以下、本発明の一実施形態であるパチンコ遊技機(以下、単に「パチンコ機」という)を、図面に基づいて詳細に説明する。
[パチンコ機の全体構成について] 図1及び図2に基づき説明する。
図1はパチンコ機の前側全体を示す正面図であり、図2はパチンコ機の外枠の一側に本体枠が開かれその本体枠の一側に前面枠が開かれた状態を示す斜視図である。なお、図1及び図2においては遊技領域における装飾部材を省略して示している。
パチンコ機1は、外枠2、本体枠3、前面枠4、及び遊技盤5等を備えて構成されている。外枠2は、上下左右の木製の枠材によって縦長四角形の枠状に形成され、同外枠2の前側下部には、本体枠3の下面を受ける下受板6を有している。外枠2の前面の片側には、ヒンジ機構7によって本体枠3が前方に開閉可能に装着されている。なお、外枠2は、樹脂やアルミニウム等の軽金属によって形成されていてもよい。
[本体枠の構成について] 図1及び図3に基づき説明する。
図3はパチンコ機の本体枠と遊技盤とを分離して斜め右上前方から示す斜視図である。
本体枠3は、前枠体11、遊技盤装着枠12及び機構装着体13を合成樹脂材によって一体成形することで構成されている。本体枠3の前枠体11は、外枠2(図2参照)の前側の下受板6を除く外郭形状に対応する大きさの矩形枠状に形成されている。そして、前枠体11の片側の上下部には、本体枠側ヒンジ具15が固定されており、外枠2の片側の上下部に固定された外枠側ヒンジ具14に対してヒンジピン及びヒンジ孔によって開閉回動可能に装着されている。すなわち、外枠側ヒンジ具14、本体枠側ヒンジ具15、ヒンジピン及びヒンジ孔によってヒンジ機構7が構成されている。
前枠体11の前側において、遊技盤装着枠12よりも下方に位置する前枠体11の前下部左側領域にはスピーカボックス部16が一体に形成され、そのスピーカボックス部16の前側開口部には、同開口部を塞ぐようにしてスピーカ装着板17が装着されている。そして、スピーカ装着板17にはスピーカ18が装着されている。また、前枠体11前面の下部領域内において、その上半部分には発射レール19が傾斜状に装着されている。また、前枠体11前面の下部領域内の下半部分には下部前面板30が装着されている。そして、下部前面板30の前面の略中央部には、遊技球を貯留可能な下皿31が設けられ、右側寄りには操作ハンドル32が設けられ、左側寄りには灰皿33が設けられている。なお、下皿31には、遊技球を下方に排出するための球排出レバー34が配設されている。
[前面枠の構成について] 図1及び図2に基づき説明する。
前枠体11の前面の片側には、その前枠体11の上端から下部前面板30の上縁にわたる部分を覆うようにして、前面枠4がヒンジ機構36によって前方に開閉可能に装着されている。また、前面枠4の略中央部には、遊技盤5の遊技領域37を前方から透視可能な略円形の開口窓38が形成されている。また、前面枠4の後側には開口窓38よりも大きな矩形枠状をなす窓枠39が設けられ、その窓枠39にはガラス板、透明樹脂板等の透明板50が装着されている。また、前面枠4の前面の略全体は、ランプ等が内設された前面装飾部材によって装飾され、同前面枠4の前面の下部には上皿51が形成されている。詳しくは、開口窓38の周囲において、左右両側部にサイド装飾装置52が、下部に上皿51が、上部に音響電飾装置53が装着されている。サイド装飾装置52は、ランプ基板が内部に配置され且つ合成樹脂材によって形成されたサイド装飾体54を主体として構成されている。サイド装飾体54には、横方向に長いスリット状の開口孔が上下方向に複数配列されており、該開口孔には、ランプ基板に配置された光源に対応するレンズ55が組み込まれている。音響電飾装置53は、透明カバー体56、スピーカ57、スピーカカバー58、及びリフレクタ体(図示しない)等を備え、これらの構成部材が相互に組み付けられてユニット化されている。また、上皿51の左側には、遊技者が操作可能なボタン59が設けられている。
[施錠装置の構成について] 図2及び図3に基づき説明する。
前枠体11のヒンジ機構36に対して反対側となる自由端側の後側には、外枠2に対し本体枠3を施錠する機能と、本体枠3に対し前面枠4を施錠する機能とを兼ね備えた施錠装置70が装着されている。すなわち、この実施形態において、施錠装置70は、外枠2に設けられた閉止具71に係脱可能に係合して本体枠3を閉じ状態に施錠する上下複数の本体枠施錠フック72と、前面枠4の自由端側の後側に設けられた閉止具73に係脱可能に係合して前面枠4を閉じ状態に施錠する上下複数の扉施錠フック74と、パチンコ機1の前方から鍵が挿入されて解錠操作可能に、前枠体11及び下部前面板30を貫通して露出されたシリンダー錠75とを備えている。そして、シリンダー錠75の鍵穴に鍵が挿入されて一方向に回動操作されることで本体枠施錠フック72と外枠2の閉止具71との係合が外れて本体枠3が解錠され、これとは逆方向に回動操作されることで、扉施錠フック74と前面枠4の閉止具73との係合が外れて前面枠4が解錠されるようになっている。
[遊技盤装着枠の構成について] 図2乃至図4に基づき説明する。
図4はパチンコ機の後側全体を示す背面図である。
図2及び図3に示すように、本体枠3の遊技盤装着枠12は、前枠体11の後側に設けられかつ遊技盤5が前方から着脱交換可能に装着されるようになっている。遊技盤5は、遊技盤装着枠12の前方から嵌込まれる大きさの略四角板状に形成されている(図9参照)。遊技盤5の盤面(前面)には、外レール76と内レール77とを備えた案内レール78が設けられ、その案内レール78の内側に遊技領域37が区画形成されている。なお、発射レール19と案内レール78との間には、所定の隙間が設けられており、発射された遊技球が案内レール78を逆戻りした場合には、その遊技球は、その隙間から排出され下皿31に案内されるように構成されている。また、遊技盤5の前面には、その案内レール78の外側領域において、合成樹脂製の前構成部材79が装着されている。
一方、図4に示すように、遊技盤5の後側下部には、その中央部から下部にわたる部分において、各種入賞装置に流入した遊技球を受けかつその遊技球を所定位置まで導く集合樋としての機能とボックス装着部としての機能を兼ね備えたボックス装着台91が設けられている。このボックス装着台91には、音声制御基板、ランプ制御基板等の副制御基板92が収納された副制御基板ボックス93が装着され、その副制御基板ボックス93の後側に重ね合わされた状態で、主制御基板94が収納された主制御基板ボックス95が装着されている。さらに、遊技盤5の後側に対しボックス装着台91、副制御基板ボックス93及び主制御基板ボックス95がそれぞれ装着された状態において、本体枠3の遊技盤装着枠12の前方から遊技盤5を嵌込んで装着できるように、遊技盤5の外郭より外側にはみ出すことなくボックス装着台91、副制御基板ボックス93及び主制御基板ボックス95が配置されている。
[本体枠の機構装着体、球タンク及びタンクレールの構成について] 図7及び図8に基づき説明する。
図7はパチンコ機の本体枠に各種部材が組み付けられた状態を斜め右上後方から示す斜視図であり、図8は本体枠単体を斜め右上後方から示す斜視図である。
本体枠3の機構装着体13には、タンク装着部111、レール装着部112、及び払出装置装着部113等がそれぞれ形成され、タンク装着部111には球タンク114が装着されている。球タンク114は、透明な合成樹脂材よりなり、島設備から供給される多数の遊技球が貯留可能な上方に開口する箱形状に形成されている。そして、球タンク114の遊技球の貯留状態が球タンク114の後側壁を透して視認可能となっている。また、球タンク114の底板部115の後側隅部には遊技球を放出する放出口116が形成されるとともに、底板部115は放出口116に向けて下傾する傾斜面に形成されている。
本体枠3の機構装着体13には、そのタンク装着部111に下方に接近してレール装着部112が一体に形成され、そのレール装着部112にレール構成部材117が装着されることでタンクレール118が構成されるようになっている。すなわち、この実施形態において、レール装着部111は、本体枠3の上部横方向部分が所定深さ凹まされた状態で形成されており、その凹部の奥側壁をタンクレール118の前壁部119とし、その凹部の下縁部に沿って一端(図8に向かって左端)から他端(図8に向かって右端)に向けて下傾する傾斜状のレール棚120が形成されている。そして、レール棚120の横方向に延びる上向き面をレール受け部121としている。
レール装着部112に装着されてタンクレール118を構成するレール構成部材117は、レール装着部112の前壁部119との間にレール通路を構成する後壁部122と、傾斜状をなす下板部と、その下板部の上面の前後方向中央部に沿って突設されレール通路を前後複数列(この実施形態では前後2列)に区画する仕切り壁(いずれも図示しない)とを一体に備えて形成されている。このレール構成部材117は、レール装着部112に対し適宜の取付手段によって装着され、これによって、前後複数列のレール通路を備えたタンクレール118が構成されている。そして、球タンク114の放出口116から放出(自重によって落下)された遊技球がタンクレール118の前後複数列のレール通路の一端部においてそれぞれ受けられた後、遊技球が自重によってレール通路に沿って転動することでレール通路の他端部に向けて流れるようになっている。また、この実施形態において、レール構成部材117は、透明な合成樹脂材より形成され、これによって、レール通路内の遊技球の流れ状態が、レール構成部材117の後壁部122を透して視認可能となっている。
タンクレール118(レール装着部112)の前壁部119は、遊技盤5の後側に突出する装備品(例えば役物)における後部の上端部との干渉を避けるため第1空間部を隔てた状態で設けられている。また、この実施形態において、本体枠3の後端部となるレール棚120の後端と、タンクレール118の後壁部は、球タンク114の後側壁と略同一面をなしている。言い換えると、球タンク114の後壁部に対しタンクレール118の後壁部が略同一面となる位置までタンクレール118が遊技盤5の後面より後方に離隔して配置されている。これによって、遊技盤5の後側とタンクレール118の前壁部119との間に装備品(例えば役物)の後部との干渉を避けるための第1空間部が設けられるようになっている。
また、タンクレール118の上方には、レール通路を流れる遊技球を上下に重なることなく整列させる整流体123がその上部において軸124を中心として揺動可能に装着されている。この整流体123には、その中央部から下部において錘が設けられている。
[払出装置装着部及び球払出装置の構成について] 図7及び図8に基づき説明する。
本体枠3の機構装着体13の片側寄りの上下方向には、次に述べる球払出装置(球払出ユニット)125に対応する縦長の払出装置装着部113が形成されている。払出装置装着部113は、後方に開口部をもつ凹状に形成されている。また、払出装置装着部113の段差状をなす奥壁部(図示しない)の所定位置には、球払出装置125の払出用モータ126(図3参照)が突出可能な開口部127が形成されている。
払出装置装着部113の凹部に球払出装置125が装着された状態において、遊技盤5との間には、第1空間部と前後方向に略同一レベルとなる第2空間部が設けられている。
これによって、レール通路と球通路とが前後方向に略同一レベルで配置されている。また、本体枠3の後端、すなわち払出装置装着部113の周壁部後端、レール棚120の後端、球タンク114、タンクレール118及び球払出装置125のそれぞれの後面は略同一面をなしている。
球払出装置125は、払出装置装着部113の凹部と略同じ大きさの縦長のボックス形状をなし、払い出しに関する各種部品が装着されることでユニット化されている。なお、球払出装置125は、払出装置装着部113の凹部の後方開口部から嵌込まれて適宜の取付手段(例えば、弾性クリップ、係止爪、ビス等の取付手段)によって装着されるようになっている。
また、図示しないが、球払出装置125は、タンクレール118におけるレール通路の出口にそれぞれ連通する流入口を有する球通路が前後複数列(例えば前後2列)に区画されて形成されている。また、その内部に形成された前後複数列の球通路の下流部が二股状に分岐されて前後複数列の賞球及び貸球用球通路と球抜き用球通路とがそれぞれ形成されている。そして賞球及び貸球用球通路と球抜き用球通路との分岐部には、遊技球をいずれかの通路に振り分けて払い出すための回転体よりなる払出部材(図示しない)が正逆回転可能に配設されている。
[本体枠の後側下部の装備について] 図3及び図4に基づき説明する。
本体枠3の前枠体11の後側において、遊技盤装着枠12よりも下方に位置する前枠体11の後下部領域の片側(図4に向かって左側)には、発射レール19の下傾端部の発射位置に送られた遊技球を発射するための発射ハンマー(図示しない)、その発射ハンマーを作動する発射モータ128等が取付基板129に組み付けられてユニット化された発射装置ユニット130が装着されている。また、前枠体11の後下部領域の略中央部には、電源基板131を収容する電源基板ボックス132が装着され、その電源基板ボックス132の後側に重ね合わされた状態で払出制御基板133を収容する払出制御基板ボックス134が装着されている。払出制御基板133は、遊技球を払い出す数を記憶するRAMを備え、主制御基板94から送信される払出用信号に従って遊技球を払い出す制御信号を中継用回路基板(図示しない)に伝達して払出用モータ126を作動制御するようになっている。
[後カバー体の構成について] 図4及び図5に基づき説明する。
図5はパチンコ機の後側全体を右上後方から示す斜視図である。
遊技盤5後面に配置された表示装置制御基板ボックス135(図9参照)及び主制御基板ボックス95の後端部は機構装着体13の中央部に開口された窓開口部に向けて突出している。そして、機構装着体13の窓開口部の一側壁を構成する側壁部と他側壁を構成する払出装置装着部113の片側壁との間には、不透明な合成樹脂材によって略方形の箱形状に形成された後カバー体136がカバーヒンジ機構137によって開閉並びに着脱可能に装着されている。
後カバー体136は、略四角形状の後壁部138と、その後壁部138の外周縁から前方に向けて突出された周壁部139とから一体に構成されている。後カバー体136の周壁部139のうち、一側の壁部139aには、機構装着体13の側壁部の上下及び中間の計3箇所に形成されたヒンジ体140のヒンジ孔の上方からそれぞれ着脱可能に嵌込まれるヒンジピン141を下向きに有するヒンジ体142が一体に形成されている。また、後カバー体136の周壁部139のうち、他側の壁部139bには、払出装置装着部113の片側壁に形成された係止孔に弾性的に係合可能な係止爪を有する弾性閉止体143が一体に形成されている。
