JP2014107710A - 振動子および電子機器 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】MEMS振動子100は、基板1と、基板1の主面上に設けられた固定部23と、固定部23から延出する支持部22と、支持部22によって基板1に遊離して支えられた上部電極21(振動体)と、を備え、上部電極21は、上部電極21の周縁部から上部電極21の中央部に向かい形成された切り欠き部30によって露出する上部電極21の側面部の内、前記中央部から前記周縁部の方向を向く側面31に被接続部を有し、被接続部が、支持部22に連接されている。
【選択図】図1
Description
従来の、例えば、両端自由梁型振動子の場合には、振動板の側面に位置する振動の節部分に支持部を連接させるため、支持部の数は、側面における振動の節の数より多くすることができなかった。また、支持部は、振動板の側面から離れる方向に延在させる必要があったため、支持部を含めた振動子としての占有面積は、振動板より大きくならざるを得なかった。
また、支持部や固定部を切り欠きによって空いた領域に設けることで、支持部を振動体の外側に延在させることなく振動子を構成することができるため、あるいは、延在させる長さを短くすることができるため、振動子をより小型にすることができる。
また、切り欠き部によって露出する振動体の側面部の内、中央部から周縁部の方向を向く側面部に沿って振動の節が現れるように振動体が振動させた場合には(換言すると、所定の振動による振動の節が側面部に現れるように切り欠き部を設けた場合には)、この側面部に支持部が連接する被接続部を形成することで、限定されることなく、支持部の数を増やすことができる。その結果、振動体を支える剛性が増し、例えば、基板の主面上に遊離した振動体を形成する製造工程において、エッチング液や洗浄液の表面張力などが働いた場合であっても、振動体が基板の主面上に付着してしまうスティッキング現象が起こりにくくなる。その結果、スティッキングによる歩留まり低下を抑制することができる。
また、支持部や固定部を切り欠きによって空いた領域に設けることで、支持部を振動体の外側に延在させることなく振動子を構成することができるため、あるいは、延在させる長さを短くすることができるため、振動子をより小型にすることができる。
その結果、例えば、第1の下部電極と、第2の下部電極とにおいて、上部電極との間で逆位相の交流電圧を印加した場合には、より振動エネルギーの高い振動子を構成することができる。
[適用例11] 本適用例に係る電子機器は、上記適用例に係る振動子を備えていることを特徴とする。
まず、実施形態1に係る振動子としてのMEMS振動子100について説明する。
図1(a)は、MEMS振動子100の平面図、図1(b)は、図1(a)のA−A断面図、図1(c)は、図1(a)のB−B断面図である。
MEMS振動子100は、基板の主面に積層された犠牲層がエッチングされることにより基板から遊離して形成される可動電極が備えられたMEMS振動子である。
なお、犠牲層とは、酸化膜などで一旦形成される層であり、その上下や周囲に必要な層を形成した後にエッチングにより除去される。犠牲層が除去されることによって、上下や周囲の各層間に必要な間隙や空洞が形成されたり、必要な構造体が遊離して形成されたりする。
図2(a)〜(f)に円板形状の可動電極を有する振動子の主な振動モードを示す。
図において、破線は振動の節を表し、+−の記号は振動の腹として上下方向(基板1の厚み方向)に振動する部分を、その位相の関係を含めて示している。例えば、+が上方向への動きの場合に、振動の節を境にした隣の領域が−の下方向への動きになっていることを示している。
MEMS振動子100は、図2(d)に示す振動モードの振動子であり、第1の下部電極11および第2の下部電極12の配置、およびこれらの電極と上部電極21との間に印加する交流電圧によりこの振動モードを実現している。
MEMS振動子100は、上部電極21の周縁部と上部電極21の中央部とが振動の腹として逆の位相で上下方向に振動する振動子であり、振動の節は、前記周縁部と中央部との間に環状の振動の節40として形成される。
第1の下部電極11、第2の下部電極12、上部電極21、支持部22、固定部23は、基板1の主面に形成された第1酸化膜2、窒化膜3の上部に形成されている。
