以下、本発明の好ましい実施形態について図面を参照して説明する。まず、本発明に係る装飾装置が設けられるパチンコ機PMの概要構成を図1〜図6を参照しながら説明する。
本実施形態に係るパチンコ機PMは、図1に示すように、外郭方形枠サイズに構成された縦向きの固定保持枠をなす外枠1の開口部前面に、これに合わせた方形枠サイズに構成されて開閉搭載枠をなす前枠2が互いの正面左側縁部に配設された上下のヒンジ機構3a,3bにより横開き開閉および着脱が可能に取り付けられ、正面右側縁部に設けられたダブル錠と称される施錠装置4を利用して常には外枠1と係合連結された閉鎖状態に保持される。
前枠2の前面側には、前枠2の上部前面域に合わせた方形状のガラス扉5および球皿ユニット6が正面左側部に設けられたヒンジ機構7a,7b,7cを利用して横開き開閉および着脱可能に組み付けられ、施錠装置4を利用して常には前枠2の前面を覆う閉鎖状態に保持される。球皿ユニット6の正面右側下部には遊技球の発射操作を行う発射ハンドル160が設けられている。ガラス扉5の背後に位置する前枠2の上部には、遊技盤10を着脱可能に収容する方形枠状の収容枠(図示せず)が設けられており、この収容枠に所定のゲージ設定で構成された遊技盤10が着脱可能にセット保持され、常には閉鎖保持されるガラス扉5を通して遊技盤10の正面の遊技領域PAを臨ませるようになっている。
遊技盤10は、図5に示すように、ルータ加工等を施した矩形状の積層合板に、所定の図柄が印刷されたセルを貼り付けて成型される化粧板11を基板として構成される。図5(a)に示すように、化粧板11の前面には、飛送レール(図示せず)及び内レール12aが円弧状に固設されて遊技球が転動可能な略円形の遊技領域PAが区画形成されている。飛送レール及び内レール12aにより遊技球を遊技領域PAに誘導する発射通路12bが形成され、この発射通路12bにおける遊技球の出口開口12cの近傍位置(内レール12aの先端部)に、発射通路12bを通って出口開口12cから遊技領域PA内に放出された遊技球が再び発射通路12bに逆戻りするのを防止する球戻り防止装置13が設けられている。
遊技盤10の遊技領域PAには、多数本の遊技釘とともに、風車や各種の入賞装置14,15,16,17、遊技の進行状況に応じて各種の演出パターンの画像および図柄を表示する図柄表示装置18などの遊技構成部品が取り付けられている。また、遊技領域PAの下端には、各入賞装置に入賞せずに落下した遊技球を遊技盤10の裏面側へ排出させるアウト口19が設けられている。また、図柄表示装置18の下部と化粧板11との間隙部には、詳細は後述する電飾装置50が設けられている。さらに、図柄表示装置18の上部に第1の可動式演出装置200が設けられ、図柄表示装置18の上部および下部に第2の可動式演出装置250(図5(b)を参照)が設けられている。
図3に示すように、前枠2の前面下部には、球皿ユニット6の背後に位置して遊技盤10と上下に整合し得る遊技補助盤20が形成されており、この遊技補助盤20の各部に、遊技盤10へ向けて遊技球を発射する発射機構21、前枠2の前後に連通して形成された賞球連絡通路22および溢れ球通路23、遊技領域PAに到達できずに発射通路12を戻ってくる遊技球(すなわちファール球)を回収する遊技球回収機構24などが設けられている。なお、詳細な図示を省略するが、発射機構21の前方には、この発射機構21の前面側を覆うカバー部材(図示せず)が着脱自在に取り付けられている。このカバー部材(図示せず)は、例えばABS樹脂などの樹脂材料を用いて射出成形等の成形手段で形成されている。
常には遊技補助盤20を覆って閉鎖状態に保持される球皿ユニット6の背面側には、図4に示すように、遊技補助盤20に設けられた各機器に対応した機構装置が装備されている。すなわち、発射機構21に対応して上球皿6aに貯留された遊技球を1球ずつ発射機構21に送り出す球送りカセット26が設けられ、賞球連絡通路22に位置整合して賞球連絡通路22から流下する遊技球を上球皿6aに導く上球皿連絡ダクト27が設けられ、溢れ球通路23に位置整合して溢れ球通路23から流下する遊技球を下球皿6bに導く下球皿連絡ダクト28が設けられている。
なお、球皿ユニット6に設けられた発射ハンドル160は、パチンコ機PMの機体から前方に突出するハンドルベース161(図4を参照)と、このハンドルベース161の前方に回動操作可能に設けられた回動レバー162(図1を参照)と、ハンドルベース161内に設けられ回動レバー162の回動操作量を検出するポテンショメータ等の角度検出器163(図6を参照)と、遊技者が発射ハンドル160(回動レバー162)に接触しているか否かを検出するタッチ検出器164(図6を参照)などを備えて構成されている。なお、角度検出器163及びタッチ検出器164の検出信号は、詳細は後述する払出制御装置44に入力され、払出制御装置44は、タッチ検出器164からの検出信号から遊技者が発射ハンドル160に触れているか否かを判定し、角度検出器163からの検出信号から回動レバー162の回動操作量を検知して、これらの検出信号に基づいて発射機構21の作動を制御する。
前枠2の裏面側には、図2に示すように、外枠1の内寸サイズよりも幾分小さめの矩形枠状に形成された裏セット盤30が着脱可能に取り付けられている。裏セット盤30は、遊技盤10の背後に位置する上部領域に、前後連通して開口する大型の窓口開口30aを有する枠状に形成されており、この窓口開口30aの上方に、遊技球を貯留する球貯留タンク31、及び球貯留タンク31と繋がって下方に若干傾斜するタンクレール32が設けられ、背面視における窓口開口30aの右側に、タンクレール32により前後各1列の整列状態で導かれた遊技球を遊技盤10における入賞状態に基づいて払い出す球払出装置33、球払出装置33から払い出された遊技球を球皿ユニット6の上球皿6aに導く球払出通路34などの賞球機構が設けられている。
