JP2014101395A - 高分子構造体 - Google Patents
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Abstract
【課題】熱放射性材料において、顔料を樹脂へ分散する場合、樹脂が流動する条件で顔料を混錬する必要があるため、通常は樹脂の流動温度以上で顔料とともに混錬するので、流動温度と熱分解温度が近い樹脂へ顔料を練り込むことは困難であり、添加剤を添加する場合に樹脂の流動温度付近で熱分解する添加剤を顔料へ練り込む事が困難である。
【解決手段】高分子にグラファイトなどの炭素材料を分散させた高分子構造体であって、
該高分子の単位構造中の炭素の40〜100%が不飽和結合し、該高分子が100×(不飽和結合炭素数×多重結合数)/(単位構造中の全炭素数)において80〜200を満たす高分子構造体。
【選択図】なし
【解決手段】高分子にグラファイトなどの炭素材料を分散させた高分子構造体であって、
該高分子の単位構造中の炭素の40〜100%が不飽和結合し、該高分子が100×(不飽和結合炭素数×多重結合数)/(単位構造中の全炭素数)において80〜200を満たす高分子構造体。
【選択図】なし
Description
本発明は、内部で熱を発する電子機器、家電製品等の筐体、放熱板、反射板等に用いる部材に関し、より詳細には、放熱性、ならびに、加工性、耐食性に優れた高機能の部材に関する。更に本発明は、前記部材を用いた電子機器用又は家電製品用の筐体、シートならびに、この筐体、シートを用いた電子機器又は家電製品に関する。
または、上述放した熱特性に加えて、摺動性を必要とする部材等に対して、該摺動性を確保するための潤滑剤及び潤滑剤の補填を必要としない摺動部材等に関する。
電子機器の小型化、高性能化に伴い、これらの電子部品から放出される熱が、狭い空間に蓄積されることが多くなり、狭い空間からの排熱が問題となってきている。具体的には、電子機器内の発熱による機器内部の高温化は、精密な電子機器本体の性能を損なう恐れがあるため、熱を効率よく外部へ排出することが重要な課題となっている。
このような課題を解決するために、例えば特許文献1には、発熱による機器内部の高温化を対策するために、グラファイトからなるシートを該機器内部または外部へ設置することで熱を効率よく外部へ排出することが提案されている。しかし、グラファイトから成るシートは材料及び製造コストの関係上高価である。
特許文献2には、低コストで加工性及び放熱性の良好な材料として、金属や金属酸化物等を顔料として含有させた曲げ加工性に優れた樹脂膜からなる熱放射性材料が開示されている。ここで、顔料としての金属や金属酸化物の熱拡散率(数百[W/(mK)])はグラファイト(千[W/(mK))])よりも少なく、樹脂の熱拡散率はほぼゼロであるため、顔料として金属や金属酸化物を用いる場合は顔料/樹脂比率をより多くする必要があるのに対してグラファイトを顔料として用いる場合は該比率が比較的少なくても所望の熱拡散率を向上できる。
しかしながら、特許文献2に開示されている熱放射性材料において、グラファイト、カーボンナノチューブ、フラーレンなどの特殊な炭素材料は、樹脂への分散性が低いため、顔料分散樹脂膜の熱拡散率を向上することが困難である。さらに、顔料を樹脂へ分散する場合、樹脂が流動する条件で顔料を混錬する必要があるため、通常は樹脂の流動温度以上で顔料とともに混錬するので、流動温度と熱分解温度が近い樹脂へ顔料を練り込むことは困難であり、添加剤を添加する場合に樹脂の流動温度付近で熱分解する添加剤を顔料へ練り込む事が困難である。また、グラファイト及びカーボンアノチューブは異方性材料であり、グラファイトの熱拡散特性は高い方向で1000[W/(mK)]以上であるが、低い方向は数10[W/(mK)]程度であるため、グラファイトを樹脂へ混錬する場合、成膜時にグラファイトを配向させなければ良好な熱拡散特性は得られなかった。