すなわち、後カバー体136は、その上下及び中間のヒンジ体142の各ヒンジピン141が機構装着体13の側壁部のヒンジ体140のヒンジ孔の上方からそれぞれ嵌込まれる。この状態で、ヒンジピン141を中心として後カバー体136が機構装着体13の他側に向けて回動されながら、その弾性閉止体143を払出装置装着部113の片側壁の係止孔に差し込んで弾性的に係合させることで、機構装着体13の後側に後カバー体136が閉じ状態で保持される。そして、後カバー体136によって、遊技盤5後面の表示装置制御基板ボックス135(図9参照)全体及び主制御基板ボックス95の略中間部から上端にわたる部分が後カバー体136によって覆われるようになっている。これによって、主制御基板ボックス95の上部に露出された主制御基板94の基板コネクタ(主として表示装置制御基板と接続するための基板コネクタ)が後方から視認不能に隠蔽されている。
また、主制御基板ボックス95の略中間部から下端にわたる部分は後カバー体136によって覆われることなく露出されている。そして、主制御基板ボックス95の下部には、その主制御基板94上に配置された検査用コネクタ144が露出されており、後カバー体136が閉じられた状態で主制御基板94上の検査用コネクタ144に基板検査装置(図示しない)を接続して検査可能となっている。
後カバー体136には、多数の放熱孔145、146、147、148が貫設されており、これら多数の放熱孔145、146、147、148から内部の熱が放出されるようになっている。この実施形態において、後カバー体136には、その周壁部139から後壁部138に延びる多数のスリット状の放熱孔145が貫設され、後壁部138の略中間高さ位置から上部においては多数の長円形、楕円形等の放熱孔146が貫設され、後壁部138の下部には多数の長円形、楕円形等の放熱孔147と所定数の横長四角形状の放熱孔148が貫設されている。
また、横長四角形状の放熱孔148は、主制御基板ボックス95の封印ねじ(封印部材)によって封印される複数の並列状の封印部149の列の大きさ及び配設位置に対応する大きさ及び位置に貫設されている。これによって、不透明な後カバー体136が閉じられた状態であっても、主制御基板ボックス95の複数の並列状の封印部149が放熱孔148の部分において視認可能に露出される。このため、後カバー体136が閉じられた状態であっても、主制御基板ボックス95の封印部149の封印状態を容易に視認することができる。また、不透明な合成樹脂材は、透明な合成樹脂材と比べ、リサイクル使用される合成樹脂材を材料として用いることが容易であるため、後カバー体136を安価に製作することができる。
後カバー体136の周壁部139のうち、上側壁部139cの所定位置(この実施形態では左右2箇所)には、電源コード(図示しない)を適宜に折り畳んだ状態で保持する略C字状でかつ弾性変形可能なコード保持体150が上方のタンクレール118の後壁面(レール構成部材117の後壁面)に向けて延出されている。このコード保持体150の先端部には、同コード保持体150を弾性変形させて電源コードを取り外すためのつまみが形成されている。
電源コードは、その一端が分電基板151の基板コネクタ152に取り外し可能に接続され、他端の電源プラグが電源コンセントに差し込まれる。前記したように、後カバー体136にコード保持体150を一体に形成して電源コードを保持することで、パチンコ機1を運搬、保管する際に電源コードがぶらついて邪魔になったり、異物に引っ掛かる不具合を防止することができる。
[本体枠の後側下部の下皿用球誘導体等の構成について] 図1及び図6に基づき説明する。
図6は、図5に示すパチンコ機の斜視図から後カバー体及び各種制御基板等を取り外した状態を示す斜視図である。
本体枠3の後下部領域の他側寄り部分(ヒンジ寄り部分)には、そのスピーカボックス部16の後段差部の凹み部分において下皿用球誘導体153が装着されている。この下皿用球誘導体153は、球払出装置125の賞球及び貸球用球通路から上皿連絡路(図示しない)を経て上皿51に払い出された遊技球が満杯になったときに、上皿連絡路の遊技球を下皿31に導くためのものである。
なお、この実施形態において、下皿用球誘導体153の後壁外面には、インタフェース基板154を収納している基板ボックス155が装着されている。なお、インタフェース基板154は、パチンコ機1に隣接して設置される球貸機と払出制御基板133との間に介在され、球貸に関する信号を球貸機と払出制御基板133との間で送受信可能に電気的に接続するようになっている。
[遊技盤の構成について]
図10は遊技領域を有した遊技盤の構成を示す拡大正面図である。図11は遊技盤を斜め前方から示す斜視図であり、図12は遊技盤を斜め後方から示す斜視図である。図13は図12における主制御基板ボックス、副制御基板ボックス等を外した状態で示す斜視図である。また、図14は遊技盤を分解して斜め前方から示す斜視図である。
図10乃至図14に示すように、遊技盤5は、略円形の開口210を有し開口210内に遊技球を案内する外レール76及び内レール77からなる案内レール78を備えた前構成部材79と、前面側に前構成部材79が取り付けられると共に適宜形状の貫通口211を複数有した板状の遊技盤ベース212と、遊技盤ベース212の貫通口211を覆うように、遊技盤ベース212の前面側に取り付けられる主役物213、主入賞口ユニット214、及び遊技領域内装飾体215と、主役物213と対応し遊技盤ベース212の後面側に取り付けられる後装飾体216と、後装飾体216の後方に配置される演出表示装置217と、遊技盤ベース212の後面側に取り付けられ主入賞口ユニット214に入賞した遊技球を排出誘導する排出誘導部材218とを主に備えている。
遊技盤5では、前構成部材79における開口210の内側で、遊技盤ベース212の前面側において、主に遊技領域37が区画形成されており、この遊技領域37内には、図10に示すように多数の障害釘が所定のゲージ配列をなして設けられているほか、その途中の適宜位置に風車219が設けられていると共に、上述の主役物213、主入賞口ユニット214、及び遊技領域内装飾体215が配置されている。なお、遊技領域37内の中央最下部には、入賞口等に入賞しなかった遊技球を遊技領域37内から排出するアウト口220が設けられている。
(主役物の構成について)
次に、遊技盤5における主役物213の具体的な構成について図15乃至図24に基づき詳細に説明する。図15は主役物の正面図であり、図16は主役物を斜め前方から示す斜視図であり、図17は主役物を斜め後方から示す斜視図である。図18は主役物を分解して斜め前方から示す分解斜視図である。また、図19は主役物のステージ付近を拡大して示す拡大正面図である。図20は左右の可動装飾体及び装飾体駆動ユニットを示す斜視図であり、図21の(A)は左可動装飾体を斜め後方から示す斜視図であり(B)は左可動装飾体を分解して斜め前方から示す分解斜視図である。図22の(A)は右可動装飾体を斜め後方から示す斜視図であり、(B)は右可動装飾体を分解して斜め前方から示す斜視図である。図23の(A)は左可動装飾体駆動ユニットの分解斜視図であり、(B)は右可動装飾体駆動ユニットの分解斜視図である。更に、図24は左右の可動装飾体の動きを示す説明図である。
遊技盤5における主役物213は、図15乃至図18に示すように、額縁状に形成された枠状装飾体230と、枠状装飾体230の前側の右下縁部に取り付けられるキャラクタ体231と、枠状装飾体230の前側の上縁部やや右寄りに取り付けられ自動車を模した装飾部材232と、枠状装飾体230の開口を閉鎖するように枠状装飾体230の後側に取り付けられる透明な板状の隔壁板233と、枠状装飾体230の上縁部の前面下側に配置される右可動装飾体234及び左可動装飾体235と、枠状装飾体230の後側に配置され右可動装飾体234及び左可動装飾体235を夫々所定軸周りに回動させるための右可動装飾体駆動ユニット236及び左可動装飾体駆動ユニット237とを備えている。
また、主役物213には、遊技領域37内の所定領域を通過する遊技球を検出可能なチャッカー238を更に備えている。このチャッカー238は、枠状装飾体230の左縁部に取り付けられ遊技球の通過を検出する通過検出センサ239と、通過検出センサ239を前方から覆うと共に上下方向に遊技球が通過可能な開口を有したチャッカーカバー240とを備えている。このチャッカー238は、チャッカーカバー240の上側から、遊技領域37内を流下する遊技球が進入すると、その遊技球を通過検出センサ239によって検出し、その後、検出した遊技球をチャッカーカバー240の下側から、再び遊技領域37内に戻すようになっている。
この主役物213の枠状装飾体230には、通過検出センサ238が取り付けられる部位の下側に、ワープ入口250が設けられていると共に、ワープ入口250の下方には枠状装飾体230の内側に開口するワープ出口251が設けられており、枠状装飾体230内部にはワープ入口250とワープ出口251とを連通するワープ通路252が形成されている。このワープ通路252は、断面視コ字状に形成された枠状装飾体230の開放部が隔壁板233の一部によって閉鎖されることで形成されており、遊技盤面に沿って流下する遊技球を、枠状装飾体230の外側(外周)から内側へワープ通路252を介して取り込めるようになっている。
主役物213の枠状装飾体230には、その下縁部における上面に、ワープ通路252のワープ出口251から連続し遊技球を左右方向に転動させることのできる転動面253と、転動面253の前側に設けられ左右に開放部254を有した所定高さの堰部255とからなるステージ256が備えられている。このステージ256は、ワープ通路252を介して取り込まれた遊技球を左右方向に転動させてその動きに様々な変化が付けられるようになっていると共に、ステージ256上を転動する遊技球が開放部254からステージ256の前方に流出するようになっている。なお、ステージ256上の遊技球は、枠状装飾体230の後側に取り付けられる隔壁板233によってステージ256の後方へ流出しないようになっている。
また、主役物213の枠状装飾体230には、ステージ256上の遊技球を、主入賞口ユニット214の略中央直上に流下するように誘導する球誘導路257を更に備えている。この球誘導路257は、ステージ256の左右の開放部254を挟むように略中央に配置され遊技球をステージ256の後側へ案内する球案内部258と、球案内部258の下方且つステージ256の後側に延出し上方から遊技球を受入可能とされた球受部259と、球受部259に受けられた遊技球を球案内部258の下方且つステージ256の前側に開口する球流出口260から流出するように誘導する球誘導部261とから構成されている。なお、隔壁板233の略中央下部には、後方に突出する球誘導凹部262が形成されており、球案内部258によってステージ256の後側に案内された遊技球が、球誘導凹部262に誘導されて隔壁板233の後側に流出することなく、良好に球受部259に受けられるようになっている。
更に、主役物213の枠状装飾体230には、ステージ256を挟んでワープ通路252の反対側に、枠状装飾体230の左右方向中央側が僅かに低くなるような面とされ、ステージ256の転動面253と連続するような延長転動面263を更に備えている。この延長転動面263は、ワープ入口250から取り込まれワープ通路252を介して所定の初速度でステージ256上に供給された遊技球が、ステージ256の堰部255を乗越えてステージ256から流出するのを防止するためのものである。なお、この延長転動面263の前側には、図示するように、キャラクタ体231の一部が配置されるようになっており、隔壁板233と協働して所定深さの溝が形成されるようになっており、延長転動面263において遊技球が弾んだりしても、延長転動面263から遊技球が脱落し難くなっている(図19参照)。
この延長転動面263の作用を詳述すると、ワープ通路252を介して所定の初速度で供給される遊技球は、ステージ256の左端から右端へと転動して延長転動面263上に供給され、その際に、ステージ256はその中央付近が低く左右両端が高くなるような形状とされているので、遊技球の速度はステージ256の右端に転動するのに従って低下するが、ワープ通路252内を流通する遊技球の速度は様々に異なるため、ステージ256へ供給される時の初速度も様々に異なり、例えば、ステージ256の右端に延長転動面263の代わりに球当接部を設けた場合、遊技球の速度によっては、球当接部への当接により弾んでしまいステージ256の堰部255を乗越えてステージ256から脱落し、ステージ256上で遊技球を良好に転動させることができなくなり、遊技球の動きを楽しませられなくなる恐れがある。
これに対して、本例では、ステージ256の右端に延長転動面263を設けており、所定の速度で転動する遊技球がステージ256の右端に到達しても、延長転動面263へと供給されてステージ256の右端で弾んでステージ256から脱落するのを防止することができるようになっている。また、延長転動面263では、キャラクタ体231及び隔壁板233と協働して所定深さの溝が形成されるので、延長転動面263上で遊技球が弾んでも、延長転動面263から遊技球が脱落するのを抑制することができるようになっている。更に、延長転動面263は、枠状装飾体230の中央側(左端)が僅かに下がった平坦面とされているので、延長転動面263からステージ256へ転動する遊技球の速度上昇を抑制させることが可能となり、好適な速度で遊技球をステージ256に戻すことができ、ステージ256上で遊技球を良好に転動させることができるようになっている。
主役物213の枠状装飾体230は、図16及び図17に示すように、その左側外周に遊技球を外周に沿って下方に案内可能な球案内路270が備えられている。この球案内路270は、枠状装飾体230の外周面271と、遊技盤ベース212の前面側に当接し遊技盤ベース212の該当する貫通口211を閉鎖するように外方に延びるフランジ部272と、フランジ部272から前側に所定距離離反した位置で外方に延び前面に装飾の施された装飾フランジ部273とから構成されている。この球案内路270は、枠状装飾体230の外周面271、フランジ部272、及び装飾フランジ部273とにより、遊技盤5の盤面に沿った外方に開放された断面が略コ字形状に形成されており、その内部を遊技球が流通可能とされている。
