JP2014104616A - ガスバリア積層体 - Google Patents

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Abstract

【課題】高温高湿環境下で水蒸気透過に対して優れたバリア性を有するガスバリア積層体を提供する。
【解決手段】ポリエチレンテレフタレート基材1の両面または片面に酸化珪素膜3を積層したガスバリア積層体において、白色干渉計(SWLI)によって測定される前記ポリエチレンテレフタレート基材表面の1平方mmあたりの高さ0.5μm以上の突起数が、250個以下の範囲内である。また、高さ0.7μm以上の突起数が、150個以下の範囲内である。そして、ポリエチレンテレフタレート基材が、110℃から150℃の温度範囲で15分から30分間熱処理されている。プラスチックフィルム基材と酸化珪素膜との間に、アンカーコート層3を設けることが好ましい。
【選択図】図1

Description

本発明は、産業資材用途としても用いられる、高温高湿度下におけるバリア性に優れたガスバリア積層体に関するものである。特に、太陽電池のモジュールセルやその配線を保護するバリア性に優れた前面保護シート用または裏面保護シートのガスバリア積層体に関するものである。また用途はこれに限定したものではなく応用展開が可能である。
ガスバリア積層体は食品や精密電子部品及び医薬品の包材として用いられ、内容物の変質を抑制しそれらの機能や性質を保持するために、包装材料を通過する酸素、水蒸気、その他内容物を変質させる気体による影響を防止する必要があり、これらを遮断するガスバリア性等を備えることが求められてきた。
近年、このガスバリア積層体は太陽電池モジュールの部材である前面あるいは裏面保護シートを代表とした産業資材用途として用いられるようになってきた。
従来、上記前面保護シートには温度・湿度などの影響の少ないガラスが、裏面保護シートにはアルミ等の金属箔が、ガスバリア素材として一般的に用いられてきたが、ガラスは破損や重さが重く施工時、搬送に問題があった。金属箔は経年劣化により太陽電池のセル及び配線等と絶縁不良を起こすなど欠点を有し問題があった。
そこで、これらの欠点を克服したガスバリア素材として、フッ素樹脂フィルム上に、真空蒸着法により酸化珪素の蒸着膜を形成した蒸着フィルム(ガスバリア積層体)が開発されている(例えば、特許文献1)。
このガスバリア積層体は透明性及び酸素、水蒸気等のガス遮断性を有しているため、ガラスや金属箔等では得ることができない柔軟性、軽量化、絶縁特性、透明性を有するガスバリア素材として好適とされている。
しかしながら、従来のガスバリア積層体の基材に用いられてきた一般の2軸延伸ポリエチレンテレフタレートフィルムでは、表面の単位面積あたりの突起数が多く、かつ、突起高さが高い。これにより、酸化珪素膜に突起が生じて、酸化珪素膜を積層した蒸着フィルムであるガスバリア積層体では、高温高湿環境下で、バリア層である酸化珪素膜に欠陥が生じ劣化するため、長時間の高温高湿環境下では、性能劣化、特に水蒸気バリア性の劣化を引き起こすという欠点がある。
この問題を解決するために、従来から酸化珪素膜上に樹脂系などのオーバーコート剤を塗布して用いることによって、プラスチックフィルム基材上に積層された酸化珪素膜の劣化をおさえる試みがなされている。
しかしながら、従来は樹脂系オーバーコートやシリカゾル系オーバーコートで酸化珪素膜の劣化を抑えようとすると、ガスバリア積層体の工程数を増やすことになり、かつこれら成分では十分に酸化珪素膜の突起が原因として起こる欠陥などの劣化を抑えることができなかった。
また、一般ポリエチレンテレフタレートを用いているため、高温高湿環境下でのポリエチレンテレフタレートフィルムの熱収縮によってバリア層や、オーバーコート層に欠陥が入ることを防ぐことができなかった。
公知文献を以下に示す。
特開平10−308521号公報