このため、球払出装置33によって払い出され球払出通路34から賞球連絡通路22の後端部に流入した遊技球は、通常では、この賞球連絡通路22を前方に流下し、上球皿連絡ダクト27内の通路を通って上球皿6aに達する。一方で、上球皿6aが遊技球で満たされたときには、球払出装置33によって払い出された遊技球は、賞球連絡通路22から溢れ球誘導口(図示せず)を通過して溢れ球通路23を流下し、下球皿連絡ダクト28内の通路を通って下球皿6bに達する。
また、裏セット盤30の背面には、制御装置、電子部品に電力を供給する電源ユニット41、パチンコ機PMの作動を統括的に制御する主制御装置(メイン制御基板)42、画像表示、効果照明および効果音等の遊技演出の制御を行う副制御装置(サブ制御基板)43、球払出装置33の作動を制御する払出制御装置44等の各種基板や電子部品などが取り付けられ、これらが図示省略するコネクタケーブルで接続されてパチンコ機PMが作動可能に構成される。
以上のように構成されるパチンコ機PMは、外枠1が遊技施設の遊技島(設置枠台)に固定設置され、前枠2、ガラス扉5、球皿ユニット6等が閉鎖施錠された状態で遊技に供され、球皿ユニット6の上球皿6aに遊技球を貯留させて発射ハンドル160を回動操作することにより遊技が開始される。発射ハンドル160が回動操作されると、上球皿6aに貯留された遊技球が、球皿ユニット6の裏面側に配設される球送りカセット26によって1球ずつ発射機構21に送り出され、発射機構21のハンマー21aにより遊技領域PAに打ち出されてパチンコゲームが展開される。
ここで、遊技領域PAに打ち出された遊技球が各入賞装置に落入したときの遊技球の払い出し処理について説明する。遊技盤10に設けられる入賞装置には、その外観意匠や入賞時の動作を含めて種々の形態のものがあり、ゲージ設定に応じてどのような形態の入賞装置を用いるものであってもよいが、例えば図5に例示した遊技盤10では、一般入賞装置14、始動入賞装置15,16、大入賞装置17の3種類の入賞装置を設けた例を示している。
一般入賞装置14は、遊技球が落入可能な入賞口14aを有する固定入賞具であり、この入賞口14aに落入したセーフ球はセーフ球通路を通って化粧板11の裏面側に排出され、該裏面側に設けられた入賞球検出器14s(図6を参照)を通過することによって入賞が検出されるようになっている。入賞球検出器14sは、遊技球の通過を検出可能な通過型センサである限り特に限定されず、例えば、磁気センサや光センサ、近接スイッチ等の非接触動作型でも、マイクロスイッチのような接触動作型でもよい(以下に示す入賞球検出器15s,16s,17sにおいても同様とする)。
始動入賞装置15,16は、遊技球が落入可能な入賞口15a,16aを有し、図柄の変動開始の条件を定める入賞具であり、この入賞口15a,16aに落入したセーフ球はセーフ球通路を通って化粧板11の裏面側に排出され、該裏面側に設けられた入賞球検出器15s,16s(図6を参照)を通過することによって入賞が検出されるようになっている。
大入賞装置17は、遊技球が落入可能な入賞口17aを有し、いわゆるアタッカー型の可動入賞装置であり、横長方形状の大入賞口17aを覆う開閉扉が開閉可能に取り付けられている。開閉扉は通常閉止されており、遊技中における所定の入賞条件の下で特別遊技状態が成立したときに、開閉扉の上部が前方にほぼ90度倒されて大入賞口17aが開放される。大入賞口17aに落入したセーフ球はセーフ球通路を通って化粧板11の裏面側に排出され、該裏面側に領域開口に対応して設けられた入賞球検出器17s(図6を参照)を通過することによって入賞が検出されるようになっている。なお、入賞球検出器14s,15s,16s,17sにより検出された遊技球は、遊技済み球排出通路(図示せず)を流下して遊技施設の遊技島の回収装置に排出される。
遊技領域PAに打ち出された遊技球のうち、いずれの入賞装置にも入賞しなかった遊技球は、アウト球としてアウト口19を通過する。アウト口19を通過したアウト球はアウト球通路を通って化粧板11の裏面側に排出され、該裏面側に設けられたアウト球検出器19s(図6を参照)によってアウト球の通過が検出されるようになっている。なお、アウト球検出器19sにより検出された遊技球は、遊技済み球排出通路(図示せず)を流下して遊技施設の遊技島の回収装置に排出される。
なお、各入賞球検出器14s,15s,16s,17sから出力された入賞検出信号が主制御装置42に入力されると、主制御装置42は、球払出装置33により払い出す賞球の数を認識可能な情報を有した入賞コマンドを出力する。払出制御装置44は、主制御装置42から入力された入賞コマンドに応じて球払出装置33の作動を制御し、球払出装置33によって、入賞装置14〜17(入賞球検出器14s〜17s)の種類に応じて設定された個数の賞球が払い出される。
また、始動入賞装置15,16の入賞球検出器15s,16sから出力された入賞検出信号が主制御装置42に入力されると、主制御装置42は、図柄表示装置18に表示させる図柄変動パターンおよび、スピーカー9や電飾装置50等に実行させる演出パターンを認識可能な情報を有した制御コマンドを出力する。副制御装置43は、主制御装置42から入力された制御コマンドに応じて、図柄表示装置18、スピーカー9、および電飾装置50等の作動を制御する。
ここで、第1の可動式演出装置200および第2の可動式演出装置250について簡単に説明する。第1の可動式演出装置200は、図5(a)に示すように、発光可能な板状の電飾部材201と、電飾部材201を上下移動させる上下移動装置205(図5(b)を参照)とを有して構成される。上下移動装置205は、電飾部材201が上方に移動して化粧板11の上部背面側に隠れる上方位置(図5(a)を参照)と、電飾部材201が下方に移動して図柄表示装置18の前方に現れる下方位置とに、電飾部材201を上下移動可能に構成される。上下移動装置205は、詳細な図示を省略するが、化粧板11の左背面側に上下に延びるように配置され、電飾部材201を上下移動させるための上下駆動モーターと、上下駆動モーターの回転駆動力を電飾部材201に伝えるラック&ピニオン機構とを有している。
