JP2014108945A - ヒートショックプロテイン70産生誘導剤 - Google Patents

ヒートショックプロテイン70産生誘導剤 Download PDF

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Abstract

【課題】
これまでにない高い安全性を有するヒートショックプロテイン70産生誘導剤を得、医薬品、化粧品に応用することを課題とする。
【解決手段】
亜鉛化合物を今までに無い高濃度に含有する培地で順化させた酵母の培養方法。および亜鉛化合物を高濃度に菌体内に蓄積した酵母菌体抽出液を利用することにより、細胞毒性が低く、且つ十分なヒートショックプロテイン70産生誘導効果を有する組成物を利用することで、胃潰瘍・胃粘膜の修復、予防に有効な組成物として利用できる。さらに、化粧品組成物として利用することで紫外線や環境からのストレスに対して、肌の炎症防止、皮膚バリア機能の保持などの効果が期待できる。
【選択図】なし

Description

本発明は、ヒートショックプロテイン70の産生誘導剤に関する。さらに詳しくは、亜鉛化合物を含有した酵母菌体抽出物の、ヒートショックプロテイン70産生誘導剤に関する。
ヒートショックプロテイン(HSP)の発現は、細菌感染や炎症、エタノール、活性酸素、重金属、紫外線、低酸素状態、および細胞が高温にさらされた場合など、細胞に対する様々なストレスにより誘導されることが知られている。生成した新生タンパク質は不安定な状態にあり、フォールディングと呼ばれる過程を経て安定化する。HSPはこの新生タンパク質に結合することによりタンパク質のフォールディングを制御する分子シャペロンとしての機能を持ち、分子シャペロンの多くはHSPである。高温条件化において変性したタンパク質、あるいは新生タンパク質のうちフォールディングの段階に問題があり、機能できないものにはHSPが結合してその処理を行うことが知られている。HSPはこのような高次構造の破壊されたタンパク質の修復およびタンパク質変性の抑制機能を有し、修復が不可能であると判断されたタンパク質はユビキチン化を受け、プロテアソームと呼ばれる酵素複合体へ運搬されて分解を受ける。
HSP70 は消化管や皮膚など多くの臓器において恒常的に発現していること及び、種々のストレスによってその発現量が増加することが報告されている。近年、HSP70 は抗細胞死作用や抗炎症作用を持ち、アルコールや紫外線など種々のストレスに対し、細胞を保護することが報告されている。そのため、HSP70誘導剤を医薬品(胃粘膜保護薬など)や化粧品へ応用する研究が行われている。
すでに、胃潰瘍や胃粘膜傷害の治療薬にはHSP70誘導効果を持つものが多く知られており、ゲラニルゲラニルアセトンはセルベックス(エーザイ株式会社)という名称で医薬品として市販されている(非特許文献1)。また、亜鉛化合物がHSP70を誘導することも良く知られており、亜鉛とL-カルノシンの錯化合物であるポラプレジンク(ゼリア新薬)が抗潰瘍薬として使用されている(非特許文献2)。
さらに、芍薬の根から抽出されたペオニフロリンがHela細胞に対してHSP70を誘導することが報告されている(非特許文献3)。
グリチルレチン酸の誘導体であるカルベノキソロンもHela細胞に対してHSP70を誘導することが知られている(非特許文献4)。
亜鉛化合物を含有する酵母菌の培養に関しては、特開平8−332082(特許文献1)に亜鉛を50ppm以上含有する溶液中で、酵母を非増殖的に攪拌することにより亜鉛化合物を菌体内に高含有させる方法が記載されている。これは、亜鉛化合物を高含有する培地で酵母を培養すると、酵母の増殖が阻害され増殖しなくなるため、上記のように、増殖した酵母菌体を非増殖的に亜鉛含有培地で攪拌することにより、菌体内に亜鉛化合物を取り込ませる方法である。しかし、上記方法では酵母菌の増殖と亜鉛化合物の酵母菌体内への取り込みを2段階に分けて行うこととなり、製造方法が非常に煩雑になる。さらに、特開平2−295480(特許文献3)には酵母菌をディフコ製バクトYM寒天培地に亜鉛イオンとして20〜100ppm含んだ培地で26〜30℃、2日間培養し、生育した酵母菌を分離する。この分離菌を次に0.2〜10ppmの亜鉛イオンを添加した培地で培養することにより、酵母菌の増殖性の良い培養方法が記載されている。
さらに、特開平9−124438(特許文献2)には、亜鉛化合物を含有した培地で培養したサッカロミセス属(Saccharomyces)酵母の水性溶媒抽出物を含有する化粧料、および食品に関する記載がある。化粧料としては、メラニン生成抑制作用、メラニン色素分解作用、光加齢抑制作用(皮膚の老化防止作用)、ニキビ菌生育阻害作用、保湿作用,肌荒れ改善作用などを有し、食用組成物には、滋養強壮,栄養補強といった効果が記載されている。しかし、上記特許に記載されている酵母菌の培養培地には、亜鉛化合物の添加量が、総量として10−1,000ppm程度の範囲で培養する旨、記載されている。しかし、亜鉛濃度が10−1,000ppmでは菌体内に蓄積される亜鉛濃度が低いため、十分なヒートショックプロテイン70の産生誘導が期待できず、記載されている効果は単に酵母抽出液の効果の延長に過ぎない。
Biochem.Biophys.Res.Commun. 353:399-404 2007 Otaka,M., et al Dig.Dis.Sci. 47:2799-2804、2002 Odashima,M., et al Cell Stress Chaperones 9:378-389、2004 Yan,D., et al Life.Sci. 69:2867-2873、2001 Nagayama,S., et al
特開平8−332082 特開平9−124438 特開平2−295480
