JP2014101296A - 酸化オレフィンの製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】オレフィン転化率の低下を抑制し、安定した収率で酸化オレフィンを製造することができる方法を提供すること。
【解決手段】銅酸化物およびルテニウム酸化物からなる群から選ばれる少なくとも1種の酸化物を含有する触媒とシリル化剤との混合物を150〜400℃で熱処理する第1工程、並びに、第1工程で熱処理された触媒の存在下にオレフィンと酸素とを反応させる第2工程、を含む酸化オレフィンの製造方法。
【選択図】なし

Description

本発明は、酸化オレフィンの製造方法に関する。
プロピレンオキサイドに代表される酸化オレフィンは、自動車や住宅産業用のポリウレタンフォーム、繊維や建設分野のポリエステル樹脂、アルキレングリコール、医薬品、化粧品の添加剤や熱媒体としても使用されるなど、用途の広い工業的に重要な中間体である。酸化オレフィンの製造方法としては、触媒の存在下、オレフィンと酸素を反応させる工程を含む方法が知られている。例えば、特許文献1には、銅酸化物およびルテニウム酸化物を含む触媒の存在下にオレフィンと酸素とを反応させる酸化オレフィンの製造方法が開示されている。
国際公開第2011/075458号パンフレット
酸化オレフィンの製造において、酸化オレフィンの生成反応開始直後から触媒活性が急速に低下するような触媒安定性の低い触媒を使用する場合、酸化オレフィンの生成反応を制御することが難しく、安定した生産性を維持することが困難となる。上記の文献に記載されるような従来の酸化オレフィンの製造方法において用いられる触媒の安定性は必ずしも十分に満足できるものではなかった。
したがって、本発明の課題は、酸化オレフィンの製造において、触媒活性の低下を抑え、反応開始時から一定の触媒活性を維持することにより長時間安定した収率で酸化オレフィンの製造を行うことができる酸化オレフィンの製造方法を提供することである。
本発明は、以下の[1]〜[10]を提供するものである。
[1]銅酸化物およびルテニウム酸化物からなる群から選ばれる少なくとも1種の酸化物を含有する触媒およびシリル化剤の混合物を150〜400℃で熱処理する第1工程、および
第1工程で熱処理された触媒の存在下にオレフィンと酸素とを反応させる第2工程、
を含む酸化オレフィンの製造方法。
[2]銅酸化物およびルテニウム酸化物からなる群から選ばれる少なくとも1種の酸化物を含有する触媒が、担体に担持されている前記[1]記載の製造方法。
[3]銅酸化物およびルテニウム酸化物からなる群から選ばれる少なくとも1種の酸化物を含有する触媒が、銅酸化物およびルテニウム酸化物を含有する触媒である前記[1]または[2]記載の製造方法。
[4]銅酸化物およびルテニウム酸化物からなる群から選ばれる少なくとも1種の酸化物を含有する触媒が、さらにテルル酸化物を含有する前記[1]〜[3]のいずれか記載の製造方法。
[5]銅酸化物およびルテニウム酸化物からなる群から選ばれる少なくとも1種の酸化物を含有する触媒が、さらにアルカリ金属化合物またはアルカリ土類金属化合物を含有する前記[1]〜[4]のいずれか記載の製造方法。
[6]銅酸化物およびルテニウム酸化物からなる群から選ばれる少なくとも1種の酸化物を含有する触媒が、さらにハロゲン成分を含む前記[1]〜[5]のいずれか記載の製造方法。
[7]銅酸化物およびルテニウム酸化物から選ばれる少なくとも1種の酸化物を含有する触媒とシリル化剤との混合物が、さらに有機溶媒を含む前記[1]〜[6]のいずれか記載の製造方法。
[8]有機溶媒がアルコールである前記[7]記載の製造方法。
[9]シリル化剤がアルキルシラノールである前記[1]〜[8]のいずれか記載の製造方法。
[10]アルキルシラノールがトリメチルシラノールである前記[9]記載の製造方法。
本発明の製造方法によれば、触媒安定性が改善された触媒を用いることにより、酸化オレフィンの生成反応におけるオレフィン転化率の低下を抑制することができ、長時間にわたり安定した収率で酸化オレフィンを製造することができる。
A.第1工程
本発明の酸化オレフィンの製造方法は、銅酸化物およびルテニウム酸化物からなる群から選ばれる少なくとも1種の酸化物を含有する触媒およびシリル化剤の混合物を150〜400℃で熱処理する第1工程を含む。第1工程において、銅酸化物およびルテニウム酸化物からなる群から選ばれる少なくとも1種の酸化物を含有する触媒およびシリル化剤の混合物を熱処理し、触媒表面に存在する水酸基を疎水化することにより、触媒寿命を向上させることができる。このため、かかる工程により得られる触媒を用いる本発明の酸化オレフィンの製造方法においては、触媒活性が低下しにくく、長時間連続的に酸化オレフィンを製造することができる。
〔第1工程で用いる触媒〕
