以下、本発明の好ましい実施形態について図面を参照して説明する。本発明に係る遊技機の代表例として、ぱちんこ遊技機PMの正面図および背面図を図1および図2に示している。まず、これらの図を参照してぱちんこ遊技機PMの全体構成について説明する。
[ぱちんこ遊技機の全体構成]
ぱちんこ遊技機PMは、図1に示すように、外郭方形枠サイズに構成された縦向きの固定保持枠をなす外枠1の開口前面に、これに合わせた方形枠サイズに構成されて開閉搭載枠をなす前枠2が互いの正面左側縁部に配設された上下のヒンジ機構3a,3bにより横開き開閉および着脱が可能に取り付けられ、正面右側縁部に設けられたダブル錠と称される施錠装置4を利用して常には外枠1と係合連結された閉鎖状態に保持される。
前枠2の前面側には、前枠2の上部前面域に合わせた方形状のガラス扉5および球皿ユニット6が正面左側部に設けられたヒンジ機構7a,7b,7cを利用して横開き開閉および着脱可能に組み付けられ、施錠装置4を利用して常には前枠2の前面を覆う閉鎖状態に保持される。ガラス扉5の背後に位置する前枠2の上部には、遊技盤100を着脱可能に収容する方形枠状の収容枠2a(図3を参照)が設けられる。この収容枠2aに所定のゲージ設定で構成された遊技盤100が着脱可能にセット保持され、常には閉鎖保持されるガラス扉5を通して遊技盤100の正面の遊技領域PAを臨ませるようになっている。
ガラス扉5の前面上部には、発光ダイオード(LED)やランプ等の電飾装置8や、遊技の展開状態に応じて効果音を発生させるスピーカ9等が設けられている。球皿ユニット6は、遊技球を貯留可能な上下の球皿(上球皿6aおよび下球皿6b)を有して構成され、球皿ユニット6の前面右側には、遊技球の発射操作を行う発射ハンドル10が設けられている。
図3に示すように、前枠2の前面下部には、球皿ユニット6の背後に位置して遊技盤10と上下に整合し得る遊技補助盤20が形成される。遊技補助盤20の各部には、上球皿6aに貯留された遊技球を遊技盤100へ向けて連続的に打ち出すことが可能な発射機構21、上球皿6aに繋がる賞球連絡通路22、下球皿6bに繋がる溢れ球通路23、遊技領域PAに到達できずに戻ってくる遊技球(すなわちファール球)を回収する遊技球回収機構24等が設けられている。
前枠2の背面側には、図2に示すように、外枠1の内寸サイズよりも幾分小さめの矩形枠状に形成された裏セット盤30が着脱可能に取り付けられている。裏セット盤30は、遊技盤100の背後に位置する上部領域に、前後連通して開口する大型の窓口開口30aを有する枠状に形成される。裏セット盤30の各部には、多数個の遊技球を貯留する球貯留タンク31、球貯留タンク31の左側に繋がって延びるタンクレール32、タンクレール32により導かれた遊技球を払い出す賞球払出ユニット33、賞球払出ユニット33から払い出された遊技球を上球皿6aに導くための賞球通路部材34等が設けられている。
遊技盤100の背面側には、ぱちんこ遊技機PMの作動を統括的に制御する主制御基板等からなる主制御装置1000や、遊技展開に応じた画像表示、効果照明、効果音等の演出全般の制御を行う演出制御基板等からなる副制御装置2000が取り付けられている。裏セット盤30の背面側には、遊技球の発射および払い出しに関する制御を行う払出制御基板等からなる払出制御装置3000や、遊技施設側から受電して各種制御装置や電気・電子部品に電力を供給する電源供給ユニット3500が取り付けられている。これらの制御装置とぱちんこ遊技機PM各部の電気・電子部品とがワイヤーハーネスで接続されて、ぱちんこ遊技機PMが作動可能に構成されている。
ぱちんこ遊技機PMは、外枠1が遊技施設の遊技島(設置枠台)に固定設置され、前枠2、ガラス扉5、球皿ユニット6等が閉鎖施錠された状態で遊技に供され、球皿ユニット6の上球皿6aに遊技球を貯留させて発射ハンドル10を回動操作することにより遊技が開始される。発射ハンドル10が回動操作されると、上球皿6aに貯留された遊技球が、球皿ユニット6の背面側に配設される球送り機構によって1球ずつ連続的に発射機構21に送り出され、発射機構21のハンマー21aにより遊技領域PAに打ち出されてパチンコゲームが展開される。
[遊技盤の構成]