通常の状態では、電飾部材201が上下移動装置205により上方位置に移動して化粧板11の上部背面側に隠れており、所定の遊技状態となったときに、電飾部材201が上下移動装置205により下方位置に移動して図柄表示装置18の前方に現れ、発光するようになっている。上下移動装置205のラック&ピニオン機構は、電飾部材201の上下移動速度を高めるために、上下駆動モーターに対するギヤ比が比較的小さく設定されている。そのため、電飾部材201を上方へ移動させるときに上下駆動モーターに負荷がかかりやすい。そこで、ラック&ピニオン機構におけるラックギヤの上方には、電飾部材201を上方位置へ引き付けるための磁石(図示せず)と、電飾部材201と磁石との衝突を緩衝する緩衝バネ(図示せず)とが設けられている。これにより、電飾部材201をスムーズに上方へ移動させることができる。
第2の可動式演出装置250は、図5(b)に示すように、図柄表示装置18の上側に位置する上部リング部材251と、図柄表示装置18の下側に位置する下部リング部材252と、上部リング部材251および下部リング部材252を上下移動させる上下引出装置255とを有して構成される。上部リング部材251および下部リング部材252はそれぞれ、リング状に形成された5つの円環部が横方向に並んで揺動自在に連結された部材である。上部リング部材251および下部リング部材252にはそれぞれ、上部リング部材251および下部リング部材252の各円環部が横一列に並ぶように付勢力を与える上部付勢バネ253および下部付勢バネ254が取り付けられている。上下引出装置255は、上部リング部材251が上方に移動して化粧板11の上部背面側に隠れる上格納位置(図5(b)を参照)と、上部リング部材251が下方に移動して図柄表示装置18の前方に現れる下引出位置とに、上部リング部材251を上下移動可能に構成される。また、上下引出装置255は、下部リング部材252が下方に移動して化粧板11の下部背面側に隠れる下格納位置(図5(b)を参照)と、下部リング部材252が上方に移動して図柄表示装置18の前方に現れる上引出位置とに、下部リング部材252を上下移動可能に構成される。
上下引出装置255は、上部リング部材251の中央の円環部を保持する上保持部256と、下部リング部材252の中央の円環部を保持する下保持部257と、上部リング部材251の左右端の円環部を上下移動させるとともに、下部リング部材252の左右端の円環部を上部リング部材251と反対方向に上下移動させる駆動部258とを有して構成される。上保持部256は、図柄表示装置18の上方に設けられ、上部リング部材251の中央の円環部を上下方向にスライド移動自在に保持する。上保持部256には、上部リング部材251の中央の円環部が上方にスライド移動するように付勢力を与える上方バネ(図示せず)が取り付けられている。下保持部257は、図柄表示装置18の下方に設けられ、下部リング部材252の中央の円環部を上下方向にスライド移動自在に保持する。下保持部257には、下部リング部材252の中央の円環部が上方にスライド移動するように付勢力を与える下方バネ(図示せず)が取り付けられている。
駆動部258は、詳細な図示を省略するが、化粧板11の左右背面側に上下に延びるように配置され、上部リング部材251および下部リング部材252の左右端の円環部をそれぞれ上下移動させるための上下駆動モーターと、上下駆動モーターの回転駆動力を上部リング部材251および下部リング部材252の左右端の円環部に伝えるラック&ピニオン機構とを有している。また、駆動部258は、上部リング部材251が下引出位置に移動したときに、上部リング部材251の左右端の円環部を、上保持部256の下端位置に保持された上部リング部材251の中央の円環部よりもさらに下方に移動させるようになっている。また、駆動部258は、下部リング部材252が上引出位置に移動したときに、下部リング部材252の左右端の円環部を、下保持部257の上端位置に保持された下部リング部材252の中央の円環部よりもさらに上方に移動させるようになっている。
通常の状態では、上下引出装置255により、上部リング部材251が上格納位置に移動して化粧板11の上部背面側に隠れるとともに、下部リング部材252が下格納位置に移動して化粧板11の下部背面側に隠れるようになっている。そして、所定の遊技状態となったときに、上下引出装置255により、上部リング部材251が下引出位置に移動して図柄表示装置18の上部前方に現れるとともに、下部リング部材252が上引出位置に移動して図柄表示装置18の下部前方に現れるようになっている。このとき、駆動部258により、上部リング部材251の左右端の円環部が中央の円環部よりも下方に移動するため、上部リング部材251を上方に湾曲させた状態で下引出位置に移動させることができる。またこのとき、駆動部258により、下部リング部材252の左右端の円環部が中央の円環部よりも上方に移動するため、下部リング部材252を下方に湾曲させた状態で上引出位置に移動させることができる。
これにより、上部リング部材251と下部リング部材252とを環状に繋がるようにして図柄表示装置18の前方に出現させることができる。なおこのとき、上部リング部材251および下部リング部材252の各円環部の内部空間の位置に合わせて、図柄表示装置18に円環状に並ぶ複数のキャラクタを表示させる制御を行うことも可能である。