前記課題を解決するため、本発明の高分子にグラファイトなどの炭素材料を分散させた高分子構造体は、該高分子の単位構造中の炭素の40〜100%が不飽和結合し、該高分子が100×(不飽和結合炭素数×多重結合数)/(単位構造中の全炭素数)において80〜200を満たす、
但し、
(不飽和結合炭素数×多重結合数)は、複数の多重結合が有る場合は加算し、ベンゼン環は、1.5×6、2重結合は2×2、3重結合は3×2とし、
単位構造は、エポキシ樹脂等の反応高分子の場合は反応後の単位構造を示す。
但し、
(不飽和結合炭素数×多重結合数)は、複数の多重結合が有る場合は加算し、ベンゼン環は、1.5×6、2重結合は2×2、3重結合は3×2とし、
単位構造は、エポキシ樹脂等の反応高分子の場合は反応後の単位構造を示す。
これにより、安価な熱拡散性または高摺動性の顔料を多く含む樹脂混錬物を提供することが可能である。
より少ない熱分散性または高摺動性の炭素材料と樹脂との混合物により、用いる樹脂の物性をより多く残存させ、且つあらゆる添加剤を添加できる、熱の放射性に優れ、良好な表面潤滑性を示す膜または構造体を提供することができる。
したがって、用いる樹脂または添加剤の適切な選択によって、柔軟なシートから剛健かつ金属よりも軽い構造体など、例えばパーソナル・コンピュータ等の電子機器、冷蔵庫等の家電製品、エアコンの室内機や室外機のラジエターなど、熱の放散が必要とされるものの筐体材料など、として極めて有用である。
本発明者は、グラファイト、カーボンナノチューブ、フラーレンなどの特殊な炭素材料を多く分散できる樹脂に特有の構造として、
100×(不飽和結合炭素数×多重結合数)/(単位構造中の全炭素数)・・・(1)
を見出した。ここで、(不飽和結合炭素数×多重結合数)は、複数の多重結合が有る場合は加算し、ベンゼン環は、1.5×6、2重結合は2×2、3重結合は3×2とし、単位構造は、エポキシ樹脂等の反応高分子の場合は反応後の単位構造を示す。
100×(不飽和結合炭素数×多重結合数)/(単位構造中の全炭素数)・・・(1)
を見出した。ここで、(不飽和結合炭素数×多重結合数)は、複数の多重結合が有る場合は加算し、ベンゼン環は、1.5×6、2重結合は2×2、3重結合は3×2とし、単位構造は、エポキシ樹脂等の反応高分子の場合は反応後の単位構造を示す。
さらに加熱しないで樹脂の流動性を得る混練方法を見出し、さらに熱拡散特性及び摺動性が異方性であるグラファイトを樹脂混錬物の成膜時に配向して所望の異方性を得る化学構造を見出した。
グラファイト、カーボンナノチューブ、フラーレンなどの特殊な炭素材料を多く分散できる樹脂に特有の化学構造をπ電子密度として、式(1)の値が多いほどこれら特殊な炭素材料を多く分散できる。
高分子に対するグラファイトの重量比率が5以上である炭素材料を練り込んだ高分子構造体や高分子に対するグラファイトの重量比率が2以上である炭素材料練込高分子であり、該高分子の少なくとも1つがフッ素化合物である高分子構造体のような安価な熱拡散性または高摺動性の顔料を多く含む樹脂混錬物を提供できる。
式(1)において、不飽和結合炭素数は単位化学構造における共有結合よりも強く結合している炭素の数であり、多重結合とは3重結合は“3”、2重結合は“2”、ベンゼン環等の共鳴結合は“1.5”とした値であり、不飽和結合炭素数と多重結合数の積及び複数の多重結合が単位化学構造に有る場合は各々の積を加算した値に100をかけるので、該値を単位構造中の全炭素数で割った値が多いほど、特殊な炭素材料を多く分散できる。
つまり、顔料を樹脂へ分散する場合、樹脂と樹脂の間に顔料が分散するため、樹脂と樹脂の間が最も広い空間である非晶性樹脂のCH基とCH基の間に汎用の顔料は分散される。
