JP2014109376A - 電磁クラッチ装置およびそれを備えた電動アクチュエータ - Google Patents
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Abstract
【解決手段】電磁クラッチ装置は、第1アーマチュアハブ54と第1アーマチュア49との間を流れる磁束を検出するシフト用ホールIC182を備える。制御部88は、シフト用ホールICにより検出された磁束の大きさに基づいて、シフト電磁クラッチ43の断続を判定する。シフト用ホールIC182は、第1ヨーク170に支持されたセンサ支持環181によって支持された状態で、第1アーマチュアハブ54と第1アーマチュア49との間において第1アーマチュアハブ54および第1アーマチュア49との双方と非接触の状態で配置されている。
【選択図】図6
Description
下記特許文献1では、電動モータ等を備え、電動モータにより発生される回転トルクによって、シフトセレクト軸を軸中心まわりに回転させてインターナルレバーをシフト動作させたり、シフトセレクト軸を軸方向移動させてインターナルレバーをセレクト動作させたりする電動アクチュエータが開示されている。
特許文献1では、第1回転量回転センサの検出出力に基づいてシフトセレクト軸の軸方向移動量が検出され、また、第2回転量回転センサの検出出力に基づいてシフトセレクト軸の回転角度量が検出される。この場合、電動モータの回転量と第1回転量検出センサの検出出力や第2回転量検出センサの検出出力とを比較することにより、シフト電磁クラッチやセレクト電磁クラッチの故障を判定することが可能である。しかしながら、このような判定手法では、モータの動作開始後のみにしか電磁クラッチの故障を検出することができない。これに対し、前述のような断続センサを設けておけば、電動モータの動作開始に先立って電磁クラッチの故障を検出することが可能である。
ところが、前述の電動アクチュエータでは、電磁クラッチのロータがアーマチュアに対して相対回転しており、たとえばリミットスイッチを断続センサとして用いることはできない。また、断続センサとしてリミットスイッチを採用する場合には、その可動部分の破損等のために断続センサを交換する必要が生じるおそれもある。そのため、リミットスイッチを採用せずに、電磁クラッチの断続を検出する必要がある。
この構成によれば、コイルへの通電により当該コイルに磁力が発生し、ヨーク、ロータおよびアーマチュア間に磁気回路が形成される。そして、ヨーク、ロータおよびアーマチュア間を大きな磁束が流れる。ヨークに引き付けられたアーマチュアがロータに接触することにより、電磁クラッチが接続状態にされる。
そのため、ヨーク、ロータおよびアーマチュアを含む領域の少なくとも一部に流れる磁束を、磁気センサによって検出することにより、電磁クラッチの断続を検出することができる。電磁クラッチの断続検出のためのセンサとして磁気センサを採用することにより、リミットスイッチのような可動部を有するセンサを採用する場合と比較して、センサの長寿命化を図ることができる。また、非接触センサである磁気センサは、相互に相対回転するロータまたはアーマチュアに直接取り付ける必要がないので、電磁クラッチ内に良好に配設することが可能である。
この構成によれば、磁気センサが、ロータとアーマチュアとの間においてロータおよびアーマチュアの双方と非接触の状態で配置されているので、磁気回路(とくにロータとアーマチュアとの間)を流れる磁束を磁気センサによって良好に検出することができる。
このようなセンサとして、ホールICやホール素子を例示することができる。
請求項4に記載の発明は、操作レバー(16)が連結された操作軸(15)を移動させることで前記操作レバーを変速操作させるための電動アクチュエータであって、回転トルクを発生させるための電動モータ(23)と、前記ロータを有し、前記回転トルクを前記操作軸に伝達するための伝達機構(24,25)と、前記電動モータに連結されて、前記電動モータの回転トルクを前記伝達機構に伝達するための伝達軸(41)と、前記請求項1〜3のいずれか一項に記載の電磁クラッチ装置とを含み、前記アーマチュアが前記伝達軸に同伴回転可能に配設されており、前記断続検出手段は、前記アーマチュアと前記ロータとの接触状態を検出する、電動アクチュエータである。