上述の技術文献のように、ヒートショックプロテイン70の産生誘導剤は、ゲラニルゲラニルアセトンを始めとして、亜鉛化合物、亜鉛とL-カルノシンの錯化合物、ペオニフロリン、グリチルレチンの誘導体が知られ、胃潰瘍や胃粘膜傷害の治療薬としてすでに利用されている。しかし、亜鉛化合物を上皮細胞に直接添加すると細胞毒性が強く現れるため、摂取するうえでも問題となる。このため、亜鉛化合物を酵母菌体に高濃度取り込ませることにより、細胞毒性が低く、ヒートショックプロテイン70の産生誘導効果の高い、亜鉛含有酵母菌体組成物を提供することを課題とする。
また、亜鉛化合物を培地に添加して培養した酵母菌体を食品、化粧料に利用する記載も多々認められるが、ヒートショックプロテイン70の産生誘導に関する記載はこれまで記載されていない。また、酵母菌の増殖に阻害の掛からない亜鉛濃度で培養した酵母菌体では、ヒートショックプロテイン70の産生誘導効果が無い。このため、高濃度の亜鉛化合物を含有する酵母菌体の作成を、煩雑な培養方法によらずに提供できることを課題とする。
通常、硫酸亜鉛を培地に添加すると、5mM(404ppm)程度までは酵母菌の増殖に阻害が認められないが、それ以上の濃度になると増殖阻害が掛かり始め、10mM(808ppm)ではほぼ増殖が認められなくなる。しかし、亜鉛化合物の濃度を段階的に高めた培地で繰り返し培養することにより順化させた酵母菌を用いることにより、10mM濃度以上の亜鉛化合物を含有した培地においても酵母菌の増殖が可能となる。
さらに、10mM以上の亜鉛化合物が含有された培地で培養した酵母菌体抽出物が、上皮細胞にヒートショックプロテイン70の産生誘導に十分な効果を有することが明らかになった。
本発明による高濃度の亜鉛化合物を含有した培地で順化培養した酵母菌は、高濃度の亜鉛化合物を含有する培地中においても増殖阻害が掛かることが無く、菌体中に高濃度の亜鉛化合物を含有する。このため、菌体抽出物を上皮細胞に作用させた場合、上皮細胞にヒートショックプロテイン70の産生を誘導することが可能である。 しかも、細胞に亜鉛化合物を作用させた場合のような細胞毒性がかからないため、安全性の高い産生誘導剤の開発が可能となる。
亜鉛化合物を高濃度で含有する酵母菌体をそのまま、あるいは酵母菌体抽出物を飲用することにより、上皮細胞でのヒートショックプロテイン70の産生誘導が可能となり、胃潰瘍、胃粘膜傷害を防止する医薬品に利用が可能である。
さらに、菌体抽出物を化粧料として利用することにより、上皮細胞である表皮細胞にヒートショックプロテイン70の産生を誘導させ、紫外線などによるストレスによる表皮細胞傷害を防御し、その結果、表皮を炎症から守ることが可能となる。
ウエスタン・ブロッティングで得られたバンド強度
以下、本発明について詳細に説明する。
本発明で用いる酵母は市販されているパン酵母、または分譲されているSaccharomyces cerevisiae
に属する酵母であれば使用できる。また、酵母は糖類が存在する自然界からも容易に分離することができるため、植物や土などから分離した酵母でSaccharomyces属に属する酵母であればいずれも使用できるが、特にSaccharomyces cerevisiae に属する酵母が望ましい。
亜鉛化合物は、水溶性亜鉛化合物であれば使用でき、無機亜鉛化合物として塩化亜鉛、硝酸亜鉛、硫酸亜鉛、クエン酸亜鉛、酢酸亜鉛、酒石酸亜鉛、乳酸亜鉛を使用することが出来る。これら亜鉛化合物を酵母培養培地に添加し、酵母菌を培養する。亜鉛化合物濃度が5mM程度までは、酵母菌の増殖阻害が掛かりにくいが、10mM濃度になると酵母菌がほとんど増殖しなくなる。しかし、長期間培養を続けることにより、亜鉛化合物に順化した酵母がわずかに生育してくる。この生育してきた酵母を同濃度の亜鉛添加培地で繰り返し培養することにより、増殖速度が速い亜鉛順化菌が得られる。この操作を、順次亜鉛濃度の高い培地で繰り返すことにより、高濃度の亜鉛化合物を添加した培地においても、高い増殖性を示す順化菌が得られる。培地に添加する亜鉛化合物の濃度は10−60mMが添加可能であるが、酵母菌の増殖性を加味すると望ましくは20−30mMの濃度が望ましい。
酵母菌を培養する培地は、一般的にグルコースに代表される炭素源と、ペプトンに代表されるペプチド類からなる窒素源、酵母エキスに代表される微量ビタミン類、ミネラル類などの栄養素を含有する物質が含まれていれば培養が可能である。一般的には天然物からなるYM(Yeast-Malt)培地、YPD(Yeast-Polypeptone-Dextrose)培地などが用いられている。また、天然物を配合しない合成培地を使用することも可能である。培地組成としては、最低限の炭素源と窒素源とリン源を含んでいれば良く、炭素源としては、リボース、アラビノース、キシロース、グルコース、フルクトース、マンノース、ガラクトース、ラムノース、等の単糖類、シュクロース、マルトース、ラクトース、トレハロース、セロビオース、等の二糖類、またラフィノース、マルトトリオース等の三糖類を用いることができる。これらから1種以上含有していれば良い。窒素源としては、尿素、硝酸塩として硝酸カリウム、硝酸ナトリウム、硝酸カルシウム、アンモニウム塩として硫酸アンモニウム、塩化アンモニウム、また、アミノ酸として、トリプトファン、
リシン、メチオニン、フェニルアラニン、トレオニン、バリン、イソロイシン、ロイシン、ヒスチジン、アラニン、アルギニン、アスパラギン、セリン、アスパラギン酸、システイン、グルタミン、グルタミン酸、グリシン、プロリン、チロシン等の窒素含有化合物を用いることができ、これらから1種以上含有していれば良い。リン源としては、リン酸塩を用いることが出来、リン酸1水素カリウム、リン酸2水素カリウム、リン酸アンモニウムを用いることができ、これらから1種以上含有していれば良い。
