される。これにより、PFC回路1の入力電圧VINと入力電流IINの位相差が小さくなるように制御されるから、力率が改善され、高調波の発生が抑制される。
図3に示されるように、インダクタL1に流れる電流IL1は、スイッチング素子SW1がオンしている期間はインダクタL1からスイッチング素子SW1を介して流れ、その電流値は直線的に増加し、スイッチング素子SW1がオフしている期間はインダクタL1から整流素子D1を介して流れ、その電流値は直線的に低下する。そのため、例えば、スイッチング素子SW1のスイッチング周期311における電流IL1の平均値は、図3のタイミングt2における電流ISW1(IL1)の値とほぼ一致する。本PFC回路1によれば、当該タイミングで電流ISW1をサンプリングするので、一周期にインダクタL1に流れる平均電流を一回のサンプリングで得ることができ、平均電流を算出するための複雑な演算も不要となる。これにより、PFC回路1における負帰還ループ内の遅延時間を短縮することができ、PFC回路1の安定した制御の実現に資する。また、本PFC回路1によれば、インダクタL1側のみならず、インダクタL2側に流れる平均電流も同様に一回のサンプリングで得ることができるので、第1インダクタ側と第2インダクタ側の双方に流れる平均電流の算出を行っていた従来のインターリーブ構成のPFC回路に比べて、制御部3による処理負荷を大幅に減らすことができる。更に、本PFC回路1によれば、スイッチング素子SW1、SW2に夫々直列に接続された抵抗RCS1、RCS2によってインダクタL1、L2に流れる平均電流を求めることができるから、従来の構成に比べて電流の検出回路の簡易化を図ることができる。すなわち、従来のようにスイッチング素子SW1、SW2のオン期間とオフ期間の両方の電流を検出するための回路(例えば、グラウンドラインに挿入する電流検出用抵抗)が不要となる。また、1つの抵抗RCS1(RCS2)によって電流検出機能とスイッチング素子SW1(SW2)の保護機能を実現することができるので、従来の構成に比べて部品点数の削減を図ることができる。
≪PFC回路1の過電流保護機能≫
PFC回路1の過電流保護機能について詳細に説明する。
図4は、制御部3における過電流保護機能に関連する機能部を例示したブロック図である。説明の便宜上、同図には、スイッチング素子SW1を経由して流れる電流に係る過電流保護機能に関連する機能部のみが図示されている。なお、スイッチング素子SW2を経由して流れる電流に係る過電流保護機能に関連する機能部は、図4に示される構成と同様であるため、その詳細な説明を省略する。
制御部3による過電流保護機能は、ソフトウェアによる制御とハードウェアによる制御の2通りの制御によって実現可能とされる。
ソフトウェアによる制御では、データ処理制御部10が過電流検出部17による過電流状態の検出に応答して演算処理を実行し、その演算結果に基づいてPWMタイマ15を制御することにより、スイッチング素子SW1をオフ状態に遷移させる。具体的に、データ処理制御部10による過電流保護動作は以下のようになる。先ず、過電流状態が検出されていない通常状態では、過電流保護制御部114は、スイッチング素子SW1がオンすることを許可する制御データ(例えば“1”)を生成する。この場合、乗算部112は、第1電流制御部110によって生成された制御データをパルス幅指令値PWM1_INSとしてコンペアデータレジスタ221に設定する。その後、過電流検出部17から過電流状態が検出されたことを示す比較結果CMPO_1が出力されると、過電流保護制御部114は、スイッチング素子SW1、SW2をオフさせることを指示する制御データ(例えば“0”)を生成する。この制御データを受けた乗算部112は、パルス幅を“0(ゼロ)”とすることを指示するパルス幅指令値PWM1_INSを生成し、コンペアデータレジスタ221に設定する。これにより、パルス幅が“ゼロ”の制御信号VGD1が生成され、スイッチング素子SW1がオフ状態に遷移する。