次に、本実施形態に係る遊技盤100の構成について図4〜図17を参照して説明する。遊技盤100は、図4に示すように、平板状のベース部材101と、ベース部材101の前面側に取り付けられた左右の内レール部材106,107および外レール部材108とを有し、ベース部材101における左右の内レール部材106,107と外レール部材108とに囲まれた部分に遊技領域PAが形成される。この遊技領域PAには、多数の遊技釘(図示せず)とともに、遊技領域PAの中央部近傍に配設されたセンター飾りユニット200と、遊技領域PAの下部左側に配設された複数の一般入賞装置110,110,…と、遊技領域PAの下部中央に配設された第1始動入賞装置120と、センター飾りユニット200の右方に配設された第2始動入賞装置130と、遊技領域PAの下部右側に配設された大入賞装置140と、第2始動入賞装置130の上方に配設された補助遊技始動ゲート150と、遊技領域PAの下端部中央に配設されたアウト口109とが設けられている。
ベース部材101は、透明の樹脂材料やベニヤ板を用いて平板状に形成される。ベース部材101の略中央部にはセンター飾り取付穴102が形成され、このセンター飾り取付穴102にセンター飾りユニット200が取り付けられる。ベース部材101の下端部中央には、ベース部材101を前後に貫通したアウト口109が形成されている。
一般入賞装置110は、上方に開口して遊技球が流入可能な一般入賞口111を有し、一般入賞口111から流入した遊技球をベース部材101の後面側に排出させるように構成される。一般入賞装置110には、一般入賞口111から流入した遊技球を検出する一般入賞センサが設けられており、この一般入賞センサの検出信号は主制御装置1000に送信される。第1始動入賞装置120は、上方に開口して遊技球が流入可能な第1始動入
賞口112を有し、第1始動入賞口121から流入した遊技球をベース部材101の後面側に排出させるように構成される。第1始動入賞装置120には、第1始動入賞口121から流入した遊技球を検出する第1始動入賞センサが設けられており、この第1始動入賞センサの検出信号は主制御装置1000に送信される。補助遊技始動ゲート150は、上方に開口した開口部から流入した遊技球を補助遊技始動ゲート150の下方へ通過させるように構成される。補助遊技始動ゲート150には、補助遊技始動ゲート150を通過した遊技球を検出するゲートセンサが設けられており、このゲートセンサの検出信号は主制御装置1000に送信される。
第2始動入賞装置130は、右方に開口して遊技球が流入可能な第2始動入賞口131と、第2始動入賞口131を開閉可能な始動入賞口開閉部材132とを有し、第2始動入賞口131から流入した遊技球をベース部材101の後面側に排出させるように構成される。始動入賞口開閉部材132は、羽根状に形成され、不図示の揺動駆動機構により上方に向いた状態と右方に向いた状態との間で揺動可能に構成される。始動入賞口開閉部材132は、所定の遊技状態のときに、右方に揺動して第2始動入賞口131を開放させ、上方から流下してくる遊技球を受け止めて第2始動入賞口131に導いて入球させる。一方、通常時においては、始動入賞口開閉部材132が上方に揺動して第2始動入賞口131を閉鎖させ、遊技球を第2始動入賞口131に流入させないように構成されている。第2始動入賞装置130には、第2始動入賞口131から流入した遊技球を検出する第2始動入賞センサが設けられており、この第2始動入賞センサの検出信号は主制御装置1000に送信される。
大入賞装置140は、上方に開口して遊技球が流入可能な大入賞口141と、大入賞口141を開閉可能な大入賞口開閉部材142とを有し、大入賞口141から流入した遊技球をベース部材101の後面側に排出させるように構成される。大入賞口開閉部材142は、左右方向に延びる平板状に形成され、不図示の開閉駆動機構により前後方向(遊技盤100の盤面に直交する方向)にスライド移動可能に構成される。大入賞口開閉部材142は、所定の遊技状態のときに、後方にスライド移動して大入賞口141を開放させ、上方から流下してくる遊技球を大入賞口141に流入可能な状態にする。一方、通常時においては、大入賞口開閉部材142が前方にスライド移動して大入賞口141を閉鎖させ、遊技球を大入賞口141に流入させないように構成されている。大入賞装置140には、大入賞口141から流入した遊技球を検出する大入賞センサが設けられており、この大入賞センサの検出信号は主制御装置1000に送信される。