この球案内路270には、フランジ部272及び装飾フランジ部273の内面側(互いに対向する面側)に、複数の突起(突条)274が設けられており、フランジ部272側の突起274と、装飾フランジ部273側の突起274は、互いに対向しない位置に交互に夫々形成されている。この球案内路270は、その複数の突起274によって、球案内路270を流下する遊技球が突起274と当接することで、遊技球の流下速度を減衰させて、遊技球の流下速度が上昇するのを抑制することができるようになっている。なお、この球案内路270は、主入賞口ユニット214の下側付近まで遊技球を案内するように形成されている。
この球案内路270は、図10及び図11に示すように、遊技領域37の上部に打ち込まれた遊技球を、主入賞口ユニット214の下側付近まで案内しており、この球案内路270によって遊技球が案内されると、主入賞口ユニット214に入賞する可能性が低くなるので、球案内路270に遊技球が案内されないように、遊技球の打ち込み操作をさせることができ、打ち込み操作が単調となり興趣が低下するのを防止することができるようになっている。また、球案内路270によって遊技球が案内された場合、その突起274によって遊技球の流下速度が抑制されるので、球案内路270から勢い良く遊技球が放出されるのを防止して、放出された遊技球が主入賞口ユニット214や遊技領域内装飾体215等と当接するのを防止したり、当接してもその速度を遅くして衝撃を可及的に小さくし、主入賞口ユニット214等が破損するのを防止することができるようになっている。
次に、図20乃至図24に基づいて、右可動装飾体234及び左可動装飾体235と、右可動装飾体駆動ユニット236及び左可動装飾体駆動ユニット237の構成を詳細に説明する。まず、主役物213の右可動装飾体234及び左可動装飾体235は、略水平方向に延びる水平状態と、略垂直方向に延びる垂直状態との間で回動可能とされている。これら右可動装飾体234及び左可動装飾体235は、図15及び図24に示すように、夫々水平状態となると、互いに連続した装飾体となるように構成されており、その前側には複数の文字(本例では、アルファベット)が立体的に造形され、それらの文字は右可動装飾体234及び左可動装飾体235とが一体となることで所定の単語となるようになっている。
これら右可動装飾体234及び左可動装飾体235は、文字部290が透光性を有する部材とされた装飾部291と、装飾部291の後側に配置される枠状の本体部292と、本体部292内に配置され複数のLED293を備えた発光基板294と、発光基板294の後側に配置され本体部292の枠内の閉鎖する背板295と、所定位置から後側に延出する回動軸296とを備えている。この装飾部291の後側にはネジ孔を有した取付ボス297が形成されていると共に、背板295には装飾部291の取付ボス297に対応した位置に貫通孔298が穿設されており、装飾部291と背板295とで本体部292及び発光基板294を挟んだ状態で、背板295の後側から貫通孔298を貫通して取付ボス297にビス(図示しない)をねじ込むことで、それらが一体に組み付けられるようになっている(図21及び図22参照)。
なお、回動軸296は、背板295に設けられた取付孔に圧入固定されていると共に、回動軸296は、右可動装飾体234では右端部付近に、左可動装飾体235では左端部付近に夫々配置固定されている。また、夫々の背板295には、その後面の回動軸296付近の所定位置に突起299が形成されており、詳細は後述するが、この突起299は右可動装飾体234及び左可動装飾体235の夫々の回動位置を検出するためのものである。
一方、右可動装飾体駆動ユニット236及び左可動装飾体駆動ユニット237は、右可動装飾体234及び左可動装飾体235を夫々の回動軸296の軸芯周りに回動させるものである。これら右可動装飾体駆動ユニット236及び左可動装飾体駆動ユニット237は、右可動装飾体234又は左可動装飾体235を回動させるための可動装飾体駆動モータ310と、可動装飾体駆動モータ310の回転軸311に固定される駆動ギヤ312と、駆動ギヤ312と噛合し駆動ギヤ312の回転を伝達する伝達ギヤ313と、伝達ギヤ313と噛合し右可動装飾体234又は左可動装飾体235の回動軸296が固定される出力ギヤ314と、後面に可動装飾体駆動モータ310を取り付け可能とされ、駆動ギア312、伝達ギア313、及び出力ギア314を収容可能なギヤケーシング315と、ギヤケーシング315の前側開口を閉鎖すると共に右可動装飾体234又は左可動装飾体235の回動軸296が通過可能な通孔316を有した前板317とを備えている(図20、図23及び図24参照)。
これら右可動装飾体駆動ユニット236又は左可動装飾体駆動ユニット237は、可動装飾体駆動モータ310が回転駆動させられると、その回転軸311に固定された駆動ギヤ312が回転し、駆動ギヤ312の回転が伝達ギヤ313を介して出力ギヤ314に回転伝達され、出力ギヤ314に固定された右可動装飾体234又は左可動装飾体235の回動軸296が出力ギア314と共に回転することで、夫々の回動軸296周りに右可動装飾体234又は左可動装飾体235を回動させることができるようになっている。
また、右可動装飾体駆動ユニット236及び左可動装飾体駆動ユニット237には、右可動装飾体234又は左可動装飾体235の回動に伴って回転する回転部材318と、回転部材318の回転位置を検出する回転位置検出センサ319とを更に備えている。この回転部材318は、一端に右可動装飾体234又は左可動装飾体235の突起299と当接可能な当接ピン320と、他端に回転位置検出センサ319に検出される被検出部321とを有しており、当接ピン320と被検出部321との間の所定位置において回転可能に前板317の裏側に軸支されている。また、前板317には、回転部材318の当接ピン320が挿通可能な円弧状の長孔322が形成されており、右可動装飾体駆動ユニット236及び左可動装飾体駆動ユニット237が組み立てられた状態で、当接ピン320が長孔322を介して前板317の前側に突出するようになっていると共に、円弧状の長孔322により所定の回転角度の範囲内で回転するようになっている。
この回転部材318は、図示するようにその軸支される回転軸で折れ曲がったような形状とされていると共に、当接ピン320側よりも被検出部321側の方が重くなるように形成されており、その重量差によって当接ピン320が上方に回転するようになっている。この回転部材318の当接ピン320は、夫々右可動装飾体234又は左可動装飾体235の突起299の下側に当接するような位置に配置されており、当接ピン320と被検出部321との重量差によって上方に回転しようとする当接ピン320の回転移動が突起299によって阻止されるようになっている。つまり、突起299の回転移動に伴って当接ピン320が回転移動するようになっており、回転部材318の回転位置を検出することで突起299、即ち、右可動装飾体234又は左可動装飾体235の回転位置を検出できるようになっている。
なお、本例では、回転位置検出センサ319は、フォトセンサとされており、被検出部321がフォトセンサ用の遮蔽板とされている。また、本例では、右可動装飾体234及び左可動装飾体235が水平状態の時に、夫々の回転部材318の被検出部321が、回転位置検出センサ319により検出される、つまり、被検出部321がフォトセンサを遮蔽するようになっている。
(主入賞口ユニット、遊技領域内装飾体、及び排出誘導部材の構成について)
次に、主入賞口ユニット214、遊技領域内装飾体215、及び排出誘導部材218の構成について、図25乃至図30に基づいて詳細に説明する。図25は主入賞口ユニット、遊技領域内装飾体、及び排出誘導部材を斜め前方から示す斜視図である。図26の(A)は主入賞口ユニットにおける始動口の要部を拡大して示す斜視図であり、(B)はその側面図である。図27の(A)は主入賞口ユニットにおけるアタッカ装置の要部を示す斜視図であり、(B)はその側面図である。図28は主入賞口ユニットを斜め後方下側から示す斜視図であり、図29は遊技領域内装飾体を斜め後方から示す斜視図である。また、図30は主入賞口ユニット、遊技領域内装飾体、及び排出誘導部材における遊技球の流路を示す断面図である。
まず、主入賞口ユニット214は、図示するように、その前側の左右方向略中央上部に配置され上方に開口する第一始動口330と、第一始動口330の下方に配置され第一始動口330と一対の可動片331とで閉鎖又は開放可能な第二始動口332と、第二始動口332の下方に配置され左右方向に延びる矩形状の大入賞口333及び大入賞口333を閉鎖可能とし上辺が前方に回動する開閉扉334を有したアタッカ装置335と、アタッカ装置335の左右両側に配置され互いに離反するように斜め上方に開口する一般入賞口336とを備えている。なお、一対の可動片331は、夫々一端側が回転可能に軸支されていると共に、その回転軸とは偏芯した位置に後側に突出する突出ピンが夫々設けられている。
また、主入賞口ユニット214は、第二始動口332を開閉する一対の可動片331を開閉駆動させる始動口開閉駆動ユニット350を更に備えている(図26参照)。この始動口開閉駆動ユニット350は、前後方向に進退可能なプランジャ351を有した始動口ソレノイド352と、始動口ソレノイド352におけるプランジャ351の前後方向の進退に伴って水平方向且つ左右方向(遊技盤面に沿った方向)に延びる軸周りに回動し、一対の可動片331から後側に延在された突出ピン337を上下方向に移動可能な伝達部材353とを備えている。また、この伝達部材353には、その回動軸354よりも上側且つ後側にプランジャ351先端の鍔部355を係止する係止部356が形成されていると共に、回動軸354よりも前側に可動片331の突出ピン337が挿通される側面視コ字形状の伝達部357が形成されている。
この主入賞口ユニット214では、始動口開閉駆動ユニット350における始動口ソレノイド352のプランジャ351が前進すると、伝達部材353の係止部356が前方に押圧されて、伝達部材353が図中反時計回りに回転し伝達部357の高さ位置が相対的に低くなると共に、伝達部357の下降に伴って可動片331の突出ピン337が下降し、可動片331の自由端側が上昇するように回動することとなる。これにより、一対の可動片331が夫々直立したような状態となり、一対の可動片331と第一始動口330とにより第二始動口332が閉鎖されるようになっている。なお、プランジャ351を後退させると、上述とは逆の動作をして、図示するように一対の可動片331の自由端側が互いに離反するように下降し、第二始動口332が開放された状態となるようになっている。また、第二始動口332が開放された状態では、その開口幅が、第一始動口330の開口幅よりも広くなり、遊技球が入賞し易くなるようになっている。
また、図示するように、始動口ソレノイド352の下側には第二始動口センサ358が備えられており、第二始動口332に入賞した遊技球が、第二始動口センサ358の貫通孔を通過することで第二始動口センサ358に検出されると共に、主入賞口ユニット214の下側に形成された排出口359から排出されるようになっている(図28参照)。
また、主入賞口ユニット214のアタッカ装置335は、大入賞口333に入賞した遊技球を検出する大入賞口センサ370と、大入賞口333を閉鎖可能な左右方向に延びる矩形状とされ下辺側が軸支されると共に上辺側が直立状態から前方に回動可能とされた開閉扉334と、前後方向に進退可能なプランジャ371を有したアタッカソレノイド372と、アタッカソレノイド372におけるプランジャ371の前後方向の進退に伴って水平方向且つ左右方向(遊技盤面に沿った方向)に延びる軸周りに回動して開閉扉334を回動させる伝達部材373と、大入賞口センサ370、開閉扉334、アタッカソレノイド372、及び伝達部材373を支持すると共に大入賞口333に入賞した遊技球を大入賞口センサ370に検出されるように誘導する誘導路374を有したケーシング375とを備えている(図27参照)。
なお、本例では、図27に示すように、アタッカソレノイド372及び伝達部材373は、大入賞口333よりも左側且つ後側となる位置にケーシング375に収容支持されている。また、開閉扉334の左側下端には、伝達部材373と当接する当接突起376が形成されている。更に、アタッカ装置335の伝達部材373には、その回動軸377よりも上側に配置されプランジャ371先端の鍔部378と係合する係合部379と、回動軸377よりも前側に配置され開閉扉334の当接突起376に上側から当接する当接ピン380とを備えている。
このアタッカ装置335では、アタッカソレノイド372のプランジャ371が前進すると、伝達部材373の係合部379が前方に押圧され、伝達部材373が図中反時計回りに回転して伝達部材373の回動軸377の前方に設けられた当接ピン380が回転下降し、当接ピン380の下降により当接ピン380と当接する開閉扉334の当接突起376が下降して開閉扉334がその支持軸芯に対して時計回りに回動する。つまり、図示するような、開閉扉334の下辺を中心として上辺が前方に回転した開状態から、開閉扉334が略直立する閉状態へと回転し、大入賞口333が閉状態となるようになっている。なお、アタッカソレノイド372のプランジャ371が後退すると、上述とは逆の動作をして、開閉扉334の上辺が前方に回転して大入賞口333が開状態となるようになっている。
なお、このアタッカ装置335は、大入賞口333の左右方向の幅が、一対の可動片331が開状態となり第二始動口332が開放状態となった時の幅よりも、更に広い幅とされており、遊技球がより入賞し易いようになっている。また、大入賞口333から進入し大入賞口センサ370で検出された遊技球は、そのまま主入賞口ユニット214の下方へ排出されるようになっている(図28参照)。
この主入賞口ユニット214には、前側に第一始動口330、大入賞口333、及び一般入賞口336が形成され後側にアタッカ装置335及び始動口開閉駆動ユニット350等が取り付けられる主入賞口ユニットベース381を更に備えている。この主入賞口ユニットベースの後側には、第一始動口330、第二始動口332、及び一般入賞口336と対応する位置に、遊技球を後方へ所定距離案内する球樋382が形成されている(図25及び図28参照)。また、主入賞口ユニットベース381の外形は、遊技盤ベース212に形成された対応する貫通口211の外形よりも大きい形状とされていると共に、後側に取り付けられるアタッカ装置335及び始動口開閉駆動ユニット350は、該当する貫通口211を通過可能な大きさとされている。
また、主入賞口ユニット214は、図10に示すように、その第一始動口330が、主役物213の球誘導路257における球流出口260の直下に位置するように遊技盤ベース212に取付固定されており、主役物213の球流出口260から流出した遊技球が、主入賞口ユニット214の第一始動口330に入賞する可能性が高くなるように配置されている。