ハードウェアによる制御では、PWMタイマ15内の出力制御部25が、過電流検出部17による過電流の検出に応答してPWM信号200の出力を停止することにより、スイッチング素子SW1をオフ状態に遷移させる。具体的に、出力制御部25による過電流保護動作は以下のようになる。図4に示されるように、過電流検出部17から過電流が検出されたことを示す比較結果CMPO_1が出力されると、PWMタイマ15内のネゲート制御レジスタ220にPWM信号の出力停止を指示する値(例えば”0“)が設定される。これに応じて、PWMタイマ15内の出力制御部25がPWM信号200の出力を停止するとともに制御信号VGD1の信号レベルを第2論理レベル(ローレベル)に固定する。これにより、過電流状態の検出後速やかにスイッチング素子SW1をオフさせることができる。その間、リセット回路21は、カウンタ回路20によるカウント値COUTをモニタする。そして、カウント値COUTが所定の値となったら、リセット回路21はネゲート制御レジスタ220をリセットする。具体的に、リセット回路21は、カウント値COUTが最小カウント値CMIN(例えば、”0(ゼロ)“)になったら、PWMタイマ15内のネゲート制御レジスタ220にPWM信号200の出力の許可を指示する値(例えば”1“)を設定する。これにより、PWMタイマ15内の出力制御部25は、PWM信号生成部23によって生成されたPWM信号200を制御信号VGD1として出力することを再開し、過電流保護状態を解除する。ここで、解除直後に出力制御部25から出力される制御信号VGD1の信号レベルは第2論理レベル(ローレベル)となる。すなわち、カウント値COUTが最小カウント値(”0”)となるタイミングでは、カウント値COUTよりもコンペアデータレジスタ221に設定されたパルス幅指令値PWM1_INSの方が大きいので、このタイミングでのPWM信号200の信号レベルは第2論理レベル(ローレベル)となる。したがって、当該タイミングでPWMタイマ15の出力制御部25によるネゲート機能を解除することにより、解除直後の制御信号VGD1の信号レベルは第2論理レベル(ローレベル)となり、意図せずスイッチング素子SW1がオンすることはない。
図5に、PFC回路1における過電流保護動作に係るタイミングチャートを例示する。上述のソフトウェアによる制御では、過電流保護に係る制御ループ内にデータ処理制御部10による演算処理が含まれる。そのため、例えばタイミングt01において過電流状態が検出されたとすると、一点鎖線で示される制御信号VGD1の特性502のように、データ処理制御部10による演算処理時間に応じた遅延時間が経過したタイミングt02において、スイッチング素子SW1がオフ状態に遷移する。これに対し、ハードウェアによる制御は、過電流検出部17、18による過電流状態の検出結果に応じてPWMタイマ15、16のネゲート機能を有効・無効を切り替える制御であり、その制御ループ内にデータ処理制御部10による演算処理が含まれない。そのため、実線で示される制御信号VGD1の特性501のように、タイミングt01において過電流検出部17、18により過電流状態が検出されれば、速やかにスイッチング素子SW1、SW2をオフさせることができる。その後は、カウント値COUTが“0”となるタイミング)t03で過電流保護機能が解除され、次のスイッチングサイクルの制御信号VGD1、VGD2(PWM信号)の生成が再開される。
以上のようにPFC回路1によれば、制御部3によるソフトウェア制御のみならず、ハードウェア制御を行うことにより、より信頼性の高い過電流保護機能を実現することができる。また、制御部3によれば、ソフトウェアによる過電流保護動作の応答速度の問題を解決するために、従来のように外付けの過電流保護回路を別途用意する必要はなく、部品点数の削減に資する。また、図5に示されるように、制御部3は、過電流検出後の次のスイッチングサイクルの制御信号VGD1、VGD2(PWM信号)が生成される前のタイミングt03で過電流保護機能を解除する自己復帰型の制御ループを構成するので、過電流保護機能を解除するための信号を別途用意する必要がなく、システム構成が容易となる。
以上、本実施の形態に係る制御部3によれば、ディジタル制御方式のスイッチング電源装置のより安定した制御を実現できる。
以上本発明者によってなされた発明を実施形態に基づいて具体的に説明したが、本発明はそれに限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲において種々変更可能であることは言うまでもない。