センター飾りユニット200は、遊技盤100のセンター飾り取付穴102に対応した枠状のフレーム部材201を有し、フレーム部材201の内側に各種の装置や装飾部材が配設されて構成される。フレーム部材201は透明な樹脂材料を用いて形成されている。センター飾りユニット200(フレーム部材201)の上部には、遊技展開に応じて可動や発光により遊技演出を行う複数の遊技演出装置が配設されている。これらの遊技演出装置については後段にて詳細に説明する。センター飾りユニット200の下部にはステージ部205が設けられており、このステージ部205と遊技領域PAとを繋ぐワープ通路206がセンター飾りユニット200の下部左側に形成されている。ステージ部205は、左右に延びるとともに前方に傾斜するように形成されており、ワープ通路206を通って遊技領域PAからステージ部205に導かれた遊技球がステージ部205上を左右に転動したのち、前方に落下するように構成されている。ステージ部205の中央部には、ステージ部205の中央部から前方に落下した遊技球を第1始動入賞装置120の第1始動入賞口121に導くガイド穴207が形成されている。
センター飾りユニット200におけるステージ部205の上方には、図柄表示装置210および保留ランプ215が設けられている。図柄表示装置210は、7セグメントLE
Dによって構成され、例えば「1」〜「4」、「9」、「0」の6種類の数字および「−」によって特別図柄を変動表示するように構成される。特別図柄は、始動入賞装置120への遊技球の入球を契機に、主制御装置1000において行われる当否抽選の結果に対応した図柄であり、その変動表示が所定の当たり態様にて停止して表示されたときに特別遊技としての大当たりが発生するようになっている。
遊技盤100(ベース部材101)の後面側にはリールユニット300が設けられており、センター飾りユニット200の中央開口部を通してリールユニット300を前方から視認可能に構成されている。リールユニット300は、3個のリール301,302,303と、これらのリール301〜303をそれぞれ回転させる3個のステッピングモータ等からなる回転駆動機構とを有して構成される。リール301〜303はそれぞれ、透光性を有する部材により構成されており、その外周面には、複数種類の図柄が表示された、透光性を有するリールテープが貼り付けられている。リール301〜303の内側にはそれぞれバックランプが配設されている。これらのバックランプを点灯させることにより、センター飾りユニット200の中央開口部を通して視認可能な各リール301〜303の領域を内側から発光表示させたり、各リール301〜303上の停止表示された所定の図柄組合せを目立たせるように各リール301〜303の一部領域のみを発光表示させたりするように構成されている。
上述したように、センター飾りユニット200の上部には、遊技展開に応じて可動や発光により遊技演出を行う複数の遊技演出装置が配設されており、これらの遊技演出装置について以下に説明する。これらの遊技演出装置として、人形のフィギュアを発光させるとともに拳銃形の可動物を作動させる演出可動装置400と、パトランプのような回転発光演出を行う第1電飾装置500と、ハート形や星形の装飾部を発光させる第2電飾装置600とが設けられている。
演出可動装置400は、図5〜図9に示すように、メインベース部材401と、このメインベース部材401に取り付けられる第1発光演出部410、第2発光演出部420および可動演出部430とを有して構成される。第1発光演出部410は、図7および図8に示すように、メインベース部材401の前面右部に取り付けられる取付ベース411と、取付ベース411の前面に固定される第1電飾基板412と、第1電飾基板412を前方から覆うように取付ベース411に取り付けられる第1装飾カバー415とを有して構成される。第1装飾カバー415の前面には人形のフィギュアが形成され、そのフィギュアの頭部は透光可能に構成されている。そのフィギュアの頭部の後方に第1電飾基板412が配置されている。第1電飾基板412の前面には複数のLED413(発光ダイオード)が実装されており、これらのLED413から前方に射出される光により第1装飾カバー415におけるフィギュアの頭部を発光表示させるように構成されている。