次に、本実施形態の電飾装置50について、図7〜図21を参照しながら説明する。なお、本実施形態において、図9の各矢印で示す方向をそれぞれ、上下方向、前後方向、左右方向として説明する。図7〜図9に示すように、電飾装置50は、遊技盤10の化粧板11の背面側に取り付け固定されたベース部60と、ベース部60に揺動可能に支持された可動部80とを主体に構成される。
ベース部60は、支持部材61と、連結ピン62と、駆動モーター63と、揺動機構70とを有して構成される。支持部材61は、樹脂材料を用いて板状に形成され、図柄表示装置18の下側における化粧板11の背面側に取り付けられる。ベース部60の上部に連結ピン62が取り付けられ、この連結ピン62を介して、可動部80が支持部材61の上部に揺動自在に支持される。駆動モーター63は、支持部材61の下部背面側に取り付けられ、揺動機構70を介して、可動部80が上下方向に延びるように起立して図柄表示装置18の前方に現れる起立位置(図5、図7および図8を参照)と、可動部80が左右方向に延びるように倒伏して化粧板11および支持部材61の背面側に隠れる倒伏位置(図9を参照)とに、可動部80を揺動させる。
また、支持部材61の下部背面側には、図8に示すように、モーター制御基板64と、起立検出センサ65と、倒伏検出センサ66とが取り付けられている。モーター制御基板64は、駆動モーター63および副制御装置43と電気的に接続され、副制御装置43から入力されたモーター制御信号に応じて、駆動モーター63の作動を制御する。起立検出センサ65は、可動部80が起立位置に揺動したことを検出して検出信号をモーター制御基板64に出力する。倒伏検出センサ66は、可動部80が倒伏位置に揺動したことを検出して検出信号をモーター制御基板64に出力する。
揺動機構70は、図8に示すように、第1歯車71と、第2歯車72と、揺動アーム74と、コイルバネ79とを有して構成される。第1歯車71は、駆動モーター63の回転軸と結合され、第2歯車72と噛合されている。第2歯車72は支持部材61の上部背面側に回転自在に取り付けられており、第2歯車72の側部に係合ピン73が取り付けられている。揺動アーム74は樹脂材料を用いて棒状に形成され、第1揺動ピン77を介して、揺動アーム74の基端側が支持部材61の下部背面側に上下方向に揺動自在に取り付けられる。揺動アーム74の中間部に係合穴75が長穴状に形成されており、第2歯車72に取り付けられた係合ピン73がこの係合穴75に対してスライド移動自在に係合する。これにより、係合ピン73を介して第2歯車72と揺動アーム74とが連結され、第2歯車72の回転に応じて、揺動アーム74が上下方向に揺動するようになっている。揺動アーム74の先端側に長穴76が形成されており、可動部80に取り付けられた第2揺動ピン78がこの長穴76に対してスライド移動自在に係合する。これにより、第2揺動ピン78を介して揺動アーム74と可動部80とが連結され、揺動アーム74の揺動に応じて、可動部80が上下方向に揺動するようになっている。すなわち、駆動モーター63により第1歯車71および第2歯車72を回転させると、第1歯車71および第2歯車72の回転に応じて、揺動アーム74とともに可動部80が上下方向に揺動するようになっている。コイルバネ79は、第1揺動ピン77を利用して揺動アーム74と支持部材61とに跨って取り付けられ、揺動アーム74に対して可動部80を起立位置に揺動させる方向に付勢力を与える。
可動部80は、図10〜図11に示すランプ基板81と、図10〜図15に示す後側透光部材91と、図16〜図18に示す前側透光部材111と、図19〜図20に示す装飾部材121とを有して構成される。ランプ基板81の前面側には、図10に示すように、7つの前側LED(Light Emitting Diode)82a〜82gが配設される。ランプ基板81の背面側には、図11に示すように、8つの後側LED83a〜83hが配設される。ランプ基板81は、副制御装置43と電気的に接続され、副制御装置43から入力された発光制御信号に応じて、前側LED82a〜82gおよび後側LED83a〜83hの発光制御を行う。また、ランプ基板81には、図10に示すように、後側透光部材91の係合ピン98が係合可能な係合穴84が形成される。
図10に示すように、7つの前側LED82a〜82gはそれぞれ、光軸Ax1〜Ax7が右方向に延びた状態で上下方向にほぼ並列に並んで配置される。7つの前側LED82a〜82gにおいて、上から順に、第1の前側LED82a、第2の前側LED82b、第3の前側LED82c、第4の前側LED82d、第5の前側LED82e、第6の前側LED82f、および第7の前側LED82gとする。第1〜第7の前側LED82a〜82gはそれぞれ、ランプ基板81の前面に沿って右方向に進む光を発光させる。
図11に示すように、8つの後側LED83a〜83hのうち4つの後側LED83a〜83dはそれぞれ、光軸Bx1〜Bx4が上方向に延びた状態で左右方向に並んで配置される。左右方向に並ぶ4つの後側LED83a〜83dにおいて、左から(図11における右から)順に、第1の後側LED83a、第2の後側LED83b、第3の後側LED83c、および第4の後側LED83dとする。第1〜第4の後側LED83a〜83dはそれぞれ、ランプ基板81の背面に沿って上方向に進む光を発光させる。8つの後側LED83a〜83hのうち4つの後側LED83e〜83hはそれぞれ、光軸Bx5〜Bx8が右方向(図11における左方向)に延びた状態で上下方向に並んで配置される。上下方向に並ぶ4つの後側LED83e〜83hにおいて、上から順に、第5の後側LED83e、第6の後側LED83f、第7後側LED83g、および第8の後側LED83hとする。第5〜第8の後側LED83e〜83hはそれぞれ、ランプ基板81の背面に沿って右方向に進む光を発光させる。