図1は、本発明の第1実施形態に係る電動アクチュエータ21が組み込まれた変速装置の概略構成を示す分解斜視図である。
変速装置1は、変速機2と、変速機2を変速駆動する変速駆動装置3とを備えている。
変速機2は、公知の常時かみ合い式の平行歯車式変速機であり、乗用車やトラックなどの車両に搭載される。変速機2は、ギヤハウジング7と、ギヤハウジング7内に収容される常時かみ合い式の平行歯車式変速機構(図示せず)とを備えている。
一方、電動アクチュエータ21によりシフトセレクト軸15がその中心軸線17まわりに回転されると、シフトレバー16が中心軸線17まわりに揺動する。その結果、シフトレバー16と係合しているいずれかのシフトブロック12A,12B,12Cが、シフトロッド10A,10B,10Cの軸方向M1,M2,M3に移動し、これにより、シフト動作が達成される。なお、このシフト動作のために必要なシフトセレクト軸15の回転角度は360°(シフトセレクト軸15一周分)よりも著しく小さい(たとえば120°程度)。
以下では、図2〜図5を参照して、変速駆動装置3、特に、電動アクチュエータ21の構成について説明する。
具体的には、電動アクチュエータ21は、本体ハウジング22の他に、図2に示す取付ステー18を備えている。取付ステー18は、本体部19と、延設部20とを一体的に備えている。
延設部20は、円管状であり、本体部19から本体ハウジング22側へ延びている。延設部20において本体ハウジング22側(図3における下側)の端部には、延設部20の径方向へ張り出すフランジ部20Aが一体的に設けられている。延設部20の延びる方向から見たときのフランジ部20Aの輪郭は、略矩形状をなしている。フランジ部20Aが本体ハウジング22に接触した状態で、フランジ部20A(四隅の部分)および本体ハウジング22に対して共通の複数(ここでは4本)のボルト14(図2参照)が組み付けられている。これにより、取付ステー18が本体ハウジング22に対して固定されている。
取付ステー18では、本体部19がギヤハウジング7(図1参照)に対してボルト(図示せず)によって組み付けられている。これによって、電動アクチュエータ21(換言すれば、変速駆動装置3全体)は、ギヤハウジング7の外表面に固定されている。この状態で、シフトセレクト軸15では、シフトレバー16側の部分が、本体ハウジング22の外にはみ出ている。シフトセレクト軸15における本体ハウジング22の外にはみ出た部分は、延設部20の内部および本体部19の中空部分19A内に配置されている。この状態で、当該部分は、本体部19の挿通孔19Bに対して挿通されているとともに、本体部19の中空部分19Aから外部に露出している。
図4を参照して、電動アクチュエータ21は、電動モータ23と、シフト変換機構24と、セレクト変換機構25と、切換ユニット26とを備えている。
シフト変換機構24は、電動モータ23の回転トルクを、シフトセレクト軸15を中心軸線17まわり(軸回り)に回転させる力に変換してシフトセレクト軸15に伝達するためのものである。セレクト変換機構25は、電動モータ23の回転トルクを、シフトセレクト軸15をその軸方向M4(図4における紙面に直交する方向)へ移動(スライド)させる力に変換してシフトセレクト軸15に伝達するためのものである。切換ユニット26は、電動モータ23の回転トルクの伝達先を、シフト変換機構24とセレクト変換機構25との間で切り換えるためのものである。電動モータ23が本体ハウジング22に対して外から取り付けられているのに対し、シフト変換機構24、セレクト変換機構25および切換ユニット26は、本体ハウジング22内に収容されている。
軸ホルダ116において、厚み方向(図5に示す左右方向)における途中には、ロックボール106が配設されている。具体的には、通過孔104の内周面と、軸ホルダ116の外周面とを貫通する貫通孔105内にロックボール106が収容されている。ロックボール106は、通過孔104の中心軸線(すなわちシフトセレクト軸15の中心軸線17)と直交する方向に延びる略円筒状をなすとともに、当該方向に沿って移動可能に設けられている。ロックボール106の先端部は半球状をなしており、次に述べる係合溝107に係合する。