第2発光演出部420は、メインベース部材401の前面中央部に固定される第2電飾基板421と、第2電飾基板421の前方に配置されるインナーレンズ424と、インナーレンズ424および第2電飾基板421を前方から覆うようにメインベース部材401に取り付けられる第2装飾カバー425とを有して構成される。第2装飾カバー425の前面には十字架等の図柄が形成され、それらの図柄等は透光可能に構成されている。第2電飾基板421の前面には複数のLED422が実装されている。インナーレンズ424は、透明もしくは半透明な樹脂材料(光透過材料)を用いて略平板状に形成され、その前後面に、透過光を上下左右方向に拡散させるレンズ面および光を通過させる複数の貫通孔が形成されている。第2発光演出部420は、第2電飾基板421の複数のLED422から射出される光がインナーレンズ424を通って拡散もしくはそのまま通過し、それらの光により第2装飾カバー425に形成された十字架等の図柄を発光表示させるように構成されている。
可動演出部430は、前後に延びる回動軸431を中心にメインベース部材401に回動自在に設けられる第1可動部材432と、第1可動部材432を回動させる回動機構435とを有して構成される。第1可動部材432は、拳銃を模した外形形状(略円柱形状もしくは略矩形状)に形成され、基端側に設けられた回動軸431から左斜め上方に延びるように設けられている。第1可動部材432の基端部には、左右に延びる長穴433が前後に貫通して形成されている。
回動機構435は、メインベース部材401に取り付けられる電動モータ436と、電動モータ436の駆動軸に固定される第1ギア437と、メインベース部材401に回転自在に設けられて第1ギア437と噛合する第2ギア438と、メインベース部材401に取り付けられるセンサ基板439とを有して構成される。第2ギア438には前方に延びる係合軸438aが設けられ、この係合軸438aが第1可動部材432の長穴433に挿入されて係合するようになっている。電動モータ436により第1ギア437を介して第2ギア438が正回転および逆回転されると、第2ギア438の係合軸438aが第1可動部材432の長穴433内を左右に移動することにより、第1可動部材432が回動軸431を中心に回動して、第1可動部材432の先端部が上下方向に移動するように構成されている。センサ基板439には、第1可動部材432の回動位置を検出する回動検出センサ439aが実装されている。
第1可動部材432の回動軸431は、正面視において、第1発光演出部410の第1装飾カバー415の後方位置に配置されている(図5を参照)。また、第1装飾カバー415は、第1可動部材432の基端部よりも前方位置に配置されている(図6を参照)。そのため、第1可動部材432が回動軸431を中心に回動したときに、第1可動部材432の基端部が第1装飾カバー415と干渉せずに第1装飾カバー415内に入り込んだ状態となるようになっている。これにより、第1装飾カバー415に形成された人形のフィギュアが、拳銃形の第1可動部材432を持った状態で第1可動部材432を上下に揺動させているように作動させることができるようになっている。第1可動部材432の基端部には、第1装飾カバー415の人形の腕部を模した装飾が施されており、回動軸431を第1可動部材432の中心軸A(図9(a)を参照)から上方にオフセットした位置に配置することにより、第1可動部材432の上下動作に伴う円弧動作により、前述の腕部を模した装飾の動作軌道が人形の同じ位置となるようになっている。
また、可動演出部430は、第1可動部材432の先端部に設けられる第2可動部材441と、第2可動部材441を第1可動部材432に対してスライド移動させるスライド移動機構445とを有して構成される。第2可動部材441は、コウモリの羽を模した外形形状に形成され、第1可動部材432に対してスライド移動自在に設けられている。第2可動部材441の後部には後方に延びる係合軸441aが形成されている。