しかし、グラファイト、カーボンナノチューブ、フラーレンなどの特殊な炭素材料はπ電子との親和性が高いため、CH基とCH基の間よりも化学構造のπ電子密度が高い部分へ集中的に分散される。
ここで、式(1)を満たす材料は、通常は顔料を分散させて用いない式(1)が約113のポリスチレン(PS)、式(1)が約144のポリカーボネート(PC)、式(1)が約108のアクリルニトリルスチレン(AS)等樹脂材料でも構わない。さらに、式(1)が約150のポリフェニレンスルフォン樹脂(PPS)や式(1)が約100のニトリルブタジエンゴム(NBR)、式(1)が約108のスチレンブタジエンゴム(SBR)など各種樹脂を用いる事ができる。
高分子単位構造中の側鎖の不飽和結合数が、主鎖の不飽和結合数以上であること、170℃以下で気化または熱分解する添加剤を含有する炭素材料を練り込むことは、混錬物中の樹脂または添加剤の熱的な選択条件を緩和する構成であって、熱分解し易い樹脂や添加剤を本発明の混錬物材料として用いる事または添加することができる。
また、170℃以下で気化または熱分解する添加剤としての溶剤は、例えば樹脂への浸透性が高い溶剤へ樹脂を溶解することで得ることができ、このような溶剤は樹脂への浸透性に加えて蒸気圧が高い溶剤が工法における時間短縮のうえで好ましく、例えば樹脂の分解温度以下または用いたい添加剤の分解温度以下で高い蒸気圧をもつ溶剤が好ましい。もちろん、用いたい樹脂の流動温度と分解温度の差が大きい場合や、樹脂と用いたい添加剤の分解温度の差が大きい場合は、流動性を得るためにあえて上述溶剤を用いる必要はない。
炭素材料練込高分子を170℃での蒸気圧が0.7〜1.5×104mmHg以上の極性溶媒へ溶解する構成(一例として、170℃で水:6000mmHg、アセトン:15000mmHg)は、熱拡散特性や摺動性が異方性であるグラファイトを樹脂混錬物の成膜時に配向して所望の異方性を得る化学構造であり、より少ない炭素材料を樹脂へ混練しても所望の熱拡散特性または摺動性を得ることができるため、樹脂の柔らかさなど樹脂物性をより多く残存させた熱拡散性または高摺動性の混錬物を得ることができる。
炭素材料練込高分子を170℃での蒸気圧が0.7〜1.5×104mmHg以上の極性溶媒へ溶解する構成(一例として、170℃で水:6000mmHg、アセトン:15000mmHg)は、熱拡散特性や摺動性が異方性であるグラファイトを樹脂混錬物の成膜時に配向して所望の異方性を得る化学構造であり、より少ない炭素材料を樹脂へ混練しても所望の熱拡散特性または摺動性を得ることができるため、樹脂の柔らかさなど樹脂物性をより多く残存させた熱拡散性または高摺動性の混錬物を得ることができる。
具体的には、式(1)に示した不飽和結合炭素数が高分子の単位化学構造中の主鎖よりも側鎖で多い場合に、顔料はより配向し易い。さらに主鎖はCHやCFなど、非極性または側鎖以外の化学構造が晶性である化学構造へグラファイトを混錬すると、該混錬物は成膜時にグラファイトを配向し易いため、同じ顔料の分散量に対して高い熱分散特性または高い摺動性を得ることができるため、樹脂の柔らかさなど樹脂物性をより多く残存させた熱拡散性または高摺動性の混錬物を得ることができる。
[樹脂材料]
本発明に用いる樹脂は式(1)の値が大きければ特に限定されるものではなく、用途別に強度や柔軟性や耐熱性などに着目して選択すればよく、複種類の樹脂を混合しても構わないし、必要によって添加剤や硬化剤を用いても構わない。このような樹脂に用いる事が出来る樹脂として、例えば柔軟なシートでゴム弾性を要求される用途には、イソプレンゴム(式(1)は約80)よりもニトリルブタジエンゴム(式(1)は約100)の方が炭素材料を多く含有することができ、スチレンブタジエンゴム(式(1)は約108)はイソプレンゴムよりも側鎖におけるπ電子密度が高いため、より少ない炭素材料含有率で所望の熱拡散性や摺動性を得ることが出来る。