本例の主入賞口ユニット214は、遊技盤ベース212に、その前側から取り付けられるようになっており、詳述すると、遊技盤ベース212の前側から主入賞口ユニット214のアタッカ装置335及び始動口開閉駆動ユニット350を該当する貫通口211に挿通すると共に、主入賞口ユニットベース381の後面を遊技盤ベース212の前面と当接させ、図示しないビスにより主入賞口ユニットベース381を遊技盤ベース212に固定することで、主入賞口ユニット214が遊技盤ベース212に取り付けられるようになっている。この際に、遊技盤ベース212の該当する貫通口211は、主入賞口ユニットベース381によって前側からは見えないように隠蔽されるようになっている(図11及び図14参照)。
次に、遊技領域内装飾体215は、特別図柄表示器390と、保留ランプ391と、発光装飾部393と、二つの一般入賞口394とを主に備えている。この特別図柄表示器390は、本例では複数の色を発光することのできる4つのLEDから構成されており、第一始動口330及び第二始動口332への遊技球の入賞に応じて、夫々のLEDが消灯、点灯、点滅、変色などをして、各始動口に対応した特別図柄を表示するようになっている。
また、保留ランプ391は、4つのLEDからなり、夫々のLEDが消灯、点滅、点灯、することができ、それらLEDの点滅、点灯の組合せにより、第一始動口330及び第二始動口332への遊技球の入賞による始動保留数を表示し、夫々4つまで始動保留を表示させることができるようになっている。
更に、発光装飾部393は、前側に配置された透光性を有するレンズ部395の後側に、種々の色を発光することのできる複数のLEDを有した発光基板396が配置されており、そのLEDの発光により、光による装飾ができるようになっている。
また、遊技領域内装飾体215の正面視左側の一般入賞口394は、入賞した遊技球が遊技領域内装飾体215の内部を通って、遊技領域内装飾体215の後側下部に開口した排出口397から外部へ排出されるようになっている。また、正面視右側の一般入賞口394は、入賞した遊技球が排出口397の略上側に設けられた排出部398から排出されるようになっており、この排出部398から遊技球がやや右側に誘導されるように外部へ排出されるようになっている。なお、この遊技領域内装飾体215には、正面視左側の一般入賞口394に入賞した遊技球を検出することができるように、センサ取付部399が備えられている(図29参照)。
この遊技領域内装飾体215は、その前後方向の略中間に、遊技盤ベース212の該当する貫通口211の外形よりも外方に延びるフランジ部400が備えられており、遊技盤ベース212の前側から、その後側を該当する貫通口211に挿入し、フランジ部400の後面側を遊技盤ベース212の前面側と当接させて貫通口211が前側から見えないように隠蔽すると共に、フランジ部400をその前側からビス(図示しない)により遊技盤ベース212に取り付けることで、遊技領域内装飾体215が遊技盤ベース212に固定されるようになっている(図11及び図14参照)。
次に、排出誘導部材218は、遊技盤ベース212を挟んで主入賞口ユニット214及び遊技領域内装飾体215の後側に配置され、遊技盤ベース212に固定された主入賞口ユニット214及び遊技領域内装飾体215の遊技盤ベース212の後面よりも後側に突出した部分の一部を覆うように形成され、主入賞口ユニット214及び遊技領域内装飾体215の入賞口に入賞した遊技球を誘導する各種誘導路を備えたものである(図25参照)。
この排出誘導部材218は、遊技盤ベース212の後面と当接し遊技盤ベース212に取付固定するためのビス(図示しない)を挿通する挿通孔410を有した取付固定部411と、主入賞口ユニット214の始動口開閉駆動ユニット350及びアタッカ装置335のケーシング375の一部を収容可能な収容凹部412と、主入賞口ユニット214の第一始動口330から続く球樋382と対応し第一始動口330に受入れられた遊技球を排出誘導部材218の下方へ誘導して排出する第一始動口排出誘導路413と、主入賞口ユニット214の正面視右側に配置された一般入賞口336から続く球樋382と対応し当該一般入賞口336に受入れられた遊技球を排出誘導部材218の下方から排出する右一般入賞口排出流路414と、主入賞口ユニット214の正面視左側に配置された一般入賞口336から続く球樋382と対応し当該一般入賞口336に受入れられた遊技球を排出誘導部材218の下方から排出する左一般入賞口排出流路415と、第一始動口排出流路413内を流通する遊技球を検出することで遊技球が第一始動口330に入賞したことを検出する第一始動口センサ416と、右一般入賞口排出流路414内の遊技球を検出することで右側の一般入賞口336に遊技球が入賞したことを検出する右一般入賞口センサ417aと、左一般入賞口排出流路415内の遊技球を検出することで左側の一般入賞口336に遊技球が入賞したことを検出する左一般入賞口センサ417bとを備えている。
この排出誘導部材218は、遊技領域内装飾体215の二つの一般入賞口394に受入れられた遊技球を、左一般入賞口排出流路415を介して排出誘導部材218の下方へ排出するようになっている。具体的には、左一般入賞口排出流路415には、遊技領域内装飾体215の排出口397から排出された遊技球を受けて左一般入賞口センサ417bへ導く第一誘導部418と、遊技領域内装飾体215の排出部398から排出された遊技球を受けて左一般入賞口センサ417bへ導く第二誘導部419とを備えている。なお、第二誘導部419には、第二誘導部419内の遊技球を検出できるようにセンサ取付部420が形成されている。
この排出誘導部材218は、上述のように、主入賞口ユニット214及び遊技領域内装飾体215における第一始動口330、一般入賞口336,394に受入れられた遊技球を検出すると共に、排出誘導部材218の下方へ排出することができるようになっている(図30参照)。なお、左一般入賞口センサは、主入賞口ユニット214の左側の一般入賞口336に受入れられた遊技球だけでなく、遊技領域内装飾体215の二つの一般入賞口394に受入れられた遊技球も検出することができるようになっており、入賞口の数に対して検出センサの数を少なくすることができるようになっている。また、遊技領域内装飾体215及び排出誘導部材218には、夫々センサ取付部399及びセンサ取付部420が設けられており、これらセンサ取付部399,420に遊技球の検出センサを取り付けることで、上記の何れの入賞口に遊技球が受入れられたのかを判別することができるようになり、各入賞口の差別化ができるようになっている。
(後装飾体の構成について)
次に、後装飾体216の構成について、図31乃至図52、及び図58に基づいて詳細に説明する。図31は後装飾体を斜め前方から示す斜視図であり、図32は後装飾体を分解して斜め前方から示す分解斜視図である。図33は後装飾体を分解して斜め後方から示す分解斜視図である。図34は後装飾体における第一装飾可動体ユニットを斜め前方から示す斜視図であり、図35は第一装飾可動体ユニットを主要部毎に分解して斜め前方から示す分解斜視図である。図36の(A)は第一装飾可動体ユニットにおける第一装飾可動体を分解して斜め前方から示す分解斜視図であり、(B)は第一装飾可動体におけるレンズ部を示す拡大正面図である。図37は第一装飾可動体ユニットにおける第一装飾可動体駆動ユニットを斜め前方から示す斜視図であり、図38は第一装飾可動体駆動ユニットを斜め後方から示す斜視図である。図39は第一装飾可動体駆動ユニットを主要部毎に分解して示す分解斜視図である。図40は図39よりも更に分解して示す分解斜視図である。
図41の(A)は第一装飾可動体駆動ユニットにおける第一昇降部材を示す斜視図であり、(B)は第一昇降部材の分解斜視図である。図42は第一昇降部材における第一装飾可動体ソレノイドと回動伝達部材との関係を示す説明図である。図43は後装飾体における第二装飾可動体ユニットを斜め前方から示す斜視図であり、図44は第二装飾可動体ユニットを主要部毎に分解して斜め前方から示す分解斜視図である。図45は第二装飾可動体ユニットにおける第二装飾可動体を分解して示す分解斜視図である。図46は第二装飾可動体ユニットにおける第二装飾可動体駆動ユニットを斜め前方から示す斜視図である。図47は第二装飾可動体駆動ユニットを主要部毎に分解して示す分解斜視図である。図48は図47よりも更に分解して示す分解斜視図である。図49の(A)は第二装飾可動体駆動ユニットにおける第二昇降部材を示す斜視図であり、(B)は第二昇降部材の分解斜視図である。図50は第二昇降部材における第二装飾可動体ソレノイドとリンク機構との関係を示す説明図である。図51は装飾可動体ユニットカバーを斜め前方から示す斜視図であり、図52は装飾可動体ユニットカバーの要部を示す説明図である。図58は第一装飾可動体におけるレンズ部の別の形態を示す拡大正面図である。
この後装飾体216は、遊技盤ベース212の後面側で正面視中央よりも右側に取付固定され主に上下方向に移動し所定のキャラクタの上顎を含む顔上部が造形された第一装飾可動体430を有した第一装飾可動体ユニット431と、第一装飾可動体ユニット431に対して左右方向反対側の遊技盤ベース212の後面側に取付固定され第一装飾可動体430の下側で上下方向に移動し第一装飾可動体430と対応する下顎が造形された第二装飾可動体432を有した第二装飾可動体ユニット433と、第一装飾可動体ユニット431及び第二装飾可動体ユニット433の外周側と後側を覆い中央に矩形状の開口434を有すると共に後側に演出表示装置217が取付可能とされた装飾可動体ユニットカバー435と、第一装飾可動体ユニット431と装飾可動体ユニットカバー435との間に配置される第一装飾体436と、第二装飾可動体ユニット433と装飾可動体ユニットカバー435との間に配置される第二装飾体437とを備えている。
この後装飾体216は、第一装飾可動体ユニット431の第一装飾可動体430と、第二装飾可動体ユニット433の第二装飾可動体432とを、互いに接近させたり離反させたりするように夫々を上下方向に移動させることで、所定のキャラクタの口が開いたり閉じたりするような演出動作をさせることができるものである。
この後装飾体216の第一装飾可動体ユニット431は、所定のキャラクタの上顎から眉毛までの間の顔上部を造形した第一装飾可動体430と、第一装飾可動体430を上下方向に移動させると共に遊技盤5の左右方向に延びる軸周りに回動させ、遊技盤ベース212の後面側に取付固定される第一装飾可動体駆動ユニット450と、第一装飾可動体駆動ユニット450に取り付けて装飾するユニット装飾体451とを備えている。
この第一装飾可動体ユニット431の第一装飾可動体430は、略黒色のレンズ部452を有したサングラス453と、キャラクタの目に相当する位置に貫通する開口孔454を有した第一装飾可動体本体455と、第一装飾可動体本体455の後側に配置され第一装飾可動体本体455の開口孔454を介して前側に所定色の光を発光可能な複数のLED456が取り付けられた発光基板457と、発光基板457の後側に配置され、サングラス453、第一装飾可動体本体455、及び発光基板457と一体に組み付けられるベース部材458とを備えている。なお、第一装飾可動体430が本発明の「光学表示装置」に、LED456が「発光手段」に、夫々該当する。
この第一装飾可動体430におけるサングラス453のレンズ部452は、図示するように、発光基板457のLED456が発する光の色に応じて、その表面に模様が現れるようになっており、具体的には、LED456から赤色の光が発せられると「三日月状の模様」が現れ、LED456から青色の光が発せられるとキャラクタに関係する「所定の漢字」(ここでは、「所」)が現れるようになっている。このレンズ部452の構造は、上述の「三日月状の模様」と「所定の漢字」とが重なるように配置されていると共に、重なった部分が無色又は白色の透光性を有する白色部459とされ、「三日月状の模様」の重なっていない部分が赤色の透光性を有する赤色部460とされると共に、「所定の漢字」の重なっていない部分が青色の透光性を有する青色部461とされ、その他の部分が略黒色の黒色部462とされている。なお、赤色部460が本発明の「第一透過手段」に、青色部461が「第二透過手段」に、白色部459が「重複部」に、黒色部462が「遮光性の部材」に夫々該当する。これに伴って、赤色が本発明の「第一色」に、青色が「第二色」に対応している。
本例ではレンズ部452が上述の構成となっているので、例えば、LED456から赤色の光を照射すると、白色部459と赤色部460では、その赤色光が透過し、青色部461及び黒色部462では赤色光が透過しないので、白色部459と赤色部460とによる「三日月状の模様」が現れる。一方、LED456から青色の光を照射すると、白色部459と青色部461では青色光が透過し、赤色部460と黒色部462では青色光が透過しないので、白色部459と青色部461とによる「所定の漢字」が現れることとなる。このように、有色光と透光性を有した有色部材とを適宜組み合わせることで、LCD等の高価な表示装置を用いなくても容易に所望の模様を表示することができるようになっている。
ところで、図36における白色部459、赤色部460、及び青色部461を、図58に示す白色部500、赤色部501、及び青色部502とすることで、別途の新たな模様を用いた演出を行うことができる。白色部500、赤色部501、及び青色部502における光の透過状態は、白色部459、赤色部460、及び青色部461と同様であり、LED456から赤色の光を照射すると、白色部500と赤色部501とによる「三日月状の模様」(笑い顔の目の模様)が現れる。一方、LED456から青色の光を照射すると、白色部500と青色部502とによる「泣き顔の目の模様」が現れる。このように、例えば液晶表示装置のような比較的重い表示装置を用いなくとも、シート状部材であるレンズ部452とLED456のみでキャラクターの表情を変えることができるため、第一装飾可動体本体455のような可動する部材にも好適に表示装置を付加することができる。
また、比較的簡単にキャラクターの表情を変えられるから、遊技者の目を強く惹き付ける面白味のある遊技機が提供できる。
なお、本例では、LED456が取り付けられる発光基板457が、遮光性の高い部材(本発明の「遮光手段」に該当)に形成されている。具体的には、発光基板457の裏側に遮光性の高い黒色塗料や黒色フィルム等からなる遮光部材が備えられている。これにより、レンズ部452の後側からLED456以外の光が入光するのを防止して、LED456の消灯時に、黒色部462以外の白色部459、赤色部460、及び青色部461が見えるのを抑制するようになっている。また、光源としてLED456を用いており、他の光源と比較して発光させる色の波長帯域が狭く他の色の成分の含有が少ないので、より確実に所望の色の模様を現すことができるようになっている。