本発明は上記課題を解決するためになされたものであり、高温高湿環境下で水蒸気透過に対して優れたバリア性を有するガスバリア積層体を提供することを課題としている。
発明者はポリエチレンテレフタレートフィルムの熱収縮を抑制し、ポリエチレンテレフタレート表面の単位面積あたりの突起数および突起高さを好適化することより上記の課題が解決できることを見出し本発明に至った。
本発明の請求項1記載の発明は、ポリエチレンテレフタレート基材の両面または片面に酸化珪素膜を積層したガスバリア積層体において、白色干渉計(SWLI)によって測定される前記ポリエチレンテレフタレート基材表面の1平方mmあたりの高さ0.5μm以上の突起数が、250個以下の範囲内であることを特徴とするガスバリア積層体である。
本発明の請求項2記載の発明は、白色干渉計(SWLI)によって測定される前記ポリエチレンテレフタレート基材表面の1平方mmあたりの高さ0.7μm以上の突起数が、150個以下の範囲内であることを特徴とする請求項1に記載のガスバリア積層体である。
本発明の請求項3記載の発明は、前記ポリエチレンテレフタレート基材が、110℃から150℃の温度範囲で、15分から30分間熱処理されていることを特徴とする請求項1または2に記載のガスバリア積層体である。
本発明の請求項4記載の発明は、前記酸化珪素膜のX線光電子分光法(XPS)によって算出される酸素と珪素の元素構成比(O/Si)が、1.6〜2.0の範囲内であることを特徴とする請求項1から3のいずれか1項に記載のガスバリア積層体である。
本発明の請求項5記載の発明は、前記酸化珪素膜の厚さが、10〜300nmであることを特徴とする請求項1から4のいずれか1項に記載のガスバリア積層体である。
本発明の請求項6記載の発明は、前記プラスチックフィルム基材と前記酸化珪素膜との間に、アンカーコート層が設けられていることを特徴とする請求項1から5のいずれか1項に記載のガスバリア積層体である。
本発明の請求項7記載の発明は、前記アンカーコート層が、ポリエステル樹脂、ウレタン樹脂、アクリル系樹脂、及び、オキサゾリン基含有樹脂から選択される1種類以上の樹脂にて形成されていることを特徴とする請求項6記載のガスバリア積層体である。
本発明のガスバリア積層体は、高温高湿環境下においても、酸化珪素膜の劣化が抑えられ、水蒸気透過に対するバリア性が優れている。具体的には、請求項1〜3に記載の発明により、高温高湿環境下でバリア性が劣化しない基材および表面性状となる。
請求項4に記載の発明により高温高湿環境下でバリア性が劣化しない膜質となる。請求項5に記載の発明により、高温高湿環境下でバリア性を保持する膜厚となる。請求項6、7記載の発明により、高温高湿環境下でポリエチレンテレフタレート基材と酸化珪素膜の相互作用により、さらに水蒸気透過に対するバリア性の優れた構造となる。
本発明のガスバリア積層体の一例を説明する断面図。
以下、本発明を実施するための形態につき説明する。
図1は、本発明のガスバリア積層体の一例を説明する断面図である。
本例のガスバリア積層体は、ポリエチレンテレフタレート基材1に、酸化珪素膜2が積層され、酸化珪素膜2が積層される側のポリエチレンテレフタレート基材1の表面に、アンカーコート層3が形成されている。
本発明のガスバリア積層体は、酸化珪素膜の基材の熱収縮と表面性状を制御している。この結果、水蒸気バリア性の向上や欠陥発生防止につながり、高温高湿環境下においても、優れた水蒸気などのバリア性を有することができる。
本発明のガスバリア積層体は、本発明者の次の知見に基づくものである。ポリエチレンテレフタレート基材の表面性状は白色干渉計(SWLI)で測定される。測定面積を1平方mmとして表面形状を測定し、得られた表面形状から突起数を検出する。このための高さ方向のしきい値は、0.5μm、0.7μmとした。これらのしきい値を設定することにより、しきい値以上の突起数を検出することができる。