なお、ここでは、基板1の厚み方向において、基板1の主面に順に第1酸化膜2および窒化膜3が積層される方向を上方向として説明している。
第1の下部電極11は、基板1と、上部電極21の振動の節40によって囲まれた領域とに挟まれた領域に含まれる基板1の主面上(窒化膜3の上部)の領域に形成されている。
第2の下部電極12は、基板1と、上部電極21の振動の節40によって囲まれた領域の外側の領域とに挟まれた領域を含む基板1の主面上(窒化膜3の上部)の領域に形成されている。具体的には、図1(a)に示すように、第2の下部電極12は、第1の下部電極11の周囲にドーナツ状に連続したひとつの電極を構成している。
切り欠き部30は、図1(a)に示すように(4つのうち1つについて斜線で示している)上部電極21の周縁部から上部電極21の中央部に向かい、上部電極21の径方向に沿う切り込みによって振動の節40の部分までの領域に形成された切り欠きである。
切り欠き部30によって、上部電極21には、径方向に沿う側面32と、上部電極21中央部から周縁部の方向を向く側面31とが形成される。ここで、側面31は、振動の節40が含まれる面である。この側面31には、支持部22が連接する被接続部が設けられる。つまり、支持部22は、振動の節40を支える。
なお、切り欠き部30や、それに伴う支持部22、固定部23の数は、4つに限定するものではない。スティッキングを危惧する必要が無い場合には、1つでも良いし、2つ以上必要である場合には、必要に応じて増やすことができる。
また、図1(c)には、上部電極21と支持部22とが同一平面内に形成されているように示しているが、必ずしも、同一平面内に形成されている必要はなく、例えば、支持部22が、上部電極21より下の方向から被接続部に連接するように延出している構成であっても良い。
また、切り欠き部30の幅(切り欠き部30によって露出する径方向に沿う対向する側面間の距離)は、支持部22、固定部23の形成に必要な領域が確保できる幅としている。
従って、上部電極21は、支持部22、固定部23を介して第2の下部電極12と電気的に接続されている。
上部電極21および第2の下部電極12には、MEMS振動子100の周囲から第2の下部電極12に接続される配線、あるいは、窒化膜3を貫通し第2の下部電極12に接続される配線により外部回路との接続を行なう。
第1の下部電極11には、MEMS振動子100の周囲から4つの切り欠き部30のいずれかの領域において、第2の下部電極12と絶縁された配線、あるいは、第1の下部電極11の直下の窒化膜3を貫通し接続される配線により外部回路との接続を行なう。
上部電極21は、上部電極21の周縁部から中央部に向かい形成された切り欠き部30によって露出する上部電極21の側面の内、中央部から周縁部の方向を向く側面31に被接続部を有し、被接続部が、支持部22に連接されている。つまり、支持部22が、上部電極21の内部に位置する被接続部に連接し上部電極21を支持することで、上部電極21の周縁部と中央部分とが振動の腹として振動する振動子を構成することができる。
従来の、例えば、両端自由梁型振動子の場合には、振動板の側面に位置する振動の節部分に支持部を連接させるため、支持部の数は、側面における振動の節の数より多くすることができなかった。また、支持部は、振動板の側面から離れる方向に延在させる必要があったため、支持部を含めた振動子としての占有面積は、振動板より大きくならざるを得なかった。
これに対し、本実施形態による振動子としてのMEMS振動子100によれば、上部電極21の内部に位置する振動の節40に対して周縁部から切り欠き部30を設け、支持部22が連接する被接続部を露出させることで、限定されることなく、支持部22の数を増やすことができる。本実施形態では、4つの切り欠き部30を設ける例を説明したが、4つに限定されるものではない。必要な数の切り欠き部30を設け、支持部22が連接する被接続部を露出させることができるため、限定されることなく、支持部22の数を増やすことができる。その結果、上部電極21を支える剛性が増し、例えば、基板1の主面上に遊離した上部電極21を形成する製造工程において、エッチング液や洗浄液の表面張力などが働いた場合であっても、上部電極21が基板1の主面上(第1の下部電極11、第2の下部電極12、あるいは窒化膜3)に付着してしまうスティッキング現象が起こりにくくなる。その結果、スティッキングによる歩留まり低下を抑制することができる。