例えば、本実施の形態ではインダクタやスイッチング素子等を2重化したインターリーブ構成のPFC回路を例に取り説明したが、インターリーブ構成ではないPFC回路(例えば、図1においてインダクタL2、スイッチング素子SW2、整流素子D2、抵抗RCS2、及びゲートドライバ回路4_2を取り除いた構成のPFC回路)に適用することもできる。この場合、制御部3におけるスイッチング素子SW2の制御のための制御信号VGD2を生成するための機能部(PWMタイマ16やA/D変換部14等)は不要である。これによれば、上記インターリーブ構成のPFC回路と同様の効果が期待できる。更に、多重化したインターリーブ構成のPFC回路に制御部3を適用することも可能である。例えば、n(nは3以上の整数)重化したインターリーブ構成のPFC回路に適用する場合、n個のスイッチング素子の夫々に対応したPWMタイマやA/D変換部等を制御部3に設けるとともに、それらの機能部を“2π/n”の位相差で動作するように制御すれば良い。これによれば、上記インターリーブ構成のPFC回路と同様の効果が期待できる。また、PFC回路に限られず、インダクタに流れる電流の平均値に基づいてスイッチング素子を制御するようなスイッチング電源装置であれば、そのコントロールICに本制御部3による電流検出手法を適用することができる。
スイッチング素子SW1、SW2は、高耐圧のパワートランジスタであれば、特にIGBTに限定されない。例えば、Nチャネル型のパワーMOSトランジスタであっても良い。また、入力電圧VINを検出するための抵抗R1、R2や出力電圧VOUTを検出するための抵抗R3、R4は、制御部3に内蔵しても良く、特に制限されない。同様に、ゲートドライバ回路4_1、4_2も制御部3に内蔵しても良い。
図3において、入力電圧VIN、出力電圧VOUT、電流ISW1(ISW2)を同じタイミングでサンプリングする場合を例示したが、これに限られない。例えば、PWMタイマ15(16)からのA/D変換開始信号TRG_1(TRG_2)によって出力電圧VOUT及び電流ISW1(ISW2)を同じタイミングでサンプリングし、入力電圧VINは別のタイミングでサンプリングしてもよい。この場合、入力電圧VINをサンプリングするA/D変換部11は、A/D変換開始信号TRG_1(TRG_2)よりも周波数の高いサンプリング信号に従ってサンプリングを実行することが望ましい。
1 スイッチング電源装置(PFC回路)
2 整流回路
VAC 交流電圧
VIN 整流された電圧
INN 入力電流
R1〜R4、RCS1、RCS2 抵抗
SW1、SW2 スイッチング素子
ISW1、ISW2 スイッチング素子に流れる電流
L1、L2 インダクタ
IL1、IL2 インダクタに流れる電流
D1、D2 整流素子
COUT 容量
NDIN、ND1、ND2 ノード
PFC_OUTP、PFC_OUTN 出力端子(ノード)
4_1、4_2 ゲートドライバ回路
3 制御部
IN_VIN、GD1、GD2、CS1、CS2、IN_VOUT 外部端子
VCS1、VCS2 検出電圧
11〜14 A/D変換部
15、16 PWMタイマ
17、18 過電流検出部
VOCP1、VOCP2 基準電圧
SWCS1、SWCS2 スイッチ
10 データ処理制御部
101 目標電流値算出部
102 ソフトスタート制御部
103 電圧制御部
104 過電圧保護制御部
105 過電圧検出部
106 目標電圧値格納レジスタ
107〜109 減算部
110 第1電流制御部
111 第2電流制御部
112、113 乗算部
114 過電流保護制御部
20 カウンタ回路
21 リセット回路
22 レジスタ群
220 ネゲート制御レジスタ
221 コンペアデータレジスタ
222 A/D変換開始要求タイミングレジスタ
23 PWM信号生成回路
24 ADC制御部
25 出力制御部
COUT カウント値
CMAX 最大カウント値
CMIN 最小カウント値
TRG_1、TRG_2 A/D変換開始信号
200 PWM信号
300 入力電圧VINの特性
301 出力電圧VOUTの特性
302 インダクタL1に流れる電流の特性
303 電流ISW1(検出電圧VCS1)の特性
304 PWMタイマ15のカウント値COUT
305 PWMタイマ15におけるコンペアデータレジスタ221の設定値
306 制御信号VGD1の特性
307 A/D変換開始信号TRG_1の特性
308、309 データ処理制御部10による演算処理期間
310 PWMタイマ15によるPWM信号200(制御信号VGD1)がハイレベルとなる期間
311 スイッチング素子SW1のスイッチング周期
402 インダクタL2に流れる電流の特性