また、第一装飾可動体430には、そのベース部材458に第一装飾可動体駆動ユニット450に固定支持されるための固定部463が備えられており、この固定部463により第一装飾可動体430が第一装飾可動体駆動ユニット450に支持されるようになっている。
次に、第一装飾可動体駆動ユニット450は、第一装飾可動体430を支持し第一装飾可動体430と共に上下方向に昇降する第一昇降部材470と、第一昇降部材470を上下方向に案内する案内レール471と、案内レール471の上端部を支持する第一上部支持部材472と、案内レール471の下端部を支持する第一下部支持部材473と、第一上部支持部材472及び第一下部支持部材473を上下方向に所定距離離間して支持すると共に遊技盤ベース212の後面側と当接する取付当接面474を有し板金を屈曲形成した第一ベース475と、第一ベース475の第一上部支持部材472の反対側に配置され第一ベース475及び第一上部支持部材472を貫通してその回転する駆動軸476が突出する第一駆動モータ477と、第一駆動モータ477の駆動軸476の回転に伴って回転する駆動プーリ478と、駆動プーリ478と対となるように第一下部支持部材473の近傍に配置される従動プーリ479と、駆動プーリ478と従動プーリ479とに巻き掛けられる駆動ベルト480と、駆動ベルト480の一部を第一昇降部材470と連結固定するベルト固定部481とを備えている。
なお、本例では、第一駆動モータ477による駆動プーリ478の回転駆動は、第一駆動モータ477の駆動軸476に固定された駆動ギヤ482の回転が、駆動ギヤ482の上側に配置され駆動ギヤ482と噛合し駆動プーリ478と一体に回転する伝達ギヤ483に伝達されることで駆動プーリ478が回転駆動するようになっている。この駆動ギヤ482と伝達ギヤ483を用いることで、第一駆動モータ477の駆動軸476よりも駆動プーリ478の位置をより高くして第一昇降部材470の上下方向の可動範囲が大きくなるようになっている。また、駆動ベルト480の内周面には全周に亘って所定間隔で係合歯484が設けられていると共に、駆動プーリ478には係合歯484と係合する被係合歯485が歯車状に設けられており(図40参照)、被係合歯485と係合歯484との係合により駆動プーリ478の回転駆動が確実に駆動ベルト480に伝達されるようになっている。なお、従動プーリ479は、被係合歯のない平プーリとされている。
この第一装飾可動体駆動ユニット450には、第一昇降部材470が案内レール471の延びる軸方向周りに回転するのを防止するための第一回転防止手段490が更に備えられている。この第一回転防止手段490は、第一上部支持部材472及び第一下部支持部材473にその上端及び下端が支持されると共に案内レール471と略平行に配置される案内ロッド491と、前後方向から案内ロッド491に当接可能とされ第一昇降部材470に取り付けられる案内部材492とを備えている。この第一回転防止手段490は、図示するように、案内ロッド491が案内レール471の右側に所定距離離れて配置されていると共に、断面が略コ字状とされた案内部材492が案内ロッド491の前後側の何れかに当接することで、第一昇降部材470が案内レール471の軸芯周りに回転するのを良好に防止することができるようになっている。
なお、本例では、案内レール471及び案内ロッド491は、共に金属製の丸棒とされており、案内レール471の表面には摺動抵抗を低減させるための摩擦低減層が形成されている。この摩擦低減層は、例えば、フッ素系樹脂としてポリテトラフルオロエチレン(PTFE,(例えば、テフロン(登録商標)))が所定の厚さでコーティングされており、これにより、案内レール471により案内される第一昇降部材470の動摩擦抵抗の値と静摩擦抵抗の値とを可及的に近づけることができ、静止した第一昇降部材470が移動を開始する際に滑らかに移動開始させることができると共に、案内レール471等の摩耗を低減させて耐久性を向上させることができるようになっている。また、案内ロッド491の表面は、クロムメッキが施されており、錆び等の腐食を防止して耐久性を高めると共に、案内レール471よりは安価なものとなりコストが増加するのを防止することができるようになっている。
また、第一装飾可動体駆動ユニット450には、駆動ベルト480に所定の張力を付与するテンション機構493を更に備えている。このテンション機構493は、案内レール471に案内されると共に従動プーリ479を回転可能に支持する移動体494と、一端が移動体494に他端が第一ベース475に取付けられ移動体494を下方に付勢するテンションバネ495とを備えている。
このテンション機構493の移動体494は、案内レール471を挿通する案内孔496と、下方に開放され従動プーリ479の両端から突出する軸部497を係止するフック状の係止部498と、案内孔496と係止部498との間に配置されテンションバネ495の一端を取付けるバネ取付部499とを備えている。これにより、従動プーリ479に駆動ベルト480を巻き掛けた状態で、従動プーリ479を移動体494に支持させることができ、組立が容易にできるようになっている。また、案内孔496と従動プーリ479の軸部497を係止する係止部498との間でテンションバネ495により駆動ベルト480を引張るようにしているので、案内レール471の軸に対して案内孔496の軸が大きく傾くのを防止すことができ、案内レール471における移動体494の摺動抵抗が増加するのを抑制し、移動体494がスムーズに移動できるようになっていると共に、移動体494の姿勢が大きく変化するのを防止して駆動ベルト480に良好にテンションがかかるようになっている。
この第一装飾可動体駆動ユニット450は、図示するように、駆動プーリ478が上側に、従動プーリ479が下側に夫々配置されていると共に、駆動プーリ478と従動プーリ479とに巻き掛けられる駆動ベルト480が、従動プーリ479を介してテンション機構493により下方に付勢されるようになっている。また、駆動ベルト480に第一昇降部材470が固定されているので、第一昇降部材470及び第一装飾可動体430の重量が駆動ベルト480にかかり、駆動ベルト480の一方側のみに下方に引張る力が作用するようになっていると共に、第一昇降部材470及び第一装飾可動体430の重量により駆動ベルト480が駆動プーリ478に強く巻き掛けられるようになっている。
一方、上側の駆動プーリ478には、駆動ベルト480の係合歯484と係合する被係合歯485が備えられており、第一昇降部材470及び第一装飾可動体430の重量によって駆動ベルト480が駆動プーリ478に強く巻き掛けられることで駆動ベルト480の係合歯484と駆動プーリ478の被係合歯485との係合がより強くなると共に、第一駆動モータ477による駆動プーリ478の回転が阻止されることで、駆動ベルト480の回転が阻止され、第一昇降部材470及び第一装飾可動体430の重量が駆動ベルト480を介して駆動プーリ478に支持されることとなり、第一昇降部材470及び第一装飾可動体430の重量が下側の従動プーリ479やテンション機構493にかからないようになっている。これにより、テンション機構493に余分な負荷をかけることなく良好に第一昇降部材470等を上下動させることができると共に、テンション機構493による付勢力を最小限のものとしてテンション機構493等にかかるコストを低減させることができるようになっている。
ところで、駆動プーリ478と従動プーリ479及びテンション機構493の上下配置を逆にした場合、第一昇降部材470及び第一装飾可動体430の重量が駆動ベルト480を介して従動プーリ479にかかるが、従動プーリ479には、駆動ベルト480の係合歯484と係合する被係合歯が備えられておらず、また、従動プーリ479は自由回転するようになっているので、従動プーリ479により第一昇降部材470及び第一装飾可動体430の重量を支持することができず、第一昇降部材470が降下すると共に、駆動ベルト480が所定方向に回転することとなる。また、下側の駆動プーリ478では駆動ベルト480が第一昇降部材470及び第一装飾可動体430の重量により下方に引張られるので、駆動プーリ478での駆動ベルト480の巻き掛け力が弱くなる。つまり、駆動ベルト480の係合歯484と駆動プーリ478の被係合歯485との係合が弱くなり、互いに滑り易くなる。
そして、駆動プーリ478と駆動ベルト480との間で滑が発生すると、駆動ベルト480が第一駆動モータ477の回転に関係なく、第一昇降部材470及び第一装飾可動体430の重量によって回転してしまい、第一昇降部材470が下降することとなり、第一昇降部材470を良好に上下動させることができなくなる。そこで、テンション機構493による付勢力を大きくすることで、駆動プーリ478と駆動ベルト480との滑りを防止することが考えられるが、付勢力を大きくすると、テンション機構493だけでなく、駆動プーリ478、従動プーリ479、駆動ベルト480、及び第一ベース475等の強度を高くする必要があり、第一装飾可動体駆動ユニット450のコストが高くなる問題が発生することとなり、本例のように、駆動プーリ478を上側に、従動プーリ479を下側に夫々配置することが望ましい。
本例の第一装飾可動体駆動ユニット450では、また、第一ベース475に、第一上部支持部材472と第一下部支持部材473の取付位置を位置決めするための位置決め孔510が穿設されていると共に、第一上部支持部材472及び第一下部支持部材473の第一ベース475との当接部には、位置決め孔510と嵌合する位置決め突起511が夫々形成されている。これにより、第一ベース475の位置決め孔510に、対応する第一上部支持部材473及び第一下部支持部材473の位置決め突起511を嵌合させた上で、夫々を第一ベース475に固定することで、第一上部支持部材472及び第一下部支持部材473を所定位置に正確に位置させることができ、案内レール471、駆動プーリ478、及び従動プーリ479等の組立精度を高精度且つ容易に組み立てられるようになっている。なお、第一ベース475の取付当接面474には、遊技盤ベース212に取付固定するための取付孔512が穿設されている。
この第一装飾可動体駆動ユニット450では、図示するように、その第一ベース475の取付当接面474が、第一ベース475の上部に備えられており、遊技盤ベース212に対して、第一ベース475の上部のみが取付固定されるようになっている。これにより、遊技盤ベース212への取付箇所を少なくすることができ、組立コストを低減させることができるようになっている。また、第一ベース475の上部で遊技盤ベース212に固定するようにしている、つまり、第一ベース475にかかる重量の重心よりも上側で固定しているので、仮に第一ベース475がその取付当接面474を中心として左右に振れても、その重心にかかる重力により元の位置に復帰しようとするので第一ベース475をその上部のみで固定しても、第一ベース475を良好な状態で固定することができるようになっている。即ち、第一装飾可動体駆動ユニット450を、遊技盤ベース212に良好に取付固定できるようになっている。
次に、第一装飾可動体駆動ユニット450の第一昇降部材470は、第一装飾可動体430が取付支持される棒状の支持シャフト530と、支持シャフト530に挿通される二つの支持ブッシュ531と、案内レール471に挿通される二つの支持ブッシュ532と、案内レール471を挿通可能な挿通孔533を有し案内レール471に挿通される二つの支持ブッシュ532を上下方向に所定間隔離れて位置させると共に、支持シャフト530に挿通される二つの支持ブッシュ531を左右方向に所定間隔離れて位置させることの可能な本体部534と、本体部534の後側に配置され本体部534と協働して案内レール471に挿通される二つの支持ブッシュ532及び支持シャフト530に挿通される二つの支持ブッシュ531の位置を固定するブッシュ固定部材535とを備えている。
この第一昇降部材470の本体部534には、その挿通孔533の両端に案内レール471に挿通される支持ブッシュ532を嵌合可能な段付凹部536が形成されていると共に、挿通孔533の内径は案内レール471が接触しない径とされ、挿通孔533と案内レール471との間には所定寸法のクリアランスが形成されるようになっている。また、本体部534には、支持シャフト530に挿通される二つの支持ブッシュ531を嵌合可能な半円筒状の嵌合凹部537が、左右方向に所定距離離れて対向するように形成されていると共に、対向する二つの嵌合凹部537の間には、半円筒状の収容部538が形成されており、支持ブッシュ531に挿通支持された支持シャフト530が本体部534と接触しないようになっている。
一方、第一昇降部材470のブッシュ固定部材535には、前側に延在された平面視略U字状の抜止片539が二つ形成されていると共に、これら抜止片539の距離が本体部534の挿通孔533の長さに対応した距離とされており、本体部534にブッシュ固定部材535を組み付けることで、二つの抜止片539によって挿通孔533の段付凹部536に嵌合された支持ブッシュ532が、段付凹部536から抜けるのを防止するようになっている。
また、ブッシュ固定部材535には、その前側の本体部534の二つの嵌合凹部537と対応する位置に、支持シャフト530に挿通される二つの支持ブッシュ531を嵌合可能な半円筒状の嵌合凹部540が形成されていると共に、二つの嵌合凹部540の間には半円筒状の収容部541が形成されている。このブッシュ固定部材535の嵌合凹部540と本体部534の嵌合凹部537に夫々支持シャフト530に挿通される支持ブッシュ531を嵌合させ上で、本体部534にブッシュ固定部材535を組付固定することで、二つの支持ブッシュ531が所定距離離反した位置に固定支持されるようになっている。
また、本体部534の収容部538とブッシュ固定部材535の収容部541とにより、二つの支持ブッシュ531の間では支持シャフト530との間に所定寸法のクリアランスが形成されるようになっている。
更に、ブッシュ固定部材535には、その後側に、下側の抜止片539よりも下方に延び、上下方向に延びる溝を有した延出部542が形成されている。この延出部542は、第一装飾可動体430の発光基板457に接続される複数の配線コードを保持するものである。