本発明に用いる樹脂は式(1)の値が大きければ特に限定されるものではなく、用途別に強度や柔軟性や耐熱性などに着目して選択すればよく、複種類の樹脂を混合しても構わないし、必要によって添加剤や硬化剤を用いても構わない。このような樹脂に用いる事が出来る樹脂として、例えば柔軟なシートでゴム弾性を要求される用途には、イソプレンゴム(式(1)は約80)よりもニトリルブタジエンゴム(式(1)は約100)の方が炭素材料を多く含有することができ、スチレンブタジエンゴム(式(1)は約108)はイソプレンゴムよりも側鎖におけるπ電子密度が高いため、より少ない炭素材料含有率で所望の熱拡散性や摺動性を得ることが出来る。
ここで、フェノール樹脂(式(1)は約129)は3次元構造の樹脂であり、主鎖、側鎖の概念が適さないが、熱硬化反応により樹脂が収縮するので、より少ない炭素材料含有率で所望の熱拡散性や摺動性を得ることが出来る。
[炭素材料]
本発明に用いる炭素材料はグラファイト、カーボンナノチューブ、フラーレンから少なくとも1つ選択される熱拡散性または摺動性の炭素材料であって、これら炭素材料を混合しても構わないし、必要に応じて金属や金属酸化物などを混合して用いても構わないし、用いる炭素材料の粒径やアスペクト比についても特に限定されない。
本発明に用いる炭素材料はグラファイト、カーボンナノチューブ、フラーレンから少なくとも1つ選択される熱拡散性または摺動性の炭素材料であって、これら炭素材料を混合しても構わないし、必要に応じて金属や金属酸化物などを混合して用いても構わないし、用いる炭素材料の粒径やアスペクト比についても特に限定されない。
[溶剤]
本発明に用いる溶剤は用いる樹脂の溶解性が高く、用いる樹脂を腐食しければ特に限定されるものではなく、必要に応じて複種類用いても構わないが、本発明の膜または構造体を形成する際に、不必要に膜または構造体へ残留することがないように、0.7〜1.51×104mmHg以上の蒸気圧を有する溶剤である。
本発明に用いる溶剤は用いる樹脂の溶解性が高く、用いる樹脂を腐食しければ特に限定されるものではなく、必要に応じて複種類用いても構わないが、本発明の膜または構造体を形成する際に、不必要に膜または構造体へ残留することがないように、0.7〜1.51×104mmHg以上の蒸気圧を有する溶剤である。
用いる樹脂によるが、有機溶媒は酸やアルカリなどの無機溶剤と比較して樹脂腐食性は無いか少ないので、有機溶剤を用いる事が出来る。式(1)の値が大きい樹脂は極性有機溶媒への溶解性が高く、アセトンやテトラハイドロフランなどの極性有機溶媒は蒸気圧が高いので、本発明の溶剤として用いる事ができる。
[樹脂と炭素材料の混合]
樹脂と炭素材料の混合は、井元製作所製IMC−1889型200cc小型ミキサを用いた。撹拌部のブレードはイリプスブレードであり、三菱製ギアモータGM−Sによりブレードを最大120rpm程度で回転させて樹脂と炭素材料を撹拌した。樹脂と炭素材料をミキサのみで混合する場合、樹脂に炭素材料を少しずつ、所望の添加量まで添加すればよい。例えば撹拌時に樹脂が流動する温度に設定すれば、炭素材料を分散する際に樹脂がより細かい状態となるためより短時間で多くの炭素材料を分散することができる。
樹脂と炭素材料の混合は、井元製作所製IMC−1889型200cc小型ミキサを用いた。撹拌部のブレードはイリプスブレードであり、三菱製ギアモータGM−Sによりブレードを最大120rpm程度で回転させて樹脂と炭素材料を撹拌した。樹脂と炭素材料をミキサのみで混合する場合、樹脂に炭素材料を少しずつ、所望の添加量まで添加すればよい。例えば撹拌時に樹脂が流動する温度に設定すれば、炭素材料を分散する際に樹脂がより細かい状態となるためより短時間で多くの炭素材料を分散することができる。