なお、ポリエチレンテレフタレート基材は透明性が高いため、白色光を透過しやすく、このままでは表面形状を正確に測定できない。そこでポリエチレンテレフタレート基材表面に白金を約40nm積層させて着色させてから測定した。
通常、ガスバリア積層体はプラスチックフィルムに巻取り方式で真空蒸着法によりバリア層を積層する。通常、プラスチックフィルムには滑剤が練り込まれており、この滑剤によりフィルム表面に凹凸をつけてフィルムを巻き取れるように設計されている。したがって、この目的のためにある一定の凹凸を表面につけなければフィルムを巻き取ることが困難となる。
しかしこの凹凸が大きい、すなわち突起数が多く、かつその高さが大きいほど蒸着されたガスバリア積層体は、ガスバリア性能が十分に発揮されず、高温高湿環境下で優れた水蒸気バリア性を有することができない。
これに対して、本発明のガスバリア積層体の酸化珪素膜表面は、高さ0.5μm以上の突起数が1平方mmあたり100〜250個、高さ0.7μm以上の突起数が1平方mmあたり20〜150個に調整することにより極めて良好なバリア性を発現することができ、高温高湿環境下で優れたバリア性を有する。
さらに、高温高湿度下では酸化珪素膜の土台となるポリエチレンテレフタレート基材が熱収縮し、酸化珪素膜に内部応力の影響をもたらす、このため酸化珪素膜はクラックやピンホールなどの欠陥が生じてしまうが、本発明で用いるポリエチレンテレフタレート基材は、110℃から150℃での温度範囲で15分から30分間熱処理を施してポリエチレ
ンテレフタレート基材を十分熱収縮させた後に酸化珪素膜を積層するため、高温高湿度下にさらされても酸化珪素膜の土台であるポリエチレンテレフタレート基材は収縮あるいは伸びがなく、機械的に寸法安定性が良く、酸化珪素膜に熱による応力を与えることがないため、優れた水蒸気バリア性を有したガスバリア積層体となる。
上述したポリエチレンテレフタレート基材1は、酸化珪素膜2の透明性を生かすために可能であれば透明なポリエチレンテレフタレート基材であることが好ましい。ポリエチレンテレフタレート基材1は延伸、未延伸のどちらでも良く、また機械的強度や寸法安定性を、もともと有するものが良い。この中で、二軸方向に任意に延伸された基材が好ましく用いられる。
また、このポリエチレンテレフタレート基材1の酸化珪素膜2が設けられる面と反対側の表面に、公知の添加剤、例えば帯電防止剤、紫外線吸収剤、可塑剤などが使用されていても良い。
ポリエチレンテレフタレート基材の厚さは特に制限を受けるものではないが、酸化珪素膜を形成するときの加工性を考慮すると、実用的には9〜200μmの範囲が好ましく、特に25〜50μmとすることが好ましい。9μm以下である場合は、巻取り装置で加工する際に、シワの発生やフィルムの破断が生じ、200μm以上である場合は、フィルムの柔軟性が低下するため、巻き取り装置では加工が困難になる。
また、産業資材、包装材料としての適性を考慮して、ガスバリア積層体に、酸化珪素膜以外の異なる性質のフィルムをさらに積層することができる。例えば、ポリエチレンテレフタレートなどのポリエステルフィルム、ポリフッ化ビニルフィルムやポリフッ化ジビニルなどのフッ素系樹脂フィルムなどが考えられるが、これら以外の樹脂フィルムを積層することもできる。
さらに本発明のガスバリア積層体自身を2層あるいは3層以上と多層構成にするとさらに高温高湿度での水蒸気バリア性に優れ効果的である。
本発明のガスバリア積層体は、ポリエチレンテレフタレート基材と酸化珪素膜との密着性向上およびバリア性向上のため、ポリエチレンテレフタレート基材1と酸化珪素膜2の間に、アンカーコート層3を設けることが好ましい。アンカーコート層の形成法としては、ポリエチレンテレフタレート基材にアンカーコート剤を塗布する方法が採用でき、形成されたアンカーコート層の上に酸化珪素膜を形成すれば良い。
アンカーコート剤としては、溶剤溶解性または水溶性のポリエステル樹脂、ウレタン樹脂、アクリル系樹脂、オキサゾリン基含有樹脂から選ばれる樹脂を単独、あるいは2種類以上併せて使用することができる。