第1工程に用いられる触媒(以下、「触媒(1)」と称する場合がある)は、銅酸化物およびルテニウム酸化物からなる群から選ばれる少なくとも1種を含有する。
銅酸化物は銅の酸化物であり、一般に酸素と銅により構成される物質である。銅酸化物として、具体的にはCuOおよびCuO等が挙げられ、好ましくはCuOである。
ルテニウム酸化物はルテニウムの酸化物であり、一般に酸素とルテニウムにより構成される物質である。ルテニウム酸化物として、具体的にはRuOおよびRuO等が挙げられる。触媒(1)に含まれるルテニウム酸化物は、好ましくはRuOである。
触媒(1)は、銅酸化物およびルテニウム酸化物のうち、いずれか一方のみを含んでいればよいが、本発明の製造方法において触媒(1)は、銅酸化物およびルテニウム酸化物の両方を含有することが好ましい。これらの金属酸化物を含有することにより、触媒活性や酸化オレフィン選択率が向上する。
触媒(1)は、さらに、テルル酸化物を含んでいてよい。
テルル酸化物はテルルの酸化物であり、一般に酸素とテルルにより構成される物質である。テルル酸化物として、具体的にはTeO、TeO、およびTeO等が挙げられる。触媒(1)に含まれるテルル酸化物は、好ましくはTeOである。触媒(1)が銅酸化物およびルテニウム酸化物に加えてテルル酸化物を含むことにより、酸化オレフィン選択率が向上する。
触媒(1)は、さらに、アルカリ金属化合物またはアルカリ土類金属化合物を含んでいてよい。触媒(1)が、アルカリ金属化合物またはアルカリ土類金属化合物を含むことにより、触媒活性や酸化オレフィン選択率が向上する。
アルカリ金属化合物としては、アルカリ金属、例えばナトリウム、カリウム、ルビジウムおよびセシウムを含む化合物が挙げられる。アルカリ金属化合物としては、例えば、アルカリ金属酸化物であってよく、具体的には、NaO、Na、KO、KO、K、RbO、Rb、CsO、Cs、CsO、CsO、Cs、Cs11、CsOおよびCsO等が挙げられる。
アルカリ土類金属化合物としては、アルカリ土類金属、例えばカルシウム、マグネシウム、ストロンチウムおよびバリウムを含む化合物が挙げられる。アルカリ土類金属化合物は、例えば、アルカリ土類金属酸化物であってよく、具体的には、CaO、CaO、MgO、MgO、SrO、SrO、BaOおよびBaO等が挙げられる。
触媒(1)に含まれる、アルカリ金属化合物またはアルカリ土類金属化合物としては、アルカリ金属化合物であることが好ましく、ナトリウム含有化合物であることがより好ましい。触媒(1)は、アルカリ金属化合物およびアルカリ土類金属化合物として、1種のみを含んでいても、異なる2種以上を含んでいてもよい。
さらに、アルカリ金属化合物はアルカリ金属塩であることが好ましく、アルカリ土類金属化合物はアルカリ土類金属塩であることが好ましい。アルカリ金属塩は、例えばNa、K、RbおよびCs等のアルカリ金属イオンとアニオンを含む。アルカリ土類金属塩は、例えばCa2+、Mg2+、Sr2+およびBa2+等のアルカリ土類金属イオンとアニオンを含む。
このような塩におけるアニオンとしては、例えば、F、Cl、Br、I、OH、NO 、SO 2−、CO 2−、HCO およびSO 2−等が挙げられる。中でも、ハロゲンを含むアルカリ金属塩およびアルカリ土類金属塩が好ましく、ハロゲンを含むアルカリ金属塩がより好ましい。
触媒(1)は、さらにハロゲン成分を含んでいてよい。ハロゲンとしては、塩素、フッ素、ヨウ素および臭素が挙げられる。
ハロゲン成分は、通常、ハロゲン含有化合物である。触媒(1)に含まれるハロゲン成分は、触媒(1)に含まれる金属のハロゲン含有化合物であってよい。そのようなハロゲン含有化合物としては、具体的には、CuCl、CuClなどの銅ハロゲン化物;RuClなどのルテニウムハロゲン化物;TeCl、TeClなどのテルルハロゲン化物;ならびにCuOCl、CuClO、ClOCu(ClO、CuO(ClOなどの銅オキシハロゲン化物;RuOCl、RuOCl、RuOClなどのルテニウムオキシハロゲン化物;およびTe11Cl12などのテルルオキシハロゲン化物等が挙げられる。
触媒(1)が銅酸化物およびルテニウム原子の両方を含有する場合、触媒(1)中に含まれる銅原子とルテニウム原子とのモル比(銅:ルテニウム)が、好ましくは1:0.01〜1:50、より好ましくは1:0.1〜1:5、特に好ましくは1:0.2〜1:1となるような比率で銅酸化物およびルテニウム酸化物を含有することが好ましい。銅酸化物とルテニウム酸化物との比率が前記範囲内にある場合、酸化オレフィン選択性をより高めることができる。
触媒(1)がさらにテルル酸化物を含む場合、その含有量は触媒(1)中に含まれる銅原子とテルル原子とのモル比(銅:テルル)が、好ましくは1:0.001〜1:50、より好ましくは1:0.01〜1:1、特に好ましくは1:0.05〜1:0.5となるような比率でテルル酸化物を含有することが好ましい。また、触媒(1)中に銅酸化物が含まれていない場合、触媒(1)中に含まれるルテニウム原子とテルル原子とのモル比(ルテニウム:テルル)が、好ましくは1:0.001〜1:5、より好ましくは1:0.01〜1:1、特に好ましくは1:0.1〜1:0.5となるような比率でテルル酸化物を含有することが好ましい。