後側透光部材91は、図12〜図14に示すように、透明樹脂材料を用いて前方に開口を有する箱状に形成され、ランプ基板81の背面側に重なるように設けられた板状の底板部92(図11も参照)と、底板部92の縁部から前方に延びてランプ基板81および前側透光部材111の縁部を囲む側壁部103(図10も参照)とを有している。底板部92には、第1〜第8の後側LED83a〜83hをそれぞれ受容する第1〜第8の後側受容部93a〜93hが形成されている。
第1の後側受容部93aは、図12〜図14に示すように、底板部92の上部において第1の後側LED83aを受容可能な貫通穴状に形成される。底板部92における第1の後側受容部93aの上方には、第1の後側LED83aで発光した光を透過させる第1の後側透光部94aが形成される。第1の後側透光部94aは、第1の後側受容部93aから上方に延びて底板部92の縁部まで達するようになっている。第1の後側透光部94aにおける第1の後側受容部93aに隣接する端面は、第1の後側受容部93aに向けて凹側に湾曲する曲面状に形成されており、第1の後側LED83aで発光した光を発散させるようになっている。第1の後側透光部94aにおける底板部92の縁部近傍には、第1の後側反射部95aが形成される。第1の後側反射部95aは、底板部92の背面側に形成された、第1の後側LED83aの光軸Bx1に沿って並ぶ複数の後側溝部96aを有して構成される。第1の後側反射部95aの複数の後側溝部96aは、第1の後側受容部93aから離れるほど曲率半径が大きくなる円弧状に延びて形成されている。第1の後側反射部95aは、ランプ基板81と側壁部103との間隙部K(図10を参照)と重なる部分に配置され、第1の後側LED83aで発光したランプ基板81の背面に沿って進む(すなわち、第1の後側透光部94aの中を進む)光の一部を間隙部Kに向けて反射させる。
第2〜第4の後側受容部93b〜93dは、第1の後側受容部93aと同様に、底板部92の上部において第2〜第4の後側LED83b〜83dを受容可能な貫通穴状に形成される。底板部92における第2〜第4の後側受容部93b〜93dの上方には、第1の後側透光部94aと同様にして、第2〜第4の後側LED83b〜83dで発光した光を透過させる第2〜第4の後側透光部94b〜94dが形成される。第2〜第4の後側透光部94b〜94dにおける底板部92の縁部近傍には、第2〜第4の後側反射部95b〜95dが形成される。第2〜第4の後側反射部95b〜95dは、底板部92の背面側に形成された、第2〜第4の後側LED83b〜83dの光軸Bx2〜Bx4に沿って並ぶ複数の後側溝部96b〜96dを有して構成される。第2〜第4の後側反射部95b〜95dの複数の後側溝部96b〜96dは、第2〜第4の後側受容部93b〜93dから離れるほど曲率半径が大きくなる円弧状に延びて形成されている。第2〜第4の後側反射部95b〜95dは、ランプ基板81と側壁部103との間隙部K(図10を参照)と重なる部分に配置され、第2〜第4の後側LED83b〜83dで発光したランプ基板81の背面に沿って進む(すなわち、第2〜第4の後側透光部94b〜94dの中を進む)光の一部を間隙部Kに向けて反射させる。
第5〜第8の後側受容部93e〜93hは、図12〜図14に示すように、底板部92の右側において第5〜第8の後側LED83e〜83hを受容可能な貫通穴状に形成される。底板部92における第5〜第8の後側受容部93e〜93hの右方には、第1の後側透光部94aと同様にして、第5〜第8の後側LED83e〜83hで発光した光を透過させる第5〜第8の後側透光部94e〜94hが形成される。第5〜第8の後側透光部94e〜94hにおける底板部92の縁部近傍には、第5〜第8の後側反射部95e〜95hが形成される。第5〜第8の後側反射部95e〜95hは、底板部92の背面側に形成された、第5〜第8の後側LED83e〜83hの光軸Bx5〜Bx8に沿って並ぶ複数の後側溝部96e〜96hを有して構成される。第5〜第8の後側反射部95e〜95hの複数の後側溝部96e〜96hは、第5〜第8の後側受容部93e〜93hから離れるほど曲率半径が大きくなる円弧状に延びて形成されている。第5〜第8の後側反射部95e〜95hは、ランプ基板81と側壁部103との間隙部K(図10を参照)と重なる部分に配置され、第5〜第8の後側LED83e〜83hで発光したランプ基板81の背面に沿って進む(すなわち、第5〜第8の後側透光部94e〜94hの中を進む)光の一部を間隙部Kに向けて反射させる。
なお、第1〜第8の後側反射部95a〜95hにおける後側溝部96a〜96hの断面形状は、例えばV字形に形成される。また、各後側溝部96a〜96hの断面形状は、V字形に限られるものではなく、第1〜第8の後側透光部94a〜94hの中を進む光の一部を間隙部Kに向けて反射させることが可能な断面形状であればよい。
図15に示すように、側壁部103に繋がる底板部92の縁部には、第1〜第8の後側透光部94a〜94hを透過する光を側壁部103に向けて反射させる反射面部97が形成されている。反射面部97は、底板部92の背面および側壁部103の外側面に対してそれぞれ45度だけ傾斜するように形成されており、所定の全反射角よりも大きな入射角で入射した光を反射させるようになっている。
また、底板部92の前面側には、ランプ基板81の係合穴84と前側透光部材111の係合穴118とに係合可能な係合ピン98が形成される。底板部92の中央部には、ランプ基板81の背面側に配設された抵抗器(図示せず)を受容可能な長穴状の逃げ穴部99が形成される。底板部92の縁部近傍には、装飾部材121を後側透光部材91に取り付けるための装飾部材取付穴100が形成される。底板部92の左下部には、ベース部60と可動部80(後側透光部材91)とを連結する連結ピン62が取り付けられる連結ピン取付穴101が形成される。底板部92の中央下部には、揺動機構70の第2揺動ピン78が取り付けられる揺動ピン取付穴102が形成される。