合成培地の基本培地としては、前記炭素源と窒素源とリン源を含んでいれば十分であるが、その他にビタミン源、ミネラル源を追加することにより、酵母菌の増殖性を高めることが可能である。ビタミン源としては、例えばビオチン、チアミン(ビタミンB1)、リボフラビン、ピリドキシン(ビタミンB6)、パントテン酸、アスコルビン酸、ヨウ酸、シアノコバラミン、イノシトール、ニコチン酸、コリン、カルニチン、パラアミノ安息香酸、ニコチンアミドアデニンジヌクレオチド等を用いることができる。ミネラル源としては、カリウム、カルシウム、マグネシウム、イオウ、鉄、マンガン、亜鉛、ホウ素、銅、モリブデン、ナトリウム、ヨウ素、コバルト等が挙げられ、これらを供給できる具体的な成分としては、例えば、硝酸カルシウム、塩化カリウム、塩化カルシウム、硫酸マグネシウム、硫酸ナトリウム、硫酸第一鉄、硫酸第二鉄、硫酸マンガン、硫酸亜鉛、ホウ酸、硫酸銅、モリブデン酸ナトリウム、三酸化モリブデン、ヨウ化カリウム、塩化コバルト等の化合物を用いることができる。また、ミネラル類を豊富に含有する黒砂糖のような天然成分を用いることも出来る。
また、天然成分を含まない合成培地であるCzapek培地、Burkholder培地、YNB(Yeast Nitrogen Base)培地に上記物質を適宜加えることにより、より高い増殖性を示す基本培地とすることも可能である。
亜鉛化合物含有培地で培養処理した酵母菌体から有効成分を抽出するにあたっては、培養後の菌体を回収し精製水等を用いて十分洗浄した後、例えば、超音波やフレンチプレスで菌体を破壊し、これに、水,エタノール,ブチレングリコール,プロピレングリコール,グリセリンなどの水性溶媒の単独もしくはそれらの混液を菌体湿重量に対して10〜100倍量程度添加し、遠心分離等の操作を行った後に濾過すれば良い。また、洗浄後の菌体湿重量に対して10〜100倍量程度の精製水を加え、45〜55℃で、24〜72時間ほど自己消化させた後、遠心分離等の操作を行い、上清を得る。さらに酵素分解法を利用する場合は、洗浄後の菌体湿重量に対して10〜100倍量程度の精製水を加えプロテアーゼを添加し、酵素活性温度で一昼夜反応させた後、遠心分離等の操作を行い上清を得る。酸分解法を利用する場合は、洗浄後の菌体湿重量に対して約10倍量の1〜5%塩酸を加え、45〜60℃にて3〜7時間、時々攪拌しながら加水分解する。その後、アルカリを用いて中和した後、遠心分離等の操作を行い、上清を得る。
上記のようにして調製した酵母菌体抽出物を、化粧品製剤および/または医薬製剤として使用する。酵母菌体抽出物は、製剤全体に対して乾燥物量として、好ましくは0.001〜10質量%、より好ましくは0.01〜5質量%、最も好ましくは0.1〜5質量%の量で使用する。また医薬製剤の場合は、酵母菌体そのままを経口で使用することも出来る。通常10〜100質量%、好ましくは25〜70質量%、より好ましくは40-60質量%である。
医薬製剤としての投与のための剤型としては、病態やその進行状況、その他の条件によって異なるが、本発明に係るヒートショックプロテイン産生誘導剤をそのまま投与してもよく、あるいは通常用いられる製剤添加剤を加えて固体又は液体の剤型とし、公知の方法により、経口剤(錠剤、顆粒剤、散剤、細粒剤、カプセル剤、被覆錠剤、丸剤、シロップ剤、トローチ剤等)、経皮吸収製剤、吸入剤(エアゾール剤、粉末状吸入剤、液状吸入剤等)、外用剤(軟膏剤、クリーム剤、液剤等)、乳剤、懸濁剤、パップ剤、ローション剤等とすることができる。また、食品や飼料、飲水等に混合することもできる。
製剤は、公知の製剤手法により行い、例えば、混合、顆粒化、糖衣化、溶解、乳濁等の工程によって行う。経口投与のための製薬的処方としては、有効成分を賦型剤と混合し、必要に応じてグラインディングした後、顆粒化し、必要な補助剤を添加した後に、錠剤を得てもよい。
錠剤等の製剤の場合は、製剤分野において常用される賦型剤を用いて製造でき、注射剤等の製剤の場合は、大豆レシチン等の天然界面活性剤、又はポリソルベート、ポリオキシエチン硬化ヒマシ油等の合成界面活性剤等を用いて乳化又は可溶化して製造することができる。
賦型剤としては、特に限定されないが、例えば、デンプン、コーンスターチ、デキストリン、ブドウ糖、乳糖、白糖、糖アルコール(マンニトール、エリスリトール、キシリトール等)、硬化油、結晶セルロース、無水珪酸、珪酸カルシウム、第二リン酸水素カルシウム等が挙げられる。
本発明のヒートショックプロテイン産生誘導剤は、さらに必要な酸化防止剤、結合剤、崩壊剤、滑沢剤、着色剤、矯味剤、矯臭剤、溶解補助剤、安定化剤、乳化剤、吸収促進剤、界面活性剤、pH調整剤、防腐剤、その他の補助剤等を含有した医薬組成物として投与してもよい。
酸化防止剤としては、特に限定されないが、例えば、アスコルビン酸、α−トコフェロール、エトキシキン、ジブチルヒドロキシトルエン、ブチルヒドロキシアニソール等が挙げられる。
結合剤としては、特に限定されないが、例えば、ポリビニルピロリドン、エチルセルロース、メチルセルロース、α化デンプン、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、カルボキシメチルセルロース、カルボキシメチルセルロースナトリウム、プロピレングリコール等が挙げられる。
崩壊剤としては、特に限定されないが、例えば、ヒドロキシプロピルセルロース、カルボキシメチルセルロース、炭酸カルシウム、カルボキシメチルセルロースカルシウム等が挙げられる。
滑沢剤としては、特に限定されないが、例えば、ステアリン酸マグネシウム、タルク、ステアリン酸カルシウム、フマル酸ステアリルナトリウム、ポリエチレングリコール6000等が挙げられる。
溶解補助剤としては、特に限定されないが、例えば、生理食塩水、リン酸緩衝生理的食塩水、乳酸化リンゲル溶液、ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油、ポリソルベート80、ニコチン酸アミド、ポリオキシエチレンソルビタンモノラウレート、マクロゴール、ヒマシ油脂肪酸エチルエステル等が挙げられる。