スライド移動機構445は、メインベース部材401に取り付けられる電動ソレノイド446と、電動ソレノイド446により左右に揺動されるアーム部材447と、メインベース部材401に左右にスライド移動自在に設けられたスライダ部材448とを有して構成される。アーム部材447の先端部には上下方向に延びる長穴447aが形成されている。スライダ部材448の後面には後方に延びる係合軸448aが形成され、この係合軸448aがアーム部材447の長穴447aに挿入されて係合するようになっている。スライダ部材448には、上下方向に延びる係合凹部448bが前後に貫通して形成されている。この係合凹部448bは、上端部が上方に開口しているとともに、上端部側が上方に向かって拡がったテーパ形状に形成されている。前述の第1可動部材432が上下方向の可動位置のうち、下方に位置する状況において、係合凹部448bに第2可動部材441の係合軸441aが挿入されて係合するようになっている。電動ソレノイド446によ
りアーム部材447が左右に揺動されると、スライダ部材448の係合軸448aがアーム部材447の長穴447a内を移動することにより、スライダ部材448がメインベース部材401に対して左右にスライド移動する。スライダ部材448が左右にスライド移動すると、第2可動部材441の係合軸441aがスライダ部材448の係合凹部448b内を移動することにより、第2可動部材441が第1可動部材432に対してスライド移動するように構成されている。
このように第2可動部材441がスライド移動するときに、スライダ部材448の係合軸448aが挿通されて係合軸448aの移動をガイドするガイド穴402がメインベース部材401に前後貫通して形成され、第2可動部材441の係合軸441aが挿通されて係合軸441aの移動をガイドするガイド穴426が第2発光演出部420の第2装飾カバー425に前後貫通して形成されている。
第1電飾装置500は、演出可動装置400のメインベース部材401の前面左部に取り付けられる。第1電飾装置500は、図10〜図13に示すように、略半円盤状の第1電飾ベース部材501と、第1電飾ベース部材501の下面側に設けられる第1電飾基板510と、第1電飾基板510の下面を覆うように設けられる基板カバー520と、基板カバー520の下方に配設されるインナーレンズ530と、インナーレンズ530の前後を覆って第1電飾ベース部材501に取り付けられる前側電飾カバー540および後側電飾カバー545とを有して構成される。
図12に示すように、第1電飾基板510の下面には、2つの同心円状(2重環状)に合計16個のLED511a〜511h(発光ダイオード)が配設されている。これらのLED511a〜511hは、円周方向の所定角度ごとに内側および外側の2個で1組となるように配置されている。基板カバー520には、上記1組のLED511a〜511hごとに対応する複数の光通過孔521が円形状に並んで形成されている。各LED511a〜511hから射出される光は各光通過孔521を通って下方へ射出されるようになっている。第1電飾基板510および基板カバー520の下面左右部にはそれぞれ、上下に貫通するネジ挿通孔が形成されている。それらのネジ挿通孔に下方から挿入された取付ネジ525を第1電飾ベース部材501の下面のネジ穴に螺合させることにより、基板カバー520が第1電飾基板510の下面を覆った状態で第1電飾基板510とともに第1電飾ベース部材501の下面側に固定される。基板カバー520および第1電飾基板510には、円形状に並設された複数の光通過孔521およびLED511a〜511hの中央部に、インナーレンズ530を取り付けるための貫通孔523,513が上下に貫通して形成されている。
インナーレンズ530は、図13に示すように、透明もしくは半透明な樹脂材料(光透過材料)を用いて上下に延びる略円柱状に形成され、その外周面は滑らかな円周面ではなく上下方向に延びる複数の矩形平面が周方向に並んだ形状になっている。インナーレンズ530の上面には、略円柱状に下方に凹んだ上側凹部531が形成されている。上側凹部531の内周面は、インナーレンズ530の外周面と同様に、上下方向に延びる複数の矩形平面が周方向に並んだ形状になっている。上側凹部531の底面部は、ノコギリの歯のような刻み目が円形状に並んで蛇腹状に形成されている。上側凹部531の底面部中央には、上方に突出した円柱状の取付凸部532が形成されている。