上述のように、本体部534にブッシュ固定部材535を組み付けることで、各支持ブッシュ531,532が所定の位置に固定支持されると共に、夫々二つの支持ブッシュ532及び支持ブッシュ531によって、案内レール471及び支持シャフト531が相対回転可能且つそれらの軸方向に相対摺動可能に支持されるようになっている。なお、本体部534の挿通孔533の長さは、案内レール471に案内される第一昇降部材470が他の部材に支障を来たさない最大の長さとされており、これによって、二つの支持ブッシュ532の距離を可及的に長くすることができ、案内レール471に対する第一昇降部材470のガタツキを小さくすることができるようになっている。
本例の第一昇降部材470には、本体部534に取付けられ前後方向に進退可能なプランジャ550を有した第一装飾可動体ソレノイド551と、一端が第一装飾可動体ソレノイド551におけるプランジャ550先端の鍔部552に係止され他端が支持シャフト531に一体回転可能に固定される回動伝達部材553とを更に備えている。この第一装飾可動体ソレノイド551は、支持シャフト530の下方で支持シャフト530とプランジャ550とが交差するような位置に配置されており、プランジャ550を進退させることで回動伝達部材553を介して支持シャフト530をその軸周りに所定角度範囲内で回動させることができるようになっている。なお、本体部534及びブッシュ固定部材535には、回動伝達部材553の一部を収容可能な収容窪部554が夫々形成されており、この収容窪部554に回動伝達部材553を収容させることで、回動伝達部材553の左右方向の移動を規制することができる、つまり、支持シャフト530の左右方向(その軸方向)の移動が規制されるようになっており、支持シャフト530が本体部534及びブッシュ固定部材535により固定支持された支持ブッシュ531から抜けないようになっている。
なお、第一昇降部材470の本体部534には、挿通孔533の前面側に駆動ベルト480を固定するベルト固定部481が取付けられていると共に、第一装飾可動体ソレノイド551が取付けられる取付部555の下側に第一回転防止手段490の案内部材492が取付けられている。また、図中符号556は、本体部534の前側に取付けられる装飾体である。
また、第一昇降部材470には、そのブッシュ固定部材535の後側に位置検出片557が設けられている。この位置検出片557は、装飾可動体ユニットカバー435の所定位置に取付けられる第一装飾可動体位置検出センサ558に検出されるようになっており、本例では、第一昇降部材470が上側端に位置した時に、第一装飾可動体位置検出センサ558によって検出されるようになっている。
この第一昇降部材470は、図示するように、案内レール471を挿通する挿通孔533の左側に支持シャフト530を大きく延びださせて第一装飾可動体430を支持すると共に、挿通孔533の右側に第一装飾可動体ソレノイド551を配置して、挿通孔533を挟んで、第一昇降部材470の左右の重量バランスのアンバランスが少なくなるようになっており、案内レール471や支持ブッシュ532が偏摩耗するのを抑制するようにしている。
次に、第一装飾可動体ユニット431のユニット装飾体451は、図示するように、第一装飾可動体駆動ユニット450の左側面に取付けられ、第一装飾可動体駆動ユニット450の案内レール471、従動プーリ479、駆動ベルト480、及びテンション機構493等が遊技盤5の前側から視認し難くなるように、それらを覆うと共に、表面の装飾により第一装飾可動体ユニット431を装飾するものである。このユニット装飾体451には、第一装飾可動体駆動ユニット450から延びる支持シャフト530が通過可能とされていると共に、支持シャフト530が上下方向に移動できるように、上下方向に延びた開口部570を備えている。
本例の第一装飾可動体ユニット431は、第一駆動モータ477の回転駆動により、第一昇降部材470、つまり、第一装飾可動体430を上下方向に移動させることができると共に、第一装飾可動体ソレノイド551により第一装飾可動体430を前後方向に回動させることができるようになっている。
続いて、後装飾体216の第二装飾可動体ユニット433は、第一装飾可動体430の所定のキャラクタの下顎部分を造形した第二装飾可動体432と、第二装飾可動体を上下方向に移動させると共に遊技盤5の左右方向に延びる軸周りに回動させ、遊技盤ベース212の後面側に取付固定される第二装飾可動体駆動ユニット610と、第二装飾可動体駆動ユニット610に取り付けて装飾するユニット装飾体611とを備えている。
この第二装飾可動体ユニット433の第二装飾可動体432は、所定のキャラクタの唇と下歯が造形された第二装飾可動体本体612と、第二装飾可動体本体612の顎内に配置されると共に所定のキャラクタの舌として造形され透光性を有した舌部材613と、舌部材613と第二装飾可動体本体612との間に配置され舌部材613に向かって光を照射するように複数のLED614を有した発光基板615と、発光基板615と舌部材613との間に配置され第二装飾可動体駆動ユニット610に支持されると共に発光基板615からの光を拡散させるレンズ部616を有したベース部材617とを備えている。
この第二装飾可動体432は、発光基板615のLED614が発光することで、その舌部材613が光るようになっている。
また、第二装飾可動体432には、そのベース部材617に第二装飾可動体駆動ユニット610に固定支持されるための固定部618が備えられており、この固定部618により第二装飾可動体432が第二装飾可動体駆動ユニット610に支持されるようになっている。
次に、第二装飾可動体駆動ユニット610は、第二装飾可動体432を支持し第二装飾可動体432と共に上下方向に昇降する第二昇降部材630と、第二昇降部材630を上下方向に案内する案内レール631と、案内レール631の上端部を支持する第二上部支持部材632と、案内レール631の下端部を支持する第二下部支持部材633と、第二上部支持部材632及び第二下部支持部材633を上下方向に所定距離離間して支持すると共に遊技盤ベース212の後面側と当接する取付当接面634を有し板金を屈曲形成した第二ベース635と、第二ベース635の第二上部支持部材632の反対側に配置され第二ベース635及び第二上部支持部材632を貫通してその回転する駆動軸636が突出する第二駆動モータ637と、第二駆動モータ637の駆動軸636の回転に伴って回転する駆動プーリ638と、駆動プーリ638と対となるように第二下部支持部材633の近傍に配置される従動プーリ639と、駆動プーリ638と従動プーリ639とに巻き掛けられる駆動ベルト640と、駆動ベルト640の一部を第二昇降部材630と連結固定するベルト固定部641とを備えている。
なお、本例では、第二駆動モータ637による駆動プーリ638の回転駆動は、第二駆動モータ637の駆動軸636に固定された駆動ギヤ642の回転が、駆動ギヤ642の略下側に配置され駆動ギヤ642と噛合し駆動プーリ638と一体に回転する伝達ギヤ643に伝達されることで駆動プーリ638が回転駆動するようになっている。また、駆動ベルト640の内周面には全周に亘って所定間隔で係合歯644が設けられていると共に、駆動プーリ638には係合歯644と係合する被係合歯645が歯車状に設けられており、被係合歯645と係合歯644との係合により駆動プーリ638の回転駆動が確実に駆動ベルト640に伝達されるようになっている。なお、従動プーリ639は、被係合歯のない平プーリとされている。
この第二装飾可動体駆動ユニット610には、第二昇降部材630が案内レール631の延びる軸方向周りに回転するのを防止するための第二回転防止手段650が更に備えられている。この第二回転防止手段650は、第二上部支持部材632及び第二下部支持部材633にその上端及び下端が支持されると共に案内レール631と略平行に配置される案内ロッド651と、左右方向から案内ロッド651に当接可能とされ第二昇降部材630に取り付けられる案内部材652とを備えている。この第二回転防止手段650は、図示するように、案内ロッド651が案内レール631の後側に所定距離離れて配置されていると共に、断面が略コ字状とされた案内部材652が案内ロッド651の左右側の何れかに当接することで、第二昇降部材630が案内レール631の軸芯周りに回転するのを良好に防止することができるようになっている。
なお、本例では、案内レール631及び案内ロッド651は、共に金属製の丸棒とされており、案内レール631の表面には摺動抵抗を低減させるための摩擦低減層が形成されている。この摩擦低減層は、例えば、フッ素系樹脂としてポリテトラフルオロエチレン(PTFE,(例えば、テフロン(登録商標)))が所定の厚さでコーティングされており、これにより、案内レール631により案内される第二昇降部材630の動摩擦抵抗の値と静摩擦抵抗の値とを可及的に近づけることができ、静止した第二昇降部材630が移動を開始する際に滑らかに移動開始させることができると共に、案内レール631等の摩耗を低減させて耐久性を向上させることができるようになっている。また、案内ロッド651の表面は、クロムメッキが施されており、錆び等の腐食を防止して耐久性を高めると共に、案内レール631よりは安価なものとなりコストが増加するのを防止することができるようになっている。
また、第二装飾可動体駆動ユニット610には、駆動ベルト640に所定の張力を付与するテンション機構653を更に備えている。このテンション機構653は、第一装飾可動体駆動ユニット450に備えられたテンション機構493と同じ機構であり、案内レール631に案内されると共に従動プーリ639を回転可能に支持する移動体654と、一端が移動体654に他端が第二ベース635に取付けられ移動体654を下方に付勢するテンションバネ655とを備えている。
このテンション機構653の移動体654は、案内レール631を挿通する案内孔656と、下方に開放され従動プーリ639の両端から突出する軸部657を係止するフック状の係止部658と、案内孔656と係止部658との間に配置されテンションバネ655の一端を取付けるバネ取付部659とを備えている。これにより、従動プーリ639に駆動ベルト640を巻き掛けた状態で、従動プーリ639を移動体654に支持させることができ、組立が容易にできるようになっている。また、案内孔656と従動プーリ639の軸部657を係止する係止部658との間でテンションバネ655により駆動ベルト640を引張るようにしているので、案内レール631の軸に対して案内孔656の軸が大きく傾くのを防止すことができ、案内レール631における移動体654の摺動抵抗が増加するのを抑制し、移動体654がスムーズに移動できるようになっていると共に、移動体654の姿勢が大きく変化するのを防止して駆動ベルト480に良好にテンションがかかるようになっている。
この第二装飾可動体駆動ユニット610は、図示するように、駆動プーリ638が上側に、従動プーリ639が下側に夫々配置されていると共に、駆動プーリ638と従動プーリ639とに巻き掛けられる駆動ベルト640が、従動プーリ639を介してテンション機構653により下方に付勢されるようになっている。また、駆動ベルト640に第二昇降部材630が固定されているので、第二昇降部材630及び第二装飾可動体432の重量が駆動ベルト640にかかり、駆動ベルト640の一方側のみに下方に引張る力が作用するようになっていると共に、第二昇降部材630及び第二装飾可動体432の重量により駆動ベルト640が駆動プーリ638に強く巻き掛けられるようになっている。
一方、上側の駆動プーリ638には、駆動ベルト640の係合歯644と係合する被係合歯645が備えられており、第二昇降部材630及び第二装飾可動体432の重量によって駆動ベルト640が駆動プーリ638に強く巻き掛けられることで駆動ベルト640の係合歯644と駆動プーリ638の被係合歯645との係合がより強くなると共に、第二駆動モータ637による駆動プーリ638の回転が阻止されることで、駆動ベルト640の回転が阻止され、第二昇降部材630及び第二装飾可動体432の重量が駆動ベルト640を介して駆動プーリ638に支持されることとなり、第二昇降部材630及び第二装飾可動体432の重量が下側の従動プーリ639やテンション機構653にかからないようになっている。これにより、テンション機構653に余分な負荷をかけることなく良好に第二昇降部材630等を上下動させることができると共に、テンション機構653による付勢力を最小限のものとしてテンション機構653等にかかるコストを低減させることができるようになっている。
ところで、駆動プーリ638と従動プーリ639及びテンション機構653の上下配置を逆にした場合、第二昇降部材630及び第二装飾可動体432の重量が駆動ベルト640を介して従動プーリ639にかかるが、従動プーリ639には、駆動ベルト640の係合歯644と係合する被係合歯645が備えられておらず、また、従動プーリ639は自由回転するようになっているので、従動プーリ639により第二昇降部材630及び第二装飾可動体432の重量を支持することができず、第二昇降部材630が降下すると共に、駆動ベルト640が所定方向に回転することとなる。また、下側の駆動プーリ638では駆動ベルト640が第二昇降部材630及び第二装飾可動体432の重量により下方に引張られるので、駆動プーリ638での駆動ベルト640の巻き掛け力が弱くなる。つまり、駆動ベルト640の係合歯644と駆動プーリ638の被係合歯645との係合が弱くなり、互いに滑り易くなる。
そして、駆動プーリ638と駆動ベルト640との間で滑が発生すると、駆動ベルト64が第二駆動モータ637の回転に関係なく、第二昇降部材630及び第二装飾可動体432の重量によって回転してしまい、第二昇降部材630が下降することとなり、第二昇降部材630を良好に上下動させることができなくなる。そこで、テンション機構653による付勢力を大きくすることで、駆動プーリ638と駆動ベルト640との滑りを防止することが考えられるが、付勢力を大きくすると、テンション機構653だけでなく、駆動プーリ638、従動プーリ639、駆動ベルト640、及び第二ベース635等の強度を高くする必要があり、第二装飾可動体駆動ユニット433のコストが高くなる問題が発生することとなり、本例のように、駆動プーリ638を上側に、従動プーリ639を下側に夫々配置することが望ましい。
本例の第二装飾可動体駆動ユニット610では、また、第二ベース635に、第二上部支持部材632と第二下部支持部材633の取付位置を位置決めするための位置決め孔670が穿設されていると共に、第二上部支持部材632及び第二下部支持部材633の第二ベース635との当接部には、位置決め孔670と嵌合する位置決め突起671が夫々形成されている。これにより、第二ベース635の位置決め孔670に、対応する第二上部支持部材632及び第二下部支持部材633の位置決め突起671を嵌合させた上で、夫々を第二ベース635に固定することで、第二上部支持部材632及び第二下部支持部材633を所定位置に正確に位置させることができ、案内レール631、駆動プーリ638、及び従動プーリ639等の組立精度を高精度且つ容易に組み立てられるようになっている。なお、第二ベース635の取付当接面634には、遊技盤ベース212に取付固定するための取付孔672が穿設されている。