触媒(1)がさらにアルカリ金属化合物および/またはアルカリ土類金属化合物を含む場合、その含有量は触媒(1)中に含まれる銅原子とアルカリ金属またはアルカリ土類金属とのモル比〔銅:アルカリ(土類)金属〕が、好ましくは1:0.001〜1:50、より好ましくは1:0.01〜1:10、特に好ましくは1:0.1〜1:5となるような比率でアルカリ金属またはアルカリ土類金属を含有することが好ましい。また、触媒(1)中に銅酸化物が含まれていない場合、触媒(1)中に含まれるルテニウム原子とアルカリ金属またはアルカリ土類金属とのモル比〔ルテニウム:アルカリ(土類)金属〕が、好ましくは1:0.001〜1:10、より好ましくは1:0.01〜1:5、特に好ましくは1:0.05〜1:2となるような比率でアルカリ金属またはアルカリ土類金属を含有することが好ましい。
なお、触媒(1)が、2種以上のアルカリ金属化合物および/またはアルカリ土類金属化合物を含有する場合、上記比率は、触媒(1)に含まれる全アルカリ(土類)金属の総量に対する比率である。
触媒(1)は担体に担持されていることが好ましい。ここで、触媒が担体に担持されているとは、触媒(1)に含まれる銅酸化物および/またはルテニウム酸化物、ならびに、必要に応じてテルル酸化物、アルカリ金属化合物またはアルカリ土類金属化合物およびハロゲン成分(以下、これらをまとめて「触媒(1)構成成分」と称する場合がある)が、担体に担持されていることを意味する。担体は、特に限定されるものではなく、多孔質担体であっても、細孔を持たない担体であってもよく、また、結晶性担体であっても、非晶質担体であってもよい。
担体としては、例えば、アルミナ、シリカ、チタニアおよびジルコニア等の金属酸化物を含む担体が挙げられる。中でも、シリカ担体が好ましい。シリカ担体としては、特に限定されないが、例えば、燃焼法、沈殿法、ゾル・ゲル法およびアーク法等で合成されたシリカやメソポーラスシリカが挙げられる。また、多孔質担体としてゼオライトを用いることもできる。
触媒(1)が担体に担持されている場合、担体に担持されている触媒(1)構成成分の総重量は、担体100重量部に対して、好ましくは0.01〜80重量部である。また、その上限は、担体100重量部に対して、より好ましくは50重量部、特に好ましくは30重量部であり、その下限は、担体100重量部に対して、より好ましくは0.05重量部、特に好ましくは0.1重量部である。担体に対する触媒(1)構成成分の総重量が、前記の範囲内にある場合、オレフィン酸化物の収率をより高めることができる。
担体の形状は特に限定されず、粉末状または必要に応じて所望の形状に成形されたものを用いることができる。
触媒(1)を製造する方法としては、特に限定されるものではなく、当該分野で従来公知の方法、例えば、含浸法、共沈法、ゾル・ゲル法、水熱合成法または析出沈殿法等を用いることができる。例えば、触媒(1)が担体に担持されている場合には、銅イオンおよび/またはルテニウムイオン、必要に応じて、テルルイオン、アルカリ金属イオンおよび/またはアルカリ土類金属イオン、ならびにハロゲンイオンを含む溶液を担体に含浸させた後、得られる物質を焼成することにより、触媒(1)を得ることができる。
前記の銅イオンおよび/またはルテニウムイオン、ならびに必要に応じて上記他のイオンを含有する溶液は、銅金属塩および/またはルテニウム金属塩、必要に応じて、テルル金属塩、アルカリ金属塩および/またはアルカリ土類金属塩、ならびにハロゲン含有化合物を溶媒中で混合し、溶解することにより調製することができる。
銅金属塩として、例えば、酢酸銅、硝酸銅、塩化銅、銅アンモニウム塩化物、銅臭化物、銅炭酸塩、銅アルコキシド、銅水酸化物、銅ヨウ化物、および銅イソブチレート等を用いることができる。中でも、硝酸銅が好ましい。
ルテニウム金属塩としては、例えば、ルテニウム臭化物、ルテニウム塩化物、ルテニウムヨウ化物などのルテニウムハロゲン化物;RuOCl、RuOClおよびRuOClなどのルテニウムオキシハロゲン化物;[RuCl(HO)]Clなどのハロゲノ錯体;[Ru(NHO]Cl、[Ru(NHCl]Cl、[Ru(NH]Clおよび[Ru(NH]Clなどのアミン錯体;Ru(CO)およびRu(CO)12などのカルボニル錯体;[Ru(OCOCH(HO)]などのカルボキシレート錯体;[Ru(OCOR)]Cl(R=炭素数1〜3のアルキル基)などのルテニウムニトロシル塩化物;[Ru(NH-(NO)]Cl、[Ru(OH)(NH(NO)](NOおよび[Ru(NO)](NOなどのニトロシル錯体;アミン錯体;アセチルアセトネート錯体、および(NHRuClなどのアンモニウム塩等が挙げられる。中でも、ルテニウム塩化物が好ましい。