アンカーコート層の厚さは通常0.005〜5μm、好ましくは0.01〜1μmである。5μmを超える膜厚では、すべり性が悪くなり、また、アンカーコート層自体の内部応力によりプラスチックフィルム基材から剥離しやすくなる場合がある。一方0.005μmに満たない膜厚では、均一な膜厚とはならない可能性がある。
また、フィルムへのアンカーコート剤塗布性、接着性を改良するために、ポリエチレンテレフタレート基材表面に放電処理を施しても良い。
本発明のガスバリア積層体は、ポリエチレンテレフタレート基材の酸化珪素膜を積層する面に、プラズマを利用したリアクティブイオンエッチング(RIE)による前処理を施
してもよい。
このRIEによる処理を行うことで、発生したラジカルやイオンを利用してポリエチレンテレフタレート基材の表面に官能基を持たせるなどの化学的効果と、イオンエッチングすることで表面の不純物を除去したり、表面粗さを大きくしたりといった物理的効果の2つの効果を同時に得ることが可能である。これにより、ポリエチレンテレフタレート基材と酸化珪素膜との密着を向上させ、高温高湿環境下で両者が剥離しない構造となる。
次に酸化珪素膜2について説明する。酸化珪素膜のXPS法測定によって算出される酸素と珪素の元素構成比(O/Si)が1.6〜2.0であることが好ましい。O/Siが1.6より小さい場合、バリア性が低下し、かつバリア層が着色し透明性を失う。一方、2.0より大きい場合、バリア膜の残留応力が大きく、また柔軟性が失われるためクラック等の膜欠陥が生じやすくバリア性が著しく低下する。
酸化珪素膜2の厚さは、10〜300nmの範囲内が望ましく、その値は適宜選択される。ただし、膜厚が10nm未満であると均一な膜が得られないことや、膜厚が十分ではないことがあり、ガスバリア積層体としての機能を十分に果たすことができない場合がある。
また、膜厚が300nmを越える場合は酸化珪素膜の残留応力によりフレキシビリティを保持させることができず、成膜後外的要因により、酸化珪素膜に亀裂を生じるおそれがあるので問題がある。
酸化珪素からなる酸化珪素膜をポリエチレンテレフタレート基材に積層する方法としては、真空蒸着法、スパッタリング法、イオンプレーティング法、プラズマ気相成長法(CVD)などを用いることができる。ただし、生産性を考慮すれば、現時点では真空蒸着法が最も優れている。
真空蒸着法の加熱手段としては電子線加熱方式や抵抗加熱方式、誘導加熱方式のいずれかの方式を用いることが好ましいが、蒸発材料の選択性の幅広さを考慮すると電子線加熱方式または抵抗加熱方式を用いることがより好ましい。
また、酸化珪素膜とポリエチレンテレフタレート基材の密着性及び酸化珪素膜の緻密性を向上させるために、プラズマアシスト法やイオンビームアシスト法を用いて蒸着することも可能である。また、酸化珪素膜の透明性を上げるために蒸着の際、酸素等の各種ガスなど吹き込む反応蒸着を用いても一向に構わない。
また、酸化珪素膜上には、保護および接着性を向上させるため、オーバーコート層を形成することができる。このオーバーコート層としては、溶剤溶解性または水溶性のポリエステル樹脂、イソシアネート樹脂、ウレタン樹脂、アクリル系樹脂、ビニルアルコール樹脂、エチレンビニルアルコール共重合体樹脂、ビニル変性樹脂、エポキシ樹脂、オキサゾリン基含有樹脂、変性スチレン樹脂、変性シリコン樹脂およびアルキルチタネート等を単独あるいは2種類以上からなる層を設けることができる。
また、オーバーコート層としては、バリア性、摩耗性、滑り性向上のためシリカゾル、アルミナゾル、粒子状無機フィラーおよび層状無機フィラーから選択される1種類以上を添加、あるいは、これらの存在下で上記樹脂を重合あるいは縮合により合成して得た樹脂からなるオーバーコート層が好ましい。
以下、本発明のガスバリア積層体の実施例を具体的に説明する。なお、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。