ラック部122の外周面には、その周方向における全域に、ラック歯形成領域125が設けられている。ラック歯形成領域125では、ラック部122の軸方向M4の一端(図5に示す左端)から他端(図5に示す右端)にわたって、複数のラック歯123がそれぞれ中心軸線17に沿って互いに平行に延びている。ラック歯形成領域125のラック歯123が、後述するピニオンギヤ36と噛み合っている。
クラッチ機構39は、第1ロータ42と断続して、伝達軸41と第1ロータ42とを連結/解放するシフト電磁クラッチ43と、第2ロータ44と断続して、伝達軸41と第2ロータ44とを連結/解放するセレクト電磁クラッチ45とを備えている。シフト電磁クラッチ43は、電動モータ23からの回転トルクを第1ロータ42に伝達して第1ロータ42を回転させることができる。セレクト電磁クラッチ45は、電動モータ23からの回転トルクを第2ロータ44に伝達して第2ロータ44を回転させることができる。
クラッチ機構39には、シフト電磁クラッチ43およびセレクト電磁クラッチ45を駆動するためのクラッチ駆動回路205(図8参照)が接続されている。クラッチ駆動回路205には、配線などを介して電源(図示せず)から電圧供給(給電)されている。クラッチ駆動回路205は、リレー回路などを含む構成であり、シフト電磁クラッチ43およびセレクト電磁クラッチ45に対し、それぞれ個別に給電および給電停止を切換え可能に設けられている。なお、クラッチ駆動回路205は、シフト電磁クラッチ43およびセレクト電磁クラッチ45の双方を駆動する構成に限られず、シフト電磁クラッチ43を駆動するためのクラッチ駆動回路205と、セレクト電磁クラッチ45を駆動するためのクラッチ駆動回路205とを個別に設けることもできる。
シフト変換機構24は、回転運動を直線運動に変換する減速機としてのボールねじ機構58と、このボールねじ機構58に備えられるナット59と、ナット59の軸方向移動に伴ってシフトセレクト軸15の中心軸線17まわりに回動するアーム60とを主に備えている。
本体ハウジング22の底壁(蓋27とは反対側の壁。図4に示す右壁)には、その内外面を貫通するセンサ用孔85が形成されている。ピニオン角センサ87は、センサ部(図示しない)と、センサ部に連結された第1センサ軸99とを備えている。第1センサ軸99の先端部は、センサ用孔85を通ってピニオン軸95の他端部82に同伴回転可能に連結されている。ピニオン軸95が回転すると、そのピニオン軸95に同伴して第1センサ軸99がその軸まわりに回転する。ピニオン角センサ87は第1センサ軸99の回転角度に基づいて、ピニオン軸95の回転角度を検出する。
シフトセレクト角センサ89は、センサ部(図示しない)が内蔵された本体90と、本体90のセンサ部に一体回転可能に連結された第2センサ軸94と、第2センサ軸94に外嵌固定されたセクタ歯車91とを備えている。このセクタ歯車91は、シフトセレクト軸15に同伴回転可能に設けられた(外嵌固定された)センサ用歯車92と噛み合っている。シフトセレクト軸15がその軸まわりに回転すると、そのシフトセレクト軸15に同伴してセンサ用歯車92およびセクタ歯車91が回転し、これに伴って第2センサ軸94がその軸まわりに回転する。シフトセレクト角センサ89は、第2センサ軸94の回転角度に基づいてシフトセレクト軸15の回転角度を検出する。
第1ロータ42の第1アーマチュアハブ54は、大径部47(具体的には第1アーマチュア49)に対向する第1のロータ側対向面54Aを備えている。第1のロータ側対向面54Aは、第1ロータ42の回転軸線C(図4参照)に直交する平坦面からなる。
第2ロータ44の第2アーマチュアハブ55は、大径部47(具体的には第2アーマチュア52)に対向する第2のロータ側対向面55Aを備えている。第2のロータ側対向面55Aは、第2ロータ44の回転軸線C(図4参照)に直交する平坦面からなる。