また、支持部22や固定部23を切り欠き部30によって空いた領域に設けることで、支持部22を上部電極21の外側に延在させることなく振動子を構成することができる。あるいは、延在させる長さを短くすることができるため、振動子をより小型にすることができる。
次に、実施形態2に係る振動子としてのMEMS振動子101について説明する。なお、説明にあたり、上述した実施形態と同一の構成部位については、同一の符号を使用し、重複する説明は省略する。
図3は、MEMS振動子101の平面図である。
MEMS振動子101は、基板1、第1の下部電極11、第2の下部電極12e、振動体としての上部電極21、支持部22、固定部23、固定基部12iなどを含み構成されている。
実施形態1(MEMS振動子100)では、図1(a)に示すように、第2の下部電極12は、第1の下部電極11の周囲にドーナツ状に連続したひとつの電極を構成しているとして説明したが、本実施形態では、第2の下部電極12を構成する部分が、第2の下部電極12eと固定基部12iとに分割させている。この点および、第2の下部電極12eと固定基部12iとへの外部回路からの配線接続が異なる点を除き、MEMS振動子101は、MEMS振動子100と同様である。
また、固定部23の底部は下部導電層の固定基部12iに固定される。つまり、固定部23と一体に形成される上部電極21は、第2の下部電極12eとは電気的に絶縁されている。また、4つの切り欠き部30の領域において絶縁された固定基部12iによって、第2の下部電極12eは、電気的に4つの電極に分かれている。
4つの第2の下部電極12eには、MEMS振動子101の周囲から接続される配線、あるいは、それぞれの直下の窒化膜3を貫通し接続される配線により外部回路との接続を行なう。
次いで、本発明の一実施形態に係る電子部品としてのMEMS振動子100を適用した電子機器について、図4(a),(b)、図5に基づき説明する。
デジタルスチールカメラ1300におけるケース(ボディー)1302の背面には、表示部1000が設けられ、CCDによる撮像信号に基づいて表示を行なう構成になっており、表示部1000は、被写体を電子画像として表示するファインダーとして機能する。また、ケース1302の正面側(図中裏面側)には、光学レンズ(撮像光学系)やCCD等を含む受光ユニット1304が設けられている。
撮影者が表示部1000に表示された被写体像を確認し、シャッターボタン1306を押下すると、その時点におけるCCDの撮像信号が、メモリー1308に転送・格納される。また、このデジタルスチールカメラ1300においては、ケース1302の側面に、ビデオ信号出力端子1312と、データ通信用の入出力端子1314とが設けられている。そして、図示されるように、ビデオ信号出力端子1312にはテレビモニター1430が、データ通信用の入出力端子1314にはパーソナルコンピューター1440が、それぞれ必要に応じて接続される。さらに、所定の操作により、メモリー1308に格納された撮像信号が、テレビモニター1430や、パーソナルコンピューター1440に出力される構成になっている。このようなデジタルスチールカメラ1300には、フィルター、共振器、角速度センサー等として機能する電子部品としてのMEMS振動子100が内蔵されている。
図6(a)〜(c)は、変形例1に係るMEMS振動子として、下部電極のバリエーションの例を示す平面図である。
実施形態1では、図1(a)に示すように、下部電極には、第1の下部電極11と第2の下部電極12との両方があるとして説明したが、この構成に限定するものではなく、下部電極は、一方の下部電極だけによる構成であっても良い。
図6(b)に示す変形例は、下部電極を第2の下部電極12だけで構成している例である。
図6(c)に示す変形例は、下部電極を第2の下部電極12eだけで構成している例である。
本変形例のように、一方の下部電極だけによる構成によれば、第1の下部電極11、第2の下部電極12のそれぞれに対する配線の近接や交差などに対する絶縁などを考慮することなく、下部電極に対する配線をより簡便に行なうことができる。