テルル金属塩としては、例えば、TeF、TeBr、TeClおよびTeIなどのテルルハロゲン化物;TeO、TeOおよびTeOなどのテルル酸化物;Te(OCなどのテルルアルコキシド;ならびに、HTeO、HTeO、NaTeOおよびNaTeOなどのテルル化合物等が挙げられる。中でも、テルルハロゲン化物およびテルル酸化物が好ましく、テルル酸化物がより好ましく、TeO(二酸化テルル)が特に好ましい。
アルカリ金属塩またはアルカリ土類金属塩としては、アルカリ金属硝酸塩、アルカリ土類金属硝酸塩、アルカリ金属ハロゲン化物、アルカリ土類金属ハロゲン化物、アルカリ金属酢酸塩、アルカリ土類金属酢酸塩、アルカリ金属ブチレート、アルカリ土類金属ブチレート、アルカリ金属ベンゾエート、アルカリ土類金属ベンゾエート、アルカリ金属アルコキシド、アルカリ土類金属アルコキシド、アルカリ金属カーボネート、アルカリ土類金属カーボネート、アルカリ金属シトレート、アルカリ土類金属シトレート、アルカリ金属フォルメート、アルカリ土類金属フォルメート、アルカリ金属炭酸水素塩、アルカリ土類金属炭酸水素塩、アルカリ金属水酸化物、アルカリ土類金属水酸化物、アルカリ金属次亜塩素酸塩、アルカリ土類金属次亜塩素酸塩、アルカリ金属ハレート、アルカリ土類金属ハレート、アルカリ金属亜硝酸塩、アルカリ土類金属亜硝酸塩、アルカリ金属オキサレート、アルカリ土類金属オキサレート、アルカリ金属パーハレート、アルカリ土類金属パーハレート、アルカリ金属プロピオネート、アルカリ土類金属プロピオネート、アルカリ金属酒石酸塩、アルカリ土類金属酒石酸塩等が挙げられる。中でも、アルカリ金属ハロゲン化物およびアルカリ金属硝酸塩が好ましく、NaNOおよびNaClが特に好ましい。
ハロゲンイオンは、触媒(1)の製造に用いる溶液を構成する金属をその金属のハロゲン化物として溶媒中に溶解することにより溶液中に含めることができる。すなわち、溶液に溶解するハロゲン含有化合物は、銅、ルテニウムまたはテルルのハロゲン化物またはオキシハロゲン化物であってよく、あるいは、アルカリ金属またはアルカリ土類金属のハロゲン化物(例えば、塩化ナトリウムなど)であってよい。したがって、触媒(1)の製造に用いる溶液に含まれる金属塩の少なくとも1つが、ハロゲンイオンを含有していることが好ましい。ハロゲンイオンは、好ましくは塩素イオンである。
触媒(1)を製造するために用いる溶液の溶剤としては、溶液中に含まれる金属塩を溶解し得るものである限り特に限定されず、例えば、水、例えばメタノールやエタノールなどのアルコール等、およびそれらの混合物を用いることができる。
溶液中に含まれる溶媒の量は、銅金属塩1重量部に対して、0.01〜200重量部が好ましい。担体を含んでいる場合、溶液中に含まれる溶媒の量は、担体1重量部に対して、0.01〜500重量部が好ましく、0.1〜100重量部がより好ましい。
さらに、溶液は、溶液のpHを調整するための酸性化合物または塩基性化合物を含んでいてよい。酸性化合物としては、例えば、塩酸、硝酸および過塩素酸等が挙げられ、塩基性化合物としては、例えば、アルカリ金属水酸化物、アミン化合物、イミン化合物、ヒドラジン若しくはヒドラジン化合物、アンモニア、ヒドロキシアミンおよび水酸化アンモニウム等が挙げられる。溶液のpHは、通常、0〜7程度である。
担体への触媒(1)構成成分の担持は、例えば、0〜100℃で、0.01〜48時間、触媒(1)構成成分を溶解させた溶液へ担体を含浸することにより行うことができる。
含浸によって調製される物質を、焼成前に乾燥させることが好ましい。乾燥方法は特に限定されるものではなく、当該分野において従来公知の方法を用いることができる。例えば、風乾、熱風乾燥、真空乾燥、スプレー乾燥、ドラム乾燥、フラッシュジェット乾燥等が挙げられる。乾燥温度は、好ましくは10〜250℃、より好ましくは40〜200℃である。乾燥は、例えば、酸素含有ガス(例えば、純酸素、空気など)の環境雰囲気下または不活性ガス(例えば、アルゴンガス、窒素ガス、ヘリウムガスなど)雰囲気下で、常圧または減圧下で行えばよい。乾燥時間は、好ましくは0.5〜24時間である。乾燥した後、得られた物質を、必要に応じて所望の構造に成形することができる。
得られた物質を焼成することにより、触媒(1)を得ることができる。焼成方法は特に限定されるものではないが、酸素を含有するガス雰囲気下で行うことが好ましい。酸素を含有するガスとしては、空気、酸素ガス、窒素酸化物ガスおよび他の酸化性ガスが挙げられる。これらのガスは、窒素、ヘリウム、アルゴンおよび水蒸気のような希釈ガスと適当な比率で混合した後に使用してもよい。焼成の最適温度は、ガスおよび触媒(1)を構成する成分の種類に依存して変化するが、通常、200〜800℃、好ましくは400〜600℃である。焼成温度が高すぎると銅酸化物およびテルル酸化物の凝集を引き起こす可能性がある。焼成時間は、好ましくは0.5〜24時間である。