また、制御部88は、セレクト用ホールIC192によって検出される磁束の大きさが予め定める閾値を超える場合には、セレクト電磁クラッチ45が接続状態であると判定し、またセレクト用ホールIC192によって検出される磁束の大きさが閾値以下である場合には、セレクト電磁クラッチ45が切断状態であると判定する。
また、第2電磁コイル53への通電により第2電磁コイル53に磁力が発生し、第2ヨーク171、第2アーマチュアハブ55および第2アーマチュア52間に磁気回路が形成される。そして、第2ヨーク171、第2アーマチュアハブ55および第2アーマチュア52間を、大きな磁束が流れる。第2ヨーク171に引き付けられた第2アーマチュア52が第2アーマチュアハブ55に接触することにより、セレクト電磁クラッチ45が接続状態にされる。一方、セレクト電磁クラッチ45の切断状態では、第2ヨーク171、第2アーマチュアハブ55および第2アーマチュア52間に磁気回路が形成されないので、第2ヨーク171、第2アーマチュアハブ55および第2アーマチュア52間に磁束が流れない。
以上、この発明の一実施形態について説明したが、本発明は他の形態で実施することもできる。
また、シフトおよびセレクト電磁クラッチ43,45の双方に、その断続を検出するための磁気センサ(ホールIC182,192)を内蔵させたが、シフトおよびセレクト電磁クラッチ43,45の一方のみに磁気センサを内蔵させてもよい。
その他、特許請求の範囲に記載された事項の範囲で種々の設計変更を施すことが可能である。
Claims (5)
- ロータに相対回転可能に設けられて、当該ロータに非接触/接触するアーマチュアと、磁力を発生するためのコイルと、前記コイルが内蔵されたヨークとを有し、前記アーマチュアの前記ロータに対する非接触/接触により、前記ロータと断続する電磁クラッチと、
前記アーマチュア、前記ヨークおよび前記ロータを含む領域の少なくとも一部に流れる磁束を検出する磁気センサと、
前記磁気センサにより検出された磁束の大きさに基づいて、前記電磁クラッチの断続を判定する断続判定手段とを含む、電磁クラッチ装置。 - 前記磁気センサは、ヨークに固定されたホルダに支持された状態で、前記ロータと前記アーマチュアとの間において前記ロータおよび前記アーマチュアの双方と非接触の状態で配置されている、請求項1に記載の電磁クラッチ装置。
- 前記磁気センサは、ホール素子を含むセンサである、請求項1または2に記載の電磁クラッチ装置。
- 操作レバーが連結された操作軸を移動させることで前記操作レバーを変速操作させるための電動アクチュエータであって、
回転トルクを発生させるための電動モータと、
前記ロータを有し、前記回転トルクを前記操作軸に伝達するための伝達機構と、
前記電動モータに連結されて、前記電動モータの回転トルクを前記伝達機構に伝達するための伝達軸と、
前記請求項1〜3のいずれか一項に記載の電磁クラッチ装置とを含み、
前記アーマチュアが前記伝達軸に同伴回転可能に配設されており、
前記断続検出手段は、前記アーマチュアと前記ロータとの接触状態を検出する、電動アクチュエータ。 - 前記操作軸は、シフトレバーが連結されて、軸まわりに回転させることで前記シフトレバーをシフト動作させるとともに軸方向移動させることで前記シフトレバーをセレクト動作させるためのシフトセレクト軸を含み、
前記伝達機構は、
前記電動モータによって発生される回転トルクを、前記シフトセレクト軸を軸まわりに回転させる力に変換して、前記シフトセレクト軸に伝達するシフト変換機構と、
前記電動モータによって発生される回転トルクを、前記シフトセレクト軸を軸方向移動させる力に変換して、前記シフトセレクト軸に伝達するセレクト変換機構とを含み、
前記電磁クラッチは、
前記電動モータによって発生される回転駆動力を前記伝達軸から前記シフト変換機構に伝達/遮断するシフト電磁クラッチと、
前記電動モータによって発生される回転駆動力を前記伝達軸から前記セレクト変換機構に伝達/遮断するセレクト電磁クラッチとを含む、請求項4に記載の電動アクチュエータ。
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