側壁部103は、ランプ基板81と前側透光部材111とを重ねた分だけ高くなるように形成され、ランプ基板81および前側透光部材111の縁部を囲むようになっている。これにより、ランプ基板81および前側透光部材111は、後側透光部材91の内部空間に収容される(図21を参照)。
前側透光部材111は、図16〜図18に示すように、透明樹脂材料を用いて板状に形成され、ランプ基板81の前面側に重なるように設けられる。前側透光部材111の背面側には、第1〜第7の前側LED82a〜82gをそれぞれ受容する第1〜第7の前側受容部113a〜113gが形成されている。
第1の前側受容部113aは、図17〜図18に示すように、前側透光部材111の略中央部において第1の前側LED82aを受容可能な穴状に形成される。前側透光部材111における第1の前側受容部113aの右方には、第1の前側LED82aで発光した光を透過させる第1の前側透光部114aが形成される。第1の前側透光部114aは、第1の前側受容部113aから右方に延びて前側透光部材111の縁部近傍まで達するようになっている。第1の前側透光部114aにおける第1の前側受容部113aに隣接する端面は、第1の前側受容部113aに向けて凹側に湾曲する曲面状に形成されており、第1の前側LED82aで発光した光を発散させるようになっている。第1の前側透光部114aには、第1の前側反射部115aが第1の前側透光部114aの全体に亘って形成される。第1の前側反射部115aは、前側透光部材111の背面側に形成された、第1の前側LED82aの光軸Ax1に沿って並ぶ複数の前側溝部116aを有して構成される。第1の前側反射部115aの複数の前側溝部116aは、第1の前側受容部113aから離れるほど曲率半径が大きくなる円弧状に延びて形成されている。第1の前側受容部113aおよび第1の前側透光部114aは、装飾部材121の装飾部122(図19を参照)と重なる部分に配置され、第1の前側反射部115aは、第1の前側LED82aで発光したランプ基板81の前面に沿って進む(すなわち、第1の前側透光部114aの中を進む)光の一部を装飾部材121に向けて反射させる。
第2〜第7の前側受容部113b〜113gは、第1の前側受容部113aと同様に、前側透光部材111の略中央部において第2〜第7の前側LED82b〜82gを受容可能な穴状に形成される。前側透光部材111における第1の前側受容部113aの右方には、第1の後側透光部94aと同様にして、第2〜第7の前側LED82b〜82gで発光した光を透過させる第2〜第7の前側透光部114b〜114gが形成される。第2〜第7の前側透光部114b〜114gには、第2〜第7の前側反射部115b〜115gが第2〜第7の前側透光部114b〜114gの全体に亘って形成される。第2〜第7の前側反射部115b〜115gは、前側透光部材111の背面側に形成された、第2〜第7の前側LED82b〜82gの光軸Ax2〜Ax7に沿って並ぶ複数の前側溝部116b〜116gを有して構成される。第2〜第7の前側反射部115b〜115gの複数の前側溝部116b〜116gは、第2〜第7の前側受容部113b〜113gから離れるほど曲率半径が大きくなる円弧状に延びて形成されている。第2〜第7の前側受容部113b〜113gおよび第2〜第7の前側透光部114b〜114gは、装飾部材121の装飾部122(図19を参照)と重なる部分に配置され、第2〜第7の前側反射部115b〜115gは、第2〜第7の前側LED82b〜82gで発光したランプ基板81の前面に沿って進む(すなわち、第2〜第7の前側透光部114b〜114gの中を進む)光の一部を装飾部材121の装飾部122に向けて反射させる。
なお、第1〜第7の前側受容部113a〜113gにおける前側溝部116a〜116gの断面形状は、例えばV字形に形成される。また、各前側溝部116a〜116gの断面形状は、V字形に限られるものではなく、第1〜第7の前側透光部114a〜114gの中を進む光の一部を装飾部材121に向けて反射させることが可能な断面形状であればよい。また、第1〜第7の前側受容部113a〜113gの底部に複数の溝が直線状に延びて形成され、第1〜第7の前側LED82a〜82gが前方から視認され難くなっている。
ランプ基板81と側壁部103との間隙部K(図10を参照)と重なる前側透光部材111の上縁部には、図16に示すように、間隙側透光部117が前面側に突出して形成される。間隙側透光部117は、後側透光部材91の第1〜第8の後側反射部95a〜95hで反射して間隙部Kを通過した光を、装飾部材121の周辺溝部123(図20を参照)に向けて透過させる。
また、前側透光部材111には、後側透光部材91の係合ピン98が係合可能な係合穴118が形成される。前側透光部材111の上部背面側には、図17に示すように、ランプ基板81の前面側に配設された抵抗器(図示せず)を受容可能な角穴状の逃げ部119が形成される。
装飾部材121は、透光性を有する樹脂材料を用いて板状に形成され、前側透光部材111の前面側および前側透光部材111を囲む(後側透光部材91の)側壁部103の前側端部に重なるように設けられる。装飾部材121の中央部には、図19に示すように、印刷等により所定の装飾が施された装飾部122が設けられる。装飾部材121の背面側における装飾部122の周辺部には、図20に示すように、放射状に延びる複数の周辺溝部123が形成される。