この第二装飾可動体駆動ユニット610では、図示するように、その第二ベース635の取付当接面634が、第二ベース635の上部に備えられており、遊技盤ベース212に対して、第二ベース635の上部のみが取付固定されるようになっている。これにより、遊技盤ベース212への取付箇所を少なくすることができ、組立コストを低減させることができるようになっている。また、第二ベース635の上部で遊技盤ベース212に固定するようにしている、つまり、第二ベース635にかかる重量の重心よりも上側で固定しているので、仮に第二ベース635がその取付当接面634を中心として左右に振れても、その重心にかかる重力により元の位置に復帰しようとするので、第二ベース635をその上部のみで固定しても、第二ベース635を良好な状態で固定することができるようになっている。即ち、第二装飾可動体駆動ユニット610を、遊技盤ベース212に良好に取付固定できるようになっている。
次に、第二装飾可動体駆動ユニット610の第二昇降部材630は、第二装飾可動体432が取付支持される棒状の支持シャフト690と、支持シャフト690に挿通される二つの支持ブッシュ691と、案内レール631に挿通される二つの支持ブッシュ692と、案内レール631を挿通可能な挿通孔693を有し案内レールに挿通される二つの支持ブッシュ692を上下方向に所定間隔離れて位置させると共に、支持シャフト690に挿通される二つの支持ブッシュ691を左右方向に所定間隔離れて位置させることの可能な本体部694と、本体部694の後側に配置され本体部694と協働して案内レール631に挿通される二つの支持ブッシュ692及び支持シャフト690に挿通される二つの支持ブッシュ691の位置を固定するブッシュ固定部材695とを備えている。
この第二昇降部材630の本体部694には、その挿通孔693の両端に案内レール631に挿通される支持ブッシュ692を嵌合可能な段付凹部696が形成されていると共に、挿通孔693の内径は案内レール631が接触しない径とされ、挿通孔693と案内レール631との間には所定寸法のクリアランスが形成されるようになっている。また、本体部694には、支持シャフト690に挿通される二つの支持ブッシュ691を嵌合可能な半円筒状の嵌合凹部697が、左右方向に所定距離離れて対向するように形成されていると共に、対向する二つの嵌合凹部697の間には、半円筒状の収容部698が形成されており、支持ブッシュ691に挿通支持された支持シャフト690が本体部694と接触しないようになっている。
一方、第二昇降部材630のブッシュ固定部材695には、前側に延在された平面視略U字状の抜止片699が二つ形成されていると共に、これら抜止片699の距離が本体部694の挿通孔693の長さに対応した距離とされており、本体部694にブッシュ固定部材695を組み付けることで、二つの抜止片699によって挿通孔693の段付凹部696に嵌合された支持ブッシュ692が、段付凹部696から抜けるのを防止するようになっている。
また、ブッシュ固定部材695には、その前側の本体部694の二つの嵌合凹部697と対応する位置に、支持シャフト690に挿通される二つの支持ブッシュ691を嵌合可能な半円筒状の嵌合凹部700が形成されていると共に、二つの嵌合凹部700の間には半円筒状の収容部701が形成されている。このブッシュ固定部材695の嵌合凹部700と本体部694の嵌合凹部697に夫々支持シャフト690に挿通される支持ブッシュ691を嵌合させ上で、本体部694にブッシュ固定部材695を組付固定することで、二つの支持ブッシュ691が左右方向に所定距離離反した位置に固定支持されるようになっている。また、本体部694の収容部698とブッシュ固定部材695の収容部701とにより、二つの支持ブッシュ691の間では支持シャフト690との間に所定寸法のクリアランスが形成されるようになっている。
上述のように、本体部694にブッシュ固定部材695を組み付けることで、各支持ブッシュ692,691が所定の位置に固定支持されると共に、夫々二つの支持ブッシュ692及び支持ブッシュ691によって、案内レール631及び支持シャフト690が相対回転可能且つそれらの軸方向に相対摺動可能に支持されるようになっている。なお、本体部694の挿通孔693の長さは、案内レール631に案内される第二昇降部材630が他の部材に支障を来たさない最大の長さとされており、これによって、二つの支持ブッシュ692の距離を可及的に長くすることができ、案内レール631に対する第二昇降部材630のガタツキを小さくすることができるようになっている。
本例の第二昇降部材630には、ブッシュ固定部材695に取付けられ上下方向に進退可能なプランジャ710を有した第二装飾可動体ソレノイド711と、第二装飾可動体ソレノイド711におけるプランジャ710の進退により支持シャフト690を回動させるリンク機構712とを更に備えている。この第二装飾可動体ソレノイド711は、プランジャ710の先端に鍔部713が形成されていると共に、プランジャ710を前進させる方向に付勢するバネ714が備えられており、本例では、プランジャ710が第二装飾可動体ソレノイド711の下側から上下方向に進退するようになっている。
また、リンク機構712は、前後方向に延びるように配置され一端側(後側)がブッシュ固定部材695に回転可能に支持され、一端側と他端側との間に第二装飾可動体ソレノイド711におけるプランジャ710先端の鍔部713を係止する係止部715を有すると共に、他端側に長孔からなる連結部716を有した第一棹部材717と、第一棹部材717の連結部716と連結する被連結部718が一端側に形成され他端側が支持シャフト690に固定される第二棹部材719とから構成されている。この第一棹部材717は、その一端側が、支持シャフト690の後側に配置された第二装飾可動体ソレノイド711のプランジャ710よりも更に後側の位置でブッシュ固定部材695に軸支されると共に、他端側が支持シャフト690よりも前側に位置するように配置されている。なお、支持シャフト690は、その端部にリンク機構712の第二棹部材719が固定されることで、軸方向への移動が阻止されて、支持ブッシュ691から抜けないようになっている。
この第二装飾可動体ユニット433では、リンク機構712によって、第二装飾可動体ソレノイド711のプランジャ710を前進(突出)させると、リンク機構712及び支持シャフト690を介して第二装飾可動体432の先端(前側)が上がるように回動し、プランジャ710を後退(没入)させると、リンク機構712及び支持シャフト690を介して第二装飾可動体の先端が下がるように回動するようになっている。
なお、第二昇降部材630の本体部694には、挿通孔693の前面側に駆動ベルト640を固定するベルト固定部641が取付けられていると共に、挿通孔693の後面側にブッシュ固定部材695を挟んで第二回転防止手段650の案内部材652が取付けられている。また、図中符号730は、本体部694の前側に取付けられる装飾体である。
また、第二昇降部材630には、そのブッシュ固定部材695の正面視左側に位置検出片731が設けられていると共に、第二下部支持部材633の所定位置には位置検出片731を検出可能な第二装飾可動体位置検出センサ732が取付けられている。本例では、第二昇降部材630が下側端に位置した時に、第二装飾可動体位置検出センサ732によって第二昇降部材630の位置検出片731が検出されるようになっている。
この第二昇降部材630は、図示するように、案内レール631を挿通する挿通孔693の正面視右側に支持シャフト690を大きく延びださせて第二装飾可動体432を支持すると共に、挿通孔693の左側に第二装飾可動体ソレノイド711を配置して、挿通孔693を挟んで、第二昇降部材630の左右の重量バランスのアンバランスが少なくなるようになっており、案内レール631や支持ブッシュ692が偏摩耗するのを抑制するようにしている。
次に、第二装飾可動体ユニット433のユニット装飾体611は、図示するように、第二装飾可動体駆動ユニット610の正面視右側面に取付けられ、第二装飾可動体駆動ユニット610の案内レール631、駆動プーリ638、従動プーリ639、駆動ベルト640、及びテンション機構653等が遊技盤5の前側から視認し難くなるように、それらを覆うと共に、表面の装飾により第二装飾可動体ユニット433を装飾するものである。このユニット装飾体611には、第二装飾可動体駆動ユニット610から延びる支持シャフト690が通過可能とされていると共に、支持シャフト590が上下方向に移動できるように、上下方向に延びた開口部733を備えている。
本例の第二装飾可動体ユニット433は、第二駆動モータ637の回転駆動により、第二昇降部材630、つまり、第二装飾可動体432を上下方向に移動させることができると共に、第二装飾可動体ソレノイド711により第二装飾可動体432の先端を上下方向に回動させることができるようになっている。
続いて、装飾可動体ユニットカバー435は、第一装飾可動体ユニット431及び第二装飾可動体ユニット433を取付固定するための取付部750が複数備えられており、この取付部750は、夫々ビス孔と位置決めボスとから構成されている。一方、第一装飾可動体ユニット431の第一ベース475、及び第二装飾可動体ユニット433の第二ベース635の対応する位置には、ビス挿通孔と位置決め孔とが夫々形成されており、取付部750の位置決めボスを、第一ベース475又は第二ベース635の対応する位置決め孔に嵌合させることで、取付部750のビス孔と第一ベース475又は第二ベース635のビス挿通孔とが略一致するようになっており、第一ベース475又は第二ベース635のビス挿通孔を貫通するように前側からビスをビス孔にねじ込むことで、装飾可動体ユニットカバー435の所定位置に第一装飾可動体ユニット431及び第二装飾可動体ユニット433が取付けられるようになっている。
また、装飾可動体ユニットカバー435には、遊技盤ベース212の後面と当接し、ビスを挿通可能なビス孔751を有した当接面752が複数形成されており、この当接面752を遊技盤ベース212の後面に当接させた上で、図示しないビスを当接面752の後側からビス孔751を介して遊技盤ベース212にねじ込むことで装飾可動体ユニットカバー435を遊技盤ベース212に取付けられるようになっている。
なお、本例の装飾可動体ユニットカバー435は、第一装飾可動体ユニット431及び第二装飾可動体ユニット433を取付けた状態では、それらの第一ベース475及び第二ベース635における取付当接面474,634の取付孔512,672が、装飾可動体ユニットカバー435の外周よりも外側に位置するようになっている。これにより、第一装飾可動体ユニット431及び第二装飾可動体ユニット433は、装飾可動体ユニットカバー435に取付けられた状態で、それらの第一ベース475及び第二ベース635の取付孔512,672を介して図示しないビスにより直接遊技盤ベース212の後面側に取付けられるようになっている。
また、装飾可動体ユニットカバー435には、第一装飾可動体駆動ユニット450及び第二装飾可動体駆動ユニット610の後側と対向する所定の位置に、配線保持手段770が夫々備えられている。この配線保持手段770は、第一昇降部材470に支持される発光基板457、及び第二昇降部材630に支持される発光基板615と接続される複数の配線コード771の所定位置に固定された配線バンド772を保持して、第一昇降部材470や第二昇降部材630が上下動する際に、それらの発光基板457,615に接続された配線コード771が他の部材に絡まったり、挟まったりしないようにするためのものである。
この配線保持手段770は、具体的には図52に示すように、配線コード771の端部(先端部)に取付けられる接続コネクタ778が通過可能な貫通口からなるコネクタ通過部773と、コネクタ通過部733に隣接して設けられ配線コード771に固定された配線バンド772が通過不能且つ配線コード771のみが通過可能とされた第一通過部774と、第一通過部774に隣接して設けられ配線コード771に固定された配線バンド772が通過不能且つ配線コード771のみが通過可能とされた第二通過部775とから構成されている。これら第一通過部774、及び第二通過部775は、細長いスリット状に形成されていると共に、互いに略平行となるように配置されている。
また、配線保持手段770には、第一通過部774と、第二通過部775とを連通すると共に、配線コード771が通過可能とされた連通部776と、連通部776に臨み第一通過部774と第二通過部775との間に配置され第一通過部774及び第二通過部775の開口面に対して略直角方向に突出する突出部777とを更に備えている。なお、本例では、連通部776は、配線コード771に固定された配線バンド772が通過可能な大きさとされていると共に、突出部777は、装飾可動体ユニットカバー435の前側と後側の両側に、夫々突出するように備えられている。
この配線保持手段770は、所定の位置に配線バンド772が固定された配線コード771を、第一装飾可動体ユニット431及び第二装飾可動体ユニット433の配置される前側から、後側へそのコネクタ通過部773を通過するように挿通させる。続いて、挿通した配線コード771の配線バンド772よりも基端側を、連通部776を介して第一通過部774に、装飾可動体ユニットカバー435の後側から前側へ通過させ、更に配線バンド772の先端側を、同じく連通部776を介して第二通過部775に、装飾可動体ユニットカバー435の前側から後側に通過させる。そして、配線コード771に固定された配線バンド772を第一通過部774の開口部と当接(装飾可動体ユニットカバー435の前側と当接)させると共に、第一通過部774と第二通過部775との間で配線コード771が弛まないようにすることで、配線コード771をその基端側から引張っても、配線バンド772から接続コネクタ778側(先端側)が動かないように保持することができるようになっている。
なお、配線保持手段770には、突出部777が備えられているので、スリット状の第一通過部774及び第二通過部775に沿って配線コード771が移動しても、突出部777によりその移動が規制されるので、配線コード771が連通部776を介して第一通過部774及び第二通過部775から外れるのを防止することができるようになっている。