[白色干渉計(SWLI)による表面突起数の算出]
測定装置はZygo社製の走査型白色干渉計New View 7300を用いた。光源として白色LEDを用い、測定面積は1mm×1mmとした。試料表面には約40nmの厚みで白金をスパッタリングした。高さ方向のしきい値は、0.5μm、0.7μmとした。
[X線光電子分光法(XPS)によるO/Siの算出]
測定装置は日本電子株式会社製のX線光電子分光分析装置JPS−90MXVを用いた。X線源として非単色化MgKα(1253.6eV)を使用し、X線出力は100W(10kV−10mA)で測定した。元素比率O/Siを求めるための定量分析には、それぞれO1sで2.28、Si2pで0.9の相対感度因子を用いて計算した。
<実施例1>
白色干渉計(SWLI)により、算出した表面の突起が、1平方mmあたりの突起高さ0.5μm以上が162個、0.7μm以上が82個のポリエチレンテレフタレート基材(厚さ25μm)を用意し、150℃30分の処理条件で熱処理を行った。
このポリエチレンテレフタレート基材の突起を測定した側の面に電子線加熱方式を用いて酸化珪素膜を40nmの厚みで蒸着し、実施例1のガスバリア積層体を作製した。この酸化珪素膜面のX線光電子分光法(XPS)による酸素と珪素の元素構成比(O/Si)は、1.8であった。
<実施例2>
白色干渉計(SWLI)により、算出した表面の突起が、1平方mmあたりの突起高さ0.5μm以上が201個、0.7μm以上が131個のポリエチレンテレフタレート基材を用い、熱処理を150℃20分の処理条件で行い、酸化珪素膜を40nmの厚みで蒸着した以外は、実施例1と同様にして行い、実施例2のガスバリア積層体を作製した。
この酸化珪素膜面のX線光電子分光法(XPS)による酸素と珪素の元素構成比(O/Si)は、1.9であった。
<実施例3>
白色干渉計(SWLI)により、算出した表面の突起が、1平方mmあたりの突起高さ0.5μm以上が221個、0.7μm以上が124個のポリエチレンテレフタレート基材を用い、熱処理を140℃15分の処理条件で行い、酸化珪素膜を40nmの厚みで蒸着した以外は、実施例1と同様にして行い、実施例3のガスバリア積層体を作製した。
この酸化珪素膜面のX線光電子分光法(XPS)による酸素と珪素の元素構成比(O/Si)は、1.9であった。
<実施例4>
白色干渉計(SWLI)により、算出した表面の突起が、1平方mmあたりの突起高さ0.5μm以上が231個、0.7μm以上が128個のポリエチレンテレフタレート基材を用い、熱処理を130℃15分の処理条件で行い、酸化珪素膜を40nmの厚みで蒸着した以外は、実施例1と同様にして行い、実施例4のガスバリア積層体を作製した。
この酸化珪素膜面のX線光電子分光法(XPS)による酸素と珪素の元素構成比(O/
Si)は、2.0であった。
<実施例5>
白色干渉計(SWLI)により、算出した表面の突起が、1平方mmあたりの突起高さ0.5μm以上が191個、0.7μm以上が101個のポリエチレンテレフタレート基材を用い、熱処理を110℃15分の処理条件で行い、酸化珪素膜を40nmの厚みで蒸着した以外は、実施例1と同様にして行い、実施例5のガスバリア積層体を作製した。
この酸化珪素膜面のX線光電子分光法(XPS)による酸素と珪素の元素構成比(O/Si)は、1.7であった。
<比較例1>
白色干渉計(SWLI)により、算出した表面の突起が、1平方mmあたりの突起高さ0.5μm以上が287個、0.7μm以上が176個のポリエチレンテレフタレート基材を用い、熱処理を85℃10分の処理条件で行い、酸化珪素膜を40nmの厚みで蒸着した以外は、実施例1と同様にして行い、比較例1のガスバリア積層体を作製した。
この酸化珪素膜面のX線光電子分光法(XPS)による酸素と珪素の元素構成比(O/Si)は、2.1であった。
<比較例2>