[樹脂の溶解]
炭素材料を分散する際に樹脂をより細かい状態とするために撹拌中に加熱することもできるが、該温度が樹脂または添加したい添加剤などの熱分解温度近辺である場合は用いる樹脂または添加剤などを変更しなければならないが、樹脂を溶剤に溶解することで、低温で樹脂または添加剤などの流動性を確保できる。
炭素材料を分散する際に樹脂をより細かい状態とするために撹拌中に加熱することもできるが、該温度が樹脂または添加したい添加剤などの熱分解温度近辺である場合は用いる樹脂または添加剤などを変更しなければならないが、樹脂を溶剤に溶解することで、低温で樹脂または添加剤などの流動性を確保できる。
樹脂の溶解は、ペレットや粉状などなるべく表面積を大きくして溶剤が浸透し易い状態にした樹脂に対してアセトンなどの溶剤を例えば樹脂1に対して溶剤1の比率で混合して溶解することができるし、樹脂が膨潤して水飴状態になる程度に溶剤を添加して炭素材料と伴にミキサ混合しても構わない。
超音波洗浄器や攪拌機を用いれば短時間で溶解することができ、加温することで更に短時間で溶解することができる。樹脂の溶解はレゾールタイプのフェノール樹脂など、必要無い場合については溶剤を用いる必要は無い。
[炭素材料練込材料の成膜]
炭素材料を練り込んだ樹脂混合物はプレス法にて成膜し該膜を評価したが、成膜工法は特に限定されるものではない。本発明の炭素材料を練り込んだ樹脂混合物は成膜変形時に樹脂が流動して炭素材料の繋ぎになり易いように、加熱条件下でプレス圧を加えて成膜した。加熱条件及びプレス圧も特に限定されるものではなく、樹脂または添加剤の熱分解温度以下、または熱硬化性樹脂を用いる場合は熱硬化温度に設定しても構わない。
炭素材料を練り込んだ樹脂混合物はプレス法にて成膜し該膜を評価したが、成膜工法は特に限定されるものではない。本発明の炭素材料を練り込んだ樹脂混合物は成膜変形時に樹脂が流動して炭素材料の繋ぎになり易いように、加熱条件下でプレス圧を加えて成膜した。加熱条件及びプレス圧も特に限定されるものではなく、樹脂または添加剤の熱分解温度以下、または熱硬化性樹脂を用いる場合は熱硬化温度に設定しても構わない。
プレス圧は所望の厚みに成形できる圧力であれば特に限定されるものではなく、成膜物100平方ミリメートル当たり0.1MPa以上程度で構わない。成形厚み及び面積も特に限定されるものではなく、所望の厚み及び面積に形成すればよいが、熱拡散特性を測定するための試料として厚みは0.1〜2μm、面積は直径5〜40mmがカットなどで取り出せる形状とした。
膜の比重は炭素材料と樹脂の混合比率により変化するが、理論比重の50%以上の比重であることを確認して以下評価を実施した。
以下、実施例及び比較例に基づいて、本発明の好適な実施の形態を具体的に説明するが、本発明はこれら実施例に限定されるものではない。
[実施例1〜4及び比較例1〜3]
[樹脂による炭素材料の分散性評価]
樹脂による炭素材料の分散性を確認するための膜物性確認用試料形状に成膜する前までの樹脂及び炭素材料混合物を以下のようにして調製した。式(1)で示される値が100以上である(表1)に示す各熱可塑性樹脂100重量部と有機溶剤アセトン100部とを混合溶解し、炭素材料として和光純薬製グラファイト試薬を表1に示す各重量比率で樹脂溶液へ混合溶解し、該溶液を100℃環境下で溶液中の有機溶剤を揮発除去して、樹脂による炭素材料の分散性を確認するための膜物性確認用試料形状に成膜する前までの混合物を作製した。表1に示す熱硬化性樹脂は樹脂100重量部へ和光純薬製グラファイト試薬を表1に示す各重量比率で混合し、樹脂による炭素材料の分散性を確認するための膜物性確認用試料形状に成膜する前までの混合物を作製した。
[樹脂による炭素材料の分散性評価]