〔シリル化剤〕
第1工程で用いるシリル化剤としては、有機化合物の活性な水素を3置換シリル基で置換できるものであればよく、特に限定されない。有機化合物の活性な水素として、典型的な例としては水酸基(−OH)が例示される。
シリル基を有するシリル化剤としては、下記式(I):
−Si−X(4−n) (I)
〔式中、nは、0から3の整数を表し、Rは、同一または相異なる有機残基であり、Xは、活性水素を有する基と反応する基である〕
で表されるシリル化剤が例示される。
式(I)において、Xとしては、例えば、水酸基、ハロゲン原子、水素原子、ヒドロカルビルオキシ基およびシリルイミノ基が例示される。ヒドロカルビルオキシ基としては、アルコキシ基、シクロアルキルオキシ基、シクロアルキルアルキルオキシ基、アルケニルオキシ基、アリールオキシ基、アラルキルオキシ基等が例示される。アルコキシ基としては、メトキシ基、エトキシ基等が例示される。シリルイミノ基としては、トリメチルシリルイミノ基が例示される。
Xで表されるハロゲン原子としては、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子等が例示される。
Rで表される有機残基としては、アルキル基、シクロアルキル基、シクロアルキルアルキル基、アルケニル基、アリール基およびアラルキル基等のヒドロカルビル基が例示される。アルキル基としては、メチル、エチル、n−プロピルトリクロロシラン、n−ブチル、n−ヘキシル、n−デシル、n−ドデシル、n−オクタデシル等の炭素数1〜20のアルキル基が例示される。シクロアルキル基としては、シクロヘキシル基が例示される。アルケニル基としては、ビニル基、アリル基等が例示される。アリール基としては、フェニル基、ナフチル基等が例示される。アラルキル基としては、フェニルメチル、フェニルエチル基等が例示される。
式(I)のシリル化剤として、具体的には、例えば、トリメチルシラノール、トリエチルシラノール、トリフェニルシラノール等の有機シラノール、メチルトリクロロシラン、ジメチルジクロロシラン、トリメチルクロロシラン、エチルトリクロロシラン、ジエチルジクロロシラン、トリエチルクロロシラン、n−プロピルトリクロロシラン、n−ブチルトリクロロシラン、n−ヘキシルトリクロロシラン、n−デシルトリクロロシラン、n−ドデシルトリクロロシラン、n−オクタデシルトリクロロシラン、シクロヘキシルメチルジクロロシラン、フェニルトリクロロシラン、メチルフェニルジクロロシラン、ジフェニルジクロロシラン、フェニルトリクロロシラン、ジフェニルジクロロシラン、メチルトリメトキシシラン、ジメチルジメトキシシラン、トリメチルメトキシシラン、エチルトリメトキシシラン、ジエチルジメトキシシラン、トリエチルメトキシシラン、メチルトリエトキシシラン、ジメチルジエトキシシラン、トリメチルエトキシシラン、エチルトリエトキシシラン、ジエチルジエトキシシラン、トリエチルエトキシシラン、n−プロピルトリメトキシシラン、n−ブチルトリメトキシシラン、n−ヘキシルトリメトキシシラン、n−ヘキシルトリエトキシシラン、n−オクチルトリメトキシシラン、n−オクチルトリエトキシシラン、n−デシルトリメトキシシラン、n−ドデシルトリエトキシシラン、n−オクタデシルトリメトキシシラン、シクロヘキシルメチルジメトキシシラン、フェニルトリメトキシシラン、メチルフェニルジメトキシシラン、ジフェニルジメトキシシラン、フェニルトリエトキシシラン、ジフェニルジエトキシシラン、1,1,1,3,3,3−ヘキサメチルジシラザン、ビニルトリメトキシシラン、ビニルトリエトキシシランおよびその混合物が挙げられる。
式(I)のシリル化剤の中でも、Rが、アルキル基、シクロアルキル基、アリール基およびビニル基からなる群から選ばれる少なくとも1つの基であり、Xが、水酸基、ハロゲンおよびアルコキシ基からなる群から選ばれる少なくとも1つの基であるシリル化剤がより好ましい。
式(I)で表されるより好ましいシリル化剤としては、具体的には、例えば、トリメチルシラノール、トリエチルシラノール、トリフェニルシラノール等の有機シラノール、メチルトリクロロシラン、ジメチルジクロロシラン、トリメチルクロロシラン、エチルトリクロロシラン、ジエチルジクロロシラン、トリエチルクロロシラン、n−プロピルトリクロロシラン、n−ブチルトリクロロシラン、n−ヘキシルトリクロロシラン、n−デシルトリクロロシラン、n−ドデシルトリクロロシラン、n−オクタデシルトリクロロシラン、シクロヘキシルメチルジクロロシラン、フェニルトリクロロシラン、メチルフェニルジクロロシラン、ジフェニルジクロロシラン、フェニルトリクロロシラン、ジフェニルジクロロシラン、およびその混合物が挙げられる。
式(I)で表される特に好ましいシリル化剤は、トリメチルシラノール、トリエチルシラノール、トリフェニルシラノール等の有機シラノールおよびその混合物である。