pH調整剤や緩衝剤としては、特に限定されないが、例えば、有機酸又は無機酸及びその塩や、水酸化ナトリウム等が挙げられる。
懸濁化剤としては、特に限定されないが、例えば、メチルセルロース、ポリソルベート80、ヒドロキシエチルセルロース、カルボキシメチルセルロースナトリウム、ポリオキシエチレンソルビタンモノラウレート等が挙げられる。
保存剤としては、特に限定されないが、例えば、パラオキシ安息香酸メチル、パラオキシ安息香酸エチル、ソルビン酸等が挙げられる。
錠剤、顆粒剤、散剤の場合には必要に応じてヒドロキシプロピルメチルセルロース等の皮膜コーティングを施しても良い。
経口液剤を製造する場合には、必要に応じて、着色剤、矯味矯臭剤、抗酸化剤、溶解補助剤、安定化剤などを添加してもよい。
化粧料製剤としての投与のための剤型としては、例えば乳液、クリーム、ローション、エッセンス、パック、洗顔料などの基礎化粧料、ファンデーション、リキッドファンデーションなどのメイクアップ化粧料、洗顔料、ボディーシャンプー、石けんなどの清浄用化粧料、さらには浴剤等が挙げられるが、勿論これらに限定されるものではない。
本発明の化粧料製剤には、上記の亜鉛高含有酵母抽出物からなる必須成分の他に、通常化粧料に用いられる配合成分、例えば油性成分、界面活性剤、保湿剤、増粘剤、防腐・殺菌剤、粉体成分、紫外線吸収剤、色素、香料等を必要に応じて適宜配合することができる。
ここで、油性成分としては、例えばオリーブ油、ホホバ油、ヒマシ油、大豆油、米油、米胚芽油、ヤシ油、パーム油、カカオ油、メドウフォーム油、シアーバター、ティーツリー油、アボガド油、マカデミアナッツ油、植物由来スクワランなどの植物由来の油脂類;ミンク油、タートル油などの動物由来の油脂類;ミツロウ、カルナウバロウ、ライスワックス、ラノリンなどのロウ類;流動パラフィン、ワセリン、パラフィンワックス、スクワランなどの炭化水素類;ミリスチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、オレイン酸、イソステアリン酸、cis−11−エイコセン酸などの脂肪酸類;ラウリルアルコール、セタノール、ステアリルアルコールなどの高級アルコール類;ミリスチン酸イソプロピル、パルミチン酸イソプロピル、オレイン酸ブチル、2−エチルヘキシルグリセライド、高級脂肪酸オクチルドデシル(ステアリン酸オクチルドデシル等)などの合成エステル類及び合成トリグリセライド類等が挙げられる。
界面活性剤としては,例えばポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル、グリセリン脂肪酸エステル、ポリグリセリン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレングリセリン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油、ポリオキシエチレンソルビトール脂肪酸エステルなどの非イオン界面活性剤;脂肪酸塩、アルキル硫酸塩、アルキルベンゼンスルホン酸塩、ポリオキシエチレンアルキルエーテル硫酸塩、ポリオキシエチレン脂肪酸アミン硫酸塩、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル硫酸塩、ポリオキシエチレンアルキルエーテル燐酸塩、α−スルホン化脂肪酸アルキルエステル塩、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル燐酸塩などのアニオン界面活性剤;第四級アンモニウム塩、第一級〜第三級脂肪酸アミン塩、トリアルキルベンジルアンモニウム塩、アルキルピリジニウム塩、2−アルキル−1−アルキル−1−ヒドロキシエチルイミダゾリニウム塩、N,N−ジアルキルモルフォルニウム塩、ポリエチレンポリアミン脂肪酸アミド塩などのカチオン界面活性剤;N,N−ジメチル−N−アルキル−N−カルボキシメチルアンモニオベタイン、N,N,N−トリアルキル−N−アルキレンアンモニオカルボキシベタイン、N−アシルアミドプロピル−N′,N′−ジメチル−N′−β−ヒドロキシプロピルアンモニオスルホベタインなどの両性界面活性剤等を使用することができる。
保湿剤としては、例えばグリセリン、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、1,3−ブチレングリコール、ポリエチレングリコールなどのグリコール類、マルチトール、ソルビトール、キシリトール、トレハロース、グルコース等の糖類、ピロリドンカルボン酸ナトリウム、乳酸菌発酵米、ムコ多糖類(例えば、ヒアルロン酸及びその誘導体、コンドロイチン及びその誘導体、ヘパリン及びその誘導体など)、エラスチン及びその誘導体、コラーゲン及びその誘導体、加水分解シルク蛋白質、NMF関連物質、乳酸、尿素、高級脂肪酸オクチルドデシル、フィトステロール、大豆リン脂質、イソステアリン酸コレステリル、海藻抽出物、各種アミノ酸及びそれらの誘導体等が挙げられる。
増粘剤としては、例えばアルギン酸、寒天、カラギーナン、フコイダン、ファーセララン等の褐藻、緑藻或いは紅藻由来成分、ビャッキュウ抽出物、ペクチン、ローカストビーンガム、アロエ多糖体等の多糖類、キサンタンガム、トラガントガム、グアーガム等のガム類、カルボキシメチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース等のセルロース誘導体、ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン、カルボキシビニルポリマー、アクリル酸・メタクリル酸共重合体等の合成高分子類;ヒアルロン酸及びその誘導体、ポリグルタミン酸及びその誘導体、グルコシルトレハロースと加水分解水添デンプンを主体とする糖化合物等が挙げられる。