樹脂による炭素材料の分散性を確認するための膜物性確認用試料形状に成膜する前までの樹脂及び炭素材料混合物を以下のようにして調製した。式(1)で示される値が100以上である(表1)に示す各熱可塑性樹脂100重量部と有機溶剤アセトン100部とを混合溶解し、炭素材料として和光純薬製グラファイト試薬を表1に示す各重量比率で樹脂溶液へ混合溶解し、該溶液を100℃環境下で溶液中の有機溶剤を揮発除去して、樹脂による炭素材料の分散性を確認するための膜物性確認用試料形状に成膜する前までの混合物を作製した。表1に示す熱硬化性樹脂は樹脂100重量部へ和光純薬製グラファイト試薬を表1に示す各重量比率で混合し、樹脂による炭素材料の分散性を確認するための膜物性確認用試料形状に成膜する前までの混合物を作製した。
加熱プレスは上述混合物10gに対して25トンを165℃で加え、厚み1±0.5mm、直径60±20cmの膜を形成した。
樹脂による炭素材料分散性は形成した膜表面を、市販のワイパーで5回、手で擦り、ワイパーに付着した黒色を目視で観察し、塗膜の耐色落ち性を評価した。評価は、◎:炭素材料が全く付着しない、○:非常に軽微な付着で良好、○△:軽微な付着あり、△:付着するものの膜損傷はなし、×:付着または膜の損傷あり、の基準で評価し表1へ評価結果をまとめた。
[工法による炭素材料の分散性評価]
次いで、樹脂を溶剤にて溶解して炭素材料を混合する溶剤工法と、樹脂を加熱にて溶解して炭素材料を混合する通常工法にて作製した加熱プレス膜の工法による炭素材料の分散性評価を行い、表2へ評価結果を示した。樹脂はニトリルブタジエンゴムであり、溶剤工法で使用した溶剤はテトラハイドロフランである。通常工法の混合時の温度条件は140℃以下であり、140℃で1時間撹拌混合した。
次いで、樹脂を溶剤にて溶解して炭素材料を混合する溶剤工法と、樹脂を加熱にて溶解して炭素材料を混合する通常工法にて作製した加熱プレス膜の工法による炭素材料の分散性評価を行い、表2へ評価結果を示した。樹脂はニトリルブタジエンゴムであり、溶剤工法で使用した溶剤はテトラハイドロフランである。通常工法の混合時の温度条件は140℃以下であり、140℃で1時間撹拌混合した。
工法による炭素材料分散性は形成した膜表面を、市販のワイパーで5回、手で擦り、ワイパーに付着した黒色を目視で観察し、塗膜の耐色落ち性を評価した。評価は、◎:炭素材料が全く付着しない、○:非常に軽微な付着で良好、○△:軽微な付着あり、△:付着するものの膜損傷はなし、×:付着または膜の損傷あり、××:膜形成できない、の基準で評価し(表2)へ評価結果をまとめた。
[樹脂による炭素材料の配向性評価]
次いで、高分子の化学構造において、主鎖にπ電子高密度部分が多い樹脂と側鎖に多い樹脂を用いて溶剤工法にて作製した、厚み1±0.5mm、直径60±20cmの加熱プレス膜の膜表面を、金属光沢、グレー、黒、の基準で評価し(表3)へ評価結果をまとめた。
次いで、高分子の化学構造において、主鎖にπ電子高密度部分が多い樹脂と側鎖に多い樹脂を用いて溶剤工法にて作製した、厚み1±0.5mm、直径60±20cmの加熱プレス膜の膜表面を、金属光沢、グレー、黒、の基準で評価し(表3)へ評価結果をまとめた。
この評価基準は、炭素材料をグラファイトとした場合、グラファイトが配向している膜の表面は滑らかで金属光沢を示すが、配向しないで無秩序に分散されている膜の表面ほど暗色を示すことから判断した基準である。
[放熱性試験]
放熱性試験は、NETZSCH社製熱拡散率測定装置LFA457Microflashにて試料を測定確認した。放熱性試験は上述加熱プレスにて作製した膜を試料形状10mm×10mm×1mmtと直径25mm×0.4mmtにカットして測定した。