本発明の第1工程において、シリル化剤は、触媒(1)中に含まれる銅原子とシリル化剤とのモル比(銅:シリル化剤)が、好ましくは1:0.0001〜1:50、より好ましくは1:0.001〜1:20、特に好ましくは1:0.01〜1:15となるような比率で用いることが好ましい。また、触媒(1)中に銅酸化物が含まれていない場合、触媒(1)中に含まれるルテニウム原子とシリル化剤とのモル比(ルテニウム:シリル化剤)が、好ましくは1:0.0001〜1:50、より好ましくは1:0.001〜1:20、特に好ましくは1:0.01〜1:10となるような比率で用いることが好ましい。
〔触媒(1)およびシリル化剤の混合物〕
触媒(1)およびシリル化剤の混合物は、例えば、触媒(1)にシリル化剤を蒸気として接触させることにより、または、シリル化剤を含む溶液と触媒(1)とを接触させることにより得ることができる。
触媒(1)が吸着水を含む場合には、シリル化剤と混合する前に予備処理として、予め触媒(1)を加熱することにより、触媒(1)に含まれる吸着水を除去しておくことが好ましい。これにより、一般的に水分に対して不安定なシリル化剤の分解を抑制することができる。触媒(1)の吸着水を除去するための加熱処理の温度は、例えば150〜300℃程度である。
シリル化剤を蒸気として触媒(1)と接触させて混合物を得る場合、具体的には、例えば、以下のような手順を採用することができる:触媒(1)を密閉容器内に収容した後、必要に応じて予備処理として150〜300℃程度の温度で加熱することにより、触媒(1)に含まれる吸着水を除去して、その後減圧状態とした密閉容器内にシリル化剤の蒸気を導入し、所定時間保持する;次いで、容器から余剰のシリル化剤の蒸気を減圧操作等で除去し、触媒を80〜150℃程度の温度で加熱し、容器内にアルゴン等の不活性ガスを導入し、再度減圧操作を行う;最後に、不活性ガスが充填された状態で、シリル化剤と触媒(1)の混合物を容器外に取り出す。さらに、取り出した混合物中の触媒に、余剰のシリル化剤が残存している場合には、必要により水や有機溶媒等を用いて洗浄してもよい。洗浄は、余剰のシリル化剤が除去される程度まで実施すればよい。
シリル化剤を溶媒に溶解し、シリル化剤を含有する溶液と触媒(1)とを接触させて混合物を得る場合、具体的には、シリル化剤を溶解し得る溶媒にシリル化剤を溶解し、この溶液中に、触媒(1)を浸漬する方法を採用することができる。触媒(1)が吸着水を含む場合には、シリル化剤と混合する前に予備処理として、予め触媒(1)を150〜300℃程度の温度で加熱することにより、触媒(1)に含まれる吸着水を除去しておくことが好ましい。これにより、一般的に水分に対して不安定なシリル化剤の分解を抑制することができる。
本発明の第1工程においては、触媒(1)およびシリル化剤の混合物が、さらに有機溶媒を含むことが好ましい。有機溶媒は、シリル化剤を溶解することができれば特に限定されないが、例えば、メタノール、エタノールおよびトルエン等の有機溶媒が挙げられる。
シリル化剤を溶解した溶液に触媒(1)を浸漬する温度は、0〜150℃であることが好ましい。また、浸漬時間は、0.1〜48時間が好ましく、0.5〜24時間がより好ましい。
触媒(1)とシリル化剤とを接触させる際、酸やアルカリを添加することができる。酸としては、例えば、塩酸、硫酸および硝酸等が挙げられる。アルカリとしては、例えば、水酸化ナトリウム等の水酸化アルカリ金属が挙げられる。
必要に応じて濾過することにより触媒(1)およびシリル化剤の混合物を分離し、分離した混合物を水や有機溶媒等を用いて洗浄してもよい。
上記のような方法により得られる混合物を必要に応じて乾燥させ、その後、熱処理することにより、触媒の存在下にオレフィンと酸素とを反応させる本発明の第2工程に用いる触媒(以下、「本触媒」と称する場合がある)を得ることができる。乾燥方法は、特に限定されるものではなく、例えば、10〜150℃で、0.1〜48時間で行うことができる。
〔混合物の熱処理〕
本発明において、触媒(1)およびシリル化剤の混合物の熱処理は、150〜400℃の温度範囲で行う。熱処理の温度は、より好ましくは170〜380℃であり、特に好ましくは200〜350℃である。熱処理の方法は、特に限定されるものではないが、酸素を含有するガスや窒素、ヘリウム、アルゴン等の雰囲気下で行うことができる。酸素を含有するガスとしては、空気、酸素ガス、窒素酸化物ガスおよび他の酸化性ガスが挙げられる。これらのガスは、窒素、ヘリウム、アルゴンおよび水蒸気のような希釈ガスと適当な比率で混合した後に使用してもよい。
熱処理の時間は、好ましくは0.5〜48時間、より好ましくは1〜24時間である。
本触媒は粉体として使用することができるが、通常、球形、ペレット、柱形、リング形、中空柱形または星形のような所望の構造に成形することができる。成形は、例えば押出し、ラム押出し、錠剤成形のような公知の方法によって行うことができる。成形は、通常、焼成の前に行うが、焼成後に行うこともできる。