防腐・殺菌剤としては、例えばパラオキシ安息香酸メチル、パラオキシ安息香酸エチル、パラオキシ安息香酸プロピル、パラオキシ安息香酸ブチルなどのパラオキシ安息香酸エステル類;フェノキシエタノール、ジクロロフェン、ヘキサクロロフェン、塩酸クロルヘキシジン、塩化ベンザルコニウム、サリチル酸、エタノール、ウンデシレン酸、フェノール類、ジャーマル(イミダゾデイニールウレア)、1,2−ペンタンジオール、各種精油類、樹皮乾留物、プロポリスエキス等がある。
粉体成分としては、例えばセリサイト、酸化チタン、タルク、カオリン、ベントナイト、酸化亜鉛、炭酸マグネシウム、酸化マグネシウム、酸化ジルコニウム、硫酸バリウム、無水ケイ酸、雲母、6−又は12−ナイロンパウダー、ポリエチレンパウダー、シルクパウダー、セルロース系パウダー等がある。
紫外線吸収剤としては、例えばパラアミノ安息香酸エチル、パラジメチルアミノ安息香酸エチルヘキシル、サリチル酸アミル及びその誘導体、パラメトキシ桂皮酸2−エチルヘキシル、桂皮酸オクチル、オキシベンゾン、2,4−ジヒドロキシベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−メトキシベンゾフェノン−5−スルホン酸塩、4−ターシャリーブチル−4−メトキシベンゾイルメタン、2−(2−ヒドロキシ−5−メチルフェニル)ベンゾトリアゾール、ウロカニン酸、ウロカニン酸エチル、アロエ抽出物等がある。
抗酸化剤としては、例えばスーパーオキシドディスムターゼ(Superoxide dismutase)、カタラーゼなどの生体内活性酸素分解酵素、ビタミンE、ビタミンDなどのビタミン類及びその誘導体、ブチルヒドロキシアニソール、ブチルヒドロキシトルエン、没食子酸プロピル、ユビデカキノン(ユビキノン)、ルチン、ルチングルコシド、γ−オリザノール等がある。
さらに必要ならば、本発明で用いる発酵物の作用効果及び特長を損なわない範囲で、他の活性成分(美白剤、皮膚老化防止・肌荒れ改善剤、抗炎症剤等)を配合してもよく、かかるものとしては、例えば美白剤であれば、トラネキサム酸及びその誘導体、t−シクロアミノ酸誘導体、コウジ酸及びその誘導体、アスコルビン酸及びその誘導体、ハイドロキノン誘導体、エラグ酸及びその誘導体、レゾルシノール誘導体、胎盤抽出物、システイン、ソウハクヒ抽出物、ユキノシタ抽出物、ハマメリス抽出物、イタドリ抽出物、甘草抽出物、ゲンノショウコ抽出物、ナツメ抽出物、シャクヤク抽出物、トウキ抽出物、モモ抽出物、緑藻類、紅藻類又は褐藻類の海藻の抽出物、リノール酸及びその誘導体もしくは加工物(例えばリノール酸メントールエステルなど)、2,5−ジヒドロキシ安息香酸誘導体等が、皮膚老化防止・肌荒れ改善成分であれば、動物又は魚由来のコラーゲン及びその誘導体、エラスチン及びその誘導体、セラミドなどの細胞間脂質、胎盤抽出物、ニコチン酸及びその誘導体、グリチルリチン酸及びその誘導体(ジカリウム塩等)、t−シクロアミノ酸誘導体、ビタミンA前駆体、ビタミンA及びその誘導体、ビタミンE及びその誘導体、アラントイン、α−ヒドロキシ酸類、ジイソプロピルアミンジクロロアセテート、γ−アミノ−β−ヒドロキシ酪酸、コエンザイムQ−10、アデノシン、α−リポ酸、ピコリン、カルニチン及びその誘導体、ゲンチアナエキス、甘草エキス、ハトムギエキス、カミツレエキス、ニンジンエキス、アロエエキスなどの生薬抽出エキス、米発酵エキス、緑藻類、紅藻類又は褐藻類の海藻の抽出物、ソウハクヒエキス、ブナ抽出物、キダチアロエ抽出物、マンネンロウ抽出物、イチョウ抽出物、スギナ抽出物、ベニバナ抽出物、オタネニンジン抽出物、セイヨウニワトコ抽出物、ハゴロモグサ抽出物、レンゲ抽出物、マンゴー抽出物、卵殻膜抽出タンパク質、デオキシリボ核酸カリウム塩、紫蘭根抽出物、ムラサキシキブ抽出物、イネ抽出物等が、又抗炎症成分であれば、例えばグアイアズレンスルホン酸ナトリウム、グアイアズレンスルホン酸エチルなどのアズレン誘導体、グリチルリチン酸ジカリウム、グリチルレチン酸ステアリルなどのグリチルリチン酸誘導体、アラントイン、カンゾウ抽出物、クジン抽出物、シャクヤク抽出物、ボタンピ抽出物、レンギョウ抽出物、リュウタン抽出物、トウキンセンカ抽出物、パセリ抽出物、オトギリソウ抽出物等が挙げられる。
以下、本発明における酵母菌体抽出液の効果試験の実施例を示す。さらに、その酵母菌体抽出液を用いた組成物への応用処方例等について述べるが、ここに記載された実施例に限定されるものではない。なお、以下に於いて、部はすべて質量部を、又%はすべて質量%を意味する。
また、本発明の医薬製剤は、亜鉛化合物を高配合した酵母菌体および、その抽出物を有効成分とし、胃潰瘍および、胃粘膜組織傷害の治療剤及び予防薬として特に有用である。また、化粧料製剤として使用することにより、紫外線や環境からの酸化ストレスによる表皮細胞傷害(皮膚保湿成分の産生量の低下、表皮細胞の分化異常による角化の異常、それに伴う表皮バリアの破綻などが原因となり、皮膚水分蒸散量の増加による肌荒れ、表皮組織の炎症を生じる。)をヒートショックプロテイン70産生誘導剤が修復、予防することが可能である。
[実験1]
Saccharomyces cerevisiae 酵母の採取方法
市販されているパン酵母(日清スパーカメリア・ドライイースト:日清フーズ(株))を購入し、120℃で15分間滅菌したYM培地100mlを添加した三角フラスコに0.1g懸濁し、28℃、150rpmで3日間回転培養を行った。懸濁液を1白金耳取り、YM寒天培地上で引き伸ばして単独コロニーを得、これを以下の実験に使用した。
以下、培地組成においてg/L等とあるのは、各成分を該当g計量し、精製水で1Lにしたという意味である。
<YM培地>
ペプトン5g/L、酵母エキス3g/L、麦芽エキス3g/L、グルコース10g/L
<YM寒天培地>
YM培地に寒天20g/Lを添加し、加熱溶解して作成。