図7は、変形例2に係るMEMS振動子として、固定部および支持部のバリエーションの1例を示す平面図である。
実施形態1では、基板1を平面視したときに、上部電極21は、切り欠き部30の領域において、4つの固定部23からそれぞれ延出する支持部22によって基板1に遊離して支えられているとして説明した。本変形例は、図7に示すように、固定部23vが、上部電極21および切り欠き部30の外側の領域に設けられており、固定部23vから、上部電極21の被接続部まで延在する支持部22vによって上部電極21が支えられている。
図8(a),(b)は、変形例3に係るMEMS振動子として、上部電極のバリエーションの例を示す平面図である。
実施形態1では、図1(a)に示すように、上部電極21は、周縁部から中央部に向かう4つの切り欠き部30を有する円形の板状体であるとして説明したが、この構成に限定するものではない。
本変形例によれば、上部電極21vの周縁部が連結されることにより、上部電極21vの剛性が増す、振動の安定が図れるなどの効果が得られる。
矩形状の上部電極21wによって構成することにより、上部電極21wの振動の節40の外側の領域の面積を大きく構成することが可能となるため、対向する第2の下部電極12との間に印加される交流電圧による振動効率を向上させることができる。
なお、本変形例では、上部電極が矩形(四角形)の例を示しているが、矩形に限定されることはなく、三角形や、五角形以上の多角形であっても良い。
Claims (11)
- 基板と、
前記基板の主面上に設けられた固定部と、
前記固定部から延出する支持部と、
前記支持部によって前記基板から遊離して支えられた振動体と、を備え、
前記振動体は、
前記振動体の周縁部から前記振動体の中央部に向かい設けられた切り欠き部と、
前記切り欠き部に対応する位置に設けられた被接続部と、を有し、
前記被接続部が、前記支持部に連接されていることを特徴とする振動子。 - 基板と、
前記基板の主面上に設けられた固定部と、
前記固定部から延出する支持部と、
前記支持部によって前記基板から遊離して支えられた振動体と、を備え、
前記振動体は、
前記振動体の周縁部から前記振動体の中央部に向かい設けられた切り欠き部と、
前記切り欠き部によって露出されてなる前記振動体の側面部の内、前記中央部から前記周縁部の方向を向く前記側面部に被接続部を有し、
前記被接続部が、前記支持部に連接されていることを特徴とする振動子。 - 前記振動体は、前記切り欠き部を有する円形の板状体であることを特徴とする請求項1に記載の振動子。
- 前記振動体は、複数の前記切り欠き部が設けられていることを特徴とする請求項1ないし請求項3のいずれか一項に記載の振動子。
- 前記固定部は、前記基板を平面視したときに、前記切り欠き部と重なる領域に設けられていることを特徴とする請求項1ないし請求項4のいずれか一項に記載の振動子。
- 前記固定部は、前記基板を平面視したときに、前記振動体および前記切り欠き部の外側の領域に設けられていることを特徴とする請求項1ないし請求項4のいずれか一項に記載の振動子。
- 前記被接続部は、前記振動体の周縁部と前記振動体の中央部とが、前記振動体の厚み方向において逆位相で振動することで、前記周縁部と前記中央部との間に形成されてなる振動の節が含まれる部分に形成されていることを特徴とする請求項1ないし請求項6のいずれか一項に記載の振動子。
- 前記振動体が、上部電極であり、
前記基板と、前記振動体の前記振動の節によって囲まれた領域との間に第1の下部電極を備えることを特徴とする請求項7に記載の振動子。 - 前記振動体が、上部電極であり、
前記基板と、前記振動体の前記振動の節によって囲まれた領域の外側の領域との間に第2の下部電極を備えることを特徴とする請求項7に記載の振動子。 - 前記振動体が、上部電極であり、
前記基板と、前記振動体の前記振動の節によって囲まれた領域との間に第1の下部電極を備え、
前記基板と、前記振動体の前記振動の節によって囲まれた領域の外側の領域との間に第2の下部電極を備えることを特徴とする請求項7に記載の振動子。 - 請求項1ないし請求項10のいずれか一項に記載の振動子を備えていることを特徴とする電子機器。
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