JP2014104565A - シングルワイヤソー - Google Patents

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Seiichi Magota
誠一 孫田
Hiroshi Tanizaki
啓 谷崎
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Abstract

【課題】ワークをワイヤに対して相対的に送り移動させるための送り機構を設ける必要がなく、全体の構造が簡単で小型化することができるシングルワイヤソーを提供する。
【解決手段】一対のローラ18,19間を走行するワイヤ15によってワーク12を切断するシングルワイヤソーにおいて、両ローラ18,19のうちの一方のローラ18をワーク12に対する切り込み方向に移動させることによって、ワーク12を切断するように構成する。
【選択図】図1

Description

この発明は、緊張状態で走行される1本のワイヤによりワークを切断するようにしたシングルワイヤソーに関するものである。
従来、この種のシングルワイヤソーとしては、例えば特許文献1及び特許文献2に開示されるような構成が提案されている。これらの従来構成においては、一対の案内ローラ間に緊張状態で掛け渡された1本のワイヤが走行されながら、そのワイヤに対してワークがワイヤの走行方向と交差する方向に送り移動されることにより、ワークが切断されるようになっている。
特開2004−188545号公報 特開2011−240449号公報
ところが、これらの従来構成においては、ワークを送り移動させるための駆動モータやボールネジ等を含む送り機構を設ける必要があるため、シングルワイヤソー全体の構造が複雑で大型になるという問題があった。
この発明は、このような従来の技術に存在する問題点に着目してなされたものである。その目的は、ワークをワイヤに対して相対的に送り移動させるための送り機構を設ける必要がなく、全体の構造が簡単で小型化することができるシングルワイヤソーを提供することにある。
上記の目的を達成するために、このシングルワイヤソーは、一対のローラ間を走行するワイヤによってワークを切断するシングルワイヤソーにおいて、両ローラのうちの一方のローラをワークに対する切り込み方向に移動させることによってワークを切断するように構成したことを特徴としている。
従って、このシングルワイヤソーの運転時には、ワークが定位置に固定配置された状態で、ワイヤが一対のローラ間において走行されながら、一方のローラがワークに対する切り込み方向に移動される。それにより、ワークが切断される。よって、駆動モータやボールネジ等を含む大型の送り機構を装備して、ワークをワイヤに対して相対的に送り移動させる必要がなく、シングルワイヤソー全体の構造の簡略化及び小型化を図ることができる。
前記のシングルワイヤソーによれば、ワークをワイヤに対して相対的に送り移動させるための送り機構を設ける必要がなく、全体の構造が簡単で小型化することができるという効果を発揮する。
一実施形態のシングルワイヤソーを示す構成図。 図1のシングルワイヤソーによって切断されるワークを例示する平面図。
以下、シングルワイヤソーの一実施形態を、図面に従って説明する。
図1に示すように、この実施形態のシングルワイヤソーにおいては、ワーク支持部としてのワーク支持台11が固定位置に配置されている。ワーク支持台11の上面には、脆性材料等よりなる薄板状のワーク12が切断可能な材料よりなる介装部材13を介して接着固定される。ワーク支持台11の一側方には、一対のリール14が回転可能に配置されている。この両リール14にはワーク切断用の1本のワイヤ15の両端側が巻回され、この状態で、両リール14間にワイヤ15が張設されている。この場合、両リール14は、その回転軸線がワイヤ15の走行経路に沿った面と平行な面内に位置するように配置されている。前記各リール14には、ワイヤ15を巻き取り及び繰り出し回転させるための駆動用モータ16が連結されている。各リール14の周側部には、リール14に対するワイヤ15の巻き取り及び繰り出しに際して、ワイヤ15をリールの回転軸線方向にトラバースさせるためのトラバースローラ17が移動可能に配置されている。
そして、両リール14が交互に正転及び逆転して、ワイヤ15が所定長さ(例えば10m)一方向に走行されるとともに、それより短い所定長さ(例えば9m)逆方向に走行されて、徐々に一方のリール14から他方のリール14に移行される。そして、ワイヤ15の走行に伴い、ワイヤ15はリール14との位置関係がリール14の軸線方向に沿って変化するが、前記トラバースローラ17はこの変化に追随してワイヤ15を支持する。
図1に示すように、前記ワーク支持台11を挟む両側位置には、両リール14間を走行するワイヤ15の走行経路を規定するための一対のローラ18,19が回転可能に配置されている。両ローラ18,19のうちの一方のローラ、実施形態ではリール14が配置されている図示右側のローラ18は、切り込み用モータ20によりボールネジ21及びナット22を介して、ワーク12に対する切り込み方向及びその反対方向に直線的に移動されるように構成されている。そして、図1に実線及び鎖線で示すように、一方のローラ18が他方のローラ19よりも上方の位置から同一高さの位置に下降される間に、両ローラ18,19間のワイヤ15がワーク12に切り込まれて、ワーク12の切断が行われる。この場合、ワイヤ15による切断がワーク12を超えて介装部材13まで達するように、両ローラ18,19の高さ位置が設定されている。また、ワイヤ15の高さよりやや高い位置の2箇所に加工液供給ノズル29が設けられ、ワーク切断中のワイヤ15に加工液が供給される。
図1に示すように、前記両リール14と両ローラ18,19との間には、それぞれワイヤ15の弛みを吸収するためのダンサ装置23が配置されている。このダンサ装置23は、水平軸線を中心に回動可能に配置されたダンサアーム24と、そのダンサアーム24の先端に回転可能に支持されたダンサローラ25と、ダンサアーム24を回動制御する制御用モータ26とにより構成されている。そして、リール14と案内ローラ18,19との間において、ダンサローラ25にワイヤ15が掛装された状態で、制御用モータ26によりダンサアーム24の回動が制御されて、両ローラ18,19間のワイヤ15の弛みが吸収される。なお、図示左側のローラ19とそれに対応するダンサローラ25との間には、ワイヤ15を誘導するための中間ローラ27が設けられている。