[実験2]
高濃度亜鉛化合物含有培地での酵母菌の順化培養
培地はYNB(Yeast Nitrogen Base) with Ammonium Sulfate 合成培地にグルコースを2.0%添加した(以下、本明細書中では、YNB-SG培地と称す)。
YNB-SG培地50mlを三角フラスコに加え、120℃、15分間オートクレーブで滅菌処理を行った。本培地を冷却後、別に滅菌しておいた1M硫酸亜鉛7水和物の水溶液を10mM濃度になるように本培地に添加した(10mM硫酸亜鉛含有YNB-SG培地と称す)。この10mM硫酸亜鉛含有YNB-SG培地に、実験1で得た酵母菌を1白金耳植え付け、24℃、150rpm、で14日間培養を行った。始めの3−4日間程度は、酵母菌の増殖はほとんど認められないが、徐々に増殖が確認できるようになる。この培養物500μlを新しい10mM硫酸亜鉛含有YNB-SG培地50mlに添加し、さらに培養を続ける。これを5継代程繰り返すことにより、順化株が得られる。この順化株を用いて、15mM硫酸亜鉛含有YNB-SG培地、20mM、30mM、40mM、50mM、60mMと硫酸亜鉛濃度を高めたYNB-SG培地に順次移行して培養することにより、高硫酸亜鉛含有YNB-SG培地に順化した亜鉛耐性酵母菌株を得た。以下、最終培養状態における亜鉛の添加量に合わせて、20mM亜鉛耐性酵母菌株等と称す。具体的には、培地中の亜鉛濃度を順次高めて順化させていき、亜鉛を60mM添加した培地での培養を最終として採取した菌株を60mM亜鉛耐性酵母菌株と称す。
尚、本願においては、基本培地としてYNB-SG培地を用いたが、酵母菌に亜鉛を含有させることが出来れば所望の効果を奏するので、他の公知の培地を基本培地としても差し支えない。
<YNB-SG培地組成>
硫酸アンモニウム5,000、リン酸二水素カリウム1,000、硫酸マグネシウム500、塩化ナトリウム100、塩化カルシウム100、ビオチン0.002、パントテン酸カルシウム0.4、葉酸0.002、イノシトール2.0、ナイアシン0.4、パラアミノ安息香酸0.2、塩酸ピリドキシン0.4、リボフラビン0.2、塩酸チアミン0.4、ホウ酸0.5、硫酸銅0.04、ヨウ化カリウム0.1、塩化第二鉄0.2、硫酸マンガン0.4、モリブデン酸ナトリウム0.2、硫酸亜鉛0.4、グルコース20,000(単位は全てmg/L)。
[表1]に、硫酸亜鉛を各種濃度で添加したYNB-SG培地で培養した場合の酵母菌の増殖性を示した。
培養初期の3日間では、10mM硫酸亜鉛を添加したYNB-SG培地では酵母菌の増殖はほとんど認められなかった。
しかし、[実験2]に記載した方法で継代培養を繰り返すことにより、[表2]に示したように、硫酸亜鉛10mM添加YNB-SG培地においても、高い増殖性を示すようになった。
[実施例1]
酵母菌体抽出液の作成1
1Lの培養ボトルに30mM硫酸亜鉛含有YNB-SG培地800mlを用意し、種菌として60mM亜鉛耐性酵母菌株の分散液8mlを添加し、24℃、通気量1L/min.で、5日間培養を行った。培養後、3500rpmで10分間遠心分離を行い、得られた酵母菌体(湿重量)10gに、精製水50gを加え、菌体を分散させた。この懸濁液を50℃にて24時間放置させ、自己消化させた。この懸濁液を、3500rpmで10分間遠心分離し、上清を取り酵母菌体抽出液とした。この抽出液の固形分は2.0w/v%であった。
[実施例2]
酵母菌体抽出液の作成2
1Lの培養ボトルに30mM硫酸亜鉛含有YNB-SG培地800mlを用意し、種菌として50mM亜鉛耐性酵母菌株の分散液8mlを添加し、24℃、通気量1L/min.で、5日間培養を行った。培養後、3500rpmで10分間遠心分離を行い、得られた酵母菌体(湿重量)10gに、精製水50gを加え、菌体を分散させる。この懸濁液を2N-塩酸溶液でPH2.0に調製した後、60℃にて24時間放置させ、酸加水分解させる。この懸濁液を、3500rpmで10分間遠心分離し、上清を取り酵母菌体抽出液とした。この抽出液の固形分は2.5w/v%であった。
[実施例3]
酵母菌体抽出液の作成3
1Lの培養ボトルに30mM硫酸亜鉛含有YNB-SG培地800mlを用意し、種菌として40mM亜鉛耐性酵母菌株の分散液8mlを添加し、24℃、通気量1L/min.で、5日間培養を行った。培養後、培養後、3500rpmで10分間遠心分離を行い、得られた酵母菌体(湿重量)10gに、精製水50gを加え菌体を分散させる。この懸濁液を2N-水酸化ナトリウム溶液でPH7.0に調製した後、プロテアーゼであるYL-NL「アマノ」(天野エンザイム株式会社)を1.2%(乾燥菌体量当り)、およびペプチダーゼであるプロテアックス(天野エンザイム株式会社)を2%(乾燥菌体量当り)添加し、50℃で24hr放置し、酵素加水分解を行う。この懸濁液を、3500rpmで10分間遠心分離し、上清を取り酵母菌体抽出液とした。この抽出液の固形分は3.5w/v%であった。
[実施例4]
酵母菌体抽出液の作成4
1Lの培養ボトルに40mM硫酸亜鉛含有YNB-SG培地800mlを用意し、種菌として50mM亜鉛耐性酵母菌株の分散液8mlを添加し、24℃、通気量1L/min.で、5日間培養を行った。培養後、3500rpmで10分間遠心分離を行い、得られた酵母菌体(湿重量)10gに、精製水50gを加え、菌体を分散させる。この懸濁液を2N-塩酸溶液でPH2.0に調製した後、60℃にて24時間放置させ、酸加水分解させる。この懸濁液を、3500rpmで10分間遠心分離し、上清を取り酵母菌体抽出液とした。この抽出液の固形分は2.2w/v%であった。
[実施例5]
<YNB-SBS培地組成>
YNB(Yeast Nitrogen Base) with Ammonium Sulfate 合成培地に黒砂糖を添加した培地を、YNB-SBS培地と称す。組成は、以下の通り。