また、装飾部材121の背面側における縁部近傍には、図20に示すように、装飾部材121を後側透光部材91に取り付けるための取付ボス124が背面側に突出して形成される。取付ボス124は、後側透光部材91の装飾部材取付穴100と嵌合可能な円柱状に形成されており、取付ボス124を装飾部材取付穴100に嵌合させた状態で、ネジ等の固定部材により後側透光部材91の背面側から取付ボス124を固定することで、装飾部材121が後側透光部材91の開口を覆う状態で後側透光部材91に取り付けられる。なお、ランプ基板81および前側透光部材111は、後側透光部材91と装飾部材121とに囲まれた内部空間に収容される(図21を参照)。
以上のように構成される電飾装置50において、通常は、可動部80を倒伏位置に揺動させる制御信号が副制御装置43から出力される。このとき、モーター制御基板64は、副制御装置43から入力されたモーター制御信号に応じて、可動部80を倒伏位置に揺動させるように駆動モーター63の作動を制御する。駆動モーター63は、揺動機構70を介して、可動部80を倒伏位置に向けて下方に揺動させる。そして、可動部80が倒伏位置に揺動すると、倒伏検出センサ66からモーター制御基板64に検出信号が出力され、モーター制御基板64が駆動モーター63の作動を停止する制御を行う。
一方、所定の状態(例えば、いわゆる擬似連と称される演出が実行された状態)においては、可動部80を起立位置に揺動させる制御信号が副制御装置43から出力される。このとき、モーター制御基板64は、副制御装置43から入力されたモーター制御信号に応じて、可動部80を起立位置に揺動させるように駆動モーター63の作動を制御する。駆動モーター63は、揺動機構70を介して、可動部80を起立位置に向けて上方に揺動させる。そして、可動部80が起立位置に揺動すると、起立検出センサ65からモーター制御基板64に検出信号が出力され、モーター制御基板64が駆動モーター63の作動を停止する制御を行う。
これにより、例えば図5の二点鎖線で示すように、可動部80が図柄表示装置18の前方に現れ、副制御装置43から可動部80の装飾部材121を発光させる制御信号が出力されて、所定の演出が実行されるようになっている。またこのとき、副制御装置43は、可動部80(装飾部材121)の発光制御と組み合わせて、例えば図5の二点鎖線で示すように、図柄表示装置18に漫画の吹き出しを模したキャラクタCを表示させる制御を行うことも可能である。
ランプ基板81は、副制御装置43から入力された発光制御信号に応じて、前側LED82a〜82gおよび後側LED83a〜83hの発光制御を行う。第1〜第7の前側LED82a〜82gで発光した光は、ランプ基板81の前面に沿って右方に進み、第1〜第7の前側透光部114a〜114gを透過する。第1〜第7の前側透光部114a〜114gを透過する光の一部は、第1〜第7の前側反射部115a〜115g(前側溝部116a〜116g)で前方に反射し、装飾部材121の装飾部122に照射される。これにより、第1〜第7の前側LED82a〜82gで発光した光が、ランプ基板81の前面に沿って前側透光部材111の中央部全体に広がり、当該全体に広がる光の一部が第1〜第7の前側反射部115a〜115g(前側溝部116a〜116g)で前方に反射するため、薄板状に形成された装飾部材121の装飾部122が均一に照明されて発光する。
なお、装飾部材121の背面中央部には、装飾部材121の背面における他の領域よりも平滑な平滑領域125が、斜め方向に直線状に延びて形成されている。平滑領域125は、例えば、装飾部材121の成型に用いる金型の面の一部を平滑にすることで形成可能である。平滑領域125においては、他の領域よりも反射率が高くなるため、前側透光部材111からの光が装飾部材121の前面側に到達しにくくなる。このような平滑領域125を設けることによって、装飾部122における発光ムラが抑えられ、装飾部122が均一に照明されて発光する。また、この平滑領域125は、第1〜第7の前側LED82a〜82g(前側透光部材111における第1〜第7の前側受容部113a〜113g)と位置整合するように配置されてもよい。これにより、第1〜第7の前側LED82a〜82gから前方に射出された一部の光が平滑領域125において高い反射率で反射されるため、装飾部122における発光ムラを効果的に抑えることができる。
第1〜第8の後側LED83a〜83hで発光した光は、ランプ基板81の背面に沿って上方または右方に進み、第1〜第8の後側透光部94a〜94hを透過する。第1〜第8の後側透光部94a〜94hを透過する光の一部は、第1〜第8の後側反射部95a〜95h(後側溝部96a〜96h)で前方に反射する。第1〜第8の後側反射部95a〜95h(後側溝部96a〜96h)で反射した光は、ランプ基板81と側壁部103との間隙部Kを通過して前側透光部材111の間隙側透光部117を透過し、装飾部材121の周辺溝部123(上側部分および右側部分)に照射される。周辺溝部123に照射された光は周辺溝部123で拡散されるため、装飾部材121の装飾部122の上側および右側の周辺部(周辺溝部123)が均一に照明されて発光する。
また、第1〜第8の後側透光部94a〜94hを透過する光の一部は、反射面部97で反射して側壁部103を透過し、装飾部材121の上側および右側の縁部に照射される。これにより、第1〜第8の後側LED83a〜83hで発光した光が、後側透光部材91の底板部92(第1〜第8の後側透光部94a〜94h)および側壁部103を介して、装飾部材121の縁部に導かれ、装飾部材121の上側および右側の縁部が明瞭に発光する。このように、前側LED82a〜82gおよび後側LED83a〜83hを発光させることにより、薄板状の装飾部材121を均一にかつ明瞭に発光させることができる。