放熱性試験は、NETZSCH社製熱拡散率測定装置LFA457Microflashにて試料を測定確認した。放熱性試験は上述加熱プレスにて作製した膜を試料形状10mm×10mm×1mmtと直径25mm×0.4mmtにカットして測定した。
放熱性試験結果は炭素材料の配向性評価の結果と相関があり、同じ樹脂及び同じ炭素材料を用いて分散比率を変化した膜の放熱特性を評価する場合は、高価な放熱性試験装置を用いなくとも、配向性評価にて大まかに放熱特性を判断できる。
配向性評価は目視評価の他に視認性を定量化するために光学装置などを用いることができる。(表4)の配向性評価は日本電色工業製グロスメータVG−10を用いて膜面光沢を簡易に定量化した値である。
光沢度測定としては、まず投光角度,受光角度をそれぞれ45°に合わせる。0点調整及び標準板を用い、標準設定の後に試料台の上に前記試料を置いて測定を行い、標示部に示される数値を光沢度として読みとる。この時S,S/10切り替えSWはSに合わせ、角度,感度切り替えSWは45−60に合わせる。
尚、上述光沢度の値は標準板で84、試料の値は200を上限とした。
(表1)に示される結果から明らかなように、実施例1、2は炭素材料の分散性が良好であり、炭素材料/樹脂材料の重量比率が5/1以上でも炭素材料の分散性が良好であった。実施例の樹脂は式(1)の値が80以上であった。
(表2)に示される結果から明らかなように、実施例3は炭素材料の分散性が良好であり、炭素材料/樹脂材料の重量比率が5/1以上でも炭素材料の分散性が良好であったが、比較例3は炭素材料/樹脂材料の重量比率が5/1以上で加熱プレスしても膜にならなかった。
炭素材料/樹脂材料の重量比率を多くするほど良好な放熱特性が期待でき、(表2)に示される結果から明らかなように、実施例2は炭素材料/樹脂材料の重量比率を増加して5/1以上であれば炭素材料が配向するが、実施例4の樹脂は炭素材料/樹脂材料の重量比率が2/1以上であっても炭素材料が配向する傾向だったので、炭素材料/樹脂材料の重量比率が同じであっても、実施例2の樹脂よりもより良好な放熱特性を得ることができる。
本発明は、良好な放熱性具備し、且つ、加工性、耐食性に優れた部材、この部材を用いた電子機器用又は家電製品用の筐体、シートならびに、この筐体、シートを用いた電子機器又は家電製品、及び摺動性を必要とする上述製品及び医療部材などに関する。
Claims (6)
- 高分子にグラファイトなどの炭素材料を分散させた高分子構造体であって、
該高分子の単位構造中の炭素の40〜100%が不飽和結合し、該高分子が100×(不飽和結合炭素数×多重結合数)/(単位構造中の全炭素数)において80〜200を満たす、
但し、
(不飽和結合炭素数×多重結合数)は、複数の多重結合が有る場合は加算し、ベンゼン環は、1.5×6、2重結合は2×2、3重結合は3×2とし、
単位構造は、エポキシ樹脂等の反応高分子の場合は反応後の単位構造を示す、
高分子にグラファイトなどの炭素材料を分散させた高分子構造体。 - 高分子に対するグラファイトの重量比率が5以上である炭素材料を練り込んだ、請求項1記載の高分子構造体。
- 高分子に対するグラファイトの重量比率が2以上である炭素材料練込高分子であり、該高分子の少なくとも1つがフッ素化合物であることを特徴とする請求項1記載の高分子構造体。
- 高分子単位構造中の側鎖の不飽和結合数が、主鎖の不飽和結合数以上であることを特徴とする請求項1記載の高分子構造体。
- 170℃以下で気化または熱分解する添加剤を含有する炭素材料を練り込んだ請求項1記載の高分子構造体。
- 請求項1から請求項5のいずれか1項に記載の高分子構造体の製造方法であって、
前記炭素材料練込高分子を170℃での蒸気圧が0.7〜1.5×104mmHg以上の極性溶媒へ溶解することを特徴とする製造方法。
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