インナーレンズ530の下面には、略円錐状に上方に凹んだ下側凹部535が形成されている。下側凹部535の内周面は、複数の小さな矩形平面が周方向および上下方向に並んで形成され、さらに上下方向に並んだ平面の角度がランダムになるように形成されている。下側凹部535の内周面は、光を反射させる鏡面状に形成されている。インナーレンズ530は、第1電飾基板510のLED511a〜511hからの光を後述するように
反射させてミラーボールのようは発光態様となるようになっている。図12に示すように、インナーレンズ530は、上側凹部531内の取付凸部532を基板カバー520および第1電飾基板510の貫通孔523,513に挿入し、インナーレンズ530の下側凹部535から取付凸部532内を上下に貫通して形成されたネジ挿通孔に下方から挿入された取付ネジ538を第1電飾ベース部材501の下面のネジ穴に螺合させることにより、基板カバー520を間に挟んで第1電飾基板510のLED511a〜511hの下方に取り付けられる。このとき、LED511a〜511hがインナーレンズ530の上側凹部531内に配置され、LED511a〜511hの前後左右および下方が上側凹部531における円周状の立ち壁部によって覆われて目隠しされた状態となるようになっている。
前側電飾カバー540は、有色透明(例えば紫色等)な樹脂材料を用いて光を透過可能に形成されている。前側電飾カバー540は、後側電飾カバー545の前面側に取付ネジ547(図10(b)を参照)を用いて固定されて後側電飾カバー545の前面との間に内部空間を形成し、この内部空間内にインナーレンズ530が配置された状態で、後側電飾カバー545とともに第1電飾ベース部材501の下面側に取付ネジ548を用いて固定される。後側電飾カバー545の前面(内面)は、インナーレンズ530を囲むように曲面状に形成されるとともに、光を反射させる鏡面状に形成されている。
第1電飾装置500は、副制御装置2000(演出制御基板)から遊技展開に応じて送信される制御信号に基づいて、第1電飾基板510に実装されたLED511a〜511hの点灯が制御される。LED511a〜511hのそれぞれから下方に射出される光は、図14および図15に示すように、基板カバー520の各光通過孔521を通ってインナーレンズ530の上側凹部531に入射する。そして、インナーレンズ530内を通って、鏡面状に形成された下側凹部531の内周面において反射され、当該内周面が向く方向に射出されるように構成されている。インナーレンズ530の後方に射出される光は、インナーレンズ530の後方に配置された後側電飾カバー545の前面(鏡面状に形成された面)において反射されて前方側に射出されるようになっている。
そして、第1電飾装置500では、円形状に並設されたLED511a〜511hを円周方向に順番に点灯させる制御が行われる。LED511a〜511hを円周方向に順番に点灯させると、LED511a〜511hのそれぞれから射出される光は上記のように射出されるため、疑似的な回転発光(パトランプのような回転発光)を遊技者に対して視認させることができるように構成されている。第1電飾装置500では、従来のパトランプのようにインナーレンズ530を回転させるのではなく、円形状に並設されたLED511a〜511hを円周方向に順次点灯させることにより、パトランプのような回転発光を行うように構成されている(遊技者には、あたかもインナーレンズ530が回転して発光しているように見える)。