403 電流ISW2(電圧VCS2)の特性
404 PWMタイマ16のカウント値COUT
405 PWMタイマ16におけるコンペアデータレジスタ221の設定値
406 制御信号VGD2の特性
407 A/D変換開始信号TRG_2の特性
408、409 データ処理制御部10による演算処理期間
410 PWMタイマ16によるPWM信号200(制御信号VGD1)がハイレベルとなる期間
t0〜t7、t01〜t04 タイミング

Claims (12)

  1. 交流電圧を整流して出力する整流回路と、
    前記整流回路から出力された電圧の供給を受ける入力ノードと第1ノードとの間に設けられる第1インダクタと、
    基準となる電圧が供給される基準ノードと前記第1ノードとの間に設けられる第1スイッチング素子と、
    前記第1ノードと出力ノードとの間に設けられ、前記第1スイッチング素子がオフしている期間に前記第1ノードと前記出力ノードとの間に電流経路を形成する第1整流素子と、
    前記出力ノードと前記基準ノードとの間に設けられた容量素子と、
    前記出力ノードの電圧の情報、前記入力ノードの電圧の情報、及び前記第1インダクタに流れる平均電流の情報に基づいて、前記出力ノードの電圧が前記目標とする電圧と等しく、且つ前記入力ノードの電圧と前記整流回路から前記入力ノードに供給される電流の位相差が小さくなるように、前記第1スイッチング素子のオン・オフを制御するための第1制御信号を生成する制御部と、を有し、
    前記制御部は、前記第1スイッチング素子がオンする期間の中間のタイミングでサンプリングした前記第1スイッチング素子に流れる電流の値を前記平均電流の情報とするスイッチング電源装置。
  2. 前記第1スイッチング素子は、前記第1制御信号が第1論理レベルの場合にオン状態とされ、前記第1制御信号が前記第1論理レベルの反転の第2論理レベルの場合にオフ状態とされ、
    前記制御部は、前記出力ノードの電圧の情報、前記入力ノードの電圧の情報、及び前記平均電流の情報に基づいて第1設定値を算出するとともに、アップカウントとダウンカウントが所定の周期で繰り返し実行される三角波状のカウント値と前記第1設定値とを比較し、比較結果に応じて前記第1制御信号の信号レベルを前記第1論理レベル又は前記第2論理レベルに切り替えて出力し、
    前記制御部は、前記第1制御信号が前記第1論理レベルとなる期間において、前記カウント値がアップカウントとダウンカウントの切り替わりに応じた値となったら、前記第1スイッチング素子に流れる電流をサンプリングする請求項1に記載のスイッチング電源装置。
  3. 前記第1ノードと前記基準ノードとの間に設けられ、前記第1スイッチング素子に直列に接続される第1抵抗素子を更に有し、
    前記制御部は、前記第1抵抗素子によって発生した電圧をサンプリングすることにより、前記第1スイッチング素子に流れる電流のサンプリングを行う請求項2に記載のスイッチング電源装置。
  4. 前記制御部は、
    前記入力ノードの電圧をサンプリングし、ディジタル信号に変換する第1A/D変換回路と、
    前記出力ノード電圧をサンプリングし、ディジタル信号に変換する第2A/D変換部と、
    前記第1抵抗素子に発生する電圧をサンプリングし、ディジタル信号に変換する第3A/D変換部と、
    第1タイマ部と、
    データ処理制御部と、を有し、
    前記第1タイマ部は、
    前記データ処理制御部によって設定された条件に従って、アップカウントとダウンカウントを前記所定の周期で繰り返し実行するカウンタ回路と、
    前記第1設定値を格納するための第1記憶部と、
    第2設定値を格納するための第2記憶部と、
    前記第1制御信号を生成するための制御信号生成部と、
    前記サンプリングの実行を指示するための指示部と、を有し、
    前記データ処理制御部は、前記所定の周期に応じた演算サイクルで、前記第1A/D変換部、前記第2A/D変換部、及び前記第3A/D変換部による夫々の変換結果に基づいて前記第1設定値を算出し、前記第1記憶部に設定し、
    前記制御信号生成部は、前記第1記憶部に設定された前記第1設定値と前記カウンタ回路によるカウント値とを比較し、前記所定の周期において当該カウント値が前記第1設定値に一致してから再び前記第1設定値に一致するまでの第1期間に前記第1論理レベルとし、それ以外の期間を前記第2論理レベルとする前記第1制御信号を生成し、