B.第2工程
本発明の酸化オレフィンの製造方法は、第1工程で得られた触媒(本触媒)の存在下に、オレフィンと酸素とを反応させる第2工程を含む。
第2工程において、例えば2〜10個の、好ましくは2〜8個の炭素原子を有する直鎖状または分枝状のオレフィンを用いることができる。具体的には、例えば、エチレン、プロピレン、ブテン、ペンテン、ヘキセン、ヘプテン、オクテン、およびブタジエンが挙げられる。中でも、プロピレンおよびブタンが好ましく、プロピレンがより好ましい。
一般的に、第2工程の反応は気相中で行う。この反応において、オレフィンおよび酸素を、それぞれガスの形態で供給してもよい。この場合、オレフィンガスおよび酸素ガスを、それらの混合ガスの形態で供給することもできる。さらに、これらのガスを希釈ガスと混合して供給してもよい。希釈ガスとしては、例えば、窒素、アルゴンおよびヘリウムのような希ガス、二酸化炭素、水蒸気、メタン、エタンおよびプロパン等を用いることができる。好ましい希釈ガスは窒素および二酸化炭素である。
酸素源としては、純粋な酸素を使用してもよく、あるいは空気のような反応に不活性なガスと純粋酸素とを含有する混合ガスを使用してもよい。不活性ガスの例としては、窒素、希ガス(例えば、アルゴンおよびヘリウムなど)、二酸化炭素、水蒸気、メタン、エタンおよびプロパンが挙げられる。不活性ガスとしては、窒素および二酸化炭素が好ましい。
使用する酸素の量は、反応の型、触媒の種類、反応温度などに依存して変化するが、オレフィン1モルに対して、通常0.01〜100モル、好ましくは0.03〜30モル、より好ましくは0.05〜10モル、特に好ましくは0.25〜10モルである。
第2工程の反応は、例えば100〜350℃、好ましくは120℃〜330℃、より好ましくは170〜310℃の温度で行うことができる。
反応は、通常、減圧ないし加圧の範囲の反応圧力下で行う。かかる反応圧力条件下で反応を行うことによって、酸化オレフィンの生産率および選択率を改善することができる。ここで、減圧とは大気圧よりも低い圧力を意味し、加圧とは大気圧よりも高い圧力を意味する。第2工程の反応における圧力は、絶対圧で、例えば0.01〜3MPaの範囲、好ましくは0.02〜2MPaの範囲である。
反応は、バッチ式で行っても、連続式で行ってもよいが、工業的には連続式で行うことが好ましい。第2工程の反応は、オレフィンおよび酸素を混合した後、その混合物を減圧ないし加圧下で触媒と接触させることにより行ってもよい。
反応器の型は特に限定されず、例えば、流動床反応器、固定床反応器、移動床反応器などを用いることができる。好ましくは固定床反応器である。固定床反応器を使用する場合は、単管反応器または複数管反応器を利用することができる。1個よりも多い反応器を使用することができる。反応器の数が多い場合は、例えばマイクロリアクターのような、複数のチャネルを有することができる小さな反応器を使用することができる。また、断熱型または熱交換型を使用してもよい。
第2工程終了後、例えば、反応器から取り出した気相または液相の物質を蒸留分離することにより、酸化オレフィンを得ることができる。
本発明の製造方法は、例えば2〜10個の単素原子を有する直鎖または分枝状の酸化オレフィンの製造に適しており、2〜8個の炭素原子を有する直鎖または分枝状の酸化オレフィンの製造に特に適している。そのような酸化オレフィンとしては、例えば、エチレンオキサイド、プロピレンオキサイド、ブテンオキサイド、ペンテンオキサイド、ヘキセンオキサイド、ヘプテンオキサイドおよびオクテンオキサイド、3,4−エポキシ−1−ブテン等が挙げられ、エチレンオキサイド、プロピレンオキサイドおよびブテンオキサイドがより好ましく、プロピレンオキサイドがさらに好ましい。
下記の例中で用いた分析方法は、以下のとおりである。
実施例1
〔触媒の製造〕
触媒は含浸法により調製した。0.22gの(NHRuCl(Alfa製)、0.30gのCu(NO)(和光純薬工業株式会社製)、0.025gのTeO(和光純薬工業株式会社製)、0.10gの塩化ナトリウム(和光純薬工業株式会社製)をイオン交換水40gに加えて撹拌した後、非晶質シリカ(1.9g;SiO、日本アエロジル株式会社製、380m/g)を加え、空気雰囲気下、24時間、室温で撹拌した。得られたスラリーを100℃で1時間乾燥し、さらに500℃で12時間焼成して、以下の組成を有する触媒を得た。
〔触媒の組成〕
Ru/Cu/Na/Teのモル比:0.8/1/1.4/0.2
Ru、Cu、NaおよびTeの総重量:100重量部のSiOに対して13重量部
次いで、得られた触媒にエタノール0.5gとトリメチルシラノール0.002gとの混合液を加え、スパチュラを用いて激しく混合した。混合後、60℃で20時間乾燥させ、300℃で2時間焼成した。