以上説明したように、本実施形態によれば、ランプ基板81の前面側に重なるように設けられた前側透光部材111は、第1〜第7の前側LED82a〜82gで発光したランプ基板81の前面に沿って進む光を装飾部材121に向けて反射させる第1〜第7の前側反射部115a〜115gを有している。これにより、第1〜第7の前側LED82a〜82gで発光した光をランプ基板81の前面に沿って前側透光部材111の全体に行き渡らせつつ、前側透光部材111を通る光の一部を装飾部材121に向けて反射させることで、薄板状の装飾部材121を均一に発光させることが可能となる。本実施形態のように、電飾装置50が遊技盤10における化粧板11と図柄表示装置18との間に設けられる場合には、遊技盤10における電飾装置50の設置スペースの制約が大きいため、特に効果的である。
また、第1〜第7の前側反射部115a〜115gは、第1〜第7の前側透光部114a〜114gの背面側に形成された、第1〜第7の前側LED82a〜82gで発光した光の進む方向に沿って並ぶ複数の前側溝部116a〜116gを有し、この複数の前側溝部116a〜116gは、第1〜第7の前側受容部113a〜113gから離れるほど曲率半径が大きくなる円弧状に延びて形成されている。これにより、全反射角よりも大きな入射角で各前側溝部116a〜116gの傾斜面に入射した一部の光が装飾部材121に向けて反射する。このとき、各前側溝部116a〜116gの曲率半径が第1〜第7の前側受容部113a〜113gから離れるほど大きいため、各前側溝部116a〜116gが第1〜第7の前側透光部114a〜114gを透過する光に対して負レンズ(負メニスカスレンズ)として作用する。そのため、各前側溝部116a〜116gの傾斜面で反射した光が発散して装飾部材121に到達することから、薄板状の装飾部材121をより均一に発光させることができる。
また、後側透光部材91の底板部92は、第1〜第8の後側LED83a〜83hで発光した光を透過させる第1〜第8の後側透光部94a〜94hを有し、側壁部103に繋がる底板部92の縁部に、第1〜第8の後側透光部94a〜94hを透過する光を側壁部103に向けて反射させる反射面部97が設けられている。これにより、第1〜第8の後側LED83a〜83hで発光した光を、後側透光部材91の底板部92および側壁部103を介して、装飾部材121の縁部に導くことが可能となり、装飾部材121の縁部を明瞭に発光させることができる。
また、第1〜第8の後側透光部94a〜94hは、第1〜第8の後側LED83a〜83hで発光したランプ基板81の背面に沿って進む光を、ランプ基板81と側壁部103との間隙部Kに向けて反射させる第1〜第8の後側反射部95a〜95hを有している。これにより、第1〜第8の後側LED83a〜83hで発光した光を、ランプ基板81と側壁部103との間隙部Kを利用して、装飾部材121の縁部近傍に導くことが可能となり、薄板状の装飾部材121をより均一に発光させることができる。
また、第1〜第8の後側透光部94a〜94hは、底板部92における間隙部Kと重なる部分の背面側に形成された、第1〜第8の後側LED83a〜83hで発光した光の進む方向に沿って並ぶ複数の後側溝部96a〜96hを有し、この複数の後側溝部96a〜96hは、第1〜第8の後側受容部93a〜93hから離れるほど曲率半径が大きくなる円弧状に延びて形成されている。これにより、全反射角よりも大きな入射角で各後側溝部96a〜96hの傾斜面に入射した一部の光が装飾部材121(間隙部K)に向けて反射する。このとき、各後側溝部96a〜96hの曲率半径が第1〜第8の後側受容部93a〜93hから離れるほど大きいため、各後側溝部96a〜96hが第1〜第8の後側透光部94a〜94hを透過する光に対して負レンズ(負メニスカスレンズ)として作用する。そのため、各後側溝部96a〜96hの傾斜面で反射した光が発散して装飾部材121に到達することから、薄板状の装飾部材121をより均一に発光させることができる。
また、前側透光部材111における間隙部Kと重なる部分に、第1〜第8の後側反射部95a〜95hで反射した光を透過させる間隙側透光部117が設けられている。これにより、第1〜第8の後側LED83a〜83hで発光した光を、ランプ基板81と側壁部103との間隙部Kを利用して、装飾部材121の縁部近傍に導くことが可能となり、薄板状の装飾部材121をより均一に発光させることができる。
また、装飾部材121は、背面側に第1〜第7の前側受容部113a〜113gおよび第1〜第7の前側透光部114a〜114gが設けられる装飾部122と、装飾部122の周辺部に間隙側透光部117と重なるように形成された複数の周辺溝部123とを有している。これにより、ランプ基板81と側壁部103との間隙部Kを通過した光の強度にムラが生じたとしても、周辺溝部123で拡散されて均一な照明を行うことが可能となり、薄板状の装飾部材121をより均一に発光させることができる。
上述の実施形態において、装飾部材121と前側透光部材111との間に、樹脂製の拡散シートを挟み込むようにしてもよい。これにより、拡散シートが絶縁性を有するため、装飾部材121をより均一に発光させることができるだけでなく、ノイズ対策にも有効である。
上述の実施形態において、電飾装置50が遊技盤10に設けられているが、これに限られるものではなく、前枠2に設けられてもよい。
上述の実施形態において、電飾装置50は、ベース部60と、ベース部60に揺動可能に支持された可動部80とを主体に構成されているが、これに限られるものではない。例えば、可動部80に相当する部材を単体で電飾装置として使用し、遊技盤10のセンター飾りや前枠2等に固設するようにしてもよい。また、第1の可動式演出装置200の電飾部材201を、可動部80に相当する部材で構成することも可能である。
上述の実施形態において、本発明が適用される遊技機の一例として、パチンコ機を例示して説明したが、これに限定されるものではなく、例えば、アレンジボール、雀球遊技機、スロットマシンなどについても同様に適用し、同様の効果を得ることができる。