    前記指示部は、前記第2記憶部に格納された前記第2設定値と前記カウンタ回路によるカウント値とを比較し、前記第1期間において当該カウント値が前記第2設定値と一致したら前記第3A/D変換部に対してサンプリングの指示を行い、
    前記第2設定値は、前記第1期間において前記カウンタ回路によるアップカウントとダウンカウントとが切り替わるときのカウント値に応じた値である請求項3に記載のスイッチング電源装置。
  5. 前記制御部は、前記第1抵抗素子に発生する電圧と所定の基準値とを比較し、比較結果を出力するコンパレータ回路を更に有し、
    前記制御信号生成部は、
    前記第1記憶部に設定された前記第1設定値と前記カウンタ回路によるカウント値とを比較し、前記所定の周期において前記カウント値が前記第1設定値に一致してから再び前記第1設定値に一致するまでの第1期間に前記第1論理レベルとし、それ以外の期間を前記第2論理レベルとするPWM信号を生成するPWM信号生成回路と、
    前記コンパレータ回路による比較結果に基づいて、前記PWM信号を前記第1制御信号として出力するか否かを制御する出力制御回路と、を有し、
    前記出力制御回路は、前記第1抵抗素子に発生した電圧が前記所定の基準値を超えない場合には、前記PWM信号を前記第1制御信号として出力し、前記第1抵抗素子に発生した電圧が前記所定の基準値を超える場合には、前記PWM信号の出力を停止するとともに前記第2論理レベルの信号を前記第1制御信号として出力し、次のサイクルの前記PWM信号が生成される前のタイミングで前記PWM信号の出力を可能にする請求項4に記載のスイッチング電源装置。
  6. 前記出力制御回路は、前記第1抵抗素子に発生した電圧が前記所定の基準値を超えたことが検出されてから最初に前記カウント値が第3設定値と一致したタイミングで前記PWM信号の出力を可能にし、
    前記第3設定値は、前記カウンタ回路によるアップカウントとダウンカウントとが切り替わるときのカウント値に応じた値であって、前記第2設定値と異なる値とされる請求項5に記載のスイッチング電源装置。
  7. 前記第1期間は、前記カウンタ回路によるカウント値が、アップカウント時に前記第1設定値に一致してから、次のダウンカウント時に前記第1設定値に一致するまでの期間であって、
    前記第2設定値は、前記カウンタ回路によるカウント動作がアップカウントからダウンカウントに切り替わるときの最大カウント値に応じた値であり、
    前記第3設定値は、前記カウンタ回路によるカウント動作がダウンカウントからアップカウントに切り替わるときの最小カウント値に応じた値である請求項6に記載のスイッチング電源装置。
  8. 第2ノードと前記入力ノードとの間に設けられる第2インダクタと、
    前記第2ノードと前記基準ノードとの間に設けられる第2スイッチング素子と、
    前記第2ノードと前記出力ノードとの間に設けられ、前記第2スイッチング素子がオフしている期間に、前記第2ノードと前記出力ノードとの間に電流経路を形成する第2整流素子と、を更に有し、
    前記制御部は、前記出力ノードの電圧の情報、前記入力ノードの電圧の情報、及び前記第2インダクタに流れる平均電流の情報に基づいて、前記出力ノードの電圧が前記目標とする電圧と等しく、且つ前記入力ノードの電圧と前記整流回路から前記入力ノードに供給される電流との位相差が小さくなるように、前記第2スイッチング素子のオン・オフを制御するための第2制御信号を生成し、
    前記制御部は、前記第2スイッチング素子がオンする期間の中間のタイミングでサンプリングした前記第2スイッチング素子に流れる電流の情報を前記平均電流の情報とし、
    前記第1制御信号を生成するための制御と前記第2制御信号を生成するための制御は、位相がπずれたタイミングで行われる請求項1に記載のスイッチング電源装置。
  9. 前記制御部は、マイクロコントローラを含んで構成される請求項1に記載のスイッチング電源装置。
  10. スイッチング素子によってインダクタに流れる電流を制御することにより、交流電圧を整流した入力電圧を目標とする直流電圧に変換して出力するとともに力率を改善するための連続モードのPFC回路を制御するための半導体装置であって、
    前記入力電圧を入力するための第1外部端子と、