(トリメチルシラノール由来のSi)/(触媒に含まれるCu)のモル比=0.04
〔プロピレンオキサイドの製造〕
触媒を、固定床反応器を用いて評価した。石英ガラス製の0.6インチOD反応管に調製した触媒1mlを満たし、この反応管に、プロピレンを7.5ml/分の供給速度で、空気を15ml/分の供給速度で、窒素ガスを16.5ml/分の供給速度でそれぞれ供給して、内温250℃、常圧で反応を行った。
〔触媒の評価〕
プロピレン転化率の低下速度を触媒寿命の尺度として、触媒の評価を行った。
プロピレンオキサイドの生成反応開始から2時間おきに出口ガス(反応後のガス)をサンプリングし、上記活性試験と同様にして6時間反応を行い、プロピレン転化率を求めた。得られた転化率のデータを、反応時間を横軸に、転化率を縦軸にプロットし、最小二乗法により算出した傾きを転化率低下速度(%/h)とした。
実施例2
0.004gのトリメチルシラノールを用いた以外は、実施例1と同様の操作により触媒を調製し、評価した。結果を表1に示す。
比較例1
〔触媒の製造〕
触媒は含浸法により調製した。0.22gの(NHRuCl(Alfa製)、0.30gのCu(NO)(和光純薬工業株式会社製)、0.025gのTeO(和光純薬工業株式会社製)、0.10gの塩化ナトリウム(和光純薬工業株式会社製)をイオン交換水40gに加えて撹拌した後、非晶質シリカ(1.9g;SiO、日本アエロジル株式会社製、380m/g)を加え、空気雰囲気下、24時間、室温で撹拌した。得られたスラリーを100℃で1時間乾燥し、さらに500℃で12時間焼成して、以下の組成を有する触媒を得た。
得られた触媒は、実施例1と同様の操作により評価した。結果を表1に示す。
〔触媒の組成〕
Ru/Cu/Na/Teのモル比:0.8/1/1.4/0.2
Ru、Cu、NaおよびTeの総重量:100重量部のSiOに対して13重量部
Figure 2014101296
本発明の製造方法(実施例1および2)においては、プロピレンオキサイドの生成反応におけるプロピレン転化率の低下速度が非常に緩やかであった。このため、本発明の製造方法においては、プロピレンオキサイドの生成反応開始直後から一定のプロピレン転化率を安定して維持することができ、プロピレンオキサイドの反応を制御しやすく、一定の収率を維持しながら安定的に酸化オレフィンを製造することができる。これにより、物性のバラツキが少なく品質のよい酸化オレフィンを提供することができる。これに対して、本発明の第1工程を含まない製造方法(比較例1)においては、プロピレンオキサイドの生成反応開始後からプロピレン転化率が急速に低下するため、プロピレンオキサイドの反応を容易に制御することができず、一定の収率を維持して安定的に酸化オレフィンを製造することが困難となる。
本発明によれば、オレフィン転化率の低下を抑制し、長時間にわたり安定した収率で酸化オレフィンを製造することができる。

Claims (10)

  1. 銅酸化物およびルテニウム酸化物からなる群から選ばれる少なくとも1種の酸化物を含有する触媒およびシリル化剤の混合物を150〜400℃で熱処理する第1工程、および
    第1工程で熱処理された触媒の存在下にオレフィンと酸素とを反応させる第2工程、
    を含む酸化オレフィンの製造方法。
  2. 銅酸化物およびルテニウム酸化物からなる群から選ばれる少なくとも1種の酸化物を含有する触媒が、担体に担持されている請求項1記載の製造方法。
  3. 銅酸化物およびルテニウム酸化物からなる群から選ばれる少なくとも1種の酸化物を含有する触媒が、銅酸化物およびルテニウム酸化物を含有する触媒である請求項1または2記載の製造方法。
  4. 銅酸化物およびルテニウム酸化物からなる群から選ばれる少なくとも1種の酸化物を含有する触媒が、さらにテルル酸化物を含有する請求項1〜3のいずれか記載の製造方法。
  5. 銅酸化物およびルテニウム酸化物からなる群から選ばれる少なくとも1種の酸化物を含有する触媒が、さらにアルカリ金属化合物またはアルカリ土類金属化合物を含有する請求項1〜4のいずれか記載の製造方法。
  6. 銅酸化物およびルテニウム酸化物からなる群から選ばれる少なくとも1種の酸化物を含有する触媒が、さらにハロゲン成分を含む請求項1〜5のいずれか記載の製造方法。
  7. 銅酸化物およびルテニウム酸化物から選ばれる少なくとも1種の酸化物を含有する触媒とシリル化剤との混合物が、さらに有機溶媒を含む請求項1〜6のいずれか記載の製造方法。
  8. 有機溶媒がアルコールである請求項7記載の製造方法。
  9. シリル化剤がアルキルシラノールである請求項1〜8のいずれか記載の製造方法。
  10. アルキルシラノールがトリメチルシラノールである請求項9記載の製造方法。
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