また、この実施形態においては、前記リール14を巻き取りまたは繰り出し回転させるための駆動用モータ16により、ワイヤ15の張力調整装置28が構成されている。そして、ワーク12の切断に際して、一方のローラ18の上下移動に伴って発生するワイヤ15の張力変動が、この張力調整装置28によって吸収されるようになっている。すなわち、ローラ18の上下移動によるワイヤ15の張力変動がトラバースローラ17により検出され、その検出結果に基づいて張力調整装置28としての駆動用モータ16の巻き取り及び繰り出し回転が制御される。これによって、両ローラ18,19間のワイヤ15の張力が適正値に保持される。
次に、前記のように構成されたシングルワイヤソーの作用を説明する。
このシングルワイヤソーの運転に際しては、ワーク支持台11の下面に介装部材13を介してワーク12が接着固定される。この状態で、両リール14が駆動用モータ16により巻き取り及び繰り出し回転されて、ワイヤ15が一対のローラ18,19間において往復走行される。それとともに、一方のローラ18が切り込み用モータ20によりボールネジ21及びナット22を介して、ワーク12に対する切り込み方向に下降移動される。それにより、両ローラ18,19間のワイヤ15が図1に実線で示す傾斜位置から鎖線で示す水平位置に移動されて、ワーク12が切断される。そして、同図に鎖線で示すように、ワイヤ15によるワーク12の切断が介装部材13まで達したとき、ワーク12の切断が終了する。
このような一本のワイヤ15によるワーク12の切断を図2に示すように、必要に応じてワーク12の縦方向に所定間隔おきで切断位置を変更しながら繰り返し行う。さらに、このワーク12の切断を、ワーク12の横方向に所定間隔おきで切断位置を変更しながら繰り返し行うことで、薄板状のワーク12を賽の目状に切断し、複数の小片121に切り分けることもできる。
従って、この実施形態によれば、以下のような効果を得ることができる。
(1) このシングルワイヤソーでは、一対のローラ18,19間を走行するワイヤ15によってワーク12を切断するシングルワイヤソーにおいて、両ローラ18,19のうちの一方のローラ18がワーク12に対する切り込み方向に移動されることによって、ワーク12の切断が行なわれるように構成されている。
このため、このシングルワイヤソーの運転時には、ワーク12が定位置に固定配置された状態で、ワイヤ15が一対のローラ18,19間において走行されながら、一方のローラ18がワーク12に対する切り込み方向に移動される。それにより、ワイヤ15がワーク12の他方のローラ19側から切り込んで行き、除々にワーク12全長が切断される。よって、駆動モータやボールネジ等を含む大型の送り機構を装備して、ワークをワイヤに対して相対的に送り移動させる必要がなく、シングルワイヤソー全体の構造の簡略化及び小型化を図ることができる。
(2) このシングルワイヤソーでは、前記ローラ18の上下方向の移動によるワイヤ15の張力変動を吸収するための張力調整装置28が設けられている。このため、ワーク12の切断時に、ローラ18の移動に伴って発生するワイヤ15の張力変動を張力調整装置28により吸収することができる。よって、ワイヤ15が一定に緊張された状態で、ワーク12を高精度に切断することができる。
(3) このシングルワイヤソーでは、前記ローラ18がワーク12に対する切り込み方向及びその反対方向に直線的に移動されるように構成したため、実施形態のように、ローラ18を移動させる構成がモータ20とボールネジ21等を用いればよく、構成を簡単にすることができる。
(変更例)
なお、この実施形態は、次のように変更して具体化することも可能である。
・ ワーク12の切断時、一方のローラ18を切り込み方向とその反対方向とに往復動または振動させながら、切り込み方向に移動させてワーク12を切り込んで行くこと。これにより、ワイヤ15とワーク12との間に加工液を入りやすくすることができる。
・ワーク12の高さに対し、溝底に合わせてローラ19を配置することで、ワーク12に溝加工を行なうこと。
・ 一方のローラ18を移動させるための構成を任意に変更すること。例えば、移動させるための駆動源としてシリンダを用いたり、リニアモータを用いたりすること。
・ 一方のローラ18を他方のローラ19の中心を中心とした円弧上において移動させる構成とすること。
11…ワーク支持台、12…ワーク、14…リール、15…ワイヤ、16…駆動用モータ、17…トラバースローラ、18,19…ローラ、20…切り込み用モータ、21…ボールネジ、22…ナット、28…張力調整装置。

Claims (6)

  1. 一対のローラ間を走行するワイヤによってワークを切断するシングルワイヤソーにおいて、
    両ローラのうちの一方のローラをワークに対する切り込み方向に移動させることによってワークを切断するように構成したシングルワイヤソー。
  2. 前記一方のローラの移動によるワイヤの張力変動を吸収するための張力調整装置を設けた請求項1に記載のシングルワイヤソー。
  3. 前記一方のローラは切り込み方向とその反対方向に直線的に移動される請求項1または2に記載にシングルワイヤソー。
  4. 一対のリールを設け、前記ワイヤの両端側を両リールに巻回した状態で、ワイヤを両リール間に張設した請求項1〜3のうちのいずれか一項に記載のシングルワイヤソー。
  5. ワイヤを往復走行させながら、全体として一方向に移動させる請求項4に記載のシングルワイヤソー。
  6. 前記一方のローラを切り込み方向とその反対方向とに往復動または振動させながら切り込み方向に移動させてワークを切断する請求項1〜5のうちのいずれか一項に記載のシングルワイヤソー。
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