LED511a〜511hを円周方向に順番に点灯させる制御方法については、種々のパターンが考えられる。例えば、図12に示すLED511a〜511hにおいて、最初にLED511aおよびLED511bを点灯させ、次にLED511bおよびLED511cを点灯させ、その次にLED511cおよびLED511dを点灯させるように、隣り合う2組ずつのLEDを点灯させるように制御してもよい。このように2組ずつ点灯させる制御を行うことにより、十分な光量の光を射出することができる。また、隣り合う2組ずつのLEDを点灯させつつ、回転前方側のLEDと回転後方側のLEDとで異なる光量の光を射出するように制御してもよい。例えば、回転後側のLEDの光量を小さくすることにより、尾を引くような疑似的な回転発光を行うことができる。また、3組以上のLEDを同時に点灯させたり、全てのLEDを点灯させたりする制御を行うことも可能である。また、瞬間的に、1組ないし1つLEDを1回または位置を変えて2回など、遊技
者が注視していなければ見落とすくらいに、さりげなく点灯させる制御を行うことも可能である。第1電飾装置500では、これら以外にも種々の点灯制御を行って、種々のパターンの発光を行うことが可能である。
このように第1電飾装置500では、円形状に並設されたLED511a〜511hを円周方向に順番に点灯させ、LED511a〜511hのそれぞれから射出された光をインナーレンズ530により前方に反射させることにより、パトランプのような回転発光を遊技者に対して視認させることができるようになっている。従って、従来のパトランプ型の電飾装置のように、反射鏡を回転させるための電動モータや、回転位置を制御するための位置センサ等が不要であるため、従来のパトランプ型の電飾装置よりも、装置を小型化させることができる。また、第1電飾装置500では、LED511a〜511hの点灯制御パターンを変更することにより、単純な回転発光態様以外の発光演出をすることもできる。
第2電飾装置600は、図16および図17に示すように、左右方向に延びた略平板状の第2電飾ベース部材601と、第2電飾ベース部材601の後面側に設けられる第2電飾基板610と、第2電飾ベース部材601の前面側に設けられるレンズ部材620と、レンズ部材620の前面側に設けられるカバー部材630とを有して構成される。カバー部材630の前面には、ハート形と星形の合計4個の装飾穴631a〜631dが前後に貫通して形成され、装飾穴631a〜631d以外にも所定の装飾が施されている。
レンズ部材620は、透明もしくは半透明な樹脂材料(光透過材料)を用いて形成されている。レンズ部材620の前面には、カバー部材630の装飾穴631a〜631dに対応した位置および形状(ハート形と星形)の4個の装飾レンズ部621a〜621dが前方に突出して形成されている。装飾レンズ部621a〜621dの前面および後面(内面)にはそれぞれ、透過光を上下左右方向に拡散させるための小さな凹凸が複数形成されている。レンズ部材620の後面下端部には、後方に突出する壁部622が左右に延びて形成され、この壁部622の上面にも透過光を左右方向に拡散させるための小さな凹凸が複数形成(ローレット加工)されている。
第2電飾ベース部材601には、レンズ部材620の装飾レンズ部621a〜621dに対応した位置および形状(ハート形と星形)の4個の光通過孔602a〜602dが前後に貫通して形成されている。第2電飾ベース部材601は、光通過孔602a〜602dをそれぞれレンズ部材620の装飾レンズ部621a〜621dに位置整合した状態で、レンズ部材620の後面に取付ネジ608を用いて固定される。
第2電飾基板610の前面には、レンズ部材620の装飾レンズ部621a〜621dに対応した位置にそれぞれ、前方に光を射出することが可能な4個の第1LED611a〜611d(発光ダイオード)が実装されている。第1LED611a〜611dは、第2電飾基板610の実装面(前面)に直交する方向(前後方向)に光を射出するトップビューLEDである。第2電飾基板610の後面左部には、上方(もしくは斜め上方)に光を射出することが可能な3個の第2LED612a〜612c(発光ダイオード)が実装されている。第2電飾基板610の後面右部には、斜め下方(もしくは下方)に光を射出可能な4個の第3LED613a〜613d(発光ダイオード)が実装されている。第2LED612a〜612cおよび第3LED613a〜613dは、第2電飾基板610の実装面(後面)に沿った方向に光を射出するサイドビューLEDである。第2電飾基板610は、第2電飾ベース部材601の後面側に配置されて第1LED611a〜611dがそれぞれ第2電飾ベース部材601の光通過孔602a〜602d内に配置された状態で、第2電飾ベース部材601およびレンズ部材620とともにカバー部材630の後面側に取付ネジ618を用いて固定される。このとき、レンズ部材620の装飾レンズ部