また、図52(B)に示すように、配線コード771の第一昇降部材470又は第二昇降部材630と配線保持手段770により保持された間で、第一昇降部材470又は第二昇降部材630が最も降下した時に弛んだ配線コード771の最下部付近の位置に配線バンド772が固定されている。この位置に固定された配線バンド772によって、配線コード771に曲がる契機を与えることができ、第一昇降部材470又は第二昇降部材630の移動により無用な位置で配線コード771が曲がって、移動の妨げとなるのを防止すことができるようになっている。また、配線コード771の先端に備えられた接続コネクタ778は、装飾可動体ユニットカバー435の後面に取付けられ中継基板779に接続されている。
[主基板及び周辺基板の機能的な構成について] 図53に基づき説明する。
図53は、制御構成を概略的に示すブロック図である。本例のパチンコ機1の制御は、大きく分けて主基板810のグループと周辺基板811のグループとで分担されており、このうち主基板810のグループが遊技動作(入賞検出や当り判定、特別図柄表示、賞球払出等)を制御しており、周辺基板811のグループが演出動作(発光装飾や音響出力、液晶表示等)を制御している。
主基板810は、主制御基板94と払出制御基板133とから構成されている。主制御基板94は、中央演算装置としてのCPU812、読み出し専用メモリとしてのROM813、読み書き可能メモリとしてのRAM814を備えている。CPU812は、ROM813に格納されている制御プログラムを実行することによりパチンコ機1で行われる各種遊技を制御したり、周辺基板811や払出制御基板133に出力するコマンド信号を作成したりする。RAM814には、主制御基板94で実行される種々の処理において生成される各種データや入力信号等の情報が一時的に記憶される。
この主制御基板94には、通過検出センサ239、第一始動口センサ416、第二始動口センサ358、大入賞口センサ370、一般入賞口センサ417(右一般入賞口センサ417a,左一般入賞口センサ417b)等からの検出信号が入力される。一方、主制御基板94は、始動口ソレノイド352、アタッカソレノイド372、特別図柄表示器390、保留ランプ391等へ駆動信号を出力する。また、払出制御基板133は、中央演算装置としてのCPU815、読み出し専用メモリとしてのROM816、読み書き可能メモリとしてのRAM817を備えている。そして、払出制御基板133は、主制御基板94から入力したコマンド信号を処理し、球払出装置125に駆動信号を出力する。これにより、球払出装置125は、駆動信号に従って遊技球を払い出す。
主制御基板94と払出制御基板133との間では、それぞれの入出力インタフェースを介して双方向通信が実施されており、例えば主制御基板94が賞球コマンドを送信すると、これに応えて払出制御基板133から主制御基板94にACK信号が返される。
一方、周辺基板811には、副制御基板92を含むサブ統合基板830のほかに例えば複数の電飾制御基板831,832や波形制御基板833等が含まれる。上記の主制御基板94とサブ統合基板830との間では、それぞれの入出力インタフェースと入力インタフェースとの間で一方向だけの通信が行われており、主制御基板94からサブ統合基板830へのコマンドの送信はあっても、その逆は行われない。
サブ統合基板830もまた、CPU834をはじめROM835やRAM836等の電子部品を有しており、これら電子部品によって所定の演出制御プログラムを実行することができる。サブ統合基板830とその他の電飾制御基板831,832や波形制御基板833との間では、それぞれの入出力インタフェースとの間で双方向に通信が行われる。
1つ目の電飾制御基板831には主にサイド装飾装置52、主役物213、遊技領域内装飾体215、後装飾体216等に含まれる装飾ランプ837が接続されており、サブ統合基板831から電飾制御基板831に対して装飾ランプ837の点灯信号が送信されると、これを受けて電飾制御基板831が装飾ランプ837を点灯させる処理を行う。
また、電飾制御基板831には、回転位置検出センサ319、第一装飾可動体位置検出センサ558、第二装飾可動体位置検出センサ732等からの検出信号が入力される。一方、電飾制御基板831は、可動装飾体駆動モータ310、第一駆動モータ477、第一装飾可動体ソレノイド551、第二駆動モータ637、第二装飾可動体ソレノイド711等へ駆動信号を出力する。この電飾制御基板831では、各検出センサ319,558,732からの検出信号に基づいて、各駆動モータ310,477,637の回転制御が行われる。
一方、2つ目の電飾制御基板832には演出表示装置217とともに演出ランプ838が接続されている。例えばサブ統合基板830から演出表示装置217に対する表示コマンドが電飾制御基板832に送信されると、これを受けて電飾制御基板832は実際に演出表示装置217を作動させる処理を行う。
波形制御基板833は、音響出力としての可聴音波のほか、不可聴である超音波等の波形信号を生成・送受信する処理を実行している。例えば、サブ統合基板830から音響出力コマンドが波形制御基板833に送信されると、これを受けて波形制御基板833は上記のスピーカ18,57を駆動する処理を行う。このほかにも、波形制御基板833には超音波送受信装置839が接続されており、この超音波送受信装置839は、複数の台間で超音波による通信を可能とする。通常、ホールの島設備には複数台のパチンコ機1が並べて設置されるが、超音波送受信装置839を装備しているパチンコ機1同士の間では、相互に超音波通信が可能となる。この通信機能を用いて、複数のパチンコ機1で演出動作をシンクロナイズさせたり、特定の台間で遊技情報の交換を行ったりすることができる。
なお、電飾制御基板831,832、及び波形制御基板833にも、それぞれ中央演算装置としてのCPU850,851,852、読み出し専用メモリとしてのROM853,854,855、及び読み書き可能メモリとしてのRAM856,857,858を備えている。
[主役物及び後装飾体の動作について] 図54乃至図57に基づき説明する。
図54は、主役物における可動装飾体が略垂直方向に回動した状態を示す遊技領域の正面図である。図55は、図54の状態から更に後装飾体の第一装飾可動体及び第二装飾可動体を可動させた状態を示す遊技領域の正面図である。図56は、後装飾体の第一装飾可動体及び第二装飾可動体を可動させた状態を示す遊技領域の正面図である。図57は、第一装飾可動体及び第二装飾可動体の可動範囲を示す説明図である。
まず、電飾制御基板831では、パチンコ機1の電源投入時や、リセット時において、右可動装飾体234及び左可動装飾体235の回転位置を検出する左右の回転位置検出センサ319の検出信号の受信の有無を確認し、回転位置検出センサ319からの検出信号がなければ、右可動装飾体234及び左可動装飾体235が夫々水平状態となるような方向に左右の可動装飾体駆動モータ310を回転駆動させて、各回転位置検出センサ319から検出信号を受信すると、可動装飾体駆動モータ310の回転を停止させる。これにより、右可動装飾体234及び左可動装飾体235は図10に示すような、略水平状態となる。
その後、遊技状態の変化に伴って、サブ統合基板830から電飾制御基板831へ、可動装飾体234,235を駆動制御する所定の制御コマンドが送信されると、電飾制御基板831では、可動装飾体駆動モータ310を回転駆動させて、図54に示すように右可動装飾体234及び左可動装飾体235が夫々垂直状態となるように回転させる。図示するように、この状態では、主役物213における枠状装飾体230の上縁部下側に、後装飾体216の第一装飾可動体430の一部が見える状態となる。
なお、サブ統合基板830からの制御コマンドによっては、可動装飾体駆動モータ310を短周期で正転、逆転を繰り返させて、可動装飾体234,235がブルブル振動するように駆動することもできるようになっている。
この状態で、サブ統合基板830から電飾制御基板831へ、後装飾体216の第一装飾可動体430及び第二装飾可動体432を駆動制御する所定の制御コマンドが送信されると、電飾制御基板831では、第一装飾可動体430及び第二装飾可動体432が互いに接近する方向に第一駆動モータ477及び第二駆動モータ637を回転駆動させて、演出表示装置217の前面に第一装飾可動体430及び第二装飾可動体431が位置するように移動させる(図55参照)。なお、これら第一装飾可動体430及び第二装飾可動体431は、サブ統合基板830からの制御コマンドに応じて、適宜、互いに接近したり、離反したりするように駆動され、第一装飾可動体430と第二装飾可動体431とで表現される所定のキャラクタの口がパクパクと開閉するような動作をさせることができるようになっている。
また、サブ統合基板830からの制御コマンドに応じて、電飾制御基板831では、第一装飾可動体ソレノイド551及び第二装飾可動体ソレノイド711を駆動させて、第一装飾可動体430及び第二装飾可動体431を夫々左右方向に延びる軸周りに回転させることで、第一装飾可動体430においてはその顔を前後に回動させると共に、第二装飾可動体432においてはその下顎を前後に回動させ、キャラクタの口の動作をよりリアルな動作となるようにしている。
なお、図55に示すように、下方に移動した第一装飾可動体430は、その左右両端が右可動装飾体234及び左可動装飾体235によって遮られるので、あたかも第一装飾可動体430が宙に浮いているように見せることができるようになっている。また、第二装飾可動体430では、第二装飾可動体ユニット433の第二昇降部材630に取付けられた装飾体730によって、第二装飾可動体432を支持する支持シャフト690が隠蔽されている。
また、サブ統合基板830からの制御コマンドによっては、図56に示すように、第一装飾可動体430及び第二装飾可動体431のみを駆動することもできるようになっている。なお、第一装飾可動体430を備えた第一装飾可動体ユニット431の第一昇降部材470に取付けられた装飾体556によって、第一装飾可動体430を支持する支持シャフト530が隠蔽されており、見栄えを良くして意匠性が高められるようになっている。
なお、第一装飾可動体430及び第二装飾可動体432の可動範囲は、図57に示すように、夫々RL3及びLL3の範囲内で上下方向に移動するようになっている。また、第一昇降部材470及び第二昇降部材630における上下方向の寸法RL1及びLL1は、夫々案内レール471,631の有効長RL2及びLL2から、上述の第一装飾可動体430及び第二装飾可動体432の移動距離RL3及びLL3を夫々減算した値とおおよそ同じ値とされており、第一昇降部材470及び第二昇降部材630における上下方向の寸法つまり夫々に保持される二つの支持ブッシュ532,692の間隔を、第一昇降部材470及び第二昇降部材630の移動距離に対して可及的に大きい距離とされており、第一昇降部材470及び第二昇降部材630のガタツキを可及的に少なくして第一装飾可動体430及び第二装飾可動体432を安定した状態で移動させることができるようになっている。
このように、本実施形態のパチンコ機1によると、LED456、レンズ部452、及び遮光性の高い部材からなる発光基板457より主に構成される比較的シンプルな構成の第一装飾可動体430が具備され、LED456から投光される光の色を変化させるだけで、様々な表示態様(「三日月状の模様」、「所定の漢字」等)を表示することが可能である。さらに、レンズ部452を構成する赤色部460及び青色部461は、互いに同一面上に重複して配置される重複部が、白色部459として構成され、赤色及び青色を夫々透過可能である。従って、比較的簡易な構造を用いて赤色及び青色に対応する夫々の表示態様(「三日月状の模様」及び「所定の漢字」)を明瞭に表示することが可能となっている。
さらに、本実施形態のパチンコ機1によると、発光基板457の裏側に遮光性の高い黒色塗料や黒色フィルム等からなる遮光部材が備えられている。従って、演出表示装置217から照射される光がレンズ部452に投光されることを防ぐことができ、所望の表示態様を所望の表示タイミングで明瞭に表示することができる。加えて、色の三原色を発光させる発光手段がLED456から構成されていることにより、比較的他の色の波長成分を低減させることが容易で、表示内容を直感的に伝達させやすい第一装飾可動体430とすることができる。これにより、遊技者がストレスを感じ難く、遊技内容に関する興趣や注目度を低減させないばかりか一層向上させることが可能なパチンコ機1を提供することができる。
一方、後装飾体216がキャラクタ体で構成されているから、遊技内容とキャラクタ体とが関連付けやすく、コミカルで親しみやすいパチンコ機1を提供できる。また、赤色部460及び青色部461が、黒色部462を背景とする同一面上に形成されていることにより、レンズ部452の背面にある部材(例えばLED456や発光基板457)を見え難くすることができる。
さらに、白色の部材を背景とする場合に比べて、光が透過することによって表示される表示態様、つまり発光によって表示される表示態様を効果的に浮かび上がらせることができ、よりインパクトの強い華やかな第一装飾可動体430を提供することができる。特に、第一装飾可動体430をキャラクタ体の一部に備え、サングラス453の中に適用していることで、黒色部462を生かした面白味の強いコミカルな演出を実現している。
また、可動部材である第一装飾可動体430として構成していることにより、サングラス453内の表示領域に囚われずに自由度の高い演出を行うことが可能となる。特に、本実施形態のパチンコ機1によれば、第一装飾可動体430は、LED456、レンズ部452、及び遮光性の高い部材からなる発光基板457より主に構成される比較的シンプルな構成を呈し、さらに赤色部460及び青色部461が同一面上にコンパクトに形成されている。従って、可動体に好適に配置可能であるため、バラエティに富む演出を提供でき、広い年代層に受け入れられ易いパチンコ機1が提供できる。
以上、本発明について好適な実施形態を挙げて説明したが、本発明はこれらの実施形態に限定されるものではなく、以下に示すように、本発明の要旨を逸脱しない範囲において、種々の改良及び設計の変更が可能である。
すなわち、上記実施形態では、光学表示装置を第一装飾体430に適用した例を示したが、これに限定するものではなく、第二装飾可動体432、遊技盤ベース212、及び主役物213等に適用しても良く、上記と同様の作用効果を奏することができる。
また、上記実施形態では、遊技機としてパチンコ機1に適用したものを示したが、これに限定するものではなく、パチスロ機や、パチンコ機とパチスロ機とを融合させてなる遊技機に、適用しても良く、この場合でも、上記と同様の作用効果を奏することができる。