硫酸アンモニウム5,000、リン酸二水素カリウム1,000、硫酸マグネシウム500、塩化ナトリウム100、塩化カルシウム100、ビオチン0.002、パントテン酸カルシウム0.4、葉酸0.002、イノシトール2.0、ナイアシン0.4、パラアミノ安息香酸0.2、塩酸ピリドキシン0.4、リボフラビン0.2、塩酸チアミン0.4、ホウ酸0.5、黒砂糖20,000(単位は全てmg/L)。
酵母菌体抽出液の作成4
60mM亜鉛耐性酵母菌株を種菌として、30mM硫酸亜鉛含有YNB-SBS培地で培養した。1Lの培養ボトルに30mM硫酸亜鉛含有YNB-SBS培地800mlを用意し、種菌として60mM亜鉛耐性酵母菌株の分散液8mlを添加し、24℃、通気量1L/min.で、5日間培養を行った。培養後、3500rpmで10分間遠心分離を行い、得られた酵母菌体(湿重量)10gに、精製水50gを加え、菌体を分散させた。この懸濁液を50℃にて24時間放置させ、自己消化させた。この懸濁液を、3500rpmで10分間遠心分離し、上清を取り酵母菌体抽出液とした。この抽出液の固形分は2.3w/v%であった。
[実験3]
硫酸亜鉛の定量
[実施例1]にて調製した酵母菌体抽出液10mlに、蒸留水100mlおよびPH10.7のアンモニア・塩化アンモニウム緩衝液2mlを添加する。これに、指示薬としてエリオクロムブラックT・塩化Na 50mgを加え、0.01mol/Lエデト酸二Na液で滴定した。
滴定により測定した酵母菌体抽出液中の硫酸亜鉛濃度を[表3]に示した。
YNB-SG培地中に硫酸亜鉛を30mM添加して培養した酵母菌体抽出物中には3.5mMの硫酸亜鉛が、YNB-SG培地中に20mM添加して培養した酵母菌体抽出物中には、2.8mMの硫酸亜鉛が含有されていることが確認された。
[実施例6]
酵母菌体抽出液の上皮細胞に対する細胞毒性
A)細胞の培養
B)細胞:NHEK-Neo-Epidermal Kera(CAMBREX)
C)培地:EpiLife KG2 (Ca濃度:0.06mM)
D)添加試料:硫酸亜鉛・7水和物(和光純薬工業)、[実施例1]に記載した酵母菌体抽出物
上皮細胞としては、正常ヒト表皮細胞であるNHEK-Neo-Epidermal Kera(CAMBREX)を用い、EpiLife KG2(クラボウ)培地で培養した。細胞を24 well plateに50%コンフルーエント程度に植え付けた。翌日上記の試料を添加し、48時間後に細胞を回収して細胞数を計測した。
[表4]に示したように、試薬の硫酸亜鉛を細胞に添加した場合は200μMで、74%、250μMの添加濃度で、細胞数が51%となった。しかし、酵母菌体抽出液を添加した場合は、培地中の硫酸亜鉛濃度250μMにおいても、97%であり細胞毒性が全く掛からなかった。この結果からも明らかなように、硫酸亜鉛を直接細胞に添加した場合は、細胞毒性が強くなるが、酵母菌体中に硫酸亜鉛を取り込ませることにより、上皮細胞に対する毒性が著しく緩和されることが明らかとなった。
[実施例7]
ヒートショックプロテイン70の産生誘導の確認
1.細胞の培養
正常ヒト表皮細胞であるNHEK-Neo-Epidermal Kera(CAMBREX)を、Epilife KG2 (Ca濃度:0.06mM)
培地にて50cm2 plate で培養する。
2.試料の調製
コンフルーエントになったヒト正常表皮細胞に[実施例1]にて調製した酵母菌体抽出物をそれぞれの濃度になるように培地に添加した。添加後、37℃にて4時間インキュベートした後、細胞を回収しRIPA bufferにて細胞タンパクを抽出した。
RIPA buffer:Tris-塩酸緩衝液(PH8.0) 50mM、塩化ナトリウム 150mM、EDTA(PH8.0)1mM、Triton X-100 1%、SDS 0.1%、デオキシコール酸ナトリウム0.1%
3.ウエスタン・ブロッティング
12%のアクリルアミドのゲルを作成し、上記で抽出した細胞タンパク質30μgをゲルLaneに添加して電気泳動を行った。PVDF膜に転写後、一次抗体Hsp70(Mouse monoclonal:Stress gene社)、二次抗体としてECLTM Anti-Mouse IgG、Horseradish
Peroxidase linked whole antibody(from sheep)NA931(Amersham Bioscience UK Limited)を用いてウェスタン・ブロッティングを行い、分子量70KDaのヒートショックプロテイン70を確認した。
4.ヒートショックプロテイン70タンパク量の確認
ウエスタン・ブロッティングで得られたバンド強度を[図1]に示した。試薬の硫酸亜鉛・7水和物、および実施例1で得られた[実施例1]で得られた酵母菌体抽出液を添加した細胞において、培地に添加した硫酸亜鉛濃度が100μMでは産生誘導が確認できなかったが、培地に添加した硫酸亜鉛濃度が200μMにおいてはいずれも強いヒートショックプロテイン70の産生誘導が確認できた。
[実施例8]
紫外線傷害抑制効果の確認
1.細胞の培養
正常ヒト線維芽細胞であるNB1-RGBを、10%FBS含有D-MEM 培地にて24 well plate で培養する。
2.試料の調製
50%程度コンフルーエントになった細胞に[実施例1]にて調製した酵母菌体抽出物をそれぞれの濃度になるように添加した。添加後、37℃にて4時間インキュベートした後、培地を捨て、紫外線UV-Bを20mJ/cm2照射した。照射後、無血清D-MEMを添加し、37℃にて24時間培養し、細胞数をCELL Counting Kit(同仁化学研究所)
による415nmにおける吸光度値で測定した。
3.紫外線傷害抑制効果