621a〜621dがそれぞれ、カバー部材630の装飾穴631a〜631d内に挿入された状態となる。
このように構成された第2電飾装置600は、第2LED612a〜612cおよび第3LED613a〜613dが実装された第2電飾基板610の後面が遊技盤100(ベース部材101)の前面よりも前方の位置に配置されて(図15を参照)、センター飾りユニット200の上部(フレーム部材201の内側)に設けられている。そして、副制御装置2000(演出制御基板)から遊技展開に応じて送信される制御信号に基づいて、第2電飾基板610に実装された第1LED611a〜611d、第2LED612a〜612cおよび第3LED613a〜613dの発光が制御される。第2電飾基板610の前面に実装された第1LED611a〜611dのそれぞれから前方に射出される光は、第2電飾ベース部材601の光通過孔602a〜602dをそれぞれ通って、レンズ部材620の装飾レンズ部621a〜621dにそれぞれ入射する。そして、装飾レンズ部621a〜621dの前後面に形成された凹凸により上下左右方向に拡散されて透過することにより、装飾レンズ部621a〜621dを発光表示させるように構成されている。
第2電飾基板610の後面に実装された第2LED612a〜612cのそれぞれから上方(もしくは斜め上方)に射出される光は、図4、図14および図15に示すように、センター飾りユニット200の透明なフレーム部材201を透過して、第2電飾装置600の上方に配置される遊技盤100の遊技領域PAを照明するように構成されている。また、第2電飾基板610の後面に実装された第3LED613a〜613dのそれぞれから斜め下方に射出される光は、レンズ部材620の壁部622を介して拡散され、第2電飾装置600の斜め下方に配置される演出可動装置400を照明するように構成されている。
このように第2電飾装置600では、第2電飾基板610の後面に実装された第2LED612a〜612cから射出される光により、第2電飾装置600の近傍に配置される遊技盤100の遊技領域PAを照明するようになっている。そのため、例えば、センター飾りユニットが複数の遊技演出装置を備えて、これらの装置の陰になって遊技領域PAが暗くなる場合や、遊技盤がベニヤ板を用いて形成されて遊技盤の後方から照明できない場合などであっても、第2電飾装置600により遊技領域PAを明るく照明することができる。また、第2電飾装置600では、第2電飾基板610の後面に実装された第3LED613a〜613dから射出される光により、第2電飾装置600の近傍に配置される演出可動装置400も明るく照明することができる。第2LED612a〜612cは、遊技領域の視認性のための照明であり、図柄の変動に基づく演出に使用しない方が好ましく、また、遊技の進行中(例えば図柄表示装置210における図柄変動中)だけでなく、客待ちデモ状態においても点灯されるか、遊技者のハンドル操作に基づいて点灯されることが好ましい。また、遊技状態においてセンター飾りユニット200の左側でなく右側を主とする遊技状態である時には、遊技領域PAの左上の照明である第2LED612a〜612cは、減灯ないし光量を下げる制御を行ってもよい。
上述の実施形態において、第1電飾装置500の第1電飾基板510では、2つの同心円状(2重環状)にLED511a〜511hが設けられているが、これらのLEDは、1つの円形状(環状)もしくは3つ以上の同心円状(3重以上の環状)に設けられてもよい。また、第1電飾装置500のインナーレンズ530は、図18に示すインナーレンズ530′および図19に示すインナーレンズ530″のように、上側凹部531を有していなくてもよく、また下側凹部535の円錐面の形状も回転発光態様に応じて適宜変更してもよい。
上述の実施形態において、本発明が適用される遊技機の一例として、ぱちんこ遊技機を
例示して説明したが、これに限定されるものではなく、例えば、アレンジボール、雀球遊技機などについても同様に適用し、同様の効果を得ることができる。