白色干渉計(SWLI)により、算出した表面の突起が、1平方mmあたりの突起高さ0.5μm以上が305個、0.7μm以上が191個のポリエチレンテレフタレート基材を用い、熱処理を行わず、酸化珪素膜を40nmの厚みで蒸着した以外は、実施例1と同様にして行い、比較例2のガスバリア積層体を作製した。
この酸化珪素膜面のX線光電子分光法(XPS)による酸素と珪素の元素構成比(O/Si)は、2.1であった。
<評価>
実施例1から5と比較例1、2のガスバリア積層体について、温湿度85℃85%RHの高温高湿の環境下で水蒸気透過度(g/m・day)を測定した。装置は英国Technolox社製のDELTAPERMを用いた。本装置は差圧法により水蒸気透過度を測定するものであり、通常の測定条件40℃90%RHに加えて、85℃85%RHの測定条件で水蒸気透過度を測定できる装置である。その測定結果を表1に示す。
評価基準として、水蒸気透過度0.8g/m2・day以下を示した場合を適として○とし、上記範囲以上の水蒸気透過度を示した場合を不適として×とした。その評価結果を表1に示す。
Figure 2014104616
以下に、実施例と比較例との比較結果について説明する。
<比較結果>
上記結果から、白色干渉計(SWLI)により、算出した表面の突起が、1平方mmあたりの突起高さ0.5μm以上が250個以下、0.7μm以上が150個以下のポリエチレンテレフタレート基材を用い、ポリエチレンテレフタレート基材の熱処理が110℃から150℃で15分から30分、酸化珪素膜面のX線光電子分光法(XPS)による酸素と珪素の元素構成比(O/Si)が1.6〜2.0に調整した以外の比較例1、2のガスバリア積層体は、バリア性が悪いことが示された。
以上のように本発明のガスバリア積層体は、単位面積あたりの突起数と高さ、熱処理、及び、酸素と珪素の元素構成比(O/Si)が請求項の範囲であることにより高温高湿環境下でも水蒸気バリア性が優れている。
本発明のガスバリア積層体は、食品や精密電子部品及び医薬品の包材として用いられ、また、太陽電池モジュールの部材である前面保護シートおよび裏面保護シートとした産業資材用途に利用できる。
1・・・プラスチックフィルム基材
2・・・酸化珪素膜
3・・・アンカーコート層

Claims (7)

  1. ポリエチレンテレフタレート基材の両面または片面に酸化珪素膜を積層したガスバリア積層体において、白色干渉計(SWLI)によって測定される前記ポリエチレンテレフタレート基材表面の1平方mmあたりの高さ0.5μm以上の突起数が、250個以下の範囲内であることを特徴とするガスバリア積層体。
  2. 白色干渉計(SWLI)によって測定される前記ポリエチレンテレフタレート基材表面の1平方mmあたりの高さ0.7μm以上の突起数が、150個以下の範囲内であることを特徴とする請求項1に記載のガスバリア積層体。
  3. 前記ポリエチレンテレフタレート基材が、110℃から150℃の温度範囲で、15分から30分間熱処理されていることを特徴とする請求項1または2に記載のガスバリア積層体。
  4. 前記酸化珪素膜のX線光電子分光法(XPS)によって算出される酸素と珪素の元素構成比(O/Si)が、1.6〜2.0の範囲内であることを特徴とする請求項1から3のいずれか1項に記載のガスバリア積層体。
  5. 前記酸化珪素膜の厚さが、10〜300nmであることを特徴とする請求項1から4のいずれか1項に記載のガスバリア積層体。
  6. 前記プラスチックフィルム基材と前記酸化珪素膜との間に、アンカーコート層が設けられていることを特徴とする請求項1から5のいずれか1項に記載のガスバリア積層体。
  7. 前記アンカーコート層が、ポリエステル樹脂、ウレタン樹脂、アクリル系樹脂、及び、オキサゾリン基含有樹脂から選択される1種類以上の樹脂にて形成されていることを特徴とする請求項6記載のガスバリア積層体。
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