[表5]に示したように、酵母抽出液中の硫酸亜鉛濃度が、0μM、100μM、150μM、200μMと高まるにつれ、細胞数が0.706、0.769、0.775、0.828と増加し、紫外線照射を行う前に、あらかじめ酵母抽出液を細胞に添加することにより、紫外線傷害を抑制できることが明らかになった。また、硫酸亜鉛濃度0μM、と 200μMの細胞数を統計処理すると、5%の危険率で有意差があることがわかった。
上記、効果確認試験では、実施例1で作製した酵母菌体抽出液を用いた結果のみを示したが、実施例1〜5で作製した酵母菌体抽出液を用いた場合でも同様の効果が確認された。
次に、本発明の酵母菌体培養物を配合した化粧品製剤および/または医薬製剤の処方例を示すが、本発明はこれに限定されるものでない。
化粧品製剤の処方例
下記に示した酵母菌体抽出物の配合料は、抽出液としての量である。カッコ内に蒸発残分としての量を併記した。
(処方例1)化粧用クリーム(質量%)
a)ミツロウ・・・2.0
b)ステアリルアルコール・・・5.0
c)ステアリン酸・・・8.0
d)スクワラン・・・10.0
e)自己乳化型グリセリルモノステアレート・・・3.0
f)ポリオキシエチレンセチルエーテル(20E.O.)・・・1.0
g)[実施例1]で調製した酵母菌体抽出物・・・10.0(0.2)
h)1,3−ブチレングリコール・・・5.0
i)水酸化カリウム・・・0.3
j)防腐剤・酸化防止剤・・・適量
k)精製水・・・残部
製法
a)〜f)までを加熱溶解し、80℃に保つ。h)〜k)までを加熱溶解し、80℃に保ち、a)〜f)に加えて乳化し、40℃まで撹拌しながら冷却する。その後、g)を加え、攪拌し均一に溶解する。
(処方例2)乳液(質量%)
a)ミツロウ・・・0.5
b)ワセリン・・・2.0
c)スクワラン・・・8.0
d)ソルビタンセスキオレエート・・・0.8
e)ポリオキシエチレンオレイルエーテル(20E.O.)・・・1.2
f)[実施例1]で調製した酵母菌体抽出物・・・0.1(0.002)
g)1,3−ブチレングリコール・・・7.0
h)カルボキシビニルポリマー・・・0.2
i)水酸化カリウム・・・0.1
j)精製水・・・残部
k)防腐剤・酸化防止剤・・・適量
l)エタノール・・・7.0
製法
a)〜e)までを加熱溶解し、80℃に保つ。g)〜k)までを加熱溶解し、80℃に保ち、a)〜e)に加えて乳化し、50℃まで撹拌しながら冷却する。50℃でf)、l)を添加し、40℃まで攪拌、冷却する。
(処方例3)化粧水(質量%)
a)[実施例2]で調製した酵母菌体抽出物・・・5.0(0.125)
b)グリセリン・・・5.0
c)ポリオキシエチレンソルビタンモノラウレート(20E.O.)・・・1.0
d)エタノール・・・6.0
e)香料・・・適量
f)防腐剤・酸化防止剤・・・適量
g)精製水・・・残部
製法
a)〜g)までを混合し、均一に溶解する。
(処方例4)洗顔料(質量%)
a)ステアリン酸・・・12.0
b)ミリスチン酸・・・14.0
c)ラウリン酸・・・5.0
d)ホホバ油・・・3.0
e)グリセリン・・・10.0
f)ソルビトール・・・15.0
g)1,3−ブチレングリコール・・・10.0
h)POE(20)グリセロールモノステアリン酸・・・2.0
i)水酸化カリウム・・・5.0
j)水・・・残部
k)キレート剤・・・適量
l)香料・・・適量
m)[実施例1]で調製した酵母菌体抽出物・・・1.0(0.02)
製法
a)〜h)までを加熱溶解し70℃に保つ。j)にi)を溶解後a)〜h)に加えケン化する。その後k)、l)を入れ攪拌しながら冷却する。50℃でm)を添加し、40℃まで攪拌、冷却する。
(処方例5)化粧水(質量%)
a)[実施例3]で調製した酵母菌体抽出物・・・5.0(0.175)
b)グリセリン・・・5.0
c)ポリオキシエチレンソルビタンモノラウレート(20E.O.)・・・1.0
d)エタノール・・・6.0
e)香料・・・適量
f)防腐剤・酸化防止剤・・・適量
g)精製水・・・残部
製法
a)〜g)までを混合し、均一に溶解する。
次に、得られた酵母菌体を凍結乾燥し、そのまま錠剤として利用した処方例を示す。
(処方例5)錠剤(質量%)
1.30mM硫酸亜鉛を含有するYNB-SG培地で培養して得られた乾燥酵母菌体・・・30.0
2.乳糖・・・30.0
3.トウモロコシデンプン・・・32.0
4.ヒドロキシプロピルセルロース・・・6.0
5.ステアリン酸マグネシウム・・・2.0
以上詳述したごとく、本発明によれば、細胞毒性の低減されたヒートショックプロテイン70産生誘導剤を得ることが可能となる。本産生誘導剤を配合した医薬品では、胃粘膜上皮細胞や、皮膚上皮細胞に対する毒性が低いヒートショックプロテイン産生誘導剤となり、胃潰瘍・胃粘膜の修復、予防に有効な組成物として利用できる。
さらに、化粧品組成物としては紫外線などによるストレスによる表皮細胞障害を防御し、その結果、皮膚を炎症から守ることが可能となる。


Claims (4)

  1. 亜鉛化合物を10mM以上含有する培地で培養した酵母の菌体抽出物を有効成分とするヒートショックプロテイン70産生誘導剤。
  2. 亜鉛化合物を10mM以上含有する培地で培養した酵母の菌体抽出物を有効成分とする紫外線傷害抑制剤。
  3. ヒートショックプロテイン70産生誘導剤又は紫外線傷害抑制剤の製造方法であって、(1)亜鉛化合物を10mM以上含有する培地にて酵母を培養する工程と、
    (2)(1)の工程で得られた酵母培養物の抽出物を作製し、
    (3)(2)でえられた抽出物を含有させる工程を有する製造方法。
  4. 亜鉛化合物を10mM以上含有する培地で酵母を培養する方法。

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JP2016169169A (ja) * 2015-03-11 2016-09-23 理研ビタミン株式会社 熱ショックタンパク質発現誘導剤

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