    前記PFC回路の出力電圧を入力するための第2外部端子と、
    前記スイッチング素子に流れる電流に応じた検出電圧を入力するための第3外部端子と、
    前記第1外部端子に入力された電圧をサンプリングし、ディジタル信号に変換するための第1A/D変換部と、
    前記第2外部端子に入力された電圧をサンプリングし、ディジタル信号に変換するための第2A/D変換部と、
    前記第3外部端子に入力された電圧をサンプリングし、ディジタル信号に変換するための第3A/D変換部と、
    タイマ部と、
    前記出力電圧が前記目標とする直流電圧と等しく、且つ前記PFC回路の入力電圧と入力電流との位相差が小さくなるように、前記出力電圧の情報、前記入力電圧の情報、及び前記PFC回路の入力電流の平均値の情報に基づいて、前記制御信号のパルス幅を決定するための第1設定値を算出するデータ処理制御部と、を有し、
    前記タイマ部は、
    前記データ処理制御部によって設定された条件に従って、アップカウントとダウンカウントを所定の周期で繰り返し実行するカウンタ回路と、
    前記スイッチング素子のオン・オフを制御するための制御信号を生成するための制御信号生成部と、
    前記第1設定値を格納するための第1記憶部と、
    第2記憶部と、
    指示部と、を有し、
    前記データ処理制御部は、前記第1A/D変換部の変換結果を前記入力電圧の情報とし、前記第2A/D変換部の変換結果を前記出力電圧の情報とし、前記第3A/D変換部の変換結果を前記PFC回路の入力電流の平均値の情報として、前記所定の周期に応じた演算サイクルで、前記第1設定値を算出するとともに前記第1記憶部に設定し、
    前記制御信号生成部は、前記第1記憶部に設定された前記第1設定値と前記カウンタ回路によるカウント値とを比較し、前記カウント値が前記第1設定値よりも大きい場合に第1論理レベルの前記制御信号を生成し、小さい場合に前記第1論理レベルを反転した第2論理レベルの前記制御信号を生成し、
    前記第2記憶部は、前記制御信号が前記第1論理レベルとなる期間において前記カウンタ回路によるカウント動作がアップカウントとダウンカウントとが切り替わるときのカウント値に応じた第2設定値が設定可能にされ、
    前記指示部は、前記制御信号が前記第1論理レベルとなる期間において、前記カウント値が前記第2設定値と一致したら前記第3A/D変換部に対してサンプリングの指示を行う半導体装置。
  11. 前記第3外部端子の電圧と所定の閾値電圧とを比較し、比較結果を出力するためのコンパレータ回路を更に有し、
    前記制御信号生成部は、前記コンパレータ回路から前記第3外部端子の電圧が前記閾値電圧を超えないことを示す比較結果が出力された場合には、前記第1設定値と前記カウンタ回路によるカウント値との比較結果に基づいて前記制御信号を生成し、前記第3外部端子の電圧が前記閾値電圧を超えたことを示す比較結果が出力された場合には、前記第1設定値と前記カウント値との比較結果に基づく前記制御信号の生成を停止するとともに前記第2論理レベルの前記制御信号を生成し、前記カウント値が第3設定値と最初に一致したタイミングで、前記第1設定値と前記カウンタ回路によるカウント値との比較結果に基づく前記制御信号の生成を再開し、
    前記第3設定値は、前記カウンタ回路によるアップカウントとダウンカウントとが切り替わるときのカウント値に応じた値であって、前記第2設定値と異なる値とされる請求項10に記載の半導体装置。
  12. 交流電圧を整流して出力する整流回路と、
    前記整流回路によって整流された電圧を入力し、スイッチング素子によってインダクタに流れる電流を制御することにより、前記入力された電圧を目標とする電圧に変換して出力するための電圧コンバータ回路と、
    前記電圧コンバータ回路の入力電圧の情報と、前記電圧コンバータ回路の出力電圧の情報と、前記スイッチング素子に流れる電流の平均値の情報とに基づいて、前記スイッチング素子のオン・オフを制御するための制御信号を生成する制御部とを有し、
    前記制御部は、前記スイッチング素子がオンする期間の中間のタイミングでサンプリングした前記スイッチング素子に流れる電流の情報を前記平均値の情報とするスイッチング電源装置。
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